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マリベル「も もしかして
めちゃ強い魔物が 町の人間を
ひとり残らず 食べたとか……。
マリベル「いい アルス。
もし魔物が出てきたら まっさきに
あたしの 盾になりなさいよ。
ガボ「あれれ? どうしたんだ。
だーれも いないぞ。
キーファ「みょうだな。
人が 住んでいないかのように
しずまりかえっている……。
アルスは 立て札を 読んだ。
グリンフレークへ ようこそ。
目の前に 石像がある!
まるで 生きた人間が
そのまま 石像になったかのようだ。
キーファ |
キーファ「こんな不自然な場所に |
マリベル |
マリベル「こんなところに 石像だなんて マリベル「こーゆー 石像を見ていると |
ガボ |
ガボ「いまにも動きだしそうだな。 |
※ネコに話し掛けても「生きた人間」
キーファ「たしかに 以前も
こんな光景を 見たことがあるぞ。
思い出さないか アルス?
キーファ「呪いの雨のせいで
人間が 石にされたっていう
ダイアラックと そっくりだ。
ガボ「うー 気味がわるいぞ。
なんで こんなとこに
石像なんかが あるんだ?
キーファ「ただの石像じゃない。
これは 呪いのせいで 人間が
石にされた 姿なんだ。
ガボ「ウガァ! ここにある石像は
みーんな 人間だってのかい。
オイラ 信じられねえよ。
アルスは 石像をしらべた。
石と化した わかい女性だ。
あわてて宿屋に かけこんだ
しゅんかんに石になったようだ。
アルスは 石像をしらべた。
石と化した 女性だ。
アルスは 石像をしらべた。
石と化した 神父だ。
アルスは 石像をしらべた。
石と化した シスターだ。
どうやら 着替えのとちゅうで
石になってしまったらしい。
見えそうで見えない……。
アルスは 石像をしらべた。
石と化した わかい男だ。
ここまで走ってきたのだろう。
息も絶え絶えといった様子だ。
アルスは 石像をしらべた。
石と化した バーテンだ。
手にはグラスが にぎられている。
アルスは 石像をしらべた。
石と化した おどり子の娘だ。
となりに立っている おどり子と
顔が よく似ている。
どうやら 姉妹らしい。
アルスは 石像をしらべた。
石と化した おどり子の娘だ。
めいわくそうな顔をしたまま
石になっている……。
アルスは 石像をしらべた。
石と化した ニヤケ顔の戦士だ。
おどり子と 手をつないだまま
石になっている……。
アルスは 石像をしらべた。
石と化した 道具屋の男だ。
テーブルのうえに 日記が置いてある。
読んでみますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
アルスは 日記を読んだ。 ”夢を追う あの人の瞳に ”目をそらすことで あのひとは あとは 書きなぐったかのような |
いいえ |
(何も起こらない) |
アルスは 石像をしらべた。
石と化した 武器屋のオヤジだ。
アルスは 石像をしらべた。
石と化した 女性だ。
全力で 走ってきたあとのような
苦しそうな顔をしている。
アルスは 石像をしらべた。
石と化した ちいさな男の子だ。
あわてて店に かけこんだ
しゅんかんに石になったようだ。
アルスは 石像をしらべた。
石と化した 女性だ。
こうなる直前まで 料理を
していたのだろう。
長い時間が 経過しているせいか
ナベの中身は カビだらけで
何を作っていたのかは わからない。
アルスは 石像をしらべた。
石と化した わかい女性だ。
アルスは 石像をしらべた。
石と化した 老人だ。
ここまで走ってきたのだろう。
息も絶え絶えといった様子だ。
アルスは 石像をしらべた。
石と化した ネコだ。
あくびのとちゅうで
こうなってしまったようだ。
アルスは 本だなを調べた。
アルスは
「からくり大百科」という本を
手にとって読んだ。
さまざまな からくりが
イラスト入りで 紹介されている。
中でも ひときわ 目をひく記事は……。
”彼女のいない さみしい あなたを
やさしく おなぐさめします。
その名も からくりメイド!
アルスは 立て札を 読んだ。
ハーブを買いたい方は
園内の庭師に お申し付けください。
キーファ「どうやらここにも
呪いの雨が ふったみたいだな。
キーファ「そうとわかれば
はやいとこ 町の人たちを
もとに もどしてやろうぜ。
マリベル「ちょっとぉ。
いつまでも こんなとこにいて
だいじょうぶなの?
マリベル「いま 呪いの雨が
ふってきたら あたしたちまで
石になっちゃうわよ!
ガボ「みんなが 石になってるのは
もう分かったから はやく
なんとかしようぜ。
アルスは 石像をしらべた。
男が女を 守るようにして
かたまっている……。
マリベル「いやらしいわね。
昼間っから こんなとこで
なにやってんのよ。
マリベル「あのふたり
ヘンタイじゃないの!
ふけつよ ふけつ!
ガボ「なんで こいつらだけ
外で石になってんだ?
アルスは 石像をしらべた。
石と化した 男だ。
あわてて 家にかけこんだ
しゅんかんに石になったようだ。
アルスは 本だなを調べた。
本と本の間に 何かが はさまっている。
なんと 書きかけのラブレターだ!
どうやら ポルタが書いたらしい。
アルスは 石像をしらべた。
石と化した 老人だ。
トビラは 開かなかった。
アルスは 石像をしらべた。
石と化した 武闘家だ。
アルスは 石像をしらべた。
石と化した 初老の男性だ。
アルスは 石像をしらべた。
石と化した 商人の男だ。
どうやら 旅の商人らしい。
アルスは 本だなを調べた。
アルスは
「怪奇 植物図鑑」という本を
手にとって読んだ。
いっぷう 変わった植物ばかりを
集めた図鑑だ。
中でも 町を飲み込んでしまう
巨大な植物のイラストは 大迫力だ!
アルスは 石像をしらべた。
石と化した メイドだ。
アルスは 石像をしらべた。
石と化した 農夫だ。
あわてて 屋敷にかけこんだ
しゅんかんに石になったようだ。
アルスは 石像をしらべた。
石と化した わかい男だ。
窓に 顔を押しつけるようにして
きびしい表情で 外をながめている。
*「チュチュー チュチュー。
*「石っころになった人間を
ながめながら吸う ミツの味は
サイコーだな……ンキ なんだ?
*「ンキキ! お前たち人間だな。
まだ石になっていないヤツが
いたなんて おどろきだぜ。
*「キキキ 花のミツほど
あまくはないが 人間の血も
なかなかのモンだそうだ。
*「エサになってもらうぞ。
かくごしろ キキ!
あめふらし戦
ガボ「あの 長いベロを
ひっこ抜いてやろうぜ。
マリベル「あいつを倒せば
町の人たちが 元どおりに
なるんじゃないかしら。
キーファ「まさか この魔物が
町の人間を 石にしたってのか。
なんか 信じられないな……。
*「キキィ……ゆだんしたぜ。
*けど オレをたおしたくらいで
人間どもに かけられた呪いが
とけると思うなよ。
*「ザマアミロ ここの人間どもは
永遠に石っころのままだ!
キキキ……。
ガボ「そんな〜。
あいつを やっつけても
町のみんなは もとに戻らねえのか。
キーファ「ふん ザコのくせに
へらずぐちを たたきやがって。
キーファ「オレだって
そうかんたんに この呪いが
とけるなんて 思っちゃいないぜ。
マリベル「早くしてよ アルス。
みんなの呪いが とけないと
永遠に 買い物できないのよ!
キーファ「あとは ダイアラックと
同じように 天使の涙を まけば
いいだけだな。
ガボ「呪いがとけても だーれも
オイラたちが 呪いを といたって
わかんないんだろうな。
(そのへんで使った場合)
アルスは 天使の涙を
使おうとした。
しかし ここで天使の涙を使っても
町全体には 広がらないだろう。
(石像の前で使った場合)
アルスは 天使の涙を
使おうとした。
しかし 天使の涙は 直接
人にふりかけて 使うものでは
なさそうだ……。
アルスは 天使の涙を
屋上から ふりまいた……。
ガボ「ようし アルス。
呪いが とけたかどうか
見てこようぜ。
イワン「くぅ〜 頭がクラクラする。
くそう どうしたってんだ。
はっ そうだ そうだった!
イワン「オレは ペペを見ていたんだ。
ペペの野郎 オレのリンダに
ちょっかい出しやがって……。
イワン「げげっ! リンダのうえに
ペペが のっかってるぞ!
イワン「リンダを おそうなんて
ペペめ 気でもくるったか。
マリベル「ねえ 聞いたぁ?
