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ガボ「おもしろい音がすんなあ……。
オイラ この音 きいてっと
おどりだしたくなっちまうぞ。
キーファ「なんだか 変わった村だな。
みんな テントに住んでるのか?
マリベル「これって 村って言うより
大きなキャンプ地よね。
*「シーーッ!
今 いいとこなんだから
話しかけないでくれよ。
*「それに 大きな声を 出したら
のぞいてるのが バレちゃうだろ。
*「……う〜む…。
いつ見ても ライラの おどりは
すばらしいなあ。
マリベル「やあねェ のぞきよ。
サイテーだわ。
キーファ「この音楽……
あのテントから きこえてくるよな。
いったい 何やってんだろう?
ガボ「なにが見えるんだ?
オイラも のぞいてみてえぞ。
*「ややっ あなたがたは
われら ユバールの者では
ありませんな。
*「ほほう このような所に
まだ 生き残りの旅人が
おいでだったとは!
*「本来ならば 丁重に
おむかえするのが われら一族の
ならわしだが…
*「今は 神聖なる 儀式の最中。
すまぬが 旅のおかた
しばし 待たれよ。
マリベル「神聖なる 儀式って
なんなのかしら?
アルスも 気になるでしょ?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
マリベル「やっぱりね。 |
いいえ |
マリベル「なによ。 |
キーファ「ユバールの民?
聞きなれない名前だけど
なんだか おもしろそうな連中だな。
*「われわれ ユバールの民は
もう 何十年もの間
さがしつづけてきた。
*「この世の どこかに あるという
神の 封印された 祭壇を。
*「そして ついに その言い伝えの
場所の近くまで たどりついた。
あとは 山脈を こえるだけだ。
マリベル「なんだか すごい話ねえ。
さすがに あたしも おどろいたわ。
ガボ「なんか ムズかしい話だな。
オイラよくわからないや。
キーファ「神が封印された祭壇だって?
それが本当なら すごいぞ。
キーファ「よし アルス。
オレたちも ここの人たちに
ついてってみようぜ。
きれいに みがかれた楽器が
たてかけられている。
*「かつて 封印された 神さまを
復活させること… それが
私たち 一族の 使命です。
*「ごく まれに 大地の精霊さまの
チカラを 強く 受けつぐ娘が
生まれることがあって…
*「その娘が 一族のあとつぎの
踊り手となるのですわ。
キーファ「封印された 神さまに
大地の精霊か……。
なんだか たいへんな話だな。
キーファ「でも そういう生きる目的が
ちゃんと あるっていうのは
いいことだよな。
マリベル「なんだか 面倒くさいことを
使命にしてる人たちねェ。
カタこっちゃいそうだわ。
*「やれやれ 大地のあちこちが
闇につつまれちまったせいで
ろくな 食べものも ないよ。
*「あるのは あたしらの 命の水
ビバ=グレイプだけ。
*「でも まあ ユバールに伝わる
この飲み物と 歌と踊りがありゃ
あたしら皆 陽気にやれるのさ。
ガボ「ビバ=グレイプも うまそうだけど
食いものも たくさんあったほうが
オイラ うれしいなあ……。
*「大地の精霊は はるか昔 神さまが
封印される前に ときはなった
4大精霊のひとつ といわれていてね。
*「そして ライラの胸にある アザは
大地の精霊のチカラを うけつぐ者の
しるし だそうな。
*「それは 重い宿命だけど
ユバールの民にとっては
とても 光栄なことなのさ。
マリベル「アルスったら
胸にあるアザって 聞いて
変な想像してんじゃないの?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
マリベル「いやらしいわねー。 |
いいえ |
マリベル「ホントかしら? |
キーファ「大地の精霊のチカラを
うけつぐ者のしるしのアザか……。
キーファ「アルスの手のアザも
ひょっとしたら
なにかの しるしだったりしてな。
ガボ「ヨンダイセイレイ?
なんだ それ? うめえのか?
*「ムニャ ムニャ……。
*「今回の 儀式は
ずいぶん 時間が かかってるな。
*「なにしろ 60年ぶり だから
無理もないが。
*「しかし ライラも まだ 17才。
その若さで 一族の宿命を
せおうことに なるとはな…。
*「ヒヒーン!
*「ブルルル…。
*「ヒン ヒヒーン!
よく 手入れをされた楽器が
たてかけられている。
机には 手書きの 楽譜のようなものが
のせられている。
楽譜のすみの方に はしり書きで
なにか 書いてあるようだ。
”ライラへ
心をこめて……。
床には ユバールの民の
楽器らしきものが おかれている。
*「わっ! ボ… ボク
いたずらしてないよ。ジャンの
大事な トゥーラ だもん。
*「ボク いつも ジャンに
トゥーラの ひきかたを
教えてもらってるんだ。
*「でも ジャンが ライラと結婚したら
ボクとは あんまり
あそんでくれなくなるかなあ…。
キーファ「変わった楽器だなあ。
トゥーラって 言うのか?
ガボ「おもしろそうだな。
オイラも あの楽器
鳴らしてみてえぞ。
マリベル「よく手入れされた楽器だわ。
たぶん ジャンって人は
かなりの弾き手なのね。
*「あら 旅の人なんて
ひさしぶりね。しかも
こんな夜に なんて。
*「今夜は 私たち 一族の
あとつぎ となる 踊り娘が
決まるのよ。
*「ライラの おどりなら
きっと 族長さまも
みとめてくださるもの。
*「私も ライラみたいに
大地の精霊さまの 血を
引いていればなあ……。
キーファ「へえ 踊り娘かあ……
きっと 色っぽい踊りなんだぜ。
なんとか 見られないかなあ。
マリベル「キーファってば ホントに
どうしようもない スケベね。
マリベル「これが 王子だってんだから
グランエスタードの将来が
思いやられるわ。
キーファ「ひでえ 言われようだなあ。
オレが スケベかどうかなんて
国の将来とは 関係ないだろ。
キーファ「だいいち オレは
親父のあとをつぐ気なんか
これっぽっちも ないんだぜ。
*「儀式は まだ 終わっておらぬ。
すまぬが 旅のおかた
しばし 待たれよ。
*「村の者たちと 話でも
しておられれば すぐに
時も たつであろう。
*「儀式は まだ 終わっておらぬ。
すまぬが 旅のおかた
もうしばらく…… うん?
*「おお! ぎしきが 終わるようだ。
申しわけないが 通り道を
あけていただこう。
*「よし! そこまで!
*「みなの者!
集まっておくれ!
*「われらが ユバールの民
新たな 踊り手の誕生じゃ!
*「ライラや。
前へ でなさい。
*「みなの者! この ライラが
われらの 明日を 引きつぐ
新たな 踊り手じゃ!
*「そして ジャン。
お前も ライラの となりへ。
*「ジャンも よい音を
かなでるように なった。
*「これからは ライラとともに
われら一族を 率いてゆくがええ。
ジャン「はい! ベレッタさま。
ベレッタ「さあ みんな!
明日への 祝いじゃ!
ベレッタ「ゆっくり 飲んで
歌って 楽しむがよい!
*「旅のおかた。たいへん
おまたせ もうした。
*「ベレッタどのと 族長さまに
しょうかい しますゆえ
どうぞ こちらへ。
*「族長さま。ベレッタどの。
先ほど こちらに おいでになった
旅のおかたを おつれしました。
ベレッタ「……今 なんと 申した?
ダーツや。
旅のおかた だって?
ベレッタ「おやまあ おどろいた。
こんな時代に この山奥で
旅人に 出会うとはね。
ベレッタ「族長さま。われらの
テントに 旅人が おとずれるなんて
なん年ぶり でしょうね。
族長「……いや ベレッタよ。
早まってはいかん。その者たちが
本当に ただの 旅人かどうか…。
族長「もしや 魔物が 人間に化けて
われらを だまそうと
しているやも しれぬ。
ダーツ「ぞ… 族長!
なにを おっしゃいますや!?
族長「……では 旅人よ。
そなたたちが 魔物ではないという
しょうこは ありますかな?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
族長「ほう! |
いいえ |
族長「ふむ。しょうこは ないと 族長「魔物が 化けているにしては |
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
しかし アルスたちには 族長「う〜む… しょうこも ないのに |
いいえ |
族長「なんと 見せていただけぬか!? |
ベレッタ「……族長さま。
おたわむれも そのくらいに。
ベレッタ「旅のおかたも
さぞや おつかれ でしょうし。
族長「………… そうか?
