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*「そこの 研究所から
すごい音が 毎日のように
聞こえてくるのよ。
*「ガシャンッとか ドカンッとか
何やってるのか知らないけれど
大丈夫なのかしら……。
マリベル「いまだに ドタバタ
やってるのかしらね!
ガボ「何を 作ってんのかな。
料理を作る からくりだといいなあ。
ガボ「もし そうだったら アルス。
いっこ 買ってくれよな! なっ!
*「よし いまじゃ!
スイッチを 入れるのじゃ!
*「はっ!
*「い いかん!
スイッチを 切るのじゃ!
*「はっ はい!
*「むうっ やっぱりだめじゃ。
いったい何が 悪いというのか!
*「いま思えば 禁断の地に返した
あの からくり兵は
じつに よく出来ていましたよ。
*「こんなことなら あのとき
もっと ちゃんと調べておけば
よかったですね。とほほ……。
*「いったい いつになったら
成功するのでしょうか……。
*「もう 何度失敗したのか
数えきれませんよ。
*「ああ……。私たちの ちからで
フォロッド王さまの きたいに
そえるのは いつのことでしょう。
*「ああして 文句も言わずに
もくもくと 働きつづける
あいつを見ているとさ……
*「なんだか とっても
いとおしくなって くるんだよ。
これって わかるかなあ。
*「これは旅人とは めずらしい。
*「ささ かまわぬぞ。
中でゆっくり 休んで
行くがよかろう。
ガボ「兵隊って 朝から晩まで
ずっとここで 見張ってるのか?
ガボ「オラだったら とっくに
あきちまってるな きっと!
*「ここは 王さまのお部屋だ。
くれぐれも さわがぬように。
よいな。
兵士長「元気そうだな アルス!
まだ 旅をつづけているようだな。
兵士長「旅に 疲れたときには
いつでも来るがいい。
兵士長「このフォロッド城は
いつでも そなたたちを
かんげいするぞ!
マリベル「あらためて よ〜く見たら
兵士長って やっぱり
アルマンさんに 似てたわね!
ガボ「かんげいして くれるってことは
ごちそうして くれるってことか!?
大臣「あれ以来 禁断の地には
足を踏み入れた者はいない。
大臣「ゼボットと エリーの二人も
あれからは きっと静かに
暮らしているに ちがいなかろう。
大臣「それもこれも
国王陛下の あたたかい
思いやりがあってこそであるな。
ガボ「ふ〜ん。
国王さまって 重いヤリを
持ってんのか?
マリベル「よかったわあ。
あれからも ふたりは ずっと
静かに 暮らせていたのね。
フォロッド王「おおっ そなたたちか。
いつぞやは 世話になったな。
フォロッド王「心のこりがないと言えば
うそになるが… エリーのことは
きっとあれで よかったのであろう。
フォロッド王「今は きっぱりとあきらめ
未来は みずからの手で
つかむことにしよう。
フォロッド王「からくり人間が
完成しさえすれば 夢はかなう
明るい未来が おとずれるぞ!
フォロッド王「そなたたちも
楽しみにしているがよい。
はっはっは!
*「わたし お料理するの好きだから
からくりに代わってもらおうなんて
ちっとも思わないな。
*「あっ でも あとかたづけを
手伝ってくれたら うれしいわ!
*「いま 国王がすすめている
からくり人間の計画は 世界中の
人々のために考えられたものです。
*「からくりも 使いようによっては
きっと人々に しあわせを
もたらしてくれる はずですからね。
*「うちは代々 兵士の家系なの。
でも いまは女の子ひとりしか
子供が いないでしょ。
*「もうひとり
あの子に 弟が欲しいんだけど……。
*「お城づとめの 主人が
いそがしいから なかなかね。
*「あら わたしったら!
何を 言っているのかしら。
いや〜ん!
ガボ「なあ アルス。
おとうとと 忙しいのと
何の関係が あるんだ?
アルマン「おおっこれは みなさん。
また こんな遠くまで
よく来てくださったのう。
アルマン「そのせつには 本当に
お世話になりましたな。
アルマン「このアルマン
みなさんのことは
一生 忘れませんぞ!
ガボ「アルマンの おっちゃん
元気そうだな。
オラも うれしいぞ!
*「あ! おにいちゃんたち!
また遊びに来てくれたのね!
*「おじいちゃんから 聞いたよ。
おにいちゃんたちが うちの
ご先祖さまを 助けてくれたって!
*「えへへ。
よく わからないんだけど
ありがとうね!
ガボ「早く おとうとが
できるといいな!
