前(海賊船) | トップ | 次(風の精霊) |
ガボ「イヤな風だな アルス。
魔物と 血のニオイが
まじってるよ……。
マリベル「忘れるもんですか。
この いまいましい 暗い空。
砂漠は ふたたび封印されたのよ。
アイラ「暑いはずなのに なんだか
寒気がする……。
魔物の気配の せいかしらね。
ガボ「まだ 魔物のやつら
村ん中までは 入ってきてねえな。
よかった。
アイラ「どの国も 長い平和のため
戦い方を 忘れてしまっている。
魔物に 立ち向かう心も。
マリベル「みんな 家にとじこもって
魔物が いなくなるのを
待とうっての? いくじなし。
*「ここは 砂漠の民の村……。
このような時に
旅人と出会うとは……。
*「ごらんのとおり
空は 闇にとざされ
砂漠には 魔物がうごめく。
*「なぜ……なぜ
このようなことに……!
*「フーッ!
*「言い伝えのとおりだ……。
ひいじいさんの
いってたのと 同じだ……。
*「空が 暗くなって
他の町や村のすがたが
見えなくなって……。
*「どこからか あらわれた魔物に
みんな やられちまう!
*「言い伝えのとおりだ……。
みんな
死んじまうんだ!
*「だいじょうぶよ。
こわくなんかないわ。
*「きっと 女王さまと
大地の精霊さまが
なんとかしてくれるわ。
*「だいじょうぶよ ぼうや。
おやすみ……おやすみ。
*「ママぁ……
まものが さけんでるよ!
かぜといっしょに さけんでるよ!
*「ヒック……ヒック。
*「おたがい 旅の途中で
とんでもないことに
なりましたなあ。
*「なんでも 不思議なことに
砂漠の外には
どうやっても 行けないとか。
*「はあ……。
くにの妻と娘が
心配してるだろうなあ。
*「まあ こんなこといってても
はじまりませんよね。
さて と……。
(どうぐ屋)
*「お城が 魔物におそわれた。
大昔 魔物が出たのと
おんなじようにな。
*「これからは
何も心配はいらないなんて
神さま 言ってたクセによ……。
*「どうすんだよ この砂漠は!
どうなるんだよ おれたちは!
なあ 旅の人よう!
マリベル「村は まだ無事なのに
お城が おそわれただなんて。
どういうことなの?
アイラ「こうしては いられないわ。
アルス お城のようすを
見にゆきましょう。
*「なにゆえ 神は
砂漠の民を 苦しみに
あわせるのか?
*「この苦しみは いつか終わり
ふたたび 平和な時が
来るのか? それとも……?
*「わしにも わからん。
じゃが おまえらに
できるかぎりの ことはしよう……。
(教会)
*「わしが つりをしていると
思うかね?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「フム……。 *「わしはな つりをしておる。 *「砂を みつめていると *「わしは 世界をつる。 *「わしは おろかだと思うかね? |
いいえ |
*「フム……。 |
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「フム……。 |
いいえ |
*「フム……。 |
マリベル「のん気なジジイよね。
このピンチな時に だらだら
つりなんかしちゃって。
マリベル「こわがってるばっかも
気にくわないけど 落ちつかれると
また ムカつくわね。
ガボ「この じっちゃんの言うこと
オイラには さっぱり
わかんねえや。
マリベル「ツボの中までは 魔物も
入ってこれないみたいね。
アイラ「ここは 変わりなし か。
かといって 村のみんなが
入れるほどは 広くないし……。
*「これから 食べ物も
なくなるかもしれない。
*「なるべく ムダのないように
料理しなくっちゃ。
*「……だいじょうぶです。
昔 砂漠を魔物がおそった時も
なんとかなったじゃないですか。
*「だいじょうぶ だいじょうぶ
……そう言ってないと
気がヘンになりそう!
*「おそろしいことじゃ。
神のいかりか 魔物のしわざか。
砂漠は 闇につつまれてしもうた。
*「わしには もう
家族を守る チカラはない。
……おお 神よ!
*「神よ おたすけください!
あの日 われらの前に
お姿をあらわし……。
*「とこしえの 平和を
約束くださったのは
いつわりか!?
*「おお……神よ……。
*「にー にー。
マリベル「ネコは のん気でいいわね。
なんにも わかってないんだから
そりゃあ幸せでしょうよ。
*「……なんだよ。
魔物が なんだってんだ。
知らないよ そんなこと。
*「へん。
昼間でも まっくらなら
昼寝が しやすいや。
*「まずは食事!
なんといっても
まずは食事だよ!
*「ちゃーんと食っときゃ
いざっていう時も
なんとかなるモンさ。
*「マモノが でたり
外がまっくらになったり
たしかに コワいけどさあ。
*「なんか とうちゃんみてると
なさけなくって
コワいの わすれてくるよ。
*「オロオロ オロオロ。
魔物 魔物 魔物だあー!
どうしよう!? どうしよう!?
*「どこにも
逃げられないっていうし
ああ! だれか助けて!
マリベル「アルス あんた
ああいう なさけない男にだけは
なるんじゃないわよ。
*「おお! おお!
覚えておりますとも!
その身なり そのお顔!
*「おお この闇と魔物の中を
ようこそ 救い主さま!
ささ どうぞ中へ!
*「みなさまが 砂漠を
お見捨てになるとは
思いませんでしたとも!
*「どうぞ この宿屋を
ごじぶんの家と思って
おくつろぎ くださいませ。
*「とはいえ こちらも
商売ですから……。
(宿屋)
*「まどの そと……。
まだおひるなのに
まっくらだ……。
*「まものの しわざなのかな。
おしろは だいじょぶかな。
まっくらだよ ねえ。
*「にゃー にゃー。
*「ミー ミー。
*「こちらは 砂漠の民の
いだいなる
族長さまのおやしき……。
*「も もしや!
*「みなさんは かつて
この砂漠をおとずれた
救い主さま!
*「す 救い主さま!
ああ 救い主さまですね!
よかった……。
*「さあ どうぞ中へ!
族長さまも 村のものも
みなさまを お待ちしてました!
*「また 砂漠に魔物が出るんです。
ひいじいさんから
聞いてたのと そっくりだ!
*「お城は おそわれたっていうし
空は こんなだし
……なのに。
*「神さまは
なんにもしてくれません。
なんにも 答えてくれないんです。
*「ニャオーン。
*「なー。
*「ああ……
お城に つとめてる
姉さんが心配だわ。
*「お城が おそわれたって
聞いたけど
姉さん だいじょうぶかしら。
*「ミャー ミャー。
*「ニャオーン。
*「ほんとは
お食事つくらなきゃ
いけない時間なの。
*「でも お台所に
ひとりで立つのが
こわくって……ぶるぶる。
*「おれたち
この先 どうなるんだろ?
*「3つ子の ぼっちゃまがたは
アテになんないし
ああ どうなっちまうんだ!?
*「ふだん いばってるクセに
3つ子の ぼっちゃまがたは
ねこんでるよ!
*「まったく ロクでもねえ……。
族長「おお!
族長「救い主さま。
よくぞ……よくぞ砂漠へ
おもどりくだすった!
族長「見てのとおり
砂漠は 闇に
とざされて しまいました。
族長「いにしえの魔王の復活と
おそれる者も おります。
族長「すぐに女王さまが
神に祈りをささげ
助けをもとめましたが……。
族長「なぜか 神はお答えにならず
ぎゃくに 城が魔物に
おそわれるしまつ。
族長「女王さまも さぞかし
お心細いでしょう。
族長「どうか 救い主さま
お城へ向かい 女王さまの
おチカラになってください!
マリベル「とりあえず お城へ
急ぐわよ アルス!
マリベル「なんで ですって?
魔物におそわれた時のようすを
聞くに 決まってるじゃない!
アイラ「今のところ 女王さまは
無事みたいね。
会いに行ってみましょう。
ガボ「城ん中 せっかく直したのに
また メチャクメチャに
されちまったのか?
ガボ「ちっくしょう 魔物のやつ
なんで ひどいことばっか
するんだよ!
*「こちらは つうしょう3バカ。
族長さまの息子さんの
お部屋ですわ。
*「下の 弟さんは
お兄さまがたが うるさいって
バルコニーに いらっしゃいます。
*「こんな時なのに。
あの方 魔物が
こわくないのかしら。
アイラ「3バカ……。
アルスは そんなふうに
呼んじゃダメよ。 失礼ですもの。
マリベル「召使いにまで バカって
呼ばれて よく 生きてられるわ。
はずかしくないのかしら。
*「ビクビクビクビク。
じょ 女王さま
おたすけ……。
アイラ「アルス こんな所にいても
しょうがないわ。
早く お城に 行きましょう。
*「ぶるぶるぶるぶる。
せ 精霊さま
おたすけ……。
ガボ「だっらしねえなあ。
オラまで 情けなくなってくるよ。
*「ガタガタガタガタ。
か 神さま
おたすけ……。
マリベル「もう 最悪ね。
こいつら けっとばして
やんなさいよ アルス。
*「砂漠が
こんなことになってから
奥さま うなされてばかり。
*「だいじょうぶかしら……。
*「ひいーっ!
こないでおくれ!
こないでおくれ!
*「ううーん。
若者「神は われわれに
平和を約束した。
若者「ところが
とつぜん砂漠は闇にとざされ
魔物たちが やってきた。
若者「神の言葉は
いつわりだったのか?
若者「それとも 神の力でも
たちうちできないほどの
魔物……。
若者「古い いいつたえに聞く 魔王が
ふたたび よみがえったのか?
若者「救い主という おまえたちは
砂漠の民の 味方なのか?
それとも 魔物の一味なのか?
若者「ははっ じょうだんだ。
おまえたちのような
人のいい顔の 魔物はいない。
若者「それにしても……。
この世界は
どうなってしまったのだ。
ガボ「オイラたちは ずーっと前から
砂漠のみんなの友だちなんだぞ!
なんだよ 魔物の一味だなんて。
ガボ「じょうだんに したって
ひどすぎらい!
マリベル「あいつ 魔物なんて
こわくないって顔してるわね。
カッコつけちゃって。
アイラ「神の言葉が いつわり……。
まさか そんなことあるはずない。
そうよね アルス。
*「まさか おぬしら
魔物ではないだろうな!
よーく その顔を見せてみろ!
*「…………。
*「こ これは もしや
砂漠の 救い主さまでは
ありませんか!?
*「たいへん失礼いたしました!
さあ どうぞ中へ!
*「われら砂漠の民
首を長くして みなさまを
お待ちしていました!
アイラ「城の人たちも 魔物におびえて
苦しんでいるはずよ。
アルス 早く精霊を見つけないと。
マリベル「空気がピリピリしてるわ。
……なんだか いやな感じね。
マリベル「今のところ 魔物の姿は
見えないわね。
でも ゆだんしちゃダメよ。
ガボ「地面の下に 住んでてもさ
空が暗いってのは やっぱ
いやな気分なんだろうな。
*「つい このあいだ
お城の地下の 神殿が
魔物に おそわれました。
*「それから こうして
城に入るものを
たしかめるようになったのです。
マリベル「神殿が 襲われた!?
アルス 急いで見にゆくわよ!
アイラ「見たところ お城は無事なのに
神殿だけを 襲ったのかしら?
気になるわね。
ガボ「魔物のやつら また悪さ
しやがったんだな!
なあ 神殿に 行ってみようぜ!
*「砂漠の 恩人であるみなさんを
うたがって しまうとは
なさけない。
*「申し訳ありませんでした。
どうぞ お許しを。
*「異常なーし!
*「ようし 異常なし!
*「今は 魔物は
城の中にはいません。
*「今のところはね。
*「さあ 早く!
*「開けた扉から
魔物がしのびこむかもしれない!
*「外は魔物だらけ。
今は 旅立たないほうがいい。
*「あわてたって
どのみち 魔物は
いなくなりゃしないんだから。
*「オロオロオロオロ。
まったくもう!
なんてことだ!
*「あいぼうが
モタモタしてるから
帰れなくなっちゃったよ!
*「ミー ミー。
*「これは 救い主さま。
どうぞ ご自由に お通り下さい。
*「これだけ 守りをかためれば
もう魔物も
入ってこれないでしょう。
*「この階段の 下に
女王さまは いらっしゃいます。
*「さらに下の階
神殿は 魔物に壊されたため
今は 立入禁止です。
アイラ「魔物たちの ねらいは
神殿だけだったのかしら。
どういうこと?
マリベル「みんなが 住んでる所は
とりあえず 無事みたいね。
ひと安心だわ。
*「お城の水は
今のところ にごっていない。
でも 川の水は まっくろなの。
*「魔物は出るし
わたしたち このまま
闇の世界で 死んじゃうんじゃ……。
*「なぜ神さまは 砂漠を
助けては くださらんのか。
*「神さまでも 大地の精霊さまでも
どっちでも かまわん!
なんとかしてほしいものじゃ。
アイラ「城の人たちも 魔物におびえて
苦しんでいるはずよ。
アルス 早く精霊を見つけないと。
*「女王さまも みんなも
どんどん食が
ほそくなって きていて……。
*「こんなことでは 体が弱って
たおれてしまいます。
*「にゃおーん。
*「ああ
なんということでしょう。
再び 暗黒の空を見るとは。
*「女王さまが じきじきに
お祈りをささげても
神は お答えくださいません。
*「われら 砂漠の民
天に はじることは
何ひとつ ないというのに。
マリベル「ねえ アルス。
神さまってさ もしかしたら……。
マリベル「ううん。何でもないわ。
*「ここだけの話だけど
神殿がおそわれた時
何人か 死んだらしいのよ。
*「おもてむきは ケガ人が
出ただけだって
言ってるけどね。
マリベル「今のうわさ 本当かしら?
あんまり 信じたくはないけど。
ガボ「もうちょっと 早く この砂漠に
オイラたちが 来てたらさあ。
みんな 助けられたのかな……。
*「できることなら もっと
みはりの兵の数を
増やしたい。
*「しかし どうにも
数が足りないのです。
*「平和な時が 長く
つづきすぎたのか……。
*「砂漠が闇に
とざされてからというもの
客足が バッタリとだえまして。
*「老いた父や母
妻と20人の子供たちが
ひもじい 思いをしております。
*「どうか あわれとお思いなら
お買い物を おねがいします。
……ではでは。
(どうぐ屋)
*「こんな時だ。
武器はあったほうがいい。
*「神さまが
守っちゃくんねえなら
自分たちで どうにかしなきゃよ。
*「さて……。
(武器屋)
*「だいじょぶよ ねこさん。
わたしも あなたも
わるいこと してないわ。
*「わるいこと しないこには
こわいこと おきないわ。
ママが いってたわ。
*「ニー。
*「この方は わたしが
城の外で魔物に
おそわれていたのを 助けて……。
*「ひどいケガ。
命には かかわらないと
いいのだけれど。
*「うーん うーん
魔物め……。うーん。
*「空は 闇におおわれ
風はよどみ
川 荒れ狂う。
*「これは まさしく
はるか昔 この砂漠が
魔物に おそわれた時と 同じ!