なんじゃ つまらんのう。
ベレッタ「旅人よ。
じょうだんを いうのは わが族長の
悪いクセで… 失礼しましたね。
ベレッタ「みなさんが 魔物でないのは
その目を見れば わかります。
ようこそ おいでくださった。
ベレッタ「この山奥では たいして
おもてなしも できませぬが
どうぞ ごゆるりと。
ベレッタ「なにか こまったことが
ありましたら えんりょなく
族長に 話してくだされ。
マリベル「まったく ふざけた族長ね。
失礼しちゃうわ!
マリベル「この かれんなあたしの
どこが 魔物に見えるって言うのよ!
キーファ「ライラさんって人
美人だよなあ……。
ガボ「おもしれえ じっちゃんだな。
オイラ ホントに
うたがわれてんのかと思ったぞ。
ベレッタ「族長は こう見えても
われらにとって なくてはならない
チカラの もちぬし なのです。
ベレッタ「なにか こまったことが
ありましたら えんりょなく
族長に 話してくだされ。
ダーツ「旅のおかた。たいへん
失礼を いたした。
ダーツ「今夜は われらユバールにとって
もっとも めでたい 祝いのときゆえ
どうぞ おゆるしを。
族長「ふおっほっほ。人生は
飛びゆく矢のごとし。毎日を
楽しんで 生きるべきじゃ。
族長「ところで わしが
チカラになれることは
なにか あるかのう。
(教会)
キーファ「さて……と。
せっかくだから 今夜は のんびり
させてもらうとするか。
キーファ「これといって 村の人が
こまってることも なさそうだしな。
ま 族長はちょっと 変な人だけど。
キーファ「アルス。お前も たまには
女の子を さそってみたら どうだ?
じゃあ あとでな。
マリベル「いや〜ね キーファったら
なにかっていうと 女の子の話
ばっかりなんだから。
マリベル「さっきだって あの踊り娘の
ライラさんのこと いやらしい目で
見てたし……。
マリベル「あーあ。
ユバールの人たちの 飲み物でも
ごちそうに なってこようっと。
ガボ「えっ 飲み物 もらうのか?
オイラも いく!さっきから
いいニオイ してるぞ……。
出ようとすると
仲間を ここに残したまま
出てゆくわけには いかない……。
ダーツ「おどり娘の あとつぎとなった
ライラは じつは わが娘。
ダーツ「生まれたとき 胸のアザを見て
ほこらしくもあり 苦しくもあった。
ダーツ「はじめから アザのある者は
とくに 強く 宿命を背負う者と
言い伝えられて おりますからな。
ダーツ「しかも 精霊さまのアザを
もつ者どうしは 結ばれてはならぬ
という おきても あります。
ダーツ「お互いの血が 反発しあい
精霊のチカラが うしなわれて
しまうのだとか。
ベレッタ「神は かつて 魔王に
ほろぼされたとも いわれるが
われらは そうではないと考えます。
ベレッタ「なぜなら 神が魔王に
やぶれる前に 自らを封印したという
祭壇の 言い伝えが あるからです。
ベレッタ「旅の人なら 知っていよう。
このままでは 世界は 魔王に
ほろぼされてしまうことを。
ベレッタ「そうなる前に なんとしても
神の封印を とかなくては
ならないのです。
族長「おお アルスどの。
わしに なにか 用かの?
(教会)
ジャン「…… ……。
夢中で トゥーラを 弾いていて
アルスの声に 気づかないようだ。
*「最近の 若い娘は どうも
おどりに コシが 入ってないねえ。
*「あんたも そう思うだろ?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「あれ あんた。旅の人なのに *「あたしが 娘の頃は 伝説のおどり娘 |
いいえ |
*「おや そうかい? *「おどりのみりょくは 女のみりょくと *「つまり まわりの者を |
*「ジャンのやつ 今夜のトゥーラは
とくに さえてるなあ。
*「ライラも 胸がいっぱいっていう
ふんいきで さっき テントに
入っていったよ。
*「ボクも はやく ジャンみたいに
トゥーラを ひきたいな。
*「でもって ライラみたいな
おヨメさんを もらうんだ。
エヘヘ。
*「われわれ ユバールの民が
さがしつづけた 神の封印の祭壇は
西の 山脈のむこう。
*「明日にも 山脈に向かって
出発することに なるだろう。
今夜は ひとときの休息だ。
*「ウイ〜 ヒック!
ちょっと 飲みすぎたかなあ…。
*「しかし オレは ジャンのこと
いまいち 好きになれないんだよな。
なんつうか スカしててさ。
*「男どうしでも いっしょに
フロに入ったり しないし…。
*「ライラは 本当に
ジャンのこと 好きなのかなあ。
*「わたしたち ユバールのダンスは
神さまを たたえる おどり。
*「この 音楽とダンスが あれば
魔物たちも 近づけません。
さあ あなたも ごいっしょに!
*「さあ あなたも
おどりましょ!
*「神の復活を 歌い おどり
真実の未来を つくるために!
マリベル「なんだか アミット漁の
お祭りのこと 思い出して
なつかしく なっちゃった。
マリベル「アルスのせいで
あのとき パパの船からは
おろされちゃったけど…
マリベル「けっきょく あちこちを旅して
魔物とも たたかうなんて
すごいことに なっちゃったわね。
*「われら ユバールの民は かつて
封印された神を 復活させるため
生まれてきたという。
*「であれば 封印の祭壇で 神を
復活させた後は ユバールの宿命も
ライラの運命も 変わるのかもしれん。
*「さあさあ あたしらの命の水
ビバ=グレイプなら
たくさんあるよ!
*「ライラと ジャンの 婚約を祝って
あんたも パーッと やっておくれ。
ガボ「このツボ いいニオイするな。
でも なんだか オイラ
ふらふら してきちゃったよ。
*「ムニャ ムニャ……。
う〜ん…
*「ねえ どうして 精霊さまの
アザが ある人どうしは
結婚しちゃ だめなの…?
*「……ぐう ぐう…。
キーファ「なあ アルス。
おどり娘の ライラさんって
きれいな人だよな?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
キーファ「だよな。それに 色っぽいし。 |
いいえ |
キーファ「ふ〜ん おまえの |
キーファ「でも みんなが 集まって
祝ってくれてるのに
ライラさん どうしたんだろ?
キーファ「なんだか 思いつめたような
カオして このテントに ひとりで
入っちゃってさ。
ライラ「あら あなたは 旅の人ですね。
私は ライラ。ユバールの民の
おどり娘です。
ライラ「あなたは…… そう
アルスさんと いうのね。
ライラ「いきなり 儀式の時に
いらっしゃって おどろいたでしょう。
私たちって すこし 変わってるのよ。
ライラ「もう ずっと昔から 神さまを
復活させるための 宿命を 背負って
きびしい オキテも まもってきたの。
ライラ「そして 私も その宿命とともに
生きるんだわ。この胸のアザが
そうすべきだと いっているから…。
キーファ「よう アルス
ライラさんと 話したんだろ。
彼女の様子 どうだった?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
キーファ「そうか… なら いいけどな。 キーファ「あ そうだ! せっかくだから |
いいえ |
キーファ「そうか 元気がないのか…。 キーファ「なんか よくわからないけど キーファ「そうだ! ビバ=グレイプ |
はいの場合
キーファ「ビバ=グレイプを
もらってきてくれよ。ライラさんを
さそって 飲もうぜ。
いいえの場合
キーファ「ビバ=グレイプを
もらってきてくれよ。ライラさんを
元気づけてやろうぜ。
*「さあさあ あたしらの命の水
ビバ=グレイプなら
たくさんあるよ!
*「……え? ライラに
ビバ=グレイプを?
*「ああ もちろん
もって行ってやっておくれ!
*「今ごろ 胸がいっぱいで
飲みたい気分 だろうからね。
はいよ!
アルスは ビバ=グレイプの入った
グラスを うけとった!
マリベル「あら アルス
私のために ビバ=グレイプを
もらってきてくれたの?
マリベル「でも おそかったわね。
もう そこの男の人に もらって
飲んでるから いいわ。
マリベル「ほんと アルスって
いつも トロいんだから。
キーファ「おっ アルス
ビバ=グレイプ もらってきたな。
キーファ「よしっ オレが
ライラさんに わたしてくるよ!
キーファは アルスの手から
ビバ=グレイプのグラスを
もっていった!
ライラ「あら アルスさん。
今 キーファさんに 飲み物を
いただいたところです。
ライラ「気をつかってくださって
ありがとう。
ライラ「本当は 私が みなさんを
おもてなし しなくては
いけないのに…。
キーファ「いや うまいな
この ビバ=グレイプは。
キーファ「グランエスタード城じゃ
こんなに おいしい飲み物は
なかったぞ。
ライラ「あら グランエスタード城って
私は まだ 行ったことないけど
どのあたりにある お城なの?