マリベル「ちゃんと お礼を言える
いい子だわね。
マリベル「まるで 子供のころの
あたしを 見ているみたいだわ。
*「わたしは この国の城
フォロッド城で
兵士をつとめています。
*「休みのときには こうして必ず
フォーリッシュの町に
遊びにくるんですよ。
*「この辺は本当に のどかで
いいところでしょう。
わたしも 大好きなんですよ!
ガボ「あんまり 平和だと
戦う相手が いなくて
つまんねえぞ。
マリベル「あんまり のどかだと
みんな ぽーっとしちゃうわよ。
マリベル「適度な きんちょう感も
必要なんだからね。
*「あいたたたっ!
ギックリ腰に なっちまってね。
こうして振り向くだけでも痛いのさ。
*「あの タルみたいな奴を
ちょっと 持ち上げようとしたら
ガクッときちゃってねえ。
*「あたたっ!
こりゃあ やっぱり
持って帰れそうにはないわ……。
マリベル「まったく コリない
男だわね……。
ガボ「ばっかじゃ ねえか。
ガボ「そんなんだったら
自分で そうじ したほうが
早いぞー!
*「いまわしい過去を持つ この町も
いずれは変わっていくのじゃよ。
*「王さまが 明るい未来を
約束してくださったからな。
*「まあ わしの生きてるうちには
間に合わんかもしれんが
未来は子供たちのものじゃ。
*「きっと この町も この国も
ますます栄えていくことじゃろう。
ありがたいことじゃ。
ガボ「ばっちゃん 生きてるうちに
間に合うぞ きっと!
*「わが国の 若き王
フォロッド7世さまは
たいしたお方です。
*「国じゅうの学者を 城にあつめ
日夜あたらしい からくりの
研究をさせているのですよ。
*「しかし 残念ながら
まだ完成を 見ていません。
*「みんな 首を長くして
待っているのですがね。
マリベル「本当に できるのかしらね。
自分たちの ちからだけで。
*「あれから ずっと
からくり人間が できるのを
待っているんだけどさ。
*「まだ できないのかねえ
料理のできる からくりは。
一日も早く ほしいんだけどねえ。
マリベル「気持ちは わかるけどね。
ここの学者たちの ちからだけじゃ
きっと まだまだ先だと 思うわよ。
ガボ「からくりが作る 料理って
油くさく ねえかなあ。
オラ ちょっと 心配だぞ。
エリーが ゼボットのそばに
まるで寄りそうようにして 倒れている。
どうやら もう 動かないようだ……。
しかし その表情は やすらかで
やさしく ほほ笑んでいるように見える。
マリベル「これで……
これで よかったのよね。
きっと……。
ガボ「うっ…うっ……。
オイラ こういうの 苦手だぞ。
*「あれから からくり兵が
おそってくることも なくなって
この町は 平和そのものさ。
*「おとうさんも おにいちゃんも
死んじゃったけど わたしは
だいじょうぶ。
*「だって わたしまで
死んじゃったら ふたりとも
悲しむものね。
*「そういえば あのあと
ゼボットさんの姿を まったく
見ていないな。
*「どこで なにを
しているのやら……。
マリベル「そりゃ エリーを連れてちゃ
ここには 来づらいわよねえ。
*「どうにも 橋が
なおりそうも ないんで
商売を つづけますよ。
(どうぐ屋)
*「うふふ イイひと
見つけちゃった……。
*「彼 今度 兵士長に
なるかも しれないの。
うふふふ……。
マリベル「イイひと……かあ。
あたしのまわりの男は ロクなの
いないからなあ。
*「おぬしらは たしか……。
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「おおっ やはり あのときの *「おぬしたちの カツヤクは |
いいえ |
むっ そうか。 |
*「見張りは かかしてないよ。
だから あんたらも 心配しないで
旅を つづけてくれ。
*「おれ 今度 兵士長に
志願してみようと 思うんだ。
*「なんでも トラッドさんが
やめるらしいんでな。
*「少しずつじゃが この町も
活気を とりもどして
きたようじゃ。
*「町の守備を 固めるために
防壁の強化を 王に たのんで
いるのだが……。
*「金も かかるからな。
なかなか 受け入れて
もらえんのだ。
マリベル「そうよねえ この国
そんなに お金あるように
見えないもんねー。
*「からくり兵の 恐怖は
みんな まだ 忘れちゃいないよ。
*「でも ムダに 思い出しても
しかた ないからね。
あえて クチには しないのさ。
マリベル「からくり兵が この町を
おそうことは もうないと
思うけど……。
ガボ「オイラも もちろん
忘れて ないぞー。
*「この町も だいぶ
以前の静けさを とりもどして
きおったよ。
*「あれは きっと 悪い夢か
なにか じゃったんだな。
マリベル「すると なに?
