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ガボ「おおっ 池があるぞ。
魚 取れんのかなあ?
マリベル「ふぅ とりあえず
池のそばにある あの建物で
ひと休みしましょう アルス。
*「ここは ダーマ神殿をめざして
長い旅をしてきた人が さいごに
立ちよることになる宿です。
*「ここから先は 神殿に着くまで
町はおろか 村さえもありません。
マリベル「つまんないわね。
町も村も ないんだってよ。
なんか 早くも損した気分だわ。
ガボ「オイラ ダーマ神殿に
行ってみたいぞ。
つれてってくれよ。
*「今は しがない戦士だが
いつか 転職で勇者になるのが
私の夢なのだ。
*「というわけで 旅のお方。
私はダーマ神殿へ行く
とちゅうなので 失礼するよ。
ガボ「オイラやアルスも がんばれば
勇者になれんのかな。
マリベル「勇者になるのが夢だーって
思いっきり言ってたけどさ……。
マリベル「さっきの人って 悪いけど
勇者ってガラじゃなかったよね。
*「さいきんの若いモンは
あきっぽいせいか
すぐに転職したがる。
*「いち度 えらんだ職を
きわめる前に やめちまうなんて
もってのほかだべ。
*「ここから 転職しにいった客の
ほとんどが 帰りに うちの宿に
よりつかなくなったんじゃ。
*「サービスが 悪いからかのう。
*「ここの方たちって 誰も彼もが
転職や ダーマ神殿のことばかり
話題にしたがるのよ。
*「たしかに 転職すれば
いろんな呪文や 特技が
身につくから おトクでしょうよ。
*「でも あたくしは そんなの
全然きょうみ ありませんの。
おほほほほ……。
ガボ「そっか ダーマ神殿へ行けば
何でも好きなもんに なれるのか。
オイラ わくわくしてきたぞ。
マリベル「気になるわ。職につくって
一体 どういうことかしら?
マリベル「どの道 ダーマ神殿へ行って
たしかめてみないことには
はじまらないわね。
*「おや? みなさんは
まだ なんの職にも
ついていないようですね。
*「だったら ダーマ神殿へ行って
なにか 職につくことを
おすすめしますよ。
*「お客さん 泊まりたいなら
前から話しかけてくれよ。
*「あの人ったら きっと
私を おきざりにして ひとりで
転職しにいったんだわ。
*「そうよ。絶対そうよ。
これだから 海の男って
信用できないのよね。
*「たしかに ダーマ神殿へ
行く者たちが 近ごろ
へってきている気がする。
*「だけど 言わせてもらえば
何の職業にも ついていない
冒険者など ただのフヌケだぜ。
マリベル「なーんだ ダーマ神殿って
最近 はやってないのかぁ。
行くの よそうかしら。
ガボ「やったな アルス。
今 ダーマ神殿へ行けば
人が少なくて すいてるみてえだ。
ガボ「オイラたちの貸し切りだぞ。
*「お客さん 気づきましたか?
最近 この辺の魔物が やたら
狂暴になってきたんですよ。
*「なにか 不吉なことの
まえぶれだったりして……。
*「気のせいだと いいんだけど
だんだん 客の入りが
悪くなってきた気がするの。
*「やっぱり ダーマへ行く人が
少なくなってきたことと
関係があるのかしら。
*「ふぅ さみしいのう。
誰も わしに会いにきてくれん。
*「以前は ダーマへ行った者は
かならず 新しい職についた姿を
見せに来てくれたのにのう。
*「年よりの相手が イヤになって
わしを さけているんじゃろうか。
*「昔は ここに来たときは
なかなか 宿がとれなくて
外で野宿をしたもんです。
*「それが 今ではガラガラだ。
やっぱり ダーマへ行く人が
へってきているのかなぁ。
*「井戸のなかに こんな場所があるって
おどろかなかった?
*「ここは ダーマ神殿へ向かう
旅人のための カジノよ。
思いっきり 楽しんでいってね。
*「このゲーム 簡単そうに
見えて けっこう 手強いよ。
*「途中で アイテムをそろえても
全てのパネルを 合わせないと
そのアイテムをもらえないんだ。
*「良いものが そろった時なんか
後のめくりが ドキドキだぜ!
*「ダーマ神殿に 行く途中で
ウチによっていった お客さんって
帰りには 来てくれないのよねえ。
*「ここのカジノって そんなに
ミリョクないのかしら?
ガボ「オイラは ここ すっごく
おもしろそうに 見えるけどな。
マリベル「そう言われて見ると
たしかに パッとしない感じよね。
*「う〜む。
剣を使ってでの 戦いなら
負けはしないのだが……。
*「カジノでの勝負は なかなか
思うようにいかないな。
マリベル「あの人 運も 実力のうちって
言葉を 知らないのかしら?
*「こんな所で いつまでも
たむろってるヤツは あれだな。
*「転職しようと思って ここまで
来たのはいいが いざとなると
迷っちまってるんだろうな。
*「ま オレも 人のことは
言えないんだけどよ……。
マリベル「転職なんて そんな
たいしたことかしら?
マリベル「あたしだったら バンバン
転職していきたいけどね。
*「うい〜〜
勝ったあとの酒の味は
かくべつだぜ!
*「お客さん 調子は どうかな。
のんびり 楽しんでいってくんなよ。
*「スロットマシンで コイン全部
つかっちゃったわ。
*「……どこかに 1枚くらい
コイン 落ちてないかしら?
マリベル「……みみっちいわね。
*「ホントは ダーマ神殿で
転職するために ここまで
来たんだけど……。
*「すっかり カジノにハマっちゃって
やめられないのよね〜。
ガボ「カジノって 怖え〜んだな。
マリベル「アルスも
道を ふみはずさないように
気をつけなさいよ。
*「あ〜あ 1度でいいから
ロイヤルストレートフラッシュを
決めてみたいもんだよなあ。
*「勝負に 勝った後に飲む酒は
かくべつだぜ。
*「ダーマ神殿へ 向かう旅人が
多かったころには ここも もっと
にぎわっていたんですがねえ……。
*「今じゃ ずいぶん
さびしくなっちゃいましたよ。
マリベル「何してんのよ アルス。
はやく 見て回りましょうよ。
ガボ「おっ わりぃわりぃ。
神殿を見るのに夢中で
アルスの声に気づかなかったよ。
*「ダーマ神殿に ようこそ
おいでくださいました。
*「転職を 希望なさるなら
祭だんの上に おわす
大神官に お話しください。
*「ここは ダーマ神殿。
人々が おのれに合った職を
さがし求める場です。
*「ようこそ ダーマ神殿へ。
みなさんも 転職で 新たなる才能を
開花させてください。
*「転職をやめて 帰ろうとしたら
引き止められたんですよ。
*「神官は 転職をすすめるけど
私は 商人のままでいたいのに……。
神官「長い長い旅をへて
ダーマに たどりついた者が
今さら 何を言うのですか。
*「いや しかし 私は
商人のままでいるのが いち番
性にあってる気がするので……。
神官「心配は 無用です。
転職しても 今まで覚えてきた
特技は うしなわれないのですよ。
神官「こころおきなく 大神官に
のぞみの職を 言ってください。
マリベル「転職の押し売りだ!
マリベル「うわっ 今のはナシナシ。
この場合は 転職の強要っていうのが
ただしい言い方よね。
ガボ「わかったぞ アルス。
大神官ってヤツに頼めば
転職させてもらえるんだよ。
*「ダーマ神殿って 何だか
やけに ガランとした
だだっ広い所なんだなあ。
*「ここに来る前は もっと
にぎやかで 活気のある場所だと
聞いていたのだが……。
マリベル「言われるまでもなく
たしかに 人が少なすぎるわね。
でも しょうがないんじゃないの。
マリベル「家族で 旅行に行けるような
楽しい場所じゃないんだしさ。
ガボ「ダーマ神殿が ガラガラなのは
残念だけど オイラはホッとしてるぞ。
ガボ「どうやら このへんには
魔物に苦しめられてる人が
ぜんぜん いないみたいだしな。
*「ダーマ神殿へ よくぞまいられた。
*「そなたが 新たなる生き方を選び
なおいっそう 修行にはげめば
未知の能力に 目覚めるであろう。
生き方を変えたいと おのぞみか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「生き方を変えたいのは どなただ? *「アルスが なりたいのは *「ほう アルスは *「転職する者も 職につく者も *「まずは 祭だんの奥にある |
いいえ |
*「なんと 信じられん! *「まあ しかたがない。 |
いいえの場合
マリベル「ちょっと ふざけないでよ。
せっかく ダーマへ来たんだから
記念に職につきましょうよ。
いいえの場合
ガボ「たのむよ アルス。
このまま帰るなんて イヤだぞ。
オイラに職をくれよぅ。
はいの場合
ガボ「オイラは いつでもいいぞ。
はやく 泉にドボンしようぜ。
はいの場合
マリベル「えー 服を着たまま
あの泉に つかれっていうの?
つま先だけじゃ ダメかしら?
*「なにを グズグズしておる。
聖なる泉は そなたらの目の前に
あるであろう。
*「……くっくっくっく どうかな?
チカラをうばわれた 感想は?
*「まだ 分からぬというか?
だまされたとも知らず
おめでたいヤツらよのう。
*「その ありがたい泉はな
人間どもの 呪文や特技を
うばうためのものなのだ。
*「さあ 地上の牢ごくで
なげき 悲しみながら
生きてゆくがいい!
*「こんちくしょう!
お前たちのせいで 魚が
逃げちまったじゃねえか!
*「なんだなんだ また新入りかぁ?
今日は これで2度目だぜ。
*「さっきの 勇者になるとか
ほざいていやがった 戦士といい
やけに 新入りの多い日だな。
*「何かと思って 来てみれば
ニセの大神官に チカラを
うばわれた旅人じゃないか。
*「急いで見にきて ソンしたよ。
せっかく きもちよく
昼寝してたってのに……。
マリベル「どういうこと?
一体 何が起こったの?
ここって どこなのよっ!
マリベル「大神官の言ってたことって
何かの じょうだんよね。
ガボ「あれれ? 泉に入ったつもりが
池に とばされちまったぞ。
オイラたちは どうなったんだ。
*「ここは 弱っちいヤツは
虫けらみたいに あつかわれる
弱肉強食の 町なんだぜ。
*「しかも 町の外は 山と海に
かこまれていて 逃げ場なんて
どこにもありゃしない。
*「さながら 地上の牢ごくだな。
ガボ「じたばたしても しょうがないな。
ここはアルスに 全部まかせたぞ。
家に帰る方法を 探してくれ。
マリベル「魔法は使えないし
へんな町に 飛ばされるし……
ううっ どうすればいいのよ。
マリベル「それもこれも ぜ〜んぶ
アルスが 転職したいなんて
言い出したせいなんだからね!
*「町の中央の デカイ屋敷に
スイフーって野郎が住んでんだ。
*「そいつは ここのボスだった男を
半殺しにして ボスの座を
うばい取った おそろしい男だ。
*「ここは ニセの大神官に
だまされた者たちが
肩をよせあう 名もない町さ。
サジ「ボクは 見ていたんだ。
あんたたち ついさっき ここに
落とされてきた人たちだろ。
ザジ「そんな 見知らぬ人たちを
家にあげるつもりは ないからね。
さあ どっかへ行ってくれよ。
マリベル「むっか〜 感じワルー。
話しかけただけで あっち行けなんて
どういう神経 してんのかしら。
ガボ「犬ネコを 追っぱらうみたいに
オイラたちを 追い返すなんて
あんまりだぞ!
*「戦士や武闘家は いいわよ。
どんなに 弱くたって
私らよりは 強いんだから。
*「あのクソ憎らしい ニセの大神官に
呪文を 封じられたとあっちゃ
魔法使いの私は お手上げよ。
*「神殿を魔物に うばわれたのは
ダーマの兵士や 神官たちが
ふがいないせいだよな。
*「そういや カシムとかいう
ダーマの兵士の 生き残りが
酒場にいたっけ。
*「ふざけんじゃねえ!
オレは 有り金ぜんぶ よこせって
言ってんだぞ!
*「かかか かんべんしてください。
*「かんべんしてほしかったら
おとなしく 全部よこしな!
……ん なんだ お前ら?
見せモンじゃねえんだ。
とっとと うせろい!
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「よーし いい心がけだ。 |
いいえ |
*「ちっ ナメやがって。 |
はいの場合
ガボ「助けよう アルス。
見てみぬフリは できないぞ。
はいの場合
マリベル「ニセの大神官に だまされて
あたしは むしゃくしゃしてんの。
マリベル「だから 悪いヤツは
ぎゃふんと言わせましょうよ!
ぎゃふんと!
*「ま〜た お前たちか。
オレさまの やってることに
文句でもあるってのか ええ?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
(戦闘) |
いいえ |
(何も起こらない) |
*「どこの どなたかは存じませんが
ありがとうございました。
*「無法地帯と化した ここでは
弱いものは ひたすら うばわれ
キズつけられる だけなんです。
*「弱い自分が うらめしい……。
マリベル「かわいそうだけど みじめね。
*「さっきは 意見のくいちがいから
ケンカになったが いまは
あんたらと もめる理由がない。
*「さっきのことは おたがい
キレイに水に流して
根にもつのは ヤメましょうや。
マリベル「なんなのよ アイツ!
ちっとも 反省してないじゃない。
マリベル「こうなったら
アイツが 土下座をするまで
とっちめてやりましょうよ。
*「この町に住む者は 決して
魂の剣を 手にしてはならない。
*「ゆすりや たかりは
見逃すスイフーが ゆいいつ
取り決めたオキテなんだ。
*「スイフーのだんなが
魂くだきを 禁止させたのは
弱者を 守るためですよ。
*「いち番 強い男の命令とあれば
この町の ならず者どもも
したがう以外 ありませんからね。
ガボ「うーん スイフーってヤツが
いいヤツなのか 悪いヤツなのか
いまひとつ わかんねえな。
マリベル「いい? スイフーにだけは
絶対に近づくんじゃないわよ。
マリベル「だって 話を聞いてると
怖そうじゃん。さからうヤツには
ようしゃしないぞ てな感じがさ。
*「この町で スイフーさまと
互角に戦えるのは
カシムぐらいかしらね。
*「カシムって ウワサじゃ
大神官を守る 親衛隊の
兵士だったそうよ。
*「ここは 町いち番の つわもの
スイフーさまの お屋敷である。
*「スイフーさまは この奥にいるが
今は お楽しみの最中だから
面会なら あとにするこったな。
ガボ「なあ アルス。
お楽しみの最中って なんだ?
なにを楽しんでんだ?
マリベル「はやく屋敷を出るわよ。
どうせ スイフーに会ったって
ろくなことには ならないんだから。
アルスは 本だなを調べた。
アルスは 「勝利の条件」と
書かれた本を ひらいた。
しかし なんと中は エッチな本だった。
表紙だけ すげ替えたらしい。
*「スゴイだろ あの動く そうじき。
あれは フーラルっていう
けちな盗賊から 買ったんだ。
*「さすがに盗賊というだけあって
フーラルは 金さえ出せば
何でも 調達してくれるぜ。
*「ガーガー ギッチョンギッチョン。
アルスは 本だなを調べた。
アルスは 「帝王学」と
書かれた本を ひらいた。
しかし なんと中は エッチな本だった。
表紙だけ すげ替えたらしい。
*「バチが当たったんだ。
だからオレは こんなシケた町に
閉じこめられたんだ。
*「かわいい あいつを置き去りにして
ダーマに 行きさえしなければ
こんなことには ならなかったのに。
*「ああ……あいつ まだあの宿で
オレを 待ち続けてるのかな。
*「魂の剣。それは魔物が
人間から 魂を抜きとって
作りだす魔剣なのだそうだ。
*「魂の剣で キズつけられるのは
人間の魂のみで 魂の剣で
斬られても 死にはしないらしい。
マリベル「だまされるもんですか。
人間の魂を 斬る剣なんて
この世に あるはずないじゃない。
*「ひそかに 混浴だと思って
期待してただろ。
*「けど 残念だったな。
男と女の 入浴時間は
きっちり わかれてるのさ。
*「おっと 待ちな お前さんがた。
服を着たまま フロに入るのは
ご法度ってもんだぜ。
*「入りたいなら すっぽんぽんに
なってからにしろよ。
ガボ「注意されちまったな。
でも オイラたちは フロに
入ろうとしたわけじゃないぞ。
*「復しゅうの時は 近いぜ。
首を洗って待っていな スイフー。
この町のボスは オレなんだ。
*「前回と前々回は ゆだんしたが
何度も幸運に めぐまれると
思うんじゃねえぞ フフフ……。
*「おい あんた
ネリスって女には もう会ったか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「彼女 色白でキレイだよな。 |
いいえ |
*「ネリスってのは 町の南に住んでる *「お近づきになりたくても |
*「あそこで 祈っている戦士は
スイフーと決闘するたんびに
教会に運ばれてくるんです。
*「うう 恐ろしい……。
あなたは もう聞きましたか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「そうですか。 |
いいえ |
*「何でも 魂の剣で 5人の魂を *「でも 魂をくだかれた人間は |
いいえの場合
ガボ「アルスは 分かるか?
魂の剣とか 魂をくだくとか
オイラには何のことか さっぱりだ。
マリベル「き〜っ くやしい!
マリベル「平和そうに見えたのに
やっぱり この地も魔物に
支配されてたのね。
*「あの冷酷非道な スイフーも
殺人だけは 許さないわ。
*「もし あなたが 町の誰かを殺せば
次の日 あなたは町の外で
魔物のエサに なってるはずよ。
*「なんてこったい!
あと 30ゴールドしかねえぞ!
これじゃ 家賃が払えないッス。
*「……ふみたおそうかな。
*「お若いの 夜は
とくに気をつけなされ。
*「この町に なじめぬ者が
魂くだきに のぞみをたくし
魂の剣を手にするからだ。
*「魔物に支配された この地から
のがれるためには 魂くだきに
挑戦するほか ないからな。
*「ああ……なんてことだ。
修行によって 身につけてきた
特技を 全部うばわれるなんて。
*「せっかく 勇者をめざして
修行してきたってのに これまでの
努力が 水のアワじゃないか!