キーファ「どこって ええと…
まあ 辺境にある 小さな城さ。
キーファ「王になるのがイヤで
遊び歩いてばかりの 王子がいる
小さな国でね。
ライラ「あら… ウフフ。それじゃ
きっと 私 その王子さまと
気が合うわ。
キーファ「えっ?
ライラ「だって 私も 自分の運命が
イヤで 逃げ出したことが
あるもの。
ライラ「毎日 きびしい おどりの練習に
あけくれて… 歌をうたうのも
イヤになったことが あるの。
ライラ「でも そのとき 私を
はげましてくれたのが
ジャンだったわ。
キーファ「そ… そうなんだ。
彼って いい人なんだなあ。
キーファ「さ… さあ どんどん
飲もう! アルスも
すわって 飲めよ。わっはっは。
*「おーい ライラ!
いるかい?
ジャン「あっ!
な なんだ あんたたちは!
ジャン「旅の者が ライラのテントで
なにを してるんだっ!?
ライラ「まってよ ジャン! 失礼よ。
キーファさんと アルスさんは
私に ビバ=グレイプを…
ジャン「ビバ=グレイプをっ!?
ラ ライラに とりいって
なにを するつもりだ!
ライラ「もう ジャンったら!
ジャン「ライラは だまっててくれ。
おい あんた どうなんだっ!?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
ジャン「え? ほんの 出来心だって? |
いいえ |
ジャン「なに そんなつもりはないって? |
ジャン「大事な 婚約者に 手を出されて
ひきさがるわけには いかないな。
よし オモテに 出ろ!
おそるべき ジャンの やきもち
であったが その場は アルスが
どうにか おさめた。
ジャンは 自分の非を あやまり
4人は なごやかに 語り合うことが
できたのだった。
そして すすめられるまま アルスは
ビバ=グレイプを 飲みほし いつしか
眠りに さそわれていた。
こうして夜も ふけてゆき……。
ジャン「ぐう ぐう…。
ライラ…… ムニャムニャ。
*「キャーーッ!!
ライラ「きゃっ! キーファ
あぶないっ!!
キーファ「うっ!
こ… こいつっ!
キーファ「ふう… やれやれ
逃げたか……。
ライラ「お父さん! しっかりして!
だいじょうぶ!?
ダーツ「いや… すまない ライラ。
わしとしたことが ゆだんして…。
ダーツ「なあに たいしたケガでは
……うっ!
ライラ「無理しちゃダメよ。
今 ベレッタさまを
お呼びしてくるから……
ライラ「あなたは だいじょうぶ?
キーファ。
キーファ「ああ このくらい
なんでもないさ。それより
お父さんのことを はやく!
ライラ「……ええ。
助けてくれて ありがとう。
すぐ もどるわ。
キーファ「あっ なんだよ アルス!
そこに いたのか!?
キーファ「いや まいったよ
ザコとはいえ 魔物が ここに
入ってくるなんてさ。
キーファ「さっき ふと目をさましたら
テントの中に ライラさんが
いないから 外に出てみたんだよ。
キーファ「そしたら そこに彼女が
いたから ふたりで
話してたんだけどさ……
いいえを選んだ場合のみ | |
---|---|
いいえを選んだ場合のみ |
キーファ「な なんだよ その目は…。 |
キーファ「いきなり 暗がりから 魔物が
おそってきて オレが 戦ってたら
ダーツさんも 来てくれたんだ。
キーファ「けど 背後から こっそり
やってきた もう1匹に ダーツさんも
ふいを つかれちまって。
キーファ「お前が ぐうぐう
ねてる間に オレ けっこう
大変だったんだぜ!
ライラ「ベレッタさま どうでしょう?
お父さんのケガ 治りますよね?
ベレッタ「ふーむ…
ちょっと おまち。
ベレッタは なにやら
呪文のような 言葉を
つぶやきはじめた……。
ダーツ「……うう〜む…。
ベレッタ「おやおや これは
かなりの毒を もらったようだね。
命には 別状ないけれど…
ベレッタ「とりあえず キズの手当ては
したけど もう 2〜3日は
休んだほうがよかろうね。
ライラ「でも 明日は 神の祭壇への
出発の日ですわ。父は ここに
残らなくてはいけないのですか?
ベレッタ「……しかたあるまい。
お前も 父さんに
ついていておやり。
ベレッタ「神の祭壇への道中は
ジャンの 魔よけのトゥーラで
なんとか しのげるでしょう。
ベレッタ「お前たち ふたりだけを
ここに 残しておくのは
心配なんだけどねえ…
キーファ「あっ それなら
オレも ここに 残りますよ!
ベレッタ「おや キーファどの。
先ほどは よく ライラたちを
助けてくださりましたね。
ベレッタ「それに また
ダーツとライラを守るために
ここに残ってくださると?
キーファ「ええ。オレたち 魔物との
戦いは なれてるし。神の祭壇へは
アルスたちが 同行しますよ。
キーファ「なっ アルス! オレは
ここに残るから お前たちは 皆さんと
神の祭壇へ 行くよな?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
キーファ「というわけ ですから オレは ベレッタ「それは たいへん 心強い。 ベレッタ「しかし 明日からの旅は ベレッタ「ありがたく その お言葉 ベレッタ「さあ ライラや ライラ「はい ベレッタさま。 |
いいえ |
キーファ「じょうだんいうなよ。 キーファ「そんな 大事な旅に |
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
キーファ「というわけ ですから オレは ベレッタ「それは たいへん 心強い。 ベレッタ「しかし 明日からの旅は ベレッタ「ありがたく その お言葉 ベレッタ「さあ ライラや ライラ「はい ベレッタさま。 |
いいえ |
キーファ「またまた アルスは (ループ) |
こうして キーファは ライラたちと
テントに残り アルスたちは 皆と
神の祭壇へ 出発することとなった。
アルスたちは ふたたび テントで
眠りにつき…
そして 夜が明けた!
ベレッタ「では ライラや
先に 出発するから
ダーツのこと たのんだよ。
ライラ「はい ベレッタさま。
父の具合が よくなったら 私たちも
神の祭壇へ 向かいます。
ベレッタ「キーファどの。
ライラたちのこと くれぐれも
おねがいもうします。
キーファ「どーんと おまかせください!
何があっても おふたりを
守ってみせますから!
キーファ「アルスたちも
オレが行くまで がんばれよ。
マリベル「な〜によ 自分ばっかり
かっこつけちゃってさ。
マリベル「あんたも ヘマしないで
ライラさんたちを 守るのよ!
ベレッタ「ほっほっほ…。
仲間がいるというのは
よいものですね。
ベレッタ「では アルスどの
出発いたしましょう!
ジャン「族長さま! オレもやっぱり
ここに 残ります!
ジャン「よそ者に ライラを
まかせるなんて……
族長「わがままを いうでない!
族長「……ジャンよ。お前がいなくて
誰が 魔よけのトゥーラを
かなでるのじゃ?
族長「神の祭壇へ 急ぎ むかうことが
どれほど 大切か。
わからぬわけでは あるまい?
ジャン「それは……。
*「……ハアハア… 族長さま。
先発隊は もう 馬車で
出発しました。
族長「おお そうか。
では われわれも 出発しよう。
族長「いや アルスどの。
見苦しいところを
お見せしましたのう。
族長「神の祭壇は 西の山脈を
こえた むこうの湖。
道中よろしくお願いしますぞ。
ベレッタ「われら ユバールの者は
馬車で進み 西の山脈の とちゅうで
休けいをとる予定です。
ベレッタ「よろしければ
山脈のとちゅうの テントで
おちあいましょう。
族長「では さっそく 出発するかの。
皆さんも 道中 お気をつけなされ。
マリベル「それじゃ その祭壇めざして
出発するわよ。
マリベル「ちょっと 面倒だけど
神さまが 復活するなんて
見ものだものね。
ガボ「神さまが 見れんのかー。
なんか ここに来て 得したよな。
キーファ「あれ まだ いたのか
アルス。
キーファ「まさか 行き先が
わからなくなったんじゃ
ないだろうな。
キーファ「神の祭壇は 西の山脈を
こえた むこうの湖だろ。
キーファ「ダーツさんが 治ったら
オレたちも 出発するからさ。
マリベル「キーファったら
なーんか うれしそうね。
マリベル「相手には 婚約者まで
いるってのに……
ホント 単細胞なヤツだわ。
ガボ「キーファのヤツ
いいことでもあったのか?