*「これは あのときと
同じ魔物のしわざに
まちがい ありません!
ガボ「今度も 魔物 ぜーんぶ
オイラたちで やっつけてやる!
なっ アルス!
アイラ「砂漠も 火の山も たしかに
封印されたとしか思えない。
でも 一体だれに?
マリベル「あの時の 魔物の親玉は
たしか セトってやつだった。
でも あいつは やっつけたわよね。
マリベル「魔王だって あんたたちが
ちゃんと 倒したはずなのに。
どうなってるの?
*「魔物たちは
地中から 穴をほり
神殿を 壊してゆきました。
*「なぜか われらには
目もくれずに。
*「何が目的だったのか?
女王さまは
教えてはくれないのです。
アイラ「これまでの いきさつを
女王さまに 聞いてみる必要が
ありそうね。
マリベル「神殿が 気になるわね。
あたしのカンって めったに
外れないんだから。
*「城のどこかに かつての王が
王家のカギというものを
かくしたそうです。
*「砂漠をふたたび わざわいが
おそった時に やくだつものと
いうことですが……。
*「いったい どこにあるのか
だれひとり 知らないのです。
マリベル「王家のカギ ねえ。
かくさなくっても どこかに
しまっておけば いいのに。
*「ここは 墓場。
死者のやすらぎの場所。
*「みなさまには まだまだ
えんのない場所です。
マリベル「この先 ひとつだって
お墓を 増やすわけにはいかないわ。
アルス わかってるでしょうね?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
マリベル「……うん。がんばろうね。 |
いいえ |
マリベル「もうっ! シャキっとしてよ! |
アイラ「神殿のほかは 無事だったのは
ここに眠るたましいの
おかげかも 知れないわね。
ガボ「なんとなーく 悲しいニオイが
するんだ。オイラ わかるんだ。
オイラのきらいなニオイなんだ。
ガボ「前きたときは お日さまのニオイ
だけだったのにさ。
早く もとに 戻してえな。
*「ここは 墓場。
砂漠の民と
代々の 女王さまの墓。
*「魔物も 墓には
わるさをしなかったようです。
*「大いなる女王のたましいよ
われらの女王ネフティスさまと
われらを お守りください。
*「女王さまが おっしゃるのです。
神に祈るよりは
われらが祖先に 祈れと。
*「ですから こうして
いにしえの女王 フェデルさまに
祈りを ささげております。
マリベル「神さまより 祖先に?
女王さま 何かつかんでそうね。
話を聞いてみなくちゃ。
*「この墓は 女王フェデルのもの。
かつて砂漠をおそった わざわいを
しりぞけた いにしえの女王。
*「しかし 女王はもう
土の下だ……。
*「この階段を 下りれば
砂漠の民の神殿。
ですが 今は おひきとりを。
*「女王さまのご命令です。
なんぴとたりとも
お通しすることはできません。
マリベル「神殿に 入れないですって?
どういうことなの?
女王さまに 聞きにいかなくちゃ。
ガボ「まさか まだ神殿の中に
魔物がいるんじゃねえだろうな。
アイラ「とにかく 女王さまに 会って
くわしい話を聞きましょう。
すべては それからよ。
*「ここは 女王さまのお部屋。
*「女王さまに 用があるならば
おつきの娘たちに
話しかけるがよい。
*「ここは 女王さまのお部屋です。
*「お城が おそわれてから
女王さまは ずっと
ふさぎこまれている。
*「神殿が
メチャクチャに されたんだ。
ムリもない 話だが……。
*「村の 両親のもとへ
帰りたいんですが
外は 魔物が出るので……。
*「女王さまの おチカラで
砂漠を もとにもどして
いただけないかと お願いに。
*「女王さまが ご気分が
すぐれないようなので
お花を さしあげにきました。
*「こんなものでも
なぐさめになれば と。
ガボ「女王さま 元気ねえのか。
アルス おみまい 行こうぜ!
*「……これは!
*「救い主さま!
よくぞ 砂漠へ
おもどりになりました。
*「女王さまは
救い主さまを ずっと
もうずっと お待ちでした。
*「なんと!
*「女王さまは 救い主さまと
じかに お話しされたいと
おっしゃって おいでです。
*「ただいま 人ばらいをいたします。
もうしばらく そのまま
お待ちくださいませ。
*「お集りの みなさま!
*「もうしわけございませんが
本日 女王さまは
ご気分がすぐれない ご様子。
*「どうか 今日のところは
お引き取りくださいませ。
*「それでは わたくしたちも
これにて……。
*「お話が すみましたころ
戻ってまいります。
ガボ「みんな いなくなっちまったな。
今のうちだぞ アルス!
アイラ「神殿のこと 砂漠のこと
聞きたいことがたくさんあるわ。
さあ アルス!
マリベル「ずいぶん 大事な話みたいね。
アルス もっと女王さまのそばに
行きましょうよ。
*「さあ 早く
女王さまのもとへ!
*「どちらへ 行かれます?
*「女王さまが
お待ちかねですぞ。
女王「救い主さま……。
お待ちしておりました。
女王「さあ どうぞ もっと近くへ。
マリベル「女王さまと 直接話すのは
あたしたちが 初めてってわけね。
ちょっと 気分いいわね。
アイラ「どうしたの? 女王さまは
すぐそこよ アルス。
ガボ「アルス 何してんだ?
早く 女王さまの話 聞こうぜ!
裏へ行こうとすると
女王「救い主さま。
どうか われらを
お見捨てに ならないでください。
女王「この砂漠を 救うには
みなさまの おチカラを
かりるほかないのです。
女王「お待ちしておりました
砂漠の 救い主さま。
女王「みなさまも ごぞんじの通り
神がこの世によみがえり
世界に 平和がおとずれました。
女王「神は われらに
もう 苦しむことはないのだと
そうおっしゃった。
女王「ところが とつぜん砂漠は
闇の世界に変わってしまった。
女王「魔物のけはい
暗い空におびえる民に
わたくしは あせりました。
女王「そうして ひとつのことに
思い当たったのです。
女王「この城の地下ふかく……。
神殿に 封印してあった
闇のルビーの かたわれ。
女王「もしや あれがまた
わざわいを
もたらしたのではないかと。
女王「わたくしは 神に
おうかがいをたてようと
神殿で祈りました。
女王「…………。
女王「……………………。
女王「この先 何を言っても
わたくしを
信じてくださいますか?
はい/いいえ | |
---|---|
はい/いいえ |
女王「いいえ! お答えにならないで! |
女王「…………神は わたくしに
お答えになりました。
おそろしく まがまがしい声で。
そ・こ・に・あっ・た・の・か
女王「そして すぐに……。
女王「地中から あらわれた魔物に
神殿はおそわれ
闇のルビーは うばわれた。
女王「わが民には
口がさけても言えませぬ。
みなが 信じる神が よもや……!
女王「……救い主さま
みなさまも 闇のルビーを
神に おあずけになったのですね。
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
女王「やはり そうでしたか。 |
いいえ |
女王「よろしいのです |
女王「…………。
女王「砂漠を 救うための方法に
ひとつ 心あたりがあります。
女王「いにしえより この砂漠を守り
われらとともにある
大いなるチカラ……。
女王「この砂漠の どこかに眠る
大地の精霊ならば きっと
魔を おいはらってくれるはず。
女王「どうか救い主さま!
大地の精霊を 目ざめさせ
この砂漠を お救いくださいませ!
女王「大地の精霊を 目ざめさせる術は
いにしえより 砂漠の民の
シャーマンに 伝えられております。
女王「お願いいたします!
大地の精霊を 目ざめさせ
砂漠を お救いくださいませ!
マリベル「……はい そうですかって
信じられる話じゃ ないけど
でも 本当だとしたら。
マリベル「とにかく 大地の精霊を
探し出すのが 先だわ。
砂漠の村へ 行くわよ!
ガボ「神殿の 闇のルビー めあてで
魔物のやつら やって来たのか。
魔物……だよな そいつって。
ガボ「まあ いいや!
大地の精霊っての 起こせば
ぜんぶ わかるよな!
アイラ「アルスだって 見たでしょ。
あの時 神の祭壇で たしかに
神さまが 復活したのを。
アイラ「……でも 闇のルビーは?
砂漠の神殿を襲ったのは?
わからないわ。
女王「わたくしには もう
神は 信じられませぬ。
ならば砂漠を救う方法は ひとつ。
女王「砂漠に眠る 大いなるチカラ
大地の精霊に
助けをもとめるほか ありませぬ。
女王「大地の精霊を 目ざめさせる術は
いにしえより 砂漠の民の
シャーマンに 伝えられております。
女王「お願いいたします!
大地の精霊を 目ざめさせ
砂漠を お救いくださいませ!
女王「お待ちくださいませ!
女王「救い主さまの おチカラは
じゅうぶんに
ぞんじておりますが……。
女王「われら砂漠の民
この危機に 何もせずには
いられませぬ。
女王「砂漠の民を ひとり
みなさまの 案内役として
お連れいただけませんか。
女王「砂漠の村の 族長には
4人の息子がいると聞きます。
どうか!
女王「かれらのうち ひとりを
みなさまのお供に!
おねがいでございます。
女王「どうぞ われわれにも
お手伝いをさせてください!
ガボ「案内人かあ。
気が合うヤツだといいよな。
いっしょに がんばるんだしさ。
マリベル「大地の精霊の 手がかりも
案内役も どっちも砂漠の村ね。
さあ 急ぐわよ アルス!
アイラ「砂漠の村へ 行きましょう。
今は 考えるよりも 動くことよ。
アイラ「お城が 心配なのはわかるけど
今は 砂漠の村へ 急ぎましょう。
マリベル「砂漠の村の シャーマンって
たしか 何人もいたわよね。
まっ 行ってみればわかるか。
ガボ「ばびゅーんって 村まで行って
どかーんと 精霊 起こそうぜ!
そしたら ぜんぶ オッケーだ!!
*「やや これは失礼しました。
*「気のせいでしょうか
ほんのすこし 女王さまが
元気を とりもどされたような……。
*「いったい 女王さまは
どのようなお話を みなさんに?
*「女王さまが じきじきに
お話に なったのは
これが はじめてですわ。
*「それほどに 大切なお話
だったのですね。
*「救い主さま どうか女王さまの
おチカラになってさしあげて
くださいませ。
*「すげえや! あんたがた。
女王さま じきじきに
お話いただくなんて!
*「そんなら この花も
渡してもらえばよかったな。
*「はやく もとの平和な砂漠に
もどらないかしら。
*「外には 魔物がいるかと思うと
安心して 眠れないの。
アイラ「村のみんなのためにも 早く
精霊を 目覚めさせないと。
がんばりましょう アルス。
ガボ「えっと 族長さんとこと
シャーマンとこに 行くんだよな。
へへっ オイラ よく覚えてるだろ!
マリベル「大地の精霊の 手がかりは
シャーマンが 知ってるはず。
さあ 探すわよ!
ツボの中
マリベル「やっぱり あやしいのは
ここのシャーマンよね。
最初っから わかってたのよ。
ガボ「あのオッチャンの 言うこと
むつかしいからさあ。
精霊の話されても わかるかなあ?
*「うと……うと……。
返事がない。
どうやら眠っているようだ。
マリベル「なんで こんな時に
ぐーぐー 寝てるのよ。
もう 信じらんないわ!
マリベル「アルス ほっといて
先に 族長さんちへ 行きましょ!
ガボ「精霊の話 聞くはずが
じっちゃんまで 眠ってらあ。
こまったなあ。
アイラ「しょうがないわねえ もう。
先に 族長さんの家のほうを
回ってみましょうか。
*「ここは 砂漠の民の
いだいなる
族長さまのおやしき。
*「おお! これは
救い主さまではありませんか!
*「女王さまより みなさまが
この村へ いらっしゃると
うかがっておりました。
*「さあ どうぞ中へ!
族長さまも ぼっちゃまがたも
お待ちかねです!
マリベル「そうそう 族長さんちで
案内人を ひろってかなきゃね。
……なんか ヤな予感がするけど。
アイラ「族長さんも 精霊のこと
知っているかもしれないわ。
会っておきましょうよ。
ガボ「女王さまの お使いの人
オイラたちより 先に来たのか!
足 速えんだなーっ。
*「救い主さまは はるか昔にも
われら砂漠の民を
助けてくださったとか。
*「今度も きっと
砂漠は救われますよね!
信じています。
*「いやあ それはもちろん
おれだって救い主さまの
お手伝いは したいさ!
*「でも そうしたら
あとの二人が みじめじゃないか。
ホラ おれはいちばんやさしいからな。
族長「いちばん上の息子よ
お前のいいぶんは わかった。
まんなかの息子よ お前はどうなのだ?
*「父上から見ても いちばん強いのは
おれだけどさ でもさ
あとのふたりに 今回はゆずるよ。
*「救い主さまに きたえてもらえば
おれと 同じくらい
強くなれるかもしれないだろ?
族長「むむむ……。
では のこったおまえはどう思う?
*「いちばん かしこくて
いちばん強い このおれが
村をはなれるわけには いきません。
*「村に もしものことがあったら
おれが村を 守らなきゃ。
だから役目は ほかの二人に!
族長「むう…… つまり おまえたちは
救い主さまのお供をするのは
イヤだ というのだな?
*「いえ……その……。
*「べつに……その……。
*「イヤだなんて そのう……。
マリベル「ねえ アルス。
もしかして あの3人のだれかを
連れてかなきゃ なんないわけ?
マリベル「カンベンしてよ もう……。
ガボ「うーん。 言っちゃわりいけど
あんまり 連れてきたくねえなあ。
なっ 族長さんに ことわろうぜ!
アイラ「………………。
アイラ「でも 女王さまが あれほど
頼んでいたんだし もしかしたら
役に立つのかもしれないし。
*「ふむふむ……きゃっ!
*「な な なにかご用ですか!?
わたしはけっして
ぬすみ聞きなんて してませんよ!
