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*「なんなんだ これは!
夜でもないのに 空が……。
*「旅の者か! 教えてくれ!
神が復活したと ウワサに聞くが
このウワサは 本当なのか!?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「わからない…… いったいだれが |
いいえ |
*「なに!? そうか! *「くそっ! そんなデマに |
*「むむむ!
こんなときに あなたたちは
いったい どこから!?
*「ま まあ それはいい。
それより この空の色は
いったい なんなのでしょう……。
*「あんなに 美しかった空が
一瞬のうちに こんな……
*「な なあ!
アレ なんだ!?
*「おい!
だいじょうぶか!?
*「……ん。なんとか
だいじょうぶ…… みたいだな。
*「ありがとう ございました。
あなたたちのおかげで
命びろい しましたよ。
*「しかし……このあたりに
魔物が 現れるなど 今まで
一度も なかったのに……。
*「この不吉な空が あのような魔物を
呼び寄せたのでしょうか……。
*「だとしたら このさき 世界は
どうなってしまうのでしょうな……
ガボ「ふう〜……。
急に出てくるから ちょっとだけ
オラ ビビッたぞ。
アイラ「思い出した。
ここは……
聖風の谷の 近くの神殿ね。
*「おどろいたぜ!
あんたら 強いんだな!
*「この平和な時代に それだけの
チカラを持ったヤツが
いたなんてな!
*「木立は 風のざわめきをわすれ……
舞いおりし黒雲は われらの前より
空の色を うばいとった……。
*「リファ族の 歴史書にある
悪夢の詩と呼ばれる 詩です……。
*「考えたくもないですが
まさか あの詩は 今日の日を
うたったもの なのでしょうか……
*「このトビラは リファ族にしか
開くことが できないように
作られています。
*「この先に 行かれますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「ならば すこしお待ちくださいね。 *「トビラは 通るとすぐに |
いいえ |
*「私が この場をはなれてしまえば *「私のことは 気になさらず |
*「フィリアさまを 完全なお姿に
することで ねむれる精霊を
呼びさますことができる……
*「フィリアさまには
そんな 言いつたえも
残されています。
*「しかし 完全なお姿といっても……
今のフィリアさまに いったい
何が 足りないというのでしょう。
マリベル「アルス。
今の話で わかったわよね?
いいえの場合追加 | |
---|---|
いいえの場合追加 |
マリベル「わからない? |
マリベル「つまり…… 今の話の
ねむれる聖者ってのが きっと
この地の 精霊のことよ。
マリベル「だから たぶん この像に
何かをすれば この地の精霊が
目を覚ますってことなのよ。
アイラ「それにしても 完全な姿って
何のことだか わからないわ。
雲をつかむような話ね……。
*「人々の悲鳴が 聞こえてきよる!
いったい 外では何が
起こっておるのじゃ!
*「研究者の方たちが
真剣な お顔で
何やら 話しあっておられます。
*「この状況から 抜け出すための
なにかが わかればよいのですが…
*「ふむ……。
つまりは そういうことじゃ。
*「フィリアさまの 残された
この文にこそ 今の状況から
逃れる術が 記されておる。
*「天より聞こえし 声にみちびかれ
南方にそびえたつ 岩をのぼる……
*「岩の頂上には
神々しき 祭壇があり……
その文とは このことですな。
*「うむ。して その南方にそびえる
岩というのが まさに
風の塔のことだと思うのじゃ。
*「……つまり 風の祭壇は
風の塔の頂上にある……と。
*「いかにも そうじゃ。
*「……しかし その説には
根拠が ありませんな。
*「かんちがい せんでもらおう!
わしは 今 研究の成果を
発表しとるわけではないぞ!
*「非常事態なんじゃ! わずかでも
可能性があれば まず行動する!
根拠のなんのと 言っとる場合か!
*「うむ…… そうでしたな。
しかし 外には魔物が
ひしめきあっています。
*「こんな中 いったい
だれを 風の塔に 行かせると
いうのですか?
*「うむ。
問題はそこじゃ。
*「せめて このことを 谷の族長に
伝えることだけでも
できればよいのじゃがな……。
ガボ「う〜ん……
なんだか ムズかしい話で
オイラにゃ よくわかんねえぞ。
マリベル「谷の族長さん とかって人に
今の話が 伝わればいいのね。
マリベル「アルス。あんた 谷って
どこのことか 知ってるんでしょ?
とりあえず 行ってみましょ。
*「根拠など 何もないが
風の塔の頂上に 風の祭壇があると
わしは 考えておるんじゃ。
*「……しかし 考えたところで
だれかが 行ってみないことには
何も はじまらん。
*「せめて このことを 谷の族長に
伝えることだけでも
できればよいのじゃがな……。
*「この地に 災いの降りかかりし時は
風の祭壇にて 祈りをささげよ……
*「……長年 ナゾとされてきた
この風の祭壇について われわれは
話し合っていたのです。
*「祭壇の場所も ささげる祈りも
われわれには わからないことが
多すぎるのです。
アイラ「風の祭壇か……。
たしかに わたしたちは
まだ 行ったことのない場所ね。
*「谷にいる族長は 体調がすぐれず
長いこと だれの前からも
姿を かくしています。
*「しかし 今はこんなとき……。
姿だけでも 見せてくだされば
谷の者も 勇気づけられましょう。
*「わ! わ! わ!
オ… オレが 悪かったです!
*「すぐに 牢屋に戻るから
世界も もとに戻してくれ〜い!
*「はげしい衝撃とともに
空の色は枯れ 人々の顔は
恐怖に ゆがんでいます。
*「こんなときに チカラを
つくさずして なんのための
神のしもべ でしょう。
(教会)
*「さっき 外の様子を見てくるって
男の人が 出て行ったんですが……
*「そのあと すぐに悲鳴が……!
ああ! だいじょうぶかしら!
*「た 大変だぞ!
外は 魔物だらけだ!
*「とにかく 今は できるだけ
外に出ない方が よさそうだ……。
*「おまえたち! 外に行くつもりか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「ほ 本気なのか? *「悪いこた 言わねえ! |
いいえ |
*「そうか……。なら いいんだ。 |
ガボ「今さら 魔物にビビッても
仕方ねえし アルス
行くなら さっさと行こうぜ。
アイラ「いくら 外に魔物がいても
わたしたちは 行かないわけには
いかないわね。
*「とりあえず その男の方が
無事で 何よりでした。
*「谷のみんなのことも 心配だわ。
何ごとも なければいいのですが……。
*「あ あんたら!
