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メルビン「むう。いちめん 霧に
かこまれているようで ござるな。
メルビン「魔物が ちかづいてきても
これでは よくわからぬ。
気をつけられよ アルスどの。
ガボ「ブルブルブルッ! なんか
さむいぞ ここ。
ガボ「なあ はやく あったかいモン
いーっぱい食べて
フカフカのベッドで ねようぜ!
アイラ「すごい霧……。
はぐれないように 気をつけて。
メルビン「おお! ようやく村に
ついたでござるな。
メルビン「霧で 体がひえてしもうた。
アルスどの 今日はゆっくり
フロに 入りたいでござる。
アイラ「ふぅん シケた村ねえ。
アイラ「それにしても 村の中まで
霧が出てるなんて
ちょっとヘンじゃない?
ガボ「しずかな村だなあ。
オラ もーちょっと
にぎやかなのが 好きだぞ。
アルスは 立て札を 読んだ。
”レブレサックの村
*「…………?
*「あんたたち! 旅の人だね!
外から来たのか!?
この霧の 向こうから!?
はい/いいえ | |
---|---|
はい/いいえ |
*「どこから来たんだ!? *「弟が村の外へ 行ったっきり *「もし 魔物に会ったら……。 *「弟は 南に向かったはず。 |
ガボ「あの おっちゃんの弟
どっか いなくなっちまった
みたいだな。
ガボ「聞いちまうと ちょっと
心配だよなあ。
メルビン「こうしては おられぬぞ
アルスどの!
メルビン「いたいけな 村人が
魔物に 食われるやも知れぬ!
助けにゆくでござる!
アイラ「わたしたちが 来たことに
おどろいてたみたい。
アイラ「どういうことなの?
*「お日さまがあ 霧に
かくれてたんじゃ 畑は
育たねえよ。しょうがねえ。
*「でも 他にい できることも
ないからさあ。
おれはあ たがやすんだ。
ガボ「霧のせいで 村のみんな
こまってるのかあ。
オイラも 霧 キライだ。
*「ええ うちの子はね
この いまいましい霧は
きっと 魔物のせいだって。
*「そう言って 魔の山へ
行っちまったんですよ。
やっつけてやるってね。
*「それが…… それきり。
ああ どうして 魔物なんて
この世に いるんだい!
アイラ「わたしたち イヤな話を
させたかもしれない。
ちょっと 気まずいわ。
メルビン「この方々の ご家族は
助けられなんだが
助けられる者も いるでござる!
メルビン「ゆくえの知れぬ 村人を
いそいで 助けにゆくでござる!
*「兄さんは 山の魔物を
やっつけるって 出てったきり。
*「いっしょに行った 神父さまも
木こりの夫婦も
それっきり 戻らない。
*「あたしには 父さんと母さんが
いるけど ルカスは
ひとりに なっちゃったの。
ガボ「山! 魔物 山にいる!
ガボ「アルス!
やっつけに いくぞ!!
アルスは 立て札を 読んだ。
”おいしい 山菜料理
山の こだま亭
*「あいにくの 霧で
山菜を取りにゆけなくって
困ってましてねぇ。
*「山菜料理は ちょっと
お出し できませんの。
すみませんねえ。
*「ここんとこ お客さんも
サッパリですよ。
*「霧に魔物に ああもう!
誰か なんとかしてくれ!
アルスは 立て札を 読んだ。
”よろず とりあつかい
どうぐ屋は こちら!
*「もー うちであそぶの
あきちゃったよう!
そとで あそびたいよう!
*「ダメよ! 何言ってるの。
外は 危ないんだから!
魔物に 食べられちゃうわよ!
*「村の外は 魔物が出るし
村の教会には 魔物が
住みついてるし。
*「うちの子は 外で
遊びたがってるけど
とんでもない! 出しませんよ!
*「すいません たいしたもん
ないでしょう?
*「どうにも この霧で
仕入れが できなくって。
すみません お客さん。
*「見てろよ いまに
カタキは うってやる。
*「神父さまの 服なんざ着たって
おれは だまされねえぞ。
この霧も あいつのせいなんだ。
*「ぶつぶつ……。
アイラ「霧に 魔物ね。
だまって見てるわけには
いかないんじゃない?
*「こわいわ あの魔物が
教会に住みついてから
もう 何日になるのかしら。
*「今は おとなしくしてるけど
何をしでかすか
わかったもんじゃない!
*「本当に あんなやつ
さっさと 男どもが
やっつけちまえば いいんだよ。
*「寝てる間にでも
教会に 火でもつけりゃ
イチコロさね。
*「ルカスおそいよー。
あそぶ やくそく
わすれちゃったのかなー。
*「やつは 何を考えているか
わかったモンじゃない!
*「今のうちに やっつけちまえば
いいんですよ!
*「教会のバケモノを
なんとかしたいのは わしも
同じだ。しかし考えてみろ。
*「村いちばんの つわものと
腕じまんの木こりの夫婦
それに神父さまさえ 倒したやつだ。
*「ヘタに手を出しても
かえりうちに……ん?
*「すみませんが 今は
とりこみ中でしてな。
後に していただきたい。
*「魔の山のとびらは かたく
閉ざされているはずなのに
どこからか魔物が やってくるの。
*「きっと 教会の魔物が
手引きしてるんだわ。
ああ おそろしい!
*「おいたわしや 神父さま。
魔物に 命をうばわれたばかりか
教会まで……。
*「今は お借りしている
この部屋が われらの教会です。
さあ……。
(教会)
*「わたくしたちは 教会から
逃げ出して こちらに
かくまわれて おりますの。
*「なぜって? 教会は
おぞましい姿の 魔物に
乗っ取られて しまったのです!
*「シスターも かわいそうに。
神父さまが死んでしまった上
教会を 追い出されるとは。
*「ちくしょう バケモノめ!
なんのつもりだ!?
*「あら? うちの娘の
姿が 見えないわね。
*「まさか 外へ出ては
いないと思うけど。
心配だわ。
*「おれの息子が やられたんだ。
だまっちゃ いられないよ。
……ん?
*「見かけない顔だな。
あんたがた 旅の人なら
忠告してやろう。
*「いいか 教会には
ぜったいに 近づくんじゃないぞ!
命が おしければな。
*「神父さまと あんたの息子
それに 木こり夫婦が
ぎせいになったというのにのう。
*「おや 旅の人かね?
悪いときに 来なさったのう。
今 このあたりは ひどいありさま。
*「村中 白い霧に おおわれ
村の外には
魔物がウヨウヨしておる。
*「教会の バケモノ
いったい 何をたくらんでやがる!
……ん?
*「めずらしいな 旅の人かい?
ああ この村の教会は
魔物に のっとられちまったのさ。
*「逃げ出したシスターが
村長さんの家に かくまわれてるぜ。
まったく かわいそうに……。
*「池の魚たちも
なんだか 元気がなさそうなの。
これも 霧のせいなのかしら?
黄金色に かがやく
女神像がある……。
アイラ「キレイな 女神像……。
見ていると 心がおちつくわ。
ガボ「う〜ん どっかで見たこと
あるような気が すんだけど
アルス おぼえてっか?
メルビン「あの女神像には なにか
神聖なチカラを 感じるでござる。
どなたの持ち物なのでござろう?
アルスは 墓石を調べた。
”神父さまの墓
アルスは 墓石を調べた。
”ゆうかんなる わかものの墓
*「…………。
少年は ねっしんに
祈りをささげている。
今は 話しかけても
ムダのようだ。
アイラ「あの お墓。
まさかあの子の家族のじゃ
ないといいんだけど……。
ガボ「返事くらいしてくれたって
いいのになあ。
アイツ 何してたんだろ?
メルビン「アルスどの
村人に 話を聞くのもいいが
いそいでくだされ!
メルビン「村の外で われらに
助けを求めているものが
いるでは ないか!
アルスは 墓石を調べた。
”木こり一家の墓
アルスは 本だなを調べた。
本だなには 農業の本が
たくさん つまっている。
※レブレサックを訪れる前でもセリフは同じ
*「ここから 南の町へ
行けると思ったのに。
*「ちくしょう ここも霧に
戻されちまう!
アイラ「戻されるって
どういうことなんだろう?
メルビン「魔物も 出るというに
ひとりきりで歩くとは
危険でござる!
メルビン「アルスどの あの方を
村まで つれて帰るでござる!
ガボ「お! だれかいるぞ!
*「あんたたち! 旅の人かい!?
この先は 通れないよ。
*「南の町へ行こうと
道を進んでも
霧に 戻されちまうんだ!
*「なんだよ おれのいうこと
信じてないな。
…………!
*「ケケケケケ!
ニンゲンのにおいだぁ〜。
*「キキキキキ!
たあっくさん いるぞぉ〜。
*「ヒヒヒヒヒ!
食っちまおうかぁ〜?
*「うわあああっ!
たたたたた 助けてぇ!
メルビン「見ておれ 魔物ども!
わが剣の サビにしてくれる!
アイラ「いそいで! あの人を
助けるよっ!
ガボ「よーっし いっくぞー!
アルス オイラに
まかせとけ!
*「もうダメだ! 食べられちまう!
やっぱり 兄さんの言うとおり
村の外へ 出るんじゃなかった!
アルスは 立て札を 読んだ。
”魔物に ちゅうい!
南に行こうとすると
*「おっと!
逃がしゃ しないぜ!
北に戻ろうとすると
*「ひ ひどいじゃないか!
コシがぬけて 動けない
ぼくをおいて 逃げるのか!?
*「なにかご用ですかあ?
ヒヒヒヒヒヒ!
先に食べて ほしいのかぁ?
*「ニンゲンを食ったら
神父さまに 怒られちまうぞ。
キキキキキ!
*「だいじょうぶさ。
バレないように 骨まで
食っちまえばな!
フォレストガード戦
メルビン「罪もない村人を 襲うとは
許せんでござる!
アルスどの 準備は よろしいか!?
アイラ「通りがかったからには
見過ごすわけには いかない。
魔物には 悪いけどね。
ガボ「ずいぶん ちびっちゃいのが
出てきたなあ〜。
まっ でも 油断はできねえな。
*「すごい! 魔物を
倒しちゃうなんて!
*「ありがとうございます。
……そうだ! この人たちなら
もしかしたら……。
*「そうだよ! きっと
この人たちなら あの神父だって
やっつけられるさ!
*「さっそく 村長さんに
相談しに行かなくっちゃ!
アイラ「神父を やっつける?
アルス いちど村まで
戻ってみない?
ガボ「ありゃりゃ いっちゃった。
ひとりで だいじょぶなのか?
あのオッチャン。
メルビン「どうやら 村にもどった
ようでござるな。
われらも 村へ向かうでござる。
アイラ「村で なにかが
起こってるみたいだね。
アイラ「アルス いちど村まで
戻ってみない?
メルビン「ひとまずは 事なきを
えたでござるが
村のほうが 気になるでござる。
メルビン「さきほどの戦いの
キズも いやさねばならぬし
いちど 村へ もどるでござる。
ガボ「さっきのオッチャン
ちゃんと村に 帰れたかなあ?
ようす 見にいこうぜ!
ガボ「もしかすっと お礼に
ごちそう いっぱい
食べさせて くれっかもな!
メルビン「さきほどの 村人は
たしか 村長どのに話があると
言っていたはず。
メルビン「村長どのの家を
たずねては いかがでござろう?
ガボ「オッチャン どこだ?