ガボ「なんだか いつにもまして
元気いっぱいだぞ。
ライラ「キーファさんて 強いのね。
私たち ユバールの民には あまり
たたかいに強い者が 生まれなくて…
ライラ「実は 私の父は
ユバールの生まれじゃ ないのよ。
母は ユバールの踊り娘だったけど。
ダーツ「うーむ…… アルスどの
皆を よろしく
おたのみ申します。
ガボ「キーファたち
後から来るって 言ってたけど
大丈夫かなあ。
ガボ「こうやって 別れるのって
今まで なかったから
なんか心配しちまうな。
マリベル「ユバールの人たち
たしか 山脈のとちゅうで
休けいをとるって 言ってたわよね。
マリベル「さあ アルス。
とりあえず そこまで 行くわよ。
※寄り道。この時点もしくはキーファ死亡時のみ聞ける
*「ここだけの話じゃがな
わしも 調査団への入団を
志願しようかと思うんじゃ。
*「なんというか
最先端の仕事という感じが
するからのう。
*「あら いらっしゃい。
あなたたちに お酒は出せないけど
ゆっくりしてってちょうだい。
*「王の話によると キーファ王子は
さんぽの最中ということです!
*「ですので 今は 場内には
おられません!
*「グランエスタード城は
すべての国民に 開かれた城です。
*「あっ もちろん
国民でない方も 大かんげいです。
どうぞ お通りください。
*「グランエスタード城へ ようこそ!
*「おお アルスさん。
キーファ王子ならば 今は
城内には おられませんぞ。
*「おや 今日は キーファ王子と
ご一緒では ないのですね。
*「キーファ王子に お会いしたら
王のために なるべく
お城に戻るよう お伝えください。
兵士長「またも 世界に新しい島が
現れたため 調査団の連中は
城に いつくヒマがない様子です。
兵士長「しかし 平和のためとあらば
やむをえません。新しい島が
危険な島だったら 困りますからな。
*「キーファ王子
最近 お城で 食事を
されないことが 多いけど……
*「ちゃんと 食べてるのかしら?
なんだか 心配だわ……。
*「まあ アルスさんたち。
お帰りなさいませ。
*「聞きましたよ。
また 世界に 新しい島が
現れたんですってね!
*「やあ アルスたち。
色々 聞いてるぞ。
大変なこと してるんだって?
*「がんばってくれよな。
オレは 期待してるぜ!
*「ああ アルスさん。
どこかで キーファ王子を
見ませんでしたか?
*「ああ アルスさん!
お帰りなさい!
*「こちらは 玉座の間に
ございます!
大臣「おお アルス。そなたらは
世界に 島を出現させるための旅を
つづけるのだそうだな。
大臣「王子の旅を 止めておきながら
身勝手だが 王は アルスたちを
おうえん してくれよう。
バーンズ王「おお アルスよ。
聞いておるぞ。そなたたちは
今後も 旅をつづけるのだそうだな。
バーンズ王「そうとなれば……
キーファのことは お前たちには
つくづく申し訳ないことをしたな。
バーンズ王「だが わしも国の王。
そう言わねばならない 立場に
あることを わかってくれるな?
バーンズ王「なんにせよ
決して 楽な旅ではあるまい。
くれぐれも 気をつけて行くのだぞ。
*「私は 知っていますわ。
王さまは お強い方に見えて
じつは 大変な さみしがり屋。
*「だから ときどきは 王さまの元へ
旅の報告に 行ってくださいね。
アルスさん。
*「どう? このお部屋
ピッカピカでしょ?
*「いつ キーファ王子が
もどられても
いいように してあるの。
*「私って けっこう
つくすタイプだったのかも!
リーサ姫「まあ アルス!
あれ? お兄さまは
一緒じゃないの?
リーサ姫「だとしたら
お兄さま 今ごろ
どうしているのかしら……?
リーサ姫「お兄さまがいないと
なんだか 毎日 さみしくって。
*「まあ アルスさん。
こんにちは。
*「あなたたちは 世界に
新しい島を 呼び覚ますための旅を
してるんですってね。
*「大変な旅でしょうけど
心から おうえんするわ。
がんばってね。
*「世界に 島が増えつづけていくと
この城からも もっと 多くの島が
見えるように なるかもしれないな。
*「ここは 王さまのお部屋ですが
今は どなたも おられません。
※寄り道終了。以下ユバールの世界
*「にゃ〜ん……。
なんと アルスたちの
体力が 回復した!
マリベル「ふわぁ……もう夜なのね。
今日は つかれたから
さっさと ねちゃいましょうよ。
ガボ「オイラ もう クタクタだよ。
今日は はやく 休もうぜ。
*「ブルルルルル……。
*「ヒヒーン! ブルル……。
*「ややっ おつかれさまです!
*「あなたたちが 魔物と たたかってる
おかげで われわれの方には あまり
魔物が よってきませんでしたよ。
*「ボクだって オトナの会議に
参加するんだ。
ねむくなんか ないやいっ。
*「明日は いよいよ
神の祭壇のある湖へ
たどりつけるだろう。
*「しかし 古文書によると
祭壇の封印をとくには ふたつの
道具が 必要だそうだ。
*「そして それは 湖のほとりの
洞くつの奥に おさめられて
いるとか。
ガボ「いよいよ 明日
神さまが 復活するのかあ……。
くぅ〜 ワクワクしてきたぞ!
マリベル「神さまを 復活させるのって
ずいぶん 手間がかかるのね。
マリベル「もっと ちゃっちゃっと
簡単に できないもんかしら?
ジャン「神の祭壇に たどりついたら
すぐにでも 神を 復活させられると
思っていたが どうも ちがうようだ。
ジャン「湖のほとりの 洞くつの奥から
ふたつの神器を とってきて
儀式を おこなうそうだが…
ジャン「洞くつでは 魔よけのトゥーラも
あまり ききめが ないんだ。
あんたたちが たよりだな。
マリベル「ええっ!
なんで あたしたちが 洞くつに
もぐんなきゃなんないの?
マリベル「そんなこと いつの間に
決まったのよう!?
ガボ「あのジャンて兄ちゃん
ライラのことが からまなきゃ
けっこう いいヤツっぽいな。
*「あんたらも これまで
ずいぶん 長い旅を
してきたようだな。
*「オレたちの旅は 神を復活させれば
そこで 終わりになるかも
しれないけどよ。
*「あんたらの旅は そこからが
本番なんじゃないのか?
そんな 気がするぜ。……ヒック!
族長「おお アルスどの。
魔よけのトゥーラなしに ここまで
来られるとは さすがじゃのう。
族長「ところで わしになにか
できることは あるかの?
(教会)
柵には ユバールの民の
守りの鈴が かけられている。
*「ボクらが 旅のとちゅうで
休むときは こうして 守りの鈴を
つるして 結界をはっておくのさ。
*「こうすれば 弱い魔物なら
入ってこられないように
できるからね。
マリベル「へえ 便利なもんね。
あたしたちにも あの鈴
ひとつ くれないかしら?
*「ライラたちも 今ごろは
出発したかねえ… ジャンが
ずいぶん 心配してたけど。
*「ジャンは 本当に
ライラが 好きなんだよ。
*「自分の身体に 精霊のアザが
ないことは 本当は 不名誉なのに
ジャンは よろこんでいてさ。
*「だって そうでなきゃ アザのある
ライラとは 結婚できないからね。
マリベル「アザが ある者同士は
結婚しちゃいけないなんて
変なオキテね。
マリベル「アザが ある者同士のほうが
大地の精霊のチカラっていうのが
強くなりそうだと思うんだけど?
マリベル「まあ あのふたりの場合は
関係ないんだから いいけどさ。
*「すや すや……。
*「ぐう ぐう……。
*「ムニャ ムニャ…
ジャン… ボク だれにも
いわないよ。ぐうぐう……。
ベレッタ「すや すや……。
*「シーーッ。
ベレッタさまが
起きてしまいますわ。
*「山道を歩いていらして とても
おつかれのようです。
*「みなさんも こちらで
お休みに なりますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「では ごゆっくり |
いいえ |
*「では 休みたくなったら |
*「さて…と テントも みんな
かたづけたし オレたちも
出発するか。
*「じゃあ アルスさん
また オレたちは 先に
出発しますよ。
*「あとは いっきに この山の南の
湖まで むかいますから
よろしく おねがいします。
*「では また のちほど!
マリベル「さて 今日こそは
神さまが 封印されてる祭壇まで
行かなくちゃね!
ガボ「神さまかあ……
いったい どんな姿してんだろな?