今 外からやって来ただか!?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「あんな 魔物だらけのとこ |
いいえ |
*「ウソを ぬかすでねえ! |
*「だけんど まあ 今は
そんなこと どっちでもいいべ。
なんにしても まいったっぺよ……。
*「お空がこんなじゃ そだつ野菜も
そだたなくなっちまう。
オラは どうしたらいいのか……。
*「神さまが 武器を持つなと
言ったって話は 聞いちゃいるがな。
*「しかし 魔物が出るってときに
武器屋が 店をしめるわけに
いくまい。
ルンタ「ブー……。
*「フミー!
*「もう まもなく 族長の話が
はじまるそうです。
*「族長の話を 聞きたいのなら
いそいで 族長の家の前に
行った方が いいですよ。
*「よし。大体 みんな
そろったみたいだな。
*「じゃあ族長さまを お呼びするから
みんな しばらく そのままで
待ってておくれな。
*「お待たせして もうしわけ
ありませんでした。
みなさん お久しぶりです。
*「私の この姿を見て
おどろかれた方も いるでしょう。
しかし その説明よりも まず……
*「はじめて見る顔も ある様子。
名をなのらせて もらいます。
私の名前は セファーナ。
セファーナ「このリファ族の
族長を まかされている者です。
セファーナ「こうして みなに
集まってもらった理由は すでに
見当が ついていることでしょう。
セファーナ「知っての通り 平和だった
この地にも 多くの魔物が
現れるようになっています。
セファーナ「そして この不吉な空……
言葉で聞かずとも みなの不安は
この身まで つたわっております。
セファーナ「……正直に言えば
世界が こうなってしまった原因は
私には わかりません。
セファーナ「わからないからこそ
今はとにかく だれ一人
ムダに 死なせたくないのです。
セファーナ「世界が もとに戻るまで
この谷の者は かるはずみに
谷の外に出ることを 禁じます。
セファーナ「私は いそいで
世界が 変わりはててしまった
この原因を つきとめ……
セファーナ「……そして みなの命は
私の命にかえても かならず
守りぬくと 約束します。
セファーナ「それと… この身体のことも
みなに 話しておかなくては
なりませんね。
セファーナ「ふた月ほど前……
私の身体に とつぜん
この翼が 宿りました。
セファーナ「なぜ 私の身体に翼が……
その意味がわからず みなの前から
私は 姿をかくしていたのです。
セファーナ「しかし 世界がこうなり…
この翼にこそ われらをすくう
ヒントがあると 思えるのです。
セファーナ「では 最後に私からの
お願いです。われらの仲間でも
他の種族の方でも かまいません。
セファーナ「戦いに自信のある方は
どうか のちほど 私の所に
お集りください。
セファーナ「では 私の話は以上です。
みなに フィリアさまのご加護の
舞い降りんことを 祈っています。
ガボ「な……なあ
今の族長さんの かっこうって
どっかで 見たよなあ?
アイラ「ええ…… まちがいないわ。
あの姿は フィリアの時代の
リファ族の姿……。
アイラ「アルス。
なんにせよ あの族長さんが
カギを にぎっているみたいね。
マリベル「アルス。
今の話で わかったわよね?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
マリベル「うん。あんたにしちゃ マリベル「すぐに 今の族長さんの所に |
いいえ |
マリベル「わからない? マリベル「族長さん たたかいに マリベル「だから とーぜん |
*「む? おまえたち
族長の話を 聞いてなかったのか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「そうか。だったら 教えてやろう。 *「今 外には魔物が たくさんいてな |
いいえ |
*「族長の話を 聞いていながら |
*「……とはいえ おまえたちは
旅の者だしな。どうしても行くと
言うのなら ムリには止めんが……
*「どうする? 外に行くのか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「むう……。仕方ないな。 |
いいえ |
*「なんだ。行く気は ないのか。 |
*「ウワサでは 神が復活したと聞いて
よろこんでおったのに まさか
こんなことに なろうとは……。
*「まったく 何を信じて
生きれば よいのかのう……。
*「族長さまの身体に 翼が……。
この目で見たというのに
まだ 信じられない想いです。
*「古くから伝わる リファ族の伝説は
ただの 伝説などではなく……
*「族長さまは 過去のリファ族の姿に
戻ってしまったと……
そう考えるべきなのでしょうか。
*「わかりません……。
なぜ 神はわれらに チカラを
お貸しくださらないのでしょう。
*「ここに いあわせたばかりに
こんな目にあうとは おたがい
ついてないですな。
*「こんな状態では 商売の方も
見こめないですし……。
まあ それはさておき……
(どうぐ屋)
*「背に翼をもち 自由に空を舞う
伝説のリファ族。
*「ただの言いつたえと
思っていましたが 今さら
うたがうわけにも いきません。
*「しかし そうなると あの美しい
族長さまも 自由に空を舞うことが
できるのだろうか……。
*「急に 魔物が出るようになったのと
族長さんに 翼がはえたこと。
*「これが ただぐうぜん 同じ時期に
おきたこととしたら なんか
話ができすぎって 気がするね。
*「族長は 戦いに自信のある者を
集めようとしていたようですが
用心棒にでも するのでしょうか。
*「オラ ケンカはからっきしだけんど
男として やっぱ 族長の所に
行くべきだろか……。
*「急に こんなことになって
神殿にいる リファ族の仲間は
みんな 無事なんだろうか……。
*「ニャ〜ン。
*「神殿にいる 研究者の連中は
この状況から 抜け出す何かを
つかんでは いないだろうか。
*「グウグウ……。
*「さっきまで 谷のあっちこっちに
大声が ひびいてたのに みんなも
ようやく 落ちついたみたいだね。
*「族長さまが みんなを集めて
話をしたのが よかったんだね。
さすがは 族長さまだよ。
*「翼があろうと なかろうと
族長さまは 族長さまです。
*「姿は変わっても 心は変わらず
以前と同じ 優しい族長のままで
安心しましたわ。
ルンタ「ブーブーブー。
*「こんな状況です。谷のみんなの
命のために ここにある防具くらい
ただで みんなにくばって……
*「でも そんなことをしたら
商売にならないし……。
う〜ん なやむところです……。
*「まものが なんだい!
そんなの ぼくが ブーメランで
ビシッと やっつけてやるよ!