このへんには いないなあ。
*「あんたたちだろ
弟を 助けてくれたのは!
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「すごいなあ 魔物と |
いいえ | ※いいえを取り忘れた |
ガボ「そんっちょさ〜ん♪
そんっちょさんち〜は どっこ
でぇ〜す かあ〜っ♪
ガボ「へへっ アルス!
オイラ 歌 ウマイだろ!
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
ガボ「だろ! じゃ 2ばん! ガボ「そんっちょさ〜ん♪ |
いいえ |
ガボ「そっかあ? うーん もっと |
アイラ「村長さんの家で 何を
話してるんだろうね?
アイラ「それにしても この村
ずいぶん 暗いカンジ。
どうも おちつかないわ。
*「さっきねえ ものすごい
いそいでひとが きたのー。
*「ルカスも はやくこないかな。
*「ほんとうですって!
だから あいつだって
ぜったい 倒せますよ!
村長「まあ おちつけ。
それで その旅人は?
*「そうだ。ちゃんと村まで
お連れしたんだろうな。
*「…………えっと。
それが その。
村長「まったく!
この おっちょこちょいめ!
……おや? もしや あなたがたは。
*「あーっ! みなさん!
村長 この人たちですよ!
さあ こっちへ来てください!
*「この人たちが 魔物から
ぼくを助けてくれたんです。
*「すっごく 強かったんですよ。
だから きっとやつも
やっつけて くれますよ!
村長「もうしわけないが 旅の方。
わしに 事情を説明して
下さらんか?
ガボ「村長さん オラたちのこと
ほめてくれるかなあ。
アイラ「わたしたちの 代表は
アルスなんだから
アルスが 村長さんに話してね。
メルビン「村長どのに さきほどの
戦いのことを 話すでござる。
メルビン「わしの かつやくも
よろしくでござる!
行こうとすると
村長「どちらへ行かれます?
まだ 話が
終わっておりませんぞ。
*「見たとこ あんまり強そうじゃ
ないってえのに。
あんたら すごいな。
*「すみません みなさんを
置いて 帰っちゃって。
*「ぼく みんなから
おっちょこちょいだって
よく 言われるんです。
アルスは 村長に
事情を せつめいした。
村長「ふむ……ふむ。
なるほど そうでしたか。
村長「実は みなさんの腕を
見こんで 頼みたいことが
あるのです。
村長「しばらく前から 教会に
住みついている魔物。やつを
退治して いただけませんか。
村長「この霧も 村の外に出る
魔物たちも あやつのしわざ。
やつさえ 倒せば……。
村長「お願いします。
どうか 力を貸してください!
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
村長「おお! ありがとうございます。 村長「もちろん われわれも 村長「村人と あなたがた 村長「まずは 集まって 村長「では のちほど! |
いいえ |
村長「ううむ……。ことわる前に 村長「あやつが われらに 村長「われわれは 集まって 村長「そのとき もういちど |
ガボ「教会に住んでるヤツが
悪いんだな!
よーし やっつけてやる!
アイラ「村長さんの 言うとおり
すこし 村の人たちに
話を聞く 必要があるわね。
アイラ「教会の魔物のこと
戦う前に 知っておいたほうが
あとで 役にたつだろうし。
メルビン「ここは 村人のため
ひとはだ ぬぐでござる!
メルビン「魔物のいのちも
こよいかぎりでござる!
わっはっは!
村長「寝こみを おそうのが
やはり 確実か。ううむ。……。
村長「考えをまとめたいので
しばらくは 村のものと
話してみて下さい。
アイラ「どうして 教会に魔物が?
アルス 教会へ行ってみようよ。
メルビン「教会の魔物には
村人たちも ハラをたてて
いるようでござるな。
メルビン「いったい 何があったので
ござろうか?
ガボ「魔物は 教会だな!
いっくぞー アルス!
アイツを やっつけるんだ!
*「教会の魔物は ぶきみなやつだ。
あばれるでもなく
とじこもったきり。
*「どうせ何か 悪だくみを
してるんだろうがな。
*「村いちばんの つわものと
腕じまんの木こりの夫婦
それに神父さま。
*「魔の山へおもむいた
4人は戻らず かわりに
教会のバケモノが やってきた。
*「あいつの着ている
神父の服は きっと
死んだ 神父さまのものですよ!
ガボ「ホンモノの 神父さま
死んじまったのか……。
ガボ「アルス! オラたちで
カタキ とってやろうぜ!
*「魔の山には 昔から
魔物が住むって ウワサがあるの。
だから 扉を作ったのよ。
*「がんじょうな扉に カギをかけて。
おかげで ずっと村は
平和だったの。
*「なのに 霧が出てからというもの
扉は 閉めてあるのに
魔物が やってくるのよ。
*「きっと 教会の魔物のせいだわ!
ああ おそろしい!
*「この村の 神父さまは
すばらしいお方でしたわ。
それなのに……。
*「魔の山へ 村人と
出向かれて それきり
戻られないのです。
*「この霧も魔物のしわざ。
退治すればいいと
おっしゃって 山へ。
*「きっと 今ごろは
神のみもとで やすらいで
いられるのでしょう。
アイラ「死んだ神父さまは
ずいぶん りっぱな人だった
みたいだね。
アイラ「神父さまの話をするとき
すごく悲しそうだった。
*「教会の魔物?
あいつは 許せないね。
神父の服なんか着やがって!
*「さっさと 退治するべきだよ。
*「もう! うちの娘ったら
どこに 行ったのかしら。
*「まさかとは 思うけど
教会なんかに 行ってなきゃ
いいんだけど。
*「あっ! ルカス!
*「なあんだ ちがったあ。
だあれ? おじいちゃんの
おともだち?
*「話は 聞いたよ。
あんたたち 教会の魔物も
退治しておくれよ!
*「でないと 今に 村中の人間が
あいつに 殺されちまうよ!
*「あなたたち 魔物と
戦ったんですってね。
*「教会の魔物も
やっつけてくれるんでしょ?
*「おれの息子は 強かったよ。
だから 村のために
魔物を退治しに行って……。
*「なあ あんたたち!
息子のカタキ
うってくれるんだろ!?
*「神父さまと この人の息子
それに 木こり夫婦は
村のため ぎせいになったんじゃ。
*「村中の白い霧も 魔物たちも
魔の山から 出てきておる。
元凶を 退治しに行ってな。
*「教会の魔物が きっと
わざわいの元。
旅の方 力を貸してくだされ!
メルビン「ううむ これは
ほっては おけぬでござる!
メルビン「アルスどの! すぐにでも
教会の魔物を やっつけるでござる!
*「教会の バケモノは
死んだ4人のかわりに
魔の山を 降りてきた。
*「あいつがみんなを 殺したんだ。
今は おとなしくしてるが
そのうち 暴れだすさ。
*「池の上の家は 木こりの
一家のものです。
*「でも 木こり夫婦は
魔の山に 魔物退治に行って
死んでしまったの。
*「だから 今では
小さなルカスだけが
住んでいます。かわいそうに。
*「ルカス? 墓地じゃないかしら。
毎日 お祈りしてるのよ。
*「もう! ルカスはそとで
あそんでるのにい。
ずるいよー。
*「ルカスは ひとりぼっちで
なんでもしなきゃならないの!
あなたとは 違うのよ。
*「ルカスのご両親が 生きてれば
外になんか 出しませんよ!
*「うちの娘と 同じ年頃なのに
ルカスがふびんでねえ。
*「それもこれも 教会の
魔物のせいですよ。
腹立たしいったら!
*「すいません たいしたもん
ないでしょう?
*「この霧で 仕入れができなくて。
あいつを こらしめるにも
いい武器が なくってねえ。
*「弟を 助けてくれて
ほんとうに ありがとう。
*「……えっ 村長さんが
そんなことを?
そうか いよいよ……。
*「教会のバケモノめ。
あんたたちが 力を
貸してくれれば イチコロさ!
*「お客さんがた どうか
教会の魔物を 退治して
下さいよ。
*「そしたら おいしい食事
ごちそうしますから。ね?
*「ここんとこ お客さんも
サッパリですよ。
でも やつがいなくなれば。
*「霧も魔物も 消えて
元どおり お客さんが
来てくれると 思うんですよ!
*「あいつさえ やっつければ
お日さまが 戻るんならあ
おらだって やってやるとも。
*「教会の バケモノめ。
みてろお。このクワを
おみまいしてやる!
メルビン「おお さきほどの。
アルスどの ここはひとつ
話をしてみるでござる!
アイラ「さっきの子供ね。
なんだか ワケありみたいだけど。
※ルカス不在時にもこれらのセリフを話す
*「父さん……母さん……。
ぼくは きっと
ふたりの カタキをうちます。
*「だからどうか 安らかに……。
*「なんだよ 毎日毎日!
何のつもりだよっ!
*「お前なんか こわくない。
見てろ いつかぼくは
父さんたちの カタキをうつ!
*「いっそ ぼくも食べろよ!
父さんと 母さんと
同じように……。
*「ちくしょう……。
メルビン「魔物といえども
子供には 手をださぬとは。
……ふうむ?
メルビン「アルスどの あの子に
すこし話を 聞いてみるでござる。
アイラ「あの子の 両親も
魔物に……。
アイラ「かわいそうに。
なにか チカラになれると
いいんだけど。
ガボ「あの子に なんかしたら
オイラ とびだして
助けようと思ってたのに……。
ガボ「なんで だまって
行っちゃったんだ?
アイツ わるいやつだろ?
*「…………。
神父の服を着た魔物は
悲しそうに こちらを見ている。
ガボ「魔物なのに イヤなニオイ
ぜんぜん しなかったぞ。
ヘンだなあ……。
メルビン「どうも おかしい。
魔物というのに 邪悪な気が
まったくないとは。
メルビン「アルスどの
さっきの子供に すこし話を
聞いてみるでござる。
アイラ「わたしたちにも なんにも
手出し しなかった。
どういうこと?
アイラ「姿は たしかに魔物にしか
見えないんだけど。
……なにか ありそうね。
アルスは 本だなを調べた。
本だなには 聖書や 神学の本が
きちんと 並べられている。
*「あのバケモノ……
ほんとうに あいつは
魔物なんだろうか。
*「見た目は おそろしいけど
悪さもしないし。
……ちがう! そんなはずはない。
*「ああ 女神さま お母さん
わざわいから ぼくと
村の人たちを 守ってください。
*「?
誰だい きみたち。
*「きみたち……。
ああ お墓ですれ違ったね。
ぼくは ルカス。
ルカス「父さんと母さんは
あのお墓の下さ。
だから この家は ぼくひとり。
ルカス「ひとりだって ヘイキさ。
だって この女神さまが
守ってくれるもの。
ルカス「ぼくの母さんの家に
ずっと伝わる 像なんだ。
母さんもいつも お祈りしてた。
ルカス「わざわいや 魔物から
みんなを 守って下さいってね。
きみたちも お祈りするといいよ。
黄金色に かがやく
女神像がある……。
女神像は やさしいほほえみを
浮かべている。
ルカス「どうだい きれいだろ?
メルビン「何やら 神聖なチカラを
感じるでござる。ふうむ?
アイラ「やさしい顔の 像ね。
見てると 心がおちつくわ。
ガボ「この像 どっかで見たこと
ある気が すんだよなあ……。
ルカス「もしかしたら…… あいつは
悪いやつじゃ ないんじゃ……。
ルカス「ううん なんでもないよ!