オレのリンダ だってさ。
おもしろそうな予感がするわ。
マリベル「さあ アルス。
さっきの人を 追いかけるわよ。
ガボ「やったな アルス!
ちゃんと 呪いが とけてるぞ。
もとに もどったんだよ。
*「あら 見かけない顔ね。
あなたたちも ここで雨宿り?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「フフ そんなところでしょうね。 |
いいえ |
*「うそおっしゃい。 |
カヤ「お屋敷のことなら なんでも
聞いてちょうだいね。
カヤ「物心ついたときから 私は
ずっと お屋敷で メイドとして
はたらいてきたわ。
カヤ「いまでは だんな様から
亡き奥様のかわりとして
屋敷のことを まかされてるの。
*「灰色の雨が 降ってきたから
みんな おおあわてで
家の中に 逃げ込んだだよ。
*「おや? ボルックさん。
いつのまにか 晴れ間が
のぞいてますよ。
ボルック「おお そうか!
なにごともなく 灰色の雨が
やんでくれて よかったわい。
*「まったくですなあ。
*「しかし 雨にあたっただけで
人間が 石になっちまうなんて
ホントですかねえ?
ボルック「うたがっとるのか。
お前だって見ただろう。
あのブキミな 紫色の雨雲を!
*「とにかく ブジでなによりです。
オレは ちょいと外の様子でも
見てきますよ。
*「でも……おかしいなあ。
さっきから みょうに身体が
ぎくしゃくするんだよなあ。
キーファ「なあ 今の聞いたか?
みんな 石になっていたことを
おぼえていないようだぞ。
マリベル「おめでたいわね。
みんな 雨宿りをしたことしか
記憶にないなんてさ。
ボルック「かってに 屋敷で
雨宿りしたことなんかで
わしは おこったりせんよ。
ボルック「そんなことよりも
だいじな わしのハーブ園は
だいじょうぶだろうか。
ボルック「灰色の雨のせいで ハーブが
枯れていなければいいが……。
ガボ「自分たちが 石像に
なっていたって だーれも
気づいてないようだな。
マリベル「ちょっと アルス。
大声で さけびなさいよ。
マリベル「呪いで 石になっていた
みんなを救ったのは マリベルと
その仲間たちですって。
キーファ「この調子じゃ
誰のおかげで 救われたのか
知らなくて 当然か……。
ボルック「う〜む どうしたもんか。
さっきから どうも身体が
動かしづらくて いかんわい。
ボルック「まさか 灰色の雨のせいで
体調を こわしたわけじゃ
ないだろうな。
*「だれか来てくれ! たいへんだ!
逃げおくれたヤツが ハーブ園で
石になっちまってるぞ。
キーファ「そんなバカな!
助からなかったひとが
いるってのかよ。
ガボ「ハーブ園だったよ。
行ってみようぜ アルス。
*「灰色の雨にあたると 身体が
石になるって オトナたちが
ウワサしてたんだ。
*「だから 雨が ふってきたとき
ボクは武器屋さんのとこで
雨宿りさせてもらったんだよ。
*「すまねえ お客さん。
買いモンなら あとにしてくんな。
*「どうも身体のヤツが いうことを
きかないみたいでよ。
*「まるで おんなじカッコで
長いあいだ ずぅーっと
つっ立ってたみたいだぜ。
*「雨が あがったと分かると
雨宿りしていた みんなも
安心して 出ていっちまったよ。
*「けど おかしかったね。
動きが ぎくしゃくしてて
みんな歩きづらそうだったよ。
*「神の教えを ひろめるために
各地を旅して はや半年。
そんな私に 出来ることと言えば……。
*「ああ どうしましょう。
*「私には ゆく先々で
神の教えを広めるという
だいじなつとめがあるのに。
*「ボルックさんの 熱い熱い
まなざしは やがて旅立つ私を
引き止めたがっているみたい。
*「オレさまの ふるさとはな
ほむら祭りで有名な エンゴウよ。
*「ハーブの買い付けで この町を
おとずれたんだが ついつい
長居しちまったぜ うひひ。
*「あの戦士 仕事で来たくせに
いつまで こんなとこで
のんだくれてるつもりかな。
*「あたいの妹ってさ いっつも
水晶だのタロットだの持って
しんきくさそうな顔してんだ。
*「そこで 妹思いのあたいが
こうやって あの子のミリョクを
引き出してやってるってわけ。
*「ひどい! ひどすぎるわ。
内気な私に こんなカッコさせて
ムリヤリおどらせるんだもの。
*「姉さんが ギャンブルで
負けるたんびに 私ってば
どんどん不幸になってゆく……。
*「ねえ いまの聞いた?
ハーブ園で 逃げおくれて
石になった人がいるんだって。
*「……すいません お客さん。
またあとで来てください。
*「どうも 身体のちょうしが
おかしくって いつものように
仕事ができないんですよ。
*「まあ! なんてことかしら!
作ったばかりのシチューが
いつのまにか カビだらけだわ。
*「ふるい友人に会いたくて
遠くからきたんですが いきなり
あの雨に ふられましてね。
*「そういや あいつの娘のリンダは
どんな子に育ったのかな?
今から会うのが たのしみだ。
*「ふみゃ〜。
*「からだじゅうの筋肉が
つっぱった感じがして
動くのが しんどいわい。
*「これじゃ ハーブ園のようすを
見にいけんのう……。
*「ああ ハーブ園が気になるわい。
いったい 石になったのは
だれなんじゃろうか?
*「仕事のできねえオラにも
いつも やさしかったペペが
石になっちまうなんて……。
*「庭師のペペが いなくなったら
ハーブ園は おしまいだべ。
*「なんでい! 石だっていうから
石像みたいに なってるかと思って
期待したってのによ。
*「ありゃあ 石っていうよか
身体が カチンコチンに
かたまってるだけじゃねえか。
*「ああ……なんてこったい。
あそこに たおれてるのは
庭師の ペペじゃないか。
*「ペペのそばにいるのは
リンダちゃんなのかい?
マリベル「じゃまくさいわね。
これじゃ ハーブ園のようすが
わかんないじゃないのよっ!
マリベル「まったく 誰のおかげで
呪いがとけたと思ってんのよ。
キーファ「やれやれ ここから
中には 入れそうにないな。
うらぐちに回ってみようか?
*「押さないでくれよ。
ボクだって リンダのぶじを
たしかめに行きたいさ。
*「けど ハーブ園にはいると
ペペと同じようになりそうで
こわくて 近づけないんだ。
イワン「ペペが ちからづくで
女を ねじふせるヤツだなんて
思いもしなかった。
イワン「うちの庭師のぶんざいで
オレの かわいい いいなずけに
ちょっかいだしやがって!
マリベル「なんなのよ あの男!
せっかく ひとが話しかけてんのに
ムシすることないでしょうが。
ポルタ「おそいにもほどがある。
ペペ兄さんは どうして
もどってこないんだ。
ポルタ「リンダをつれてくるから
オレには 先に家にもどってろって
カッコいいこと言ってたくせに。
庭師「どうも さっきから身体が
おもうように動かんのです。
庭師「ハーブの買い付けでしたら
わしの息子の ペペかポルタに
言ってくださらんか。
*「前に立たないでくれよ。
リンダとペペのようすが
見えないじゃないか。
ガボ「へへーん いいだろ。
オイラたちは ハーブ園の中に
はいっちゃったもんね。
ガボ「お前は そこから
中を のぞいてろい。
話しかけても 返事はない。
かすかに 息はしているので
死んではいないようだ……。
キーファ「……おかしいな。
ちゃんと呪いは とけてるのに
なんで彼だけ 目覚めないんだ。
リンダ「目をさましてよ ペペ。
こんな時に じょうだんなんか
やめてよね……ねえ。
リンダ「お願いだから 返事をしてよ!
イワン「おちつけよリンダ!
何があったのか わかるように
せつめいしてくれ。
リンダ「ペペが…ペペが……
灰色の雨から 私をかばって
こんなことに……ううっ。
ボルック「よかった よかった。
ハーブ園に被害はないようだな。
……おや? イワンか。
ボルック「どうしたんだ イワン。
こんなとこで 何をやってる。
イワン「聞いてよ 父さん!
ペペが 灰色の雨をあびたんだ。
イワン「石には ならなかったけど
いしきを失ってて ぜんぜん
目をさまさないんだよ。
ボルック「な なんだと!
ボルック「それならそうと
ボサッとしとらんで とっとと
ペペを 家にはこんでやれ!