*「かりに 世界が終わるとしても
いつもと同じに 食事をし
いつもと同じに ねむります。
*「あわてず さわがず
自然に生きることこそ 人としての
美徳と 信じておりますゆえ。
*「族長さまが ご病気じゃなくて
本当に 安心したわ。
*「そう考えてたら なんだか
すこしずつ 今の状況も
こわくなくなってきたの。
*「う〜ん……。
魔物がくる……。
*「こ… ここは風の塔です。
*「急に 空がまっくらになって
おまけに魔物が……
*「ねえ 教えてください!
いったい 世界は
どうなっちゃったんですか!?
*「なに! 中に入りたいと
言うのか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「ダメだ! いくら 非常時とはいえ *「とにかく ここは危険だ! |
いいえ |
*「ならば すぐに立ち去るんだ! |
*「行く場所がないのなら
清風の谷へむかえ!
ここよりは マシのはずだ!
*「身体に 翼を宿して以来
族長さまは ずっと ひとりで
なやんで おられたのだ。
*「おまけに 魔物まで
出るように なったなんて……
まったく ワケがわからねえぜ。
*「族長さまが 苦しまれているときに
そのことに 気づかなかったなんて
なんだか 悲しいわ……。
セファーナ「旅の方ですね。
せっかく この地を
おたずねくださったのに……
セファーナ「悪い時期に かさなり
せめて 私から
おわび申し上げます……。
セファーナ「ところで 旅の方が
ここに ご用ということは
もしや……
セファーナ「さきほどの 私の話を聞き
おチカラを 貸していただけると
いうことでしょうか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
セファーナ「まあ 一度にこんなにも…。 セファーナ「ならば あなたがたには (下へ) |
いいえ |
セファーナ「そうですか……。 セファーナ「おわびします 旅の方。 |
セファーナ「じつは 私は
この谷の南東にある
風の塔に 行きたいのです。
セファーナ「そこに行って 何が
あるのか……。じつは それは
私にも わかりません。
セファーナ「ただ…… わが身に
この翼をやどして以来……
セファーナ「その方向から
だれかに 呼ばれている
気がしてならないのです。
セファーナ「なんですって?
神殿の研究者たちも 風の塔に
風の祭壇が あるだろうと……?
セファーナ「まあ……。
そういうことならば ますます
風の塔に向かわねば なりません。
セファーナ「そこで… あなたがたには
風の塔まで 私の護衛をつとめて
いただきたいと 思っています。
セファーナ「引きうけて
いただけますでしょうか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
セファーナ「感謝いたします 旅の方。 |
いいえ |
セファーナ「そうですか……。 |
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
セファーナ「ならば いそいで セファーナ「風の塔は こちら側の セファーナが 仲間にくわわった! |
いいえ |
セファーナ「ならば |
断った場合
セファーナ「もしや 気が変わり
風の塔までの 護衛をつとめて
いただく気に なられましたか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
セファーナ「感謝いたします 旅の方。 |
いいえ |
セファーナ「そうですか……。 |
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
セファーナ「ならば いそいで セファーナ「風の塔は こちら側の セファーナが 仲間にくわわった! |
いいえ |
セファーナ「ならば |
セファーナ「もう 準備は
よろしいですか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
セファーナ「そうですか。 セファーナ「風の塔は こちら側の |
いいえ |
セファーナ「ならば |
*「たとえ 谷を救うためとはいえ
こんなときに 族長さまが谷を
はなれるのは 心細いかぎりです。
*「どうか 早くにお戻りください。
そして かならず ご無事で……。
セファーナ「風の塔は 私の家の側の
ガケから出て 南東の方角です。
それでは よろしくお願いします。
アイラ「アルス。
ここにいても 始まらないわ。
とにかく 風の塔に 急ぎましょ。
ガボ「風の塔って どうやって
行くんだっけか?
アルス おぼえてるか?
マリベル「翼が はえてるなんて……
う〜ん この目で見ても
ちょっと 信じられないわ。
マリベル「ガボだったら
シッポくらい はえてても
おどろきも しないけどね。
*「気をつけて 行ってください。
今 族長さまに 何かあったら
他には おしまいです。
*「なるほど 戦いに自信のある者を
集めたのは 風の塔に向かう
護衛のため でしたか。
*「オラ ケンカはからっきしだけんど
族長さまの所に 行くべきか
さんざん なやんだだよ。
*「神さま そして フィリアさま……
この大陸に 希望の祝福を
おあたえ くださいませ……。
*「あらら。信じてなかったけど
ホントに おてんとさまが
まっ暗だね。
*「これじゃ 洗たく物が
かわかないよ。
困ったもんだねえ。
旅の扉に入った後
セファーナ「アルスさん。
故郷に 戻られていたのですか?
セファーナ「今しばらくは
私に チカラをお貸しください。
さあ 急ぎましょう!
*「さあ!
どうぞ お通りください!
ガボ「外にいた 兵士のおっちゃん
族長さんの顔 見たら
たちまち かしこまってたな。
ガボ「オイラたちには やさしいけど
族長さん 本当はエライんだな。
アイラ「外から見たかぎりじゃ
ずいぶん 高い塔だったわね。
アルス 慎重に行きましょ。
セファーナ「感じます……。
私を 呼ぶ声が
しだいに 大きくなっていくのを。
アイラ「いくら 苦しい思いをして
上まで 行ったとしても……
アイラ「そこに 何もなければ
それまでなのよね……。
セファーナ「アルスさんたち。
たたかいでは お役に立てず
申し訳ありません……。
セファーナ「長年 平和に甘えつづけ
いざとなると 人にたよって……
本当に お恥ずかしいです。
ガボ「ウ〜…… オイラちょっと
ハラへってきたぞ……。
マリベル「ちょっと アルス!
この塔ってば いったい
いつまで つづくのよ!
マリベル「これで 上まで行って
なんにもなかったら あんた
責任とってくれるんでしょうね!?
アイラ「ふう……
どうやら ようやく
ここが 頂上みたいね。
セファーナ「これは……?
セファーナ「これが……
ウワサに聞く 風の祭壇……。
アイラ「だけど ここで何をしたら
いいんだろうね……。
ガボ「オラ あのまん中の
穴ぼこが 気になるぞ。
セファーナ「この風は……?
セファーナ「もしや この風にのって
さらに上まで のぼってこいという
意味なのでしょうか……?
セファーナ「私たち リファ族が
かつて そうしたように……。
アイラ「そういえば
気になってたんだけどさ……
アイラ「セファーナさんは
翼がはえても 空は飛べないの?
