前(過去フォーリッシュ) | トップ | 次(寄り道) |
*「わしは 占いおばばじゃ。
なにか さがし物かの?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「では 占ってやろう。 *「……よし!! ※占いの結果は「占い」に記載 |
いいえ |
*「なんじゃ 違ったか。 |
ガボ「くん くん……。
おおっ! 油くさくねえぞ!
いやなニオイが 消えてらあ。
マリベル「ふう。
やっと 着いたわね。
キーファ「気のせいか 町の雰囲気が
明るくなって いるようだな。
*「いらっしゃい 旅のお方。
ここは フォーリッシュの町よ。
マリベル「平和になっても まだ
町の造りは かわっていないみたいね。
キーファ「ふ〜ん。
からくり兵に 襲われたキズあとは
あまり残っては いないようだな。
ガボ「くん くん……。
う〜ん。さわやかな空気だなあ。
*「ごめんよ。こっちの部屋は
まだ そうじ中なんだよ。
*「ほらねっ 聞こえるだろ。
あれのおかげで 大助かり!
代わりに そうじしてくれるのさ。
*「まったく 王さまは
ありがたいものを
作ってくださったよ。
*「お城に 足を向けては
寝られや しないわね。
あっはっは!
*「ブオン ブオン!
マリベル「まあっ これって似てるけど
前に見たやつとは ちがうじゃない。
新型って わけだわね。
キーファ「へえ!
この そうじ機 よく見ると
前に見たのと ちがうじゃないか。
キーファ「あれから 少しは
進化しているのかも しれないな。
ガボ「ガルルル……。
*「数年前 フォロッド城の地下室から
古い がらくたの下にかくれていた
からくりそうじきが 見つかったの。
*「だれが いつの時代に作ったのか
さっぱり わからないんですって。
なんだか不思議よねえ。
*「でも それをもとに研究して
今の新しい からくりそうじきが
できたってわけ。
*「大むかしの 人たちの知恵に
かんしゃ しなくちゃね!
マリベル「だれが つくったか
わからないって……。
マリベル「この人たちは
ゼボットさんのことも
知らないわけ!?
ガボ「この ねえちゃん
ゼボットさんが そうじ機作ったの
知らない みたいだな。
キーファ「なるほどな。
やっぱりゼボットさんの からくりが
元に なっていたわけだ。
*「いやいや この年になると
まごの相手も ひと苦労ですわい。
ふうふういって しまいますよ。
*「うちはまだ 女の子でよかったが
男の子だったら きっと体が
ついていけませんな。ほっほっほ。
*「知ってる?
おじいちゃんは お城の兵隊さんの
剣の先生なんだよ。
*「今の王さまだって 子供のころから
教えているんだから。
すごいでしょ!
*「お城で アルマンっていったら
み〜んな こわがっちゃうんだから!
とっても強いんだよ!
アルマン「これこれ。見知らぬ方たちに
そんな話をしてどうするんじゃ。
ご迷惑じゃよ。
アルマン「気にせんで くだされ。
昔の話ですじゃ。
マリベル「孫と遊ぶ お年寄りかあ。
なかなか いいじゃないの。
ねっ アルス!
キーファ「ほう。その ご老人は
剣の 指南役なのか。
キーファ「オレも 子供のころは
よく先生に しぼられたもんだよ。
ガボ「剣も 勉強みたいに
先生から 習うものなのか。
めんどっちいんだなあ。
*「はっ!
異常なーし!
*「いやあ ははは。
これはとつぜん 失礼しました。
つい いつものくせが出て。
*「わたしは この国の城
フォロッド城で
兵士をつとめています。
*「今日は 久しぶりの休みで
町に出て来たんですよ。
キーファ「あはは。休みのときでも
いつもの くせが出るなんて
なかなか熱心な 兵士じゃないか。
ガボ「ふ〜ん。
兵隊さんも 服を替えると
普通の人なんだな。
マリベル「いま この国は 平和だから
兵隊さんも ヒマなんだわね。
アルスは 望遠鏡を
のぞきこんだ!
あたり一面の 景色がみえる。
とても良い ながめだ。
*「見て見てっ ほらっ。
道がとっても キレイでしょ!
*「おそうじ君たちが いるおかげで
町はいつも ピッカピカなんだよ!
*「ウィーン ウィーン
*「いやあ悪いね お客さん。
そいつは 売りもんじゃ
ないんですよ。
*「そいつは いわば王さまからの
あずかり物ってわけでね。
町の みんなの物なんだ。
*「ときどき よその国からも
買いにくる人が いるくらいの
人気の品でね。
*「こっそり 売っちゃえば
もうかるんだろうけど……。
*「そんなことしたら 手がうしろに
回っちゃいますからね!
はっはっは!
*「ウィーン ウィーン
キーファ「こいつら 疲れ知らずだから
よく はたらくなあ。
キーファ「やっぱりこういう からくりは
平和利用が いちばんだな。
マリベル「そうじ機は いいとしても
まさか からくり兵は
もう いないんでしょうね。
*「あんたたちも あそこで掃除してる
あの タルのようなキカイを
買いにきたのかい?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「やっぱりそうかい。 |
いいえ |
*「なんだ ちがうのかい? |
*「実はわたしも あれの話を聞いて
はるばるこの町まで 買いつけに
やって来たんだけどね。
*「なんでも あれは売り物じゃ
ないらしいんだよ。
*「この国の王さまが 学者たちに
作らせて 町の人たちに
くばったものらしいんだ。
*「いいなあ。ほしいなあ……。
あの ウィンウィンいうやつ。
キーファ「なんと今度は 国をあげて
あの そうじ機を 作っているのか。
キーファ「ゼボットさんの 研究は
むだには なっていないようだな。
マリベル「たしかに あんなのが1台
うちに あったら便利かもね。
ガボ「オラ あんなの
いらねえぞ。
*「この町は まるで要塞のような
みょうな形を しておるじゃろう。
*「これは 過去のいまわしい
出来事のせいじゃと
いい伝えられておるんじゃ。
*「しかし誰ひとりとして
その昔 何があったのか
知るものがない……。
*「おかしな話じゃろ。
何ひとつ 当時のきろくが
残っていないなんてな。
ガボ「み〜んな 忘れちまったのか!?
あんな おっきな できごとを?
あったま わりいなあ。
マリベル「この おばあちゃんは
こう 言ってるけど
他の人からも 話をきいてみようよ。
キーファ「むかしの きろくが
何も 残っていないって?
そいつは おかしい……。
キーファ「いまわしい 過去だったから
ひょっとしたら だれかが意図的に
消したんじゃないのか?
*「と いうわけで 神父さま。
わたし……
*「きゃっ!
人が ざんげしてるのを
聞かないでちょうだい!
キーファ「毎日 お祈りをしたり
人のなやみを 聞いたりと
まったく 神父さまも 大変だな。
マリベル「ふ〜ん。
その子 人に言えない まちがいを
いっぱい しでかしてるのね きっと。
ガボ「ざんげって なんだ?
オラも やってみたいぞ!
*「人間一度や二度くらい
まちがいは あるわよね。
うん。あるある! ねっ!
*「うわさでは 今度王さまは
人間の形をした からくりを
作ろうとなさっているらしい。
*「いくらなんでも そんなものが
できるとは 思えないが
もし できるなら……
*「やっぱり わたしとしては
ぜひ ぴちぴちギャルを
作ってほしいですな!
ガボ「ぴちぴちギャルって
サカナみたいな 女の子のことか?
マリベル「あたしは カッコいい
ステキな 男の子が いいわね!
マリベル「……。
な…なによ アルス。
文句でも あるわけ!?
キーファ「おいおい。それって まさか
からくり兵のことじゃ
ないだろうな!
*「わが国の 若き王
フォロッド7世さまは
たいしたお方です。
*「国じゅうの学者を 城にあつめ
日夜あたらしい からくりの
研究をさせているのですよ。
*「最初に作られたのが あの
町をきれいにしてくれている
からくりそうじき なんです。
*「国民のことを 考えてくださる
国王さまをもった わたしたちは
本当に しあわせですよ!
*「ふぇ〜ん!
こわいゆめ 見たの!
*「ぼくが 池におちて
おぼれちゃう ゆめだったの!
*「あ……
ズボンが ぬれてるから
ゆめじゃなかったかも……。
マリベル「ププッ! アルス。
あんたのこと 思い出しちゃった!
マリベル「だって アルスたら
ちょっと前まで……
きゃははは!
キーファ「おいおい。
もらしてるよ もらしてる。
ガボ「うわあ! ゆめ なのに
本当に ぬれちゃうんなんて
すごい!
フトンが ぬれている!
キーファ「ちゃーっ!
ぬれてるよ ぬれてる。
ガボ「くん くん……。
くわーっ!
ゆめじゃないぞ このニオイ!
*「あー。
もう くえんよ わしゃ。
ガボ「オラ 食いたいぞ!
いくらでも 食えるぞ!
*「うわさじゃ 東の廃墟に
おかしな 占いばあさんが
住みついたそうよ。
*「けど 今の あたしらには
関係のない 占いしかしないって
評判は よくないみたいだねえ。
マリベル「女の 欲望って
果てしないわね……。
*「わんわんわんっ!
*「その格好からすると あんたら
旅をしているんだな?
*「わっはっは!
言わなくたって ひとめ見りゃ
すぐに わかるってもんだ。
*「こういう平和な ときには
のんびり旅をするってのも
いいんじゃねえか なあ。
マリベル「ほら アルス!
あんたが ポーっとした顔してるから
旅行か何かだと 思われちゃうのよ!
マリベル「たのむから いつも口は
きちっと閉めてなさいよ!