ルカス「はずかしい けどさ。
この像 ちょっと母さんに
にてるんだ。
ルカス「それに 魔物退治にいく前
母さんが わたしのかわりに
この像がぼくを 守ってくれるって。
ルカス「だから 教会のバケモノも
ぼくには 手を出せないんだ。
……でも もしかしたら。
ルカス「ううん なんでもないよ!
アイラ「女神像が おかあさんの
かわり かあ。
アイラ「ちょっと せつないね。
メルビン「母の祈りが あの像には
こめられていたので ござるな。
メルビン「しかし ルカスどのも
あの魔物のことを……。
ううむ まさかとは思うが……。
ガボ「ルカスのためにも 魔物を
やっつけてやりたいよな!
ガボ「でもさあ あの魔物
うまく 言えないんだけどさ。
なんだか 悪くない気がする。
村長「おお! アルスどの。
ちょうど会議を
はじめる ところです。
村長「こちらへ どうぞ。
アイラ「まだ 始まってなかった
みたいだね。
メルビン「これから 作戦会議か。
村をあげて 教会の魔物を
やっつけるので ござるな。
ガボ「ずいぶん いっぱい
集まってるなあ。
ひい ふう みい……。
出ようとすると
村長「おや?
どちらへ 行かれますかな?
*「いったい 何人集まるか。
それが もんだいなのよ。
*「お夕食 どのくらい
用意しといたら いいかしら。
*「なんで 男の人って
自分たちだけで なんでも
決めたがるのかしら?
*「おかあさんと あたしは
会議に出て あたりまえよ。
あたしだって 帰らないわ!
*「主人ったら ひどいのよ。
あたしの息子の
かたきうちの話じゃない。
*「なのに 女子供は関係ない。
家に帰れなんて 言うの。
だれが 帰るもんですか!
*「まいったなあ……。
男だけの会議だって
言ったのに。
*「村長さんに おこられちまうよ。
*「下では みなさん集まって
教会の魔物を やっつける
話し合いを しておられるとか。
*「みなさんには きっと
神の ご加護がありますわ。
どうか 必ずや あの魔物を!
*「神よ…… 正しきものに
お力を おかしください。
村人と旅人を お守り下さい。
*「おぞましき魔物を 倒せるよう
天の国の 神父さま
お守り下さい……。
*「さあ わたくしに
できることは ございませんか?
(教会)
*「もちろん 教会の魔物は
退治すべきだ!
でも やっぱり魔物はコワい!
*「まあその アレだよ。
家を守る人間も
必要だと思うしさ。
*「もう! うちの娘ったら
どこに行ったのよ!
*「外に 出るなって
あれほど言ったのに。
横から話しかけると
村長「そんな すみのほうに
いらっしゃらずに
ささ 中央へどうぞ。
村長「今 村のものを
呼びにやらせましたので
もうしばらく お待ちを。
村長「これ 男だけの会議と
言っておいただろう!
*「いや わたしも
そう言ったんですが
女房も娘も きかなくて。
*「あたしは ここに
いさせてもらいます。
*「そうよ!
小さいルカスだって くるのに
あたしたちは ダメなの?
*「あたしだって 兄さんの
カタキが うちたいわ。
*「てなワケで。そのう。
村長「まあ 仕方あるまい。
……おお! もどったか!
村長「どうだ? やつの様子は。
*「兄さんと よろず屋さんが
見張ってます。
*「今のところ とくに
変わりない みたいです。
村長「……おや? ルカスは?
*「ありゃ。いねえな。
ルカス「ごめんなさい。
おそくなっちゃって。
村長「うむ。まあよい。
さあ はじめようか。
*「はいはい! ただいま!
村長「みな こちらが
さきほどの話の旅人だ。
村長「魔物が教会に 住みついて
もう しばらくたつ。
村長「みな 不安な日々を
送っていると思う。
しかし だ。
村長「魔物を やっつけようにも
腕じまんのものたちは……。
村長「このルカスの両親。
そちらの
おかみさんの息子。
村長「そして 神父さま。
村長「魔物と戦う力のあるものは
すでに やつに殺された。
われらには なすすべがなかった。
村長「だが! この旅の方は
魔物と同じ いやそれ以上に
強いという。
*「ぼく 魔物に
おそわれそうだった所を
助けてもらいました!
村長「……どうだ 村のみんなと
旅の方 力をあわせれば
今なら きっと。
村長「やつが 悪さをしないうちに
教会の魔物を たおし
死んだ 村人のカタキをうとう!
村長「旅の方に
味方になって いただければ
勝利は かくじつだ!
村長「さあ いつ どうやって
教会の魔物を 倒すか
みな 話しあって みてくれ。
ガボ「みんな ヤル気だな。
でもあいつ ルカスは
いっぺんも 話してねえなあ。
ガボ「ハラでもいたいのかなあ?
アルス ようす
見に行かねえか?
アイラ「あの お墓の子
ルカスはどうして
遅れてきたのかしら?
アイラ「ちょっと 行ってみない?
メルビン「わしたちは ずいぶんと
たよりにされている
ようでござるなあ。
出ようとすると
村長「おや? アルスどの。
どちらへ 行かれます?
村長「まだ 会議は
終わっておりませんぞ?
*「話は 聞こえてました。
みなさん よろしくお願いします。
……ああ それにしても。
*「みんな お夕食
たべてくのかしら?
どうしよう 用意してないわ。
*「あたしにも なにか
できることが
あるといいけど。
*「兄さんの カタキ
ぜったいに 許さない。
*「こうと 決まったら
今すぐにでも!
みなさん 頼みますよ!
*「あんなバケモノ いつまでも
生かしておいちゃ
いけませんよ。
*「さあて まずどうやって
教会から おびき出すかだよな。
*「いよいよですね!
みなさん 頼りにしてますよ。
*「やつが ゆだんしてるうちに。
仲間を呼ぶ前に
やっちゃいましょう!
*「このクワを 頭に
おみまいしてやるんだ!
バケモノめ まってろよお。
*「妻と娘の
気持ちはわかるけど
ケガでもされたら たまんないよ。
*「これは 男の仕事だ。
息子だって そう言うさ。
村長「わたしは 今すぐにでも
やつを こらしめに
ゆくべきだと 思います。
村長「村のものは
どう考えているのか……。
ルカス「あの さ。
きみたちに 話があるんだ。
ルカス「ここじゃ 言いづらくて。
ちょっと 来てくれる?
ガボ「みんなの前じゃ できねえ
話って なんだろ?
行ってみねえか?
アイラ「どういうこと?
とにかく 行くしかないか。
村長「おや ルカスの姿が
見えませんな。
村長「まったく どこへ
行ったのか……。
ルカス「あの…さ。
村のみんなは 教会の魔物を
やっつけるって 言ってるよね。
ルカス「ぼくだって
父さんと 母さんのカタキは
うちたいよ! でも……。
ルカス「墓場で きみたちも
見たよね。あの魔物。
ルカス「ぼく あいつそんなに
悪いやつとは 思えないんだ。
そりゃ 魔物だけど。だけどさ。
ルカス「ただ やっつけちゃって
いいのかなって。
あいつ 何もしてないのに。
ルカス「そりゃ 父さんたちを
殺したのかもしれないけど!
でも もしかしたら……。
ルカス「あいつは 本当は
魔物なんかじゃなくて……。
ごめん! なんでもないよ!
アイラ「教会の魔物自体は
村人には 何もしていない……?
アイラ「なんだか ややこしく
なってきたわね。
ガボ「あの魔物が いいやつかも
しれない……。
アルスは どう思う?
メルビン「ルカスどのの 話を
信じるならば 教会の魔物は
魔物であって 魔物にあらず。
メルビン「しかし 村人たちは
すべてのわざわいの元と
思っているでござる。
メルビン「アルスどの われらは
どちらを 信じればよいのか?
ルカス「…………。
村長「さあ! みんな。
意見を 聞かせてくれ。
*「ぼくは 今すぐにでも
やっつけたい!
*「みんなだって そうでしょう?
村長「ふむ。わしも
そう言おうと 思っていた。
村長「いつ やつが暴れ出すか
わからんのだ。手をうつのは
早いほうがいい。
*「寝てるうちに みんなで
教会を かこんじまおうぜ!
火をつけて いぶり出すんだ。
*「とんでもない! 他の家に
火がうつったら どうします?
*「そんなこと しなくたって
火事だーっ! って
さけべば いいでしょう。
村長「ふむ……ふむ。
他のものは どうだ?
*「今夜 おそく。
それで いいじゃないですか。
村長「よし では今夜!
まずは男たちが 教会を
とりかこむ!
村長「その後 火事だと
さわぎを起こして
やつを おびき出す!
村長「そうして旅の方とわれらで
教会の魔物を倒す!
……これで 決定だ。
村長「他の村のものにも
このことを 教えておいてくれ。
村長「では 今夜。
教会の前で……。
村長「みなさんの おかげで
ようやく 教会の魔物を
たいじすることが できそうです。
村長「もちろん
お手伝いいただけますな?
いいえの場合追加 | |
---|---|
いいえの場合追加 |
村長「はっはっは! 村長「ご心配なく。われわれも |
村長「いろいろと 準備もあるでしょう。
夜までは ご自由に。
村長「お休みに なりたいなら
上の部屋を お使い下さい。
村長「準備ができたら
声をかけてください。
教会まで ご案内します。
村長「では 後ほど……。
アイラ「今夜 わたしたちは
どうしたら いいのか……。
アイラ「ルカスの言ってたこと
もしかしたら すごく大事な
ことなのかもしれない。
ガボ「ルカス 何を言おうと
してたんだろうな?
ガボ「なあ アルス。
ホントに あの魔物
やっつけちゃって いいのかな?
*「お話は 聞こえてました。
みなさん よろしくお願いします。
……それにしても。
*「ごはん たくさん作ったのに
みんな 帰っちゃうなんて!
どうしましょ。このお料理。
*「話し合いは どうなりました?
……まあ そんなことに!
*「みなさんには きっと
神の ご加護がありますわ。
どうか 必ずや あの魔物を!
*「会議 どうなりました?
……えっ!? 今夜?
そうか。いよいよか。
*「まあ オヤジが行くなら
ぼくは 家にのこって
るすばん してなきゃな。
*「そうそう お休みになられるなら
この部屋のベッドを
使ってください。
*「もー ルカス
やっときたと おもったら
また どっか いっちゃったよ。
*「あたしと あそぶやくそく
わすれてるのかなあ。
*「よし…… 異状なし!
*「ここで 何をしてるかって?
教会の前で 兄さんと
よろず屋さんが 見張ってる。
*「何かあったら 合図してくれるから
ぼくは 村長さんに
知らせにいくんだ。
*「とうとう みんな
やる気になったんだね。
*「がんばっておくれ。
もう おびえて暮らすのは
まっぴらだよ!
*「教会の魔物は おそろしい奴よ。
おねがい どうか
あいつを やっつけて!
*「もちろん わしも
今夜は戦いますぞ!
*「まあ 先頭は
若いあんたがたに
まかせるとして……。
*「おう! 旅の人か。
おれは夜が まちどおしいよ。
*「あいつを やっつけちまえば
この霧も はれるさ!
当然 協力してくれるよな。
*「なんだか さむけがするわ。
教会の魔物のせいよ きっと。
*「はやく 男の人たちが
やっつけて くれないかしら。
*「いよいよ…… バケモノを
やっちまえるんだな。
いよいよ…… いよいよだ。
*「へっへっへ……。
*「もう! ママばっか
おみせやさん ごっこして
ずるいよー。
*「あたしも あそびたあい!