イワン「でも ペペの身体は
石みたいに かたくなってて
ひとりじゃ はこべないよ。
ボルック「ええい なさけない男だ。
ボルック「すまんが 旅のおかた。
ペペを家まで はこぶのに
ちと 手をかしてくださらんか。
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
ボルック「恩にきます 旅のかた。 |
いいえ |
ボルック「灰色の雨がやんだあと ボルック「うちで雨宿りをした (ループ) |
ボルック「アルスさん。
その話は本当なのですか。
ボルック「町の すべての人間が
石になっていただなんて
わしには信じられん。
キーファ |
キーファ「ウソじゃないよ。 キーファ「どれくらいのあいだ |
マリベル |
マリベル「ホントだってば! マリベル「あたしたちが マリベル「すこしぐらい |
ガボ |
ガボ「オイラたちが来たときは ガボ「オッチャンは オイラたちを |
ボルック「いやいや もうしわけない。
もう うたがったりしません。
しかし なんということだ……。
ボルック「以前 町をおとずれた
子づれの老人が 語ったとおり
人間が 石になってしまうとはな。
ボルック「ひとつ 納得できんのは
わしらは こうして助かったのに
なぜ ペペだけが……。
リンダ「みんな 私がわるいの。
私をかばったせいで ペペは
灰色の雨を 直接あびてしまった。
リンダ「どうしてよ ペペ?
いつもは私に つめたいくせに
なんで あのときだけ……。
イワン「おっと 忘れるとこだった。
リンダ オレは見てたんだぞ。
イワン「ハーブ園で ペペと
いったい 何をやっていた?
せつめいしてくれよ。
リンダ「べ べつに何も……。
イワン「だったら聞かせてくれ。
それとも 婚約者のオレにも
言えないようなことなのかい。
リンダ「イワンのバカ!
私は なにもしてないわよ。
もう ほっといてっ!
イワン「あっ! リンダ!
ボルック「……イワンめ。
客人の前だというのに
はしたないマネをしおって。
ボルック「すまんが アルスさん。
話の続きは 屋敷でしましょう。
あとで ぜひ いらしてください。
ポルタ「兄さんは ハーブひとすじで
今まで 生きてきた人なんです。
ポルタ「いつか 自分のハーブ園を
もつっていうのが 兄さんの
幼いころからの夢だったんだ。
ポルタ「それが かなうまでは
兄さんは 死んだりしねえ……。
庭師「……ばかな息子です。
身をギセイにして リンダを
かばったとしても……。
庭師「もう すでにリンダには
イワンという いいなずけが
おるというのに。
話しかけても 返事はない。
いぜんとして ペペは
ねむりつづけている。
*「ペペが あんなことになるなんて
ホントに ざんねんだよ。
*「庭師さんとこも ペペが
うごけないあいだは 仕事が
たいへんになるだろうね。
*「さっきイワンが リンダを
おっかけていくのを見たよ。
でも 分かってないよな。
*「キゲンの悪いときの女は
そっとしておくのが
いちばんだってのにさ。
マリベル「ねえ アルス。
あたしが 誰かと つきあったら
あんたは やきもちを焼く?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
マリベル「ふふん あたしってば |
いいえ |
マリベル「なんてすってぇ〜。 |
キーファ「やはり 自分たちが
石になっていたって 聞いたら
誰でも うろたえるか。
キーファ「だまっていたほうが
よかったのかな……。
ガボ「はやくはやく アルス。
おっちゃんの家に いそごうぜ。
ガボ「ボルックのおっちゃんは
みんなを救った オイラたちに
きっと お礼をしてくれるんだよ。
*「ステキですわ!
ここがボルックさんの
ハーブ園ですのね。
*「手入れのゆきとどいた
とても美しい庭ですわ。
*「ペペに会いたくて リンダが
いつもハーブ園に来ていたのは
みんなが 知ってることだべ。
*「クチには出さなくても
リンダの たいどをみれば
オラにだって分かるべ。
*「みんなには ないしょだよ。
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「なら 話してあげるよ。 *「あの雨が ふったとき |
いいえ |
*「だったら言えないよ。 |
*「灰色の雨が ふるなんて
きっと グリンフレークが
はじまって以来の大事件よ。
*「さっきは 体調が
すぐれなかったけど
もう だいじょうぶだぜ。
*「さあ お客さん。
じゃんじゃん買ってくんな。
*「あのブキミな雨もやんで
みんな ひとあんしんさ。
*「これで はやくペペが
目をさましてくれれば
言うことナシなのにねえ。
*「さいきん 下の酒場が
さわがしくってねえ。
まったく やになっちゃうよ。
*「おっと お客さんにグチッても
しょうがないわねえ……。
*「ついさっき イワンが
とても がっかりした顔で
屋敷に もどっていったわ。
*「わがままで強気なイワンも
リンダの前では かたなしね。
*「うごかしづらかった身体も
ようやく いつもの調子に
もどってきたみたいだぜ。
*「ホントは この店はリンダの
死んだ両親のものなんです。
*「でも リンダが店をやるのは
ムリだから かわりに私が
商売させてもらってるんです。
リンダ「ああ おぼえてるわ。
ペペを運んでくれた 旅人さんね。
リンダ「もしかして あなたたちも
私とペペのことを かんぐって
ここまで来たっていうの?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
リンダ「じょ じょうだんじゃないわ。 リンダ「ペペが 寝たきりに リンダ「そ それに あいつは |
いいえ |
リンダ「なら いいわ。 |
キーファ「いまは リンダを
ひとりにしてやったほうが
いいんじゃないのか。
*「リンダは ほんとうに
満足してるのかしら?
*「死んだ両親が ボルックさんに
お金を用立てて もらったからって
お嫁にいく必要は ないわさ。
*「でも お金を 返せないことが
負い目になってるから イワンの
求婚を 断れなかったのかねえ。
*「うーむ おっかしいのう。
*「灰色の雨が ふってきおったのに
じめんに 水たまりひとつ
ありゃせんわい。
*「うな〜。
イワン「ペペが 寝たきりに
なったせいで リンダのやつ
元気がなくってさ……。
イワン「オレの前じゃ 強がって
みせてたけど ありゃあ 相当
落ちこんでるよ 絶対。
イワン「どうしよう……このままじゃ
リンダとの結婚の話を これ以上
進めることが できやしないよ。
ボルック「ええい 泣き言など言わず
だまって リンダの不安を
とりのぞくことを 考えんか!
ボルック「困ったことだが イワンよ。
ペペは リンダの幼なじみだし
ショックが大きいのも 当然だ。
ボルック「やはり リンダのためにも
ペペには なんとしてでも
目覚めてもらわねば ならんぞ。
イワン「そうだね オレも
ペペを目覚めさせる方法を
ひとりで考えてみるよ。
マリベル「イワンの とりえって
親が お金持ちだっていう
ことだけのようね。
マリベル「おなじ お金持ちでも
すべてにおいて 欠点のない
あたしとは おおちがいね。
ボルック「おお アルスさん
約束どおり わしの屋敷に
来てくださいましたか。
ボルック「まったく こんなことに
なってしまうとは……。
ボルック「リンダが 心配です。
それとなく 彼女を
気づかってくださらんか。
ボルック「旅の あなたがたに
こんなことまで たのんで
まことに 心苦しいのですが。
ボルック「それにしても
こんな時に わしの息子イワンは
いったい なにをしているんだ…。
ガボ「とほほのほ〜。
期待してたのに……。
ガボ「てっきり オイラは 町を救った
お礼を してくれるものだと
思っていたのに ガッカリだぞ。
ボルック「ペペが目覚めることで
リンダが 元気になるのなら
その気持ちを くんでやりたい。
ボルック「リンダには 気持ちよく
息子に とついでほしいのです。
ボルック「息子とリンダの結婚が
決まれば わしも したくもない
借金の取り立てを しないですむ。
ボルック「金を用立てた わしの立場で
借金を 帳消しにしてやるには
嫁に来てもらうほか ないのです。
トビラには カギがかかっている。
カヤ「ずいぶん お疲れのようで。
またリンダのことで あれこれ
なやんでいるのかしら?
イワン「すまんが ひとりにしてくれ。
考え事は ひとりになった方が
はかどるっていうだろ。
イワン「や やめてくれよカヤ!
カヤ「ふーん あらそう。
でも リンダとペペだって
これくらい やってるわよ。
イワン「でたらめ言うな!
カヤ「じゃあ しょっちゅうリンダが
ペペのいるハーブ園に通うのは
どうしてだか おわかり?