セファーナ「実は 翼がやどったとき
もしやと 思って 空を飛ぶことも
こころみたのですが……
セファーナ「残念ながら 私は
空を 飛ぶことまでは……
セファーナ「声が……。
どこからか 声が聞こえます!
セファーナ「だれです!?
私を呼ぶのは だれですか!?
セファーナ「アルスさん!
聞こえませんか? この声が!
セファーナ「やさしくて……
どこか なつかしい……。
アルスは 耳をすました。
どこからか なつかしい声が
聞こえる……。
*「セファーナ……。
私の声が 聞こえますね。
セファーナ「あなたは……
まさか……。
*「飛ぶのです セファーナ。
ゆるぎない気持ちを胸に
そのまま 風に乗るのです……。
*「そして 邪悪なチカラにより
うばわれた 風のローブを
取りもどし……
*「呼び覚ますのです。
われらを守る 風の精霊さまを。
セファーナ「風のローブ……
風の…… 精霊さま……
*「そして…… アルスさんたち。
お久しぶりです。私のことが
わかりますか……?
*「あれから ずいぶんと 時が
たちました……。少女だった私が
こうして 大人になるくらい。
*「あなたたちが 谷を去ってから
私は さまざまなことを 学び
そして 知ったのです。
*「あなたたちが どこから来て
何をめざしているのか……。
*「私がどうして 翼をもたずに
この世に 生まれてきたのか。
そのわけも……
*「私の 翼は われらリファ族の持つ
最後の翼として……
*「あなたがたの時代に たくされる
宿命だったのです。
*「さあ アルスさん。
今こそ 世界をお救いください。
*「そして どうか わが子孫を
その手で お守りくださいませ……
セファーナ「今のは……。
セファーナ「…………。
セファーナ「いえ……
今は 考えている場合では
ありませんね……。
セファーナ「アルスさん……。
私に しっかり
つかまっていてください。
セファーナ「わがリファ族の
最後の翼よ。
どうか 私にチカラを……
セファーナ「……ここは いったい?
セファーナ「風に みちびかれるままに
私たちは いったい どこに
来てしまったのでしょう……
ガボ「なんだ ここ!?
上にも下にも 空があるぞ。
ガボ「ふひゃあ〜。
こんな ヘンチクリンな所
オイラ はじめてだぞ。
マリベル「どうでもいいけど
ここって 下に落っこちたり
しないんでしょうね?
マリベル「アルス。
ちゃんと 足元をよく見て
歩きなさいよ。
アイラ「ねえ アルス。
さっき 風の祭壇に現れた
あの女の人って……
アイラ「……ううん。 あれが
だれだったかは みんなが心の中で
思っていれば いいことね。
*「おや? 見ない顔だね。
さては あんたら
下から来た人たちだね。
*「ここは リファ族の生まれた村。
下の人が ここを訪れるなんざ
ずいぶん ひさしぶりだねえ。
*「下の人は リファ族の歴史なんて
もう おぼえてやしないんだろう?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「かつて この地に生まれた *「この地にとどまり 先祖のつたえを *「そして リファ族が 上と下に *「下の世界には 風の精霊の像。 *「風の精霊さまは 目覚め われらに *「けれど 下のリファ族は いつしか *「……って 聞いてたんだけど |
いいえ |
*「そうなのかい? 下の人は |
*「まあ あの族長の言葉を
すなおに信じた 私が
まちがってたのかも しれないね。
セファーナ「リファ族の……
生まれた村……。まさか
こんな所が あったなんて……。
アイラ「なるほど……
そういうことだったのね。
アイラ「リファ族の生まれた村なら
こんな場所にあっても
すこしは なっとくがいくわ。
*「おにいちゃんたち
下から来たんでしょ?
*「あんな 地べたに 住んでて
よく 息がつまらないね。
ぼくだったら イヤだなあ。
*「風のローブは わがリファ族の宝。
風の精霊さまからの
大切な あずかり物なのです。
*「けれど はるか昔
邪悪な魔物に うばわれてしまい
今は この村にはありません。
*「それ以上 くわしいことは
族長さまに うかがったほうが
いいでしょう。
*「きっと 族長さまも
あなたがたに チカラをかりたいと
申し出ると思いますわ。
アルスは 本だなを調べた。
「すてきな インテリア」と
書かれた本がある。
よく見ると インテリアに関する本が
他にも たくさん 並んでいた。
*「だいじょうぶか だと?
うむ。どうにか
だいじょうぶのようだ……。
*「いや まいったまいった。
部屋が あまりに汚かったので
掃除を はじめたのだがな……
*「あまりの 汚さに 途中で
気を失ってしまったのだ。
*「なに? 話があるだと?
それは ぜひ聞きたいのだが
この汚い部屋では 集中できんな。
*「だれかが 部屋を掃除してくれれば
話も ゆっくり聞けようものを……
まったく残念なことじゃ。
マリベル「どうやら あたしたちに
この部屋の掃除をしろって
言いたいらしいわね。
マリベル「翼が はえてて 見た目は
天使みたいでも ここの族長
心の中は くさってるわよ。
大きなゴミばこが 置いてある。
*「おお! なんと すっかり
部屋が きれいになったな!
礼を言わせてもらおう!
*「申し遅れたが 私はこの村の族長。
そなたらは 見たところ
下の世界の者のようだな。
予め掃除した場合
*「だいじょうぶか だと?
うむ。どうにか
だいじょうぶのようだ……。
*「いや まいったまいった。
部屋が あまりに汚かったので
掃除を はじめたのだがな……
*「あまりの 汚さに 途中で
気を失ってしまったのだ。
*「……と 思ったのだが
部屋が すっかり きれいに
なっているではないか!
*「さては! 気絶したまま
体が勝手に 片づけてしまったか!
う〜む さすがは私だ!
*「よし! 急激に 気分が
よくなったぞ! 申し遅れたが
私は この村の族長じゃ。
*「そなたらは 見たところ
下の世界の者のようだな。
*「下から わざわざこんな所まで
やってきたのだ。きっと
よほどの事情が あるのだろう。
*「ふむふむ……。なんと!?
風の精霊さまを 目覚めさせるため
風のローブが ほしいだと!?
*「よし わかった! ならば
すぐに 風のローブをわたそう!
と 言いたいところだがな……
*「残念なことに 風のローブは
はるか昔 風の迷宮からあらわれた
魔物に うばわれてしまったのだ。
*「そして 魔物と
戦うすべを 持たなかった
わが祖先は やむをえず……
*「迷宮につづく ほこらのカギをしめ
魔物を 風のローブもろとも
迷宮に 封印してしまったのだ!