オイラ すっげえ 楽しみだぞ。
ガボ「うほっ! なんか すげえぞ。
でっかい建物が 水ん中に
しずんでらあ。
マリベル「あれが 神の祭壇……?
でも 湖にしずんじゃってるけど…
あんなの どうするのよ?
*「ややっ おつかれさまでした!
いよいよ ここまで来ましたね。
*「どうやら 湖底に見えるのが
神の祭壇のようです。でも
どうやって あそこまで行くんだろ。
*「ぐごー ぐごー。
*「シーッ! 小さい声で 話さなきゃ
他の皆に 聞こえちゃうよ。
*「あのね アルスさんたちなら
ボクら ユバールの一族じゃないから
話してもいいかなあ… 聞きたい?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「あのね ボク 見ちゃったんだ。 *「ジャンが ひとりで 水あび *「母さんが いってたけど *「だから みんなには ぜったい |
いいえ |
*「あ〜あ だれかに |
*「ブヒヒヒーーン!
*「今 皆が 会議をしておりますわ。
なんでも 族長さまが 古文書を
読みちがえておいでだったとか。
*「後で お休みになりたくなったら
いつでも 私に お声を
かけてくださいね。
ジャン「よう あんたたちか。
見てくれよ この湖を!
ジャン「神の祭壇は 湖底に
しずんじまってる。
ジャン「神の封印を とくには
あの祭壇まで 行かなきゃ
いけないのに まいったな。
ガボ「困ったな どうすりゃいいんだ?
……そうだ!
みんなで 水を飲みほしちまえば…。
マリベル「まったく ユバールの民も
あんがい アテになんないわ。
マリベル「まさか 今度は
湖の水が干上がるまで 待つとか
言うんじゃないでしょうね?
ユバールの民に ことわりなく
この洞くつに 入るのは
やめたほうが よさそうだ。
*「神の祭壇が 湖面にすけて見えて
とても キレイね。
*「こんなふうに 私たちの神さまの心も
美しく 気高かったのかしら。
*「神さまが よみがえったら
ボクたちは どうなるのかなあ。
*「もう トゥーラの しゅぎょうしたり
旅をしたり しなくてよくなるのかな。
*「この湖のほとりの 洞くつに
あるはずだった ふたつの神器は
祭壇の中に あるらしいんだよ。
*「だから なんとかして 湖の水を
引かないと…。
*「オレらの ご先祖さまも ずいぶん
念入りに 封印したもんだな。
*「まあ 現に そこの洞くつには
魔物が 入りこんでるし 神器を
そんなとこへは 置いとけねえよな。
*「あんたたちと ジャンに 洞くつへ
行ってもらうのは このナゾが
とけてからに なりそうだね。
*「今夜中には 古文書を
読みおわりそうだから テントで
休んで まってておくれよ。
マリベル「どの道 あたしたちが
行くわけね……。
別に もう いいんだけどさ。
ガボ「おっしゃ!
そういうことなら 今日はもう
寝ちまおうぜ。
*「湖の水を 引くしかけは
洞くつの奥に あるはずだよな。
*「もんだいは そのしかけを 動かす
カギとなる 大地の民のしるしが
なにかってことか…。
ベレッタ「これは アルスどの。
申しわけないが もうしばらく
おまちくだされ。
ベレッタ「今夜中には われらの先祖が
のこした 大地の民のしるしとは
なにかを 調べておきますから。
マリベル「すべては あの族長さんの
解読に かかってるわけね。
……こりゃ 不安だわ。
ガボ「大地の民のしるしかあ…。
ユバールじゃない オイラたちには
わからないもんな。
族長「おお アルスどの。
道中 おつかれさまでしたのう。
族長「われわれが 神の封印をとくため
必要な ふたつの神器は なんと
洞くつではなく 祭壇にあるとか。
族長「いや このわしが 古文書を
読みちがえて いたようでしてな。
わっはっは!
族長「今 みなが 集まって
あの祭壇へ行く方法を
考えておりますじゃ。
族長「…ところで わしに なにか
できることは あるかの?
(教会)
ガボ「へえ 族長のじっちゃん
古文書なんてのが 読めんのか。
さすが 族長だなあ。
マリベル「まったく のんきな族長ね。
アルス以上だわ。
*「みなさん おつかれでしょう。
こちらで お休みになりますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「では ごゆっくり |
いいえ |
*「では 休みたくなったら いつでも |
ジャン「やっと お目覚めかい。
湖の水を引くのに 必要なものが
わかったから 洞くつに出発するぜ。
ジャン「なんでも この 大地の鈴で
洞くつの奥のしかけが 動くらしい。
ジャン「この鈴は われらユバールに
伝わるもので 一族いがいの者が
鳴らすことは できない。
ジャン「だから 洞くつへは オレも
おともさせてもらうよ。
よろしく たのむぜ!
ジャン「さあ 出発しようか!
ジャンが 仲間にくわわった!
マリベル「ジャンと いっしょに
洞くつに 行くのかあ……。
なんだか 息がつまりそうね。
ジャン「……なにか 言ったかい?
マリベル「な なんでもないわ。
こっちの話よ。こっちの。
ジャン「さあ はやく 行こうぜ。
ガボ「へっへ。
よろしくな ジャン!
ジャン「ああ こちらこそ。
オレは 戦いは得意じゃないから
あんたたちが たよりだよ。
フィールドへ出た後
ジャン「おいおい どこに
行ってたんだい?
ジャン「あんたたちにも 都合が
あるだろうけど なるべく早く
儀式を実現したいんだ。たのむよ。
ジャンが 仲間にくわわった!
*「ライラたち まだ
つかないのかなあ。
*「まあ キーファさんと ダーツさんが
いれば ここまでの旅も
心配ないだろうけどね。
ジャン「ライラ……
無事でいてくれれば いいんだが。
ガボ「ライラさんたちには
キーファが ついてんだから
きっと 大丈夫だぞ。
マリベル「キーファねェ。
ある意味 アイツがいるからこそ
心配な気もするけど……。
マリベル「特に ジャンにとっては
気が気じゃないんじゃないかしら?
マリベル「……なんちゃってね。
冗談よ 冗談。
族長「いよいよですな。
神の封印をとくことは われら
ユバールの 長年にわたる使命。
族長「よろしく たのみましたぞ。
ところで…
族長「わしに なにか
チカラに なれることは
ありますかの?
(教会)
*「わーい!
ボクが 神さま だぞー!
*「わーい わーい!
*「神さまが 復活したら もう
あたしたちは 今までみたいな生活を
しなくて よくなるのかしら。
*「でも あたしは やっぱり
踊りつづけるだろうな。
だって 好きなんですもの。
*「そりゃ 神の復活は 長年の願い
だったんだろうけどさ
いざとなると ピンとこないねえ。
*「いったい なにが どうなるのか
想像も つかないよ。
*「ぐがー ぐがー!
*「ぐう ぐう……。
*「その洞くつのどこかに 大地の鈴を
はめ込む 台座が あるはずだ。
*「その台座に 大地の鈴をおいて
鈴の音を 鳴らせば 湖の水が
引けるらしい。たのんだぜ。
*「うつら うつら……。
ベレッタ「やれやれ… 古文書の内容を
読みまちがえたりして たいへん
失礼いたしましたね。
ベレッタ「けれど 神が封印されたのは
はるか 数百年も 昔のこと…。
ベレッタ「われらの中にも 古代文字を
理解できるものは わずかしか
残っていないのです。
ベレッタ「しかし ジャンは 勉強家で
古代文字も 少し読めますから
洞くつ内では お役に立てるでしょう。
ジャン「オレが 読める古代文字なんて
たかが 知れてるがな……。
まあ 何とかしてみるさ。
ガボ「でも 神さまって
いったい だれに どうして
封印されちまったんだろうな?
マリベル「へえ。ジャンって
トゥーラの名人ってだけじゃなく
アタマもいいのね。
マリベル「アルスとは 大ちがいだわ。
ジャン「神の祭壇を 守るためとはいえ
われらがユバールのご先祖も
なかなか 苦労させてくれるな。
ジャン「だが その苦労も
あと少しで むくわれる。
あと少しで……。
マリベル「それにしても
あの湖の水を 引かせちゃうなんて
ホントに できるのかしらね?
