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*「こんな へんぴな場所に
人が来るとは めずらしい。
*「ここに 町か村でもあると
期待しておったのか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「かつては この場所にも *「見てのとおり ガレキの散らばる |
いいえ |
*「そう ここには なにもない。 *「時間のムダじゃからな……。 |
はいの場合
キーファ「ジイさんの話によると
どうやら グリンフレークは
ほろびてしまったようだな。
マリベル「町ひとつ ほろびるほどの
時間が ながれたってわけね。
何だか さみしいね アルス。
ガボ「ウガァ! これじゃ その後
リンダたちが どうなったのか
だれにも聞けないぞ。
いいえの場合
ガボ「いくら 魔物が いないからって
こんなとこに ジッチャンが
ひとりでいるなんて キケンだぞ。
アルスは 立て札を 読んだ。
ハーブ園 メモリアリーフ
マリベル「あたしも ハーブを
そだててみようかな。
マリベル「もちろん 水をやったり
その他 もろもろの世話は
アルスの役目だからね。
キーファ「みろよ アルス!
まるごと ハーブ園だ。
キーファ「ここが さかえたから
グリンフレークは しだいに
すたれて ほろびてったのかな。
*「ようこそ 旅のかた。
ハーブ園 メモリアリーフへ!
*「精根こめて育てたハーブを
心ゆくまで 見ていってくだせえ。
ガボ「オイラ ハーブって聞くと
ペペたちのことを 思い出して
胸が キュンとするよ。
アルスは 本だなを調べた。
アルスは
「わざわいを呼ぶ 老人」という本を
手にとって読んだ。
”子連れの老人は ゆく先々で
人を石像にする 呪いの雨の恐怖を
人々に 語って聞かせた。
”だが人々は 老人を あざわらい
石を投げて 町から追い出した。
そして明くる日。
”紫色の雲が 空をおおい
にごった雨が ふりそそぎ
町から ざわめきが消えた……。
*「朝から晩まで 働きづめで
腰が いたくて いたくて……。
*「メイドと たわむれてるだけの
ご主人さまが うらやましい。
*「今は ほろびちまったけど
昔 ハーブで さかえた町が
あったっていうじゃないのさ。
*「いつかは ここも 町みたいに
大きくなってほしいもんだね。
*「キシャー!
*「ここの 初代の主人ってのは
一生 独身だったそうだ。
*「きっと 仕事に むちゅうで
女のことなんか どうでも
よかったんだろうな。
*「まったく ご主人ときたら
昼間っから 若いメイドを
追いかけまわして!
*「いったい だれに似たのやら……。
マリベル「人目を はばからず
メイドを 追っかけ回してるなんて
まちがいなく ヘンタイだわ。
*「オレが生まれるよりも ずっと昔に
たった いち度だけなんだがな……。
*「人や動物を 石に変えてしまう
ふしぎな雨が 降ったそうなんだ。
*「やっぱ 人間が石になったら
服も 石になるのかな?
キーファ「灰色の雨の 伝説だけは
語りつがれてるようだな。
*「むほー!
かぐわしい ハーブの香り。
来て よかったぜ。
*「ここにいれば オレの体臭も
ステキな においに早変わり!
今日から モテモテだな。
マリベル「なにが かぐわしい
ハーブのかおりよ。
マリベル「あんな きたならしい男が
ハーブ園にいたんじゃ せっかくの
きれいな空気も くさってくるわ。
*「西のほうに ここと同じく
ハーブで さかえた町が
あったらしいのですが……。
*「時とともに 町は すたれ
今では 荒野の いち部に
なってしまったそうな。
キーファ「グリンフレークは
名前さえ 忘れられてしまうほどの
遠いむかしに ほろびていたんだな。
ガボ「へへん オイラたちは
今は ほろびた グリンフレークに
行ったことが あるもんねー。
*「このハーブ園をひらいた
初代のあるじは たいそう
働き者だったとか。
*「うちの ご主人さまも
少しは 初代のあるじを
見習ってほしいわ。
*「ここのハーブを使った
ハーブティーは 絶品さ。
*「ハーブティー目当てで
遠いとこから やってくる人が
いるくらいだからね。
*「いやーん
*「ふんがー!