*「さっき来た 女王さまからの
お使いの人
どんな用事だったのかしら?
*「キレイだったなあー。
お城からの お使いの人。
いやあ キレイだったよなあ。
*「外は 魔物が出るというのに
よっぽどたいへんな用事が
あったに ちがいない。
*「族長さま とつぜん
4人の息子さんたちを集めて
いったい 何があったのかしら。
若者「おや ウワサをすれば。
父が待ちかねていたぞ。
早く父のもとへ 話にいってくれ。
*「ぶつぶつ……どうか
おれだけは 選ばれませんように。
族長「おお!
族長「これはこれは 救い主さま!
女王さまのお使いから 話は
うかがっておりますぞ!
族長「わたしの息子たちの中から
だれでも お連れください。
族長「……と 言いたいところですが
わたしの息子たちは
とんでもない おくびょう者ばかり。
族長「もうしわけ ございませんが
救い主さまの おチカラには
どうやら なれないような……。
*「イ イタタタタタ!
きゅうに おなかがいたい!
*「こんなに救い主さまの
お役に たちたいというのに
おなかがいたくて うごけない!
*「イ イテテテテテテ!
きゅうに 頭がいたい!
*「頭さえ いたくなければ
救い主さまの お供には
おれが 行ったのに!
*「イ イイチチチチチチ!
きゅうに 体中が いたい!
*「こんな体で ついていっても
救い主さまの
足を ひっぱってしまう!
族長「…………。
族長「まこと なさけないことです。
もうしわけございませんが
これでは とても……。
若者「どうでしょう 父上。
兄者たちのかわりに
おれが お供をしては?
族長「サイード! 行ってくれるか!?
サイード「兄者たちが 病気となれば
しかたがないでしょう。
サイード「部屋へもどって
出かける したくをしてきます。
救い主ご一行 またあとで。
族長「下の息子 サイードは
あれでなかなか 頭が回ります。
きっと みなさまのお役にたつかと。
族長「サイードの部屋は
この屋敷の うらにあります。
どうぞ お供にお連れください。
ガボ「サイードの部屋って
昔の族長さんちのことだよな。
ネコが いっぱいいてさあ。
アイラ「上のデキがいいと 下がダメ。
その反対も よくある話よね。
ともあれ ほっとしたわ。
マリベル「……助かった!
あの3人に決まったら 精霊なんて
見つかるはずないもの。
マリベル「あたしの 日ごろの行いが
いいせいよね きっと。
さ サイードを むかえに行きましょ。
族長「下の息子 サイードの部屋は
この屋敷の うらにあります。
どうぞ お供にお連れください。
族長「しかし 上の息子たちが
ここまでたわけ者とは
おはずかしいことです。
*「やれやれ たすかった!
*「……なーんて
思っちゃいませんってば。
ああ 本当に残念だなあ!
*「おや? ふしぎなことに
おなかが いたくなくなってきた。
うーん ふしぎふしぎ。
*「うう 体さえいたくなければ
おれが行ったのに。
あー 残念だ 残念だ。
*「けっきょく サイードさまに
決まったんですね。
まあ よかったと思いますよ。
*「えっ? なんで知ってるかって?
いやですわ わたし
ぬすみ聞きなんて してませんよ。
*「ミャア ミャアミャア。
サイード「よしよし おまえたち
おれがもどってくるまで
この部屋から 出るんじゃないぞ。
*「ミャア!
サイード「外は 魔物が出るんだ。
おとなしく 待っているんだぞ。
サイード「では 救い主ご一行。
……と いちいち呼びにくいな。
サイード「さしつかえ なければ
名前を教えてくれないか?
アルスは 仲間たちの名前を
サイードにおしえた!
サイード「ありがとう。
では行こうか アルス。
サイード「砂漠の民 サイード
この命のかぎり
おまえたちの チカラとなろう!
サイードが 仲間にくわわった!
サイード「ネコを じっと見ていると
ときどき 人のことばが
わかるのではという 気になるよ。
マリベル「あたしのネコも 元気かなあ。
他の人には なつかない子だから
ちょっと心配だわ。
*「にゃー。
*「ミャウウウ。
サイード「この先 何が待ちうけようと
この おれの命は アルス
お前に あずけよう。
サイード「大地の精霊のことは
年よりや シャーマンがくわしい。
話を 聞いてみると いいだろう。
マリベル「女王さまの 話だと
シャーマンが 精霊の手がかりを
知ってるはずだったわね。
ガボ「サイード ネコ好きなんだな。
へへへっ オオカミも好きかな?
アイラ「案内役も みつかったし。
大地の精霊の手がかりを
さがしましょう!
マリベル「あの3人よりは マシだけど
なーんか かっこつけちゃってさ。
イヤミなやつだわ。
マリベル「ま いーや。
大地の精霊を 見つけるまでの間よ。
広い心で ガマン ガマン!
*「かつて 救い主さまと
いにしえの砂漠の民の族長が
たすけあい 砂漠は救われた。
*「今度も きっと
砂漠は救われますよね!
信じています。
*「おお 救い主さま!
サイードさま!
お話は うかがっております。
*「砂漠の民のため 旅立たれるとは
なんと ゆうきあることでしょう。
どうぞ お気をつけて!
サイード「家の中にいると いつも
兄上たちが いがみあっていて
うるさくて 本も読めない。
サイード「だから 裏にある古い家で
おれは 暮らしているんだ。
ガボ「あの3人の にいちゃんたち
ちゃんと 族長のじっちゃんや
村を 守れんのかな?
ガボ「オイラ 心配だよ。
*「サイードさま
がんばってくださいね!
*「族長さまと奥さまは
おれたちが お守りしますから!
*「サイードさま ネコの世話は
ちゃんとしておきますから
心おきなく お出かけください!
*「3つ子の ぼっちゃまがたが
えらばれなくて
本当に よかった!
*「どう考えても あの3人じゃ
足手まといに なるだけよ。
*「救い主さまが 来てくれたなら
きっと じきに砂漠は
よくなるわ。
*「サイードが
もしも 砂漠を救っちまったら
こまったことに なるよな。
*「おれたちの メンツってものがさ
どうにかして あいつらの
ジャマをしないと。
マリベル「なによ あいつ!
さっきまで 泣きベソかいてたのに
ムカつくわねー。
*「どうしたら サイードの手がらを
よこどりできるかな。
うーむ むずかしい……。
*「まあ 手がらどころか
生きて帰ってくるかどうかも
わからないけどな。
サイード「放っておけ。
どうせ 大したことはできないさ。
*「ああ よかった。
救い主のお供なんてしたら
死んじまうよ!
*「サイードのやつには
ちょっと かわいそうなこと
しちまったな。わはははは!
族長「これは 救い主さま!
砂漠を救う 見通しは
いかがでございますか?
族長「サイード おまえもしっかりな。
救い主さまの お役にたってくれ。
サイード「わかっています 父上。
サイード「父上の せっかちも
あいかわらずだな。
サイード「アルス あせることはない。
のんびりしていられないのも
確かだが。
アイラ「大地の精霊の手がかりは
この村の どこかにあるはずよ。
アイラ「アルス 族長さんの期待に
こたえるためにも 早く
そのシャーマンを 探しましょう。
*「まあ サイードさま。
救い主さまの お供をされるとか。
どうぞ お気をつけて。
*「奥さまは 今しがた
おやすみになられました。
サイード「そうか。
では 母が目をさましたら
しばらく るすにすると伝えてくれ。
*「わかりました。
どうぞ お気をつけて。
*「うーん ううーん。
*「ごろごろごろ……。
*「おお! これはこれは
救い主さまに
下の若君 サイードさま!
*「もしや みなさまは
砂漠を救うために……
いや いや わかっております!
*「みなまで おっしゃいますな。
むさくるしい宿ですが
ごゆっくり おくつろぎを。
*「とはいえ こちらも
商売ですから……。
(宿屋)
*「こんにちは たびのひと。
サイードさま。
*「ほんっと うちのとうちゃんって
なさけないよな。
ねえ サイードさま。
*「でも サイードさまの
にいちゃんたちには まけるかな。
サイード「そういえば さっきは
兄たちが みっともない所を
見せてしまったな。
サイード「あれでも 悪い人たちでは
ないんだが。どうも その……
ううむ……ぶつぶつ。
ガボ「オイラは どっちもどっちだと
思うけどな!
*「オロオロ オロオロ。
魔物 魔物 魔物だあー!
どうしよう!? どうしよう!?
*「どこにも
逃げられないっていうし
ああ! だれか助けて!
*「ぐー ぐー。
*「ぐー すぴぴぴぴぴぴぴ。
*「まあ サイードさま。
族長さまのお客さまは
どなたでしたの?
*「……えっ!?
これから みなさんで
砂漠のために 旅立つと!?
*「ありがとうございます。
どうぞ お気をつけて。
マリベル「ふーん サイードのやつ
村の人には ずいぶん
あいそ いいのね。
*「家の外へ 出なければ
魔物に 見つからないはず。
*「あたしゃ 決めたんです。
砂漠が元にもどるまでは
一歩も 外へは出ないってね。
*「いや 旅の方に サイードさま。
うちにも みなさんのような
頼りになる 息子がいれば。
*「年よりと 娘だけでは
もしも魔物が おそってきても
手も足も出ません。
*「おお……神よ。
われらを お守りください。
サイード「魔物は 次から次へと
キリなく やってくる。
サイード「村のものが 安心して
暮らせるよう 早く 精霊を
目ざめさせなくては。
*「死んじまう……。
みんな ひとりのこらず
死んじまうよう……。
*「なんだよ 出てってくれよ!
見せ物じゃないんだよ!
*「どうか ぼうやたちが
眠っている間に
魔物が いなくなりますように。
*「あら サイードさま。
子供たちは 今 眠ったところです。
ご心配ありませんわ。
ガボ「あの子たちが 目をさます前に
精霊みつけて 魔物のやつら
おいはらってやろうぜ!
*「ぐう……。
*「すや……すや……。
*「ここは 砂漠の民の村……。
おや 下の若君ではありませんか。
まさか 村の外へ行こうというのでは
ないでしょうな。
*「空が闇にとざされてから
砂漠は 魔物だらけ。
村から出るのは きけんです。
*「目をとじて 待ってるんだ。
いやなことが ぜんぶ
すぎちまうのを。
*「でも 外の風の音が
魔物たちの声みたいに
きこえてくるんだ。
*「もう いやだよ おれは!
なんで砂漠ばっかり
こんな目に 合うんだよ!
*「今のわしには
神を呼ぶことは できぬ……。
*「この苦しみは いつか終わり
ふたたび 平和な時が
来るのか? それとも……?
*「わしにも わからん。
じゃが おまえらに
できるかぎりの ことはしよう……。
(教会)
ツボの中
サイード「この シャーマンは
砂漠いちばんの 年よりだ。
きっと 何か 知っているはず。
ガボ「シャーマンてえと この村にゃ
2人しか いねえからな。
きっと このじっちゃんだぜ!
マリベル「やっぱ ここがいちばん
あやしいわよね。
アルスも わかってきたじゃない。
アイラ「大地の精霊について
役に立つ 手がかりが 聞ければ
いいんだけど……。
*「フム……フム。
わしに 用がありそうだな。
せっぱつまった 顔をしておる。
*「フム どうしたね?
ゆっくり あせらずに
話してみるといい。
アルスたちは シャーマンに
大地の精霊のことを たずねた!
*「ほう……大地の精霊を な。
大地の精霊が 眠る場所なら
たしかに 知っておるよ。
サイード「なら 早く教えてくれ。
精霊は どこにいる?
どうすれば 目をさますんだ?
*「あせるな あせるな。
精霊 精霊は どこにでもいる。
この砂漠の どこにでも な。
サイード「いいかげんなことを……!
*「ほっほっほ! そう怒るな。
わしは 真実しか 語らんよ。
大地の精霊は どこにでもいる。
*「この砂漠 すべてが精霊そのもの。
砂漠の砂の ひとつぶひとつぶ
すべてが大地の精霊を宿す。
*「目の前の 砂の中にも
村の広場にも 城の庭にも
どこにでも 精霊はいる。
*「精霊とは そういったものだ。
大地の精霊に 会いたいのかね?
いいえの場合追加 | |
---|---|
いいえの場合追加 |
サイード「バカなことを言うな! サイード「ご老人。 |
*「フム そうじゃな。
ここでは ちと場所がせまい。
*「わしに ついてくるといい……。
サイード「じいさんが ツボの外に
出るなんて 初めて見たよ。
それほどの大事と いうわけか。
アイラ「いったい どこへ行く気?
まあいわ とにかく
後を 追わなくちゃ!
※いわは誤字
マリベル「ちょっと アルス!
なに のんびりしてんのよ。
さっさと 追いかけなさいよ。
ガボ「シャーマンのじっちゃん
見うしなっちゃ なんねえぞ。
アルス 急ごうぜ!
*「精霊は たしかにどこにでもいる。
だが からだを持つためには
いくつかの儀式が 必要だ。
*「われら シャーマンたちは
その大事な儀式を
語りついで きた……。
*「大地の精霊の すがたを
けがれなき大地に 描く。
*「その時 精霊は
長い眠りから 目ざめるだろう。
*「フム……。
この場所は 聖なるチカラに
守られている。
*「精霊を 呼び出すには
うってつけかもしれん。
*「フム……。
おとなしく そこで見ておれ。
じーっと だまってな。
*「聞け 眠りのなかの精霊よ。
なんじの歌を。
*「見よ 夢うつつのうちに。
いにしえより 伝えられし
なんじの姿が えがかれるのを。
*「砂漠に眠る 大地の精霊よ
いかなるけものよりも 強く
いかなる王よりもかしこい精霊よ。
*「その肌は 岩のようにかたく
つるぎも やりも通さぬ。
強く たくましい精霊よ。
*「わたしは知る その足を。
いかなる神殿の柱よりも
しっかり大地に立つ その足を。
*「わたしは知る その背中を
砂漠のすべてよりも広い
その背中を。
*「わたしは知る その強い腕を。
ライオンを 片手で倒す
精霊の強い腕を。
*「わたしは知る その大きな手を。
ナイラの流れを せきとめる
大きな 精霊の手を。
*「なんじが体を 大地にえがこう。
なんじを 大地に呼ぶために。
*「なんじが顔を 大地にえがこう。
なんじを……。
*「…………。
*「フム…… こまったな。
*「わしも 年のようだ。
つづきを 忘れてしまった。
*「大地の精霊の顔が
どんなものだったか わかれば
すぐにでも 精霊を呼べるのだが……。
サイード「ただの老人ではないと
思っていたが 精霊をよぶ術を
知っていたとはな。
サイード「しかし 大地の精霊の顔か。
また やっかいな探し物だ。
だれに聞けば いいものか……。
アイラ「砂に 姿を書いて
精霊を よびだすだなんて。
おどろいたわね。
アイラ「あとは 顔さえわかれば。
でも いったいだれが 精霊の顔を
知っているのかしら?