イワン「ハーブが好きだからだろ。
カヤ「おめでたい人ね。
好きなのは ハーブではなく
ハーブ園にいるペペではなくて?
イワン「いいかげんにしろよ。
そんなことが お前に
わかってたまるか。
イワン「リンダが オレの気持ちを
うらぎるなんて 絶対にない。
絶対に絶対に絶対にだッ!
マリベル「ゆるすまじ イワン。
ふたまたを かけていたなんて
すべての女性のテキだわ!
キーファ「あつくなるなよ。
たぶん あのメイドとは 今は
もう なんでもないんだよ。
マリベル「うっさいわね バカ王子。
なんで そう言い切れるのよ。
知りもしないくせにぃ!
マリベル「ふけつよ ふけつ!
イワンに リンダを愛する資格は
まったく ないわ。
ガボ「メイドと イワンのことか?
わりぃな 男と女のことは
オイラにゃ よく分かんねえよ。
カヤ「かわいそうな人がいると
自分が助けねばならないと
強く はげしく思いこむ。
カヤ「イワン様の悪いクセなのよ。
昔は その相手がリンダではなく
私だったのに……。
キーファ「イワンと あのメイドは
人には言えない あやしい関係を
もっていそうだなあ。
*「雲ひとつない 晴れの日は
東の炎の山が 見えるはずなんだけど
きょうは 全然 見えないんだ。
*「まさか 炎の山が ばくはつして
なくなっちまったんじゃ ないよな。
*「イワンぼっちゃんも じつに
せわしない人だねえ。
*「リンダの家なんて
すぐそばなんだから べつに
走らなくたっていいのによ。
*「イワンも こりない人よね。
いま リンダに会いにいったって
追い返されるのがオチなのに。
イワン「うう ちくしょう。
話す間もなく リンダに
追い出されてしまった……。
イワン「いまのオレにできるのは
リンダのキゲンが なおるのを
待つことぐらいだな。
マリベル「あはは いいきみぃー。
*「……リンダちゃん。
コレ 少ないんだけど
借金の足しにしてよ。
リンダ「よしてください。
お金なんて もらえません。
*「キミの お父さんには 若いころ
とても世話になったんだ。
だから うけとってよ。
*「亡くなったご両親の
借金だって まだかなり
残っているんだろ。
リンダ「それなら心配ないです。
私 イワンと結婚するんです。
だから借金のことは いいの。
*「ええ!?
ボルックさんの息子とかい?
そうか! それはおめでとう!
*「じゃあ これは ご祝儀だ。
少ないけど とっておいてくれ。
それじゃ元気でね リンダちゃん。
キーファ「借金かあ……。
キーファ「生まれて このかた
金に 不自由したことがないから
オレには なじみがないな。
ガボ「かわいそうだな。
リンダには 父ちゃんも
母ちゃんも いないのか。
リンダ「つらいときに 人から
やさしくされるのって とても
ありがたいことだけど……。
リンダ「今は だれに何をされても
心が いたむだけなのよ。
リンダ「相手の やさしさに
こたえられるだけの
よゆうがないから。
ガボ「アルスは のんきだなあ。
はやく リンダのあとを追おうぜ。
マリベル「リンダってさあ
どことなく 影のある女性よね。
彼女を 夜にたとえると……。
マリベル「さしずめ あたしは
昼のような女性かしらね。
あんたも そう思うでしょ?
はい/いいえ | |
---|---|
はい/いいえ |
マリベル「なによなによ バカにして |
イワン「オレは 何もしてないぞ。
イワン「家を出ていくリンダに
ついていこうとしたら
来るなって言われただけだよ。
*「いったい 何があったの?
道具屋からでていったのって
たしかにリンダだったよね。
*「リンダが なにやら
思いつめたような顔をして
ハーブ園のほうに行ったぜ。
*「さては イワンぼっちゃんと
ケンカでもしたかな。
ポルタ「ペペ兄さんにかわって
ハーブの世話は オレが
きちっと やっとかねえとな。
ポルタ「兄さんが目覚めたとき
ハーブ園が 荒れ放題だったら
しかられるのはオレだしな。
*「さっき リンダに声をかけたら
みごとにムシされちまったよ。
*「イワンとの 結婚が近いから
神経質になってんのかねえ。
*「はたらくペペのいない
ハーブ園ってのも なんだか
ものさびしい気がするな。
*「父と母を いっぺんに
なくすなんて リンダも
かわいそうになあ。
*「リンダが不幸になったぶん
夫となるイワンが しあわせに
してあげられれば よいのだが。
*「教会のない この町に
しばらく とどまると
神父さまは言っておりました。
*「町にいる時間が ながびけば
それだけ私も ボルックさんに
お近付きになれますわ。
庭師「お前さんが悪く思うことなど
すこしも ありゃせんわい。
庭師「あのバカが 自分でかってに
やったことなんじゃから
もう 気にするでない。
リンダ「でも ずっとペペが
このままだと思うと 私……。
庭師「だいじょうぶじゃ。
庭師「世の中には 秘薬という
どんな病をも治してしまう
すごい薬があるそうじゃ。
庭師「それを手に入れることが
できれば ひょっとしたら
ペペを救えるかもしれん。
キーファ「秘薬か……。
だけど そんなもん どうやって
探せっていうんだよ。
マリベル「アルスのことだからさ
秘薬を 持ってきてあげようとか
いらんことを 考えてんでしょ。
マリベル「あ〜 しんどい。
おひとよしと 冒険してると
ホント 苦労させられるわ。
ガボ「どんな病気も治す 薬かぁ。
そんな べんりなモノが
ホントに あんのか?
マリベル「ん〜 秘薬ねぇ……って。
バカねえ あたしに聞いたって
わかるわけ ないじゃないの!
庭師「どんな病をも治す秘薬の
産地は 東の けわしい山々を
こえた先にあるそうじゃよ。
庭師「そこで 旅のお方よ。
東へ旅立つ用事があるのなら
秘薬を買ってきてはくれまいか。
庭師「老いた わしより先に
息子が寝たきりになるなど
見るに しのびないんじゃ。
ガボ「東の方から 来たってヤツを
さがしだして 秘薬のことを
聞き出そうぜ。
キーファ「秘薬の 手がかりさえ
つかめれば あとは 行って
取ってくるだけなんだけどなあ。
リンダ「石になった私たちを
救ってくれたのは みなさんだと
聞きおよびました。
リンダ「どうか お願いです。
ペペを治す薬を 私のかわりに
探して いただけないでしょうか。
リンダ「秘薬なんて 旅することに
なれていない 私なんかじゃ
手に入れられそうにないから。
キーファ「美人に頼まれりゃ
なんとしてでも のぞみを
かなえて やりたくなるよな。
*「そういや どんな病気でも治す
すごい薬をつくる バアさんが
エンゴウにいるって聞いたよ。
*「そのバアさんは 薬師としての
ウデだけではなく 占い師としての
能力も 一流なんだってよ。
ポルタ「ここから東の エンゴウから
ハーブを買いにきたって人が
宿屋にいるって 聞いたんだけどさ。
ポルタ「いつまでたっても
ハーブ園に 来ないんだ。
いったい 何してんのかな?
キーファ「なつかしいなぁ。
エンゴウって聞くと まっさきに
ほむらまつりを 思い出すよな。
マリベル「ふ〜ん この町に
はるばる エンゴウから
来たってひとが いるんだ。
*「ここは グリンフレーク。
ハーブ園で有名な町よ。
*「おっとっと お客さん。
買いものなら カウンターの
正面から話しかけてくんな。
*「さいきん 下の酒場が
さわがしくってねえ。
*「エンゴウから 来たって客が
仕事もせずに いち日じゅう
飲んだくれてんだよ。
*「私にだって 聞いてほしい
なやみくらいは あるけど
リンダには相談できないよ。
*「だって ペペやイワンのことで
頭が いっぱいだろうからさ。
イワン「ペペが目覚めないかぎり
リンダは 結婚どころじゃ
ないんだろうなあ。
イワン「オレよりも ペペの方が
リンダに想われてるみたいで
しゃくにさわるぜ。
*「えらいこっちゃ えらいこっちゃ。
大陸の東に そびえる炎の山が
そっくり なくなってるんだ。
*「もう ほむら祭りにも
エンゴウにも 行けないってのかよ。
誰か 何とかしてくれよ。
キーファ「ふ〜む。どうやら 東のほうには
おいそれとは いけないみたいだな。
さて どうしたものか……。
*「エンゴウの 占い師にして
薬師でもあるパミラが 薬の材料に
よく ハーブを愛用しとるそうじゃ。
*「そんなわけで パミラの使いが
ちょくちょく 町に来るんじゃよ。
今も 使いが来とるそうじゃ。
*「私が この町を おとずれる
数ヶ月前に 子供をつれた老人が
やってきたそうなんです。
*「老人は 灰色の雨の恐ろしさを
語ってくれたのですが そのときは
誰も 信じていなかったそうです。
カヤ「いいかげんに もう そろそろ
イワン様も ご自分の気持ちに
気付いてくれないかしらね。
カヤ「イワン様が 愛しているのは
リンダではなく リンダの不幸な
身の上だということに……。
*「アッタマきちゃうなあ。
妹を モテる女にするために
おどりを教えてたってのにさ。
*「よっぱらいに ステージ
とられちゃったよ。
*「すごいわ あの戦士。
酔ってベロンベロンなのに
まだ おどり続けてるの。
*「ちょっとちょっと お客さん!