マリベル「ホントに この洞くつを
抜けさえすれば ダーマ神殿に
行けるのかしらね。
ガボ「うばわれたチカラってのは
やっぱ もとには戻らねえのかな。
ガボ「今までの努力が 全部
水のアワになるなんて
オイラ 納得できねえよ。
*「チカラをうばわれても なお
めげずに地上をめざそうとはな。
その心意気 見あげたものよ。
*「だが ここを通すわけにはいかん。
アントリアさまより さずかった
このチカラで返りうちにしてやる。
*「さあ 覚悟はいいか!
いつも 自分たちが使っていた
技をくらって 死ぬがいい。
カシム「さすがは盗賊。
こんな高価な 薬まで
手に入れてくるとはな。
フーラル「約束は はたしたぞ。
今度は あんたが オレののぞみを
かなえる番だぜ 魔法戦士どの。
カシム「ああ わかっているとも。
たしか ダーマの親衛隊に
入りたいって話だったな。
フーラル「へへへ そうともよ。
大神官を守護する 親衛隊に
入るのが オレの夢なんだ。
カシム「その夢を かなえたいのなら
もう ひと働きしてくれないか。
フーラル「や 約束がちがうぞ!
その薬を手に入れるのに どんだけ
苦労したと思ってんだ。
カシム「そう 怒りなさんな。
私の仲間に なりたいのだろう?
カシム「じゃあ また あとでな。
マリベル「あーあ もうイヤだ。
あたし この町に住んでる人間を
好きになれそうにないわ。
マリベル「はやく あたしが
フィッシュベルに帰れるように
何とかしなさいよ アルス。
ガボ「ここに 住んでるヤツらは
フィッシュベルの人たちみたいに
いい人ばっかじゃ なさそうだな。
フーラル「お前ら 新入りだな。
なら このフーラルの顔と名前を
おぼえておくと いいぜ。
フーラル「本業は盗賊なんだが
いまは なんでも屋をやってる。
フーラル「ほしいモノが あれば
なんでも 手に入れてやるぜ。
ただし 値は はるけどな。
マリベル「どうどうと 盗賊と
名乗るような あやしいヤツなんかに
2度と クチをきいたらダメよ。
マリベル「盗賊なんてのはね
人さまから盗んだものを売って
お金をかせぐ いやしい人間なのよ。
ガボ「今 いちばん欲しいものは
アルスの母ちゃんが作った
あったかい料理だな。
*「生かさず 殺さずってのが
この地を支配する
魔物たちの やり方みたいね。
*「じっさい 魔物に殺される人より
人間どうしの いさかいで
命を落とす人の方が 多いのよ。
*「魂をくだかれた人は
ものすごい 絶叫をあげるんです。
*「だから 寝込みを おそっても
ひとりめの魂を くだいた時点で
取り囲まれて おしまいですよ。
*「魂くだきに挑戦する者は
殺してでも阻止せよってのが
この町の オキテですからね。
*「ネリスって 病弱だから
起きてる時間より 寝ている
時間のほうが長いらしいの。
*「そんなわけで ネリスが
寝込むたんびに 彼女の弟の
ザジが 看病するそうよ。
*「奥にいるオッサンは
アタマが おかしいんだよ。
*「ダーマの神官は ひとり残らず
神殿が うばわれたときに
皆殺しにされたって ウワサだぜ。
*「誰も 信じてくれんが
わしはダーマの神官なんだ。
ほ 本当だぞ!
*「見張りの目を かいくぐり
命からがら 逃げてきたというのに
誰にも相手にされんとはな……。
魔物「さあ だれか!
名のりを あげる者はいないか。
われこそはと 思う者はいないか。
魔物「魂の剣に おのれの未来を
たくす 勇者はいないか!
*「魂の剣だと?
それは いったい何だ。
魔物「人の魂より つくりし魔剣だ。
その魂の剣を もちいて
五つの魂を くだいてみせよ。
魔物「さすれば その者の勇気を
たたえ うばったチカラを返し
自由を与えてやろう。
*「そ それは本当か!
魔物「むろん! 現ダーマのあるじ
悪魔神官 アントリアさまは
平等を おもんじるおかただ。
魔物「たとえ 人間であろうとも
勇気ある者には しょうさんを
おしまない おかたである。
魔物「さあ おのれの魂をかけて
魂くだきに 挑戦する猛者は
いますぐ 名のり出るがいい。
スイフー「さっさと うせやがれッ!
魔物のさそいに のるヤツなんざ
この町には いやしねえぞ。
魔物「ぬぅ ジャマがはいったか。
だが人間たちよ わすれるな!
魔物「この 地上の牢ごくから
出たければ 魂くだきに
いどむほか ないことをな。
スイフー「ちくしょう 魔物どもめ!
昼間っから どうどうと
ナメたまねを しやがって!
スイフー「さてと……。
お前らか? 新入りってのは。
ようこそ ならず者の町へ。
スイフー「オレは この町を たばねる
スイフーってもんだ。
スイフー「へへ すまねえな。
あいさつしに来るのが
ちぃとばかり おくれちまってよ。
スイフー「さあ 歯ぁくいしばんな。
剣とコブシが オレのあいさつだ!
いくぜ 野郎ども。
スイフー戦
マリベル「ちょっと どういうこと?
何で あたしたちが スイフーと
戦わなくちゃ ならないのよっ!
ガボ「スイフーの武器は 鉄球かあ。
あれを ブンブン ふりまわされたら
あぶなくて 近づけねえな。
ザジ「だいたいさ 姉さんは
お人よしすぎるんだよ。
ザジ「あんなヤツらなんか
ほうっておけば よかったんだ。
ムシすれば よかったんだよ!
ネリス「あのまま あの方たちを
ほうっておいたら 身ぐるみ
はがれてしまっていたわ。
ザジ「どうでもいいじゃないか。
どうせ 他人なんだし……。
ガボ「新入りだって理由だけで
なんの罪もない オイラたちを
ボコボコにするなんて ひでえぞ。
ガボ「けど スイフーってヤツは
めちゃくちゃ強かったな。
オイラ 手も足も出なかったよ。
マリベル「むっき〜! むかつくっ!
何で あたしたちが こんな目に
あわなきゃ いけないってのよ。
マリベル「あんたに 命令よ!
今すぐ スイフーに仕返ししてきて。
アルスは 本だなを調べた。
アルスは
「役に立つ植物」という本を
手にとって読んだ。
薬として使える 草や木の実を
紹介している本だ。
ネリス「まあ みなさん
もう動いても 平気なんですか?
ネリス「お強いのね。さっきまで
グッタリしていたというのに……。
ネリス「もし私が みなさんと
同じ目にあっていたら しばらく
起き上がれないと思うわ。
ザジ「姉さんは 身体が弱いんだ。
本当なら 寝てなきゃいけないのに
お前たちのせいで……。
ネリス「ザジ!
カシム「ネリス いるか?
薬をもってきてやったぞ。
カシム「見ろ 世界樹のしずくだぞ!
これを飲めば 胸の痛みも
おさまるだろうよ。
ネリス「ありがとうございます。
でも そんな高価な薬を
どうやって手に……ああっ!
カシム「私が飲ませてあげよう。
ネリス「は はなしてください。
自分で飲めますから。
カシム「ん? あっ そうか。
人目を気にしていたんだな。
気がつかなくて すまなかったね。
ザジ「カシムさん 薬をありがとう。
ザジ「姉さんは この人たちの
看病で へとへとなんだ。
今は早く 休ませてあげたい。
カシム「そう こわい顔するな。
私は ネリスの病気を心配して
薬をとどけに来ただけなんだよ。
カシム「じゃあな ネリス。
しっかり ようじょうするんだぞ。
ガボ「オイラの見立てじゃあ
カシムってヤツは なかなかの
剣の使い手のようだぞ。
ガボ「けど 身長のわりに
やけに足が短かったな……。
胴長短足ってやつか?
マリベル「さっきの カシムって男
きざったらしいヤツよね〜。
えっ どこがだって?
マリベル「見れば わかるわよ。
全身から きざったらしさが
にじみ出てるって感じでさ。
ネリス「えっ 顔が赤いですって?
お おかしいわね。
熱でも でてきたのかしら。
ネリス「私 お部屋で すこし
横になってますね。
ザジ「さっき 薬をもってきた
カシムっていう男はさ
姉さんに 気があるようなんだ。
ザジ「それで 頼みもしないのに
かってに ボクたち姉弟の
保護者を きどってるんだ。
ザジ「もちろん 目当ては姉さんで
ボクは ついでなんだろうけど。
マリベル「はは〜ん かしこい あたしは
早くも ピピンとひらめいたわよ。
マリベル「きっとザジは お姉さんに
やきもちを やいてるんだわ。
マリベル「誰がザジに やきもちを
やかせているのかは アルスが
自分で考えるように! 以上。
ネリス「わたし 生まれつき
胸に 病があって
長くは生きられないそうなんです。
ネリス「今まで 高い薬代のために
弟に どれだけ めいわくを
かけてきたことでしょう。
ネリス「自分が弟の ザジの
重荷になっているんだって思うと
心が痛むんです……。
マリベル「もし家族が 病気になったら
あたしも こんなふうに 自由に
旅なんか できなかったかもね。
ガボ「アルスが 病気になったら
オイラ じぶんの持ち物を売って
薬を買ってやるから 安心しろよな。
フーラル「これさえ うまくゆけば
今度こそ オレを 親衛隊に
入れてもらえるんだな。
カシム「大神官が つかまっている今
親衛隊は なくなったも同然だ。
だから なんとしても……。
カシム「とらわれの フォズ大神官を
救出しなくてはならない。
フーラル「わかってるって。
大船に乗ったつもりで
待っててくれよ。
カシム「しかし おかしなヤツだな。
こんなときに 親衛隊に
入りたいだなんて……。
フーラル「おかしかねえよ。
ピンチの時だからこそ
チャンスなんだ。
フーラル「オレみたいな盗賊でも
てがらさえ立てれば 親衛隊に
取り立ててもらえると思ったんだ。
カシム「期待を 裏切るなよ。
盗賊としての お前の腕前を
見込んだ 私の期待をな……。
フーラル「おまえら さっき
スイフーと戦ったヤツらだよな。
いい戦いっぷりだったぜ。
フーラル「そこで じつはな……。
お前たちの 腕をみこんで
ぜひ たのみたいことがある。
フーラル「いっしょに 西の洞くつへ
いってほしいんだ。
フーラル「この地上の牢ごくから
脱出するには 西の洞くつから
ダーマ神殿に抜けるしかねえ。
フーラル「もちろん 礼はするぜ。
ほら コレをくれてやる。
持ち物がいっぱいの場合
持ち物が いっぱいじゃないか。
なら ふくろに入れてやるよ。
フーラルは ごつごつした石を
ふくろに入れてくれた。
アルスは 奇跡の石を手にいれた!
フーラル「そいつは 戦闘中に
使うと たちどころにキズを
なおしてくれる すぐれモンだ。
フーラル「というわけで
仲間に いれてもらうぜ。
今後とも よろしくな。
フーラルが 仲間にくわわった!
フーラル「そう かたい顔すんなって。
オレ様を 十年来の親友だと思って
なかよくしてくれよ。
マリベル「ちょっとぉ アルス。
何で こんな手くせの悪そうな男を
仲間に入れちゃうわけ?
マリベル「今からでも おそくないわ。
さっさと 仲間から はずしなさいよ。
ガボ「キーファが いなくなって
しばらく さびしかったから
仲間がふえるのは うれしいぞ。
ザジ「ボクが ダーマに来たのは
戦士になりたかったからなんだ。
ザジ「戦士になれば これまでより
手っ取りばやく 金になる仕事が
たくさん あるだろうしね。
ザジ「お金さえあれば 姉さんに
病気に よく効く 高価な薬を
もっと買ってあげられる……。
フーラル「洞くつは 町を出て
西へ向かえば みつかるぜ。
フーラル「大神官を守護する
親衛隊に入りたくて
ダーマに来たってのによ……。
フーラル「魔物に だまされた上に
チカラまで うばわれるんだもんな。
ホントに ふんだり けったりだぜ。
ガボ「うばわれた チカラは
もう2度と 戻らねえのかな。
オイラ そんなのイヤだよ……。
マリベル「気が進まないけど
フーラルの言うとおり
西の洞くつに行くしかないわね。
マリベル「いつまでも ここにいたって
しかたがないしさ。
*「オレも 初めて この町に来たとき
ご多分にもれず スイフーの野郎に
ボッコボコにされたぜ。
*「まあ お前さんがたも あれで
スイフーの強さが分かっただろ。
フーラル「何をかくそう
このオレ様も スイフーの野郎に
ボコられそうになったことがある。
フーラル「けど そんときは
すかさず みつぎ物を くれてやって
見逃してもらったぜ。へへへ。
マリベル「スイフーの名前を 聞くたんびに
イライラしてくるわ。
ガボ「スイフーほど強かったら
ダーマをうばった 魔物だって
倒せるんじゃないのか?
*「せっかく 転職するんだから
心をいれかえて まじめに
生きようって決心したんだぜ。
*「それなのに 何の因果か
こんな 牢ごくのような地に
閉じこめられちまってよ。
*「もう どうでもいいや。
*「チカラを うばわれた 今では
満足に魔物と戦うこともできん。
*「西の洞くつを守っている
あの魔物だって 得意の技さえ
使えれば 敵じゃないのにな。
*「あたしたちは 一生
魔物に支配された この地で
生きていくしかないのかな。
*「あいつは 負け犬だ!
えっ! 誰のことかって?
カシムに決まってるだろ。
*「カシムたち 親衛隊が
弱っちいから 魔物なんかに
神殿がうばわれたんだ。
フーラル「こんちくしょう。
ダーマの親衛隊を 悪く言うヤツは
誰だろうと ゆるさねえぞ。
フーラル「なんたって オレ様は
親衛隊に入りたくて わざわざ
ダーマに来たんだからよぉ。
ガボ「お城みたいに ダーマにも
神殿を守る 兵士たちがいたんだな。
けど 魔物に負けちまったのか……。
*「この町で生きてるかぎり
私も いつ 魂をくだかれるか
わかったもんじゃないわ。
*「たまーに ネリスに会える。
そう思えば ここでの生活も
悪いもんじゃないな へへ。
*「ちょっと あなたたち!
かってに開けないでください。
*「その中には お客さまから
おあずかりした 大切なお金が
入ってるんですからね。
*「以前 魂くだきが起こったのは
もう ずっと前のことだ。
*「だから そろそろ何か
よからぬ事が起こるだろうと
誰もが 思ってるはずだ……。
*「許すまじ スイフー。
*「新入りというだけの理由で
勇者をこころざす この私に
よくも あのような仕打ちを。
*「もし 魂の剣を手にしたら
まっさきに スイフーの魂を
くだいてやる!
*「やや お前たち
さっき スイフーさまに
やられたヤツらじゃないか。
*「スイフーさまは このトビラの
向こうにいるが まちがっても
仕返ししようなんて思うなよ。
スイフー「むっ なんだお前ら
さっきオレさまが ボコボコに
してやった連中じゃねえか。
スイフー「あんな目にあって
オレさまに 会いにくるたぁ
いい度胸してんな。
スイフー「ひとつ教えてやる。
お前らを たたきのめしたのは
見せしめの意味も あったのさ。
スイフー「ああやって たまに
オレさまの強さを 町のヤツらに
見せびらかす 必要があるんだ。
スイフー「そうしないと オレさまに
ケンカを ふっかけてくるバカが
あとを たたないんでね。
フーラル「たいしたヤツだぜ。
ビビらずに スイフーに会いにいくたあ
お前も キモが座ってんな。
マリベル「チャンスよ アルス。
にっくきスイフーを 後ろから
男らしく なぐってやりなさい。
*「はいっちゃダメー。
ここは 私とスイフーさまの
愛の巣なんだからー!
*「おっ フーラルじゃねえか。
こいつは ちょうどいいや。
*「お前が もってきてくれた
そうじきが こわれちまったんだ。
直してくんねえかな?
フーラル「ムリ ムリ。
カラクリのことは オレには
ちんぷんかんぷんよ。
*「ぐっすん。
*「うおおお。
こいつが もういちど 元気に
そうじしまくる姿が見たいぜ。
*「……。
マリベル「ホントに この洞くつを
抜けさえすれば ダーマ神殿に
行けるのかしらね。
フーラル「……。
フーラル「ここの4階に すんげえ強い
魔物がいて 通せんぼしてんだ。
フーラル「けど ご安心めされだ。
オレ様の知恵を もってすれば
魔物なんか気にすることはねえ。
フーラル「待ちな おまえたち。
このさきは とんでもなく
つよい魔物が 道をふさいでいる。
フーラル「バカしょうじきに
正面から つっこんだんじゃ
たたきのめされるのがオチだ。
フーラル「だからよ ここはひとつ
オレさまにまかせて オマエたちは
ここでジッとしててくれ。
*「ヤヤっ なんだ いまの物音は!
*「そうか さっきの音は
キサマたちの しわざだったのか。
*「ちょうどいい。アントリアさまから
さずかった このチカラで
キサマらを血まつりにあげてやる。
*「おい! あそこにも
もういっぴき いるぞ!
*「ふん ほうっておけ。
あとで ゆっくり狩りだせばいい。
まずは目先のエモノからだ。
*「そうだな。たのしみは あとに
残しておいたほうが いいか。
イノップとゴンズ戦
マリベル「にくたらしいわね!
人間から うばったチカラで
強化されてるなんて ひきょうよ。
ガボ「チカラを うばわれる前の
オイラたちなら あんなヤツら
敵じゃないのにな。
ネリス「あっ みなさん
もう起きても 平気なんですか?