マリベル「うっわ〜。
ヘンタイよ ヘンタイ!
アタマおかしいんじゃないの。
マリベル「追われて よろこんでる
あのメイドも ヘンタイよ!
近づくと ヘンタイがうつるわ。
ガボ「メイドなんか 追っかけて
なにが 楽しいんだ?
キーファ「女を 追いかけるのは
男の みはてぬ夢であると
オヤジが言ってたけど……。
キーファ「いや 人のシュミに
とやかく言うのは よそう。
*「あらくれ者に 変装して
メイドを 追いかけ回すのが
ご主人さまの日課なんですの。
マリベル「今の聞いた アルス。
ここの主人って ヘンタイよ。
ぜったいに まちがいないわ。
*「あー もうクタクタ。
ご主人さまに追い回されて
足が つかれちゃった。
ガボ「オイラなら ぜったいに
さいごまで つかまることなく
逃げきる自信があるぞ。
マリベル「みんな よろこんでる……。
きっと ヘンタイ主人の仕打ちで
アタマが おかしくなったんだわ。
*「くやしい!
あと たったの6周だったのよ。
*「ご主人さまに つかまらずに
テーブルを300周すれば
ごほうびが もらえたのに……。
*「ご主人さまが なまけ者でも
どういうわけか ハーブ園は
怖いくらい 順調なの。
*「でも ある日 とつぜん
客足がパッタリ なーんてことが
なきゃいいんだけど……。
アルスは 本だなを調べた。
アルスは
「ブルジオ一族の栄光」という本を
手にとって読んだ。
”ぜいたくで わがままで
ごうまんなのが ブルジオ一族の
共通点であるらしい。
”唯一の長所は 他人に金をかしても
すぐに 忘れてしまうところだろう。
*「あ〜あ つかれちゃった。
*「そういえば ご主人さま
おかしな石の板を見つけたって
いってたけど……。
*「あれ どこに しまったっけなあ。
*「うふふ……ご主人さまに
ねらわれるようになってから
スタイル よくなっちゃった
*「商品が ハーブだけだというのに
よく これだけの屋敷を
建てられたものじゃて。
*「ここの 初代のあるじは
きっと そうとうな
やり手だったに ちがいない。
*「わたくしは 丘の上にある
修道院で暮らす シスターです。
*「もし 修道院へ行きたいのなら
この先の山道を のぼってゆけば
たどりつけますよ。
キーファ「ここのウラの 山道から
修道院へ 行けるそうだぞ。
アルス 行ってみないか?
ガボ「おい アルス。
修道院ってのは なんだ?
オイラ はじめて聞いたぞ。
アルスは 立て札を 読んだ。
この先 ギュイオンヌ修道院
花びらが ぼんやりと光っている。
ふしぎなハーブだ。
キーファ「なあなあ アルス。
ここって 女しか いないんだぜ。
キーファ「お前も こんなとこで
暮らしてみたいだろ?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
キーファ「ぐふふ しょうじきだな。 |
いいえ |
キーファ「みっともないぜ アルス。 |
マリベル「ちょっと キーファ!
アルスを 悪の道に
さそいこむんじゃないわよ。
ガボ「おー 修道院ってのは
教会の 親分みたいだな。
*「ここは 歴史と伝統をほこる
ギュイオンヌ修道院です。
*「自給自足って たいへんだわ。
ウチも ハーブとか栽培して
商売できたらいいのに……。
*「毎日 同じことの くりかえし。
私も みなさんのように
気ままに 旅でもしてみたいわ。
*「ンモー!
ガボ「ンモー。
ガボ「どうだ アルス?