*「聞きましたわ。
教会の魔物を
みんなで やっつけるんだって。
*「がんばって下さい。
これ お役にたてば……。
やくそうをもらった!
*「聞きましたわ。
教会の魔物を
みんなで やっつけるんだって。
*「がんばって下さいね。
*「主人が 出かけてるもんですから。
ええと……。
(よろず屋)
*「お客さんがたと 村のみんなが
教会の魔物を 退治して
くれたら。
*「ごちそう たくさん
食べさしてあげますよ。
がんばって くださいね。
*「聞きましたよ。
旅の方。チカラをかして下さい。
おねがいしますよ。
*「うんとこしょっ!
どっこいしょっ!
……ふう。
*「いよいよ だなあ。
旅の人 あんたらも
当然 手伝ってくれるよな。
*「それっ うんとこしょっ
どっこいしょっと!
ルカス「……やあ きみたち。
今夜に きまっちゃったね。
ルカス「父さんと母さんのカタキ
ようやく……。
ルカス「でもさ でも!
きっと ぼくの思いちがい
なんだろうけど。
ルカス「もし あの魔物が
ほんとうは 死んだはずの……。
ルカス「ごめん!
やっぱり なんでもないよ。
なんでもないから……。
*「しーっ! しずかに。
やつに 気づかれちゃいますよ。
*「ここで こっそり
見張ってるんですから。
*「よかった! 生きて帰って
きたんですね。
教会に入ってくから 心配しました。
*「みなさんが 生きてるってことは
あいつはおなかは へってないから
ぼくも 食べられない!
*「……と いいんだけどなあ。
村長「アルスどの
準備は よろしいですかな?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
村長「いよいよ ですな……。 村長「さあ 教会へ! |
いいえ |
村長「では 準備が (会話終了) |
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
村長「では 旅の方。 (会話終了) |
いいえ |
村長「なんと 魔物退治に |
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
村長「どうやら 耳が 村長「もう一度 聞きますが |
いいえ |
村長「そうでしょうとも! 村長「男たちが すでに 村長「では 旅の方。 (会話終了) |
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
村長「では 旅の方。 |
いいえ |
村長「むむ……。旅の方。 村長「村人3人と 神父さまの 村長「しかし ここまできて 村長「ええい だれか! *「なんですか お父さん。 *「お父さん 何か用? *「村長さん 合図です! *「あれ? どうかしたんですか? 村長「みな この旅人を 村長「魔物を 倒すまで *「村長さん!? 村長「いいから 早くしろ! *「は はいっ! |
※以下、断った場合。注釈があるまでこのルートのセリフ
*「なんですって!
あの旅の人が 魔物の仲間!?
村長「とつぜん 魔物退治には
行かないと言い出したのだ。
村長「まさか やつに計画が
知られていなければ いいが。
いったい 何が何やら……。
*「なら 急ぎましょう!
こうなったら われわれだけで
魔物をやるしか ありません。
村長「そうだな。
魔物をかたづけてから ゆっくり
旅人には 話を聞けばいい。
村長「よし カギはかけたな。
行こう。
アイラ「つかまった……か。
アイラ「とりあえず ケガはないけど
さて どうやって ここから
抜け出す? アルス。
ガボ「ここ どこだ!?
早く 外へ出ようぜ!
アイラ「とりあえず 外へ出ないと。
ルカスが心配だわ。
メルビン「たぶん ここは村の中の
どこかのはず。
いそいで 外へ出るでござる。
扉には カギがかかっている。
持っているカギでは
開きそうにない。
外から 少女の声がする……。
*「うふふっ。
おじいちゃんに おこられたー。
*「わるいこは はんせいするまで
だしてもらえないのよ。
*「はんせい しましたか?
もうわるいこと しないー?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「よろしい! *「とくべつ よ? |
いいえ |
*「だめよ。 *「もう わるいことしないって (ループ) |
ガボ「今の だれだ!?
まあ たすかったけどな。
メルビン「ここは 村長どのの家
だったでござるな。
メルビン「どなたかは ぞんぜぬが
かたじけないでござる!
アイラ「おじいちゃん……?
村長さんの 家の人が
わたしたちを 出してくれた?
ルカス「よかった やっと見つけた!
たいへんなんだ。
あいつ 殺されちゃうよ!
*「あー! ルカス!
みつけたあっ。あそぼ!
ルカス「今 それどころじゃないんだよ!
あとで 遊んでやる。な?
ルカス「おねがいだ きみたち。
ぼくと いっしょに来て
みんなを 止めてくれ。
ルカス「あいつは 殺しちゃいけない。
そんな気がするんだ。
おねがいだ いっしょに教会へ!
ガボ「アルス! オイラは
ルカスの味方だぞ!
おまえ どうするっ!?
メルビン「わしのカンでは
ルカスどのの 言うとおりに
するのが いいでござる!
メルビン「アルスどの!
ルカスどのに 続くでござる!
アイラ「アルス どうするの!?
どっちにつくにしろ
いそいで 決めないと!
*「あなたたち やっぱり
わるいこだわ!
*「もー。せっかくルカスきたのに
よこどりするなんて。
とじこめとけば よかった。
行こうとすると
ルカス「どこに行くんだい!?
おねがいだ ぼくといっしょに
教会へ 行ってよ!
ルカス「ありがとう。
さあ いそいで教会へ!
ルカスが 仲間にくわわった!
ルカス「おねがいだ みんな
教会へ いそいで!
ルカス「神父さ……あいつが
村のみんなに 殺されちゃうよ!
アイラ「とりかえしのつかないことが
起きる前に 教会へ
いそがないと!
メルビン「うむっ!
いっこくも早く 教会へ!
さあっ アルスどの!
ガボ「よおし 教会だなっ!
いそげっ!
出ようとすると
ルカス「どこへ 行くつもりだい!?
教会へ いそいで。
おねがいだよ。
*「もー ルカスのばかあ!
やくそく やぶるのは
わるいこなのよ!
*「ああ いそがしい いそがしい。
今 手がはなせないの。
後にしてくれる?
*「村のみんなのぶんの
お夜食って 何人分なのかしら?
ああ いそがしいったら!
*「まあ みなさん ルカス。
魔物たいじの前に
お祈りに いらしたの?
*「みなさんには きっと
神の ご加護がありますわ。
どうか 必ずや あの魔物を!
*「もう! うちの夫ったら
のんきに眠っちゃって!
*「娘は 見あたらないわ
魔物たいじは はじまってるわ
寝てる場合じゃないってのに!
*「ぐー ぐー。
*「もうじき 男たちが
魔物をやっつけてくる。
*「そしたら この霧もはれて
村は 元にもどるに
ちがいないよ。
*「あれ ルカス?
あんたもいっしょに 教会へ
行ったんだと思ったよ。
*「あれ お客さん。
教会へ行ったんじゃないのかい?
*「村の男たちは みな
教会に ゆきましたわ。
*「おそろしい魔物から
村を 守るために。
*「もうすぐ みんなが
憎い魔物を やっつけてくれる。
*「そしたら すぐにわかるように
ここで 待ってるのさ。
*「おや ルカスに旅の方。
こんな所で どうしたんだい?
ルカス「おねがい! みんなを
止めてよ!
あいつ 死んじゃうよっ!
メルビン「なんと!
いそいで 止めるでござる!
ガボ「なんてこった!?
いそいで止めないと
あいつ 死んじまうぞっ!
アイラ「よってたかって……。
アルス! はやく!
助けるよっ!
*「魔物のヤロウも
教会までは
荒らしてないみたいだな。
*「このぶんなら
シスターたちが戻ってきても
すぐ 使えそうだ。
*「バケモノめ!
とうとう おまえの死ぬ時だ!
*「なんだ ちっとも
はむかわないぞ こいつ。
みんな さっさと殺しちまおう!
*「魔物め!
死んだみんなを 返せ!
*「いまいましい 霧で
わしらをとじこめて
どうするつもり だったんじゃ!
*「おれの息子を 返せ!
*「も もうおまえなんか
こわくねえぞ。
おれたち みんなで
やっつけてやる!
村長「村人と神父さまの
命を うばい
村を 霧につつみ……。
村長「魔物よ おまえを
許すわけには いかん。
さあ かんねんしろ!
*「…………。
*「てめえ 何のつもりだ?
自分はやってない とでも
言うのかよう!?
村長「むむ 旅の方。
どうやって納屋から
逃げ出したのだ!?
村長「そうか ルカス。
おまえが手引きをしたんだな。
魔物の味方を するのだな。
ルカス「聞いてください 村長さん!
もしかしたら その魔物は……。
村長「ええい うるさい!
おまえまで 魔物の仲間とは。
まんまと だまされたぞ。
村長「あくまで 魔物をかばい
われわれの邪魔をするか。
……ならば。
村長「みんな こいつらも
魔物の仲間だ!
村長「つかまえろ!
※以下、魔物退治を引き受けた場合
メルビン「村長どのが 案内を
してくださるのでござるな。
アルスどの 行くでござる!
アイラ「ルカスの話も 気になるけど
やっぱり 魔物は魔物。
村のために やっつけなくちゃ。
ガボ「よっし 教会だな!
さっさと行こうぜ アルス!
*「気をつけてね。
ケガなんか しちゃダメよ。
*「お夜食 作っておいて
あげるわね!
ガボ「よおーし いっくぞー!
アルス じゅんび いいなっ!?
アイラ「村の人たちも 協力して
くれてるみたいだね。
わたしたちも がんばらないと。
メルビン「敵は 教会にあり!
アルスどの 行くでござる!
*「まあ みなさん。
魔物たいじの前に
お祈りに いらしたの?
*「みなさんには きっと
神の ご加護がありますわ。
どうか 必ずや あの魔物を!
*「もう夜だっていうのに
うちの娘は 帰ってこない。
*「まったくもう!
夕ごはんは ヌキだわ!
*「がんばってください!
ぼくも るすばん
がんばりますから!
村長「教会は 村の北。
高台になります。
村長「すでに 村のものたちが
やつを外に
おびき出しているはずです。
*「もー ルカスのばかあ!
どおこ いったのよう!
*「いくら 魔物だって
もう 逃げられないよ。
*「今夜が あいつの最後さ!
*「やっと これで
村から魔物がいなくなるのね。
うれしいわ!
*「あれ お客さん。
教会へ行かなくて
いいのかい?
*「今ごろ みんな
教会で魔物と
戦ってるんだろうなあ。
*「うーん おちつかない!
やっぱりわたしも
行けばよかった。
*「教会の魔物たいじ
がんばって下さいね。
*「村の男たちは もう
教会を とりかこんでいます。
*「おそろしい魔物も
今夜かぎりの 命ですわ。
*「もうすぐ みんなが
憎い魔物を やっつけてくれる。
*「そしたら すぐにわかるように
ここで 待ってるのさ。
*「お父さんが どうしても
魔物たいじには 来るなって。
だから ここでお祈りしてるの。
*「兄さんの カタキ。
あの教会の魔物が
骨ものこさず 滅びるように。
村長「おお アルスどの!
こちらです。
村長「村のものが 今
やつを外へ おびきだしました。
村長「さあ やつを!
村を 苦しめてきた魔物を
退治してください!