ガボ「おっちゃん わかってねえなあ。
のんびり旅するより 強ええ魔物と
戦ってる方が ずっと面白いんだぞ!
キーファ「別に のんびり
旅をしている わけじゃ
ないんだけどな。
ガボ「くん くん……。
なんかまた 油くせえぞ。
くん くん……。
キーファ「おお。
城の空気も 落ちついて
おだやかじゃないか。
マリベル「ここで あたしたちが
よう兵 やってたなんて
なんか ウソみたいだわね。
*「ここは フォロッド城。
若き国王 フォロッド7世さまが
治めるお城でございます。
*「あらっ あなたたちも
王さまに 呼ばれてきた
学者さんなの?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「ふ〜ん。 *「うふふ。 |
いいえ |
*「そうだよね。 *「あはは!ごめんね〜。 |
兵士長「そなたたちは 旅のものだな?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
兵士長「ならば 聞くがよい。 |
いいえ |
兵士長「ほうっ ちがうと申すか!? 兵士長「まあよいわ。 |
兵士長「この大陸の 西のはずれは
昔よりさだめられた 禁断の地。
兵士長「いかなる者も 立ち入ることは
ゆるされておらぬ。
むろん お前たちも 同じことだ。
兵士長「行くなと 言われれば
行きたくなるのが 心情だが
決して行ってはならぬぞ。よいな!
マリベル「なんか あるわね。
あそこに人を 近づかせないわけが。
キーファ「ふむ。何らかの理由で
この世界では ゼボットさんの所を
立ち入り禁止に したようだな。
ガボ「行くなって 言われると
行きたくなるのか? そうなのか?
人間って ややこしいな。
*「学者たちが 研究している
からくりのキカイを いくさにも
利用すれば いいと思うのだがな。
*「フォロッド王さまには
まったく その気がないらしい。
*「もったいないような 気もするが
そこが フォロッド王さまの
すばらしいところなのだろうな。
*「よし いまじゃ!
スイッチを 入れるのじゃ!
*「はっ!
*「い いかん!
スイッチを 切るのじゃ!
*「はっ はい!
*「くそっ わからん!
いったい何が 悪いというのか!
なぜ 歩いてくれんのじゃ!
キーファ「おどろいたな。
ここでは本気で からくり人間の
研究をしているらしいぞ!
ガボ「うひゃ〜!
こん中 油くせえ〜!
オラ ハナが曲がっちまうよ!
マリベル「ちょっと この連中ったら
本当に からくり人間なんて
作れると 思ってるのかしら。
*「また 失敗でした。
やはり からくり人間など
ゆめ なのでしょうか……。
カラダから ケムリを出している。
どうやら実験は 失敗したらしい。
*「たしかに からくりそうじきを
作ることは できたんだが
それは お手本があったからさ。
*「からくり人間とも なれば
まったく別の はなしだ。
*「そうじきの 中身と同じでは
うまく行くはずが ないよな。
*「われわれが 2本足で歩ける以上
からくり人間も 歩けるはずなんだが
思うようにいかない!
*「ふ〜む。われわれ人間は
いったいどうやって 2本の足で
歩いているというのだろうか……。
*「ウィーン ウィーン
ガボ「こいつら メシ食わなくても
はたらくって ホントか!?
マリベル「世の中の 男たちがみんな
このくらい働けば どこの国も
み〜んな ゆたかに なるのにね!
マリベル「あいかわらず
ウィン ウィン 言ってるわね。
キーファ「おお。
がんばってる がんばってる。
キーファ「そいつらが いるせいか
なんだか 城の中がキレイだよな。
アルスは 本だなを調べた。
”あなたにも できる
やさしい からくりの作り方
という 本がある!
*「わんっ!わんっ!
キーファ「はははっ!
その犬も きっと城を
守っているつもりなんだろう。
マリベル「ちょっと この犬!
こんなに 人のいい 私たちに
吠えつくなんて ばっかじゃないの!
ガボ「ワオッ ワオーンッ!
*「ここは フォロッド城だ。
*「見学するのは かまわぬが
くれぐれも王さまには
そそうの ないようにな!
キーファ「ひいき目 かもしれないが
グランエスタードの 兵士のほうが
顔つきなんか キリッとしてるよな。
マリベル「役目だか何だか 知らないけど
兵隊って み〜んな 同じことしか
言えないのかしらね!
ガボ「兵隊さん ごくろうさん!
*「これは旅人とは めずらしい。
*「ささ かまわぬぞ。
中でゆっくり 休んで
行くがよかろう。
*「この上は 王さまの
お部屋である!
*「今 王さまは 取り込み中だ。
いましばらく 待つがよかろう。
大臣「ぬぬぬ……。
まだ できぬと申すか!
大臣「この上 いったい
何人の知恵をよせれば
良いと言うのか!
大臣「ええいっ ふがいない!
国王さまに 顔むけができぬわ!
フォロッド王「はっはっは!
そんなに 大声を出すと
血圧が上がるぞ 大臣。
フォロッド王「このわたしが
急がせ過ぎたのかもしれん。
大臣「なにを おっしゃいますか
国王陛下!
とんでもございませぬ!
大臣「すべては この者たちの
ちから不足でございまする!
フォロッド王「いにしえの からくりより
あらたな からくりが生まれたゆえ
期待しすぎたのかもしれん。
*「わったし〜は きれいずき〜
フン フン フ〜ン!
おっそうじ フ〜ン!
*「いくら からくりそうじきさんが
代わりにやってくれると いってもね
細かいところは 無理なわけよ。
*「だから こうしてわたしが
最後の〜仕上げ〜 ラララ
おっそうじ フ〜ン!
アルスは 本だなを調べた。
この国の王さまは 勉強家らしい。
さまざまな本が ならんでいる。
*「そうじきの ときのように
どこかに お手本でもあれば
早いのでしょうがね。
*「ははは…… そんなものが
あるはず ないですわな。
*「もう ひといき だとは
自分たちも 思いたいのですが
今はちょっと お手上げです。
*「すでに 半年になります。
王さまの のぞむ からくりは
いったいどうしたら……。
大臣「ほう。旅の者であるか。
わが国王さまに ごあいさつに
やって来たのだな。いや感心。
大臣「とはいえ 国王さまは
お忙しい お方ゆえ
早々に 済ますがよかろう。
フォロッド王「旅の者か。
わが フォロッド城へ
よくぞ来た!
フォロッド王「いま わが国は
他の いかなる国にも さきがけ
未来を見つめた 研究をしておる。
フォロッド王「そなたたちが
国に帰ったなら 伝えるがよい。
フォロッド王「わが国を 見習い
同じ道を ともに歩むなら
明るい未来は 約束されるとな!
フォロッド王「おおっ そうであった。
そなたたち もうさがってよいぞ。
部屋に戻り 研究を続けるがよい!
*「は…はあ はあ……。
お…王さまに 申し上げます!
フォロッド王「これこれ
そんなに あせらずとも良い。
息をととのえてから 話すが良い。
*「はっ!
あ…ありがたき お言葉。
しかしまずは ご報告を!
*「ついに 見つけましてございます!
いにしえの からくり兵を!
フォロッド王「なんと!
それは まことか!?
*「はっ!
間違いございませぬ。
西のはずれに!
フォロッド王「ほほう!
やはり 禁断の地というのは
そのような意味を持っていたのだな。
フォロッド王「これは面白くなって来た!
よし! 兵をおもてにそろえよ。
ただちに出発いたすぞ。
フォロッド王「わたしを
その場所へと 案内いたせ!
*「はっ!
フォロッド王「すまぬな 旅の者。
だいじな用件で 出発せねばならぬ。
フォロッド王「まあ わが国で
ゆっくりして行くがよい。
では またな!
フォロッド王「では大臣 行って来る!
あとは まかせたぞ!
大臣「かしこまりました。
くれぐれも お気をつけて!
ガボ「おい アルス
王さま 行っちまったぞ。
ガボ「オラたちも 追いかけようぜ!
マリベル「ちょっと見た? アルス!
若くて かっこいい 王さま!
マリベル「どっかの国の 王子とは
えらい ちがいだったわよね!
キーファ「いやあ ずいぶんと若い
王さまだったなあ。
大臣「ついに わが国王陛下が
待ちのぞんでいたときが来たのだ!
大臣「これで わが国の研究も
いっきに進むことであろう!
*「国王さまは お出かけになった。
お言葉どおり ゆっくり
見学でも するがいいだろう。
*「いま王さまは 私たちとまったく同じ
すがた形をした からくり人間を
作っていらっしゃるとか。
*「でも もし できたとしても
しょせんは からくり……。
*「いかに 見かけは同じでも
人の心まで 宿りはしませんわ。
キーファ「確かにな……。
ゼボットさんも そこまでは
できなかったからな。
マリベル「人の心を持った からくり?
ぶるぶる……。
じょうだんじゃ ないわね!
*「いま 人々がやっている仕事を
ぜんぶ キカイにやらせようと
王さまは 計画なさっているのだ。
*「そうすれば 人々は楽になり
国も栄えると。
*「まあ 今のわしとすれば
見張りを代わってくれさえすれば
それだけで ありがたいがな。
マリベル「まったく……。
人の欲望って 果てしないわね。
*「サッサッ サッサッ!
オラあ お城の そうじ番だ。
*「なんだか あのタル野郎が来てから
不安でなんねえだよ。
*「いずれ オラの仕事が
無くなっちまうで ねえかってな。
*「負けねえように そうじすっだよ。
そこ どいてくんな。
それっ サッサッ サッサッ!