*「わざわざ 遠いとこから
ハーブを買うために
やってきたんでしょ。
*「だったら こんなとこで
いつまでも悪酔いしてないで
ちゃんと仕事しなよ。
*「ぬおおぉ これは悪い夢だ。
パミラばあさんに 頼まれて
薬の材料を 買いにきたってのに…。
*「いつのまにか エンゴウに
帰れなくなってるなんてよぉ。
こんなこと あってたまるか!
*「だから これは夢なんだ。
よっぱらってる オレが見た
悪い夢なんだああぁっ!
マリベル「いくら ものおぼえの悪い
アルスだって パミラのことは
ちゃーんと おぼえてるわよね?
マリベル「しっかし あのバアさんが
秘薬を作る 有名人だったとは
ひとって みかけによらないのね。
キーファ「そうだったのか!
ここから 東のほうに行くと
エンゴウがあるのか。
キーファ「でも 東のほうに
どうやっていくかだな……。
マリベル「占い師のおばあさん
ほんとに 薬を持ってるかしら。
キーファ「アルス はやく
パミラさんに 会いに行こうぜ!
ガボ「はやく ペペの兄ちゃんを
元に もどしてやりたいぞ!
*「ここは エンゴウの村だよ。
ん? あれれ あんたたち
どこかで 見たような……。
*「あっ 思いだしたよっ。
あんたたち この村を
すくってくれた 救世主さまだ!
*「また この村に きてくれたんだ。
いやあ うれしいねえ。
ゆっくりしていって おくれよ。
マリベル「そう! あたしこそが
救世主マリベルさまよ〜。
忘れないでねー。
ガボ「救世主? アルスの名前は
アルスじゃ ないのか?
キーファ「あんなふうに いわれると
なんか うれしいよな へへっ。
*「うむうむ 今日も
よく もえとるわい。
いい炎の色じゃ。
*「はあ…… 今年の祭りも
楽しかったなあ。
つぎの祭りが まちどおしいなあ
ちくしょう。
*「いやあ 娘が うまれてから
すっかり 妻の料理も
まともに なりましてね。
*「こうなると あのころの
ちょっと にがーい味が
なつかしかったりして。
*「ママー おなか すいたー!
*「えーと えーと お昼ごはん
なにを つくろうかしら?
おいしくて 栄養のあるものは……。
*「けっきょく 息子には
ほんとのことを 言ってしまったよ。
*「でも 息子のやつ とつぜん
けっこん しちまってね。
この村で くらすんだとさ。
*「わしが 病気のふりまで したのは
なんじゃったのかのう。
やれやれ……。
キーファ「あの ばあさんの
とりこし苦労だったってわけか。
まあ 丸く おさまったようだな。
*「母さんの話を 聞いたときは
ちょっと おどろいたけど
もう 平気さ。
*「愛する人を 見つけたんだ。
もう 旅に でたいなんて
思わないよ。
キーファ「そうかー ケッコンしたら
旅には 出づらいよな……。
*「あんたたち あたしのこと
おぼえてる?
あたしは おぼえてるけど?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「あは ちょっと うれしいな。 *「おどりを すてたわけじゃないわ。 |
いいえ |
*「やだなあ なん年か前の |
マリベル「なんだ このふたり
ケッコンしちゃったのか。
つまんないのー。
*「アルスさん?
アルスさんですよね。
また 会えるなんて!
*「あれから もう数年たちましたが
おかしなことは おこっていません。
だから 安心してくださいね。
*「あれから パミラばあさんの
おっかない予言も ないし
この村は 平和そのものだよ。
*「これも すべて オレが
炎の神さまに 毎日 ちゃあんと
いのってる おかげだな。
*「今日も 明日も おせんたく!
でも ここ あったかいから
すぐ せんたくものが かわくの。
*「だから 毎日 せんたくして
ぜんぜん もんだいなし!
*「あっ あなたたち
ひさしぶりねー。
なんか なつかしいわー。
*「あなたたちのカツヤク
まだまだ わすれてないわよー。
*「ふう…… そろそろ
おっかけっこも あきてきたなあ。
もう そんなトシでも ないしね。
*「なにか あたらしい あそびを
見つけないとなー。
キーファ「オレたちが あたらしい
遊びを 教えてやろうか?
なあ アルス。
マリベル「ふん どうせ ろくな
遊びじゃ ないでしょ。
ガボ「オイラは おっかけっこ
大好きだぞ!
*「彼ったら さいきん
あたしを おっかけるのに
気合いが はいってないのよね。
*「ケンタイキって やつかしら?
ガボ「ケンタイキって なんだー?
マリベル「なによ マセた子ねー。
エルマ「うわさの うらない師
エルマの店へ ようこそ!
うらないは いかがですか?
はい/いいえ | |
---|---|
はい/いいえ |
エルマ「なーんちゃってね。 エルマ「パミラさまなら たぶん |
マリベル「弟子があれじゃ 占い師の
おばあさんも 苦労するわね……。
ガボ「あの光ってる玉 キレイだな。
オイラ もらっちゃダメかな?
*「ん? おお すまんな。
パミラに なにか 用が
あったんじゃな。
*「わしが パミラを
よびつけたんじゃ。
薬を たのんどいたんでな。
*「このトシになると いろいろと
薬に たよらねば ならんことも
あるんでな。
マリベル「やだやだ トシは
とりたくないわねー。
ガボ「オイラ 薬キライだ。
だって にがいからな!
*「こないだ ついに聞いちゃったの。
パミラさまと おくさまで むかし
長老さまを とりあってたんだって。
*「で けっきょく 今の おくさまが
勝ったんだけど けっこう
あついたたかいが あったらしいわよ。
*「今じゃ ふたりとも
なかよし みたいだけどね。
マリベル「あらあら あの長老さん
女の人に 人気あったのねー。
マリベル「くすくす アルスとは
えらいちがいよねー。
長老「ほう…… 今日も
炎の山は おちついたものじゃ。
なにより なにより……。
長老「なんと! アルスどのたちかっ。
これは よくぞ おいでくださった。
いや おなつかしい。
長老「あの日のことを わしらは
ぜったいに わすれんよ。
炎の神へ いのるたび 思いだす。
長老「そして よりいっそう
炎の神への かんしゃの心を
強めていって おるんじゃ。
パミラ「おうおう アルスらか。
ひさしいのう。
パミラ「旅は とどこおりなく
すすんでおるのか?
おや……。
パミラ「どうやら なにか
こまりごとが あるようじゃな。
わしで よければ 話してみい。
ハーブ園のペペのことを話しますか?
いいえを選んだ場合のみ | |
---|---|
いいえを選んだ場合のみ |
パミラ「そうかい。 パミラ「なにか あったら |
マリベル「おばあさんの薬
もらわなくていいの アルス?
ガボ「薬がないと ペペの兄ちゃん
なおらないぞ アルス!
キーファ「おい アルス
パミラさんに 薬をもらうために
ここに 来たんだろ!
パミラ「ふむ やはり なにか
こまりごとが あると見える。
どうじゃ 話してみぬか?
ハーブ園のペペのことを話しますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
パミラ「……ほう 人が石と化すとは パミラ「しかし カラダが パミラ「どれ…… ちょっと |
いいえ |
パミラ「そうかい。 パミラ「なにか あったら |
マリベル「薬 あるといいわね。
ガボ「これで ペペの兄ちゃん
なおるんだな? よかったぞ。
キーファ「よし アルス
オレたちも パミラさんの家へ
行ってみようぜ。
*「パミラの つくる薬に
まちがいは ない。
まかしておいて だいじょうぶじゃ。
エルマ「いらっしゃいませー。
よくきく薬と うらないの店パミラは
こちらでーす!