ネリス「みなさんが 大ケガをして
町に戻ってきたと 神父さまから
聞いたときは びっくりしました。
ネリス「せめて 元気になるまで
家で休んでもらおうと思い
ここに おつれしたんです。
ネリス「もう夜も おそいので
どうぞ 今日は このまま家に
泊まっていってください。
マリベル「人間不信になりそう……。
ガボ「ごろつきしか いない町でも
ネリスみたいに 親切で
やさしいヤツはいるんだなあ。
マリベル「むかつく むかつくっ!
あたしたちは フーラルに
いいように利用されたんだわ。
マリベル「今度 アイツに会ったら
あたしが いいと言うまで アルスが
アイツを痛め付けてよね。
ザジ「姉さん 話があるんだけど
ちょっといいかな?
ネリス「なによ もったいぶって。
ここで話せばいいじゃない。
ザジ「だ だめだよ。
あの人たちが いるから……。
ネリス「もう しょうのない子ね。
ネリス「みなさん ごめんなさい。
すこしの間 家をあけるので
ルス番を お願いいたします。
マリベル「あたしに 話なんかしてる
場合じゃないでしょーが。
ほらっ ネリスとザジを追うわよ。
ガボ「なんで出てったのかな。
聞かれると はずかしい話でも
するつもりなのか?
マリベル「こまっちゃうな またしても
あたしの予想は ズバリ的中ね。
アルスは 何のことか分かる?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
マリベル「うふふ ほめてあげるわ。 マリベル「やっぱり ザジってさ |
いいえ |
マリベル「バカね いい? |
ザジ「薬を手に入れることくらい
ボクにだって できるんだ。
ザジ「だから もう あの男に
色目をつかうのは やめてよ。
ネリス「なにを言うのよ!
私がいつ そんなことを
したっていうの。
ネリス「ザジは かんちがいしてるわ。
カシムは優しいから 私たちに
親切にしてくれているのよ。
ザジ「あのキザ男が 優しいのは
姉さんに下心があるからだよ。
ネリス「し 下心だなんて……。
あの人のことを そんなふうに
安っぽく言わないでちょうだい!
ザジ「なんでだよ……。
なんで あの男を かばうんだ。
ザジ「今まで ずっと 姉さんとボクと
ふたりだけで 誰にも頼らず
生きてきたじゃないかっ!
ネリス「ザジ!
ガボ「やっぱ ほっとけないよ。
ふたりを追いかけようぜ。
(出ようとすると)
すでに 夜もおそい。
きょうは もう 町の外へ
出ないほうが よさそうだ。
*「なんか そわそわするな。
こういう夜は ションベンでもして
とっとと 寝ちまうにかぎるな。
*「魂くだきに挑戦するヤツが
ここんとこ 少なくなってきたが
いなくなりは しないだろうぜ。
*「オレでさえ 腕に自信があったら
やってみてもいいかなって
思うくらいだしな。
ガボ「みんな オトナのくせに
夜になったくらいで びくびく
子供みたいに おびえてるぞ。
ガボ「魂をくだかれるってのは
そんなに おそろしいことなのか?
マリベル「魂の剣とか 魂くだきとか
いったい 何のことなのよ。
ちっとも分かりゃしないわ。
*「寝ているスキに 誰かが
私の魂を くだきにきやしないかと
心配で心配で 眠れないんだ!
*「もう 誰も信用できない。
誰もいない場所へ行きたい……。
*「ぐごーぐごー ガギギギ……。
*「うーんうーん 誰でもいいから
となりの人の 殺人的な歯ぎしりを
止めてちょうだいよ。
*「ううっ……道具屋の前を
うろついている 戦士がこわくて
フロに入りに 行けないよぉ。
*「そうさ 勇者になるべくして
この世に生をうけた 私は
えらばれた特別な人間なんだ。
*「特別な人間は 何をしても
ゆるされるはずだし 誰からも
とがめられないはずだ!
マリベル「何で この町は やたらと
ガラの悪い人間が 多いのかしら。
マリベル「それとも この町にいるから
ガラの悪い人間になるの?
*「くはー うめえ。
他人から まきあげた金で
飲む酒は 味がちがうよなあ。
*「ここにいるヤツは みんな
うさばらしが したくて
ウズウズしてんのさ。
*「だから 自分より弱いヤツを
いためつけて てっとり早く
自分を満足させるんだ。
*「はやく 夜なんか
明けてくれれば いいのにな。
*「誰かが 魂くだきを
おっぱじめるかと思うと
気の休まるヒマも ありゃしない。
*「さっきネリスが 弟を追って
この路地を かけていったんだ。
*「だいじょうぶかな 彼女。
だいぶ 苦しそうな顔を
していたようだけど……。
*「おっとっと お前さんがた。
今日の入浴時間は もう終わりだ。
明日また 来てくれ。
*「魂の剣は 誰にでも たやすく
手に入れられると聞きます。
*「ただ欲しいと 念じるだけで
その手に 魂の剣を
にぎることが できるそうです。
*「昼間は グウタラしてっけど
いざってときの オレたちは
とっても頼りになるんだぜ。
*「魂くだきに挑戦する バカが出たら
すぐに かけつけられるように
オレたちは 待機してるんだ。
内側から カギをかけられていて
中へ入ることができない。
*「うっ! げえー げほっげほっ。
*「きゅうに話しかけないでくれよ。
いまので 腹の中のものを
ぜんぶ 吐いちゃったじゃないか。
*「ああ もったいないなぁ。
ネリス「あっ みなさん。
すみませんが 私のかわりに
弟のあとを 追ってください。
ネリス「胸が苦しくて しばらく
動けそうにないので
どうか お願いします。
ガボ「病気になると ちょっと
走っただけで かんたんに
息が切れちまうんだな。
マリベル「これは もしかしたら
ザジとカシムが ネリスをかけて
血で血を洗う戦いを……。
マリベル「してるわけないか。
*「なんてこったい!
あと 3本しかマキがねえぞ。
これじゃ じきに火が消えちまう。
*「ここはやはり オレのパンツを
火に くべるべきなのか……。
おまえ どう思う?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「むほー そりゃないぜ! (会話終了) |
いいえ |
*「……そうか しょうがねえな。 |
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「そうかそうか ぬいでくれるか。 |
いいえ |
*「……おまえ 見かけによらず *「そんな あったかそうなカッコ |
はいの場合
マリベル「フ フルチンですって……。
命令よ アルス。もう2度と
この人に話しかけるんじゃないわよ。
ガボ「パンツをぬいだら スースーして
キモチいいけど 燃やすのだけは
もったいないからイヤだぞ。
マリベル「あたしは 絶対にイヤよ。
燃やすんなら アルスかガボの
下着にしなさいよね!
いいえの場合
マリベル「よしなさいって アルス。
こんな パンツ男の相手をしたって
時間をムダにするだけなんだから。
*「スイフーが 住んでる屋敷は
昔はオレのものだったんだ。
*「だが オレがヤツに負けたとき
ボスの座とともに あの屋敷まで
もっていかれちまったんだ。
*「夜は ひとりでいるより
こうやって 何人かで
むれていたほうが 安全だ。
*「ひとりでいると いつなんどき
魂の剣をもった者に
おそわれるか わからんからな。
ザジ「あそびで姉さんに
近づくのは やめてくれ。
姉さんがキズつく。
カシム「キズつくのは キミだろ。
それに ネリスのことは本気だ。
あそびのつもりはないよ。
カシム「……しかしなぁ
キミも もう いい年なんだから
いいかげん 姉ばなれしろよ。
ザジ「うるさい だまれよ!
弟が姉を心配して なにが悪い。
カシム「なら 私がネリスを
あきらめたら キミは私に
何をしてくれるんだ?
ザジ「な なんでぼくが
あんたのために 何かを
しなきゃならないんだ。
カシム「じゃあ ダメだな。
ひとは 見返りなしじゃ 他人の
言うことなんか 聞かないもんだぜ。
ザジ「くそう。どうして いつも
ボクを 小バカにするような
言い方ばかりするんだ。
ザジ「よく おぼえとけ!
ザジ「あんたが いなくたって
姉さんを守ることぐらい
ボクひとりで 充分だってことをな。
ガボ「なあ アルス。
オイラ ザジが心配だよ。
あいつ 半ベソかいてたぞ。
*「ううっ 誰か フォズ大神官を
お助けしてくれい……ひっく。
*「魂くだきをやる人って
根性が くさってるのよ。
あんたも そう思うでしょ?
*「だって 他人をギセイにして
自分だけ 助かろうなんて
そんなの人間のクズよ。
*「今夜も 何事もなく
夜が あけてくれると
いいんですがねえ。
カシム「いやはや はずかしいところを
見られてしまったな。
カシム「あんな 子供を相手に
ムキになってしまうとは 私も
大人げない事をしたもんだよ。
カシム「顔を会わせるたびに
小憎らしいことばかり 言ってくる
ザジだって悪いんだぜ。
カシム「あいつが 態度を
あらためるなら 私だって
もう少し やさしくするさ。
ザジ「ちくしょう カシムめ……。
ネリス「ええっ! ザジったら
カシムに そんな失礼なことを
言ったのですか。
ネリス「あとで ちゃんと
しかってあげなきゃ。
*「ぎゃあああああっ。
マリベル「悲鳴だわ!
急ぐわよ アルス。
ガボ「くんくん……。
血のにおいは しねえな。
あの叫び声は なんだ?
ネリス「お聞きになりましたか?
あの叫び声は よからぬ事が
おこった あかしですわ。
ネリス「へたに動かずに ここで
じっとしているほうが
安全かもしれません。
*「おいおい 今の聞いたか?
あの 身も凍るような絶叫を。
*「あれこそ 魂をくだかれた
人間のあげる叫び声だ。
*「おお あの さけび声は!
恐れていたことが ついに
おこってしまったか。
*「おそらく 新入りの誰かが
魂くだきを始めたのだろう。
*「むほー なんだ 今の絶叫は?
身の危険を ビリビリ感じるぜ。
ザジ「ああ あの叫び声ね。
どうせ よっぱらいのケンカだろ。
ザジ「血の気のおおい ヤツらがさ
あとさき考えずに 決闘を
おっぱじめるのさ。
ザジ「ときたま 死人が
出ることもあるんだよ。
*「えっ 叫び声だって?
うえ〜っぷ いま 気持ち悪くて
それどころじゃないんだ。
*「悪いけど そっとしといてくれ。
たのむよ……。
*「こ こわいよ。
誰かが 魂をくだかれたんだ。
は はやく逃げないと……。
*「やはり さきほどの悲鳴は
いつもの ケンカなどでは
なかったのですね。
*「私には わかりません。
どうして ある種の人々は 平気で
他人をギセイにできるのでしょうか。
*「あん? さけび声だと。
どうせ よっぱらいのケンカだろ。
*「ははは ついにやったぞ……。
でも 殺したんじゃない……。
*「魂を くだいただけだ!
*「お前の魂は ムダにはしないぞ。
やがて 勇者になるだろう
私のギセイになったんだからな。
*「さあ 必要な魂は あと四つだ!
*「こ こいつ……イカれてやがる。
スイフー「なに グズグズしてんだ。
こんなヘナチョコ野郎
とっとと かたづけちまえっ!
*「ちッ いいところだってのに
やっかいなのが 出てきやがった。
*「う うわああああっ!
マリベル「あの 走り去った男が
持っていたのが 魂の剣なの?
なんか イヤな予感がするわ……。
マリベル「あたし ここで待ってるからさ
アルスが ちょっと行って
様子を見てきなさいよ。
ガボ「斬られて 倒れたヤツは
死んじゃいねえようだぞ。
話しかけても 返事はない。
呼吸は しているので
死んではいないようだ。
マリベル「ううっ 見るんじゃなかった。
マリベル「アルスが 近づいたせいで
魂をくだかれた人の顔を もろに
見ちゃったじゃないのよ。
*「となりで 飲んでた男が
あの戦士に からんで
決闘を はじめたんだ。
*「そしたら あの戦士が
いきなり 魂の剣を出して
男に斬りかかったのさ。
*「店で ケンカなんてやられちゃ
めいわくなんで あのふたりには
出ていってもらったんですよ。
*「それから 間もなくして
あの 魂を こおりつかせるような
悲鳴が聞こえてきたんです。
*「あたしゃ 見ちまったんだよ。
あの戦士が 魂の剣を
手にする しゅんかんをさ!
*「はじめ あの戦士が クチから
青白い けむりのようなものを
吐き出したのさ。
*「そして そのけむりが じょじょに
かたまって ひとふりの剣に
なっちまったんだよ。
*「あわわわ……なんて恐ろしい。
あの戦士が こっちに来なくて
ホントに よかったです。
*「オレは ここには いないぞ。
頼むから 魂をくだくなら
オレ以外のヤツにしてくれ。
*「おしいとこまで いったヤツも
結局 みんな スイフーに
やられちまうんだ。
*「まあ 魂の剣を使ったからって
もともと 弱っちいヤツが
強くなるわけでもないしな。
*「うぎええええっ!
クチをパクパクさせて ちいさな
うめき声を もらしている。
とても 話せる状態ではない。
*「ぐがあああ……ぐへッぐへッ。
うぐぅぅぅ うぐがああぁ……。
*「ぐわああああっ!
*「こ こいつ いがいと強いぞ。
スイフー「ちっ 役たたずどもが。
こうなったら オレさまが
じきじきに相手になってやる。
スイフー「おい カシム!
あとで 金でも何でも くれてやる。
お前も手をかせ!
カシム「ああ いいぜ。
スイフー「さーてと。
オキテを やぶった罪は
死をもって つぐなってもらうぜ!
*「おのれ あと一歩で 魂くだきが
成功するところだというのに……。
ちくしょう! ちくしょう!
*「ここまできて 死んでなるものか!
ザジ「ねえさん!
ザジ「……ねえさん ぶじかい。
ネリス「ザジっ!
*「やった やったぞ!
五つの魂をくだいたぞ。
さあ魔物よ 姿をあらわせ。
*「約束どおり 私から うばった
チカラを 返してもらおう!
魔物「人間よ キサマの勇気のあかし
しかと見とどけたぞ。
魔物「だが いまだ五つ目の魂は
くだかれていない。
*「なんだと! 私は たしかに
魂の剣で あいつを斬りつけたぞ。
魔物「完全に魂を くだくには
身体の奥ふかくまで 魂の剣を
さしこまねばならん。
魔物「キサマの最後のエモノは
キズが浅すぎて 魂をくだくには
いたらなかったようだ。
*「ち ちくしょう……。
私は オキテをやぶった罪で
殺されてしまうのか……。
魔物「だが 人間にしては
なかなか 骨のあるヤツだ。
魔物「特別に うばったチカラを
返してやろうではないか。
*「おお! ありがたい。
魔物「さて いけにえとなった
五つの魂の 抜けがらには
別の役目を あたえるとしよう……。
カシム「すこしは落ちつけよ。
思いつめると 身体に毒だぞ。
ネリス「ザジが さらわれたのよ。
落ちついてなんて いられないわ。
カシム「なら 弟を助けにいくか?
ネリス「えッ でも どうやって?
カシム「それは ここにいる
みなさん しだいだ。
カシム「西の洞くつを守る魔物は
強敵だが 私と彼らが組めば
勝てるかもしれない。
ネリス「お願いします みなさん。
どうか チカラを かしてください。
ザジを助けたいんです。
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
ネリス「ありがとう みなさん。 カシム「よし それではキミたち カシム「4階の広間で 魔物が |
いいえ |
ネリス「そんなことを言わずに カシム「いいさ ネリス。 カシム「私も いつまでも こんな町で カシム「キミたちも 気が向いたら カシム「さあ 行こうか。 |
はいの場合
ガボ「オイラたちと いっしょに
行けばいいのに 何だって
ふたりだけで行ったのかなあ。
マリベル「もう バカねえ。
カシムがネリスと ふたりきりに
なりたいからに決まってるでしょ。
はいの場合
マリベル「ネリスには 2度も
親切にしてもらったから
何か おんがえしを しなきゃね。
いいえの場合
ガボ「ここにいても しょうがないから
オイラたちも 西の洞くつに
行ってみようぜ。
いいえの場合
マリベル「いつから そんなに
冷たい人間になったのよ!
マリベル「あんたが ザジやカシムを
好きになれなくても ネリスには
チカラを かしてあげなさいよ。
*「おい 知ってるか?
きのうの夜 魂くだきに
成功したヤツが出たそうだぜ。
*「魂くだきに成功したヤツが
約束どおり うばわれたチカラを
返してもらったって話だぜ。
*「ここはひとつ オレもダメもとで
魂くだきに 挑戦してみようかな。
ガボ「恐いもの知らずってのは
どこにでも いるもんだなあ。
みんな スイフーが恐くないのか?