ガボ「オイラ はやく 神さまを
見てえぞ。
アルス いそごうぜ。
アルスは 宝箱を 調べた。
しかし 宝箱は からっぽだった……。
ジャン「ちっ… この神聖な
洞くつにまで 魔物が
入りこんでるようだな。
ジャン「神が 残してくださった宝も
荒らされてることだろうよ。
気を ひきしめていかなきゃな。
とても 重そうな 岩のトビラだ。
人間のチカラでは まったく
動きそうもない……。
石碑には なにやら
古代文字のようなものが
きざまれている。
ジャンは 石碑の文字を 読んだ。
”勇気ある者は 神の炎に
みちびかれる。
”東に 勇気の炎。
西に知恵の炎。
ジャン「…おっ? ここにも
古代文字が きざまれている
みたいだな。ええと…
ジャン「禁欲は やがて そなたを
神の道へと みちびくであろう…か。
ジャン「……ん? なんだよ。
アルスさん。なにか
いいたそうな カオして。
アルスは 石に きざまれた
古代文字を ながめた。
”禁欲は やがて そなたを
神の道へと みちびくであろう。
アルスは その古代文字を
理解することが できた!
ジャン「あん!? なんだよ
アルスさん! あんた
古代文字が 読めるのか!
ジャン「へえ〜 ふしぎなことも
あるもんだな……。
ジャン「でも なんだか 顔色が
悪いぞ アルスさん。
ジャン「あんまり なれない事して
無理すんなって。
ジャン「古代文字が 読めるなんて
アルスさん あんた
何者なんだ?
ジャン「……それにしても
禁欲とは いったい
どういう意味なんだろう。
マリベル「アルス あんた
古代文字が 読めるなんて
ホント 変なやつよね…。
アルスは 石碑を調べた。
石碑には なにやら
古代文字のようなものが
きざまれている。
ジャンは 石碑の文字を 読んだ。
”禁欲は やがて そなたを
神の道へと みちびくであろう。
*「あっ ぶたないで!
ボク わるい魔物じゃないよ。
*「ずっと ずっと昔は
神さまの 一族と
暮らしてたことも あるんだ。
*「だから いいこと
教えてあげるよ。
*「この洞くつの奥の つららの台座に
大地の鈴を ささげれば…
*「湖の水が引いて この洞くつの
1かいからでも 湖の底へ
いけるようになるよ。
ジャン「やはり 古文書に あった通り
大地の鈴が カギなんだな。
ジャン「さあ そうとわかれば 急ごう。
あと ひと息だ。
ガボ「アイツ 神さまの 一族と
くらしていたなんて
けっこう すごいヤツなんだな。
マリベル「ふ〜ん それじゃあ
やっぱり あの族長の解読は
正しかったんだ。
マリベル「どうも それだけが
不安だったのよね。
アルスは 石碑を調べた。
石碑には なにやら
古代文字のようなものが
きざまれている。
ジャンは 石碑の文字を 読んだ。
”この地に たどりつきたるは
知恵と勇気ある者。
”そなたが 神の子ならば
その あかしを かかげよ。
神は その道を しめされる。
ジャン「神の子の あかしを
かかげよ…か。
ジャン「では この大地の鈴を
かかげてみるぞ。
ジャンは 大地の鈴を かかげて
鳴らした!
ジャン「今 たしかに むこうで
なにかが 光ったな。
あれが 神の示す道なのか?
ガボ「へえ。大地の鈴って
きれいな音が するんだな。
マリベル「あら? なにか光ったわね。
大地の鈴に 反応したのかしら?
ジャン「これだ!
これが 神の湖の 封印をとく
しかけの 祭壇だ。
ジャン「ここに 大地の鈴を
ささげれば 湖の水が 引き
神の祭壇へ いけるということだ。
ジャン「では 大地の鈴を
ささげるぞ。いいな?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
ジャンは 大地の鈴を かかげた! ジャン「これで 湖の水が 引いたはず。 |
いいえ |
ジャン「どうした? なにか ジャン「これで 神の祭壇へ (ループ) |
マリベル「あとは ふたつの神器を
祭壇から見つけれれば
いよいよ 復活の儀式ってわけね。
マリベル「神さまの姿も 見たいけど
ライラのおどりも 楽しみだわ。
祭壇にささげられた 大地の鈴が
静かに 光をはなっている…。
ジャン「まずは 復活の儀式のための
ふたつの神器を 探さなくちゃな。
さあ 行ってみようぜ。
ガボ「うほぅ!
ちゃんと 水がひいてるぞ。
マリベル「あれが 神の祭壇……。
アルス 行ってみるわよ。
*「やや ごくろうさまです!
*「湖の水が 引くのを見て
ボクらも あわてて ここに
やってきました。
*「祭壇の前で 族長さまが
おまちかね ですよ。
*「かあーっ! こりゃ でっけえ
祭壇だな。
*「古文書では この上に 神さまが
封印されてるって 話だ。
*「これから 大事な 儀式が
はじまるんでしょ?
*「そういうとき 男は ちゃんと
胸をはって 堂々と してなさいって
母さんが いってたんだ。
*「ねえ これから なにがあるの?
ボクたち どうなるのかなあ。
*「いよいよだなあ…。
ライラたち 早く来ないかな。
*「おれらの祖先は いったい
どうやって こんな しかけを
作ったんだろうな?
*「おれには 神ワザとしか
思えないぜ。
*「ああ ワクワクするわね。
神さまは どんなふうに
復活されるのかしら?
*「あたしも ライラみたいに
精霊さまの血を 引いていればなあ。
*「私たちの おどりは
神さまを たたえる おどり。
*「この日を どれだけ
まちのぞんだ ことでしょう。
*「あんたたち たいしたもんだね!
ライラたちも ここに来たら
びっくりするだろうよ。
族長「おお アルスどの!
おかげで 湖の水が 引いて
この通り!
族長「心より 感謝しますぞ!
あとは この祭壇内より ふたつの
神器を もち出すのみ。
族長「さて どうやら ふたつの神器
大地のトゥーラと 清き衣は
この祭壇の中のようじゃ。
族長「ここまで チカラをかしてくれた
アルスどのに ぜひ
とってきていただきたい。
ジャン「大地のトゥーラ……
いったい どんな音色だろうか。
マリベル「大地のトゥーラに 清き衣?
それで ジャンが 曲をかなでて
ライラが おどるってわけね。
ベレッタ「本当に みなさんには
どう お礼をいえば
よいものやら。
ベレッタ「もう そろそろ ライラたちも
到着するでしょうが 祭壇の中へは
みなさんに 入っていただきましょう。
ベレッタ「さあ ジャンも
いっしょに いくのですよ。
ジャン「はい! ベレッタさま。
さあ アルスさん 石碑の文字を
読んでみてくれよ。
ジャン「さあ アルスさん 石碑の文字を
読んでみてくれよ。
ガボ「なあ アルス。
はやく 石板を 読んでくれよ。
マリベル「ホントに どうして
アルスなんかに 古代文字が
読めるのかしら?
マリベル「あんたって 時々
わけわかんないこと できるわね。
アルスは 石碑の文字を 読んだ。
”大地のトゥーラが 金色にかがやくとき
その音色にて 大地を目覚めさせよ!
”清き衣を まとった 巫女の踊りにて
神の怒りを なだめさせよ!
ジャン「この奥に 大地のトゥーラが
あるんだなっ!?
ベレッタ「さあ アルスどの!
どうぞ 祭壇の中へ!
マリベル「へえ。
中はこんな風に なってるのね。
さあ 奥へ 行きましょうよ。
出ようとすると
ジャン「おーいっ!
ふたつの神器は ここにあるぜ!
早く 来いよっ。
ジャン「なあ 見てくれよ。
これが 古文書にあった
ふたつの神器だ。
ジャン「大地のトゥーラ。
これを オレが 弾いて…
ジャン「巫女のための 清き衣。
これを ライラが 身にまとって
おどる…。
ジャン「オレとライラで 儀式を
とりおこない 神を復活させる…
そうすれば オレは 自由だ。
ジャン「もう オレたち ユバールの
宿命なんかに 左右されず 自分の
ゆきたい道を 歩けるのさ!
ジャンは 祭壇の カベから
清き衣と 大地のトゥーラを
はずした!
ジャン「さあ これをもって
みんなのところに もどろうぜ。
ジャン「あんたたちにも
礼を いわなきゃな。
*「おーーい アルス!
キーファ「ハアハア…
おそくなったな アルス!
キーファ「とちゅうで ライラさんが
足をくじいちゃって ここまで
背負ってきたもんで…
ジャン「なにっ!
ライラが 足を くじいたって!?
ジャン「あんたが ついていながら
なんてことだっ! もし
儀式で おどれなかったら…
ライラ「やめて! ジャン。
キーファが いてくれたから 足を
くじいたくらいで すんだのよ。
ライラ「儀式なら だいじょうぶ。
ちゃんと おどれるわ。もう
痛みも ひいてきたし。
ジャン「ライラ……。
ライラ「それが 清き衣と
大地のトゥーラね。さあ
儀式の じゅんびを しましょう。
キーファ「だいじょうぶかい?