パミラ「ふむ…… 先ほどの
おぬしらの話から 効きそうな
薬を 調合しておいたぞ。
パミラ「さあ もっていくがよい。
アルスは パミラのひやくを
手に いれた!
パミラ「そいつは わしの薬の中でも
とっておきの 強力な薬じゃ。
そいつなら だいじょうぶじゃろう。
パミラ「さあ はやく そいつを
その かわいそうな男のところへ
もっていって やるんじゃな。
マリベル「薬 手に入って
よかったわね アルス。
キーファ「よし アルス
急いで ハーブ園へ もどろう!
ガボ「ペペの兄ちゃん はやく
なおして やりたいぞ!
パミラ「その薬は それで最後じゃ。
よけいなことに つかうでないぞ。
庭師「朝からずっと みなさんが
帰ってくるような気がして
ここで 待っておりました。
庭師「もしや アルスさん。
ペペの病をなおす薬を
持ってきてくれたのでは?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
庭師「ありがとうございます! 庭師「わしは このことをリンダに |
いいえ |
庭師「いいや みなさんの 庭師「もういちど 聞きます。 (ループ) |
ガボ「ペペの父ちゃんも
ペペが心配で いてもたっても
いられないようだったな。
マリベル「そういや あたしたちって
まだ いちども ペペの声を
聞いてないのよね。
マリベル「イワンなんかより
かっこいい声の 持ちぬしだと
いいんだけど。
*「う〜ん どうしてリンダは
元気がないんだろう。
*「まだ ペペとケンカしたことを
気にしてるのかなあ。
*「あれから だいぶ日がたつのに
ペペは また寝たきりだっぺよ。
*「なんだい あんたたち。
ついに きちょうな秘薬を
手に入れたってのかい?
*「だったら はやく ペペに
飲ませてやんなよ。
カヤ「さいきん イワン様だけでなく
だんな様まで元気がないの。
カヤ「ペペが目覚めないせいで
リンダとの 結婚の話を
すすめられないからかしらね。
*「リンダは毎日 おみまいがてら
ペペの家に かよってるのよ。
*「彼女なりに せきにんを
感じてるみたいね。
イワン「すごい薬を手に入れたって
聞いたけど ホントにそれで
ペペが目覚めるのかい?
マリベル「なにやってんのよ!
みんな 期待してんだから
早く 薬を飲ませなさいよ。
ボルック「話は聞いています。
ペペを目覚めさせるための
秘薬を 手に入れたそうですね。
ボルック「わしは信じていましたぞ。
アルスさんたちなら かならず
なんとかしてくれると。
リンダ「お願いします。
はやく その薬をペペに!
ポルタ「いろんな薬を ためしたけど
どれも ききめがなかった。
ポルタ「みなさんのもってきた薬は
兄さんに きくだろうか……。
庭師「みなさん 息子のために
わざわざ ありがとうございます
庭師「さあ早く その秘薬を
ペペに飲ませてやってくだされ。
アルスは パミラのひやくを
ペペのクチに ふくませた……。
ペペ「ううっ からだが……。
ボルック「おお! 奇跡だ。
ポルタ「兄さん兄さん!
やっと 目が覚めたんだね。
リンダ「ねえペペ わかる?
私だよ リンダだよ。
ペペ「ああ ブジだったのか。
よかった 石になってなくて。
リンダ「ううん ちがうよ。
いちどは町の全員が
石になっちゃったのよ。
庭師「そして みなが助かったあとも
お前ひとりだけが なぜか
寝たきりになってしもうたんじゃ。
庭師「そのお前を 助けてくれたのが
ここにいる みなさんじゃよ。
ペペ「そうだったのか……。
ありがとう みなさん。
すっかり お世話になったようで。
イワン「はた迷惑なヤツだよ。
寝ているあいだ ずっとリンダを
独占していたんだから。
イワン「まあ ペペが 目覚めたおかげで
リンダが 元気になったんだから
ペペに 感謝ってところかな。
イワン「そうだ 父さん。
今夜 ペペの全快をいわって
うたげを ひらこう。
ボルック「おお それはいい。
ぜひ アルスさんたちにも
出席していただきましょう。
ボルック「では うたげの用意が
ととのうまで わしの屋敷で
しばし お休みください。
カヤ「用意が ととのいましたので
どうぞ お出かけください。
場所はハーブ園です。
カヤ「お料理は 私がウデに
よりをかけて 作りましたので
たくさん食べてくださいましね。
キーファ「ペペの全快を いわって
うたげを ひらくなんて イワンも
意外と いいとこあるじゃないか。
マリベル「いなかの 料理ごときで
この あたしの 上品な味覚を
満足させられるのかしら。
マリベル「いい? もしマズかったら
アルスが あたしに代わって
テーブルを ひっくり返すのよ。
ガボ「ウガァ はやく行こうよ。
いそがないと ごちそうが
なくなっちゃうぞ。
ガボ「やったぞ アルス!
ついに オイラたちが メシに
ありつけるときがきたぞ。
*「あれだけ たくさんの料理を
ほとんどひとりで 作っちまうなんて
カヤも たいしたもんだね。
カヤ「いってらっしゃいませ。
カヤ「お料理は 私がウデに
よりをかけて 作りましたので
たくさん食べてくださいましね。
ペペ「おや どうしたんです?
もう うたげは始まってますよ。
ペペ「えっ ぼくですか?
ペペ「ええと…ぼくは ちょっと
飲みすぎたみたいなんで
酔いを さましてるんですよ。
ペペ「もう しばらくしたら
ハーブ園にもどります。
ガボ「ペペも まだまだだな。
酒なんか飲まないで メシだけに
せんねんすべきだぞ。
ガボ「それが だれよりも
たくさん食う オイラの秘訣だ。
ためになっただろ えっへん。
マリベル「ペペって あたし好みの
美声の もちぬしだわ。
マリベル「かたや あんたときたら
ホント ガキっぽい声よね。
*「すぴー すぴー……。
*「そういえば うちの娘ったら
ずいぶん 気合いをいれて
めかしこんでいたわね。
*「フフ ようやく うちの娘にも
春が来たってことかしら。
*「ぐぅー ぐぅー
*「ふみゃあ。
*「ハーブ園の うたげに
だいじな お客を み〜んな
もってかれちゃいましたよ。
*「まあ ひとりで過ごす
静かな夜も たまにはいいかな。
*「ぐが〜 ぐご〜 ぐが〜。
*「ボルックさんの重大発表なら
たぶん アレだよアレ。
*「イワンぼっちゃんとリンダの
結婚にかんすることさ。
庭師「ペペめ いったい どこを
ほっつき歩いとるんじゃ。
庭師「だんな様の お心づかいを
だいなしにするつもりか!
*「なんでも 今夜のうたげは
ペペの全快いわいとして
もよおされたそうですよ。
*「カンゲキですわ!
ここの住人でもない 私まで
まねいてくださるなんて。
*「ボルックさんて なんて心の広い
お方なのかしら。
*「あとで ボルックさんから
重大発表があるんだってよ。
いったい なんだろうな?
*「パーティーは出会いの場。
ステキな男性を とっつかまえる
ぜっこうの機会なのよん
*「もうっ! 姉さんったら。
なんて はしたないのかしら。
*「こんな人でも 父さんのカタキを
うつまでは 今より ずぅーっと
しっかりした人だったのに……。
*「えへへ ママの目をぬすんで
こっそり 家を抜けだすのは
たいへんだったよ。
*「今夜は おけしょうだって
ばっちりキメてきたもん。
*「向かいの あのひとも
きっと私にメロメロね。
ポルタ「オレも もう いい年だから
そろそろ 結婚したいなあ。
ポルタ「イワンのとなりに
リンダがいるのを見てると
うらやましくってさあ。
リンダ「ペペが助かったのも
みなさんのおかげです。
ほんとうに ありがとう。
イワン「いつのまにか ペペが
いなくなってるんだ。
イワン「今夜の主役は
あいつだってのに……。
ボルック「おお 待ちかねましたぞ。
ようこそ おいでくださいました。
ボルック「気軽な席ですので
どうぞ 自由気ままに
料理を おつまみください。
ボルック「ところで みなさん。
話はかわりますが どこかで
ペペを見かけませんでしたか?