マリベル「いいわね? アルス。
魂をくだくなんて バカをやらずに
家に帰る方法を 考えるのよ。
*「これでも 私は武闘家だ。
魂くだきに 成功する見込みは
じゅうぶんに あるはず。
*「非力な 魔法使いや僧侶を
ねらえば 私にだって……。
*「なぜかは知らないけれど
魂をくだかれた人は 決まって
魔物に 連れていかれるのよ。
*「連れていかれた人たちは
殺されるより もっとヒドイ目に
あっているのかしら……。
ガボ「ザジは どうなったんだろう。
まだ生きてっかなあ……。
マリベル「どうも 解せないのよね。
何だって魔物は 魂をくだかれた
人たちまで つれてったのかしら。
*「ここは 町いち番の つわもの
スイフーさまの……ひぎぃ。
いてててて……。
*「ううっ きのう 親分に
なぐられた顔が まだ痛むぜ。
マリベル「うぷぷ あの人 スイフーに
相当こっぴどく しかられたようね。
顔中 あざだらけになってるじゃない。
スイフー「きのうのは マズッたぜ。
今後 ますます 魂くだきの
挑戦者が ふえるだろうな。
スイフー「だが 次に魂くだきの
挑戦者が あらわれたら
絶対に しとめてやるぜ。
ガボ「スイフーは 恐ろしいヤツだけど
町の平和を守るために 誰よりも
がんばってんだな。
マリベル「きのうの事件のせいで
スイフーも おおいそがしね。
*「カシムが スイフーさまの
手助けをしたとかで
そのホウビを受け取りにきたの。
*「彼は 世界樹のしずくを
欲しがっていたけど あいにく
今 きらしてるのよね。
*「で かわりに カシムったら
女物の かみかざりを
もらっていったのよ。
*「最近のオレたちは
たるんでるって スイフーさまに
夜どおし 説教されちまった。
*「ていうか たんに やつ当たりされた
だけなんだけどよ。とにかく
こっちは いい迷惑だぜ。
*「この町の住人は 魂の剣を
手にしてはならないってのが
スイフーの決めたオキテだった。
*「だが きのうの失態で
スイフーの支配力も
だいぶ弱まっただろうな。
*「いつも私から 金をうばっていた
憎たらしい男が ついに魂くだきの
ギセイ者になったんですよ。
*「あの男を 消してほしいという
祈りが やっと とどいたんだ。
やっぱり 神さまっているんですね。
*「なんと この店の すぐそばで
魂くだきが起こったんですよ。
*「もし あの男が店の中に
押し入っていたら 私も今ごろ
どうなっていたことか……。
*「以前 この町のボスだった男が
きのうの さわぎで 魂を
くだかれてしまったんだ。
*「そういえば スイフーを殺して
ボスの座を うばい返すって
彼は よく言ってましたっけ。
*「こんな町でも 教会さえあれば
人々の心の よりどころになると
神父さまは言っていたけど……。
*「耳ざわりのいい 言葉くらいでは
絶望した人間を 闇から
救うことなど できないのですね。
*「ああ もうダメだ。
こんな町にいたら いつ
魂をくだかれることか……。
*「ゆうべは 目先の ぬくもりに
ゆうわくされて パンツを
もやしたりしないで 正解だったな。
*「下着のありがたみが 身にしみる
今日このごろってな感じだぜ。
*「魔物の支配から 解放され
わしらが ふるさとの我が家に
帰れる日は くるのだろうか……。
*「魂の剣で 身体を斬られても
死なないっていうけどさ
じっさい どうなのかな?
*「いつも魔物が 魂くだきの
ギセイ者を つれていくから
真実がわからないのよね。
*「あのスイフーが とうとう
魂くだきの挑戦者を
しとめそこなったそうだぜ。
*「ネリスを かばった ザジが
魂をくだかれたんですってね。
*「ネリスも かわいそうに。
だって たった ひとりの弟が
いなくなったんですもの。
*「わしは ダーマの神官が
監禁されている集落から
逃げてきたんだぞー。
*「んー むにゃむにゃ……。
*「奥で チビチビ飲んでいた
あのオッサン とうとう
つぶれちまったみたいだな。
*「大変なことになりましたね。
ひさびさに 魂くだきの成功者が
出たそうじゃないですか。
*「まぐれでも ひとり うまくいくと
あとに 続こうとする者が
続出しますからね。
*「これから しばらく
眠れない夜が 続きそうですな。
*「魂をくだかれた人たちは
魔物の手先になって 人間を
苦しめているんだってよ。
*「私の聞いた中じゃ このウワサが
いち番 ウソくさいわね。
ガボ「なんで フーラルは オイラたちを
うらぎったのかなあ……。
マリベル「ここを歩いてると
フーラルと いっしょにいたことを
思い出して イヤな気持ちになるわ。
カシム「すこしは楽になったか?
ネリス「ええ なんとか……。
カシム「世界樹のしずくも あと
わずかか……なのに こんな物しか
手に入れることが できなかった。
ネリス「まあ! かみかざりね。
きれいな色……つけてみても いい?
ネリス「どう?
カシム「いいね。にあってるよ。
カシム「キミたちも 人が悪いな。
来ているのなら 声くらい
かけてくれればいいのに。
マリベル「うふふふ。
おじゃまかなーと思ってね。
カシム「まあ それはともかく
この階に れいの魔物がいなくて
キミたちも とまどっただろう?
カシム「オレにも よく分からないが
強敵と戦わなくてすむのなら
それに こしたことはない。
カシム「それじゃ オレたちは
先に洞くつを出ていくとするよ。
また あとでな。
※マリベルが死んでいる場合セリフはカット
ガボ「やっぱ カシムは足が短いな。
オイラよりは長いけど ネリスに
くらべたら はるかに短いぞ。
マリベル「アルスも あたしに
やさしくしてほしかったら
たくさん おくり物をしなきゃね。
ガボ「すっげーよなあ。
よく こんな あぶなっかしい所に
村なんか作ったよなあ。
マリベル「暗く じめじめした所から
こんなに 見晴らしのいい所に
出るなんて 意外よね。
*「ふもとの町から 来た者だな。
なに その格好を見れば
すぐに分かるよ。
*「この集落には ダーマの神官と
魔物に あやつられている
者たちしか いないからね。
*「魔物に 悪意を吹き込まれ
その 手先となった者たちには
くれぐれも気をつけたまえ。
マリベル「あたしに話しかけてないで
ほかの人から この村の事情を
聞き出すのが先でしょ。
ガボ「ここでも 人間が
苦しめられてるのか……。
魔物って 悪さばっかしてんな。
*「私たち ダーマの神官は
魔物にあやつられている人間に
つねに 見張られています。
*「ここから出ようものなら
彼らは ようしゃなく 私たちに
おそいかかってくるんです。
マリベル「ははーん なるほどね。
魔物が 魂をくだかれた人間を
連れ去ったのは このためかぁ。
マリベル「つまり 魔物は神官たちを
一ヶ所に 押し込めておきたいのよ。
理由までは わかんないけど……。
ガボ「魂をくだかれると 魔物の
あやつり人形にされちまうのか。
何とか 助けてやれないかな。
*「魔物に あやつられているのは
魂をくだかれた なんの罪もない
かわいそうな人たちなんです。
*「そんな 無力な彼らを
魔物どもは いいように
利用しているのです。
*「地獄のさたも なんとやら。
こんな場所でも お金さえ出せば
なんだって 売ってあげるよ。
*「われらを見張っているのは
ふもとの町で 魂をくだかれた
人たちなんだ。
*「おなじ人間だと思うと
こちらからは 手が出せないが
彼らは そうじゃない。
*「今まで なさけ ようしゃなく
ここから脱出しようとした仲間を
その手にかけたんだ……ううっ。
フーラル「大神官のぶじを
たしかめるのが せいいっぱいで
助けだすのに しくじった。
フーラル「すまねえ……。
カシム「だが 大神官の生存が
確認できただけでも 上出来だ。
カシム「これで フォズ大神官を
救出できれば 生き残りの
親衛隊が集まってくるかもしれん。
フーラル「じゃあ オレを親衛隊に
入れてもらえるんだな。
カシム「それは 目に見えるかたちで
ちゃんとした てがらを
立ててからでないと ムリだ。
フーラル「そりゃねえだろう。
あんな 人のよさそうな連中を
うらぎってまで がんばったのに。
カシム「そう めげるなよ。
お前にも てがらを立てさせてやる。
そのかわり 私に協力しろ。
マリベル「見て フーラルだわ。
ここで会ったが 百年目!
ついに うらみを はらせるわ。
マリベル「チャンスよ アルス。
後ろから思いっきり ツボを投げて
アイツを失神させてやりなさい!
フーラル「なんだよ うっせえな。
フーラル「げげッ お お前らか!
フーラル「ま まさか オレに
仕返しをするために ここまで
追ってきたってのか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
フーラル「うーむ そうであっても フーラル「でも よく おぼえときな。 フーラル「あっはっは。 |
いいえ |
フーラル「そうかそうか 安心したぜ。 |
はいの場合
ガボ「ホンダラのオッチャンよりも
フーラルの方が ひとまわりも
ふたまわりも 邪悪な感じがするぞ。
はいの場合
マリベル「ぬぬぅ 反省するどころか
開き直るなんて どこまでも
いやしい男ね フーラルって。
いいえの場合
マリベル「バカバカバカ!
アルスの大バカ!
マリベル「早くも忘れたってーの?
フーラルが あたしたちに
どんな ひどいことをしたのか。
いいえの場合
ガボ「アルスは 神さまみたいだな。
オイラだったら 泣いて あやまるまで
フーラルを許してやんないけどな。
*「ダーマの神官ってのは
そろいもそろって どいつも こいつも
腰抜けばっかだな!
*「自分たちの 主が つかまってても
助けにいこうってヤツが
ひとりも いやしねえ。
*「いつも びくびく オドオドしてる
神官どもを見ていると
ハラがたってくるぜ。
ガボ「いいこと考えたぞ!
ガボ「魔物に あやつられてるヤツも
いっぱつ なぐってやりゃあ
正気に戻るんじゃないのか。
マリベル「ここでは 神官以外の人に
話しかけないほうが いいわ。
マリベル「外を うろついてる
神官でない人の ほとんどは 魔物に
あやつられてるみたいだしさ。
*「私たちに 戦うチカラがあれば
ダーマのあるじ フォズ大神官を
助けにいけるというのに……。
ガボ「フォズ大神官。
その名前は どっかで
聞いたことがあるぞ!
ガボ「……と思ったけど どうやら
オイラの思いすごしだったようだ。
えへへ。
マリベル「なんて いくじなしなの!
自分たちの主が つかまってるのに
助けに行こうともしないなんて。
*「ダーマには 大神官をお守りする
親衛隊がいるのだが……。
*「先の戦闘で ほとんどの戦士が
命をおとし 部隊は ほぼ
ぜんめつしてしまったそうな。
ガボ「ぜんめつした 親衛隊は
あてにできないから 自力で
ここを脱出するしかないな。
マリベル「ダーマの親衛隊が
もっと しっかりしていれば
こんなことには ならなかったのよ。
*「フォズ大神官こそ ダーマ神殿の
正統にして ゆいいつのあるじ。
ああ でもでも……。
*「神殿に 攻め込んできた魔物に
つかまって 洞くつの奥ふかくに
幽閉されてしまったのです。
*「人間の なげき 怒り 悲しみ
それらの感情が 魔物にチカラを
あたえているという言い伝えがある。
*「私たちは ここで魔物に
活力を あたえるためだけに
生かされているのでしょうか。
*「誰であろうと この洞くつへ
入れるわけには いかねえ。
入ろうとするヤツには 死を!
ガボ「通せんぼするくらいだから
この先が ダーマ神殿に
通じてるってことかな。
マリベル「むかむかむか〜っ!
ちょっと 話しかけただけなのに
何で殺されなきゃなんないのよ。
マリベル「いい? この やり場のない
あたしの怒りを アルスが
しっかり 受けとめなさいよ。
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
マリベル「よく言ったわ。 |
いいえ |
マリベル「ふーん あっそ。 |
*「牢ごくに 監禁されている
大神官を助けようとするヤツは
このクワで 頭をカチ割ってやるだ!
*「話しかけないでくれ。
ボクは 今 シュミの見張りの
まっさいちゅうなんだ。
*「ここから 逃げ出そうとするヤツが
いたら まっさきに 魔物に
報告してやるんだ。
*「ぐふふふふ……楽しみだな。
弱っちい神官どもが 魔物に
なぶられるのが じつに楽しみだ。
*「ややっ 見かけないツラだな。
この集落には くされ神官どもしか
いないはずだってのに……。
*「でも まあいいか。
オレは 神官を痛めつけることにしか
きょうみが ないしな。
*「うるさいわね。
話しかけないでよ。
今 大事なとこなんだから。
*「相手をしている 私が言うのも
なんですが トランプごときで
ムキにならなくても いいのに……。
*「洞くつを調べて 命を落とした
神官の 死にぎわの話では……。
*「中は 道がふたてに分かれていて
ひとつは ダーマ神殿に。
*「もうひとつは 牢ごくに
続いているそうだぜ。
*「ボクは 魂をくだかれても
魔物の あやつり人形にも
寝たきりにもならなkった。
*「ただ たんに 運が良かったのか
それとも 完全に魂が
くだかれていなかったのかな?
*「魔法を使うことだけが
とりえだというのに それすら
満足に使えんとはのう。
*「魔法使いや 僧侶にとって
今度の しうちは まさに
泣きっツラに ハチだな。
*「ここで 寝たきりになっているのは
みな 魂をくだかれた人たちです。
*「彼らは 魔物の手先にこそ
ならなかったが そのかわり
寝たきりに なってしまった。
話しかけても返事はない。
眠っているようだ。
ガボ「ザジも 魂をくだかれたから
どこかで 寝たきりになってるのかな。
ガボ「それとも 魔物の
あやつり人形になってるのか。
マリベル「ちょっと アルス。
はやく外へ出ましょうよ。
マリベル「ここに 長時間いると
みんなが求める いつも元気で
明るいマリベルでいられなくなるわ。
彼は てんじょうを見つめている。
話しかけられている ことにすら
気づいていないようだ。
*「あうう……。
*「そまつな寝どこしか ありませんが
もし お疲れでしたら どうぞ
ご自由に おやすみください。
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「おはようございます。 |
いいえ |
*「では お疲れのときは いつでも |
神官長「お前の役目は なんだ
言ってみろ!
カシム「フォズ大神官の おんみを
お守りすることです。
神官長「そうだ ほかの戦士たちは
みな 大神官の盾となり
死んでいったというのに……。
神官長「お前は 盾にもなりきれず
大神官を救うこともできず
はずかしいとは 思わんのかっ!
カシム「かえす言葉も ございません。
カシム「しかし まだ私めを
信頼してくださるのなら はじを
そそぐ機会を おあたえください。
カシム「ここに集った 戦士たちと
チカラを合わせ 必ずや 大神官を
助けだして ごらんにいれます。
神官長「ふん 盗賊に旅人か。
今のお前には 分相応な
部下たちではないか。
神官長「いささか 心もとないが
すべて お前にまかせるとしよう。
カシム「キミたちまで まきこんで
すまないと思っている。
カシム「だが どうしても
キミたちのチカラが必要なんだ。
不本意でも 今は協力してほしい。
マリベル「ちょっと どういうことよ?
いつから あたしたちが
カシムの部下になったのよ。
ガボ「オイラ 人助けは大好きだぞ。
フォズ大神官を 助けるために
がんばろうな アルス。
ネリス「ここには 魂をくだかれた人が
おおぜい いると聞きましたが……。
ネリス「どこを探しても 弟のザジが
見つからないのです。
ネリス「ああ……。
どうして ザジだけが
ここに いないのでしょうか。
ガボ「ネリス 元気ねえな。
ガボ「オイラとアルスが
はだか踊りでもすれば
元気になってくれっかな。
マリベル「ザジが さらわれなきゃ
ネリスも ふもとの町で いつもと
変わらない生活を送っていられたのにね。
アルスは 本だなを調べた。
アルスは 神官長の日誌を
手にとって読んだ。
”今日 またひとり 栄養失調で
神官が亡くなった。
”仲間が そばで死んでいく様を
見るのは まさに地獄だ。
こんなことなら いっそ……。
神官長「ううっ わしが神官長を
つとめる時代に このような汚点を
残すことになるとは……。
神官長「神殿を のっとられるなど
ダーマの歴史 はじまって以来だ。
くそう 魔物どもめっ。
ガボ「この 神官長のオッチャンは
今まで見てきた オトナの中で
いち番 なさけないヤツだな。
マリベル「みっともないわね。
グチグチ グチグチ 子供みたいに
文句ばっか言っちゃってさ。
マリベル「神官長なら 神官長らしく
ふるまいなさいよね。
フーラル「好き放題 言いやがって
感じわりぃ じじいだよな。
ホント あったまくるぜ。
カシム「これが 宮仕えのつらさだよ。
カシム「親衛隊に入ったら ああいう
人間とも じょうずに付き合って
いかなきゃならないんだぞ。
フーラル「ど 努力するぜ。
マリベル「バッカみたい。
なんでフーラルって あんなに
親衛隊に入りたがってるんだろ。
マリベル「ダーマの親衛隊なんて
とっくに ぜんめつしちゃってて
今じゃ なくなったも同然なのにさ。
カシム「魂をくだかれた人間を
魔物が 神官たちの監視役に
利用していたとはな……。
カシム「洞くつの 入り口を守っていた
あのふたりには 気の毒だが
しばらく ここで眠っていてもらおう。
フーラル「いっそ 殺しちまったほうが
いいんじゃねえの。もしコイツらが
目覚めちまったら どうすんだよ。
カシム「殺すのだけは ダメだ。
彼らが目覚める前に なんとしても
大神官を お助けする。
カシム「やあ よく来てくれたね。
大神官は 洞くつの いちばん下の
牢ごくに監禁されている。
カシム「ダーマを取り戻すには
まず 大神官を助けねばならない。
私たちと ともに戦ってくれ。
カシムとフーラルが 仲間にくわわった!
フーラル「あんまり にらむなよ。
もう2度と うらぎったりしねえから
そんなに邪険にしないでくれよ。
話しかけても返事はない。
どうやら 気を失っているようだ。
フーラル「カシムが 泣いて頼むから
気絶させるだけにしといたんだ。
まったく 手間がかかるぜ。
カシム「クチの へらないヤツだ。
お前は何もせず だまって
見ていただけのくせに!
フーラル「怒っちゃ いや〜ん。
カシム「彼らも ぎせい者なんだ。
魔物に あやつられているとはいえ
殺すのは しのびないだろう。
マリベル「大声で ここは通さんぜよ!
とか言ってたわりには あっさり
気絶させられちゃってるわね。
ガボ「気絶してるヤツらの顔に
こっそり 落書きでもしてやるか。
カシム「じつは キミたちと
ともに戦えることを 私は
ひじょうに楽しみにしていたんだ。
カシム「というわけで
しばらく よろしくな。
マリベル「カシムは いいわよ。
けど なんでフーラルまでが
いっしょに ついてくるわけ?