オイラ 牛に そっくりだったろ。
*「まあ こんな山奥の修道院に
旅人が おいでになるとは
めずらしいですわ。
*「何もないところですが
どうぞ ゆっくりしていって
くださいまし。
*「うんしょ うんしょ……ふう。
*「井戸の 水くみって
いがいと重労働ね。
男手が ほしいわ。
*「たまには 肉いりのスープを
作りたいんだけど 今は
それすらも ぜいたくなの。
*「あーあ 空からお肉でも
降ってこないかなあ。
キーファ「まさに 女の花園だな。
マリベル「すみずみまで そうじが
してあっても 古い建物であることは
かくせないようね。
*「うう……ひもじい。
*「修道院の歴史の中には
書物にも書かれていない
かくされた 出来事があるはず。
*「歴史書を 読んでいると
起こったことの すべてを
この目で見てみたくなります。
アルスは 本だなを調べた。
アルスは
「おいしい雑草の食べ方」
という本を 手にとって読んだ。
こんな本に 頼らなければ ならないほど
ここのシスターたちの 食生活は
まずしいのだろうか……。
アルスは 本だなを調べた。
アルスは
「暗がりの中で」という本を
手にとって読んだ。
”この事件が 歴史の中で
風化せぬよう 書き記しておこう。
”怪異は とつぜん おそってきた。
山がゆれ 大地はきしみ かなたの景色は
黒く にじんで 消えていった。
”元の世界から 切りはなされた
私たちの大地は まるで 闇の世界へ
ほうりこまれたかの ようだった。
*「やはり 自給自足の生活には
限界が あるのでしょう。
*「そろそろ 特産品でも作って
商売を始めることも
考えなくてはなりません。
*「たとえ それが伝統に
そむくことであっても 修道院を
存続させるためなら……。
*「わたしの家ってさ
けっこう お金持ちなんだけど……。
*「とある事情で 親に
こんな シケた修道院に
ブチこまれちゃったんだ。
*「満ち足りた生活が なつかしいわ。
*「お疲れのようですね 旅のお方。
あたたかな食事と
いち夜の寝床を 希望しますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「では ごゆっくり お休みください。 *「おはようございます。 |
いいえ |
*「来るものは こばみません。 |
*「なぜ ガケっぷちに墓があるのか
とおい昔に たてられた物なので
私には わかりかねます。
*「何かの罰として このような場所に
まいそうされたのでしょうか。
アルスは 墓石を調べた。
しかし 文字のほとんどが かけていて
名前しか 読むことができなかった。
ペペ という人の墓らしい……。
キーファ「ここは 修道院だぜ。
なんだって ペペの墓が
こんなとこに あるんだ?
アルスは 墓石を調べた。
しかし 文字のほとんどが かけていて
名前しか 読むことができなかった。
リンダ という人の墓らしい……。
マリベル「リンダって イワンと
結婚したんじゃないの?
それとも これって……。
マリベル「たんに 名前が
同じってだけなのかしら?
*「おや 旅の人かな?
なんだって? 世界を取り戻す旅を
しているだって?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「だったら ちょうど いいぞ! |
いいえ |
*「なんだ オレの空耳だったのか……。 |
*「あの おじいちゃん かなりの
よっぱらいよね。
*「神さまとか 魔王とか……。
あんまり 相手にしないほうが
いいわよ。
*「うん? なんじゃ? いつの間にか
話相手が 変わってしまったぞい!
さきほどの連中は どうした……。
*「まあ よいわ。
お前さんたちは はじめてみたいじゃから
もう いっぺん 話してやろう。
*「太古の昔の話
オルゴ・デミーラという魔王が
おってのう……。
*「こいつは 世界を切り取っては
闇に封じ込めて わがものに
しようとしたということじゃ。
*「さまざまな わざわいの種をまき
人間たちが 絶望したところを
いっきに闇に 引きずり込むという…
*「それはそれは 卑劣な手段じゃった。
*「そして そのことに気がついた神と
大魔王との はげしい戦いが
はじまった……。
*「戦いは 何百年にもおよび
精霊たちや 人間たちの英雄も
神と共に 戦ったそうじゃ。
*「その間にも 大魔王は 手下をつかい
世界を切り取っていたと
伝えられておる。
*「うん? 戦いの結果か……?
*「それは 誰も知らん。
ただ わしが思うに 神も 魔王も
ちからを使い果たして……
*「ともに ほろびたんじゃなかろうか。
だから 今 この世界には 神も魔王も
おられんのじゃろうなあ……。
*「こっくり こっくり……。
どうやら いねむりを はじめたらしい。
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