マリベル「さんざん 期待させといて
忘れたですって!?
なに考えてんのよ あのジジイ!
マリベル「しょうがないわね。
だれかに 相談してみましょ。
ガボ「大地の精霊の顔さえ わかれば
よべるって 言われたってさあ。
ガボ「会ったこともねえのに
顔なんて わかんねえよ。
アルス どうすりゃいいんだ?
*「フム……大地の精霊の 顔……。
どう かくのか
わすれてしまった。
*「精霊の顔さえわかれば すぐにでも
この場所へ 大地の精霊を
よべるのだが……。
*「フム ああでもない こうでもない。
いったい 大地の精霊は
どんな顔をしておったのか。
*「精霊の顔さえわかれば すぐにでも
この場所へ 大地の精霊を
よべるのだが……。
旅の扉に入ると
サイード「いったい 今まで
どこへ 行っていたんだ?
サイード「まあいい。
それよりも 早く 大地の精霊を
目ざめ させなければ。
サイードが 仲間にくわわった!
*「みなさんも 大地の精霊さまに
おまいりですか。
はるばる 大変だったでしょう。
*「この大地の精霊さまの像は
魔をしりぞけ 砂漠を守るもの。
*「みなさんも 旅の安全と
砂漠の平和を どうぞ
お祈りしていってください。
*「ここは 大地の精霊の像。
顔が失われたとはいえ
像のチカラで ここは安全です。
*「けれど もし お顔が
そのまま残っていれば
お城も 無事だったでしょうに。
*「大地の精霊の像へ ようこそ。
*「大地の精霊の ご加護のもとにある
この像には いかなる魔物も
手出しはできません。
*「どうぞ ご安心ください。
*「ここは 砂漠を守る
大地の精霊の 体の中。
*「さすがに ここには
魔物の手も
およんでおりません。
*「村からここまでの道中
運のいいことに 一度も
魔物に出会いませんでした。
*「これも 大地の精霊さまの
おかげでしょうか。
*「ひょいと やってきて
うまいこと言ったって
神さまは なにもしてくれねえ。
*「いざって時 たよりになるのは
やっぱり 大地の精霊さまだ。
サイードさまも そう思うだろ。
*「大地の精霊さま おねがいします。
*「どうか もういちど
すべてをてらす目で 砂漠から
魔物をおいはらってください。
*「もう 顔がなくって
ありがたみがないなんて
失礼なことは 言いません。
*「だ だから おねがいします。
早く 外の魔物を
なんとかしてください。
*「はあ〜っ トホホ。
おねがいしますよう。
*「精霊さま 大地の精霊さま。
*「どうか あたしたち砂漠の民を
お守り下さい。
*「精霊さま 大地の精霊さま
いま一度 この像に宿り
砂漠を お救いくださいまし。
*「われら砂漠の民 みな
あなたをたのみにしております。
*「わたしは
神の教えを広めるため
世界中を 旅していますが……。
*「わが神は どれほど祈っても
救いの手を
さしのべてくださらない!
*「ああ なんということ!
*「ええ 守り手さまの像の
お顔なら すぐ出たところよ。
*「でも 長い年月で
すっかりなくなっちゃってるわ。
ざんねんね。
*「これは サイードさま!
サイードさまも おまいりに
いらしたんですね。
*「砂漠の 一大事だ。
大地の精霊さまも なんとか
目をさまして くれないですかね。
*「そうすりゃ 魔物なんて
イッパツなのに!
*「まあ サイードさま!
ええ 精霊さまに
おまいりに来ております。
*「としよりには 神さまよりも
大地の精霊さまのほうが
身ぢかな ものですから。
*「どうぞ おまいりは ご自由に。
学者「たいへんじゃ! たいへんじゃ!
たいへんなことが わかったんじゃ!
学者「な おまえさん 聞いてくれ!
たいへんやら はらだたしいやら
あーっ! もうメチャクチャじゃ!
学者「この像のそばの砂漠から
みつかった 魚の化石
そのあたりを 探っておったら……。
学者「どうやら 今も
大地の奥ふかくには 川が
流れていることが わかったんじゃ!
学者「しかも この神殿のどこかから
その川へと通じる道が
あるらしい! あるらしいんじゃ!
学者「それなのに 神殿のやつらは
精霊の みちびきあるまでは
そこへは 通せんと言いおる!
学者「かーっ! はらだたしい!
ムカーッ!!!!
サイード「ずいぶん おもしろい事を
言う じいさんだな。
地下に川……ね。ふうむ。
ガボ「砂漠の 下のほうに
川が あるだなんて
信じられねえなあ。
マリベル「神のみちびきって
もしかして あの扉のこと?
あの向こうが川……なわけないか。
サイード「精霊の顔なんて 今まで
考えてみたことも なかったよ。
サイード「何しろ 大地の精霊には
さまざまな 姿があるからな。
それこそ 砂漠の砂の数ほどの。
アイラ「村で わからなくたって
お城で 聞いてみればいいわ。
お城でも わからなければ……。
アイラ「き きっと だいじょうぶよ。
さあ 元気だして いきましょう!
マリベル「大地の精霊の顔について
教えてくれた人には マリベル様が
手をにぎってあげちゃう!
マリベル「……って よびかけたら
すぐにでも わかるんじゃない?
何よ じょうだんだってば。
ガボ「大地の精霊ってさあ 目とか
鼻とか 口とか オイラたちみたく
ちゃんと あんのかなあ?
*「ここは 砂漠の民の村……。
*「おや 下の若君。
いったいどこへ 行かれていたのです?
*「空が闇にとざされてから
砂漠は 魔物だらけ。
村から出るのは きけんです。
*「ちっくしょ……ヒック!
飲まなきゃ やってられねっよっ。
……ヒイーック!
*「うるせえ! 自分ちで 酒飲んで
なあーにが 悪いってんだよ!
……ヒック!
*「ぼく ちょっとだけおとうとよりも
おにいちゃんなんだ。
*「だからぼくが ままもおとうとも
まもってあげるんだよ。
えらいでしょ!
サイード「たとえ 子供であろうとも
砂漠の民は 強い心と勇気を
持っている。
サイード「魔物たちには 負けないさ。
何が あろうともな。
ガボ「オイラより うーんと
ちっちゃいのに えらいよなあ。
オイラたちも がんばらねえとな!
*「さいーどさま あのね
ままがね ねてるからね ぼくたち
ここでみはってるの。
*「ままがねてるあいだにね
まものがきても ぼくたちで
おいはらっちゃうんだよ!
マリベル「アルス あんたも
あの子をみならって バシッと
男らしいとこ 見せなさいよね。
*「すや……すや……。
*「いやあ さっきのお客さんには
こまったもんでしたよ。
*「なにしろ3人で来て それぞれ
自分だけに いちばんいい武器を
売れってんですから。
*「まあ 世界に3つしかないんですよ
なんて言って ただの銅の剣を
売っちゃいましたけどね。
*「あたしゃ 長いこと商人やってますが
あんな困った客は……。
あ すいません。さて と……。
(どうぐ屋)
*「おや サイードさまじゃねえか。
ついさっき あんたの兄さんたちが
そろって買い物にきてたぜ。
*「ロクに使えもしねえ 武器やら
高い防具やら 買ってったんだ。
*「村のために 何かするような
人たちじゃあないし さ。
……おっと! これは失礼。
武器と防具の店
サイード「今度は 何のあそびを
始めるつもりなんだか。
まったく この一大事に。
マリベル「3バカが 武器や防具を?
なーんか におうわね。
アイラ「きっと ようやく村のために
がんばろうって 気になったのよ。
……そう 思いたいわね。
*「さっき おもてを
サイードさまのにいさんたちが
あるいていったよ。
*「どこに いったのかなあ。
サイード「……アルス どうも
イヤな予感がするんだ。
気のせいだと いいんだが。
*「まあ サイードさま。
さきほど お兄さまがたが
おそろいでお出かけのようでしたわよ。
*「……えっ!? 行き先?
この窓から チラっと見ただけですので
そこまでは ちょっと……。
*「大地の精霊さまの お顔 ですか。
そうですねえ。
*「あたしの若いころには もう
精霊さまの像も すっかり
のっぺらぼうでしたからねえ。
サイード「かつては たしかに
大地の精霊像にも 顔はあったが
長い年月で なくなってしまった。
サイード「おれの 父が 子供の時には
今のように のっぺらぼうだったと
聞いたことが ある。
アイラ「大地の精霊の像にも
手がかりは なさそう か。
でも 行くだけは 行ってみる?
マリベル「精霊の像って たしか
ナイラの向こうにある アレよね。
マリベル「せっかく 像があっても
顔だけ わからないだなんて
もうっ! ツイてないわね。
*「おや 旅の方に サイードさま。
……えっ? 大地の精霊について
知らないか ですと?
*「ふうむ。精霊さまについてなら
お城の神殿にでも
行かれてみては いかがですか?
サイード「神殿には 古い言い伝えも
たくさん 残されていたと聞く。
しかし 今となっては……。
マリベル「神殿ね でもたしか あそこ
女王さまが 立ち入り禁止に
してたんじゃないの?
ガボ「精霊って さま つけないと
いけないんだな。
えらいんだなあー。
*「オロオロ オロオロ。
魔物 魔物 魔物がくるのに
母ちゃんがねてる! オロオロオロ!
*「魔物がきたら 母ちゃんに
おいはらってもらおうと
思ってたのに! オロオロオロ!
*「オロオロ オロオロオロー!
*「くかー くかー。
*「サイードさま ネコたちは
わたくしに おまかせ下さい!
*「ほーら ニャンコちゃんたち
ねこまんま お食べなさい。
*「おお 救い主さま! サイードさま!
ごきげんうるわしゅう!
*「われら みなさんのご無事を
心からいのっております!
*「サイードさま
よく おもどりになられました!
*「族長さまと奥さまは
おれたちが ちゃーんと
お守りしています! ご心配なく!
*「サイードさまに ネコの世話は
まかせとけ!なんて言ったはいいけど
オレ ネコきらいだったんだよ。
*「つい 代わってもらっちゃったけど
約束したからには やっぱオレが
やるべきだったかなあ……。
サイード「イヤなものを ムリに
やってもらわなくても 結構だ。
サイード「ネコにも 失礼だろう。
アルス お前も そう思うよな。
まったく ぶつぶつ……。
マリベル「ネコが キライですって!?
世界中で あたしの次に かわいい
ネコちゃんが キライ!?
マリベル「世の中 広いものだわ。
そんな人が いるだなんて
信じられない……。
*「フン フン フン♪
あの3つ子がいないと思うと
お料理にも せいが出ちゃうわ。
*「フン フン フフフーン♪
族長「これは 救い主さま!
……なんと! 大地の精霊を
よみがえらせると おっしゃるか!
族長「ふうむ そうですな。
精霊さまのお顔については
わたしも よく知らないのです。
族長「たしか お城の地下の神殿に
手がかりになるようなものが……
むむ なんということだ!
族長「お城の神殿は たしか
魔物におそわれてからというもの
かたく 閉ざされておりまする。
族長「むむむ あの場所なら
きっと 何かわかると思ったのですが。
おチカラになれず めんぼくない。
サイード「城の地下の神殿か。
今のところ 他に あてもない。
アルス 行ってみよう。
アイラ「アルス 神殿には
まだ魔物が いるという話よ。
気を ひきしめて 行きましょう。
ガボ「よしっ アルス!
とにかくお城へ 行ってみようぜ。
きっと 手がかりが見つかるさ!
マリベル「女王さまだって きっと
こういう事情なら 神殿に
入れてくれるはずよ。
マリベル「ダメだって 言われたら
こっそり入れば いいだけよ。
アルス お城へ 行くわよ!
族長「大地の精霊さまの
うしなわれた顔の 手がかりは
きっと お城の神殿にあるはず。
族長「しかし 神殿は今
女王さまの命令で
かたく 閉ざされておりまする。
族長「むむむ あの場所なら
きっと 何かわかると思ったのですが。
おチカラになれず めんぼくない。
*「まあ これはサイードさま。
ご無事でなによりですわ。
*「さきほどお兄さまがたは
そろって お出かけになりました。
*「どこかで すれちがいませんでした?
サイード「国のあるじ 女王さまは
砂漠の神殿の 神官でもある。
話を聞いて そんはないだろう。
マリベル「とりあえず 女王さまに
相談してみましょ。
マリベル「あのシャーマンの話を
さいしょに 教えてくれたのも
女王さまなんだし。
アイラ「シャーマンさえ 知らない
大地の精霊の顔……。
どうやって探せばいいのかしら。
ガボ「精霊の顔が わかんねえと
どうしようもねえんだよなあ。
かたっぱしから 聞いてみっか。
*「城は われわれが守ります。
一匹たりとも
魔物は 通しません!
*「これは 救い主さま。
今のところ
城には異常ありません。
*「魔物たちは どこから来るのか。
暗い空からとんでくるのか
砂の中から くるのか。
*「どちらにせよ われわれは
この城を 守りぬくだけだ。
*「砂漠の村のものだな。
そちらのようすは どうだ?
*「城を守るので 手いっぱいで
村へ 兵をやれないことが
女王さまは 気がかりのようだ。
*「地下の神殿は 魔物におそわれ
見るかげもなく 破壊された。
*「そのため 女王さまのご命令で
今は へいさされています。
*「女王さまの おゆるしがあれば
入れないことは ないでしょうが……。
*「女王さまの おチカラになれるなんざ
かーっ うらやましいねえ!
*「あんたたち がんばれよ!
*「サイードさま お兄さまたちが
お城へ いらっしゃいましたが
もしや 砂漠の村になにか!?
*「えっ? ちがう?
ああ よかった……。
*「サイードさまじゃないか。
さっき アニキたちも
お城に来てたぜ。
*「女王さまに ご用かと思ったら
下に 降りてっちまったよ。
なんだったんだろ あれ?
サイード「どうも イヤな予感がする。
兄上たちが 城に? うーむ……。
ガボ「サイードの にいちゃんたちも
お城に 来てんのかあ。
何の用事なんだろうな。
*「大地の精霊についてですか?