ガボ「……しばらく カシムと
いっしょにいるんなら 思い切って
あのことを聞いてみよっかな。
フーラル「大神官を救出して てがらを
みとめられりゃあ このオレ様だって
親衛隊に 仲間入りできるんだぜ。
フーラル「そうなりゃ その日ぐらしの
盗賊稼業とも おさらばよ。
カシム「今は時間がおしい。
したくが ととのいしだい
急いで大神官を助けにいこう。
ガボ「フォズ大神官て ダーマで
いち番 えらいヤツなんだろ。
ガボ「やっぱ えらいヤツだから
王さまみたいに ヒゲぼーぼーの
オッサンなのかなあ。
マリベル「いいわね? アルス。
フーラルに話しかけられたら
とりあえず ムシしときなさいよ。
マリベル「あたしは まだアイツを
許していないんだからね。
ガボ「もう がまんできねえ。
アルス。オイラ やっぱり
あのことを聞いてみるよ。
ガボ「なあ カシム。
どうしてカシムは 足が短いんだ?
カシム「……ほっといてくれ。
フーラル「カリカリすんなよ アルス。
あのとき オレ様が うらぎったことを
まだ 根に持ってんのか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
フーラル「けっ 感じワリィの。 フーラル「オレ様が ここまで |
いいえ |
フーラル「がっはっは そうかそうか。 フーラル「昔のことは おたがい |
カシム「心配ないよ アルス。
私がフーラルを 見張っているから
2度と おかしなマネはさせない。
マリベル「聞いて聞いて アルス!
いいこと考えたわ!
マリベル「今度 魔物が出てきたら
まず フーラルを おとりにして
あたしたちは逃げましょうよ。
カシム「おおっ まちがいない。
まさしく フォズ大神官だ。
カシム「こんなに せまい牢ごくに
ひとりぼっちで 閉じこめられていて
さぞ心細い思いをされたであろうに。
カシム「かわいそうに……。
今 お助けいたします。
カシム「ダメだ びくともしない……。
ガボ「あんな 小さな子供を
こんなとこに 閉じこめとくなんて
魔物も ひどいことするな。
ガボ「で 大神官は どこにいるんだ?
マリベル「ウソでしょ。
あれが フォズ大神官?
あたしより 小さいじゃん。
ガラスのようなカベが
フォズ大神官を とりかこんでいる。
カシム「何度 剣で たたいても
この ガラスのようなカベには
キズひとつ つけられない。
カシム「カベを作る元となっている
何かを こわせば このカベを
消せるのではないだろうか……。
マリベル「魔物にしては ずいぶん
手のこんだことをするわね。
ガボ「オイラが ガブッって かめば
あのカベを やぶれるんじゃねえのか?
フーラル「オレも最初はビビッたぜ。
ダーマの ほんとうの大神官が
あんな小さな 女の子だったとはよ。
マリベル「あんな小さくても 大神官に
なれるくらいだから 何か よっぽど
特別なチカラを 持ってるのかしら?
ガボ「はやく フォズ大神官を
助けてやろうぜ アルス。
マリベル「そーっと 歩きなさいよ。
でないと 足をふみはずして
下まで いっきに おっこちるわよ。
ガボ「うっひゃあ〜。
あぶなっかしい部屋だな。
落ちたら ひとたまりもないぞ。
マリベル「やったじゃない アルス!
ねらい通り 命中したわね。
ガボ「高いとこから 物を落とすのって
けっこう 楽しいもんだな。
カシム「見てみろ。
さっきよりも カベの色が
うすくなったぞ。
カシム「これは おそらく カベが
もろくなった あかしだろう。
発行するクリスタルから
エネルギーが 送られている。
*「ありがとうございます。
あなたがたの おかげで
この 牢ごくから出られました。
カシム「しょうかいしよう。
このかたが ダーマ神殿の
真のあるじ フォズ大神官だ。
フォズ「まだ 幼い身でありますが
ダーマ神殿の大神官の職を
つとめさせて いただいてます。
フォズ「しかし 魔物に神殿を
のっとられた 今となっては
私も名ばかりの大神官です。
フォズ「こうしている間にも
ニセの大神官が 人びとを
だまし続けているのですから……。
*「むむっ! なんだなんだ。
やけに そうぞうしいな。
ここは牢ごくのはずだぞ。
*「おい見ろ! このあいだ
洞くつを 抜け出したヤツだ。
こんな所に かくれていたか。
フーラル「げげッ! またヤツらか。
フーラル「人間から うばったチカラを
あたえられて 強化されたとかいう
あの たちの悪い魔物どもだ。
フォズ「……うばったチカラですか。
ならば 私が そのチカラを
ふうじてみせましょう。
*「ぬおおお なんだ この脱力感は!
フォズ「みなさん 私が魔物の
チカラを ふうじている間に
あの魔物を たおしてください。
なんと アルスたちの
体力が 回復した!
*「ぐぬうぅ……おのれ小娘!
われらに そむいたことを
後悔するなよ。
*「今度は 2度と動けないように
手足を 鎖でつないで
牢に ブチこんでやるからな!
イノップとゴンズ戦
マリベル「フォズ大神官のおかげで
敵は チカラを出し切れないから
勝てる見込みは じゅうぶんよ!
ガボ「ようし 今度こそ
あいつらを かならず倒すぞ!
フーラル「やれやれ チカラを封じて
あの強さときたもんだ。
とうぶん 戦闘は こりごりだな。
フォズ「ご苦労さまです みなさん。
カシム「新手が こないうちに
はやく この場を はなれよう。
カシム「私とフーラルは 先に戻って
フォズ大神官を 救出したことを
神官長に伝えにいくよ。
カシム「アルスは フォズ大神官を
お守りしながら あの集落まで
戻ってきてほしい。
カシム「行くぞ フーラル。
フォズ「わずかの間でしょうが
ご一緒させていただきます。
フォズが 仲間にくわわった!
フォズ「神官たちは みな無事でしょうか。
つらい生活を しいられていなければ
いいのですが……。
フォズ「私が いたらないばかりに
このような 最悪の事態を
まねいてしまったのです。
フォズ「みなに つぐなうためにも
何としてでも ダーマを取り返し
ニセの大神官を倒さねばなりません。
マリベル「集落に戻れば 大神官を
救出した あたしたちは
ちょっとした英雄よね。
ガボ「はやく 戻ろうぜ。
フォズ大神官を つれてけば
きっと みんな よろこぶぞ!
マリベル「先に戻った あのふたりが
てがらを ひとりじめしていないか
どうか 心配だわね……。
*「おお 大神官だ!
大神官が お戻りになったぞ。
*「やはり大神官は 生きていらしたんだ。
*「ううっ フォズ大神官。
よくぞ……よくぞ ごぶじで。
今日は わが人生 最良の日だ。
*「フォズ大神官が 戻ったんだから
ダーマを 取り戻すのだって
もう 夢なんかじゃないのね!
フォズ「このような つらい生活を
みなに しいる結果になったのは
すべて私の責任です。
フォズ「監禁されていた私は 今まで
みなと 同じ苦しみを 同じだけ
あじわってきました。
フォズ「だが それも すぎたこと。
フォズ「今から われらの家である
ダーマを取り戻すために ともに
チカラをつくしましょう。
ガボ「みんな よろこんでたな。
それだけ フォズ大神官が
人気者ってことなのか。
マリベル「いつもと 何かが ちがうわ。
マリベル「大神官を助けたのは
あたしたちなのに 何で誰も
ちやほやしてくれないのよ。
*「いい気になって いられるのも
今のうちだけだからな。
お前たちに 未来なんかないんだ。
*「大神官を助けだしたことは
魔物に 報告しておいたから
もうじき 痛い目にあうぞ。
*「フォズ大神官を 助けだしたのは
親衛隊の生き残りだそうですね。
*「こんな 胸のすくような
うれしい出来事は 本当に
ひさしぶりですよ。
マリベル「みんな まちがってるわ。
大神官を助けたのは マリベルと
その仲間たちなのよ。
*「大神官が お戻りになる前かな。
神官長の家で ちいさな悲鳴が
あがったんですよ。
*「何事かと思い 見てみたら
家の中には きれいな女の人と
少年がいるだけでした。
*「しかし なぜか神官長の姿が
どこにも見当たらなかったんです。
どこへ行ったんだろうか?
マリベル「行くわよ アルス。
きっと 神官長の家で
何か あったんだわ。
ガボ「神官長の家で 物音か?
ガボ「ネリスと 神官長が
とっくみあいの 大ゲンカでも
やったんじゃないのか。
*「大神官救出のしらせを聞いて
急ぎ かけつけたのだが
なんと ふがいないことか。
*「親衛隊の生き残りが もっと
おおぜい 来ているものだと
期待していたのに……。
ガボ「親衛隊の生き残りってのは
カシムのほかにも いたんだな。
マリベル「親衛隊の兵士なんだから
わが身に変えても 大神官を守る
ぐらいは 言ったら どうなのよ。
*「お前さん 知ってるかい?
ダーマの大神官ってのは
小さな女の子なんだぜ。
*「そんなの ひとり助けたところで
オレたちの この悲さんな状況は
どうにも しようがないぜ。
*「フォフォ フォズ大神官が
すんごい美人だっていう ウワサは
本当なんでしょうかっ?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「おお! ぜひ見にいかなければ。 |
いいえ |
*「ちぇっ つまんないの。 |
*「もう 気づきましたか?
魔物に あやつられていた人たちが
いつのまにか 姿を消しているんだ。
*「まさか フォズ大神官を
救出された腹いせに 魔物どもが
彼らを 始末したのだろうか……。
*「もう だいじょうぶです。
これからは 何もかも
良い方向に向かうでしょう。
*「フォズ大神官が 戻ってきたんだ。
これ以上 ダーマを魔物の好きには
させませんよ。
*「たとえ 大神官といえども
この 不利な状況で ダーマを
取り戻すのは むずかしいでしょう。
*「過去の戦いより さらに
条件のわるい今 はたして 魔物に
勝つことが できるでしょうか……。
*「大神官が お戻りになったのを
死んでいった 仲間たちに
報告していたところです。
*「大神官は ふがいない私たちを
せめるような お言葉を ひと言も
おっしゃりませんでした。
*「そればかりか つらい生活で
すっかり まいっている私たちを
はげまそうと なさるんです。
*「まだまだ 遊びたいさかりの
子供だというのに……なんて
なんて けな気なおかたなんだ。
ガボ「みんな 大神官が大好きなんだな。
マリベル「フォズ大神官て ホント
みんなに したわれてるのね。
まるで あたしみたい。
*「うーむ いまだに信じられん。
フォズ大神官を お助けしたのが
あの カシムだというのが。
*「いよいよ 決起のときかと思い
せっかく かくれ家から
出てきたってのに なんてザマだ。
*「こんな頭数じゃ ダーマを
取り戻すのなんて 夢のまた夢だ。
*「フォズ大神官は 牢ごくでの
つらい生活が 長かったせいか
すこし やつれていらした。
*「それなのに 私たちに
いらぬ心配をかけまいと
気丈に ふるまっていらしたよ。
*「フォズ大神官が お戻りになる
だいぶ前の話なんだけどね。
*「ここの上の 神官長の家で
ドタン バタン ガシャンって感じの
あらそうような物音がしたの。
*「神官長の家にいる 女の人は
何もなかったって言うけど
どうも ウソくさいのよね。
カシム「すると 私たちがルスの間に
キミの弟が ひょっこり
戻ってきたとでもいうのか。
カシム「魔物に連れさられたんだぞ。
自力で 脱出してきたとは
とうてい 考えられん。
ネリス「そんなこと言われたって
この子ったら ひと言も
しゃべろうと しないんだもの。
ネリス「私にだって わかりません。
カシム「まあ それは いいとして
アルスたちにも世話になったんだ。
礼ぐらい 言ったらどうだい。
ネリス「みなさん どうもありがとう。
このとおり 何のケガもなく 弟は
ぶじに帰ってこられましたわ。
カシム「ネリス!
かみかざりは どうしたんだ。
ネリス「えっ なに?
カシム「私があげた かみかざりだよ。
ネリス「あっ ああ アレね。
ごめんなさい。なくしちゃった。
カシム「……そうかい。
ところで 身体のほうは
もう なんともないのか?
ネリス「もちろん元気だけど
それが どうしたっていうの。
変なことばかり 聞かないでよ!
カシム「とつぜん 戻ってきたザジと
いれかわるようにして
神官長が 姿を消した。
カシム「これは どういうことだ?
ネリス「みなさん ありがとう。
けど なんの お礼もできなくて
ごめんなさいね。
フーラル「おい 人が話しかけてんだ。
返事くらいしろよ まったく。
ザジ「……。
フーラル「魂をくだかれると ろくに
クチも きけなくなるってのか。
……かわいそうによ。
小声で 何かを つぶやいている。
アルスは ザジのくちもとに
耳を近づけてみた。
ザジ「姉さんが いない。
姉さんは どこにいったの。
ボクを ひとりにしないでよ……。
フォズ「旅のお方に お頼みするのは
あまりにも 心苦しいのですが
あえて お願いもうしあげます。
フォズ「どうか ダーマを乗っ取った
ニセの大神官を倒してください。
フォズ「このカギがあれば
ダーマの地下へ通じる道が
ひらけるはずです。
持ち物がいっぱいの場合
フォズ「おや 道具が いっぱいで
持ちきれないようですね。
では ふくろへ入れておきます。
フォズ大神官は ふくろの中へ
ダーマのカギを入れてくれた。
アルスは ダーマのカギを
手にいれた。
フォズ「そしてこれは ニセの大神官が
人々をだまして うばった
チカラについてですが……。
フォズ「なにやら ダーマの地下に
うばったチカラを たくわえてある
奇妙な部屋が あるそうなのです。
フォズ「その部屋に行けば
うばわれたチカラを
取り戻せるかも知れませんね。
カシム「そろそろ 出発するか。
こちらは 4人いることだし
こんどは別行動にしよう。
フーラル「おいおい もしかして
この姉弟も つれてく気か?
足手まといに なるんじゃねえの。
ネリス「そんなに 私たちと行くのが
イヤなら あんたひとりで
ここに残んなさいよ。
フーラル「な なんだとぉ!
おい カシム。この女 だいぶ
性格が変わったんじゃねえのか。
カシム「……。
カシム「上の洞くつに入って
右に進めば トビラに閉ざされた
広場に出るはずだ。
カシム「私たちは そこで待ってる。
できるだけ早く来てくれ。
マリベル「ねえ アルス。
さっきのネリス ちょっと
おかしくなかった?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
マリベル「やっぱり そう思う? |
いいえ |
マリベル「うーん そっかぁ。 |
ガボ「よーし ダーマ神殿を
乗っ取った 魔物の親玉を
やっつけてやるぞ。
フォズ「親衛隊の 生き残りの中から
有志をつのり 用意が出来しだい
私も みなさんのあとを追います。
フォズ「みなさんは ダーマのカギで
閉ざされたトビラをひらき 先に
神殿内部に 潜入してください。
マリベル「さんざん いばりまくってた
あの神官長が この場に いないなんて
信じられないわね。
ネリス「お待ちしておりました。
正面のトビラは フォズ大神官に
いただいたカギで 開くはずです。
ネリス「そこで お願いなんですが
ダーマのカギを 少しのあいだ
私に かしていただけませんか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
カシム「ちょっと まて! |
いいえ |
カシム「そうだ! そんなヤツに |
カシム「きさまは いったい何者だ。
いいかげんに 正体をあらわせ!
ネリス「アーハッハ。
ネリス「外見はマネできても
しぐさや性格までは ムリか。
人間とは ふくざつだねー。
*「お前たちを ゆだんさせるために
女の姿に ばけていたってのに
早くも バレちまうとはねぇ。
*「ちょうどいいから お前たちは
この場で始末してやるよ。
大神官は その後でもいいや。
カシム「その前に ひとつ こたえろ!
ネリスと神官長は どこだ?
*「女のほうは生きてるよ。
でも ジイさんは オイラが
食っちまったけどね イヒヒヒヒ。
*「おっとっと お前の相手は
こっちの坊やだよ。
*「さあ ザジ。
今こそ うらみを はらすんだ。
魂の剣を あたえてやる。
*「怒りと憎しみを チカラに変えろ。
お前と姉の ふたりだけの世界を
こわそうとする 男の魂をくだけ!
*「さあて 残ったヤツラは オイラが
まとめて食ってやるかなー。
イヒヒヒヒ。
マンイーター戦
マリベル「し 信じられないわ。
あんな 気持ち悪いヤツが 今まで
ネリスに 化けてたっていうの。
ガボ「正体を あらわしたからには
オラ てかげんは しねえぞ!
ザジ「死ね カシム!
おまえを殺して 姉さんの心から
おまえを追い出してやるッ!
フーラル「相手は子供じゃねえか。
なにを てこずってんだよ。
さっさと ケリをつけちまいな。
カシム「ダメだ チカラが出ない。
カシム「ザジの剣を うけるたびに
どんどんチカラが抜けていく……。
カシム「しまった 剣が!
ザジ「とどめだ!
ザジ「ああっ ぼくの剣が!
カシム「これが 魂でつくられた剣なら
持ち主である ザジの身体に
ふたたび宿ってみせろ!
ザジ「ああああああッ!
フーラル「し 死んじまったのか……。
ガボ「もし ザジが死んでたら
オイラたちは 2度とカシムに
協力してやんないぞ!
カシム「いや 死なないはずだよ。
私が使ったのは ザジから うばった
ザジの魂でできた 剣だからな。
カシム「魂の抜けた身体に
魂を 戻してやったことになると
思うのだが……。
フーラル「そうは言うけどよぉ
ぴくりとも 動かねえぞ。
ホントに生きてんのか?
フーラル「おい だいじょうぶか?
どこか 痛むところは ないか?
ザジ「どこも痛まないし ケガもない。
ボクは ただ あの魔物に
あやつられていた だけだから……。
カシム「なら どうして
あの魔物を倒したあとも
私に剣を向けた?
ザジ「魂の剣を持っていると
ひとを憎もうとする 気持ちだけが
とめどなく あふれてきて……。
ザジ「正気でいられなくなるんだ!