ボルック「どうもペペのヤツ
わしの気づかぬうちに こっそり
席を はずしたみたいで。
ボルック「やみあがりだから
まだ身体のほうが 本調子では
ないのでしょうか……。
キーファ「やっぱ 主役である
ペペがいないと うたげは
もりあがらないか。
マリベル「えー あたしヤダ。
ペペを 呼びにいくんなら
あんた ひとりで行きなさいよ。
ガボ「ペペは オトナなんだから
ほっといても そのうち
もどってくると思うぞ。
ペペ「……バカいってんじゃないよ。
そんなこと できるわけないだろ。
カヤ「ぜったい うまくいくわ。
だいいち あなたには
ハーブがあるじゃない。
カヤ「リンダと ふたりで
この町を出ていったとしても
やっていけるわよ!
ペペ「かけおちなんかしてみろ。
残された 父さんと弟が
どうなるか想像つくだろ。
カヤ「リンダと 一緒になれるのよ。
だったら 家族のことなんて
どうだっていいじゃない!
カヤ「私は イワン様のもとで
メイドとしての生活を
続けていきたいだけなの。
ペペ「だから ぼくに リンダと
かけおちしろってのか。
ハン じょうだんじゃない。
ペペ「わるいが ことわる。
かけおちなんて身勝手なこと
ぼくに できるもんか。
カヤ「あなた……リンダが
イワンの妻になるのを
そばで見ていて平気なの?
カヤ「くやしいって思わないの!
ペペ「……。
キーファ「あのメイドって
ホンキで イワンのことが
好きだったんだなぁ。
マリベル「いまさら 気づいたの?
バッカじゃないの あたしなんか
さいしょっから 知ってたもんね!
ガボ「なんども 聞くなって。
オラには 男と女のことは
ちんぷんかんぷんだぞ。
マリベル「うぶな アルスのために
親切な あたしが わかりやすーく
説明してあげる。いいわね?
マリベル「まず カヤはイワンが好き。
イワンはリンダに メ〜ロメロ。
リンダはペペに まっしぐら。
マリベル「さて ペペが好きなのは
いったい だれでしょうか?
あとは自分で 考えること。
カヤ「あら みなさん。
どうです? 私の料理は
おくちにあいまして?
はい/いいえ | |
---|---|
はい/いいえ |
カヤ「うふふ そうですか。 カヤ「……じょうだんですよ。 カヤ「リンダさえ いなくなれば |
ガボ「びっくらこいたぁ〜。
メシに 毒を まぜただなんて
シャレになんねえぞ。
ペペ「えっ まだハーブ園に
もどらないのかって?
ペペ「じつは ぐあいが悪くて
人のたくさんいる場所には
いたくないんです。
ペペ「ですから みなさんは
ぼくなんかにかまわず うたげを
楽しんできてください。
マリベル「あ〜 気になるわ。
マリベル「ちょっと アルス!
リンダが好きなのか どうか
ペペに聞いてきなさいよ。
*「やれやれ いつになったら
ボルックさんは 重大発表とやらを
するつもりなんだ。
*「お前さん ちょいと行って
聞いてきておくれよ。
*「お酒ってスゴイなぁ。
ちょっと においを かいだだけで
アタマが クラクラするよ。
ボルック「おお ちょうどよかった。
みなさん どこかでペペを
みかけませんでしたか?
はい/いいえ | |
---|---|
はい/いいえ |
ボルック「うーむ そうですか。 |
ボルック「ペペがいなくとも このまま
リンダとイワンの 結婚の日取りを
発表してしまうべきか……。
ボルック「……おや?
*「きゃっ 冷たっ!
ヤダ 雨じゃないの。
*「こ この雨は もしや……。
*「おい見ろ! 紫色の雲だ。
あのときと いっしょだぞ。
*「ははは 灰色の雨だああっ!
*「イヤよー!
石になんかなりたくない。
*「はやく逃げろ! 雨にあたったら
ペペみたいになっちまうぞ。
ボルック「おちつけ みなのもの!
よく見ろ! これはタダの雨だ。
だんじて 灰色の雨などではない。
*「そんなこと わかるもんか!
逃げろ逃げろ!
リンダ「灰色の雨ですって!?
大変だわ。急いで家の中へ!
イワン「待ってくれ リンダ!
オレを ひとりにしないでくれ。
ガボ「えらいこっちゃ。
アルス オイラたちも
はやく 雨宿りしようぜ。
キーファ「灰色の雨の 恐怖が
いまだに 町のみんなを
苦しめているようだな……。
マリベル「どうしてくれるのよ!
あたしの いっちょうらが
びしょぬれじゃないの!
マリベル「みんな み〜んな
アルスのせいよ!
キーファ「うるさいな マリベル。
じだんだを踏むのは よせよ。
ガキっぽくて みっともないぜ。
マリベル「ガキっぽいですってぇ〜。
ダメ王子は だまってなさいよ!
あ〜 もう家に帰りたいー。
(出ようとすると)
この ひどい雨だ。
町を出るのなら 夜明けを待って
雨がやんでからにした方が いいだろう。
*「あわくって逃げて ソンしたな。
*「これから しばらくは
雨がふるたんびに 今日みたいな
さわぎになるんですかねえ。
*「およよ。いきなり オレんちに
かけこんできたボウズに
ベッドを取られちまったぜ。
*「うう……神さま 神さま。
どうか石になりませんように。
*「はぁ はぁ……わすれてた。
わざわざ 雨宿りしたって
ムダだってことを。
*「これが 灰色の雨だったら
直接あびなくたって とっくに
石になってるはずだもんね。
*「雨にうたれるのも かまわずに
走っていく娘を見かけたわ。
*「屋敷のとなりの あき地の方に
行ったみたいだけど いったい
なにをしに行ったのかしら?
*「雨なんか 降りやがるから
せっかくの パーティーの料理を
食いそびれちまったぜ!
*「雨といっても こんどのは
灰色の雨じゃないんでしょう。
なら なにも心配ありませんね。
イワン「リンダが家に いないんだ。
まさか この雨のなか まだ外に
いるんじゃないだろうな。
*「バカだね〜 この子は。
せっかくのドレスを
よごしちまうなんてさ。
*「あ〜あ 走るんじゃなかった。
おかげで ドレスのすそが
ドロだらけだわ。
*「ううっ 雨がこわい。
早く やんでくれんかのう。
*「灰色の雨が ふっていらい
たとえ夜中でも 雨がふると
目が覚めてしまうんじゃ。
ボルック「なんてことだ。
だーれも わしの言うことに
耳をかそうとしなかった。
ボルック「ややっ みなさん。
みなさんも わしの屋敷で
雨宿りしておったのですか。
ボルック「残念でなりませんが
この雨のせいで 今夜のうたげも
中止せざるをえなくなりました。
*「きゅうな どしゃぶりのせいで
服が ビショビショですわ。
下着 すけてませんよね?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「ほっ よかったぁ。 |
いいえ |
*「きゃっ こっち見ないでよ! |
カヤ「せっかく作った料理も
雨ざらしじゃ 残っていたって
もう食べられないわね。
カヤ「イワン様の好きなもの
たくさん作ったのにな……。
*「身体が なんともないぞ。
ということは この雨は
灰色の雨じゃないってことか。
*「どちらにしろ この雨のせいで
うたげは中止だろうな。
*「雨がふるたんびに あたしゃ
身体が ふるえるんだよ。
*「灰色の雨が このさき
2度と ふってこないっていう
ほしょうなんかないしね。
ポルタ「ひとさわがせだよな。
灰色の雨が ふってきたって
さけんだヤツは だれだよ。
ポルタ「走って帰って来た自分が
バカみたいじゃないか……。
庭師「なんじゃい ペペは
まだ うちに帰っとらんのか。
庭師「まあ ふつうの雨だから
心配せんでもええかのう。
リンダ「さあ こたえて。
時間もたてば 考え方も
変わってくるでしょ。
ペペ「あのとき ことわったのを
もう忘れたってのか。
ペペ「なんど聞かれたって
ぼくの こたえは変わらんよ。
リンダ「そんなこと言わないで
いっしょに この町を出ようよ。
リンダ「ハーブのこと たくさん
勉強したんだよ。あなたの役に
たてるようにって。
ペペ「それでも ダメだ。
かけおちなんかしたら
みんなを うらぎることになる。
リンダ「みんなみんなって
なんで まわりのことばっかり
気にすんのよ!
リンダ「あんたのキモチは どうなの?
リンダ「そう……わかったわよ。
この いくじなしっ!
リンダ「あんたなんか あんたなんか
ずっとここで やとわれ庭師を
やってればいいのよっ。
リンダ「イワンの奥さんになったら
あんたを うんとコキ使ってやる。
かくごしてなさい!