ガボ「タル野郎に 負けたくなかったら
おっちゃんも メシ食わねえで
がんばるっきゃねえよな。
*「この大陸の 西のはずれには
行ったことは あるかね?
はいを選んだ場合のみ | |
---|---|
はいを選んだ場合のみ |
*「なんと! |
*「もう何十年も前 わしは一度だけ
足を 踏み入れたことがある。
若かりしころの 冒険ってやつじゃ。
*「あの岬には ゆうれいが住んでおる!
誰もいないはずの 小屋の中から
話し声が聞こえたのじゃ!
*「ブルブル……。
ああ 今思い出しても
ぞっとするわい。
*「あれは 人間の声なんかじゃない。
この世のものとは 思えんような
おそろしい 声じゃったよ。
キーファ「ゆうれいって 言ってたな。
それって もしかしたら……。
ガボ「オラ その ゆうれいと
戦ってみたいぞ!
マリベル「きゃ〜! 聞いた?
ゆうれいよ ゆうれい!
禁断の地なんか 行くのやめ やめ!
*「あ〜 いい天気だぜ!
こんな日は 弁当でも持って
どこかに出かけたくなるよな!
*「う〜ん。
本当は 西の岬あたりがいいんだが
あそこは 禁断の地だからなあ。
ガボ「お弁当 お弁当!
ピクニック ピクニック〜!
マリベル「禁断の地?
いまでは あそこに人を
入れないように してるのかしら。
キーファ「西の岬?
西の岬って あの ゼボットさんの
研究所が あった辺りじゃないか?
*「ブボッ…ブボッ……。
*「ここだけの 話だけどな……
城の学者たちが 話してるのを
聞いちまったんだよ。
*「その昔 からくり兵という
おそろしいキカイの兵隊に
この国が おそわれたらしいって!
*「さいわい戦いには 勝ったのだが
当時の人々は からくり兵を
すべて処分してしまったらしい。
*「もったいない話だよな。
1体でも それが残っていれば
からくり人間を完成できたろうにな!
マリベル「なに言ってんのよね。
からくり兵なんか 残してたら
ろくなことに ならないわよ!
ガボ「からくり兵と からくり人間って
なにが どうちがうんだ?
キーファ「おおっ やっと過去の話を
知っている 人間がいたな!
キーファ「学者たちの 中には
この国の歴史を 調べた者も
いるんだろう。
*「あら 動かないわ。
困ったわねえ。
*「いやだよ。
何か 変なものでも
吸い込んじゃったかしら。
*「フーッ フーッ!
*「ブオッ ブオッ!
マリベル「ふ〜ん。
やっぱ こわれることも
あるんだわね。
キーファ「調子 悪そうだな これ。
ガボ「ガルルル……。
*「城の地下から 発見された
からくりそうじきは
非常によく出来ていたよ。
*「われわれ 現代の学者でも
とうてい考えつかぬ
きせきの 発明品だ!
*「あれを作った人物の記録が
何も残って いないとは
実に不可思議でならん。
*「これこそ 歴史上の
重大な損失だな!
マリベル「この人たち そうじ機で
おどろいてるようじゃ とても
からくり人間なんて 作れないわね!
ガボ「ゼボットのおっちゃんのこと
なんで だれも 知らないんだ?
すっごく変だぞ!
キーファ「そうじ機を 作ったのは
ゼボ……。
ま いっか。
*「この国に来てからずっと
国の歴史を 調べていたんだが……。
*「おどろいたことに
ある年代をさかいに いっさいの
資料が 残っていないのだ。
*「まるで いまわしい過去を
切り捨てるかのようにな。
マリベル「う〜ん。たしかに
いまわしい 過去だったかもね。
キーファ「思った通りだ。
きっと誰かが 過去の歴史を
消したんだ。
*「ふう!
学者さんたちが 来てから
まかないが 大変なの!
*「頭のよくなる食べ物を 作れなんて
言うんだから!
*「いまごろ そんな物にたよって
いるようじゃ ろくな発明なんて
出来るわけ ないじゃないよねー!
*「まあ めずらしい。
異国の お客さまね。
*「もう フォロッド国王には
お会いになりましたか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「あの子は だれに似たのか *「でもすぐに 飽きてしまうのが *「また アルマン先生に |
いいえ |
*「そうでしたの? *「なにより めずらしいものに |
マリベル「何でも めずらしいものに
きょうみを 持つって
まるで キーファに そっくりね!
キーファ「アルス。
この方は 現代の
フォロッド王の 母君だな。
*「ここは 牢屋だ。
*「とは言っても この国では
長いあいだ 牢に入れられた者など
ひとりもいないのだがな。
*「笑えることに 今じゃとびらに
カギすら ついてやしないから
自由に中を 見てもいいぜ。
ガボ「カビくさいぞ ここ。
キーファ「平和が 長く続いているから
牢屋など 必要ないんだろうな。
マリベル「ふ〜ん。
見るからに 長いこと
使っていないようね。
フォロッド王「ついに われらが
待ち望んでいた からくり兵を
見つけることができた。
フォロッド王「みなのもの。
これより ただちに
禁断の地へと 出発だ!
アルマン「お待ちください!
アルマン「はあ はあ……
国王さま なりませぬ!
禁断の地に入ってはなりませぬぞ!
フォロッド王「アルマンよ
ついに 見つかったのだ。
いにしえの からくり兵がな!
フォロッド王「とうとう わたしの夢が
かなう時が 来たのだ。
そなたも 喜んでくれよう!
アルマン「ここは 私に免じて
何も聞かずに おやめくだされ!
フォロッド王「はっはっは!
何をいうのか アルマンよ。
土産を楽しみにしているがよい!
*「アルマンさまは よほど
思いつめていらっしゃるごようす。
心配であります……。
*「禁断の地の 西のはずれには
古びた小屋が 1軒あるだけど
聞いた記憶が あります。
*「王さまが 向かわれたのは
ひょっとして その小屋では?
マリベル「ゼボットさんの 小屋だわ!
アルス もちろん覚えてるよね!
ガボ「その 小屋って
ゼボットのおっちゃんと エリーが
いたところだぞ アルス。
キーファ「まちがいない。
ゼボットさんの 小屋のことだ!
行こうとすると
アルマン「お待ちくだされ!
私の話を 聞いてはくださらんか!
アルマン「すまぬが 旅のお方。
私の話を 聞いてくだされ!
アルマン「西のはずれの 岬のあたりは
はるか いにしえより
禁断の地と されております。
アルマン「誰も行ってはならん。
誰もじゃましては ならんのです。
たとえどんな理由があろうとも!
アルマン「お願いですじゃ 旅のお方。
わしの足では 国王においつけん。
なんとか国王を 止めてくだされ。
アルマン「この 老い先みじかい
年寄りの願いを 聞いてくだされ!
キーファ「アルス 行こう!
キーファ「禁断の地とやらへ 行けば
消された 過去のナゾが
少しは とけるかもしれないぜ!
ガボ「オラたちの 足なら
ぜったい王さまに 追いつくぞ!
じいちゃんの ねがいだ。
アルス 行こうぜ!
マリベル「行きましょ アルス!
よく わからないけど
たのみを 聞いてあげましょうよ!
*「なんだか あわただしく
なってきたなあ。
*「う〜む。王さまは
あんなに急いで いったいどちらに
向かわれたのだろう。
*「ねえ あなたも見たでしょ?
若きフォロッド王さまの
りりしい お姿!
*「ああん。
わたし お姫さまに
なってもいいわ〜ん!
*「先ほど兵士が 息を切らせて
戻って来たかと思えば
次には アルマンさまが。
*「何か重大な 集まりかと思えば
とつぜん王さまが 顔色を変えて
出ていかれるし……。
*「本当に 今日のお城は
にぎやかなことで ございます。
*「わたしの おとうさんは
お城の 兵隊さんの中で
1番えらいんだよ!
*「子供の頃から おじいちゃんに
剣を習っていたから
すっごく 強いんだから。
*「あ〜あ。
わたしが男の子だったらな〜。
*「きっと この国で
1番強くなっていたのにな!
えい! やあー!
キーファ「あはは! 勇ましいな。
きっと 大きくなったら
りっぱな 女戦士になれるぞ。
マリベル「あら この子のおとうさんは
お城の 兵士長さんなの?
マリベル「じゃあ さっきお城で
会った人じゃない?
ガボ「オラも もっと小さいころに
人間になって 剣を習ってたら
もっと強く なっていたかなあ。
*「主人の家系は おじいさまも含め
代々 兵士の家系なの。
*「おじいさまは いまでこそ
おとなしくなられたけど
若い頃は すごかったらしいわ。
*「フォロッド王国に アルマンありと
まわりの国々からも
恐れられていたんですって!
*「そういえば 主人がだんだん
ガンコになってきたのは
おじいさまに 似てきたのかしら!
キーファ「ははあ なるほど。
この人が アルマンさんの
娘さんだったんだな。
マリベル「代々 兵士の家系?
じゃあ トラッド兵士長と
関係あるのかしらね。
ガボ「へえ。
あの じっちゃんちって
代々 兵士なのかあ。
ガボ「オラんとこは
代々 オオカミだぞ!
マリベル「間に合ったようね。
まだ 王さまたちは
来ていないみたいよ!
キーファ「静かだな……。
どうやら 王さまたちより
先に 着いたらしい。
ガボ「やっぱ オラたちのほうが
早かった みてえだな。
からくりそうじきは
ボロボロに くちはてている。
とても 動きそうにない。
からくりメイドは
ボロボロに くちはてている。
とても 動きそうにない。
からくり洗たくきは
ボロボロに くちはてている。
とても 動きそうにない。
エリー「ぜぼっと キョウモ
ウゴカナイ……。
ナニモ シャベラナイ……。
エリー「すーぷ サメタ。
ツクリナオシ……。
エリー「コノすーぷ ノメバ
ぜぼっと ゲンキニ ナル……。
キーファ「おどろいたな。
エリーは あれからずっと
動いていたと いうのか……。
ガボ「エリーは 年とらないのか?