だから あんたを殺そうなんて
これっぽっちも思っていなかった!
ザジ「ホントだよ。
カシム「もういい 気にするな。
しかし またしても 魂の剣か。
まるで 人を狂わす魔剣のようだ。
カシム「このトビラの向こうは
ダーマ神殿へと 続いているはずだ。
急ぐぞ アルス。
カシム「急げば まだ ネリスを
助けられるかもしれん。
カシム「私が 大神官救出に
かまけていたばっかりに
彼女は……ええい くそっ!
カシム「とにかく あの いまいましい
トビラを はやく開けてくれ!
マリベル「今回のことで カシムとザジが
大の なかよしになる……。
マリベル「なんてことが あるわけないか。
ガボ「ザジもネリスも そろって
魔物に さらわれるなんて
ひとさわがせな姉弟だよな。
カシム「この先で うばわれたチカラを
取り戻せるかもしれないと
フォズ大神官は おっしゃった。
カシム「だが 具体的に どうすれば
チカラが取り戻せるのかは
結局 わからずじまいだな。
カシム「ああ そんなことより
はやく あのトビラを開けてくれ。
カシム「……時間がたてば たつほど
ネリスの生きている 可能性が
低くなっていく気がして ならない。
ザジ「姉さんは きっと生きてる。
けど 魔物は きまぐれだから
いつ殺されても おかしくない。
ザジ「はやく 助けにいかなくちゃ。
フーラル「魔物が あの姉ちゃんに
化けていやがったとは オレさまも
さすがに気づかなったぜ。
フーラル「やっぱよ オレたちが
大神官を助けにいったスキに
魔物が いれかわっちまったのかな?
マリベル「ねえ ここって もしかして
フォズ大神官の言っていた
部屋なんじゃないの……?
マリベル「!?
マリベル |
マリベル「そうよ! この感覚よ。 |
ガボ | ガボ「おお! すげえよ! |
なんと アルスたちは
ニセの大神官に うばわれた
呪文や特技を とりもどした!
どこからともなく
フォズ大神官の声が 聞こえる……
フォズ「どうやら チカラを
とりもどしたようですね。
フォズ「さあ その部屋のひだりから
さらに 奥にすすむのです……。
マリベル「長い道のりだったわ。
マリベル「思い起こせば アルスが
ニセの大神官に だまされなきゃ
こんな苦労は しなかったのよね。
ガボ「もう 恐いものナシだぞ。
今のオイラなら どんな魔物だって
やっつける自信があるぞ。
*「ここは 神聖なる決闘場。
魂くだきに 成功した者たちの
第2の試練の場である。
マリベル「なにが 決闘場よ!
もう いいかげんにしてよね。
マリベル「はやく こっから出て
フィッシュベルに帰りたーい。
祭壇を無視した場合
カシム「えっ? うばわれたチカラを
まだ 取り戻していないだと?
キミたちも のんきだなあ。
カシム「ここに たどりつくまでに
色とりどりの光が うずをまいている
おかしな部屋が あっただろう。
カシム「その部屋の 祭だんの
てっぺんに立つだけでいい。
そうすれば チカラが戻るはずだ。
※無視して行くと、アントリア撃破後にチカラが戻る
マリベル「まったく もう!
あんたが 見落としたせいで
後戻りすることになったじゃない。
マリベル「さあ うばわれたチカラを
取り戻しにいくわよ。
*「魔物は 約束どおり
うばったチカラを 返してくれたが
神殿の外へは 出してくれなかった。
*「ヤツらの言葉なんか 信じた
オレが バカだったぜ。
*「ここから 出る方法を
教えてほしいか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「まず 決闘に出場する。 *「すると 神殿を支配してる |
いいえ |
*「え そうかい。 |
カシム「くそう 魔物どもめ。
神官たちを追い出したあと だいぶ
神殿を いじくりまわしたな。
カシム「洞くつを抜ければ 見なれた
ダーマ神殿に 出られるとばかり
思っていたのに……。
マリベル「ショックだわ。
あたしだって 洞くつを抜ければ
ダーマへ戻れると思ってたのよ。
ガボ「この決闘場って 魔物が
せっせと こしらえたもんなのか?
*「この戦士の剣技は 見ていて
ほれぼれするほど美しく
そして ちから強い。
*「さすが あのスイフーの
追っ手をふりきって 魂くだきに
成功しただけのことはあるね。
*「今のネリスに会っても
弟さんは がっかりするだけよ。
だって ほとんど別人だもの。
*「魂をくだかれて 寝たきりだった
私を かいほうしてくれた
やさしいネリスとは別人よ。
*「わたしは知っている。
*「ネリスが 弟のかたきを
うつために 魂の剣を
手にしたことを……。
*「うお あぶない あぶない。
もう少しで チビるとこだった。
*「おや 何だって?
オレのズボンの またの部分が
びしょぬれに なっているだと!
*「……こ これは汗だよ。
大量に汗をかいただけさ。
*「何としても 優勝したいんです。
優勝して ここから出たいんです。
*「家に おいてきた 妻と子供が
心配で心配で 夜もろくに
眠れないんです ううっ……。
*「魂の剣を 使いはじめてから
ネリスのやつ 日に日に性格が
ゆがんでいきやがる。
*「以前は あんなキツイ感じじゃ
なかったってのによ。
ザジ「どうしたんだよ 姉さん。
なんだって 姉さんが
魂の剣なんか 持ってるんだよ。
ザジ「さあ 魂の剣を かして。
ボクが姉さんの身体に
魂を 戻してあげるから。
ネリス「イヤよ! 近づかないで。
私のことなんか ほっといて!
ネリス「決闘をしていれば いつか
かならず誰かが 私の息の根を
止めてくれると思った……。
ネリス「どうせ こんな病弱な身体では
長く生きられないのよっ!
ザジ「どうしたんだよ 姉さん。
ヤケをおこすなんて らしくないよ。
ザジ「みんな 魂の剣のせいだ。
それのせいで イライラするんだよ。
さあ はやく 剣をよこして。
ネリス「うるさい……あっちへ行け。
はやく 私の前から消えなさい。
でないと あんたの魂 くだくわよ。
ザジ「この わからずやっ!
*「おっとっと よけいなマネは
するんじゃねえ。
*「よく聞け 魂の剣を使って
決闘に出たいと言い出したのは
ほかでもない このネリスだ。
*「いい見せ物になると
思ったからこそ この女を
生かしておいたんだぜ。
*「それでも オレたちのオモチャを
うばおうってんなら 誰であろうと
ようしゃは しねえぞ!
マリベル「ふん ナマイキな魔物ね。
こんなときこそ アルスの出番よ。
マリベル「チカラずくで 魔物から
ネリスを助けだしなさい。
マリベル「人を おもちゃにするなんて
あたしは 今日ほど 魔物が
にくいと思ったことがないわ。
ガボ「ネリスが かわいそうで
オイラ 見てられないよ。
ガボ「ザジが心配だよ。
あいつ 泣いてたぞ。
ネリス「うう……むねが くるしい。
お願いだから 話しかけないでよ。
*「誰でもいいから ネリスを止めて。
急がないと 彼女が死んでしまうわ。
*「ネリスの身体は もう限界なのよ。
これ以上 命をけずって 魂の剣を
使い続けたら 死ぬわよ。
*「そりゃ ボクだって いつまでも
こんな不毛な決闘を
続けていたくなんかないよ。
*「きっと誰もが 心の中じゃ
脱走したいって
思ってるはずさ。
*「けど 失敗したときのことを
考えると なかなか ふんぎりが
つかないんだよね。
ガボ「ここでも 魂の剣か。
そんなモンなくたって
オイラは 誰にも負けないぞ!
*「出場者の ほとんどが
3匹の魔物を ひきつれて
決闘にのぞんでいる。
*「自分以外のヤツは 敵だから
みんなで協力しようなんてヤツは
ここには いないってことさ。
*「ここは 優勝した者にしか
通ることを ゆるされていない。
*「どうしても ここを通りたいなら
決闘に出て 優勝するんだな。
キヒヒヒヒ。
*「ちゃんと チカラも戻ったし
武器だってある。
*「けど オレひとりが
魔物に はむかったところで
むだに命を落とすだけだ……。
*「チカラが 戻ったってのに
だれも魔物に はむかおうとせん。
*「何か きっかけさえあれば
オレたちも 反乱をおこすことが
できるのだが……。
カシム「まさか ネリスが
決闘に出ていたなんて……。
ザジ「だからボクも 決闘に出るんだ。
ザジ「魔物に かこまれている姉さんに
近づくにはそれしかないから。
カシム「決闘の さいちゅうに
魂の剣をうばって ネリスの身体に
魂を もどそうというのか。
カシム「それなら ネリスも
正気に もどるかもしれんな。
よし! 私も協力しよう。
ザジ「あなたの助けなんか いらない。
姉さんは ボクひとりで助けてみせる!
カシム「くそっ! わかってるのか。
カシム「子供みたいに つまらない
意地を張っていられるときじゃ
ないってことを……。
*「人間よ 決闘に出場したいのか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「むむっ ふざけているのか。 *「決闘に出たいのなら |
いいえ |
*「ふん おくびょう者めが。 |
*「くそッ 魔物どもめ!
楽しそうに オレたちの決闘を
観戦しやがって!
*「優勝すれば 自由になれるんだ。
そうでなければ 誰が好き好んで
決闘などするものか。
*「魂の剣を武器に 戦う者は
最後には 気が狂って もだえ
苦しみながら死んでいく。
*「おぼえておくんだな。
魂の剣は 人を はめつさせる
魔剣だということを……。
*「魂の剣をもった 女剣士が
決闘に参加しているの。
*「スゴイんだから 彼女って。
ごつい戦士や 魔物にだって
立ち向かっていくのよ。
ガボ「ネリスって ひ弱だから
決闘に出るたんびに ケガを
ふやしてるんじゃないのか?
マリベル「あの 病弱なネリスが
剣を持って 戦っている姿なんて
ちょっと 想像できないよね。
*「町で 魂をくだかれた ボクは
気を失ってる間に 魔物に
ここへ つれてこられたんです。
*「以来 ずっと ここで
こき使われてます。
そうじとかの雑用でね。
*「中央で戦っているのが
チカラの祭壇で うばわれたチカラを
取り戻した者たちだ。
*「決闘場には オレたちが
魂を くだいてやった人間も
おおぜい まじっている。
*「魂をくだかれても 回復した
運のいい人間も いるんだ。
*「観戦していると わかるぞ。
人間とは つくづく好戦的な
生き物だということがな。
カシム「ザジには キミたちのほかに
たよれる人間が いないはずだ。
カシム「もし あいつが キミたちを
たよってきたら ぜひとも
チカラになってやってほしい。
カシム「迷惑なのは 分かっている。
だが 私ではダメみたいなんだ。
私のかわりに あいつを たのむ。
ザジ「たしか キミたちの目的って
ダーマ神殿を のっとった 魔物を
倒すことだったよね。
ザジ「そこでだ。決闘で優勝すれば
キミたちは どうどうと
ダーマ神殿に もぐりこめる。
ザジ「ボクは 姉さんを救うために
どうしても決闘に出たい。
というわけで どうだろう?
ザジ「ボクと いっしょに 決闘に
出場してくれないかな?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
ザジ「えっ ホントにいいの? ザジ「目的は ちがうけど ザジが 仲間にくわわった! |
いいえ |
ザジ「フン そうかい。 |
ザジ「もしかして 気がかわって
ボクと いっしょに 決闘に
出てくれる気になったとか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
ザジ「えっ ホントにいいの? ザジ「目的は ちがうけど ザジが 仲間にくわわった! |
いいえ |
ザジ「また ことわるのか。 |
ザジ「姉さんと 当たらなきゃ
姉さんを救うことはできない。
ザジ「だけど 姉さんと決闘できるか
どうかは 運まかせなんだ。
こればっかりは 祈るしかない……。
ガボ「オイラと アルスがいれば
もう 優勝したようなもんだな。
マリベル「さっさと優勝して
ここを支配してる 魔物の親玉を
やっつけちゃいましょう!
*「これから話すことを
だれにも もらさないと
約束できるか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「魔物が オレたち人間から *「何でも うばったチカラで *「てなわけで 誰にも言うなよ。 |
いいえ |
*「それじゃあ 話せないな。 |
はいの場合
マリベル「魔王を強くするですって?
そんな くだらないことのために
チカラを うばわれたっていうの?
マリベル「とんだ めいわくだわね。
はいの場合
ザジ「魔王か。
ボクらは そんなものの
ギセイになろうとしているのか。
*「キヒヒ……ネリスの目的は
弟をキズつけた 戦士の魂を
くだくことのみ。
*「あの戦士と 戦うためなら
何百 何千回だって ネリスは
決闘に のぞむだろうよ。
ザジ「……ボクと戦うまでは
どうか死なないでくれ 姉さん。
*「武器は 戦いを かさねるごとに
キズつき もろくなっていく
それは 魂の剣とて おなじ。
*「剣の持ちぬしが 狂暴になるのは
キズついた魂が 悲鳴をあげて
苦しんでいるからだろうな。
ザジ「魂くだきをしてまで 自由を
欲しがってたくせに 失敗が
怖いとはね…おくびょうな人だ。
*「おや? なつかしい顔だねえ。
キミたちのことは よく覚えてるぞ。
*「私が ふもとの町で 魂くだきを
やったときに あの感動的な姉弟の
そばにいた 旅人じゃないか。
*「キミたちも 覚えてるだろ。
私が 魂をくだきそこねた
あの少年には お姉さんがいたよな。
*「その彼女がさ 弟のかたきである
私の魂を くだくために
なんと 決闘に出てるんだぜ。
*「女の細腕で この私を
倒そうなんて わらっちゃうよな。
ガボ「ウガァ。
ダメだ 思い出せないよ。
あんな戦士 おぼえてないぞ。
マリベル「あの男のことなら あたし
よーく おぼえてるわ。
マリベル「ふもとの町で さわぎを
おこした 勇者志望の戦士よ。
ザジ「ちくしょう あいつだ。
あの戦士が ボクの魂をくだいたんだ。
今すぐ ブンなぐってやりたいよ。
フーラル「盗賊である オレのウデを
もってしても あのトビラを
開くことは できなかったぜ。
フーラル「この先へ すすむには
やっぱ 決闘とやらに出て
優勝するっきゃ ねえのかな。
マリベル「負けそうになると
強いほうに 寝返りそうだから
フーラルとは 組みたくないわね。
ザジ「決闘に出てほしいって
フーラルにも 声をかけたんだけど
ことわられたんだ……。
カシム「ダーマに もぐりこめば
あとは 神殿を のっとった
魔物の親玉を倒すだけだ。
カシム「私は その間 決闘場にいる
すべての人々に はたらきかけて
反乱を くわだてようと思う。
ザジ「カシムのチカラなんか
かりなくたって ボクひとりで
姉さんを助けてみせるんだ。
ガボ「反乱って なんだ?
マリベル「反乱を起こすって
どういうことよ。
ホントに そんなこと できるの?
*「キヒヒヒヒヒ。
決闘のルールが知りたいのか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「決闘は 4対4で おこなわれる。 *「ひとつの決闘に勝てば *「計5回 おこなわれる決闘を *「だが いち度でも負けると *「みごと 優勝した者たちには |
いいえ |
*「観戦するにしたって |
ガボ「チカラくらべは 大好きだぞ!
オイラ 決闘に出たいよ。
マリベル「自由にしてくれるっていうけど
魔物が約束なんて 守るのかしらね。
ザジ「魔物が 約束を守るとは
思えないけど とにかく今は
決闘に参加するしかないんだ。
*「人間よ 決闘に出場したいのか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「うむ 人数は そろっているな。 |
いいえ |
*「ふん おくびょう者めが。 |
*「どうした 早くしろ。
決闘場では 次の挑戦者を
待っている者がいるのだぞ。
*「では あらたなる挑戦者よ。
決闘の舞台へ すすむがいい。
*「挑戦者 アルスにとっては
これが第1の決闘になる。
*「では 決闘開始!
一回戦
マリベル「とうぜん 相手は
チカラを 取り戻してるんだから
油断しちゃダメよ アルス。
ガボ「アルス。
オイラは あの魔法使いを
まっさきに やっつけるよ。
*「勝者 アルス!
*「では あらたなる挑戦者よ 前へ!
*「第2の決闘 はじめ!
二回戦
マリベル「ウデっぷしの強そうな
戦士の相手は あんたにまかせるわ。
ガボ「オイラと アルスで
チカラをあわせて あの戦士を
先に しとめようぜ!
*「勝者 アルス!
*「では あらたなる挑戦者よ 前へ!
*「第3の決闘 はじめ!
三回戦
ガボ「気おくれすんなよ。
あいつは いつも お世話になってる
神父さんたちとは ちがうぞ!
マリベル「神父まで この決闘に
参加してるなんて 世も末ね……。
*「勝者 アルス!
*「では あらたなる挑戦者よ 前へ!
*「第4の決闘 はじめ!
四回戦
ガボ「相手は 拳法の使い手か。
なら オイラの技と どっちが
すぐれてるか 勝負だっ!
マリベル「どうでも いいけどさ
この決闘に 出てる人たちって
みーんな 人相わるいよね。
*「勝者 アルス!
*「では あらたなる挑戦者よ 前へ!
*「第5の決闘 はじめ!
五回戦
マリベル「ただ ちょっと 人よりも
チカラ持ちなだけってヤツまで
この決闘に 出てるの?
ガボ「よわそうな男だなあ。
あいつには 負ける気がしないぞ。
*「勝者 アルス!
*「さあ 次が 最後の決闘だ。
みごと 挑戦者をやぶれば
アルスの優勝である。
*「あらたなる挑戦者は 前へ!
*「では 最後の決闘 はじめ!