村長「魔物よ もはや これまでだ。
もうどこにも 逃げられないぞ。
村長「さあ 旅の方。
村を苦しめてきた魔物を
今こそ 倒してください!
ガボ「いよいよだな アルス。
魔物を とっちめようぜ!
アイラ「さあて わたしは
いつでもいいよ。
さっさと 始めようよ。
メルビン「大きく 息をすって……。
はいて〜。
メルビン「戦いの前には こうして
よーく 心をおちつかせるで
ござる!
*「なんだよ 相手がちがうだろ?
バケモノはそっちだ。
*「まさか みなさん
おじけづいたんですか?
*「みなさんが やらないなら
わたしが やりますよ!
*「どうしたんじゃ?
ほれ 魔物は目の前に
おるじゃろうが。
*「なんだあ? こっちじゃねえぞ。
ホラ バケモノは そこだよ。
そこに いるだろ。
村長「どうなさいました?
ささ 早く魔物を!
*「どうしたんですか? 旅の方。
さあ 早くあいつを
やっつけちゃって ください!
*「みなさんなら あいつだって
やっつけられますよ!
さあ 早く魔物を!
*「…………。
神父の姿をした 魔物は
悲しそうに こちらを見ている
*「どうした!
早くやっちまえ!
*「何 モタモタしてるんだ!
*「…………。
神父の姿をした 魔物は
悲しそうに こちらを見ている
*「何してるんだ!
魔物を やっつけろ!
*「もういい!
おれたちで やっちまおう!
ルカス「だめだよ……。
だめなんだ!
あいつを 殺しちゃあ!
ルカス「おねがいだ
みんなを 止めてよ!
ルカス「あの魔物は
殺しちゃいけない。
そんな気がするんだ。
ルカス「おねがいだ
みんなを 止めてくれ!
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
ルカス「ありがとう! ルカスが 仲間にくわわった! |
いいえ |
ルカス「ぼくを 信じて! (ループ) |
ガボ「アルス! オイラは
ルカスの味方だぞ!
おまえ どうするっ!?
メルビン「わしのカンでは
ルカスどのの 言うとおりに
するのが いいでござる!
メルビン「アルスどの!
ルカスどのに 続くでござる!
*「バケモノめ!
とうとう おまえの死ぬ時だ!
*「なんだ ちっとも
はむかわないぞ こいつ。
みんな さっさと殺しちまおう!
*「魔物め!
死んだみんなを 返せ!
*「も もうおまえなんか
こわくねえぞ。
おれたち みんなで
やっつけてやる!
*「いまいましい 霧で
わしらをとじこめて
どうするつもり だったんじゃ!
*「おれの息子を 返せ!
村長「村人と神父さまの
命を うばい
村を 霧につつみ……。
村長「魔物よ おまえを
許すわけには いかん。
さあ かんねんしろ!
行こうとすると
ルカス「待ってよ!
このままじゃ あいつ
ほんとに 殺される。
ルカス「おねがいだ みんなを
止めてよ!
村長「むむ 旅の方に ルカス。
何か用ですかな?
ルカス「聞いてください 村長さん!
もしかしたら その魔物は……。
村長「なんだと!
まさか 魔物の味方を
するというのか!?
村長「そうか。
さっきの おかしなそぶり。
そういうことだったのか。
村長「ルカス おまえまで
魔物の仲間とは。
まんまと だまされたよ。
村長「あくまで 魔物をかばい
われわれの邪魔をするか。
……ならば。
村長「みんな こいつらも
魔物の仲間だ!
村長「つかまえろ!
※以下、どちらの選択肢でも同じシナリオ
村長「だまされたよ。
この者たちが まさか
魔物の仲間だったとはな。
村長「誰か!この者たちを
魔の山へ とじこめてきてくれ。
2度と 出てこられないようにな。
*「わかりました!
*「まさか 旅の人が
魔物の仲間だったとはな。
まんまと だまされたぜ。
*「早く カギをかけてくださいよ!
魔物が出てきたら
どうするんですか!
*「あいよ。うるせえな。
*「ほらよ カギをかけたぜ。
こうすりゃ 安心だろ?
*「そうそう ねんのため
ここで見はってろって
村長さんの 命令だ。
*「そんなあ……。
ルカス「いたた……。
きみたち だいじょうぶ?
ルカス「ごめんね。ぼくのせいで
とんでもないことに
なっちゃって。
ルカス「とにかく 村へ戻ろう!
岩山へ行こうとすると
ルカス「どこに 行くんだい?
村はそっちじゃないよ。
ルカス「だいじょうぶ? ケガはない?
ごめんね ぼくのせいで。
ルカス「とにかく 村へ戻ろう!
たぶん そう遠くないはずだよ。
アイラ「ここは……?
みんな 無事みたいね。
とにかく 村へ戻ろう!
ガボ「イテテテテ……。
あんのヤロ おもいっきり
ぶったな!
ガボ「イッテーッ!
タンコブできちまったじゃないか。
しかし ここ どこだ?
メルビン「……まったく 年よりに
なんという バチあたりな!
メルビン「みな ケガはないようで
ござるな。では いっこくも早く
村へ 戻るでござる!
扉は かたく閉ざされている……。
ルカス「どうしよう。
ここから 出られないとなると……。
ルカス「そうだ! 森の奥へ進めば
ほかに出口が あるかもしれない。
ルカス「魔物が住むって
ウワサだけど
行ってみるしか ないよ。
ルカス「ちょっと こわいけど
きみたちと いっしょだから
きっと なんとかなる。
ルカス「行こう。
なんとかして 森の外へ
村へ もどらなくちゃ!
ルカス「この先 昔はよく
村の人が 木を切りに
入ってたらしいんだ。
ルカス「「だから きっとどこかに
村に通じる道が あると思うんだ。
行ってみよう!
メルビン「山の中から うまく
村へ通じる道が
あるといいので ござるが。
メルビン「ともあれ 今は
先へ進むしかないでござる。
ガボ「きっと どっかから
村に戻れるさ!
とにかく 行ってみようぜ!
アイラ「扉から 出られない以上
奥へ すすむしかないだろうね。
アイラ「アルス みんな
じゅうぶん 気をつけて。
ルカス「もう 聞いた?
ぼくの 父さんと母さんのこと。
ルカス「ふたりとも この山をのぼって
魔物を やっつけに行ったんだ。
でも 帰ってこなかった。
ルカス「もしかしたら 生きてるんじゃ
ないかって ぼく……。
そんなこと あるはずないのにね。
ルカス「教会の魔物は ぜったいに
殺しちゃいけないんだ。
ぼくは そう思う。
ルカス「なぜだかは わからないけど
どうしても 殺しちゃいけないんだ。
……早く 村へ戻らなくちゃ。
ルカス「ぼくも この山のこと
よく知らないんだ。
ルカス「ほんとは きみたちの
道あんない してあげたいんだけど
……ごめんね。
ガボ「しずかすぎて イヤだなあ……。
動物も ぜんぜんいないしさ。
気味わりいな。
メルビン「わしたちが 気を
うしなった後 あの魔物は
どうなったので ござろうか。
メルビン「無事だと よいのだが……。
ガボ「あの魔物 今ごろ
やられちまったかなあ。
無事だといいけどなあ。
アイラ「どうにかして 早く村へ
戻らないと あの調子じゃ
村の人たち 何をしてるか……。
アイラ「さあ 急ぎましょう。
メルビン「この山は 邪悪な気配に
満ちているでござる。
メルビン「アルスどの くれぐれも
気をつけられよ。
メルビン「道なりに 進むと
山をのぼることに
なるでござるな。
メルビン「はたして 頂上には
何が待つのでござろう?
アイラ「アルス ルカスに
気をつけてあげて。
アイラ「わたしたちと ちがって
鎧も盾も もってないんだから。
ちゃんと 守ってやらないと。
ガボ「ホントに 村に帰れるのかな?
オイラ ちょっとハラへって
きたぞ。
アイラ「ここも すごい霧……。
ずいぶん空気が つめたいわ。
ルカス「神父さまだ!
神父さまが 生きてたんだ!
ルカス「はやく 魔物たちから
神父さまを助けてあげて!
アイラ「魔物と 神父さま!?
どういうことなの!?
アイラ「あの魔物たちが 霧を
作っていたっていうの?
ガボ「魔物だ アルス!
あいつら ここで霧を
作ってやがったんだな!
メルビン「この霧の 出どころは
やつらだったのでござるか!
メルビン「しかし 魔物にまじって
なぜ 神父さまがいるので
ござろうか?
魔物「まわれ まわれ
うずまきを 作れ。
魔物「うずまき まわれば
霧が出る。
魔物「霧で 山をとじこめろ。
ニンゲンどもを とじこめろ。
魔物「まわれ まわれ
うずまきを 作れ。
神父「もうじき 村のやつらが
うまくやるさ。
やつさえ死ねば……。
神父「?
へんじがない……。
ただの しかばねのようだ。
魔物「ニンゲンかあ?
待ってな 今はまだ
おまえらを 食ってやれねえんだ。
魔物「なんだなんだ
ジャマをするな!
魔物「まわれ まわれ
うずまきを 作れ。
魔物「おい! ジャマをするな。
神父「おや どうしました。
こんな山奥に。
道に 迷ったのですか?
ルカス「神父さま!
生きていたんですか!?
神父「…………?
神父「村の子供ですね。
こんな所にいては いけません。
魔物に 食われてしまいますよ。
神父「そう この人たちのようにね。
神父「魔物を 倒し
山からこの霧を追い払うため
この人たちは やって来た。
神父「そうして あっというまに
頭から 魔物に食われたのです。
なんにも できないうちにね。
神父「弱い ニンゲンのくせに
魔物にさからうから
こうなるのです。
ルカス「神父さま!
どうして そんなことを
言うんですか!?
ルカス「神父さまだって
ぼくの父さんや母さんと
いっしょに 魔物退治に……。
神父「そう わたしは……
神父は 魔物退治に
やって来た。
神父「仲間たちは つぎつぎに
死んでゆき それでも神父は
あきらめず 立ち向かってきた。
神父「だから わたしは言った。
村を 守りたいなら
わたしと 取り引きしないか?と。
神父「わたしと 姿を取りかえ
おぞましい魔物の姿になって
生きるならば……。
神父「おまえの 生きているかぎりは
村を おそわずに
いてやろうと。
神父「この ボトクさまとなあ!
約束したんだよ!
魔王さまの配下 ボトクさまとな!
ボトク「ところがだ。
おやさしい神父さまは
村人に 殺されちまうのさ!
ボトク「あっはっは 約束どおり
それまでは 村のやつらにゃ
手は出さねえよ。
ボトク「バカな村人たちだ!
自分を 守ってくれていた神父を
自分の手で 殺すんだぜ!
ボトク「あはははは!
まんまと ひっかかった!
クックック。
ボトク「楽しみだなあ!
あははははは!
ルカス「うわあっ!
ボトク「さあーて ここまで聞いて
タダで帰れるとおもうなよ。
ボトク「おれさまの楽しみを
ジャマするやつは
殺してやる!
メルビン「すべての わざわい
苦しみは あたつのせいだったで
ござるな!
メルビン「そうとわかれば
ようしゃは せぬぞ!
アイラ「あいつのせいで 無実の
神父さまが ずっと苦しめられて
いたんだ! ゆるせないっ。
アイラ「さあ アルス!
行くわよ!!
ガボ「あんのヤロー!
ルカスに なんかしたら
ぜったい ゆるさねえぞ!