これからも ずっと
ああして 動いていられるのか。
マリベル「信じられない……。
あれから どれだけの時間が
たったと思うの?
マリベル「今でも エリーは
ゼボットさんの 世話を……。
返事がない。
ただのしかばねのようだ。
フォロッド王「ややっ そなたたちは!
一体どうして ここにいるのだ!?
ここは 禁断の地であるぞ!
フォロッド王「いや……。
ここで旅の者に 禁断の地を説いても
仕方あるまい。
フォロッド王「おそらく アルマンに
何か吹き込まれて 来たのであろうが
まあ それはそれでよい。
フォロッド王「理由はどうあれ
私のじゃまだては しないでくれよ。
フォロッド王「もし じゃまをしたなら
わたしは アルマンを捕らえねば
ならなくなる。わかるな?
フォロッド王「さあ それでは
そこを 通してもらおうか。
フォロッド王「おおっ これか!
これが いにしえのからくり兵か!
フォロッド王「信じられぬ。
いまだ しっかりと
動いているではないか。
フォロッド王「すばらしい!
これで わが国の研究は
一気に進展をするはず!
フォロッド王「よし!
さっそく この からくり兵を
城に持ち帰るぞ!
フォロッド王「大事にあつかってくれよ。
こいつは 国の宝なのだからな!
*「はっ!
*「ようし いい子だ。
たのむから あばれないでくれよ。
いい所に連れて行ってやるからな。
エリー「ぜぼっと ウゴカナイ……。
アタタカイ すーぷ ノマス。
ぜぼっと ゲンキニナル……。
*「そうか そうか。
スープだったら 城に帰って
たっぷり作らせてやるぞ。
*「さあ ついてこい!
エリー「すーぷ サメル。
すーぷ ツクル……。
フォロッド王「これが…いや。
きっとそなたが からくりを
作り出した者なのであろう。
フォロッド王「偉大なる 発明家よ。
すでに物言わぬ そなただが
そのすぐれた知恵 借り受けるぞ!
フォロッド「これで
空白だった 数百年のときが
いっきに うめつくされるのだ。
フォロッド王「そなたたち。
じつは大変な 歴史的しゅんかんに
立ち会ったのかもしれんな。
フォロッド王「さあ これから
時代が動き出すぞ!
フォロッド王「はっはっは!
人の世の 明るい未来が
見えるようだな!
ガボ「やっべー!
ひょっとしたら エリー
ぶっこわされちまうのか!?
ガボ「そんなの だめだ だめだ!
早く 助けに行こうぜ!
マリベル「たいへん!
これじゃ アルマンさんの
たのみを聞くどころじゃないわ!
マリベル「アルス 急いで!
フォロッド王の あとを追うのよ!
キーファ「まずいぞ アルス!
このままじゃ エリーは
何をされるか わからないぞ!
キーファ「オレたちも 急いで
城に 戻ろう!
ガボ「くん くん……。
エリーは どこだろう?
くん くん……。
キーファ「よし アルス!
急いで エリーをさがそうぜ!
マリベル「エリーは どこかしら。
おそらく 王さまのところか
そこの 研究室ね!
*「い…いましがた 王さまが
兵を連れて お帰りになりました。
*「しかし 一緒に連れておられた
あの キカイのような人間は
いったい……。
ガボ「この 時代でも
みんなは エリーのこと知ったら
いじめるのかな。
キーファ「本当のことを 話せば
みな 不安になるだけだ。
アルス! さっさと行こうぜ!
マリベル「あれは エリーっていうのよ。
って言ったって 信じやしないわね。
マリベル「ああっ むだむだ。
説明してる 場合じゃないわ!
*「なんだか今日は お城のようすが
あわただしいわね。
人の出入りが とっても多いもの。
*「そういえば お城の倉庫から
からくりそうじきが発見された時が
ちょうど こんなだったわね。
*「戻られた 王さまのお顔が
何やら上きげんの ごようすだった。
*「王さまが あの お顔をなさる時は
かならず何か良いことが
あった 時なのさ。
キーファ「アルス。
いらん話を していないで
早くいこうぜ!
マリベル「何度見ても いつ見ても
あたしには どこの兵隊も
み〜んな 同じに見えちゃうわね。
ガボ「きゃはは! けいれ〜い!
*「ウィーン ウィーン
マリベル「エリーといい そうじ機といい
へたな人間より ずっとましだわね!
キーファ「こいつら 文句もいわずに
よく はたらくなあ。
キーファ「ろくに はたらかずに
文句ばっかり言ってる 人間に
つめのアカでも 飲ませたいぜ!
ガボ「こいつら 落ちてるゴミが
メシ代わりなのか!?
ガボ「すっげえ まずそうだぞ!
からくり人間が 倒れている。
だが こわれていて 動かせないようだ。
*「みんなは今 国王さまに呼ばれ
王の間に 行きました。
*「なんでも本物の からくり兵が
みつかったらしいのです!
*「それも ちゃんと動いていたと
いうじゃありませんか!
これはもう 奇跡ですよ!
マリベル「ちょっと まずいんじゃない!
早く 王さまのところに行かないと
エリーが あぶないわよ!
ガボ「エリー 大丈夫かな アルス。
行ってみようぜ 王さまんとこ!
キーファ「アルス! エリーは
フォロッド王の ところだ!
大臣「よし。
始めてみよ!
*「はっ!
かしこまりました!
*「うむ そこじゃ。
おそらく それが
立っているための……。
*「はずして みますか?
*「うむ。
やってみよう。
エリー「ビュ…ビュー……。
アルマン「なりませぬ 国王さま!
お願いでございますから エリーを
元のところへと お返しくだされ!
フォロッド王「エリーだと!?
この からくり兵は
エリーというのか アルマンよ!
フォロッド王「これは おどろいた。
アルマン。そなた わたしに
何か 隠し立てをしておるな!
フォロッド王「そういえば
さきほど 禁断の地に向かうときから
ようすがおかしいとは思ったが……。
フォロッド王「いたしかた あるまい。
大臣。衛兵をこれへ。
大臣「は…?
はっ! 国王陛下!
大臣「衛兵!!
*「およびで ございますか!
フォロッド王「アルマンを
地下牢に 連れて行け。
*「ア アルマンさまを で
ございますか!?
フォロッド王「そうだ。
そなたの 聞きまちがいではない。
アルマンを地下牢へ連行するのだ。
フォロッド王「気の毒だが アルマンよ。
しばらく 城の地下で
待っていてもらおう。
フォロッド王「今は 一刻も早く
からくり兵のなぞを
とき明かしたいのでな。
フォロッド王「そなたからは
あとで ゆっくりと話を
聞かせてもらうぞ。よいな!
フォロッド王「よし。
連れて行け!
*「はっ!
*「アルマンさま よろしいですか。
アルマン「気を つかいなさるな。
さあ まいりましょうか。
フォロッド王「衛兵。
フォロッド王「わざわざ とびらに
カギを つけなくとも良いからな。
*「はいっ! 国王さま!
*「アルマンさま……。
*「わったし〜は きれいずき〜
フン フン フ〜ン!
おっそうじ フ〜ン!
*「こうして いろいろなことを
聞いて 聞かないふりするのも
けっこうつらいわけよ。
*「すばらしい!
信じられんよ まったく!
*「こんなにすぐれた からくりが
はるか昔に 造られていたとは
やはり人間わざではなさそうじゃ。
キーファ「アルス!
今は こんな奴らと
話してる場合じゃないぞ!
マリベル「ちょっと アルス!
アルマンさんが 心配じゃないの?
マリベル「早く 早く!
あとを 追いかけるのよ!
ガボ「こいつら エリーのこと
ぶっこわしちまったのか!?
ガボ「もし 直らなかったら
オラ ゆるさないからな!
*「これさえあれば からくり人間は
完成したも 同然です!
*「1日も早く 王さまに
よろこんで いただかなくては!
*「この からくり兵をみると
身ぶるいがします!
*「われわれ 研究者にとっては
たまらないほどの お宝ですよ!
部品を 抜かれて 動けないようだ。
悲しそうな目をして こちらを見ている。
大臣「国王陛下には きっと
深い お考えあってのこと。
大臣「アルマンどのには
いましばらく しんぼうして
もらうしか ありますまいな。
キーファ「いいから アルス。
地下にあった 牢屋に
行ってみようぜ!
ガボ「アルマンのじっちゃんは
いったい どうなっちまうんだ?
オラ 心配だぞ!
マリベル「そうは 言っても……。
ねえ。アルス!
フォロッド王「そなたたちには
見苦しいものを 見せたようだな。
フォロッド王「アルマンは
何かを 隠しているようだが
そんなことは大した問題ではない。
フォロッド王「いま わたしは
未来を 手に入れた!
フォロッド王「わが国民……いや
世界中の人々が 幸せにくらせる
そんな時代が やって来るのだ。
フォロッド王「からくり人間が
完成しさえすれば 夢はかなう。
明るい未来が おとずれるぞ!
*「ここだけの 話だけどな…
城の学者たちが 話してるのを
聞いちまったんだよ。
*「その昔 からくり兵という
おそろしいキカイの兵隊に
この国が おそわれたらしいって!
*「さいわい戦いには 勝ったのだが
当時の人々は からくり兵を
すべて処分してしまったらしい。
*「もったいない話だよな。
1体でも それが残っていれば
からくり人間を完成できたろうにな!
