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マリベル「あたし もう
火山には 入りたくないわよ。
さっさと ここを出ましょ。
キーファ「どうしたんだ アルス。
もう ここに用はないだろ。
先を 急ごうぜ。
*「なんだい あんたら。
もう祭りは おわったんだぜ。
ここに 用は ないだろ。
*「いちおう 神さまがすむって
いわれてる 聖なる山だからな。
あまり きがるに はいるなよな。
*「やっぱり 人が おおぜい
くると 道も よごれるからな。
*「きちんと そうじしておかないと
炎の神さまに おこられちまうよ。
*「おおっ! さては あんたらも
エスタード島から 来たんだな?
*「この間 グランエスタードの
調査団だか なんだかって連中が
この村に 来てなあ。
*「なんでも エスタード島の連中は
この島のことを 知らなかった
って 話じゃないか。
*「たしかに エスタード島とは
長いこと交流が なかったけど……
*「知らないってのは
ひどすぎるだろ。……まったく
エスタード島の連中は 冷たいよな。
キーファ「やっぱり この島の人たちは
この島が なかったことを
知らないみたいだな。
キーファ「これって オレたちが
過去の時代を救ったから この島も
ずっと 残ったってことだよな。
キーファ「……って この島を
救ったのは オレたちじゃなくて
ハンクさんだけどな。
マリベル「これって あたしたちが
ハンクさんの世界に 行ったせいで
この島が 滅びなかったってこと?
マリベル「……う〜ん
なんだか ややこしい話ね。
*「ウワサでは エスタード島にある
国というのは ひどく
文明が 遅れているらしいですよ。
*「なにしろ すぐ近くにある
この島のことさえ
気づかなかったそうですからな!
*「とまあ それは さておき……
マリベル「エスタード島は
文明が 遅れてるだって!
じょーだんじゃないわよっ!
マリベル「こんな まわりが
森ばっかの村なんかより
う〜んと 進んでますっての!
*「おお お前さんたちは
いつかも 会ったのう。
*「あのヘンな石版は
採掘所で また 見つかったかの?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「そうか そうか。 |
いいえ |
*「そうか そうか。 |
*「うふふ。
今日も お花が とっても
きれいに 咲いているわ!
*「ウッドパルナという この村の名の
由来じゃと? はて…… 知らんが
妙なことを気にする 旅人じゃな。
*「わしが 知らんのだから
そんなことは きっと だれも
知らんと 思うがの……。
マリベル「この村の名前の由来だった
英雄パルナの話は 今はもう
村人の間に 知られてないのね。
マリベル「……だからって
あたしたちが 説明しても
誰も 信じないでしょうしね。
*「この家のすぐ外 村のまんなかに
高い見晴らし台が あるのを
ごらんに なりましたか?
*「使われなくなった 呼び名ですが
あの見晴らし台には ご先祖さまの
名前が つけられていたのです。
*「見晴らし台の名前は ハンクの塔。
かつて この村を救ったという
偉大な ご先祖さまの名なのです。
キーファ「ハンクの塔か。
ハンクさん すごいよなあ。
キーファ「オレらも どこかに
名前を 残してもらえるような
男になりたいよな。アルス。
*「この島に咲く花は すべて
おとなりの エスタード島と
同じものなのだそうよ。
*「きっと エスタード島から 風で
花のタネが飛んできたんだろうって
おばあちゃんが 言ってたわ。
マリベル「花のタネが 風でね……。
んっ! そういうことに
しておきますか!
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