ガボ「行くぞっ アルス!
とっちめてやるっ!
ルカス「たすけて!
こいつ 神父さまじゃないよ!
ルカス「食べられちゃうよ!
たすけて!
ボトク「なんだよ。
今さら何したって
神父は 助からねえよ!
ボトク「自分たちを守ろうとした
ありがたーい 神父さまは
じきに 村人に殺されるんだ!
ボトク「ケケケッ 神父さえ死ねば
もう 約束は関係ない。
村人ぜんぶ 食いほうだいだ!
ボトク「ケケケケケ!
さあーて まずは
おまえらから 食ってやるよ!
ボトク戦
ガボ「あいつが 神父さんを
ひでえ目に あわせたヤツだな!
オラ すっげえ 怒ってんだぞ!
メルビン「神父どのの姿を 借りるとは
なんと 卑劣な魔物でござる!
わが剣のサビに してくれるわ!
アイラ「あいつのせいで 神父さまが
どれほど 苦しんだか…。
絶対に 倒してやる!
ボトク「ちくしょう……。
ニンゲン…ごときに!
ボトク「神父が……殺される……はず
……だった…の……に……。
魔物「ボトクさま
やられちゃった……な。
魔物「で で どうするよ?
魔物「そりゃ 決まってるだろ!
魔物「まままま待て!
おれたちは 霧を作るしか
できない かよわい魔物なんだ!
魔物「そうそう!
もう 霧で世界を
封印したりしないからさ! な!?
魔物「たすけてーっ!
ルカス「すごいよ! きみたち。
魔物を やっつけちゃうなんて。
ありがとう 助かったよ。
ルカス「さあ 早く村へ戻らないと
魔物の 言うとおり
神父さまが 殺されちゃう!
ルカス「急いで!
ルカス「ありがとう 助かったよ。
おかげで 霧もはれた。
さあ 早く村へもどろう!
ルカス「ほんものの神父さまを
村のみんなから 守らなくちゃ!
メルビン「わざわいの おおもと
魔物は たいじした。
あとは……。
メルビン「いそぎ 村へと戻り
ほんものの神父さまを
助けるでござる!
アイラ「今なら 村人たちも
霧が晴れたことに
気をとられてるはず。
アイラ「今のうちに はやく村へ
戻って ほんものの神父さまを
助けなくちゃ!
ガボ「もう どこにも霧はねえな。
魔物 やっつけたからかな。
ガボ「よし! これならパパッと
村まで もどれるぞ!
いそごうぜ!
ルカス「ずいぶん 霧が
はれてきたね。
ルカス「さあ 早く帰ろう!
ルカス「霧がなくなっただけで
ずいぶん 歩きやすかったね。
ルカス「さあ いそいで村へ戻ろう!
村以外に入ろうとすると
ルカス「どこに 行く気だい?
急いで 村へ戻らないと!
なぞの遺跡に戻ると
ルカス「よかった!
どこに いっちゃったのかと
心配したんだよ。
ルカス「さあ 村へもどろう!
ルカス「神父さま!
神父さまは どこ!?
いそいで さがして!
アイラ「いそいで 神父さまを
助けないと!
メルビン「うむ! 村の霧も
きえているでござる!
ガボ「ようし 村についたぞ!
出ようとすると
今は まだ
村をはなれることは できない。
*「とうとう あの魔物も最期だ。
うれしいねぇ。
*「あれっ もう火あぶりは
終わったんですか?
*「さっき たきぎを
集めてたばかりなのに。
ルカス「神父さまを 火あぶりに!?
ダメだよそんなの!
ダメだ 止めないと!!
メルビン「なんと 火あぶりに!?
メルビン「アルスどの ことは
いっこくを 争うでござる!
いそがねば!
ガボ「火あぶりだって!?
そんなことしたら 神父さま
死んじまうぞ!
アイラ「火あぶり!?
なんてこと! 早く止めないと!!
*「はっはっは!
バケモノめ! もうおしまいだあ!
これから 火いつけてやる!
*「魔物よ おまえはこれから
神の御心のまま 裁かれるのです!
*「神父さまや 村人の命を
うばった その罪を
みずからの命で あがないなさい!
*「おれの 息子の苦しみが
わかったか! バケモノめ!
*「さあ 村長さん
火をつけて下さい!
*「霧と 魔物をあやつって
わたしたちを 苦しめた魔物を
燃やして しまいましょう!
*「てめえなんか こわくねえぞ!
さっさと おっ死んじまえ!
*「バケモノを もやして
灰に しちまうんじゃよ!
さあ 村長さん!
*「さあ 村長さん!
*「さあ 火をつけて!
*「バケモノの 息のねを
止めるんだ!
さあ 火を!
*「さあ 村長さん!
*「さあ!
*「さあ!
ルカス「なんてことだ!
みんなを やめさせなきゃ!
ルカス「神父さま!
メルビン「ルカスどのが 村長どのを
せっとく しているでござる!
メルビン「われらも ルカスどのに
助太刀するでござる!
アイラ「神父さま あそこに
はりつけにされてるわ!
アイラ「村長さんに 言って
はやく やめさせないと!
ガボ「まだ 火はついてない
みたいだ!
走れ! アルスっ!
*「もー! ママったら
おみせやさん ごっこしてて
ごはん つくってくれないのよ!
*「おなか すいたよう!
ママー ごはんごはん!
*「魔物退治 どうなりました!?
*「あっ すみません。
ええと……
(よろず屋)
*「正しきものは かならず
神の導きのもと
勝利するのです。
(教会)
*「あっ! 旅の人!
どうやって 魔の山から……。
*「もうそんなこと どうでもいいか。
あいつを 助けにきたなら
手おくれだよ。
*「魔物は これから火あぶりに
なるんだ。
これで みんなのカタキがうてる。
*「キャー!
*「話しかけないでよ!
今 火かげんが
大事なとこ なんだから!
*「ぶつぶつぶつ
主人は アテにならないし
娘は 言うこときかないし。
*「ああ イライラする!
ぶつぶつぶつ。
*「すー すー。
*「ぐおー ごごごごごご。
*「おや 走ってきたのは
ルカスじゃないかい?
*「これで 村も平和になるわ。
何もかも 魔物のせいに
決まってるんだから!
*「とうとう おそろしい魔物の
最後ですね。
*「きっと これで村も
元どおりになるわ。
*「バケモノを もやして
灰に しちまうんじゃよ!
さあ 村長さん!
*「バケモノめ!
もう おしまいだぁあ!
これから 火ぃつけてやる!
*「これで やっと天国の息子も
ゆっくり眠れますよ。
*「あいつが 骨だけになったら
足で ふんづけてやるのよ!
*「それから コナゴナになるまで
くだいてやる!
男は 目をとじて
祈りをささげている。
こちらには 気づかないようだ。
*「やっと……おまえの
カタキを うってあげられるよ。
*「村のために 死んだ
おまえのこと
父さんは 忘れない……。
*「へへっ あのヤロウを
たんまり ぶんなぐってやった。
気分よかったぜ。
*「はやく 村長さん
火をつけりゃいいのに。
何を グズグズしてるんだ。
*「バケモノめ!
気をうしなったフリなんか
したって 助けてやらないぞ!
*「天国の 神父さま
ごらんになっていますか?
*「ようやく あなたのカタキ
にくい魔物めを
こらしめることが できます。
村長「ルカス!
まさか またジャマをしようと
いうのでは ないだろうな。
ルカス「村長さん! 聞いてください!
あの人は 魔物じゃないんだ!
魔物の姿にされてるだけで……
村長「なにを ねぼけたことを。
むむ!
村長「あなたがた どうやって……。
村長「なんだ
みんな どうしたというんだ?
村長「!
ルカス「神父さま!
村長「なんという……ことだ。
行こうとすると
ルカス「まって!
メルビン「おお 神の奇跡か
神父さまが もとの姿に……。
メルビン「もとに もどったはいいが
ひどいケガを しておられる。
助けるでござる!
ガボ「……神父さま
もとに もどったんだ……。
ガボ「でも まさか
死んじまったんじゃ……。
アイラ「神父さまが もとの姿に
もどっていく……。
アイラ「そうだわ! はやく
キズの手あてをしないと!
*「ちくしょう どうなってんだ!?
魔物が 神父さまに
変わりやがった!
*「魔物の 目くらましか!?
それとも……。
いや そんなこと あるはずねえ!
*「なんだ 何が起きたんだ!?
どうして 神父さまが
倒れてるんだ!
*「魔物は どこに行ったんだ!?
なあ 何が起きたんだよ!
*「ウソよ!
こんなこと あるはずない。
*「魔物が まぼろしを見せて
助かろうと してるんだわ!
*「神父さま!?
なんで 神父さまが!?
どうなってるんだい!
*「なんじゃと!?
まさか 魔物と見えたのは
神父さまだったのか!?
*「これは 神の奇跡
それとも 魔物のしわざ
ああ わたくしには わからない!
*「神父さま あなたは
天の神のみもとに
いらしゃる はずなのに!
村長「魔物は 何も言わなかった。
村人たちに とりかこまれ
いためつけられても。
村長「はむかいも せず
何も 言わずに。
村長「まさか いや そうとしか
考えられん!
村長「旅の方! あなたがたが
正しかった!
わたしたちは 何ということを!
村長「何という……。
*「ルカス!
そいつから 離れるんだ!
*「神父さまの姿になって
おれたちを だまそうと
してるんだよ!
*「早く 離れろ!
食われちまうぞ!
*「なんだよ!
いったい どうなってるんだ!?
*「あわわわわ 神父さまが
キズだらけで たおれてなさる!
*「どういうこった!
あわわわわ。
*「とうとう おそろしい魔物の
最後ですね。
*「きっと これで村も
元どおりになるわ。
※本来話せない位置にいる村人だが、操作によっては可能
キズだらけの 神父は
ぐったりと 横たわっている。
ルカス「……そうだよ
神父さまだったんだ。
ルカス「神父さま だったのに!
ルカス「ぼくは 聞いたんだ!
山の上で魔物が言った。
きみたちも 聞いたよね!?
ルカス「神父さまは 村を守るために
取り引きしたんだ。
魔物と 姿を取りかえて!
ルカス「それなのに……。
村長「ルカス われわれは……。
ルカス「おねがいだ 手をかして。
神父さまを 教会へ。
村長「ルカス。
ルカス「おねがい。
ぼくひとりじゃ はこべないんだ。
手をかしてよ。
ルカス「ありがとう。
きみたちには 何から何まで
めんどうをかけるね。
ルカス「神父さまは 眠ってるよ。
体じゅう ひどいケガで
すごく苦しそうなんだ。
ルカス「もしかしたら 神父さま
このまま 目をさまさずに……。
そうだ!
ルカス「おねがい ちょっとだけ
神父さまを 見てて!