*「それきり どうすることもできずに
いたが もしや そなたらなら
どうにか できるかもしれんな。
*「よし! そなたらに
封印のほこらのカギを たくそう!
*「そして 迷宮の魔物より ローブを
取り戻せたなら そなたらに
ローブをあずけると 約束しよう!
*「これがあれば 封印のほこらの
トビラを開けられるはずだ。
アルスは 封印のほこらのカギを
うけとった!
*「もしも ぶじにローブを
持ちかえったときには ふたたび
ここに 寄っていくがいい。
*「風の迷宮は 多くの魔物がいる
危険な場所だ。くれぐれも
気をつけて 行くのだぞ!
*「おお そうだ!
しばし 待たれよ!
*「これを 忘れていた。
さあ 受け取るがいい。
アルスは 聖風の光球を
うけとった!
*「それは 聖風の光球といってな。
それさえあれば この村と下界とを
自由に 行き来できる。
*「下界では リファ族の大地で
一番 この村に近い場所で
使うのだそうだぞ。
*「さて 戦いに向かう者を
呼び止めたりして すまなかった。
さあ 今度こそ行くがいい!
セファーナ「風の精霊さまを
目覚めさせるためには
風のローブが 必要なのですね……
セファーナ「アルスさんたち。
族長さまの 言われたとおり
風の迷宮に 向かってみましょう。
マリベル「あの族長 さんざん
出し惜しみしたわりには いろいろ
気前よく くれたじゃん。
ガボ「オイラ さっきから
ずっと 悩んでたんだけど……
ガボ「ここに住んでる 人たちって
いったい 何を食って
生きてるんだろうな?
*「封印のほこらは この家のウラ。
同時に 宿屋のウラでもあり
教会の ウラでもあるがな。
*「もしも ぶじにローブを
持ちかえったときには ふたたび
ここに 寄っていくがいい。
*「それでは くれぐれも
気をつけて 行くのだぞ!
マリベル「な…なんなのよ! ここは!
マリベル「どっちが 上やら下やら……
ああ 頭いたくなってきたわ……。
アイラ「そう簡単には 思ったところに
行けないみたいね。
アイラ「アルス。
あせってもしかたないわ。
よく かんがえて行きましょ。
ガボ「ガルルルル……。
アルス 気をつけろよ。
やばいヤツの においがするぞ。
アルスは 宝箱を 調べた。
しかし 宝箱は からっぽだった……。
どこからか 身の毛のよだつ
カン高い 声がする……。
*「ンマア〜〜!!
いったい だれかしらっ!?
人の宝箱を 勝手に開けるのは!
*「ンマッ! なんて ビックリ!
人間じゃなくって!?
*「ハッ! 人間がいるってことは
私もとうとう ここから出れる日が
来たというわけね!
*「それを わざわざ つたえに
来てくれるなんて あなたたちって
親切な人間ね!
*「そうね……
じゃあ つたえてくれたお礼に
何か しなくちゃならないわね。
*「え? 私が持ってるローブが
ほしいですって? 冗談よして!
これは 私の大切な宝物なのよ!
*「そうねえ……
それじゃあ いいこと
思いついたわ!
*「あなたたちを 一番最初に
私の美しいボディのための
栄養にしてあげる!
ネンガル戦)
ガボ「アオーン!
オイラ こんなのの栄養にだけは
なりたくねえぞ!
アイラ「……あんまり 関わりたくない
性格の魔物ね……。 アルス
さっさと 終わらせましょ!
*「そ そんな……。
私が……
人間ごときに 負けるなんて……
*「もう いいわよ!
風のローブでも なんでも
持って行けば いいじゃない!
*「……クッ
……クッ!
*「クヤシーーーッ!!
アルスは 風のローブを
手に入れた!
ガボ「なあ アルス。 オイラ
ちょっと気になったんだけど……
ガボ「今の化け物って 男か?
それとも 女だったのか?
マリベル「ふう……。
これで どうにか 風のローブが
手に入ったわね。
セファーナ「アルスさんたち。
まずは 族長さまの所に
向かってみましょう。
セファーナ「魔物を退治したと聞けば
族長さまも きっと
よろこんで くださいますわ。
アイラ「当然 さっきの族長さんの所に
行かなきゃならないんだろうけど…
アイラ「なんだか ちょっとだけ
イヤな予感がするわね。
*「リファ族は 太古から
風の精霊さまの おともとして
歴史に 名を刻んてきたんだよ。
*「ここに 住んでる人たちは
歴史をつたえてく 役目だから
みんな 歴史にくわしいんだよね。
*「風のローブは もともと
風の精霊さまの もちもの。
*「地上にある精霊さまの像に
まとわせることで 風の精霊さまは
目を お覚ましになるはずです。
*「それにしても もしも本当に
精霊さまが お目覚めになるなら
私も ぜひお会いしたいですわ。
*「だいじょうぶか だと?
うむ……。どうにか
だいじょうぶのようだ……。
*「おお! そなたらか!
よくぞ 無事に戻った!
*「そろそろ そなたらが
戻るころだろうと 思って
部屋の掃除を はじめたのだが……
*「自分でも よくわからんうちに
だんだんと 意識が遠のいてな……。
気づくと このありさまだ。
*「ところで ローブを取りもどしたと
いうことは 迷宮の魔物を
倒したということだな?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「うむ! 礼を言うぞ! |
いいえ |
*「いや ウソを言わんでいい! |
*「とにかく この功績は大きい!
そなたらに ローブの他にも
何か 礼の品をさずけたいと思う。
*「しかし なにしろ
部屋がこの状態ではな……。
*「部屋がきらいならば 今すぐにでも
礼の品を さずけられようものを…
まったく残念だ……。
*「そなたらには ローブの他にも
礼の品をさずけたいのだが
なにしろ 部屋がこの状態ではな…
*「部屋がきらいならば 今すぐにでも
礼の品を さずけられようものを…
まったく残念だ……。
*「おお! 部屋がすっかり
きれいになったな!
礼を言わせてもらうぞ!
*「おお そうそう……。
そなたらに これをわたそうと
思っていたのだった。
予め掃除した場合
*「だいじょうぶか だと?
うむ……。どうにか
だいじょうぶのようだ……。
*「おお! そなたらか!
よくぞ 無事に戻った!