ライラ… さあ オレの肩に
つかまって。
ライラ「ありがとう キーファ。
ごめんなさいね。
ジャン「…ま まてよ!
ライラ!
ガボ「いよいよ 復活の儀式が
はじまるんだな。
アルス 行ってみようぜ。
マリベル「キーファと ライラさん
ずいぶん 親しげになってない?
マリベル「めんどうなことに
ならなきゃいいけど……。
ジャン「さあ 族長さま。
儀式を はじめましょう!
族長「まあ そう あせるでない
ジャンよ。
族長「どれ その 大地のトゥーラを
見せてみなさい。
族長は ジャンから 大地のトゥーラを
うけとった。
族長「ふむ……
やはり 今は まだ
復活のときでは ないようじゃな。
ジャン「なんですって?
族長「見なさい このトゥーラを。
族長「祭壇の石碑には 大地のトゥーラが
金色に かがやくとき… と
しるされていたであろう?
族長「だが 今 このトゥーラは
なんの かがやきも
はなっておらん。
族長「なぜかは わからぬが
今は まだ そのときでは
ないらしい。
ジャン「そんな… じゃあ いつなら
いいって いうんです?
ジャン「そんなこと やってみなけりゃ
わからないじゃないですか!
ベレッタ「ジャンよ おちつきなさい。
もし 封印を とくべきでないときに
といてしまったら なんとする?
ベレッタ「ときが満ちる前に
神が復活して もし 魔王に
ほろぼされたりしたら?
ベレッタ「そのときこそ
われらの未来は とざされる。
あせりは 禁物じゃ。
ジャン「しかし せっかく ここまで
きたのに あきらめるって
いうのですか?
ジャン「オレは あきらめないぞ。
現に 神は オレたちを ここまで
みちびかれた!
ジャン「今が 復活のときでないなんて
そんなはずは ない!
ジャンは 大地のトゥーラを
その手に かかえた!
ジャン「さあ ライラ。オレは
このトゥーラを 弾くよ。その
清き衣で おどってくれ!
*「おっ おい! ジャン!
本当に やる気かっ!?
ジャン「ああ もちろんだ。
さあ みんなも 心をこめて
神の復活を 祈ってくれ!
*「なんだ? どうしたってんだ?
なにも おこらないじゃねえか。
*「族長さまの いった通りだ!
まだ 復活のときじゃ
なかったんだ!
*「なんてことだい?
せっかく ここまで……
族長「……ふむ。
残念だが どうやら 今は
儀式の時では なかったらしい。
族長「ジャンよ。これで
気が すんだであろう。
族長「もう 祭壇から
おりてきなさい。
族長「ジャンよ。
そう がっかりするでない。
族長「平和をもとめ 神の復活を
ねがうあまりに あせったのは
しかたのないことじゃ。
族長「それに 望みが
とざされた わけではない。
また 明日から…
ジャン「ちがうんです! 族長さま!
ジャン「オレは… そりゃ 平和を
のぞんではいるけど それより
自分のことばかり 考えていた。
ジャン「神さえ 復活すれば
ユバールの使命も おわり オキテに
関係なく ライラと結婚できると…。
ジャン「なぜって… オレには
いや オレの身体にも こんな
宿命が あったからだっ!
ベレッタ「そ そのアザは!?
なんてことだい ジャンよ!
ベレッタ「でも お前が
生まれたとき いえ 子どものときも
そんな アザは なかったはず…
ジャン「そうですとも ベレッタさま。
オレ自身 この目を うたがった。
ジャン「ほんの 数年前…
自分の胸に このアザが うかぶのを
見たときにはね。
ジャン「そして そのとき オレは
すでに 心から ライラを
愛していたのです。
ジャン「だからこそ オレは あせった。
神が復活して 一族の使命も
おわれば 自由になれるのだと…。
ジャン「しかし それも すべて
オレだけの 勝手な想いでした。
ライラの気もちも 考えず…
ジャン「それに 理由が どうあれ
一族の皆を あざむいた罪は重い。
オレは 一族を 出てゆきます。
ジャンは 族長の手に
大地のトゥーラを かえした…。
*「まって! ジャン!
族長「まちなさい! ライラ!
族長「追いかけて どうする?
お前は 本当に ジャンを
愛しておるのか?
ライラ「族長さま… それは…。
族長「同情は ジャンを
キズつけるだけじゃ。
族長「それに かわいそうだが
あのアザがあっては お前との
結婚も ゆるされぬ。
族長「ともかく 残念だが
今は 神の復活のときでは ない。
族長「われらの旅は まだ
続くようじゃな…。
ベレッタ「では 族長さま。
ふたたび 祭壇の封印を…。
族長「うむ。もと通り
湖に しずめておいた方が
よかろう。
ベレッタ「アルスどの。
あなた方には なにか 縁のような
ものを 感じます。
ベレッタ「すみませぬが また
洞くつの奥へ入って 湖の水を
もと通りに していただけますか?
ベレッタ「ここまできて 残念ですが
祭壇をまもるためにも 湖の底へ
しずめておくしか ありませぬ。
ベレッタ「大地の鈴を しかけから
はずれば この湖が ふたたび
聖なる水で 満たされるはず。
ベレッタ「今度は ダーツを
お供させましょう。
さあ ダーツや!
ダーツ「はい ベレッタさま。
たしかに 大地の鈴を
はずしてまいります。
ダーツ「こんなことになって 残念ですが
アルスどの よろしく
おたのみ申します。
ダーツが 仲間にくわわった!
ベレッタ「それから ライラ。
お前 足を いためているね?
私の目は ごまかせないよ。
ベレッタ「おどり娘が 大切な足に
そんな 無理をさせて
どうするつもりだい?
ライラ「申しわけありません。
ベレッタさま。でも…
キーファ「おいおい さっきから
だまって 聞いてりゃ
ずいぶんじゃないか?
キーファ「一族の使命や オキテが
大事なのは わかるけど
ライラだって 苦しんでるはずだ。
キーファ「なのに そんな
きびしいこと いわなくたって…
ライラ「いいのよ キーファ。
ありがとう。
ベレッタ「……ふむ。どうやら
ライラには よき理解者が
現れたようだね。
族長「さて みなの者。
残念じゃが この通り 儀式は
終了じゃ。
族長「ともかく 上のテントまで
もどるとしよう。
ベレッタ「では アルスどの。
よろしく おたのみ申します。
ベレッタ「われわれは 上のテントへ
もどって お待ちしていますから。
ダーツ「ジャンとライラのことは
あくまで 一族のなかの問題……。
ダーツ「何も 言わんでくだされ。
ガボ「ジャンのヤツ
かわいそうだったなあ……。
ガボ「あいつ これから どこへ
行っちまうんだろう?
マリベル「いろいろな事が いちどに
起こりすぎて……
なんて言ったら いいのかしら?
マリベル「とにかく あたしとしては
神さまの姿を 見られなかったのが
残念だったわ。
ベレッタ「大地の鈴を しかけから
はずせば この湖が ふたたび
聖なる水で 満たされるはず。
ベレッタ「アルスどの
よろしく おたのみ申します。
族長「われら ユバールの民が
オキテをまもるのは 平和への希望を
すてずに生きるため でもある。
族長「どうか ご理解いただきたい。
ライラ「子どものときから ずっと
毎日 おどりつづけて それが
当たり前だと 思ってきたの。
ライラ「ジャンとの結婚にしても
それが 運命なら…って。
ライラ「でも キーファさんを 見てたら
そんな自分が はずかしくなったわ。
ライラ「今はまだ できないけど
いつかは 私も 彼のように
自分の信じる道を 歩きたい…。
マリベル「キーファが 自分の信じる道を
歩いてるですって?
あれは ワガママって言うのよ。
マリベル「ライラさんって
おどることしか 知らないから
世間知らずなのね。
キーファ「なんか 大変なことに
なっちゃったな アルス。
キーファ「ライラさんの足が まだ
いたむようだから オレは 彼女を
テントまで つれていくよ。
キーファ「洞くつの方は
たのんだぜ アルス。
マリベル「キーファってば
ライラさんには ずいぶんと
おやさしいじゃない。
マリベル「……あ〜あ あたしも
彼氏を 作ろっかなあ。
マリベル「でも まわりに
ロクな男がいないのよね これが。
ガボ「キーファのヤツ なんか
ちょっと 感じ 変わったよな。
どうしたんだろうな?