ルカス「これ もってきたんだ。
母さんの女神像。
ルカス「きっと 女神さまが
神父さまを助けてくれる。
ルカス「神父さまは
何ひとつ 悪いことなんて
してないんだから。
ルカス「きっと……。
女神さまが きっと……。
アイラ「今は とてもじゃないけど
ルカスに声をかけられる
フンイキじゃないわね。
アイラ「せめて 祈りましょう。
神父さまが 助かるように。
メルビン「わが神が 生きておられれば
かならずや この神父さまを
お助けに なったであろうに。
メルビン「もし わが神が……。
メルビン「いや きっと神父さまは
助かるでござる。
わしは 信じているでござる。
ガボ「オイラも 女神さまに
お祈りするんだ。
ガボ「いいことしか してねえ
神父さまだもん。
女神さま 助けてくれるよな。
神父は 苦しそうに
顔をゆがめたまま
ぐったりと 横たわっている。
アイラ「村長さんに 神父さまは
ひとまず無事だって
言ってあげたほうがいいね。
アイラ「みんな きっと
心配してるだろうから。
メルビン「村長どのに すべての
いきさつを 話すべきだと
わしは 思うのでござるよ。
メルビン「あとは 村長どのから
村のみなに うまく話して下さるで
ござろう。
ガボ「女神さま なんとか神父さまを
助けてくれねえかな。
アルスも 祈ってくれよ。
ルカス「女神さま……。
おかあさん……どうぞ。
ルカス「どうぞ 神父さまを
助けてください……。
*「ねえ おそとで なんかあったの?
ママもこわーいかお してるし
ヘンねえー。
*「信じられませんよ。
魔物だと思ってたのが
まさか 神父さまだったなんて。
*「だれだって あんな姿をしていたら
こわがるのが 当たり前よ。
そうよ。私たちは 悪くないわ。
*「みなさんは 知ってたんですか?
なら なぜ もっと早く
教えてくれなかったんです?
*「……いえ すみません。
こんなこと 言えた立場じゃ
ないですよね。
*「さて…。
(よろず屋)
*「ぜんぶ 魔物のしわざだったの?
なんて ひどいことを……。
*「あたしの 目の前で
魔物から 人間にもどって……。
今でも 目に やきついてますよ。
*「頭が こんらんして
今は 何も 考えられません。
*「はあ……。
仕事は ちゃんとやらなくちゃ。
*「ねえ? 本当なの?
教会の魔物が 神父さまだったって?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「そうだったの……。 |
いいえ |
*「いいえ 気を使わなくても |
*「妻と娘にも すべて 話しました。
*「神父さま……助かるといいんですが。
*「まさか……。そんなことが。
出ようとすると
今は まだ
村をはなれることは できない。
*「本当に あの魔物
神父さまだったのか!?
*「おめえも 見たろ。
あのお顔は まちがいねえ。
見なれた 神父さまのお顔だ。
*「魔物が やって来てからは
村がおそわれることは
なかった。
*「ルカスの話と 同じだよ。
じゃあ ぼくたちは……。
村長「誰だ!
村長「旅の方 でしたか。
あなたがたには
もうしわけない ことをした。
村長「くわしく 話を
聞かせていただけませんか?
ガボ「ぜんぶ 教えてやろうぜ。
神父さまが なんで魔物の姿に
なってたのか。
ガボ「あんまり 村のみんなは
聞きたくねえ話かも しんないけど
オラ だまってんの イヤだよ。
アイラ「ルカスよりは わたしたちが
話したほうがいいわ。
アイラ「そのほうが ルカスと
村のみんなの間が
うまくいくと 思うから。
メルビン「いささか きびしいようだが
村のみなには 真実を
知ってもらいたいでござる。
メルビン「村長どのに わしたちが
知っていることを すべて
話そうでござる。
出ようとすると
村長「もうしわけないが
くわしく 話を
聞かせていただけませんか?
*「料理は できたけど
食事になりそうな
フンイキじゃないし……。
*「ああ もうみーんな
さめちゃったわ。
どうしましょ。
*「ああ わたくしたちは
何という 罪深いことを!
*「この つぐないは
どうすればよろしいのですか?
……はっ。
*「失礼 いたしました。
わたくしに できることは
ございますか?
(教会)
*「どうか ざんげさせてください。
魔物の姿であったとはいえ
神父さまに 呪いの言葉を……。
*「どうか シスター
わたしの罪を ゆるして下さい。
*「わたくしに 何が言えましょう。
真実を 見きわめられなかった
おろかな わたくしに。
*「すや すや……。
*「信じられない いえ
信じたくないんです。
魔物が 神父さまだったなんて。
*「……でも 本当なんですね。
ああ ぼくたちは
なんてことを!
*「あんたたちは 知ってたのか?
だから おれたちを
止めたのか?
*「くそっ! あの時
ルカスと あんたらを
信じていれば……!
*「神父さまには
口では 言いあらわせないほど
ご恩があったというに。
*「だのに わしらは
村人みなは その恩を
あだで 返してしまった!
*「きっと こりゃ夢だあ。
みんな悪い夢を見てるんだよ。
*「いやな霧が出て 魔物が出て
木こりたちが死んだのも
ぜーんぶ 夢だったんだよ!
*「夢だったと 思いたいよ……。
村長「……そうですか。
では すべては魔の山の
魔物のしわざだったと。
村長「旅の方には 本当に
なんと お礼を言ったらいいか。
もうしわけない。
村長「われわれは 明日の朝
みなで 神父さまに
あやまりに行こうと思います。
村長「それで 許してもらえるとは
思いませんが……。
村長「旅の方 かさねがさね
もうしわけないが ルカスに
ついていてやって くれませんか。
村長「さっきの様子では どうも心配で。
ですが なさけないことに
今は 合わす顔がない。
村長「どうか お願いいたします。
ガボ「気まずいのも わかるけどさ
村のやつ なんでちょくせつ
ルカスんとこ 行かないんだよ!
ガボ「神父さまも ルカスも
かわいそうじゃねえか!
アイラ「ルカスにも 村のみんなにも
少し時間が 必要だわ。
アイラ「今 顔をあわせても
たぶん どっちも傷つくだけ。
わたしは そう思う。
メルビン「神父さまが 助かっても
問題は 終わらないでござる。
メルビン「村のみな ルカス
神父さま すべての人々が
笑いあえる ようになるまで……。
神父「旅の方 でしたね。
ええ ケガはもう なんとも……
ゴホッ ゴホッ。
神父「いえ だいじょうぶです。
ひとつ たのみを聞いて
いただけませんか?
神父「みなの 目が覚めぬうちに
この村を 出たいのです。
どうか…… ゴホッ。
神父「なさけないことに
足もとが
おぼつかないのです。
神父「村の 入り口まで
つきそって いただけませんか。
どうぞ おねがいいたします。
アイラ「よかった 神父さま
もう 起きあがれるのね。
アイラ「でも 村を出るって
いったい どうして?
ガボ「神父さま まだツラそうなのに
どこ行く気なんだ?
神父「お願いいたします。
どうか…… みなの目が
さめぬうちに わたしを村の外へ。
神父「旅の方 どうぞ
お願いいたします……。
アイラ「…………。
アイラ「今は なんて言ったらいいのか
よく わからないの。
ガボ「神父さまの 考えること
オイラ ちっとも わかんねえ!
わかりっこねえ!!
メルビン「…………。
メルビン「わしには なにも
言えないでござる。
教会に入ろうとすると
神父「もうしわけありません
ルカスが ねむっているのです。
神父「物音をたてて あの子を
起こしたくありませんので
どうか 中へは入らぬように……。
メルビン「せめて ルカスどのには
ひとこと のこしてゆかれても
よいのでは ござらぬか。
メルビン「いや 神父さまが
決めたことに わしが
口出しできる すじあいではないが。
ガボ「ルカスにも ないしょなのか?
どういうことだ?
神父「不思議に お思いでしょう。
村を 出るなどと。
神父「旅の方の おかげで
村人も わたくしも
すくわれました。
神父「わたくしに かかっていた
魔物の呪いは とけた。
しかし 村人の心は……。
神父「霧が はれようとも
かれらの心は
いまだ 苦しみの中です。
神父「…………。
ガボ「ヘンだよ!
なんで 神父さまが
村を出てくんだよ!?
アイラ「神父さま まだ歩くのも
つらそうなのに。
アイラ「そうまでして 村の
みんなのために……?
ルカスの家
神父「今 この家には
誰もいないはず。
神父「あるじのいない 家に
勝手に入るわけには
ゆきません。
神父「もし わたしが……。
神父「もし わたしが
このまま 村にとどまるならば…
神父「村の人々は いつまでも
わたくしの姿を見るたび
苦しむでしょう。
神父「かれらに 罪はない。
すべては 魔物のしわざというのに
村人は 苦しむでしょう。
神父「苦しみの日々は
霧とともに
消えるべき なのです。
神父「霧と ともに
わたくしと ともに……。
アイラ「だからって こんな体で
動き回ったら 死んじゃうわ!
アイラ「せめて ケガが治るまで
村にいたっていいじゃない!
メルビン「…………。
すべては 神父さまが
決めたこと。
メルビン「わしには なにも
言えないでござる。
ガボ「なんで 神父さま
あんな ヒドイ目にあったのに
怒んねえんだ!?
ガボ「神父さま ヘンだよ!
家に入ろうとすると
神父「村人には
気づかれたくないのです。
神父「どうか 家の中へは
入らないで いただけませんか?
神父「ここは よい村でした。
村人も みなよい人ばかりでした。
わたくしは 忘れますまい。
神父「旅の方 あなたがたにも
お世話になりました。
ありがとうございます。
神父「あなたがたが
村を 救って下さった。
本当に なんと言ってよいやら。
神父「おしゃべりは
ここまでにしましょう。
なごりが おしくなる……。
神父「…………。
神父「わたしは たぶん
たえられないのです。
神父「わたしが 村のみなを
キズつけてしまうという事に。
わたしが……。
神父「……いえ。
どうか 忘れてください。
メルビン「もし わしが
神父さまと 同じ立場で
あったとしたら……。
メルビン「わしは きっと
この村に 残ったでござろう。
メルビン「たしかに神父さまが
出ていけば 村人は
救われる。しかし……。
ガボ「神父さま 胸はって
いばりちらしたっていいのに
なんで 出てくなんて言うんだよ!
神父「ありがとう ございました。
では……。
ルカス「神父さま!
神父「ルカス どうして……。
ルカス「神父さま!
そんな体で どこへ行くんです!
ルカス「だめです!
まだ 横になっていなくちゃ。
神父「いえ 心配はありませんよ。
ルカス あなたが女神像に
祈りをささげてくれたおかげです。
神父「それよりも……。
わたくしは この村を
出ようと思います。
神父「村のみなに
長い間 世話になったと
伝えていただけませんか?
ルカス「どうして……
どうしてあいつらに
お礼なんか 言うんですか!?
ルカス「さんざん ひどいことをして!
あいつらが 出てくならわかります。
どうして 神父さまが!?
ルカス「きみたちだって
そう 思うだろ!
神父さまが 出てくことないよ!
はい/いいえ | |
---|---|
はい/いいえ |
神父「もう 決めたのですよ。 |
神父「ルカス かれらを
責めてはなりません。
神父「わたくしとて
かれらの立場ならば
同じことを したでしょう。
神父「神につかえる者は
人々の心を いやし
なぐさめることが 役目。
神父「けれど わたくしを見るたび
村人は苦しむでしょう。
おのれの あやまちを思いだし……。
神父「……わたくしは
この村にいるべきではない。
神も そう おっしゃるでしょう。
ルカス「でも……でも 神父さま
そんな体じゃ 死んじゃうよ。
ねえ 体が治るまででも!
神父「もう 決めたのですよ。
ルカス。
神父「みなさん ほんとうに
最後まで お世話になりました。
では……。
ルカス「神父さま!