*「何だって!
からくり兵が みつかったって!?
*「だ…大丈夫なのだろうか?
また たくさんのからくり兵が
襲って来たりしないんだろうな!?
ガボ「もし 襲われたら オラたちが
ぜ〜んぶ ぶっ飛ばして やっから
心配しなくて いいからな!
マリベル「この時代に 襲って来たら
まちがいなく 全滅でしょうよ。
たよりないったら ないわね!
キーファ「ほ〜ら やっぱりな。
ハンパに 知ってるっていうのが
いちばん不安に なりやすいんだぜ!
*「たったいま アルマンさまは
兵士をふたり 引き連れて
そちらの階段へ。
*「きっとまた 国王さまから
なにか新しい 重大な使命を
さずけられたのでしょうね。
マリベル「だれも アルマンさんが
牢屋に つかまったなんて
思わないんでしょうね。
キーファ「ふ〜ん。
アルマンさんて 人々からの
信頼が 厚いんだなあ。
キーファ「たいしたもんだぜ!
*「ブオッ ブオッ!
キーファ「なんか 苦しそうな
音がしてるぞ。
*「研究に打ちこんでいると
食事をしたか どうかなんて
忘れてしまう事が多いんだよ。
*「今日もお昼を 食べたかどうか
忘れちゃってね。
もう一度 食べに来たのさ。
*「ふう!
学者さんって 身体動かさないから
あまり食べないかと思ったのに……。
*「とんでもないわ。
頭を使うだけでも お腹すくのね。
すっごく食べるのよ!
*「カギは かかっちゃいないぜ。
アルマンさまなら
中に いらっしゃる。
*「たしか アルマンさまを
ここから出すなとは 言われたが
人を入れるなとは 言われてない。
*「おれは 言われたことだけ
しっかり 守ってればいいのさ。
マリベル「ちょっと。
この人 カッコよすぎない?
マリベル「でも こういうのって
あたし キライじゃないよ。
ガボ「なんだ この兵隊さんは
人に言われた ことしか
できねえのかあ。
ガボ「そんなこっちゃ
えらく なれねえぞ!
キーファ「あははっ まいったぜ!
ものわかりのいい 兵士だな。
アルマン「いやはや かたじけない。
すっかり あなたがたには
めいわくを おかけしましたな。
アルマン「その めいわくついでと
言っては 申し訳ないのですが
わがままを 聞いてくださらんか。
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
アルマン「なんと ありがたい。 アルマン「じつは あの からくり兵は アルマン「いまだ エリーは アルマン「それを 知ったとき アルマン「くわしい話は ともかく! アルマン「しかし 部品を抜かれ アルマン「そこで お願いなんじゃが アルマン「人に知られるとまずい。 |
いいえ |
アルマン「まあまあ そう言わずに (ループ) |
ガボ「オラも エリーは もとの家に
返してやりたいぞ!
ガボ「行こ 行こ アルス!
エリーの部品を 取りに行こうぜ!
マリベル「行きましょ アルス。
エリーの部品を 探しに
フォーリッシュの町へ!
キーファ「アルス 行こう!
フォーリッシュの町に 行って
まご娘さんに 会ってこようぜ!
フォロッド王「アルマンは
何かを 隠しているようだが
そんなことは大した問題ではない。
フォロッド王「いま わたしは
未来を 手に入れた!
フォロッド王「わが国民……いや
世界中の人々が 幸せにくらせる
そんな時代が やって来るのだ。
フォロッド王「からくり人間が
完成しさえすれば 夢はかなう。
明るい未来が おとずれるぞ!
マリベル「アルス!
早く フォーリッシュの町に
行きましょうよ!
マリベル「あたしたちが 帰ってくるのを
きっとアルマンさんは 首を長くして
待ってるわよ!
キーファ「やはり フォロッド王は
アルマンさんを どうこうしようという
つもりは ないみたいだな。
キーファ「さあ 今は アルマンさんに
頼まれた物を 探しに行こうぜ!
ガボ「アルス。
早く フォーリッシュの町に
行かなくちゃ だめだぞ!
*「ねえねえ ほらっ。
町がキレイで 気持ちいいでしょ!
*「だから おにいちゃんたちも
道にゴミとか 捨てちゃだめだよ!
*「主人や おじいさまの祖先に
トラッドという 有名な
お城づとめの 兵士長がいたのね。
*「その弟の ゼボットと言う人だけが
ただひとり家系の中で 兵士ではなく
からくりの研究家だったらしいの。
*「おじいさまが 家にあった
古い書物で みつけたのよ。
*「それ以来なぜか おじいさまは
何度も 禁断の地へ……。
*「あっ! ごめんなさい。
いまのは 聞かなかったことに
してくださいね!
ガボ「え〜と え〜と
アルマンのおっちゃんと
ゼボットのおっちゃんは……。
ガボ「えへへ。
いったい どういう関係なんだ?
マリベル「つまり アルマンさんは
トラッド兵士長と ゼボットさんの
子孫ってわけね!
マリベル「なんだか 時の流れを
感じちゃうわ……。
キーファ「うすうす そうかなとは
思っていたんだが……。
キーファ「やっぱり アルマンさんは
ゼボットさんの 子孫だったんだな。
*「わたしの 剣術の先生は
ここに お住まいの
アルマンさまです。
*「みずからも お強いのですが
教え方もすばらしい。
*「おかげさまで 城の武術大会では
2度も優勝させてもらいましたよ!
わっはっは!
*「へんだなあ……。
おじいちゃん お城に行ったきり
まだ 帰ってこない……。
*「えっ なあに?
おじいちゃんに 言われて来たの?
部品のあるところ?
*「え〜。
わたし 知らないよ〜。
*「あっ! まって。
あのことかな 宝物のかくし場所。
*「もし おじいちゃんが忘れたときには
わたしが 教えてあげることに
なっていた 秘密の場所。
*「それなら 知ってる!
池のそばの タルの下を掘るのよ。
でもいい?誰にもナイショだからね!
マリベル「池のそば?
池って この町にあるのよね。
マリベル「アルス。
あんたは ちゃんと
わかってるんでしょうね!
キーファ「聞いたか アルス、
池のそばの タルの下だぞ、
キーファ「おそらく そこに
エリーの 部品が!
ガボ「タル?
タルって あの
ウィンウィン いうやつか?
*「池のそばの タルの下を掘るのよ。
だけど いいこと!
みんなには ナイショなんだからね!
アルスは 地面を 掘ってみた。
なんと! からくりパーツを 見つけた!
アルスは
からくりパーツを手に入れた!
*「あっ! 何か 見つかった?
*「え〜。その きたない
鉄クズみたいなのが 出て来たの?
*「へんだなあ。おじいちゃんは
宝物だって 言ってたのにな!
キーファ「どうやら この子は
この部品が 宝物だってことは
知らないみたいだな。
ガボ「わかって ねえなあ。
この きったねえ 部品が
すっげえ 宝物なんだぞ!
マリベル「うふふ。宝石か何かだと
思っていたのかしらね。
マリベル「まあ あたしだって
本当は こんな ガラクタより
宝石の方が うれしいけどね。
*「お城の学者たちが みんな
そこの研究所に 集まって
何やら はじめたようですよ。
*「しかし そこに運びこまれた
あの キカイのような人間は
いったい……。
キーファ「まずいぞ アルス。
フォロッド王が 動き出したようだ。
のんびりしちゃ いられないぞ!
ガボ「やばっ!
エリーが あぶないぞ アルス!
早く部品を わたさなきゃ!
マリベル「ちょっと 冗談じゃないわよ!
まさか もう エリーは……。
マリベル「いいえ 大丈夫!
アルマンさんのところへ
急ぎましょ!
*「おっと ここはいま
立ち入り禁止だ。
*「おえらい学者さんたちが
からくり兵を 調べるらしい。
さあ よそへ行った 行った!
ガボ「くう〜 その兵士!
いっちょ シリにでも
かみついて やろうか!
キーファ「くそ! まさか この兵士を
倒すわけにゃいかないし……。
キーファ「アルス 地下牢だ!
とにかく アルマンさんのとこへ
急いで行こう!
マリベル「まったくもう!
兵隊なんてみんな 石頭なんだから!
どきなさいよ そこ!
兵隊は 知らん顔を している。
*「はっはっは! そなたたちも
この国に来てもう だいぶたつな。
すっかり顔を おぼえてしまったぞ。
*「どうだ いっそのこと
この国で 暮らしては!
ここはいい国だぞ。はっはっは!
ガボ「朝から晩まで ずっとここで
見張ってるのが しごとなんて
オラには とっても できねえぞ!
*「いまだ アルマンさまは
地下牢に 入れられたまま……。
*「早く フォロッド王さまが
お許しになって くださると
よいのでありますが。
大臣「国王陛下には きっと
深い お考えあってのこと。
大臣「アルマンどのには
いましばらく しんぼうして
もらうしか ありますまいな。
マリベル「ほらほら アルス
アルマンさんが 待ってるってば!
ガボ「アルマンのじっちゃんが
エリーの部品を 持って来るの
首ながくして 待ってるぞ!
キーファ「いいから アルス。
アルマンさんの いる地下牢に
早く 行こうぜ!
*「王さまだって アルマンさまを
そんけい していらっしゃるのよ。
*「だから 牢屋に入れたのは
本心じゃないのよね きっと。
*「ただ からくり兵の研究の
じゃまだけは されたく
なかったんじゃ ないかしら。
*「いま王さまは 私たちとまったく同じ
すがた形をした からくり人間を
作っていらっしゃるとか。
*「でも もし できたとしても
しょせんは からくり……。
*「いかに 見かけは同じでも
人の心まで 宿りはしませんわ。
マリベル「そうかも しれないし
そうじゃないかも しれない……。
マリベル「神さまは どんなものにでも
たましいを ひとつずつ
くださったのかも しれないわね。
キーファ「いや……。
オレも はじめは そう思ってたけど
そうは 言い切れないかもな……。
*「いやだよ まったく!