*「そろそろ そなたらが
戻るころだろうと 思って
部屋の掃除を はじめたのだが……
*「はて……? 部屋が びみょうに
汚れていた 気がするんだが……
あれは 夢だったのだろうか?
*「とにかくこの 功績は大きい!
そなたらには ローブの他にも
礼の品を さずけよう!
アルスは 風のぼうしを
うけとった!
*「では 風の精霊さまが
目覚められたら ぜひ
よろしく 伝えておいてくれ。
*「なに? 風の精霊さまに
会いたくはないのか だと?
*「うむ……。じつは 正直に言って
私は あのお方はニガ手でな……
ワガママというか……まったく……
*「……と 今はそんな話をしている
場合では なかろう!
*「下にいる われらの仲間を
すくうために
さあ 急いで行くのだ!
*「風の精霊さまは
心は清く 美しく
そして お姿も 美しいお方だ。
*「風の精霊さまに お会いしたら
私が そう言っていたと
つたえておいてくれ。
*「さあ 下の世界の仲間をすくうため
急いで 風の精霊さまを
目覚めさせに 行くのだ!
*「おお 族長さま!
よくぞ ご無事で……。
*「して…… 塔の頂上にて
何か つかめましたか!?
*「いえ…… 一介の兵士である 私が
ですぎたことを……。
どうぞ お忘れください!
*「ぞ 族長さま!
ここは 異常ありません!
どうぞ ご心配なく!
*「おお! 族長さま!
無事に 戻られましたか!
*「谷の者もみな 無事にしています。
どうぞ みなに声をかけて
あげてください。
*「おお 族長どの。
わしにも なにか手伝えることは
ないですかのう。
*「こんな老人の命
谷のためなら すこしも
惜しくは ありませんでな。
*「たとえ この谷が 神に
見はなされたのだとしても……
*「私たちには フィリアさまと
族長さまがついています。
恐れるものなど 何もありません。
*「アルスさん。
族長さまの身を どうか
お守りくださいませ……。
*「翼を持たないリファ族……。
そう。きっと 変わったのは
族長さまではなく 私たちなんです。
*「族長さま。
なにか 私にできることがあったら
いつでも お声をかけてください。
*「ただ 神にすがるよりも
自分にできることを
みなが 探しはじめています。
*「みなが 信じるチカラを
持ちつづければ きっと
谷は 救われることでしょう。
*「族長さま!
よくぞ ご無事で!
*「アルスたちも よく 族長さまを
守りとおしてくれたな!
*「え? なんですって?
また すぐに神殿へと
向かわれると……。
*「わかりました。
谷は みなで 守りつづけます。
心配なさらず 行ってください。
*「くにに帰れば 私にも
大事な家族が いるんです!
ここで くたばってたまりますか!
*「と まあ それはさておき……
(どうぐ屋)
*「こんなときに この場所に
いあわせたことを
私は 幸運とさえ思っています。
*「今の 谷のみなさんの表情の
なんと ゆたかなことか。
*「もしも もとの生活に戻れたなら
私は 今日の日を歌にかえ
後の世に 残しましょう。
*「苦しいときほど
はっきり わかることだって
あるんだよね。
*「生きてることが ありがたいって
今ほど そう思ったことはないよ。
*「ぞ 族長さま!
戻られていただか!
*「こっただ時だからこそ
オラ みんなに うまい野菜を
食わそうと 畑を見にきただよ。
*「族長さまとの 約束どおり
谷の外には 一歩も出てないだ。
信じてほしいだよ。
*「外には 今も魔物が
ウヨウヨしていますが
もはや 恐怖心はありません。
*「谷の中まで 魔物が来たら
リファ族だって 戦えるってとこを
見せてやりますよ。
ルンタ「ブーブー ブ〜〜。
*「ニャ〜ゴ。
*「なんですと?
空のかなたに われらリファ族の
仲間が いるですって?
*「きょうみぶかい話ですが 今は
ゆっくり 聞いているヒマは
ないようですね。
*「いずれ その話の続きを
聞かせて ください。
*「族長さまの ご意志は
私たちリファ族 みんなの意志。
*「もとの暮らしに戻れることを
信じていますよ。族長さま。
*「どうにかして 神殿にいる仲間の
無事を 確認したいのだが……
う〜む どうしたものだろう。
*「魔物退治をすると言って せがれが
店を 出ていってしまった。
*「ムチャを していなければ
よいのだがな……。
*「ルンタく〜ん!
*「あ〜ん!
こんなときだってのに どこに
行っちゃったのかしら。もう!
*「まっ 魔物め!
おまえなんか ちっとも
恐くなんか ないぞ!
*「むにゃむにゃ……。
*「スヤスヤ……。
*「まものが そこの階段から
入ってきたら ぼくがブーメランで
ビシッと やっつけてやるんだ!
*「まものめ!
どこからでも かかってこい!
ビシッビシッ!
セファーナ「アルスさん。
お待ちください。
セファーナ「私が とつぜん
この姿であらわれては 神殿の者を
おどろかせてしまいます。
セファーナ「ですので 風の精霊さまを
目覚めさせるまで 翼をかくして
めだたないように していますわ。
セファーナ「なんにしても
はやく フィリアさまのもとへ
向かいましょう。
セファーナ「神殿のみなには
あまり 気づかれたくないのです。
*「おお おまえたち。無事だったか。
ん? なんだ 仲間が一人
増えてるじゃねえか。
*「あれ? そこの新しいお仲間さん
どこかで見たような気がするけど
きっと 気のせいだろうな。
*「ここは リファ族の神殿です。
*「こんなときに おいでくださるとは
きっと フィリアさまの祝福を
うけられましょう。
*「さっきまでは みんな
ひどく 取りみだしていたが
だいぶ おちついたみたいだな。
*「ま もちろん まだまだ
不安には ちがいないんだろうがな。
*「私のチカラで 世界を危機から
救うことは できないかもしれない。
*「けれど 目にとどく限りの人々に
かすかな幸せを与えることならば
私にも できましょう。さて……
(教会)
*「いったい どうして
この地が こんな目に
あわされたんじゃろのう……。
*「旅人だと? こんなときに
旅などとは あんたら なんちゅう
変わりもん……
*「んんん! まさか!
ほう! いや しかし!