さあ……。
*「わたくし まだ見習いなので
くわしいことは 知らないんです。
もうしわけありません。
*「神殿に流れた 侍女たちの血は
今も かわいていないとか。
なんと いたましいこと。
*「救われぬ たましいが
そうさせているのでしょうか。
ああ……!
*「おなじ神殿でも
大地の精霊さまの像には
魔物は 出なかったみたいね。
*「神さまよりも
大地の精霊さまのほうが
たよりになるってことかしら?
*「神殿をおそった魔物たちが
まだ 地下にいるっていうウワサを
聞いたのよ。
*「でなきゃ 死んだ侍女たちを
とむらいもせずに
神殿をへいさするはずがないわ。
サイード「まこと この城の地下に
魔物たちが いるというなら
その命 うばわなくては。
サイード「死んだ われらが民の
とむらいのためには
魔物の首が いちばんだ。
ガボ「まだ 魔物のやつ 神殿に
いるのかっ!?
ガボ「やっつけて やりてえけど
でも 大地の精霊探しも
やんなきゃだし……ああもう!
*「かみさま どうか
いいこだけじゃなくって
わるいこも まもってください。
*「わたしは いいこだけど
わるいこも まものから
まもってあげてね かみさま。
*「これはサイードくん。
また 異国の話を
聞きにきたのですか?
*「えっ? ちがう?
なんと 救い主さまとともに
大地の精霊を探していると?
*「ふむ そうですな。
大地の精霊は はるかな昔より
この砂漠に 眠っているとか。
*「ではなぜ 精霊は
長い眠りについたのか?
われわれには わかりません。
*「おやサイードくん ごきげんよう。
きみが 読みたがっていた本なら
いちばん奥の本棚に……。
*「なんと 砂漠を救うため
大地の精霊を探していると!?
ううむ そうですなあ。
*「砂漠のシャーマンたちは
大地の精霊の 言い伝えを
語りついできたとか。
*「その 言い伝えをもとに
ナイラの上流の大きな像も
作られたそうです。
サイード「おれのことは 後でいい。
今 やるべきことは
大地の精霊を 探すことだ。
ガボ「オラ 本とか 字とか見ると
頭いたく なっちまうんだよ。
サイードは 平気なのかな?
マリベル「あいつ どんな本を
たのんでたのかしら?
ちょっと 気になるわね。
*「これはこれは 救い主さま。
サイードくんもいっしょですか。
ふむ…… 大地の精霊について ね。
*「城の地下の神殿にも
大地の精霊にかんする
手がかりは あったようです。
*「しかし 神殿は魔物たちに
メチャクチャにされてしまった。
手がかりも 闇の中です。
マリベル「大地の精霊像にも
一度は 行ってみる必要が
ありそうね。
アルスは 本棚をしらべた!
なんと 古ぼけた本をみつけた!
この本を読んでみますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
アルスは 本を読んだ! ”とおい 昔……。 ”祖父が 生まれた国のことを ”そこは 船でもラクダでも ”今は 祖父と同じように ”いつか そのふしぎな国へ |
いいえ |
(何も起こらない) |
サイード「昔から おれは
砂漠の外の世界で 旅をしたいと
思っていたんだ。
サイード「だが 兄上たちが ああだから
心配で 家を空けられなくてな。
せめて本で 旅しているのさ。
マリベル「船でも ラクダでも
行けない場所…… もしかしたら
この本の おじいさんって……。
*「昼も夜も 交代で見はりをして
兵士たちは つかれきっている。
*「今 魔物にせめこまれたら
ひとたまりもありません。
どうしたら よいものか。
*「この方は わたしが
城の外で魔物に
おそわれていたのを 助けて……。
*「ああ 神さま 精霊さま
この方の命を おたすけください。
*「地面の下に 墓をつくるのは
大地の精霊に
たましいを守ってもらうため。
*「大地の精霊も また
砂漠のどこかに眠っていると
伝えられております。
*「この階段を 下りれば
砂漠の民の神殿。
ですが 今は おひきとりを。
*「女王さまのご命令です。
なんぴとたりとも
お通しすることはできません。
サイード「兄上たち ここにもいないか。
とすると……いや まさか……。
まさかな……ぶつぶつ。
マリベル「神殿は 立ち入り禁止か。
しょうがないわね。
アルス ほかを あたりましょ。
アイラ「神殿には まだ魔物がいると
いうじゃないの。
アイラ「本当だとしたら 何とかして
あげたいわね。
今は どうしようもないけど。
ガボ「女王さまに たのんだらさ
ちょっとだけ 入れてくんねえかな?
アルスだって 気になるだろ。
*「ここは 女王さまのお部屋。
*「これはこれは 救い主さま。
女王さまに ご用ですか?
どうぞお通りください。
*「われらが女王さまは
砂漠の民すべての 心のささえ。
*「すべての民を ささえる
その重みは われわれには
はかりしれません。
サイード「はるかな 昔から
この砂漠は 女王さまのもと
たばねられて きたのだ。
サイード「砂漠の民であるという ほこり
女王の存在 その2つが われわれ
砂漠の民を支えている。
*「女王さまの おチカラになれるのは
みなさまだけです。
どうぞ 砂漠をお救いください。
女王「まあ 救い主さま
お顔の色が すぐれぬようですが
いかがなさいました?
アルスは 女王に
これまでのできごとを 話した!
女王「そうですか。
大地の精霊の顔がわからず
みなさま お困りなのですね。
女王「いにしえより伝えられし
精霊を呼ぶ歌も 今ではすっかり
忘れさられてしまった……。
女王「なにか 手がかりがあるとすれば
この地下の神殿ではないかと
わたくしは 思います。
女王「いまわしい出来事を わすれるため
扉をとざしておりましたが
いま一度 扉を開きましょう。
女王「兵士には わたくしから
言っておきます。
お好きなだけ 神殿をお調べください。
女王「ただし 神殿には いまも
魔物たちがひそんでいるという
ウワサも聞いております。
女王「くれぐれも お気をつけて……。
サイード「城の地下に もし魔物が
ひそんでいると いうのなら
命にかえても 倒してやる。
サイード「神殿を けがし
砂漠の民を 殺したものは
許してはならない。
アイラ「たくさんの人が 神殿で
命を おとしたというウワサ。
本当なのかしら……。
アイラ「その人たちの ためにも
早く 精霊の顔を 探しましょう。
マリベル「ようやく 神殿に入れるわ。
アルス 魔物が出たときは
ちゃーんと あたしを守るのよ!
ガボ「きっと 地下の神殿に
大地の精霊の にがお絵とか
かざってあんじゃねえか?
ガボ「アルス 早く見にいこうぜ!
女王「神殿は どうぞご自由に
お調べください。
女王「そうして 大地の精霊の顔の
手がかりを見つけだし
精霊を 目ざめさせてください。
女王「この砂漠のため どうか!
ただし けしてムリは
なさらないで……。
*「おお これは!
女王さまより
お話はうかがっております。
*「どうぞ お通りください。
お気をつけて!
*「な なにかご用でしょうか!?
われわれは やましいことは
何もしていませんとも!
*「ワイロも うけとっていませんし
砂漠の村の 誰かたちを
通したりもしていません!
サイード「どうも イヤな予感が……。
まさかとは 思うんだが。
マリベル「……あやしいわねー。
ガボ「ワイロって ウマイのか?
いいなあ オイラもいっぺん
食ってみてえよ。
*「わはははははは!
うまくいったな!
サイード「あの声は……。
アルスもっと近くへ行ってみよう。
サイード「すまない アルス。
さっきの声が 気になるんだ。
たしかめさせてくれないか。
マリベル「なーんか どっかで
聞いたことのある声がしたわね。
それも あんまり聞きたくないのが。
ガボ「あれっ あいつら もしかして?
アイラ「……やれやれ。
*「ワイロをはずんだだけあって
みごと サイードたちより
先回りできたな! わはははは!
*「なんだかよくわからないけど
大事そうなモンも
みつけたしな わはははははは!
*「魔物も おれたちにおそれをなして
出てこないし よかったよかった!
わはははははは!
*「わははははははは!
サイード「なかなか おもしろいことに
なっているみたいだな。
サイード「アルス
もう少し近くへ 行ってみよう。
アイラ「あの人たち まさか
精霊の顔の 手がかりを?
アイラ「こうしては いられないわ。
くわしい話を 聞いてみなくちゃ。
マリベル「ちょっと アルス!
何 ボケッとしてんのよ。
マリベル「あいつらなんかに 大事なもの
横どりされて たまるもんですか。
ほらっ とりかえしてきなさい!
ガボ「サイードの にいちゃんたち
何か 見つけたみてえだな。
もっとそばに 行ってみようぜ!
階段を上がろうとすると
サイード「兄たちが見つけたものは
重要な 手がかりではないかと思う。
サイード「アルス 兄たちのもとへ
行ってみよう。
*「わはははは!
おそかったな サイード!
*「おまえの さがしてるものは
強くて たよりになるお兄さまたちが
先にいただいた! わはははは!
*「わはは これがほしかったら……。
*「わは わは わは……
*「た!
*「た!
*「た!
*「たすけてくれーっ!!!!!
魔物だあ! 魔物が出た!
サイード! たすけてくれーっ!
行こうとすると
サイード「見すてていきたい 気持ちは
よくわかるが あれでも
血をわけた 兄弟なんだ。
サイード「ちょっと 手をかして
もらえないか?
アイラ「これ以上 魔物の好きには
させないわ。
アルス 行くわよ!
マリベル「早くしないと みんな
魔物に まるのみにされちゃうわ。
話は 3人を 助けた後よ!
ガボ「よおし オイラたちの出番だ!
アルス カッコイイとこ
見せてやろうぜっ!
*「サイード!
な なにのんびりしてるんだよっ!?
はやく たすけてくれーったらっ!
*「いちばんカッコイイ兄さんが
死んじまったら さみしいだろ!?
な! な! たすけてーっ!!!!
*「サササ サイード!
わるぎはなかったんだよーっ!
*「たすけてっ たすけてっ!
いちばん か弱いこの兄さんを
見すてないでーっ!!!
*「サイード! サイードお!
おまえが ちっちゃいとき
かわいがってやったよなあっ!
*「おまえに いっちばんやさしかった
この兄を まさか見殺しにしたり
しないよな! な! な! なあっ!?
アルスは
足もとを しらべようとした。
*「な な な なにやってんだよっ!
死ぬー! 死んじゃうよー!
そんなの あとまわしっ!!
*「救い主さまっ サイード!
たすけてーっ!!!!!!
*「ギャオース!
お化けヒトデ戦
アイラ「……いちおう だれの命でも
命は大事よ アルス。
とりあえず 魔物を倒しましょう。
ガボ「アルスなら あんなヤツ
ちょちょいのぱー! だよなっ!!
マリベル「なんで このマリベルさまが
3バカのために 戦わなきゃ
ならないわけ? 冗談じゃないわよ!
*「ひ ひえええええっ。
こしが ぬけちまったよ。
ありがとう 救い主さま サイード。
*「おれを いちばんに助けたのは
いちばん いいアニキだからだよな。
わかってるさ サイード!
*「グガアアアア!
ボーンフィッシュ戦
マリベル「あいつ なんかクサいわよ!
あ〜 ヤダヤダ!
さっさと やっつけてよね!
ガボ「うははっ バッカだな〜。
陸の上じゃあ オイラたちのが
ダンゼン有利だもんね!
*「サイード! 救い主さま!
よくぞ おれを助けてくれた!
ありがとう ありがとう!
*「おれを 2ばんめに助けたのは
いそいで助けなくても いいくらい
おれが強いからだし……。
*「かといって 最後にまわして
死んじまってもこまるからだよな
わかってるさ サイード!
*「ギャオー!
ネイルビースト戦
マリベル「めんどくさーい。
別に あいつらなんか
放っとけば いいじゃないの。
ガボ「しょーがねーなあ。
いっちょ 3バカのにいちゃんたち
助けてやっか!
*「た た た たすかったあ!
うっ うっ ありがとう。
サイード 救い主さま。
*「おれを さいごに助けたのは
いちばん弱いやつから
助けたからだよな サイード!
*「ああ こわかったあ!
すまなかったな サイード。
*「そうそう 救い主さまも
助けてくれて ありがとう!
*「ホントは おれたちだけでも
あんなやつら 3匹くらい
やっつけちゃえたけどな。
*「まあ おとうとに
花をもたせてやったってとこさ。
わはははは!
*「おれたちが ここにいたのには
じつは わけがあるんだ。
*「砂漠を救うために ひつような
あるものを さがしていたんだ。
ふふんっ いいアニキだろう!
*「先に 魔物にとられちゃ
いけないと思ってさ
わはははははは!
*「サイードが おれたちの
いうことをきいてくれるなら
ゆずってやってもいいぞ!
*「ものすごーく 大事なものだと
思うんだよなあ コレ。
*「おまえが おれたちをさしおいて……。
*「ぜったいに 次の族長にはならない。
そう 約束してくれるなら……。
*「とくべつに おまえたちに
ゆずってやってもいいぞ!
さあ どうする!?
サイード「…………。
サイード「おれは もとから
族長になる気は ありませんよ。
*「えっ?
*「ホント!?
*「ホントにい!?
サイード「まえから ずっと
そう思っていましたから。
*「ほ ほんとか?
*「ぜったい!?
*「ウソついたら 針1000本のますぞ!
サイード「砂漠の民は ウソはつきません。
兄上たちも 知っているでしょう。
*「やったー!
よしっ! じゃ こいつは
おまえたちに やるっ! もってけ!
アルスは 王家のカギを もらった!
*「神殿中 さがしたが
ほかには何も みつからなかった。
魔物に とられちまったみたいだ。
*「救い主さま サイード
じゃあ あとはたのんだぜ!
*「お城と 村のことは
おれたちに まかせとけって!
サイード「神殿で みつかったのは
このカギだけか……。ふうむ。
サイード「大地の精霊の手がかりとは
どうも おもえないな。
サイード「アルス ここはひとつ
女王さまに 聞いてみよう。
サイード「まったく 人さわがせな。
アルス すまなかったな。
マリベル「なによ えらそうに。
ひーひー 言ってたクセに。
*「家族って けっこう
いいもんだなあ。
*「おれ ちょっと
じーんときちゃったよ。
助けてくれて ありがとう。
サイード「これで 少しは
しょうねがつくと いいんだが。
手間のかかる 兄たちだよ。
ガボ「へへっ お礼って いっつも
くすぐったい感じがするよな。
オイラ 苦手だよう。
*「サイード 救い主さま
気をつけてな!