今度はこっちの おそうじ君が
おかしくなっちゃったよ!
*「やっぱり キカイなんて
あてにゃあ ならないわね!
*「バフッ バフッ!
*「国王が極秘に 調べていた
はるか いにしえの からくり兵が
みつかったそうですね。
*「歴史には 残されてはいませぬが
過去にこの国は からくり兵によって
しんりゃくを 受けたはず……。
*「もし それが本当だとすれば
そんな恐ろしいものを あの子は
一体どうするつもりなのでしょう!
マリベル「過去の できごとを知れば
この人に限らず だれだって
エリーを こわがるわよね。
マリベル「やっかいなことに なる前に
なんとか しなくちゃ!
キーファ「別に エリーは
おそろしい 存在じゃないが
説明するのは 大変だしな。
*「ホントに まったく!
私は 修理屋じゃないというのに
人使いが 荒いんだからもう!
動いていない。
どうやら壊れてしまったようだ。
マリベル「ふ〜ん。
やっぱ こわれたら
ただの箱だよね。
*「アルマンさまは 器用な方でな。
こわれた いろんな物を
さっさと直してしまわれるのだ。
*「そのへんの 下手な学者より
ずっと 腕は確かかもしれん。
*「代々兵士の家に 生まれたにしちゃ
ちょっと 毛色がちがうんだよな。
まったく大したお方だよ。
マリベル「そりゃそうよ!
なんたって ゼボットさんの
子孫なんですからね!
キーファ「なるほどな。
アルマンさんは トラッド兵士長と
ゼボットさん……
キーファ「両方のいいところを
受けついでるわけか。
そりゃあ すごいや!
*「やれやれ やっとメシに
ありつけそうだよ。
*「今は なんてったって
学者先生たちが 優先だからな。
兵士ふぜいは かたみがせまいぜ。
*「ふう!
入れかわり 立ちかわり
みんなが 食べにくるわ。
*「作ってる わたしは
いつ食事が できるのかしらね。
*「あっ いけない!
おナベが ふいちゃう!
ガボ「ああ… アルス。
オイラ いままで 忘れてたけど
ハラへってきたぞ……。
*「おい おいっ!
本物の からくり兵が
見つかったんだってな。
*「むかし この国をおそった奴だぞ!
そんなもの 城の中に入れて
大丈夫なのかい えっ?
*「お おれは 反対だぞ!
王さまも どうかしていらっしゃる!
何かあったらどうするんだ!
マリベル「エリーは 何もしないわよ。
って言ったって 信じるわけないか。
マリベル「まったく やっかいだわね。
*「いま 兵士長さまも
中にいらっしゃるよ。
*「やはり アルマンさまのことが
心配でいらっしゃるのだろう。
何ていったって 親子だからな。
ガボ「エリーが こわされないうちに
早いとこ アルマンのじっちゃんに
部品をわたさなくちゃ!
キーファ「ああ 兵士長って
アルマンさんの 息子だったな。
マリベル「アルス。
早く部品を アルマンさんに!
兵士長「お父上。
なぜ国王に あのようなことを。
アルマン「わたしは ただ
2人を そっとしておいて
やりたかった だけじゃよ。
アルマン「ただ それだけじゃ……。
兵士長「お気持ちは わかりますが
今となっては……
兵士長「そなたたちか……。
兵士長「お父上。
お気持ちは よくわかりますが
くれぐれも無茶は なさらぬよう。
兵士長「父上が 世話になったようだ。
わたしからも 礼を言う。
兵士長「エリーについては
わたしも 立場上
ふくざつな思いなのだ。
兵士長「だが 今となっては
国王さまの なさることを
信じるしかあるまい……。
アルマン「おお!
持って来て くださったか!
アルマン「助かりましたぞ。
これさえあれば エリーを
直してやれますじゃ!
アルスは アルマンに
からくりパーツを 手わたした!
アルマン「今エリーは 城の表にある
研究所に いるはず。
アルマン「ささっ 何はともあれ
エリーのところへ まいりましょう!
*「お待ちください アルマンどの!
*「その格好のままで おもてに
出るわけには 行きますまい。
どうか これを!
なんと! 兵士は 自分の服をぬぎ
アルマンに 手わたした!
アルマン「かたじけない。
今はだまって 甘えておきますぞ。
*「はっはっは!
アルマンどの そうして見ると
まだまだ お若いですぞ!
*「ささっ 早く行かれるが
よいでしょう!
アルマン「いろいろ すまぬな。
ありがとう。
アルマン「いやはや うれしくて
ひとりで勇んでしまい 面目ない。
ささっ まいりましょうか!
アルマンが 仲間にくわわった!
*「さすがに ここを動くわけには
いかないからな。
あとは よろしく たのんだぜ!
(出ようとすると)
アルマン「はて アルスどの。
いったい どこへ行く
おつもりですかな?
アルマン「エリーが いるのは
城の表にある 研究所ですぞ
*「あっ!
*「やあっ いいところに来てくれた!
さっきから おなかすいちゃってさ。
もう ペコペコなんだよ。
*「ここのみんなが 出かけたっきり
いつまでも戻ってこないんだ。
*「悪いけどさ。
ちょっと 食事して来るから
るすばん頼むよ。ねっねっ!
アルマン「おおっ エリー!!
かわいそうに。
いま助けてやるからな!
アルマン「ふむ……。
あちこちひどく 触られてはいるが
これなら なんとかなるじゃろう。
アルマン「これでよし!
立ってごらん エリー。
エリー「ビュッ ビュビュッ!
エリー「すーぷ サメタ……。
ぜぼっと ドコ?
エリー「!!
ぜぼっと!?
エリー「ぜぼっとオキテハ イケナイ。
ぜぼっと ビョウキ……。
アルマン「ゼボット!?
わしのことを ゼボットだと
思っているのか エリー!
アルマン「ちがう。
ちがうぞ エリー。
わしは ゼボットではないんじゃ!
エリー「ぜぼっと ビョウキ。
ウチニ ツレテ カエル。
すーぷ ノマス……。
アルマン「こ これ!
違うと いうに
まちがいなんじゃ エリー。
アルマン「よ よさんか エリー。
お前の主人は ここにはおらんぞ!
フォロッド王「アルマン!
そなた 地下を抜け出し
ここで何を しているのか!?
エリー「ぜぼっと ビョウキ。
オウチ カエッテ ネル。
アタタカイ すーぷ ツクル。
*「!?
からくり兵が アルマンさまを!
*「アルマンさまが あぶない!
フォロッド王「むっ!
まて! 剣を引けい!
フォロッド王「そいつは アルマンを
おそっている わけではない!
ええいっ 引けというに!
エリー「ビュッ ビュビューッ!
アルマン「エ… エリー!?
エリー!!
フォロッド王「しまった!
やってしまったのか!?
フォロッド王「アルマン ぶじか!
アルマン「エリー……。
フォロッド王「アルマンよ。
この からくり兵は そなたを
おそっていた わけではあるまい。
アルマン「はい 国王さま……。
フォロッド王「おそらくは
あの小屋にいた こやつの主人と
そなたを まちがえたのであろう。
フォロッド王「すまぬ アルマン。
わたしにも すべてがわかった。
フォロッド王「この からくり…いや。
エリーはもう からくりなどとは
呼べぬ存在なのであろう。
フォロッド王「この エリーの
主人に対する いちずな思い。
われわれの方が 学ばねばならぬ。
フォロッド王「アルマン 直せるか?
直してやれるか エリーを!
アルマン「はい 国王さま。
おそらく。
フォロッド王「よしっ みなのもの!
エリーを 元いた小屋に運ぶのだ!
*「はっ!
アルマン「ふう。
さてこれで いいはずじゃ。
エリー 起きてみなさい。
エリー「ビュッ ビュビュッ!
エリー「ぜぼっと ネテイル!
アタタカイ すーぷ ツクル。
ぜぼっと ゲンキデル。
フォロッド王「これでよしと。
もとに 戻ったわけだ。
フォロッド王「アルマンよ。
そして アルスたちよ。
すまなかったな。
フォロッド王「わが夢のため
そなたたちには なにかと
めいわくを かけたようだ。
フォロッド王「といって わたしの
方針は まちがってはいない。
フォロッド王「エリーのことは
あきらめるとしても からくり人間を
あきらめたわけではないのだ。
フォロッド王「先人の 知恵を借りずとも
必ずや なしとげてみせよう!
フォロッド王「その日が来たら エリー。
お前の友だちを つくってやるぞ。
楽しみに 待っているがよい!
フォロッド王「わっはっは!
アルマン「いやはや まったく
何とお礼を言ってよいやら。
アルマン「みなさんには 旅の途中
すっかり手間を かけさせてしまい
申しわけありませんでしたな。
アルマン「お時間が あるようでしたら
旅立つ前に ぜひ わが家に寄り
くつろいでいってくだされ。
アルマン「本当に ありがとう。
いろいろ世話に なりましたな。
では お先に失礼しますぞ。
アルマン「エリーよ よかったな。
これから先は誰にもじゃまされずに
静かに暮らせるはずじゃ。
アルマン「それもこれも み〜んな
あの方たちの おかげじゃて。
アルマン「お前さんも
かんしゃ するのじゃぞ。
ほっほっほ。
ガボ「よかったなあ アルス。
オラ なんだか
とっても うれしいぞ。
マリベル「よかったわね アルス。
エリーも もとの所に
ちゃんと帰って これたわ!