あたしは あのじいさんの夢の中の
からくり兵を 倒したってわけ?
*「ここは 立ち入り禁止だぞ。
まだ 残っているからくり兵が
いるかも しれないんでな。
マリベル「からくり兵は まだ
残っているのかしらねー。
ガボ「オイラ ここキライだ。
なんか 油くさいからな。
*「むむっ おまえたちは
アルスたちでは ないかっ!
*「わはははっ よく来たな。
ゆっくり していけよ!
*「ここんとこ ヒマでね。
ピリピリしてた あのころが
ちょっと なつかしいよ。
*「あれから いちども
ゼボットさんは この城に
来ていません……。
*「ずっと 研究所に
こもって いるんでしょうか……。
ヘインズ「おう アルスか。
元気そうで なによりだな。
*「うう…… ハラが へったなあ。
さっき メシ食ったばかりなのに。
*「まっ これも 生きてるって
ことだわな わはははっ。
ガボ「オイラも 生きてるから
ハラへったぞー!!
*「フォロッド城へ ようこそ!
*「……って あんたたちは!
ひさしぶりだなあ ほんとに
ささっ 通ってくれよ。
*「おや あんたたちは
旅に出たんじゃ なかったのか。
*「まあ いいや。
あんたたちなら いつでも
大歓迎さ!
*「この地に ふたたび
戦いが おこらぬよう
わたしは 祈りつづけています。
*「王さまに そそうの
ないようにな。
*「あいたたた……。
くそう また キズが
うずきやがるぜ。
*「いいかげん なおっても
いいころ なんだけどなあ。
*「国民全員が ひとつになれば
国を たてなおすなど
造作も ないこと。
*「わが国は それが できると
わしは 思っている。
王「おお アルスたちよ。
よくぞ 来たな。
王「ゆっくりと 旅のつかれを
落としていくが よいぞ。
*「ふうふう……
ベッドメイクも つかれるわ。
*「今度 ゼボットさんにあったら
絶対に からくりベッドメイカーを
たのんでおかなきゃ!
*「おおー 美しき少女 マリベル〜
ラララ うるわしのキミ〜。
……やっぱり イマイチだな……。
マリベル「むー なによなによ
この ヘボ詩人!
*「城壁 北部 異常なし!
*「城壁 西側 異常なーしっ!
*「また なにか あると
いけないからって ひきつづき
よう兵として やとわれたよ。
*「見張りしてるだけで 金が
もらえるなんて 楽な仕事だぜ。
*「それにしても からくり兵って
どこから 来たんだろうな?
*「あんなのが 自然に
生まれるわけ ないしなあ……。
*「見張りも いいかげん
あきたよなあ……。
*「戦いがないと ウデが
にぶっちまうよ。
*「平和ねー たいくつだわ……。
また なにか事件が おきないかな。
*「私には エリーという
姉が いました……。
*「ゼボットは 姉と 結婚の約束を
していたのです……。
*「しかし ある日のことでした……
*「姉は お付きの兵だった
トラッドとともに 森へ
狩りに行き……そこで死にました。
*「事故だったのです。
目の前に 飛び出した ウサギに
おどろいた馬に 振り落とされて……
*「ゼボットは それから
心をふさぎ あやしげな研究に
没頭するように なったのです……。
*「誰も 悪くないのです。
ただ 不幸だっただけ……。
ガボ「ゼボットのおっちゃんの
好きな人が 死んじゃったって
ことか?
ガボ「ゼボットのおっちゃん
かわいそうだぞ!
マリベル「ふーん これでナゾは
ほとんど 解けたわ。
トラッド「わたしは エリーを
守れなった だから その
つぐないのため 兵士長になった。
トラッド「この国すべてを守るために。
だが 結局 ゼボットの心は
救えなかった……。
トラッド「わたしは なにを
していたのだろう……。
マリベル「アルス あの様子じゃ
トラッドさん もうダメかもね。
兵士長 やめちゃうかも。
*「ふつうに 料理を作って
ふつうに 食べてもらう。
それで いいのよね。
*「平和は いいのう。
なにもない日が いちばん
幸せじゃ。
*「はい いらっしゃい
いらっしゃい!
世にもめずらしい 化石だよ!
*「象より 大きい 頭と
ピカピカの 金色の角!
*「見物は たった5ゴールドだよ!
はい いらっしゃい!
いらっしゃい!
ガボ「おっ 何かやってる!
アルス 行ってみようぜ!