*「お城と 村のことは
おれたちにまかせとけよ
わはははは!
アイラ「……まあ 村にも 男手は
たくさんいたことだし。
先を 急ぎましょう アルス。
*「魔物が出てきたときは
どうなることかと 思ったが
なんとか うまくいったぞ!
*「……あれっ!?
ま まだいたのか サイード!
わははははは!
*「われわれは 神にちかって
この扉を ちゃんと守っていました!
*「ワイロをもらったからといって
誰かを通しては おりません!
ほ ほんとうです!
マリベル「女王さまに いいつけたら
おこられるでしょうねえ。
マリベル「あたしは やさしいから
見のがしてあげるけどさ。
女王「救い主さま 地下のようすは
いかがでしたか?
……まあ! なんと そのカギを!?
女王「そのカギは 代々王家に
つたわってきたものです。
ずっと ずっと昔から。
女王「はるか いにしえの
ハディート王より 伝えられし
救い主さまの 伝説……。
女王「ハディート王から 伝えられた
もうひとつのものが
その 王家のカギなのです。
女王「時きたらば このカギを使い
大地の精霊の像の
とざされた扉を開けと。
女王「王家のカギが
今 みなさまの手にあるのは
きっと ハディート王の お導き。
女王「今こそが その 時 なのです!
女王「救い主さま!
さあ そのカギを お使い下さい!
女王「何百年ものあいだ
とざされていた扉を 開くのです!
そうして 砂漠をお救いください!
サイード「まさか いにしえの王は
こうなることが わかっていたと
言うのか?
サイード「まあいい アルス。
道は 示された。
あとは まっすぐに 進むだけだ。
ガボ「精霊の でっかい像の中に
ヒミツの扉が あるんだな。
よーし 行ってみようぜ!
アイラ「何百年も とざされていた
扉の向こうなら きっと
精霊の言い伝えも 残っているはず。
アイラ「アルス 急ぎましょう。
ナイラを さかのぼって
大地の精霊の像へ!
マリベル「ハディートのやつ また
かっこつけた事 してくれるわね。
マリベル「アルス 大地の精霊像へ
行くわよ。 あたしたちだって
負けてらんないんだから!
女王「王家のカギは
大地の精霊の像の
かたく とざされた扉のカギ。
女王「扉のむこうに 何があるのか。
わたくしも ぞんじません。
女王「ただ いにしえの時より
そのままになっておりますから
精霊の古いいいつたえも もしや……。
*「これはサイードくん。
むっ!? なんと 王家のカギを
みつけたというのですか!
*「この城の どこかに
あるとは聞いていたが……。
なに!? 神殿にあったと!?
*「ううむ……王家のカギは
古い時代の王が 作ったもの。
*「わざわいを しりぞけ
精霊と 人とをつなぐものと
言われております。
サイード「古き時代の王が 作った
王家のカギ か。
実物を この目で見ようとはな。
アイラ「わざわいを しりぞけ
精霊と 人とをつなぐもの……。
なんとなく わかってきたわ。
*「おやサイードくん ごきげんよう。
きみが 読みたがっていた本なら
いちばん奥の本棚に……。
*「なんと 神殿の奥で
王家のカギを 見つけたと!?
*「いにしえより伝わる 王家のカギ。
ウワサには聞いていたが
本当にあったとは。
*「そのカギを使ったものは
大いなるものを 手にすると
伝えられております。
サイード「王家のカギは 代々の王さえ
そのありかを 知らないという。
マリベル「大いなる宝 だった場合は
あたしが まず半分もらう。
あとは みんなで分けなさい。
ガボ「どんな でっかいものが
もらえるんだろうな?
ワクワクするなー!
*「これはこれは 救い主さま。
サイードくんもいっしょですか。
ふむ…… 王家のカギ?
*「古い時代の王より 伝えられし
王家のカギ。
*「そのカギは 使われるべき時と
使うべき者とを みずから
選ぶといいます。
サイード「つまりは 今こそが
そのカギが 使われるべき時。
サイード「そして 使うべき者は
砂漠の救い主 アルス おまえだ。
アイラ「ますます ミステリアスね。
いったい どんな扉を
開くカギなのかしら?
サイード「かつて王によって かたく
閉ざされた扉を 何百年ぶりかに
われわれが 開くんだ。
サイード「なんとも 胸 おどる話だ。
なあ アルス!
マリベル「この大きな像の どこかに
王家のカギで 開く扉がある。
さて それは どこでしょう?
アイラ「大地の精霊の像 なんだもの
精霊の手がかりも きっとあるわ。
そのカギで開く 扉のむこうに……。
ガボ「このでっかい像も 王家のカギも
ハディートが 作ったのか。
あいつ 準備いいよなあ。
ガボ「ところで アルス。
そのカギ どこで使えばいいんだ?
*「この像には
砂漠の民の生きる道が
示されて おる。
*「よく生きたもの
正しく生きたものが
死の床に つくとき……。
*「神の使いの鳥が
あらわれ
天の国へ みちびくだろう。
*「フム…… あんたがたを
みちびくものは この像の
どこかに あるだろう。
サイード「砂漠の民の 生きる教えは
赤子から 年よりまで
みんな 知っているんだ。
*「「よく じいさんから
聞かされたよ。
この像の話。
*「正しい魂は
天にめされた後
ふたたび よみがえる。
*「ヘビが 皮をぬぎすて
新しい姿になるように
生まれかわるのだ……ってね。
*「えっ? ほかのいいつたえは
知らないのかって?
*「うーん ちょっと わかんないや。
マリベル「……どっかで 聞いたような
話だわね。ふふん アルスは
忘れちゃったでしょうけど。
*「大地の精霊さまに
おまいりに きたんだけど
高いところが こわいのよ。
*「き きっと ここからでも
気持ちは 伝わるわよね。
ぶるぶるぶる。
学者「ぶつぶつ……ぐう。
ぶつぶつ……すぴー。
どうやら 眠っているようだ。
ガボ「なんだよ じっちゃん
寝ちゃってんのか?
カゼひくぞ もう……。
*「もうしわけございませんが
この先へ お通しすることは……。
*「「なんと! 王家のカギを!?
……そうですか わかりました。
*「この像を 再建した王より
伝えられし
扉の開かるる 時……。
*「天に定められし 時が
今 この時なんですね。
*「お通りなさい そうして
長い長いあいだ とざされた扉を
その 王家のカギで 開いてください。
*「さあ どうぞ!
サイード「アルス さあ 早く
王家のカギで 扉を開くんだ。
サイード「あの扉も そのカギも
おまえを 長い間 待っていた。
さあ 早く 扉を!
マリベル「いよいよ 扉が開くのね。
アルス もったいぶってないで
早くしてよ!
アイラ「本当に 王家のカギで
あの扉が 開くのかしら?
アイラ「扉が 開いたとして
その向こうには 何があるの?
アルス 早く 開けてみせて。
ガボ「扉が開いたとたんに いきなり
魔物が ワー! とかって
おそってきちゃったら どうする?
ガボ「へへっ まあ 何があっても
オイラに まかせとけば安心さ!
*「王家のカギは 精霊へのカギ。
いにしえより そう
伝えられております。
アルスは 王家のカギをつかった!
扉は 大きな音をたてて
ゆっくりと ひらいた!
サイード「この先 いったいどこに
続いているんだ?
マリベル「開いた……!
サイード「アルス あのタイルには
文字が きざまれているようだ。
近くにいって しらべてみよう。
ガボ「ホントだ 床に なんか
書いてあるぞ。
アルス 見に行ってみようぜ!
アルスは 足もとを しらべた!
そこには ふしぎな文字で
こう かいてあった……。
”その目は いかなる闇をも
明るく てらしだす。
サイード「あの文字 あの内容。
たぶん いにしえより伝わる
ものだろうな。
マリベル「ははーん わかったわ。
アルス あんたは?
よーく 考えてみなさい。
アイラ「きっと この言葉は
重要な 手がかりのはずだわ。
アルス おぼえておいてね。
ガボ「また なんか わかんねえ事
書いてあんなあ……。
オイラ 頭いたくなってきた。
アルスは 足もとを しらべた!
そこには ふしぎな文字で
こう かいてあった……。
”口は かたく閉ざされ
時のみが それを開く。
アルスは 足もとを しらべた!
そこには ふしぎな文字で
こう かいてあった……。
”耳は ふたごにわけた
心から うまれた。
アルスは 足もとを しらべた!
そこには ふしぎな文字で
こう かいてあった……。
”鼻は この世のだれよりも高く
だれよりも 低きに。
サイード「……どうも 気になるな。
よし ちょっと待ってくれ。
サイード「…………。
サイード「よし!
サイード「この先 タイルの文章を
もういちど 確かめたくなったら
いつでも おれに 聞いてくれ。
*「さあ 行こうか アルス。
サイード「あのタイルの文章を もう一度 たしかめたいのか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
サイード「わかった。 サイード「その目は いかなる闇をも サイード「口は かたく閉ざされ サイード「耳は ふたごにわけた サイード「鼻は この世の サイード「……と 書いてあった。 |
いいえ |
サイード「そうか。 |
マリベル「扉は 開いたのよ?
こんなとこで ウロウロするより
さっさと中に 入りましょうよ。
ガボ「アルス なんか 忘れ物か?
なあ 早く 扉の向こうに
行ってみようぜ!
ガボ「やっぱ 地下ってのは
ひやーっと すずしくていいな!
マリベル「なんか ブキミねえ……。
どこまで 続いてるのかしら?
マリベル「砂漠の下に 水ですって?
信じられないわ!
ガボ「やっぱ 入り口んとこみたいにさ
どっかに 文字で書いてあんのかな?
それとも絵が書いてあるのかな?
マリベル「見て! アルス!
この下 湖になってるわ。
もし 落ちたら…… ごくっ。
アイラ「気をつけて アルス。
この先 何が待っているか
わからないわよ。
アイラ「砂漠の下に 湖が?
それに あの建物は いったい……。
どうなってるの?
マリベル「さて 中に入ったはいいけど
精霊サマの顔が わかるものは
どこに あるのかしら?
※まだ中に入っていなくても喋る
マリベル「ちょっと アルス!?
まさか おじけづいたんじゃ
ないでしょうね?
マリベル「精霊の 顔の 手がかりは
大地の精霊の像の中よ。
早く 戻りましょうよ。
アイラ「大地の精霊像の 奥には
何が待っているか わからない。
たしかに 準備は必要ね。
ガボ「じいちゃん そろそろ
歌のつづき 思い出してねえかな?
マリベル「まあ あのおじいさんに
相談してみるのも 悪くないけど。
マリベル「男だったら ごちゃごちゃ
考えるより 行動するほうが
かっこいいと思うわ。
*「おお おまえたちか。
わたしのほうは サッパリだ。
まったく つづきがおもいだせん。
*「なんと 歌のつづきを
みつけたというのか!?
なになに……。
アルスたちは シャーマンに
大地の精霊の像でみつけた
なぞのことばを おしえた!
*「フム…… ざんねんじゃが
どうもそれは 精霊を呼ぶ歌では
ないようだな。
*「だが まったくのハズレでもない
砂漠にふく風が わしに
そう言っておる。……フウム。
*「そういえば むかし
大地の精霊の顔は なにかに
封印されたと 聞いたことがある。
*「大地の精霊の顔を 封じこめた
何か…… その何かを
しめしているのではないかな?
*「フウム。
もういちど 大地の精霊の像へ
行ってみたら どうだね?
*「おまえたちが みつけたのは
大地の精霊を 呼ぶ歌ではないようだな。
*「むかし 大地の精霊の顔は
なにかに封印されたと
聞いたことがある。
*「大地の精霊の顔を 封じこめた
何か…… その何かを
しめしているのではないかな?
*「フウム。
もういちど 大地の精霊の像へ
行ってみたら どうだね?
ひつぎの中に たいまつが
かざられている。
ひつぎの フタを 閉じますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
アルスは ひつぎのフタを 閉じた! 部屋の中が わずかに 暗くなった……。 |
いいえ |
(何も起こらない) |
ひつぎの フタは
かたく 閉ざされている。
ひつぎの フタを 開けますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
アルスは ひつぎのフタを 開けた! 部屋の中が すこし 明るくなった。 |
いいえ |
(何も起こらない) |
ひつぎの中に たいまつが
かざられている。
ひつぎの フタを 閉じますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
アルスは ひつぎのフタを 閉じた! 部屋の中は 完全な闇に つつまれた……。 |
いいえ |
(何も起こらない) |
足もとに 明るくかがやく
一対の 宝石がある……。
アルスは まなざしの宝石を
手に入れた!
マリベル「なんだか わかんないものが
手に入ったけど ホントに それ
役に立つのかしら?
ガボ「なあなあ アルス。
ホントに こんな所に
精霊の顔 あんのかなあ?
おそろしい姿の 魔物の顔が
壁をかざっている。
半月の かたちをした
うつくしい 宝石が ある。
アルスは ルージュの宝石を
手に入れた!
なんと ハート型の宝石を みつけた!
アルスは ハート型の宝石を
手にいれた!
キラキラとかがやく 三角形の
宝石が ある。
アルスは ノーズの宝石を
手にいれた!
*「おお おまえたちか フム。
……む!?
*「その手の宝石は! そうか!
……フム……フム!
*「どうやら 大地の精霊の像の
奥ふかくで見つけてきた
その宝石……。
*「この中に 大地の精霊の顔は
封じこめられているようだな。
*「だが顔のすべてが あつまらなくては
精霊を 呼ぶことはできん。
*「今は まだ たりないようだな。
なんとかして のこりの宝石も
見つけてくるのだ。
マリベル「あたしのカンでは
残りの宝石も あの地下にあるわね。
さあ 行くわよ アルス!
ガボ「オイラたちが 見つけた宝石が
大地の精霊の 顔だとすると
やっぱ 全身 ピカピカなのかな。
*「顔のすべてが あつまらなくては
精霊を 呼ぶことはできん。
*「今は まだ たりないようだな。
なんとかして のこりの宝石も
見つけてくるのだ。
ハートの かたちをした
うつくしい 宝石だ。
まんなかに ヒビが はいっていて
ふたつに 割れそうだ。
宝石を ふたつに 割りますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
アルスは ハート形の宝石を 宝石は 耳のかたちのように アルスは |
いいえ |
(何も起こらない) |
ガボ「しっかし どうやって
地面の下に こんなデッカイ建物
作ったんだろうなあ〜。
マリベル「今回も あたしのおかげで
バッチリだったわね。
さあ 急いで戻るわよ アルス!