アルスたちは ダーツと共に
洞くつへゆき 大地の鈴を
奥の祭壇から はずした。
湖には ふたたび 水が満ち
神の祭壇は 湖底へと
しずんでいった。
儀式で 使われた
大地のトゥーラと 清き衣は
族長の手に あずけられ……
ユバールの民と アルスの一行は
また 共に旅をして
はじめの 休息地へと もどった。
ぎしきは 失敗であったが アルスは
礼をいわれ その夜は ささやかな
宴が 開かれた。
そして その 夜ふけ……。
*「おい アルス…。
もう 寝ちゃったのか?
*「アルス…。
キーファ「起きてるのか? アルス。
……まあ 寝てるんでもいいや。
これは オレの ひとりごとだ。
キーファ「こんなこと あまり
話さなかったけど お前のウデにある
そのアザ。じつは 気になってた。
キーファ「ライラさんとは ちがうけど
たぶん お前も なにか 運命を
せおったヤツ なんだろう。
キーファ「それにひきかえ オレは
ただ 王子って身分に
生まれついただけの男だ。
キーファ「オレ ほんとは お前が
うらやましかったんだぜ。
キーファ「こんなこと いっても
お前は 笑うかも しれないけどな。
キーファ「けど オレは ずっと
さがしてたんだ。オレにしか
できない 何かが あるはずだって。
キーファ「こんなふうに 思ったのも
お前のおかげかも しれないな。
ありがとよ アルス。
キーファ「ひとりごとは これで
終わりだ。おやすみ……。
マリベル「あ〜ふ… よく寝た!
おはよう アルス。
マリベル「ゆうべ キーファと なにか
話してたみたいだけど
キーファ どうかしたの?
はい/いいえ | |
---|---|
はい/いいえ |
マリベル「ふ〜ん。まあ どっちでも マリベル「さてと… 出かけましょうか。 ガボ「うん? もう 朝…? |
ガボ「うひゃっ!
キーファと ダーツのおっちゃんが
ケンカしてっぞ。大変だァ!
マリベル「ちょっと キーファのヤツ
朝っぱらから なにやってんのよ?
あのバカ!
*「アタタタ… アタマが いたい…。
ゆうべ すこしばかり
飲みすぎたようだ。
マリベル「ちょっと アルス。
あんた キーファのことが
心配じゃないの?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
マリベル「……あんたって 意外と |
いいえ |
マリベル「じゃあ なんで |
*「ねえ ボクは ジャンのアザのこと
みんなに 話さなかったのに…
*「どうして ジャンは
出ていっちゃったのかな?
グスン……。
(出ようとすると)
このまま 外に出るわけにはいかない!
*「ジャン……。あたしも いつか
ジャンの後を追って 一族のもとを
出てゆくつもりです。
*「いつになるか わかりませんが
神さまが 復活された
そのときに……。
*「きゃーっ! キーファ!
かっこいいわよっ!
*「ダーツおじさんは ぜったい
まけないぞっ!
*「ユバールの守り手に なりたいなんて
じょうだんだと 思ったら
本気だったんだね。
*「あたしゃ その勇気を
おうえんするよ。
マリベル「キーファが 守り手にィ?
あいつ 王子のくせに
いったい なに考えてんのよ?
ガボ「なんだ キーファと おっちゃん
ケンカしてんじゃないのか。
オイラ あせっちまったぞ。
*「ああっ ダメだ!
そこで 右に かわしちゃ!
*「左だっ! いや 右かっ!?
ええい どっちも がんばれっ!
*「いいぞ! そこだっ! ダーツ!
ユバール戦士の チカラを
見せてやれ!
*「そりゃっ! そこだっ!
*「いや あんたの仲間は
強いねえ! あの ダーツが
押されてるもの。
族長「おお アルスどの。
お目覚めかね。
族長「今 ちょうど ダーツが
キーファどのの ウデだめしを
させてもらっておるところじゃ。
族長「この 生き残りの少ない時代に
われらの守り手に なりたいなど
非常に ありがたい申し出じゃ。
族長「心より かんしゃしますぞ。
ベレッタ「キーファどのの申し出は
うれしいのですが ウデだめしに
合格していただかなくては…。
ベレッタ「もし チカラが
たりなければ ご自身の命が
あぶなくなるのですから。
ライラ「キーファが ユバールの守り手に
なりたいって話 アルスさんも
いいと思ってるの?
ライラ「とても うれしいお話だけど
本当に いいのかしら…。
ダーツ「うぬぬっ!
これは 手ごわいっ!
キーファ「とめてくれるなよっ!
アルス!
キーファ「ダーツさんに 勝てば
オレが ユバールの守り手として
みとめられるんだっ!!
キーファ「そこだっ!
とりゃーっ!
ダーツ「うっ!!
ダーツ「……う〜む。
たしかに いいウデを しておられる。
いや まいりました!
キーファ「いえ ダーツさん
あなたも さすがでした。
キーファ「さて 族長さま。
これで オレを 守り手として
みとめてもらえますね。
族長「うむ。
もちろん こちらから
おねがいしたいくらいじゃ。
族長「さあ キーファどの こちらへ。
アルスどのと お仲間のみなさんも
こちらへ どうぞ。
族長「皆の者! ここに たくましく
たのもしい 若き 守り手が
たんじょうした!
族長「われら一族の 新たな
仲間となる キーファどの!
族長「そして われらを 神の祭壇へと
みちびいてくださった
アルスどの!
族長「その勇気に かんしゃの
歌を ささげる!
キーファ「悪く思うなよ アルス。
オレが お前と旅をするのは
ここまでだ。
キーファ「オレは この一族とともに
この時代に 残る。
キーファ「ほら この剣を見てくれ。
刃先に紋章がきざまれてるだろ。
キーファ「これは 神の守り手だけが
持つことを許された 伝説の剣だ。
これを オレにって……。
キーファ「オレは このまま
ユバールの皆とともに
神の祭壇を まもってゆくよ。
キーファ「このオレも いっぱしの
伝説を 背負う男に なるわけだ。
わかってくれるよな アルス?
はい/いいえ | |
---|---|
はい/いいえ |
キーファ「はっはっは! |
キーファ「さて…と。そろそろ
アルスの村に もどるだろ。
キーファ「旅のトビラまで
おくっていくよ。
キーファ「旅のとちゅうで
ぬけることになっちまって
すまないとは 思ってるんだぜ。
キーファ「でもな アルス。
オレは やっと 進むべき道を
見つけたんだ。
キーファ「お前だって 本当は
よろこんでくれてるだろ?
おどり娘は 美しい声で
かんしゃの歌を うたっている…。
男の子は りっぱな 歌声で
かんしゃの気もちを うたっている…。
キーファ「なあ アルス。
そんなカオ するなよ。
オレだって つらいんだぜ。
ダーツ「キーファどのも 強いが
アルスどのも さらに
お強いのであろう。
ダーツ「たとえ ちがう道を歩いても
平和をねがう心は 同じ。
どうか 忘れないでください。
みごとな 声量で かんしゃの歌を
うたいあげている…。
*「あり〜が〜と〜
あり〜が〜と〜
今日の日が〜 また〜
*「…ん? あれ?
こんな歌じゃ なかったような…
なにしろ 久しぶりだからよ。
彼は 心をこめて
かんしゃの歌を うたっている…。
*「わるいけど あたしゃ
声が かれてしまって…。
*「アルスさんたち 元気でね。
なんか あんたがたとは
これっきりという気が しないよ。
*「わっ 話しかけないでください。
*「歌のとちゅうで 気をちらしたら
祈りの心が 神さまに
とどかないと いわれているのです。
ベレッタは とても 老婆とは
思えない すきとおった声で
かんしゃの歌を うたっている…。
族長「アルスどのと 出会って
われらは 希望を 手に入れた。
族長「大切な お仲間を
たしかに おあずかりしましたぞ。
ライラは その瞳を うるませながら
かんしゃの歌を うたっている…。
キーファ「さて…
じゃあ いこうか アルス?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
キーファ「たしか 旅のトビラは |
いいえ |
キーファ「なにか やりのこしたことが |
キーファ「さあ ついたぜ アルス!
ここから オレと お前たちは
別の道だ。
キーファ「今まで 一緒に 旅ができて
本当に 楽しかったよ。
キーファ「もとの世界にもどって
オレの親父に 会ったら
伝えておいてくれないか。
キーファ「あんたの息子は やっと
自分の進む道を みつけたって。
キーファ「あ… でもよ。 アルス。
オレが ライラさんに ホレたって
ことは ナイショにしてくれな。
キーファ「さあ 行け! アルス!
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