ルカス「これを……。
ルカス「母さんが いつも祈ってた。
魔物やわざわいから
守ってくれるようにって。
ルカス「神父さまが 村を出るなら
その旅を…… きっと
この女神さまが きっと……。
ルカス「きっと 守ってくれるから。
どうか神父さま 女神さまを
いっしょに つれて行ってよ。
神父「ルカス しかしこの女神像は
あなたのお母さんの
かたみでは ないのですか?
ルカス「きっと 母さんだって
生きてたら
そうしろって言ったさ。
ルカス「ぼくは だいじょうぶ。
いつまでも子供じゃない。
神父さま さあ。
神父「ありがとう……。
神父「では わたくしも祈りましょう。
あなたと お母さんが
そうしたように。
神父「いかなる魔物や わざわいからも
人々を 守ってくれるように
女神像に 祈りをささげましょう。
神父「ずっと ずっと
祈りつづけましょう。
一日も 休むことなく。
神父「この村と 旅人に
そしてルカス あなたに
神のご加護がありますように。
ルカス「神父さま
行っちゃったね。
ルカス「なんか ちょっと
……ちょっとだけ
さみしいや。
ルカス「きみたちは?
これから どうするの?
村長「ルカス! それに旅の方!
では やはり……。
ルカス「神父さまは
出てゆきました。
ルカス「……みんなには
たくさんお世話になったから
よろしく言ってくれって。
村長「本当ですか!?
旅の方!
いいえの場合追加 | |
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いいえの場合追加 |
村長「いえ なぐさめは |
村長「やはり そうでしたか。
いやな胸さわぎが
したのです。
村長「せめて おわびを。
ひとことだけでも 神父さまに
あやまりたかったのに。
村長「…………。
ルカス「神父さま
おこってなかったよ。
ルカス「しかたのないことだって。
みんなに 神のご加護が
ありますようにって。
ルカス「神父さま そう言ってた。
村長「なんと……いう ことだ。
村長「なんという……。
村長「今日は あまりにも
いろいろなことが ありすぎた。
村長「みなさん ルカス。
村長「あなたがたも
おつかれでしょう。
わたしの家へ 来て下さい。
村長「神父さまに できなかった
つぐないの分も あなたがたを
おもてなしします。
村長「おねがいです。
おろかな村人を
あわれと思うならば……。
村長の家に まねかれた一行は
あたたかい 寝床に
身を横たえ 疲れをいやした。
めまぐるしく 起きた
さまざまな事件に
思いを はせながら……。
そして 次の朝。
村長「お目ざめのようですな。
いかがですか
疲れは とれましたか?
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村長「ムリもない。 |
村長「旅の方 ほんとうに
あなたがたには
お世話になりました。
村長「……できることなら
神父さまにも おわびを
したかったのですが。
村長「いや 今となっては
どうしようもありませんね。
神父さまは いないのだから。
村長「みなさん ほんとうに
ありがとうございました。
……そうそう。
村長「あなたがたと 神父さまへの
感謝のしるしを 村の広場に
作ろうと思うのです。
村長「われわれにできる
せいいっぱいの
つぐないとして。
村長「……では みなさん
お気をつけて。
ありがとう ございました。
アイラ「こうして見ると
ふつうの村なのにね。
アイラ「今までのできごとが
信じられない。
ガボ「なんか 村のみんな
ホッとした 顔してるぞ。
……ちょっと 気分わりいな。
メルビン「魔物も 霧も 神父さまも
村から 消えたのでござるな。
メルビン「しかし ほんとうに
これで よかったのか……。
村長「旅の方 もしこの先
どこかで神父さまに
会うことがありましたら……。
村長「村のものは みな
あなたに感謝していると
いつでも 帰りを待っていると……。
村長「そう 伝えて下さい。
どうか お願いします。
*「シスターも 教会に帰ったし
お料理 ずいぶん
ラクになったわ。
*「シスターは 教会へ
もどりましたよ。
*「お休みになりたいなら
こちらのベッドで
ご自由に。
メルビン「ふむ どうやら
変わりないようで ござるな。
よかった よかった。
メルビン「神父さまの 望んだように
村は すっかり平和でござる。
しかし……。
メルビン「ここに 神父さまがいれば
言うことはないのでござるがな。
アイラ「よかった あれから
魔物は 出ないみたいだね。
ひと安心だわ。
ガボ「さいしょ 来たときは
みーんな あおーい顔して
ぶつぶつ 言ってたよなあ。
ガボ「あん時は ブキミだったぞ!
*「きいてきいて!
ルカスってば ひどいのよ!
*「ぼくは もうこどもじゃないから
おまえとは あそべないよだって!
まだ ぜーんぜん ちっちゃいくせに!
*「もー あんなこ しらない!
ごめんなさい したって
あそんだげないんだから!
*「あたしゃ はじめっから
わかってたよ。
あの魔物が 神父さまだって。
*「みんなも ひどいこと
したもんさねえ。
*「みなさんのこと 神父さまのこと
わたしたちは けっして
忘れませんわ。
*「神父さまは 昔っから
村のみなにやさしい
すばらしい お方じゃったよ。
*「魔物のせいとはいえ
その神父さまを うたがったとは
なんとも はずかしい。
*「神父さまへの おんがえしに
ここに 記念になにか
建てようってことになったんです。
*「みなさんと 神父さまへの
感謝をこめて ね。
*「なんでもいいから
どーんと でっかいもの
作ろうぜ!
*「力仕事なら
いくらでも やるからよ!
*「ママあ おみせやさんごっこ
もういいからあ
ごはん つくってよー。
*「けっこう お店に出るの
楽しいんですよ。
うふふ。
*「うちの人 霧がはれたから
仕入れに行かなくちゃって
出ていっちゃって。
*「まあ みなさんのおかげで
魔物も いなくなったから
心配はありませんけどね。
(よろず屋)
ルカス「やあ きみたち。
また旅に出るのかい?
ルカス「きみたちに会えて
うれしかったよ。
ほんとうに ありがとう。
ルカス「神父さまの 言ったこと
あれから 考えてみたんだ。
ルカス「ぼくだって はじめは
神父さまを うたがってた。
みんなと 同じだったんだ。
ルカス「ぼくも 神父さまみたいに
やさしい 強い人になりたい。
……そう思ったんだ。
ルカス「まずは いちにんまえの
木こりにならなきゃね。
クヨクヨしてても はじまらない。
ルカス「きみたちの 旅の無事を
祈ってるよ。
それと 神父さまの……。
アイラ「ルカス ひとりぼっちで
心配だったけど なんとか
うまくやってるみたいね。
ガボ「ルカス 元気そうで
安心したぞ!
ガボ「オラみたいに いっぱい食って
もっと元気に なるといいな!
ガボ「ルカス 思ったより
元気そうだったな。
ガボ「あいつ りっぱな木こりに
なれるといいな。
アイラ「強い子だね ルカスって。
ルカスと話して なんだか
気分が すっきりしたわ。
メルビン「ルカスどのは きっと
たくましく 育つであろう。
メルビン「今となっては それだけが
救いでござるな。
メルビン「子供というのは
たくましいものでござる。
安心したでござる。
メルビン「魔物よりも 人がこわい。
それも ひとつの真実。
メルビン「じゃが 時には 神よりも
たのもしいのが 人間でござるよ。
ルカス「がんばって 父さんよりも
りっぱな 木こりになるんだ。
ルカス「きみたちと 神父さまの
旅の無事を 祈ってるよ。
*「魔物は 旅のやつらが
やっつけたってよ……。
*「よかったなあ。
ようやく静かに 眠れるな。
*「ほんとに 神父さま
いなくなっちゃったんだ。
*「今にも この扉を開けて
顔を 出しそうなのに。
*「神父さまが
いつ帰ってきてもいいように
おそうじ してるのよ。
*「あたしに できることったら
このくらいしか
ないからねえ。
*「神父さま
出ていっちゃったんだなあ。
さみしくなるなあ。
*「あの人は ほんとうに
やさしくって
いい神父さま だったんですよ。
*「神父さまが 身をもって
しめして 下さったように
正しく 生きていこうと思います。
*「いかなる時も 人を愛し
けして にくしみの心は
いだくまいと。……さあ。
(教会)
*「神父さまの お部屋を
いつでもキレイに
しておこうと 思うの。
*「もしかしたら 神父さま
戻ってくるかもしれないもの。
*「ここは 神父さまのお部屋。
神父さまは いつも
このイスにすわっていらした。
*「声をかけると 神父さまは
いつでも ほほえんで
ふりかえった。
*「この 罪ぶかき
わたくしたちに……。
*「あっ みなさん!
あの時は すみませんでした。
魔物の仲間だなんて 言って。
*「みなさんは 村を救って
くれたっていうのに。
ほんとうに ごめんなさい。
*「しかし 神父さまも
なにも
出ていかなくったってなあ……。
*「村を守るため
神父さまは 魔物と
取り引きしたそうですね。
*「こんな はくじょうものの
わたしたちのために
つらい思いをして……。
*「神父さまと おまえさんがたには
もうしわけねえ ことをしたなあ。
*「でも神父さまも もういねえし
今は ほっといた 畑
たーんと たがやさねえとなあ。
*「兄さんのカタキだと
ずっと 思ってたわ。
神父さまに つらくあたってた。
*「あたしが 子供のころから
かわいがってもらったのに。
やさしい 神父さまだったのに。
*「ごめんなさいを
言いたかったのに……。
*「息子のカタキを
とってくれたんですってね。
ありがとうございます。
*「ああ 神父さまにも
おわびできればねえ。
メルビン「山の上にも 霧は見えぬ。
あの時のできごとが
まるで 夢のようでござる。
アイラ「神父さま 今ごろ
どうしてるんだろうね。
アイラ「どこかで もういちど
会えるといいけど……。
ガボ「なんか 今度の旅は
つかれたなあ。
ガボ「フィッシュベルに帰って
アルスの かあちゃんのメシ
ハラいっぱい 食いてえなあ。
アイラ「霧が はれると
ずいぶん気持ちのいい所ね。
お日さまって 大事だわ。
ガボ「このへんも ひさしぶりだなあ。
……おっ 動物がいる
ニオイがするぞ!
ガボ「霧も なくなったし
魔物もいなくなったから
戻ってきたんだな。よかった。
ガボ「ルカス元気でやってるかな?
アイツのことだから
きっと 元気だよな。
アイラ「こうして見ると
なんのへんてつもない 田舎だね。
まあ平和なのが いちばんだけど。
メルビン「このあたりには
レブレサックのほかには
村は ないのでござるな。
メルビン「けわしい山の中や
岩山に 住むわけにも
いかぬで ござるからな。
ガボ「ほんと すっかり霧が
はれたな。
ちがうとこに 来たみたいだ。
メルビン「もう2度と 魔物が
この扉のむこうから
やって来ることがないといいが。
メルビン「アルスどのも
そう思うでござろう?
ガボ「あん中に 閉じこめられた時は
あわてたよなあ〜。
アイラ「門のところ またカギが
かかったみたいだね。
アイラ「まちがえて 誰かが
迷いこんだら 大変だもの。
これで 安心ね。
メルビン「これからは 霧に
ジャマされることなく
どこへでも 行けるでござるな。
ガボ「ここも すっかり
霧がはれたな!
ガボ「こんなら 道にまよったり
しねえで すみそうだ。
アイラ「霧がはれて ようやく
南にあるっていう町にも
行けるようになったのね。
*「ようやく 霧がはれたんで
仕入れに いくとこなんですよ。
*「みなさんも お気をつけて!
※南は砂漠。セリフとイベントはクリア済
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