キーファ「これにて 一件落着かな。
エリー「アタタカイ すーぷ
ノメバ ぜぼっと ゲンキニナル。
オイシイ すーぷ ツクル。
エリー「ア…リ…ガト……ウ。
えりー ウレ…シイ……。
キーファ「き… 聞いたか アルス!
今 エリーが!!
いや… オレの 気のせいかな?
ガボ「うひゃあ!
今 たしかに エリーが
ありがとうって言ったぞ!
ガボ「エリーも 人間みたいに
うれしいとか 悲しいとか
感じるように なったんだな!
マリベル「アルス 聞いた?
エリーが ありがとうって。
うれしいって!
マリベル「信じられないわ……。
もしこれが 神さまの いたずらなら
とっても素敵な いたずらだわね!
*「わたしの 見まちがいだとは
思うのですが……。
さきほどの キカイのような人間は
いくさ用に作られた物のように
思えてしょうがないのです。
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「ああっ!やはり そうなのですか! *「しかし わがフォロッドで |
いいえ |
*「そ… そうですよね。 |
はいの場合
マリベル「からくり兵を 作ったのが
魔物たちだって 知ったら この人
きっと ひっくり返っちゃうわね!
キーファ「おいおい アルス。
もう 済んだことじゃないか。
おどかさずに おいてやれよ。
いいえの場合
ガボ「あれは エリーだもんな
いくさ用の からくり兵じゃ
ないもんな!
*「王さまは 外から戻るなり
お城の学者たちを集めて 何やら
新しい指示を なさったそうよ。
*「いよいよ からくり人間完成の
メドが たったのかしらね!
マリベル「むりむり。
からくり人間 なんて
ぜ〜んぜん むりだわね。
ガボ「オラは 王さまを
おうえんするぞ。
ガボ「うまくいくと いいけどな。
キーファ「さすが フォロッド王。
やることが 早いな。
キーファ「しかし からくり人間の完成は
ほど遠いんだろうな。
あちこち こわれている。
とても 動きそうにはみえない。
*「さっそく 国王さまの命令で
研究を 再開したのですじゃ。
*「きっとわしらの ちからだけで
からくり人間を完成させて
みせましょうぞ!
キーファ「はてさて なんだか
心ぼそいなあ。
キーファ「本当に この連中で
からくり人間って できるのかな。
マリベル「ここを 見てる限りじゃ
残念だけど 王さまの夢は
かないそうにも ないわね……。
ガボ「この おっちゃんたち
ホントに からくり人間なんて
作れるのか?
*「いやあ あの からくり兵は
もったいなかった ですとも。
*「あれさえあれば からくり人間は
完成したも 同じだったのですが
また いちから やり直しですよ。
*「右。左。右……。
ほ〜ら 簡単だ。
*「こうやって 足を順番に出すだけで
こんなに簡単に 歩けるのに
なぜ からくりはダメなのか。
*「やはり 頭が悪いからかもしれん。
動いていない。
どうやら中身を 抜かれているようだ。
*「今の われわれの ちからでは
からくり人間を 作るのに
このさき 何年かかるやら。
*「10年…いや20年か……。
*「あわわ!
こんなこと 王さまには
聞かせられませんよ!
*「王さまは いったいなぜ
せっかく見つけた からくり兵を
あきらめなさったのだろう。
*「あれを てってい的に調べれば
からくり人間の 完成が
きっと早まったはずなのにな!
*「おおっ そなたたちか。
こう いつも声をかけてもらうと
他人のような 気がしないな。
*「いっそ 兵士長どのに たのんで
兵士にでも なってみてはどうだ。
はっはっは!
キーファ「兵士に なれってか?
あはは。
もう 経験済みだってね!
*「どうやら アルマンさまに
おゆるしが 出たようなんです。
いやあ本当に よかったですよ!
兵士長「さすが フォロッド王さまは
エリーのこと わが家の血筋のこと
もはや お見通しの ごようす。
兵士長「そんな 国王だからこそ
われわれも心から 信頼もうしあげ
お仕えできるというものだ。
兵士長「心配かけたが もう大丈夫。
これから先は きっとうまくいく。
そなたたちの おかげでな!
ガボ「このおっちゃん アルマンさんの
子供なんだろ?
ガボ「それにしちゃ 顔とか
あんまり 似てねえぞ!
マリベル「王さまは みんな
お見通しなんだ。
すご〜い!
キーファ「う〜ん。
うらやましい くらいの
信頼関係だなあ。
キーファ「これは おやじに言って
見習わせなきゃいけないぜ。
大臣「いましがた 国王陛下より
禁断の地への立ち入り禁止が
よりきびしく 命ぜられた。
大臣「このさき あの土地に
足を踏み入れる者はなかろう。
大臣「これも 国王陛下の
アルマンどのに 対する
深い 思いやりであろうな。
マリベル「よかったわあ。
これで この先 ふたりは
永遠の時を 手に入れたのよ。
マリベル「あたしも そのうち
素敵な恋を 見つけてみせるわ!
キーファ「これで安心だな アルス。
キーファ「この先 ゼボットさんと
エリーを 邪魔するものは
何もないだろうさ。
ガボ「しまった!
あの辺の キノコを食うのを
すっかり忘れてた!
フォロッド王「おお!そなたたちか。
さきほどは やっかいをかけた。
あらためて礼を言わせてもらうぞ!
フォロッド王「心のこりがないと言えば
うそになるが… エリーのことは
きっとあれで よかったのであろう。
フォロッド王「今は きっぱりとあきらめ
未来は みずからの手で
つかむことにしよう。
フォロッド王「そなたたちも
いずれ 近くに来ることがあれば
かならず 立ち寄ってくれよ。
フォロッド王「そのときには この国が
からくり人間によって よりいっそう
栄えているはずだからな!
フォロッド王「楽しみにしているがよい。
はっはっは!
マリベル「フォロッド王さまって
まだ 若すぎるけど……。
マリベル「そのうちに
きっと あたし好みの
いい男に なりそうね!
キーファ「からくり人間の研究は
どうなるか わからないけど……
キーファ「この 国王のいるかぎり
この国は まちがいなく
発展して行くだろうな。
ガボ「王さまったら
すんげえ 自信だな。
ガボ「何だか本当に からくり人間が
できちまうような 気がするぞ!
*「わったし〜は きれいずき〜
フン フン フ〜ン!
おっそうじ フ〜ン!
*「ほ〜ら テーブルも
きれいになったわ!
*「これで王さまに 気持ち良く
使っていただけるわね。
今は 止まっている。
そうじが 終わったようだ。
*「サッサッ サッサッ!
ひぃ〜。
オラア お城の そうじ番だあよ。
*「あの タル野郎めが
ちっとも 休まねえもんだから
オラも 休めねえだ。
*「でも 負けちゃ いられねえだよ。
そこ どいてくんな。
それっ サッサッ サッサッ!
キーファ「おっさん
からくりと 本気でやりあう気かよ。
つかれて 倒れちまうぞ!
*「キカイで できた からくり人間に
人の心が 宿ることなど
ないと思っていました。
*「でも フォロッド王さまは
こう おっしゃったのです。
からくり人間にも 心は宿ると!
*「すばらしいと 思いません!?
これはもう あたらしい
いのちの誕生ですわ!
*「こういった 見張りのような
単純な仕事にこそ からくりが
向いていると 思うんだよ。
*「あっと! カンちがいしないでくれ。
おれが 単純だって
言ってるわけじゃないぞ。
*「こう見えても みはりの仕事ってのは
むずかしいものなんだからな!
マリベル「何 言ってるのかしら。
どっちにしても 見張りを代わって
欲しいだけ なんじゃないの。
*「からくり兵の うわさは
どうやら デマだったらしいな。
*「そりゃ そうだろうな。
*「むかし話が 本当だったとしても
そんな古い時代の からくり兵が
今に残っているはず ないもんな。
キーファ「オレたちだって
まさかエリーが 生きているなんて
思わなかったものな。
キーファ「しかしこれで からくり兵は
人々の中から 永遠に
消えることに なったんだな。
*「かつて あの禁断の地には
有名な学者が 住んでいたという。
*「消し去られた この国の歴史と
その学者とは 何か関係があるとも
言われてはいるのだが……。
*「それを知る者は もうこの世に
ひとりも残っては いないでな。
真実は 時のかなたじゃよ。
キーファ「そうそう。
真実は 時のかなたに
消えちゃったんだよな。
ガボ「オラ 知ってるけど
教えてやんねえ!
マリベル「知らない方が いいことって
世の中たくさん あるからね。
*「禁断の地とは いっても
みんな あの辺りには よく
キノコ狩りなんかに 行ったものさ。
*「だが これから 立ち入りは
本当に きびしくなるらしいんだ。
*「ひょっとすると 岬のあたりに
おそろしい ケモノでも
出るようになったのかもしれないな。
マリベル「そうよ 兵隊さん。
ぜったい 西の岬には
行っちゃだめ。
マリベル「すっごく おそろしい
ケモノが いるかもよ。
がう〜っ!
*「さきほど 兵士長が見えてな
部下のわたしに わざわざ礼を
言われていったよ。
*「どんなことにも 礼をつくす。
さすがは アルマンさまの
ご子息だな。
キーファ「この兵士の おかげで
すべて 解決できたようなものだ。
かんしゃ しなくてはな。
ガボ「兵士の おっちゃんも
ふつうの服より この格好のほうが
よく 似合ってるよな。
マリベル「この人の 服を着た
アルマンさんと 一緒に歩いたとき
もう ドキドキしちゃったわよね!