ネリス「ザジ……おまえまで
わたしを殺しにきたのかい。
ネリス「そうやって よってたかって
わたしを いじめるんだね。
ザジ「……姉さんは その魔剣のせいで
正気を うしなっているだけだよ。
でも だいじょうぶ。
ザジ「ボクが すくってやるよ。
ネリス戦
ガボ「やっぱり オイラ
ネリスと戦うのは やだな……。
マリベル「ネリスは あとまわしにして
まずは まわりにいる 魔物から
やっつけなさい。いいわね?
ザジ「よくやった! アルス。
魂の剣さえ 取り上げてしまえば
姉さんを救ったも同然だ。
ザジ「魂よ!
わが姉の身に ふたたび宿れ!
ネリス「ああああああッ!
ザジ「これで ボクのときと
同じように 姉さんも
正気に もどるはずだ。
*「勝者 アルス!
*「すべての決闘に 勝ちぬき
優勝したアルスたちには
神殿の外へ出る自由をあたえよう。
*「さあ 優勝したものたちよ。
われらが 勝利者のトビラまで
みちびいてやろう。
ザジ「まってくれ! まだ姉さんが
目を さましていないんだ。
*「それは ならん。
この場で もたついていると
次の決闘の さまたげになる。
ザジ「そんな……。
ザジ「カシム!
ザジ「姉さんを……。
姉さんを たすけてくれ!
カシム「おう。
*「……どうした?
ボケッと つっ立っていないで
さっさと歩け。
ザジ「アルス ここで お別れだ。
いっしょに戦ってくれて
ありがとう。うれしかったよ。
ザジ「ボクは 姉さんのことが
気になるから いったん
決闘場へ ひきかえす。
ザジ「だから キミたちは
キミたちの目的を はたしてくれ。
*「逃がすな!
とりおさえろッ!
フーラル「オラ オラ オラッ!
人間さまを ナメるんじゃねえぞ!
フーラル「今までの かりを
まとめて かえしてやるぜ。
ガボ「おっ めずらしいな。
フーラルも 本気をだして
戦うときがあるんだな。
マリベル「どうせ 反乱を起こすなら
もっと早く 起こしてくれれば
よかったのに。
*「人間たちよ!
降参するなら 今のうちだぞ。
今なら 命だけは たすけてやる。
*「ゆるさんぞ 人間どもめ!
われら魔族に 剣を向けて
じょうだんですむと思うなよ。
*「うぎゃー! 殺されるー。
おまえら ボケッと見てないで
ちったぁ 助けてくれよ。
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
(戦闘) |
いいえ |
*「ひ ひとでなしー! |
*「ふう…ありがとよ。
おかげで 命びろいしたぜ。
*「もう 命なんか おしくねえ。
魔物の言いなりに なるくらいなら
死んだって かまわないぜ。
*「今まで ギセイにした人たちへの
せめてもの罪ほろぼしに 1匹でも
多くの魔物を しとめてやる!
*「今からでも おそくはないぞ。
生命が おしければ おとなしく
剣を捨てて 降参しろ。
*「処刑される寸前の ネリスを
助けたのが きっかけになって
反乱が起こったんです!
*「クソッ なんてことだ。
われらを相手に 人間どもが
反乱を おこすとは!
*「ネリスを助けた あの戦士に
礼を いわなくっちゃな。
*「ヤツの行動が オレたちに
魔物に立ち向かう 勇気を
あたえてくれたんだからよ。
マリベル「ネリスを救った戦士って
ひょっとして カシムじゃない?
*「すなおに言うことを聞け!
勝ち目のない戦いなど やめて
おとなしく 決闘に はげむんだ。
*「ちくしょう どうせ死ぬんなら
いっぴきでも多くの 魔物を
みちづれにしてやるからな!
*「さあ かかってこい 魔物ども!
*「そ その気になれば 私だって
女剣士を助けた 魔法戦士みたいに
ゆうかんに戦えるんだぞ。
*「キサマらの命も これまでだ。
いもしない神に たすけを
求めながら 死にゆくがいい。
*「さっきは すごかったんだぜ
オレは あの男の戦いっぷりに
ほれぼれしたぜ。
*「なんてったって たったひとりで
魔物に 殺されかけていた ネリスを
救い出したんだからよぉ。
話しかけても返事はない。
すでに 息が絶えているようだ。
*「この戦士どのは 私をかばって
生命を落としたんです。
彼こそ 真の勇者ですよ。
*「部屋の中には 魔物が
たくさんいるから あぶないって
何度も何度も とめたのよ。
*「なのに ネリスの弟さんたら
部屋の中に入っていったの。
ああ どうすればいいの……。
ガボ「やっぱり ザジは
ネリスを助けに行ったんだな。
あいつ けっこう根性あるな。
*「いつか こういう日がくると
思っていました。みなさん せめて
戦いの前に お祈りだけでも。
*「オレたちを オモチャにして
さんざん もてあそびやがって。
もう がまんならねえっ!
*「ムダな抵抗は やめろ。
ここで われらと戦っても
神殿の外には 出られんのだぞ。
*「とりゃあああ!
かいしんの いちげきィィィ。
バリヤーの上に おっこちやがれ!
*「ま まってくれ 話し合おう。
剣を おさめてくれれば お前に
いいモノを くれてやるぞ。
*「なんということだ。
とんだ 大失態だ。
*「決闘に やぶれた 女剣士を
殺そうとさえしなければ こんな
さわぎを起こさずにすんだものを……。
*「おのれ 人間ども。
魔族に はむかって
生きのびられると思うな!
*「おのれ 人間どもめ。
いい気になって いられるのも
今のうちだけだからな。
*「悪魔神官アントリアさまが
すぐに お前たちを じごくに……。
ぐふっ!
*「こんなときだからって 決して
店を しめたりはしませんよ。
好きなだけ 買ってってください!
*「ハンパ者のオレたちでも
やってみれば 魔物をあいてに
りっぱに戦えてるじゃないか。
*「こんなに ちょろいなら
もっと はやくに 反乱を
おこすべきだったかな。
*「ちょっと 聞いてよ!
私 スゴイ戦士を見ちゃった。
*「その戦士ったら 助けたネリスを
腕に かかえたままで 魔物を
じゃんじゃん なぎ倒したんだから。
*「もう私 シビレちゃうー!
*「疲れたままで 戦ったとあっては
勝てる戦いにも 勝てません。
すこしやすんでいかれては いかが?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「がんばって がんばって |
いいえ |
*「そうですか。 |
*「見なれない格好の戦士が
となりの部屋で 戦ってんだ。
*「ヤツが ここに入ってきたとき
その腕に ぐったりしたネリスを
かかえててよ……。
*「何とか チカラになってやりてえが
おれっちは もうクタクタなんだ。
だから お前らに まかせるぜ。
*「てめえらの決闘のおかげで
だいぶ チカラがついたぜ。
コブシで 礼を言ってやるよ。
*「人間のぶんざいで ナマイキな。
キサマらごときに おくれをとる
魔族では ないのだぞ!
*「お待ちください みなさん!
フォズ「おどろかせて すみません。
私を おぼえて おいでですか?
ダーマの大神官 フォズです。
フォズ「私も みなさんとともに
ニセの大神官と 戦うために
参上いたしました。
フォズ「戦いもせず 安全な場所で
ただ 待っていたとあっては
大神官の名に キズがつきます。
フォズ「さあ 大神官の名をかたる
魔物を成敗しにいきましょう。
フォズが 仲間にくわわった!
フォズ「反乱が 起こっている今が
ニセの大神官を倒す 絶好の機会です。
ガボ「オイラは いつでもいいぞ。
ニセの大神官を 倒しにいこうぜ。
マリベル「今まで 苦労させられた分を
まとめて にっくきニセの大神官に
お返ししてやりましょうよ。
*「決闘場では 反乱がおこり
人間と魔物が いりみだれて
あちこちで 争っています。
*「私たちは 決闘場から
逃げこんでくる魔物を
ここで しとめます!
フォズ「今度は アルスさんたちの
助力があるのです。
フォズ「ニセの大神官とて
もはや 敵ではないでしょう。
マリベル「いい? アルス。
ニセの大神官に なんと言われても
あの泉には 入るんじゃないわよ。
マリベル「チカラを うばわれるのなんて
もう2度と ゴメンなんだから。
ガボ「オラ こうふんしてきたぞ!
とうとう ニセの大神官を
とっちめることが できるんだな。
*「みなさんの実力のほどは
フォズ大神官より
うかがっております。
*「必ずや ニセの大神官を
うちとってくれるものと
信じておりますぞ。
*「弱っちい 人間のぶんざいで
魔族を相手に 反乱を起こすとは
いい どきょうだ。
*「だが 決して ゆるしはしないぞ。
われらを あまくみたことを
あの世で こうかいするんだな。
フォズ「決闘場では もっと
すごいことになっていますが 今は
ニセの大神官を 倒すのが先です。
*「自由を得るために ついに
オレたちは 立ち上がったぞ。
*「お前たちも 協力してくれ。
決闘場の中で 戦ってるヤツらが
苦戦しているようなんだ。
マリベル「むりやり決闘させられて
たまりに たまった 怒りと不満が
大ばくはつーって感じね。
ガボ「なあ アルス。
オイラたちも みんなのために
魔物を やっつけようぜ。
フォズ「魔物のむれを たばねる
ニセの大神官さえ倒してしまえば
戦いを終わらせることができましょう。
カシム「ここは 私とザジに まかせて
キミたちは ダーマへ行ってくれ!
マリベル「ネリスは あのふたりに
まかせて あたしたちは
ニセの大神官を倒すのよ。
フォズ「カシムは 頼れる男です。
ここは彼に まかせましょう。
*「決闘で きたえぬかれた
人間とは あらたなチカラを
身につけるものらしいな。
*「そんなことは どうでもいい。
決闘で 優勝したのに
なぜ そとへ出れないんだ!
*「もちろん出してやるとも。
キサマが もの言わぬ
しかばねとなった あとでな。
*「くっくっくっく……。
骨すらも 残らなかったか。
ちと リキみすぎたわい。
フォズ「なんと むごいことを。
これ以上 ニセの大神官を
のさばらせては おけません。
マリベル「さっさと やっつけるわよ。
あんなのを生かしておいたって
百害あって 一利なしよ。
ガボ「ウガァ 今の見たか!
人が燃えながら 消えちまったぞ。
*「ふふふふ よく来たな。
だが すでに われらの王を
強化するチカラは 集まっておる。
*「決闘に勝つために 修行にはげむ
人間どものおかげで 思ったより
はやく チカラが集まりおった。
*「よって キサマらのチカラを
うばう必要も なくなったわけだ。
*「だからといって 生きて
神殿の外に出られるなどと思うな。
*「キサマら人間は もはや用ずみだ。
ここで 死んでもらうぞ!
アントリア戦
ガボ「チカラを うばってくれた
お礼を たっぷり してやろうぜ!
もちろん 剣とコブシでな。
マリベル「こいつを 倒すことに
なんの ためらいもないわ。
アルスたちの かつやくにより
人間から うばったチカラで
魔王を強化するという 魔物の計画は
失敗におわった。
その後 解放された神官たちの手で
神殿にすくう魔物は 退治された。
日を追うごとに ダーマ神殿は
かつての にぎわいを取りもどしていった。
そして 数日後……。
*「おお 姫さま 姫さま。
これいじょう じいを
こまらせないで くだされ。
*「いやじゃ いやじゃ。
*「らぶりーな ウサ耳のにあう
バニーになれぬのなら わらわは
国もとには かえらぬぞ!
*「魔物どもも おっぱらったし
ようやく 平和なときのダーマに
戻ったって感じがするねえ。
*「何より うれしいのは ちゃんと
転職ができるようになったって
ことかしらね……さて。
カシム「後悔しないのか?
ここで はたらきたくて お前なりに
がんばってきたんだろ。
フーラル「やっぱ やめとくぜ。
盗賊だったオレには 宮仕えは
向かねえってことが よく分かった。
フーラル「お前には いろいろと
世話を やいてもらって 悪いけど
親衛隊には はいらねえよ。
カシム「そうか さみしくなるな。
フーラル「ウソつけ。
やっかいばらいが できたと思って
せいせい してるくせによ。
カシム「……ばれたか。
フーラル「オレは そろそろ行くぜ。
後ろにいる アルスたちも
たっしゃでな。
フーラル「じゃあな カシム。
こぞうと 姉ちゃんにも
よろしく言っといてくれ。
マリベル「何が あったっていうの?
フーラルってば あれほど
親衛隊に 入りたがってたのに。
ガボ「フーラルは 盗賊のままでいるのが
いち番 フーラルらしいぞ。
カシム「フーラルと同じように
ネリスも ザジといっしょに
やがて 旅立ってしまうな。
カシム「私が 引き止めたら
ネリスは 私のもとに
とどまってくれるだろうか。
カシム「しかし 彼女が ここに残ると
言ってもなぁ ザジに反対されたら
どういう結果になることか……。
*「それほど 日にちが
たっていないのに 早くも
神殿が活気づいてきました。
*「この調子じゃ 私たちが
いそがしくなる日も
そう 遠くはないでしょうね。
ガボ「神官たちも ダーマに戻れて
すげえ うれしそうだな。
*「どうにか なじみの職場に
帰ってくることができましたわ。
*「もう2度と 魔物に神殿を
うばわれぬよう 私たちも
気を引きしめて 働きます。
アルスは 本だなを調べた。
本と本の間に 何かが はさまっている。
なんと フォズ大神官のブロマイドだ!
*「けいびを 強化するために
ダーマでも たくさんの兵士を
やとうことに決まったそうです。
*「やはり 神殿のけいびを
少数の親衛隊だけに まかせるのは
心もとないからでしょうか。
*「わたしは ずっと前から
転職によって 勇者になる近道を
さがしています。
*「ですが その方法が
あきらかになるのは
とおい 未来になりそうです。
アルスは 本だなを調べた。
アルスは ダーマの神官がつけた
日誌を 手にとって読んだ。
”ついに魔物の進入を 許してしまった。
ダーマが うばわれるのも もはや
時間の問題だろう。
”たとえ 神殿をうばわれても
大神官だけは この命にかえて
お守りせねば……。
*「ねえ ニセの大神官に
だまされた 人たちって
まだ 生きてるんでしょう?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「そうよね。ふもとの町から *「あのひとも 元気な姿で |
いいえ |
*「あなた ウソつきね。 *「ニセの大神官は 人間から |
*「ちっとも知りませんでした。
ダーマ神殿が 魔物に
占領されていたなんて。
*「ダーマ神殿に ようこそ。
*「ここは ダーマ神殿。
人々が おのれに合った職を
さがし求める場です。
ガボ「転職するんなら オイラは
強そうな職に つきたいぞ。
マリベル「話なら あとにしてよ。
どんな職に つくかで 今は
頭が いっぱいなんだから。
*「人間は 修行により
未知なる可能性を
ひきだしていきます。
*「いずれは そこから
勇者になるものも
出てくることでしょう。
*「……だからでしょうな。
魔王が ダーマ神殿のある
この大陸を封印したのは。
*「なりたい職業が
たくさん あって
オラ 迷ってるだよ。
*「職業についての 説明を
お聞きに なりますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「どれについて 知りたいですか? |
いいえ |
*「では また どうぞ。 |
(せんし)
*「剣を使った戦いのプロです。
修行をつむと ドラゴン斬り
まじん斬りなどを おぼえます。
(ぶとうか)
*「剣などに たよらず
自分の 身体を 武器として
戦います。
*「修行をつむと まわしげり
せいけん突き などを
おぼえてゆきます。
(まほうつかい)
*「こうげき呪文を 得意とするのが
まほうつかいです。
*「修行をつむと ラリホー
ベギラマなどを おぼえます。
(そうりょ)
*「そうりょは かいふく呪文や
守備呪文を 得意とします。
*「ベホマ ザオラル
スカラ マホトーンなどを
身につけて ゆくでしょう。
(おどりこ)
*「おどりこは おどるのが大好き。
いろんなおどりで
戦いに 花をそえます。
*「また 敵のおどりを ふうじる
ラストダンスも おぼえます。
(とうぞく)
*「とうぞくに なれば
戦いの時 敵から 持っている物を
ぬすむことが あります。
*「また 近くに 宝物が いくつ
のこっているか などを
わかるように なってゆきます。
(ぎんゆうしじん)
*「ぎんゆうしじんは 歌上手。
ゆりかごの歌 めざめの歌。
いろんな歌を おぼえるでしょう。
(ふなのり)
*「敵の動きを ふうじこめるといわれる
あみなわは ふなのりの得意ワザ。
*「また 海の上では つなみ
うみどりのめ など 特有の特技を
おぼえていくことでしょう。
(ひつじかい)
*「ひつじかいは 羊となかよし。
さむさから身をまもるウールガードや
どとうのひつじを よびよせます。
*「また どくけしや くちぶえも
ひつじかいの 得意とするものです。
わらわせし)
*「ぼけに つっこみ 一発ギャグ
わらわせしは いつも みんなの
人気者です。
(バトルマスター)
*「ゾンビ斬り ばくれつけん
はやぶさ斬り そんな強力な技の使い手
それが バトルマスターです。
*「しかし せんしと ぶとうかを
きわめた者しか この職業に
つくことが できません。
(まほうせんし)
*「かえん斬り マヒャド斬り
いなずま斬り そんな まほう剣の
使い手です。
*「メラゾーマなども おぼえますが
せんしと まほうつかいを
きわめた者のみが これになれます。
(パラディン)
*「身がわりや すてみで 自分を
ぎせいにしてまで 戦う
それが パラディンです。
*「メガザルや グランドクロスも
パラディンの 得意技ですが…
*「ぶとうかと そうりょの 両方を
きわめた者だけが この職業に
つくことが できます。
(けんじゃ)
*「ザオリク マヒャド イオナズン
さまざまな 強力呪文の使い手
それが けんじゃです。
また 地の精霊を しょうかんして
戦いに 参加させたりも できます。
*「修行をつむごとに MP消費も
へりますが まほうつかい そうりょを
きわめた者のみが これになれます。
(まものハンター)
*「ねらったえものは 逃がさない。
あたまを なでれば
どんな まものも ニッコリコ。
*「そんな そんな まものハンターには
ひつじかいと とうぞくを
きわめた者だけが なれるのです。
(かいぞく)
*「七つの海を またにかけて
おいかぜ ハリケーン メイルストロム
嵐の海も なんのその!