ペペ「はやく家にかえれ。
でないと かぜをひくぞ。
リンダ「バカッ あんたなんか
いなくなればいいのよ。
もう 顔も見たくない!
ガボ「あんまり よふかしすると
次の日が つらいぞ。
マリベル「いい? アルスも王子も
ペペに キツ〜イひとことを
ガツンと言ってやんなさいよ。
キーファ「じぶんで言えって……。
ガボ「ふわぁ ごめんな アルス。
オイラ 眠くなってきたようだ。
マリベル「なんで? どうして?
あたし しんじらんない!
マリベル「リンダが 勇気をだして
さそってるのに ペペって
なんて いくじなしなの!
リンダ「あのバカ……泣いて
土下座したって ぜったいに
仲直りなんかしてやるもんか。
ペペ「待ったかいがありました。
ペペ「お世話になった みなさんに
最後の お別れをしようと思い
ここで待ってたんです。
ペペ「さんざん 迷ったけど
町を出ることにしました。
もちろん ボクひとりでね。
ペペ「さようなら みなさん。
キーファ「待てよ ペペさん。
借金なら リンダと協力して
返していけばいいだろ。
キーファ「ボルックさんに
今からでも たのんでみろよ。
あのひとなら分かってくれる!
ペペ「あなたの言うとおりだ。
もっと早く そうすべきだった。
けど もうおそい。
ペペ「ぼくは要領が悪すぎた。
庭師「そうですか……息子は
そんなにまで リンダのことを
想っておったのですか。
庭師「じゃが わしらのことを考えて
リンダと町を出ることまでは
できんかったようですな。
庭師「息子のことを ふくめて
みなさんには 世話になりっぱなしで
本当に もうしわけない。
庭師「不肖の息子のぶんまで
お礼を言わせてください。
今まで ありがとうございました。
庭師「聞けば みなさんは この町には
旅の途中で 立ちよっただけだとか。
庭師「もし この先 旅の途中で
息子に出会うことがあったら
父は元気でやっていると……。
庭師「そのように お伝えください。
たぶんペペは ここには2度と
帰ってこないでしょうから。
ガボ「オイラ わかんねえよ。
なんでペペは 家出なんか
しちゃったんだろうな?
マリベル「えっ ペペのこと?
う〜ん あたし よわっちい男には
きょうみないんだよね。
マリベル「いい? アルスも
あたしの 気を引きたかったら
もっと 強い男になりなさいよね。
キーファ「オレだったら ぜったいに
逃げ出したり しないのにな。
だけど ペペは……。
キーファ「いいひとすぎるから
ああする以外の 方法を
思いつかなかったんだろうな。
庭師「ペペも 町を出るしかないほど
追いつめられておったんじゃのう。
庭師「気のせいか わしはもう
2度と ペペの顔を見れないような
気がしますのじゃ。
*「みんなウワサしてるけど
ペペが 町を出ていったって
本当なのかなあ。
ガボ「ペペも ひどいヤツだな。
せめて みんなに お別れぐらい
していけば よかったのによ。
マリベル「あんた ホントにバカね。
そんなことしたら 家出に
ならないじゃないのよッ!
キーファ「早くも ペペの家出が
町じゅうに 知れわたってるとは
いかにも いなか町らしいな。
*「ペペがいなくなったら
オラは だれから 仕事を
おそわればいいんだ。
*「雨上りのハーブは 葉っぱが
キラキラかがやいていて
ホントにキレイだねえ。
ポルタ「たかが 女のことぐらいで
家族と仕事を すてるなんて
ヒドすぎるぜ 兄さん。
ポルタ「もし 兄さんが帰ってきたら
オレは絶対に ブンなぐってやる!
*「ママには ないしょだけど
きのう パーティーに出たから
ねぶそくで ねむいんだ。
*「これでボクも きょうから
オトナのなかまいりだね。
*「オレだって 町を出たいと
思ったことぐらいはあるぜ。
*「思っただけで ペペみたいに
実行はできなかったけどな。
*「うっそー!
ペペったら 家出しちゃったの?
*「うーん でも それなら
リンダが 元気ないのも
納得いくかも。
*「オレの帰りを 心待ちにしている
パミラばあさんには 悪いが……。
*「オレは しばらく ここで
酒びたりの日々を おくるぜ。
*「また いつか 灰色の雨が
ふるんじゃないかと ひそかに
おびえてるんですけどね。
*「おかしなことに あの雨は
もう 2度とふらないような
気もするんですよ。
*「ここで もう少し ねばって
かせげるだけ かせぐってのも
悪くないね。
*「もちろん かせいだ金は
ぱあーっと カジノで
使いはたすつもりさ。
*「もう やんなっちゃう!
いつまで こんなとこで
踊ってりゃいいのよ。
*「どうせ かせいだ お金は
み〜んな姉さんが カジノで
使いきっちゃうのに……。
*「そういや ずっと前に
洞くつへ行った あの商人
あれから 何の音さたもねえなあ。
*「洞くつで
お宝もろとも 行き倒れにでも
なっちまったのかな。
*「ずっと前に ある商人から
石版を売ってないかと
聞かれたことがありまして……。
*「なんでも その商人は
おかしな石版を集めるために
旅をしてるって話でしたよ。
キーファ「オレたちの ほかにも
あの石版を 集めているヤツが
この世に いたとはな……。
キーファ「だけど 使い方までは
わかっていないだろうよ。
イワン「リンダが オレに
顔を見せてくれないんだ。
イワン「やはり なにも言わずに
ペペが 町を出ていったのが
ショックだったのだろうか。
イワン「オレよりも いなくなった
ペペのほうが 大事だなんて
冷たすぎるぜ リンダ!
リンダ「私が ひどいことを
言ってしまったから ペペは町を
出ていってしまったんです。
リンダ「でも あのときは
彼をせめるような言い方しか
できなかった……。
リンダ「そうすれば ペペは私を
ここから 連れ出してくれるって
本気で思っていたんです。
リンダ「なのに キズつけてしまった。
こんなはずじゃ なかった。
ただ 愛されたかっただけなのに。
*「そろそろ うちの娘にも
浮いた話の ひとつやふたつ
あってもいい 年ごろなのにねえ。
*「けど さっぱりなのよ。
娘が結婚するのは いったい
いつになることやら。
*「もう だいぶ前になるかのう。
おかしな石版を集めとる商人が
ボルックさんを たずねたんじゃ。
*「それから ボルックさんに
洞くつの場所を聞き出した商人は
すぐさま 町を出ていきおった。
*「もうすぐ この町にも
みなが待ちのぞんだ
教会が たちますのよ。
*「息子の結婚式の 前までには
なんとしても完成させたいと
ボルックさんが言ってました。
*「そういえば おかしな石版を
さがしていた商人のすがたが
見えませんな。
*「ボルック氏に聞いたのですが
その商人は 西の洞くつに
石版を探しにいったそうですよ。
キーファ「北西に 洞くつがあるのか!
いってみようぜ アルス。
ガボ「洞くつ探検に 行こうぜ。
オイラ 魔物と戦いたくて
ウズウズしてんだ。
ボルック「父親と同じく よい庭師に
なってくれるものだとばかり
思っておったのに……。
ボルック「いち夜あけてみれば
ペペが家出をしたという
ウワサが 町にながれている。
ボルック「今となっては ペペの
心のうちを知るすべもない。
わしは 残念でなりません。
カヤ「出ていくなら リンダも
つれていってくれれば
よかったのに……。
カヤ「ペペって最後まで 役たたずの
いくじなしだったわね。
※グリンフレークの前に攻略する事も可能
*「おやおや また欲ぶかいヤツらが
宝を目当てに やってきたのか。
*「宝物のウワサなど ただの
デタラメだとも知らずに
ごくろうなこった。
*「ここに来た人間どもは みな
しかばねになるのが 運命だ。
宝を夢見て 死にゆくがいい。
どうくつまじん戦
マリベル「あの魔物を 倒せば
ここで 死んでいった人たちの
供養になるはずよ。
ガボ「宝さがしに 来た人間を
殺していたなんて オイラ
こいつらを 許せねえよ。
キーファ「かかってくる敵は
やっつけるまでだ。
さあ いこうぜ! アルス。
パミラ「ほうほう そのカオは
わしの薬は ばっちり きいたと
いうカオじゃな。
パミラ「よかったのう。
わしも おぬしらの役にたてて
うれしいぞ。
パミラ「わしが 手つだえることは
とりあえずは なさそうじゃな。
パミラ「まあ 用がなくても
会いに来てくれて かまわんぞ。
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