アイラ「これで もし精霊が
よみがえらなかったら……。
ううん そんなこと ないわよね。
*「おお おまえたちか フム。
……む!?
*「なんと ついに大地の精霊の顔を
すべて 手にいれたのか!
フーム! でかしたぞ!
*「では それをわたしに かしなさい。
アルスは シャーマンに
地底ピラミッドでみつけた
宝石を わたした!
*「よしよし……フム。
さあ よーく見るといい!
*「砂漠に眠る 大地の精霊よ
いにしえより 伝えられし
なんじが姿 今ここにしめさん!
*「大地は 今 なんじが姿をなぞる。
なんじを むかえいれんため。
なんじの眠りを さますため。
*「精霊よ 大地を守り われらをみちびく
おおいなる大地の精霊よ。
わが声 とどくならば 今!
*「今 ここに めざめよ!
長い眠りより めざめ
われらのもとに 姿をあらわせ!
*「おお! なんと!
サイード「……こんなことが……。
大地の精霊「人間よ……わたしを
目ざめさせたのは おまえたちだな。
大地の精霊「ながい眠りから
わたしを呼びさます歌を歌い
わたしの顔をあつめた者よ……。
大地の精霊「おまえたちの
その知恵と勇気をみとめ
おまえたちのチカラとなろう。
大地の精霊「なにが のぞみだ?
わたしに なにをもとめる?
さあ 話してみるといい……。
アルスは これまでのことを
大地の精霊に 話した!
大地の精霊「そうか…… たしかに
われわれ精霊のチカラが
ひつようなようだ。
大地の精霊「そして 世界には
おまえたちのチカラも また
ひつような ようだな。
大地の精霊「わかった。
まずは この砂漠をうろつく
目ざわりなやつらを かたづけよう。
大地の精霊「これで いい……。
砂漠の民は もう苦しむことは
ないだろう。
大地の精霊「だが おまえたちも
知っているとおり まだこの大陸を
地上へもどすことは できない……。
大地の精霊「わたしの 仲間たち
すべてを目ざめさせ
チカラをあわせれば……。
大地の精霊「ふたたび 光あふれる
地上へ この砂漠は
もどれるだろう。
大地の精霊「それができるのは
アルス おまえたちだけなのだ。
大地の精霊「わたしは おまえたちが
ダーマ神殿と よぶ場所で
時を まつ……。
大地の精霊「おまえたちの ため
もしまた わたしのチカラが
ひつように なったなら……。
大地の精霊「これを つかって
わたしに 呼びかけると いい。
アルスは 大地のアミュレットを
うけとった!
大地の精霊「さあ ゆくがよい。
わたしは この砂漠から
すべてを見守って いる。
大地の精霊「砂漠は もう心配ない。
さあ ゆけ……!
*「…………。
*「…………魔物たちの気配は
たしかに 消えてしまった。
サイード「……大地の 精霊……。
この目で 見ることができるとはな。
……まったく!
サイード「おまえたちに ついてきた
かいがあったというものだ!
アルス! かんしゃするぞ!
*「……精霊のチカラで 砂漠には
もう 魔物はいない。
*「いや おまえたちのチカラ と
言うべきかな。……フム。
*「わたしの役目は おわったようだな。
さて 村へかえるとするか。
……ム!
*「イテテテテ! コシが!
コシがいたくて うごけん!
サイード「しかたない。
おれが 送っていこう。
サイード「じゃあ おれたちは
先に村へ帰っている。
サイード「きっと 女王さまが
アルスを待っているんじゃないか?
お城へ 知らせに行ったらどうだ?
サイード「じゃあな。
ガボ「大地の精霊って でっけえなあ。
ホントに ナイラのとこの像と
同じくらい あったんじゃねえか?
ガボ「うひーっ びっくりしたぁ!
でも 精霊 起きたな!
よおーっし!!
アイラ「精霊のチカラでも やはり
この大陸は 戻せない……。
とすると 封印したのは まさか?
アイラ「ううん なんでもないわ。
早く女王さまに このことを
知らせに 行きましょう。
マリベル「やったわ アルス!
これで 大地の精霊も
目覚めたわ!
マリベル「砂漠は もう平気だって
女王さまに 教えてあげましょ。
マリベル「何てことない ただの砂漠に
見えるのに ここに大地の精霊が
よみがえったのよね。
アイラ「精霊のチカラで 砂漠は
ひとまず安心みたいだけど
のんびりしては いられないわ。
アイラ「早く すべての精霊を
目ざめさせ もとの世界へと
大陸を もどさなくっちゃ。
ガボ「シャーマンのじっちゃん
やっぱ すげえヤツだったな!
オイラ びっくりしたよ。
マリベル「これで またひとつ
世紀の美少女 マリベルさまの
伝説が ふえたわね。
マリベル「あたしと いっしょに
旅ができるなんて 光栄に
思いなさいよね。
アイラ「砂漠は もうだいじょうぶね。
なごりは おしいけど
次の精霊を 探しにゆかないと。
ガボ「魔物のヤツの いやーなニオイ
あんまり しなくなったぞ。
大地の精霊の おかげかな?
マリベル「お城の フンイキも
ぐっと 明るくなったんじゃない?
ふふふっ やったわね!
アイラ「やっぱり 活気があるのは
いいものね アルス。
あなたの おかげだわ。
ガボ「みんな 前より ずーっと
元気になったみてえだな。
よかったなあ アルス。
*「さっき 大きな地ひびきが
したと思ったら すごく大きな
人かげが 見えて……。
*「そのあとすぐ どこからか
不思議な声が 聞こえてきて
大地の精霊さまと 名のられたんです。
マリベル「大地の精霊の声って
みんなにも 聞こえたの!?
……なんとなく シャクだわね。
ガボ「やっぱ あんだけでっけえと
お城からでも 見えるよなあ。
すごかったもんなー。
*「おお! これは救い主さま!
わたしたちも 大地の精霊さまの
お言葉を 聞きました!
*「みなさんは ほかの精霊さまも
目ざめさせるため 旅立たれるのですね。
*「どうぞ お気をつけて!
*「みゃー みゃー。
*「なあ あんた知ってるか!?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「そうか あんたも知ってるか。 |
いいえ |
*「聞いて おどろくなよ! *「そりゃあ でっかい体で *「いやあ すごかったなあ……。 |
*「大地の精霊さまの お話では
ほかにも 闇におとされた
国々が あるとか。
*「いったいどこに そんな
おそろしいチカラをもった魔物が
かくれて いたのでしょうか?
*「精霊さまは この暗い空も
もうしばらくの しんぼうだと
言ってくださいました。
*「とはいえ まだまだ気はぬけません。
がんばって 見はりをしなくちゃ!
*「大地の精霊を 目ざめさせたのは
いにしえより伝わる 歌だったと
聞きました。
*「歌や詩には ひとびとをなぐさめ
たのしませるだけでなく
そんなチカラもあったのですね。
*「また だいちのせいれいさまが
でてきても ここからなら
すぐにみえるでしょ?
*「だから ぼく ここにいるんだ!
*「ふにゃーん。
*「闇の空も ながいくるしみも
いつか終わるとおもえば
つらくは ありません。
*「大地の精霊さまの おことばで
心にあかりが ともったようですわ。
アイラ「希望があれば どんな悲しみも
のりこえて いけるのね。
がんばってほしいわね。
*「ずっと 外に出るのがこわくて
おそうじを していなかったんです。
*「でも 精霊さまが われらにも
語りかけてくださったおかげで
勇気が わいてきました。
*「ありゃりゃ ホントに
砂漠には 魔物のすがたがないぞ!
*「これなら もうじき旅立てるな。
うん!
*「ぐー。すぴー。
*「はてはて。
おかしなところで眠る人じゃのう。
*「魔物にこわされた 地下の神殿を
いま みなで直しています。
*「はやく 元どおりになると
いいのですが。
*「ニャー。
*「よっ! あんたたち!
大地の精霊を 呼んじゃうなんて
さすがだよなあ。
*「しかし 精霊さま
どこに行っちまったんだか。
ひさびさに起きたんで さんぽかね?
*「砂漠の他にも 闇の中で
苦しんでいる人たちがいる……。
*「大地の精霊さま その人たちも
助けて あげられないのかしら。
*「やっぱり いざって時は
神さまより 精霊さまだよ!
*「こんどのことで はっきりしたぜ。
*「ねこさんも せいれいさまと
おはなし したかなあ?
*「にゃーん。
*「精霊さまの お話じゃ
じきに ぜんぶよくなるらしいが
ここで 気をぬいちゃ いけねえ!
*「気をひきしめて ちょっくら
武器でも 買ってかないかい?
(武器屋)
*「精霊さまが 砂漠にあらわれた
今日のその日を いつまでも
忘れないように……。
*「なにか きねんになるような道具を
お買いもとめになっては
いかがで ございましょう。
*「さて……。
(どうぐ屋)
*「ようやく この方も
目をさましたんです。
これも精霊さまの おかげかしら。
*「ぼくを おそった魔物たちは
まだ 城の地下にひそんで……。
*「えっ!? あなたがたが
地下の魔物を やっつけた!?
ありがとうございます!
*「ぐおー ぐおー。
*「これはこれは 救い主さま!
このたびは われら砂漠の民のため
ありがとうございました。
*「ウワサによると みなさまは
大地の精霊と じかにお話されたとか。
くわしく 教えていただけませんか?
アルスは 学者に
大地の精霊のことを 話した!
*「……なるほど。ふうむ。
いや ありがとうございます!
まったく古文書のとおりとは!
*「われわれも 後の世のため
みなさまから聞いた話を
伝えていこうと思います。
マリベル「あたしの 美しさも
後の世に ちゃんと伝えてほしいわ。
*「大地の精霊について
みなさまから聞いたお話
いやあ 勉強になりました!
*「地面に 深い穴をほり
水をためておくと そこには
昼間でも 星がうつるといいます。
*「なんとも不思議なものです。
*「大地の精霊の顔は
宝石に 封印されていた……。
*「われわれの 遠い祖先は
いったい どのような方法で
封印をしたのでしょうか。
*「これはこれは 救い主さま!
おつかれさまです。
*「女王さまに
ぜひお会いになってください!
*「地下にいたというのに みな
大地の精霊さまの お姿を
見たのです。
*「まったく 不思議な……。
精霊さまの おチカラなのでしょうか。
ガボ「城ん中に いても
大地の精霊が 見えたのか!?
おっどろいたなー。
*「フニャアア。
*「精霊さまの おことばを
聞くことができるなんて
なんと 光栄なことでしょう!
*「精霊さまは いつでも
われわれ砂漠の民と ともに
いらっしゃるのですね。
*「ようやく 地下の修理をはじめたので
人手が たりなくって。
ああ いそがしい いそがしい。
*「われらの心に 大地の精霊さまは
語りかけてくださった。
*「だから どこにいようと
そのお姿は見えたし
そのお声を聞くことができたのです。
*「まあ 救い主さま。
ご無事で なによりですわ。
*「ゴロゴロゴロ……。
女王「救い主さま!
よくぞご無事に もどられました。
女王「みなさまが みごと
大地の精霊を目ざめさせたこと
わたくしも ぞんじております。
女王「そうして この砂漠から
ふたたび魔物を
おいはらってくださったことも。
女王「われら砂漠の民 心より
みなさまに感謝しております。
ありがとうございます。
女王「けれど……。
女王「大地の精霊の チカラにより
魔物たちは いなくなった。
それでも 砂漠は闇の中です。
女王「精霊のチカラをもってしても
うちかてないほどの
強い 魔のチカラ……。
女王「みなさまは そのチカラに
これから立ち向かおうと
なさっているのですね。
女王「……わたくしには みなさまの
無事を祈ることしか できませんが
どうか くれぐれも お気をつけて。
女王「この砂漠の城も 砂漠の村も
みなさまのお帰りを
まっております。
女王「どうぞ ご無事で……。
もういちど 元気なお姿を
わたくしに 見せてくださいませ。
アイラ「みんな わたしたちを
頼りにしてくれてるのね。
さあ もうひとがんばりよ!
ガボ「ほかの精霊も 起こしてさあ
また砂漠にきたら もっぺん
ごちそう 食べさせてくれっかな?
マリベル「アルス 行きましょう。
精霊 ぜんぶ たたき起こすのよ!
マリベル「そして フィッシュベルも
砂漠も 早く元の世界に 戻すの。
モタモタしてる ヒマはないわよ!
*「墓にねむる われらの仲間たちにも
精霊さまのお姿を 見せてあげたかったと
思うのです。
*「ここは 砂漠の民の墓所。
どうぞ おしずかに。
*「墓は しばらくは増えないだろう。
おまえたちの おかげだ。
*「いにしえの女王 フェデルさま
大地の精霊さま これからも
われらを お守りください……。
*「あー オホン! この下は神殿です。
神殿の出入りは 自由です。
*「だから 誰を通してもいいんです。
どうぞどうぞ。
どうぞったら どうぞ!
ガボ「何度見ても ひでえよなあ。
魔物のやつ もっと
ぶんなぐっときゃ よかったよ。
アイラ「時間は かかるでしょうけど
いつか 悲しい思い出も
消えるといいわね。
マリベル「この神殿も 早く
元通りになるといいわね。
*「ここは 砂漠の民の神殿。
*「今 魔物たちに 荒らされたあとを
みなで 元どおりにしている
ところですわ。
*「大地の精霊さまが あらわれて
われわれも なげいてばかりは
いられぬと 修理をはじめたのです。
*「じつを言うと この場所にくると
つらいんです。
*「死んだ 仲間たちのことばかり
思いだしてしまって……。
*「神の像は こわされた。
それでも わたくしたちは
いのりつづけます。
*「砂漠と 世界の平和を。
みなさまがたの 旅の無事を。
*「ざんねんながら 宝物庫は
魔物たちに あらされて
あとかたもありません。
*「中をごらんになるなら
どうぞ お入りください。
*「宝物庫の宝は すべて
魔物たちに
持ちさられてしまったようです。
*「仲間の何人かが この場所で
いのちを おとしました。
床の血は その時のもの。
*「救い主さまは 神殿の魔物を
倒して下さった そうですね。
*「死んだ者たちのぶんも
お礼を言わせていただきます。
アイラ「砂漠は もう心配ないわ。
アルス 次の精霊を
探しに ゆきましょう。
ガボ「村のみんな ニコニコしてる!