マリベル「アルスは お子様だから
見たいでしょ? わかってるわ。
マリベル「しょうがないわねえ
つきあってあげても いいけど
お金は あんたが払うのよ。
*「そこの 穴から
すっごいものが 出たって
きいてきたんだ。
*「でも お金が ないとね
ダメなんだって。
おとなって ケチだよね。
ガボ「山ん中で 暮らしてた時は
お金なんか いらなかったのによ。
いろいろ めんどくせえなあ。
マリベル「たった5ゴールド とはいえ
お金を とられるのは
なーんか シャクよねえ。
*「まったくもう! 骨なんか見て
なーにが おもしろいんだか!
*「骨ったら 骨なのよ?
お魚の骨 お肉の骨 生ゴミよ!
食べれないのよ!
*「昔の骨なんて もうダシだって
とれないのよ! わかる?
それ見るだけで 5ゴールドよ!
*「わたしが 払うのよ! わかる?
おじいちゃんにも 困った
もんだわよ!
*「1日 5ゴールドを
ドブにすてるなんて。
ああ もったいないったら!
*「あたしゃ もう半日も
ならんでるんだ。
ああ はやく 見たいねえ。
マリベル「物好きねえ〜。
大勢で 並んじゃってさあ。
よっぽどヒマなのね こいつら。
*「昔のツボや おさらのカケラが
この地面から 出るそうで
発掘してた らしいんです。
*「そしたら 今度は ふしぎな骨が
見つかったんですって!
ワクワクしますよね。
マリベル「たかだか 骨を見るために
並んでるってわけ?
バッカじゃないの?
ガボ「ふしぎな骨ってことはさ
普通じゃないってことだよな。
どんな骨なのかな?
*「ガオーッ!
ギャオーン!
ブワォオオオーッ!
*「どんな 鳴き声だったのかな?
うう はやく見たい!
マリベル「……バーカ。
ガボ「ギョギョギョギョゴーン!
……って感じじゃねえかと
オイラは 思うな。
*「早く してくれんかのう……。
このままでは 先に
おむかえが きてしまうて。
ガボ「じいちゃん だれか
むかえに来んの 待ってるのか。
はやく 来るといいなあ。
*「はいはい いらっしゃいー。
おやおや 旅のかただねー。
そりゃあ遠くから どーもどーも。
*「いやー すごいよー。
金色に光る角だよ?
おーきな 頭の骨なんだよー。
*「見たい? じゃ 見物料は
5ゴールド! 安いねー。
ところで お金 持ってる?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「はい ありがとうねー。 アルスは 男に *「はるばる ありがとねー。 |
いいえ |
*「ごめんねー 遠くからきたのに。 |
マリベル「アルス あんた
たった5ゴールドも
持ってなかったの!?
マリベル「ムダづかいばっかり
してるからよ。
あ〜 はずかしいったら。
ガボ「金がねえと やっぱダメかあ。
……きびしいなあ。
*「おーや また来たねー。
今度は お金持ってきたー?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「そう 持ってるの。すばらしいー。 |
いいえ |
*「なあんだー。あんたら *「しょうがないなー。さ |
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「はい ありがとうねー。 アルスは 男に *「はるばる ありがとねー。 |
いいえ |
*「なあんだー。あんたら *「しょうがないなー。さ |
ガボ「さあって いよいよだな!
ふしぎな骨 ふしぎな骨〜!!
マリベル「これで たいしたモンじゃ
なかったら 怒るからね。
*「さあ どーぞ どーぞ
ふしぎな骨 テントの中ねー。
*「ところで センセには
ワタシのこと 言っちゃダメねー。
*「どうして? 研究のジャマしちゃ
いけません。ホントよー。
学者「トカゲ いやワニ ……わからん!
まったく わしゃ 生き物は
専門外なんじゃ。
学者「……ん? ああ 見物か。
勝手に 見てってくれ。
ただし 触るなよ。
学者「あーっ! うるさいっ!
調べものを しとるんだ!
だまっとれ!
ひたいに 金色の角をもった
おおきな 生き物の 化石だ。
角が ピカピカと かがやいている。
化石に さわってみますか?
はい/いいえ | |
---|---|
はい/いいえ |
学者「コラーーーっ! 学者「さわるな! と |
*「ん? なんだ おめぇら。
言っとくが ここは 立入禁止だ。
*「発掘現場は デリケートだからな。
勝手に 入るなよ!
ガボ「あの中で遊んだら すっげえ
楽しそうなのになあ。
マリベル「なによ いばっちゃってさ。
アルス あたしのかわりに
あいつ ひっぱたいて いいわよ。
*「だめだめ! この先は
ぜーったいに 入れないぜ!
*「せんせぇから きつーく
いわれてんだよ。
さあ 行った 行った!
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