*「も…もう いないかね!?
*「ぶるぶる……。
わ…私は ネズミが
大きらいなんじゃよ!
*「そうじきが こわれたというから
調べてやったら 中からネズミが!
うう……ぶるぶる……。
キーファ「わっはっは!
調子の悪かった そうじ機の中には
お客さんが いたってわけだ。
キーファ「なんでも ウィンウィンて
吸い込んじまうのも 考えもんだな。
*「にゃ〜ん。
*「なんだかんだ いったって
人間の手に かなうものは
ないんだよ。
*「そうじだって 料理だって
やりゃあ いいってもんじゃ
ないだろ?
*「ちゃんと まごころってもんが
こもってなくちゃあね!
*「ふう……。
やっと 自分の食事ができたの。
*「からくり人間の 研究って
まだまだ 時間がかかるらしいから
食事のせわも てんてこまいね。
ガボ「ああ… アルス。
ここに来ると いいニオイがするなあ。
ハラへってきたぞ……。
*「わたしは 国王を信じますわ。
どんな からくりを 作ろうとも
それは すべての人のため。
*「消された 歴史のような
いまわしい出来事は
決して起こさないでしょう。
*「からくりも 使いようによっては
きっと人々に しあわせを
もたらしてくれる はずですものね。
キーファ「いいなあ。
こんなに 物わかりのいい
母君が いるなんてさ。
キーファ「フォロッド王の 夢は
いつかきっと かなえられるだろうな!
マリベル「この 親ありて
あの 国王あり。
マリベル「う〜ん。
なかなか いい親子だわね。
*「うえ〜ん!
おこづかいを 道に落としたの。
*「そしたら おそうじ君が
吸い込んじゃったんだよー!
ひい〜ん!!
ガボ「こらっ 泣くなってば!
別に食いもんを 取られたわけじゃ
ねえじゃねえか!
*「ウィーン ウィーン
マリベル「う〜ん。どうしよう。
あたしも 本当に一台
欲しくなって きちゃったわ。
キーファ「おお 快調 快調。
今日も調子は 良さそうだな!
ガボ「ウィ〜ン ウィ〜ン。
ガボ「へへへ。
オラ こいつらの まねが
うまくなったろ。
*「本当に 助かっちゃうわ。
からくりそうじきが 来てから
いつも お部屋は ピッカピカ!
*「おかげで どんなに お客さんが
汚したって へっちゃらさ。
*「まったく 王さまは
ありがたいものを
作ってくださったよ。
*「お城に 足を向けては
寝られや しないわね。
あっはっは!
*「おや?
あんたら前にも この町に
来たことがなかったかな?
*「わっはっは!
おれは 記憶力がいいから
すぐに わかるってもんだ。
*「ずいぶん前だったよな。
でも ちゃ〜んと 覚えているぜ。
へへへ すげえだろ なあ!
マリベル「……。
キーファ「……。
ガボ「……。
*「いまわしい過去を持つ この町も
いずれは変わっていくのじゃよ。
*「王さまが 明るい未来を
約束してくださったからな。
*「まあ わしの生きてるうちには
間に合わんかもしれんが
未来は子供たちのものじゃ。
*「きっと この町も この国も
ますます栄えていくことじゃろう。
ありがたいことじゃ。
キーファ「要塞のような 建物の形が
普通に戻ったとき この町に本当の
平和が来るのかも しれないな。
キーファ「な〜んて ちょっとは
カッコよかったろ?
わっはっは!
マリベル「あの 若き王さまなら
確かに この国の未来は
明るいかも しれないわ。
マリベル「ただし まちがった方向に
からくりを使わなければ だけどね。
*「と いうわけで 神父さま。
わたし……
*「きゃっ! また あなたたちなの!
人が ざんげしてるの
聞かないでって言ったでしょ!
*「あなたたちだって まちがいを
おかしたこと あるでしょ?
ぜったいあるわよ。ねっ!
ガボ「こうやって神さまに あやまると
なんか うまいものにでも
ありつけるのか?
ガボ「だったら オラも
やりたいぞー!
マリベル「おどろいちゃうわね。
この子ったら いったいどれだけ
ざんげすることが あるのかしらね!
*「あなた 聞きました?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「あっ やっぱりねえ。 |
いいえ |
*「禁断の地への 立ち入りが *「困っちゃうなあ。 |
はいの場合
マリベル「……。
ガボ「こんなとき オラに
いったい 何を言えっていうんだ?
アルス。
キーファ「……。
*「これは うわさなんですがね
どうも からくり人間を作るのに
行き詰まっているらしいんですよ。
*「あ〜あ……。わたしは
ぴちぴちの からくりギャルを
楽しみにしていたんですがねえ。
ガボ「からくりで オオカミも
作れるのかなあ……。
ガボ「だったら オラ
かあちゃんみたいな
からくりが 欲しいぞ!
キーファ「へへへ。
そりゃあ かわいい からくり人間が
いいに 決まってるよな!
マリベル「どうせなら あたしに
そっくりな からくり人間を
作れば いいんだわよ。
マリベル「かわいくって やさしくって
きっと 引っぱりだこね!
*「あのね ぼくね。
そこのお水に 落っこちちゃったの!
*「だから ズボンが
びしょびしょなんだよ。
ほんとだよ!
*「ち…ちがうもん!
おねしょじゃ ないもん!
マリベル「ププッ! アルス。
あんたのこと 思い出しちゃった!
マリベル「あたし!?
し…失礼しちゃうわね!
あたしは とっくに卒業したわよ!
キーファ「自分から おねしょじゃない
ってのが そもそも あやしいよな。
キーファ「よく オレも使った手……
ゴッホ〜ン!!
ガボ「くん くん……。
むっ!
この ニオイは!?
*「うわさじゃ 東の廃墟に
おかしな 占いばあさんが
住みついたそうよ。
*「まだ できないのかねえ
料理のできる からくりは。
一日も早く ほしいんだけどねえ。
マリベル「気持ちは わかるけどね。
きっと まだまだ先だと 思うわよ。
キーファ「料理のできる からくりの次は
何が 欲しくなるんだろうな。
キーファ「やっぱり あの小屋にあった
せんたく機 なのかなあ。
*「ほらっ 見ておくれよ!
ゆびに こんなケガをしちまった!
*「ちょっと 持ち上げようとしただけで
はさまれちゃったんだ。
*「あんたらも あのキカイには
うかつに さわらないほうがいいよ!
*「あちちっ こりゃあ やっぱり
持っては帰れなさそうだなあ……。
マリベル「そういうのを 世間では
てんばつって いうのよ。
ガボ「そんなに あの ウィンウィンが
欲しいかなあ。
オラには わかんねえや。
キーファ「だめだって いうものを
むりやり 持って行こうとするから
そういう目に あうんだぞ。
*「うちは代々 兵士の家系なの。
でも いまは女の子ひとりしか
子供が いないでしょ。
*「もうひとり
あの子に 弟が欲しいんだけど……。
*「お城づとめの 主人が
いそがしいから なかなかね。
*「あら わたしったら!
何を 言っているのかしら。
いや〜ん!
マリベル「あ〜あ。すぐれた血筋の
アルマン家に この嫁さんの血統も
入っちゃったのね。
ガボ「ガ……ボ……?
キーファ「ぽっ……。
*「王さまをはじめ 城の兵士全員が
アルマンさまに剣術を
おそわって きたのです。
*「つまり アルマンさまは
城の者みんなにとっては
だいじな先生と いうわけです。
*「アルマンさまを 親に持たれる
兵士長どのが うらやましいですよ!
キーファ「オレも この国のみんなが
うらやましいよ。
キーファ「アルマンさん みたいな
すばらしい 先生に
教えて もらえるなんてな。
マリベル「そうそう。
親が りっぱだと ふつうは
子供も すぐれているものよ。
マリベル「ねっ アルス。
うちなんか その典型的な
親子だわよね!
アルマン「おおっ おおっ!
みなさん 来てくだすったか。
ささっ ゆっくりしてくだされ。
アルマン「おかげで エリーは
これから ゼボットとふたりで
静かにくらせる ことでしょう。
アルマン「フォロッド国王さまが
ああして わかってくだすったのも
すべて みなさんのおかげじゃ。
アルマン「本当に ありがとう。
このアルマン みなさんのことは
一生 忘れませんぞ!
キーファ「アルマンさんの ことも
オレたち 忘れやしないよな!
マリベル「今回は あたしたちも
いい経験しちゃったよね。
マリベル「アルマンさんも
長生きしてね!
*「わーい!
ちゃんと言いつけを 守れたから
おじいちゃんに ほめられちゃった!
*「でもわたし あそこに
どんな宝物が かくしてあるのか
知らなかったの。
*「そうそう それでね。
おにいちゃんたちの あとを
ほってみたんだ わたし。
*「そしたら ほらっ!
こんなものが 出てきたのよ。
へんな 石の板……。
*「これもあげるよ!
はい!
アルスは ふしぎな石版赤を
手に入れた!
*「あははっ ごめんね!
そんなきたないの いらないよね〜。
あとで すてちゃってね!
キーファ「あははっ サンキュー!
君の おかげで
何度も 助かっちゃったよ。
マリベル「ひょっとしたら この子も
いずれ からくりを 作るように
なるかもしれないわね!
ガボ「いい子だな アルス。
でも アルスの ヨメさんするにゃ
まだちょっと 若すぎるぞ!
*「あははっ ごめんね!
今度はちゃんとした 宝物を
見つけておくからね。
前(過去フォーリッシュ) | トップ | 次(寄り道) |