*「かいぞくに なるためには
とうぞく ふなのりの ふたつを
きわめなくては なりません。
(スーパースター)
*「みんなのアイドル スーパースター。
ハッスルダンスで みんな ハッスル
元気が もりもり わいてくる。
*「あっ そ〜れ!
あなたも ハッスル!
私も ハッスル!
*「は…っ! すいません つい……。
*「おどりこ わらわせし そして
ぎんゆうしじんを きわめると
なることが できます。
(ゆうしゃ)
*「すべての人々の 希望の星
それが 勇者です。
*「勇者のはなつ いてつく波動は
じゃあくな 呪文効果を
ふりはらってくれるでしょう。
*「しかし 勇者になる修行は
きびしいものです。
*「いろんな職を きわめ
その道を さがすしかありません。
???
*「このほかにも まだ知られていない
職業があると いわれています。
*「その道は 自分自身で
さがしてください。
*「それは もしかすると
戦いの時 得られるものだったり
経歴から くるのかも知れませんね。
*「職につけば その職業の
特技や 呪文を
おぼえてゆくことになります。
*「いちど おぼえたものは
忘れないので なにかの職に
ついたほうが 絶対に得ですわ。
フォズ「みなさまがたの
協力なくして ダーマの復活は
ありえませんでした。
フォズ「2度と 魔物の侵略を
ゆるさぬよう 今後は神殿の
まもりも 強化していきます。
フォズ「おさない子供が 大神官を
つとめるから このような
事態を ひきおこした……。
フォズ「そう思われぬよう
今後は 心をいれかえて
がんばっていきます。
フォズ「ありがとう みなさん。
それでは……。
フォズ「ここは 転職をつかさどる
ダーマの神殿。職業をかえたい者が
来るところです。
フォズ「転職を ごきぼうですか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
フォズ「では どなたの職業を |
いいえ |
フォズ「そうでありますか。 フォズ「では またの機会に |
ガボ「おっかしいなあ。
なんで フォズ大神官は あんな
さびしそうな顔をしてたんだ。
ガボ「もう2度と オイラたちに
会えないってわけじゃないのによ。
マリベル「フォズ大神官と
会話らしい会話をするのも
今のが 最後かもしれないね。
*「おまえさん 知ってるかい?
ダーマの大神官は
ちいさな 女の子なんだぜ。
*「だいじょうぶかな……。
まさか 転職に失敗したり
しないよな。
*「おお おお。
心配せんでも ええ。
*「たとえ転職しても レベルが1に
戻ることは 決してないぞい。
*「だから 旅をするなら
何かの職業に ついていたほうが
ぜったい おトクじゃよ。
*「人間から うばったチカラで
魔物が何を しようとしていたか
みなさんは ごぞんじですか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「えっ! もう ごぞんじなの。 |
いいえ |
*「なんと 聞いてビックリ! |
ネリス「ザジったら おかしいの。
ネリス「以前 転職するときは
私にも ついてきてほしいって
言ってたくせに……。
ネリス「こんどは 姉さんは
来ないでくれ ですって。
さみしくなっちゃうわね。
ザジ「ああ キミたちか。
ちょうどいい 見てくれよ。
転職して 戦士になったんだ。
ザジ「どうだい? 見た目だけでも
強そうな感じがするだろ?
ザジ「これで姉さんも きっとボクを
見直すんじゃないかな。
ザジ「じゃあ また あとでね。
ガボ「ザジのよろい ピッカピカの
新品だったよな。
ガボ「なあ アルス オイラにも
新しいよろいを 買っておくれよ。
マリベル「いいことを 思いついたわ。
あんたも あたしを守るために
ザジみたく 戦士に転職しなさいよ。
ザジ「どうだい 姉さん?
戦士になった ボクの姿は
けっこう さまになってるだろ。
ザジ「これからは 危険だけど
実入りのいい仕事を こなして
姉さんの病気を なおしてやるよ。
ネリス「危険な仕事だなんて そんな!
ケガでもしたら どうするのよ。
ザジ「そんな へまはしないよ。
ザジ「姉さんは どう思ってるか
知らないけどさ これでもボクは
けっこう 頼りになるんだぜ。
ザジ「カシムよりも ずっとね。
だから ボクを もっと頼ってよ。
姉さんのためなら 何だってするよ。
ネリス「もう ヤメてよ。
なぜ そんなにまでして 私に
つくしてくれるの?
ネリス「私は 自分のために 誰かが
ギセイになるのは イヤなの。
たとえ それが弟であっても……。
ザジ「ギセイって何だよっ。
ボクは好きで 姉さんの世話を
あれこれ やいてるんだぜ。
ネリス「それが苦痛なの。
まるで 私が あなたの人生の
お荷物みたいで つらいのよ。
ネリス「ザジが いなくたって
私は生きてゆけるんだよ。
ザジ「はは……結局
ボクのほうが 姉さんの
お荷物だったってわけか。
ネリス「どこへ行くの?
ザジ「剣を買ってくるだけだよ。
戦士には 剣が必要だろ。
マリベル「ただごとじゃないわね。
よろいも剣も さっき2階で
買ったばかりじゃないのよ。
ガボ「よくケンカする姉弟だなあ。
ネリス「……。
ネリス「ごめんなさい。
今は誰とも話したくないの。
カシム「ネリスを おいていくのか。
ザジ「これいじょう 一緒にいても
姉さんを苦しめることしかできない。
だったらボクは いないほうがいい。
カシム「ネリスは 私がもらうぞ。
それでも いいのか?
ザジ「それは 姉さんと あなたの
ふたりだけの問題だ。
ボクには かんけいないよ。
カシム「……そうか。
道中 気をつけてな。
ザジ「ありがとう。
あのひとのことを よろしく。
ガボ「わけ分かんねえぞ!
なんで ザジは ネリスを置いて
旅立つんだ?
マリベル「自分の居場所がなくなれば
誰に 追い出されるでもなく
ああやって出ていくしかないのね。
ネリス「みなさん 先ほどは
みっともないところを みせて
ごめんなさいね。
ネリス「べつに 弟とは
ケンカをしたわけじゃないんで
心配しないでください。
ネリス「それにしても おそいわね。
剣を買うのって こんなに時間が
かかるものなのかしら?
マリベル「まだネリスは
ザジが いなくなったことに
気づいてないんだね……。
*「わしは 顔をみただけで
じゅくれんどが わかるのじゃ。
どうじゃ みてほしいかな?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「では みてしんぜよう。 *「○○は あと△△かいくらい *「ただし よわい敵を たおしても |
いいえ |
*「そうかい。じゃあ またな。 |
職についていない場合 | |
---|---|
職についていない場合 |
じゃが だれも なんの職業にも |
カシム「きみたちも 近いうちに
ここを たつんだろう?
カシム「あたりまえか。
ここには 転職をしに
来ただけだものな。
カシム「しかし こまったなぁ。
ザジが いなくなったことを
どうやって 話せばいいのだろう。
カシム「たぶん あいつのことだから
きっと ネリスには ひとことも
別れを言っていないんだろうな。
*「ダーマをうばった魔物が 神殿の
内装に 手を加えなかったことが
ゆいいつの救いですな。
*「カベに おぞましい魔王の
レリーフとかが あったら
イヤですからねえ。
*「神殿って ひろくて大きいね。
*「せまくて ちいさい
ボクの おうちとは
おおちがいだよ。
*「神殿に 魔物が せめてきたら
今度こそ 私も剣をとって
たたかわなくちゃ。
*「なんでい! 魔物どもに
占領されてたってわりには
ずいぶん キレイじゃねえか。
*「こんなんじゃ 大工の仕事に
ありつけそうに ないな。
*「大神官を救出した てがらで
カシムのヤツが 親衛隊の隊長に
任命されたんだ。
*「とほほ……。
今後は 年下の こぞうの下で
働くことになるのか。
ガボ「アオーン!
ガボ「……おおっ すげえ。
こだまが返ってきたぞ!
マリベル「気味悪いくらい しずかね。
*「家賃を とりたてるヤツも
もう いねえ。タダで
住めるってのは いいもんだ。
*「ういた お金で
パンツを もう1枚……
買えると いいんだけどな。
*「この町は ちかい将来
なくなる運命にあるだろう。
*「そして 魂の剣と
それにまつわる話も いずれ
忘れ去られていくのじゃろうて。
*「ひとりで 町のそとへ出るのは
心ぼそいので 仲間を
つのることにしたんです。
*「でも みんな 冷たいんだ。
歌うしか のうのないヤツは
足手まといになるって……ううっ。
*「あー ひまだわ。
この店 今がヤメどきかしらね。
*「神殿にもどれば わしが
ダーマの神官であると
しょうめい できるぞ。
*「でも いまさらだよな。
むなしいだけじゃわい……。
*「あの神官の カッコしたオヤジ
こまるよなー。もう だいぶ
ツケが たまってるんですよ。
*「もし かれが本当に神官なら
ダーマ神殿に たっぷり
酒代を せいきゅうしたいよ。
*「どれだけ人が 去っていこうとも
神父さまは 最後まで この町に
残ると おっしゃっています。
*「けれど 今では
教会を おとずれる人なんて
ひとりも いないんです……。
マリベル「人が いなくなるのも
無理ないわね。みんな好きで
ここに住んでたわけじゃないものね。
ガボ「みんな 自分の家に
帰っていったんだな。
*「町から ひとが去っていくと
しぜんと お客も へります。
*「私も いつまで ここで
商売していられる ことやら。
*「ニセの大神官を 倒したのは
ただの旅人だという ウワサだが
ホントなのかな?
マリベル「なっとくできないわ。
どうして あたしたちの名前が
広まっていないのよっ!
*「おい 聞いたか?
ダーマ神殿が 魔物の手から
解放されたんだってな。
*「でも そのおかげで
この町は 日に日に
ひとが へってくよ……。
*「魔物の 支配から
自由になったとはいえ
町の外は 魔物だらけだ。
*「歩いて 神殿まで行くのは
さすがに しんどいぜ。
*「ここには いぜん
ネリスとザジっていう
仲のいい 姉弟が住んでいたの。
*「あの ふたり……
まだ生きているのかしら。
元気でやってると いいけど。
*「うばわれた チカラってのは
どこかで 取りもどせるって
話じゃねえか。
*「でも めんどくせえな。
オレは もうしばらく
ここで グウタラしてようっと。
*「魔物が 来なくなってからよ。
魂の剣が 使えなくなったのは。
*「それ以来 魂くだきも
ぱたりと途絶えたわ。
だから もう夜だって恐くない。
*「あーん もう!
ゴハン まだー?
*「いけない 忘れてた。
メイドも使用人も みーんな
ヤメちゃったんだっけ。
スイフー「オレは この町が好きだ。
なのに どこの誰だか知らねえが
よけいなコトを してくれたぜ。
スイフー「魔物どもが ここを
支配していたからこそ オレは
1番で いられたってのによ。
スイフー「けど もう終わりだ。
オレは この町とともに
ほろびるだろうよ。
マリベル「今のスイフーは さしずめ
砂の城の王さまってところかしら。
ガボ「スイフーは この町の
町長になればいいと思うぞ。
*「いま 死んだ友人と
最後の お別れを
していたところです。
*「歩けば ここには来れるけど
私は もう2度と ここに
来るつもりはないから……。
ガボ「ここから 神官たちが
いなくなったら この村は
ほろびるんじゃねえのか。
マリベル「神官たちが 無事に
ダーマへ戻れるのも あたしたちが
大かつやくしたからなのよ。
マリベル「みんな そこんとこを
ちゃんと 分かってるのかしらね。
*「もうすぐ この集落とも
おさらばですよ。
*「なんたって ダーマ神殿が
ついに われわれの手に
もどったんですからね。
*「ニセの大神官を みずからの手で
たおすために フォズ大神官は
ここを出てゆかれた。
*「生きて勝利を おさめることが
できたから よかったものを……。
*「万がいちのことを 考えれば
やはり あのとき お止めすべき
だったのかも しれませんな。
マリベル「うーん フォズ大神官て
かなり 子供ばなれしてるよね。
マリベル「見かけは あたしたちより
ずっと子供なのにさ。
*「いそがしい いそがしい。
でも がんばるぞー。
*「この引っこしが すめば
住みなれたダーマ神殿に
戻ることが できるんだ。
*「ごぞんじですか?
魔物の親玉を やっつけたのは
見知らぬ 旅人なんですって。
*「そして その旅人は ホウビも
うけ取らずに さっていった……。
あー なんてステキな話でしょう。
*「オレは 大神官を守護する
魔法戦士なんだぞ。
*「なのに何で 神官どもの
にもつ運びなんか
しなくちゃならないんだ!
*「ウワサでは 神官長は魔物に
食べられてしまったとか……。
*「それはともかく フォズ大神官は
つぎの神官長に いったい
だれを 指名なさるのかしら?
*「あの チビの大神官ときたら
自分の意見を ぜったいに曲げない
かなりの ガンコ者らしいぜ。
*「しかし 子供のくせに
まわりにいる おとなを相手に
よく やってるよな。
*「じつは 見てくれは子供だけど
ホントは 百才を とうに過ぎた
ババアなんじゃねえのか。
*「神官たちが いなくなったら
ここを 私の家にしようと思う。
だれにもモンクは 言わせないぞ。
*「手当のかいがあって
なんと 魂が くだかれた人が
元気になったんです!
*「希望が わいてきましたよ。
ここにいる 寝たきりの人たちを
かならず 全員なおしてみせるぞ。
*「まるで 長いあいだ
悪い夢を みていたかのようだ。
*「魂をくだかれる
直前のことまでは
おぼえているのだが……。
*「……。
*「こんちくしょう。
またしても 薬草ぎれだ。
*「薬草が なくなるたんびに
行きつ もどりつじゃあ
ちっとも 先へ進めねえ。
ガボ「チカラを 取り戻すまでは
たいへんだったよな。
マリベル「ニセの大神官のせいで
ふつうなら しなくてもいい苦労を
さんざん させられたよね。
*「魔法を使えるヤツさえいれば
こんな いらん苦労は
しなくても よかったのに。
*「よそう ないモノねだりは。
オレたち 今ちょっと
くじけてるんだよね……。
*「なんとか ふもとの町から
ここまで来れたが この先も
かなり長いんだろうな。
*「あーあ。ダーマ神殿まで
飛んでいけたら
ラクなのになあ。
*「さいきん きゅうに客が
ふえてきてのう。
おかげで おおいそがしじゃ。
*「やっぱり ダーマからの
帰りの客が こぞって
宿を とっていくからかのう。
*「こんな シケたところに
たってる宿だけど これでも
はんじょう してるんだぜ。
*「ちかくにダーマ神殿が
あるおかげで 世界じゅうから
客が 集まってくるんだ。
*「フン しょせん転職なんか
しょみんの おあそびでしょ。
*「せっせと 修行して
せいぜい あたらしい特技や
呪文を おぼえるがいいわ。
*「べ 別に うらやましくて
ひがんでるわけでは なくってよ。
マリベル「絶対 ひがんでるよね。
何か 転職したくてもできない
事情でも あるのかしら?
*「いま ここでは
ダーマ神殿のウワサで
もちきりなんです。
*「聞くところによると
魔物が ダーマの神官に
ばけていたそうですよ。
*「いやはや 魔物のなかにも
なかなか頭のいいヤツが
いるもの なんですねえ。
マリベル「今回の ぼうけんの旅は
これまでの あたしの人生で
最悪の出来事だったわ。
ガボ「人間から ちびっとずつ
チカラを うばうなんて
思えば セコイ魔物だったよな。
*「神殿を 支配していた魔物は
人間のチカラを うばう
能力が あったそうですね。
*「ニセの大神官に だまされると
呪文や特技が まったく
つかえなくなるそうな。
*「神殿をのっとった
魔物の親玉を たおしたのは
無名の ぼうけん者だそうです。
*「どんな 人たちなんだろう?
いち度でいいから 会って
話をしてみたい ものですねぇ。
マリベル「き〜っ くやしい。
マリベル「ダーマを復活させたのは
あたしたちなのに ちーっとも
名前が知れわたってないのね。
*「うむ やはりオレの予想どおり
ダーマ神殿に よからぬことが
おこっていたか……。
*「コトが はっきりするまで
しんぼう強く 待ちつづけて
正解だったぜ。
*「あぶなかったよなぁ。
あと少し はやく ダーマへ
旅立っていたら……。
*「オレも かくじつに
ニセ大神官の ワナに
はまっていただろうよ。
*「あいかわらず この宿は
こんざつ しているな。
マリベル「初めて来たときは
ガラガラだったのに どうして
いきなり はんじょうしてるの?
ガボ「ちょっとばかし 客が
多すぎるんじゃないのか。
*「こんどこそ 僧侶とか
商人みたいな カタギの職に
ついてみせるわ!
*「とか言いながら 私ってば
毎回 あそび人とか バニーに
転職しちゃうのよね。
*「ダーマ神殿が 魔物から
かいほうされた とたんに
はんじょうしてきたの。
*「やれやれ……いきなり客が
ふえたもんで きゅうに
さわがしく なりおったわい。
*「ダーマ神殿が 魔物に
あらされて 大変なことに
なっていると聞いたんです。
*「話のネタになると思い
急ぎ かけつけたのですが
ひと足 おそかったようですね。
*「あんまり いごこちが
いいせいか ついつい
長居してしまいました。
*「よし 決めたぞ!
あと もう一泊してから
ダーマへ旅立とう。
*「ダーマ神殿は 魔物の手から
解放されたけど 結局
お客さん ふえないのよ。
*「やっぱり ここのカジノって
ミリョクないのかしら?
*「なんと ダーマ神殿は ずっと
魔物に支配されていたそうですね。
*「ダーマが 解放された今
昔みたいに このカジノも
にぎわってくれれば いいんですが。
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