*「そこにいるあんたは まさか……
セファーナ「お久しぶりです。
これまでは だれにも
気づかれなかったのですが……
*「その声……そのお顔……
姿は変われど まちがいない。
たしかに われらの族長さまじゃ。
*「しかし このようなときに
わざわざ ここまで
おいでなさるとは いったい……
セファーナは これまでの
いきさつを 話した。
*「なんと! 空のかなたの
リファ族の世界から 風のローブを
持ちかえった ですと!?
*「そして それをフィリアさまに授け
風の精霊さまを 呼び覚ますと……。
*「……う〜む。長年 研究を
積み重ねてきた わしでも
すぐには 信じられん話だ。
セファーナ「信じられないのは
ムリも ありませんが……
今は 一つだけお願いがあります。
セファーナ「さわぎを
ムダに 大きくしたくありません。
このことは どうか内密に。
*「むろん 承知!
このことは この年寄りの胸に
しまっておきますぞ!
セファーナ「どうも ありがとう。
この地に 平和が戻ることを
ともに お祈りください。
*「風の精霊さまのことは
この年寄りの 胸に
しまっておきます。
*「さあ 急いで フィリアさまの
もとへ 行かれなさい!
*「リファ族の翼が もしも ただの
伝説では ないのだとしたら……
*「なぜ リファ族だけが
翼を持っていたのでしょう。
*「リファ族は いったいどこから
来たのか。調べることは
まだまだ つきませんわ。
*「谷にいる族長の お身体は
いまだ 回復しないのでしょうか。
*「今はこんなとき……。
姿だけでも 見せてくだされば
みんな 勇気づけられるのだが……
*「外に魔物がいるって
聞いたとき 私 すごく
取りみだしちゃったんだけど……
*「生きてる以上 お腹もすくし
食べるためには いつもの仕事を
しなくちゃならない……。
*「生きてるって なんだか
とっても ふしぎなことよね。
*「ヨイショッ ヨイショッ!
*「食事をつくるのは しんどいけどさ
みんなが 無事でいる証拠だよ。
しかたないね。
*「ああ いそがしい いそがしい!
*「あ ごめんなさい。
今 手がいっぱいだから
また あとにしてくれる?
*「フィリアさまのお顔……。
なんだか 今日はすこし
楽しそうに 見えますわ。
*「まるで 人を待って
ソワソワしているような
そんな お顔……。
アルスは 精霊の像に
ゆっくりと 風のローブを
まとわせた……。
*「ふぁあ〜〜〜あ……。
う〜ん なーんか まだ
ちょっち 眠いかも……。
セファーナ「あなたは……
セファーナ「あなたは 風の精霊さま……
なのでしょうか?
*「ふぁ? 風の精霊?
ああ うん。そうだけど?
*「ああ そういうこと?
あんたらが アタシを
起こしたってわけなのね。
セファーナ「風の精霊さま。
今 この地に生きる人々の
平和な生活が 失われているのです。
セファーナ「お願いいたします!
どうか この地を!
私たちの世界を お救いください!
*「いっやぁ〜〜〜ん。
なーんか ちょーシリアスな感じ。
*「これで ことわったりなんかしたら
アタシってば ひょっとして悪者?
セファーナ「………………。
セファーナ「聞き入れては
いただけないのでしょうか……。
*「べ〜〜つ〜〜に〜〜。
そんなこと だれも言ってないし。
……そうねえ。
*「じゃあ ひとつだけ条件があるわ。
これを 引き受けてくれたら
チカラを 貸してもいいんだけど。
セファーナ「はっ はい!
私たちのチカラで
できることなら なんなりと!
*「じゃあねえ……
いい男を 5年ぶん。
セファーナ「は…………。
セファーナ「……あの
申し訳ありませんが……
もう一度 言っていただけますか?
*「かっこいい男を 5年ぶんっ!!
*「……って 言ったのよ。
言っとくけど アタシあきっぽいわよ。
特に男にはね。
*「……と それがムリなら
残念だけど チカラは貸せないなあ。
*「精霊は アタシひとりじゃないのよ。
できないんなら 他の精霊に
あたってくれる?
アルスは これまでの
いきさつを 話した。
*「えええ〜!?
炎の精霊から みんなを起こせって
言われて 来たって?
*「な〜んだ。そうならそうと
はやく 言ってよね。
なるほど 非常事態ってわけね。
*「やれやれ。わかったわよ。
それじゃ アタシのチカラも
あんたらに 貸すってことで。
*「じゃあ 今のうち あんたらに
これを わたしておくわ。
アルスは 風のアミュレットを
うけとった!
*「アタシのチカラが 必要なときには
そのアミュレットを 使えば
アタシは すぐに現れるわ。
*「これで いつでもアタシは
あなたのそばに!
なんちって〜〜〜っ!
*「それじゃ アタシは
とりあえず ダーマの神殿に
行ってればいいのね。
*「じゃ とにかく そんなわけで
また 会いましょ!
*「何かあったら アミュレットでの
ご指名 お待ちしてるわよん。
じゃね!
セファーナ「風の精霊さま……
ありがとうございます……。
アイラ「風っていうより……
なんだか たつまき みたいな
人だったわね……。
*「今のは…… 風の精霊さま……?
あなたがたは いったい……。
*「ハッ! そこにいるのは
まさか 族長さま……?
そういうことでしたか……。
*「族長さまが この地のために
チカラをつくしているのに
気づきもせず 失礼しました……
*「けれど 風の精霊さまのおチカラが
あれば きっとこの地も
救われると 信じております。
ガボ「アルス! 待ってくれよ!
セファーナのねえちゃんが
うしろに ついてきてないぞ!
セファーナ「アルスさんたち
勝手に 立ち止まったりして
申し訳ありませんでした。
セファーナ「……すこし
考え事を していたのです。
そして…… 私は 決めました。
セファーナ「あなたがたへの
言葉では 言いつくせない
この感謝の想い……。
セファーナ「そして 私自身 このまま
すべての精霊さまの 目覚めを
みたいという気持ちもあります。
セファーナ「けれど 私は やはり
リファ族の族長。これ以上
ここを 離れるわけにいきません。
セファーナ「私は この地より
リファ族の みなとともに
祈りたいと思います。
セファーナ「あなたがたの 無事と……
かならず この地がもとの世界に
戻りますことを……
セファーナ「先の見えない旅です。
どうか お身体だけは
お気をつけて 行ってください。
セファーナ「さようなら。
アルスさんたち。みなさんに
われらの祈りの とどくことを……
アイラ「アルス。 これでまたひとつ
多くの人たちの ねがいを
せおうことになるのよ。
マリベル「ねえ アルス。
あたし 思うんだけど……
マリベル「セファーナさん きっと
あの変な精霊を見て
急に疲れが 出たんだわ。
ガボ「セファーナのねえちゃんとは
ここで お別れなのか。
ガボ「しかたねえな。 セファーナの
ねえちゃんは リファ族のみんなを
守らなきゃならねえからな。
マリベル「あたしとしては
さっきの風の精霊って あんまし
好きくなかったんだけど……
マリベル「アルスも そう思う?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
マリベル「やっぱね。あんたも |
いいえ |
マリベル「ふう〜ん。あんた |
マリベル「女はね かるすぎるのは
ダメなのよ。あたしみたいに
ちゃんと 知性がなくっちゃね。
アイラ「セファーナさん ホントは
わたしたちと いっしょに
旅を したかったのかもね。
アイラ「でも 責任感の強い人だから
自分一人が ここを離れることは
できなかったのよ。
ガボ「とりあえず この辺で
やれることは みんな
やっちまったんだよな?