えへへっ オイラもうれしいよ。
マリベル「あたしの かつやくで
こうして いくつの村が
救われたことかしら……。
マリベル「われながら うっとり
しちゃうわね。
*「ここは 砂漠の民の村だ!
*「大地の精霊さまの おひざもと
砂漠の村だよ!
*「みゃう! みゃう! みゃうっ!
*「このトシで 大地の精霊さまに
お目にかかれるとは。
まったく 思いもよらなんだ。
*「精霊さまは やはり いつでも
砂漠の民とともにおられる。
ありがたや ありがたや。
*「わーい わーい!
おそとだ おそとだ!
わーい!
*「ミー ミー。
*「いらっしゃい いらっしゃい。
大地の精霊さま お目ざめ
おめでとうセールだよ!
*「ただいま お買い上げの方には
わたしの笑顔が ついてくる!
さあ いらっしゃい!
(どうぐ屋)
*「砂漠から 魔物が
いなくなっちまったんだってな。
*「でも あいかわらず 外はまっくらのまんまだ。
はやくお日さまが おがみたいねえ。
*「台所で酒のビン にぎりしめたまま
ねむってたみたいで……。
*「大地の精霊が あらわれたって
みんな言うけど どこにも
いないじゃないか!?
マリベル「……ったく しょーがない
オッサンだわね。
*「この子たちったら わたしが
眠ってるあいだずっと
魔物の番を してくれてたんです。
*「うふふ 今は つかれて
ぐっすり 眠ってますわ。
*「すや……すや……。
*「ぐう……。
*「みゃう! みゃう! みゃうっ!
*「あとは この暗い空さえ
なんとかなればいいのにねえ。
*「ぜいたく言っちゃ いけませんよ。
まだまだ ひどい目にあってる人が
たくさん いるそうじゃないの。
*「大地の精霊さまは ほかの国も
助けようと どこだかの神殿に
お出かけなすったそうじゃないの。
*「まあねえ。砂漠だけの精霊さまじゃ
ないんだもんねえ。
*「はやく 明るい空が見たいわ。
*「他の国も 精霊さまが近くにいて
助けてくれるといいんだけどねえ。
そう うまくはいかないかしら。
*「大地の精霊さまが 魔物を
おいはらってくれたんです。
ありがたや ありがたや。
*「こんな おいぼれにも
精霊さま お声をかけてくださって。
もったいないことですよ。
*「大地の精霊? さあ。
みんな 夢でも見たんじゃないの?
*「精霊さまの お姿を見たら
なんだか 元気がわいてきたよ!
*「さあ! ウマい料理作るよ〜♪
あんたたちも 食べてくかい?
*「……えっ? 他の精霊さまも
いそいで目ざめさせなきゃ
いけないから 時間がない?
*「そうかい。ざんねんだねえ。
いつでも かんげいするから
ヒマになったら おいでよ!
ガボ「アルス ぜったいだぞ!
ぜったい またここに来て
ごちそう 食べような!
*「精霊さまを みんな目ざめさせて
砂漠も ほかの国もみーんな
平和になって……。
*「そしたら 遊びにおいで!
ウマい料理 た〜くさん
作ってまってるからね!
*「ゼエ……ゼエ……。
いえ 病気じゃないんです。
ちょっと つかれちゃって。
*「精霊さまが あらわれたんで
おどろいて走りまわってたら
息がきれて ……ゼエ。
*「ごろにゃーん。
*「大地の精霊は 目ざめた……。
おまえたちには 感謝する。
……さて。
(教会)
*「フム……大地の精霊は
ダーマで 時をまつ……フム。
*「わたしも ここで
もういちど つりができる時を
ゆっくり 待つとしよう……フム。
マリベル「なんにも つれないのに
砂に向かって つりだなんて
どこが おもしろいのかしら?
ガボ「シャーマンのじっちゃんも
あいかわらず 元気そうだな。
えへへっ。
*「おお!砂漠の救い主さま!
精霊さまを 目ざめさせたのは
みなさまと聞いておりますぞ。
*「みなさまは 砂漠の英雄!
砂漠の光! 砂漠の星!
*「そんな みなさまを
お泊めできるとは
まったく こうえいでございます。
*「とはいえ こちらも
商売ですから……。
(宿屋)
*「にゃー にゃー。
*「せいれいさまが オレに
いえのてつだいもさせろって
いってたって かあちゃん いうんだ。
*「オレ そんなのきいてないよ。
*「にー にー。
*「にゃあ にゃあ。
*「これはこれは 救い主さま!
このたびは おつかれさまです。
*「族長さまなら 中におられます。
どうぞ お入りくださいませ。
*「あら……まあまあ そんなことが
あったのねえ……。
*「きゃっ!
*「あ あら お客さま?
いらっしゃいませ!
*「こんにちは 救い主さま。
わたしたちも 大地の精霊さまを
見たんですよ!
*「目をとじてても はっきりお姿が
見えるんです。
さすが精霊さまは すごいや!
*「こりゃあ 次の族長は
サイードさまに 決まったな。
*「救い主さまも そう思いますよね。
*「待っててね ネコちゃん。
いま ごはんあげるから。
*「にー にー。
サイード「おや もう着いたのか
アルス。
サイード「今ちょうど 父上たちに
これまでの話を していたところだ。
サイード「大地の精霊の話によると
まだまだ おまえたちの旅は
つづくようだな。
サイード「おれも ついていきたいが
父上が 話を聞きたがって
家を出してくれそうにないんだ。
ガボ「また あいつといっしょに
いろんな所 行ってみてえな。
アイラ「これで サイードとも
お別れね。
アルス さみしいんじゃない?
マリベル「サイードも 思ってたよりは
ずっと 役にたったわね。
ほーんの ちょっとだけ ね。
*「あっ! 救い主さま!
今 みんなで これまでの話を
父上に 話してたとこなんですよ。
*「救い主さまからも
いちばん がんばったのは
おれだって 言ってください!
マリベル「……調子 いいんだから。
*「サイードと 救い主さまの
手だすけをしようと言い出したのは
じつを言うと おれなんですよ!
*「そこんとこ 父上によろしく!
アイラ「…………やれやれ。
*「救い主さまは 知ってますよね。
いちばん弟のために はたらいたのは
この おれだって。
*「ねっ!?
ガボ「あっはっは! にいちゃんたち
元気そうだなあ。
族長「おお! これは救い主さま!
サイードより みなさまのごかつやく
しっかと 聞きましたぞ!
族長「大地の精霊さまが 目ざめたのは
みなさまの おチカラによるもの。
まこと 感謝いたします!
族長「して 精霊さまは みなさまに
なんとおっしゃったのですかな?
アルスは 族長に
大地の精霊のことを 話した!
族長「ふーむ。われわれが聞いたのと
あまり かわりませんなあ。
……いやいや 何でもありません!
族長「精霊さまの お話では
この苦しみも 長くはつづかぬとか。
村のみなも よろこんでおります。
族長「しかし 大地の精霊さまでも
おひとりでは どうにもならない
悪しきチカラとは いったい……。
族長「もし 精霊さまがそろっても
そのチカラに 勝てなかった時は
……いや そんなことはあるまい!
族長「いやはや どうも 悪いことばかり
考えてしまいまして。
もうしわけございません。
族長「救い主さま どうぞお気をつけて!
アイラ「大地の精霊は 目ざめたけど
ここで 気をゆるめてはダメ。
アルス しっかりね。
ガボ「族長の じっちゃんは
心配ばっか してんなあ。
なんとかなるって なあ。
マリベル「どんな相手だろうと
あたしたちに かかれば
ひとたまりもないわ。
マリベル「ねっ アルス!
族長「大地の精霊さまが 目ざめたのは
みなさまの おチカラによるもの。
まこと 感謝いたします!
族長「しかし 大地の精霊さまでも
おひとりでは どうにもならない
悪しきチカラをもつ者が いるとは。
族長「神も いまだ
お答えにはならぬようですし。
世界は どうなってしまうのか。
族長「いやはや どうも 悪いことばかり
考えてしまいまして。
もうしわけございません。
族長「救い主さま どうぞお気をつけて!
*「大地の精霊さまの ほかにも
精霊さまが いるそうですね。
*「でも 大地の精霊さまが
いちばん えらいと思うんです。
ねっ 救い主さま!
*「まあまあ 救い主さま!
うちの サイードが どうも
おせわになりまして。
*「精霊さまの おかげか
わたくし すっかり気分が
よくなりましたの。
*「大地の精霊さまの おチカラでも
空は もとへはもどせないのね。
*「えっ!? 大地の精霊さまだけじゃ
なくて ほかの精霊さまも
目ざめさせなくちゃいけないの?
*「そうだったの。
これから先の旅も 気をつけてね。
マリベル「この大地の精霊像とは
あんまり 似てなかったわね。
たしかに 大きかったけどさ。
ガボ「今度 出てくるときはさあ
この像の かっこして
出てきてくんねえかな?
アイラ「今度のことで 砂漠の人たち
これまでよりも ずっとずっと
精霊を たのもしく思うでしょうね。
*「旅の方!
この大地の精霊の像の
精霊さまが あらわれたんですよ!
*「いやあ すごいもの見たなあっ。
*「いやーっ でっかいねえ!
*「この間 あらわれた
ホンモノの精霊さまも
大きかったけど この像もデカい!
*「ここは 大地の精霊の像。
砂漠の民は いつでも
大地の精霊とともにあります。
*「大地の精霊の像へ ようこそ。
*「大地の精霊の ご加護のもとにある
この像には いかなる魔物も
手出しはできません。
*「どうぞ ご安心ください。
*「ここは 大いなる
大地の精霊の 体の中。
*「精霊を おまつりしている国は
ほかにもありますが
精霊の像に入れるのは ここだけです。
*「大地の精霊さま ずーっと
この像に いてくれればいいのに。
すぐ いなくなっちゃって。
*「精霊さまが いってた
ダーマの神殿って
どこにあるんだろ?
*「この像には
砂漠の民の 正しい生き方が
示されておりますじゃ。
*「砂漠に 生きる者
身をきたえ 心をきたえ
長く長く 生きよ。
*「この教え 長く長く
つたえてゆきますぞ!
*「大地の精霊さまが あらわれた時
この像の中 昼間みたいに
明るく かがやいたのよ!
*「この像には
砂漠の民の 正しい生き方が 示されております。
*「砂漠に 生まれし者
まずは強くあれ。
身も心も 強くあれ。
*「砂漠の民は このように
先祖から たくさんのことを
語りついでいるのですよ。
*「………………。
男は考えごとをしているようだ。
*「精霊に 感謝しているだけです。
*「けして 神をうらぎって
精霊に祈りをささげているのでは
ありませんよ!
*「大地の精霊さま どうぞ
砂漠を お守りください。
*「いっこくも早く 砂漠が
明るい世界へ もどれますよう
どうぞ おねがいします。
*「大地の精霊さま わたしたち
信じて 待っています。
*「何もかも 元通りになり
精霊さまが ふたたび砂漠へ
おもどりになることを。
*「階段をのぼれば
大地の精霊さまのお顔まで
行くことが できますわ。
*「王家のカギは 時がくれば
ひつようとするものの手に
みずから あらわれる。
*「それまでは みなさまが
お持ちくださいませ。
ガボ「王家のカギって フシギだなあ。
ほんとに 時ってのが来たら
別のやつんとこ いくのかな?
マリベル「ハディートのやつに
今回は 助けられたわね。
*「気のせいかなあ。
精霊さまが あらわれてから
像が すこしりっぱになったような。
*「こうして のぼってみると
かわってないんだけど
やっぱり 気のせいかなあ。
学者「おまえら 見たか!?
なに? 何を見たかじゃと!?
学者「バッカモン! きまっておる!
大地の精霊じゃ!
学者「忘れんように 精霊の姿を
絵にかいておいたんじゃが
どうじゃ 見たいか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
学者「よし! では見せてやろう! アルスは 学者に …………。 とてつもなく ヘタクソな絵で 学者「うむ! 学問の道がなければ |
いいえ |
学者「……なんじゃ おまえら |
学者「ほう おまえら
またわしの絵が 見たいんじゃな!
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
学者「よし! では見せてやろう! アルスは 学者に …………。 とてつもなく ヘタクソな絵で 学者「うむ! 学問の道がなければ |
いいえ |
学者「……なんじゃ おまえら |
マリベル「魔物が 出ても
砂漠が 封印されても
ちっとも 変わらなかったわね。
マリベル「ほんっと 元気な
おじいさんだこと!
アイラ「人には 向き 不向きが
あると 思うんだけど……。
ガボ「オイラも 大地の精霊とか
炎の精霊の絵 忘れないうちに
かいてみよっかな。
アイラ「人には 向き 不向きが
あると 思うんだけど……。
*「大地の精霊さま この像とは
あんまり似てなかったわね。
*「精霊さま 精霊さま
どうぞ おねがいします。
*「空が はやく 元のように
明るくなりますように。
精霊さま おねがいします。
*「精霊さま 精霊さま
もう一声 おねがいします。
*「砂漠が すっかり元にもどって
ついでに あっしが金持ちに
なれますように……。
パミラ「おお あんたたちか。
精霊のほうは どうだい?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
パミラ「むふ すでに 大地の精霊を パミラ「あとは 風の精霊と |
いいえ |
パミラ「なんだい まだ ひとりも |
パミラ「時間が ないんだ。
わしの うらないによれば いま
世界は大変なことに なっておる。
パミラ「それを 救えるのは
あんたたち だけなんだよ。
がんばって おくれ!
シャーク「おう アルスどの!
大地の精霊を 呼び覚ましたようだな。
シャーク「あとは 風の精霊を
復活させられれば 水の精霊のもとへ
向かえるはずだ。
シャーク「水の精霊の源とは おそらく
エスタード島にある
七色の入り江。
シャーク「風の精霊を 復活させたなら
この船に もどってきてくれ。
シャーク「そのときになれば 必ずや
水竜の剣が この船を 入り江へ
みちびいてくれるであろう。
マリベル「それにしても
あの七色の入り江に 水の精霊が
眠ってるなんてねえ……。
マリベル「そんなこと あたし
思いも よらなかったわ。
アイラ「四精霊が 復活する時
全ては 明らかになる……
そんな予感がするわ。
ガボ「よーし アルス。
早く □□の精霊を 復活させて
水の精霊のとこへ 行こうぜ。
※□□はミスか
前(海賊船) | トップ | 次(風の精霊) |