ガボ「よし アルス!
次 行くぞ! 次!
アイラ「ねえ アルス。
風の精霊って それにしても……
アイラ「……ううん やっぱいいわ。
はやく 次の精霊を探しましょ。
マリベル「ねえ アルス。
よくよく かんがえてみるとさ……
マリベル「すぐに部屋を散らかす
族長さんといい 風の精霊といい
変わり者が 多いところよね。
マリベル「あ! そういえば
風のローブを持ってた あの魔物も
なんか 変だったよね。
ガボ「これで…え〜っと……
なあ アルス。 あとは
どの精霊を 起せばいいんだ?
セファーナ「すべての精霊さまを
目覚めさせ 平和な世界を
取りもどしてください。
セファーナ「リファ族のみなとともに
アルスさんたちの 旅の無事を
お祈りしつづけています。
*「そなたたちと族長さまの活躍。
わしは 外に出て しかと
この目で 見ておったぞ。
*「命あるうちに 風の精霊さまの
お姿を おがめるとは 夢にも
思っておらんかった……。
*「わしには よくわかったわい。
机の上で 論理を組み立てることの
なんと むなしいことか。
*「行動し 自分の目で見ること
その すばらしさの前では
どんな研究も かなわんのだ……。
*「この古い書物に
リファ族の 起源を伝える言葉が
記されていました。
*「この一文です。
わが一族は はるか空と雲の
かなたより 地上にまいおりたり…
*「う〜む……。
空と雲のかなたとは いったい
どんな所なのでしょうね。
*「ウワサでは 族長さまが
この神殿に お見えになって
おられるとか……。
*「これで この神殿のみなも
勇気づけられることでしょう。
*「ねえ あんたちょっと!
このウワサ 知ってるかい!?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「あっそ……。 |
いいえ |
*「なんでもね 風の精霊さまが *「……で その風の精霊さまってのは |
*「族長さまが 見えられたってことは
きっと 谷のみんなも
元気にしてるって 証拠よね。
*「空一面をおおっていた雲がさけ
細く長い光が
地上をてらす風景……。
*「うまいこと 言えんが
今ちょうど そんな気分なんじゃ。
*「なんでも 族長さまが
この神殿に いらしているそうね。
*「外に魔物がいるときに わざわざ
いらしてくれるなんて
なんて やさしい族長さまかしら。
*「さっき 一瞬 空が暗くなった
気がしたんだが
オレの 気のせいだったのか?
*「なんだ 人間かあ〜。
*「魔物が入ってきたかと思って
あやうく ビシッと
やっつけちゃうとこ だったよ。
*「なに? そうか……。
神殿の仲間は みな 無事で
やっているのか……。
*「よし! それを聞いて
すこし 元気がでてきた!
教えてくれて 感謝するぞ!
*「ええ? 族長さまは 一人で
神殿に 残られたって?
*「族長さまがいないのは 心細いけど
神殿のみんなも 苦しいんだろうし
あんまり ぜいたくは言えないね。
*「こっただ時だども みんな
うまい野菜を 食ってるときは
本当に 幸せそうな顔をするだよ。
*「みんなの その顔を見るのが
農家の最大のよろこびだっぺ。
*「おまえたち よく 戻った!
しかし…… 族長さまの姿が
見えないようだが……
*「うむ そうか……。
族長さまは 神殿に残られたか……
それも しかたあるまいな。
*「で おまえたちは これから
どうするのだ?
*「なに? 4人の精霊を
呼び覚ますため 旅をつづける?
*「そうか……。
何もしてやれないが おまえたちの
成功を 祈っているぞ。
*「谷を守ろうと チカラをつくす
族長さまのため この年寄りに
できることを 探しております。
*「まずは 草むしりでも
するかのう……。
*「族長さまの願いは だれ一人
ムダに死なないこと。
*「私には チカラはありませんが
必死に生きることで 族長さまを
よろこばせたいと 思っています。
*「ん! また こちらから
谷を出て行くのか?
*「おまえたちが 何をしているかは
知らんが 塔の方に
もう用はないのではないか?
*「今の私にできることは
族長さまを信じ 自分の仕事に
徹することだけだ。
*「もはや 何者にもおそれまい!
族長さまのお顔を見たら 勇気が
ガンガン わいてきたんです!
*「ここは リファ族の生まれた村。
今もなお リファ族の血をつぐ
残された 最後の村だよ。
*「聞いてるわ。
風の精霊さまを 無事 目覚め
させたんですってね。
*「風の精霊さまは 長い間
ねむっておられたので じつは私も
お会いしたことは ないんです。
*「けれど とても心が清らかで
やさしいお方だと 聞いています。
私も ぜひお会いしたいわ。
*「おお! そなたらか!
どうやら 無事に風の精霊さまを
目覚めさせたようだな!
*「しかし 私は知っているぞ。
まだ すべての精霊を
目覚めさせたわけでは あるまい。
*「そなたたちの すべきことは
まだまだ 残っている。
*「今後も 気をぬくことなく
さらなる旅を つづけるがいい。
パミラ「おお あんたたちか。
精霊のほうは どうだい?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
パミラ「おお 風と大地の精霊を パミラ「のこるは 水の精霊だけだね。 パミラ「すべての精霊が そろったとき |
いいえ |
パミラ「なんだい まだ ひとりも |
パミラ「時間が ないんだ。
わしの うらないによれば いま
世界は大変なことに なっておる。
パミラ「それを 救えるのは
あんたたち だけなんだよ。
がんばって おくれ!
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