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アイラ「ふう……。あれ? ここは
いつもの 神殿じゃないの。
アイラ「まったく 族長さまったら
人の気も しらないで
強引なんだから……。
アイラ「それに あんな チカラが
あったなんて ぜんぜん
知らなかったわ。
ガボ「族長のじいちゃん もしかして
神さまと 会ったりしたから
チカラが ついたんじゃないのか?
アイラ「そうかしら?
まあ いいわ。アルス
きっと ご両親が 待ってるわよ。
アイラ「さあ フィッシュベルへ
もどりましょう。
ヨハン「ん? あれ? ここは……
ヨハン「おいおい! なんで オイラまで
こんなところに 飛ばされるんだ!?
ヨハン「ったく しょうがねえな
あの じっちゃんも。
ヨハン「早く マーディラスに
もどって 女の子たちに じまん
しようと 思ったのにさ。
ヨハン「なんたって オイラの曲で
神さまが 復活したんだからな。
へっへっへ。
ヨハン「さてと…… オイラも
家に 帰るとするか。
ヨハン「あんたら けっこう
イカシてるよ。いっしょに 旅して
面白かったぜ。んじゃ あばよっ!
メルビン「………… ヨハンどの。
どうやって マーディラスまで
帰るつもりでござろう?
アイラ「ま いいんじゃない?
もう 魔物がでるわけでもないし。
さあ 行きましょ。
ガボ「神さまって やっぱり
すごかったよなあ。
オイラ 少し チビっちまったよ。
メルビン「とりあえず アルスどのの
ご両親や バーンズ王に 神が
復活されたことを 報告しなくては。
メルビン「まあ 報告といっても
みな すでに 神の再臨を
感じていることでござろうがな。
アイラ「神の復活という
ユバールの使命が 果たせたのも
すべて アルスのおかげだわ。
アイラ「アルス 今まで 本当に
ありがとう。
アイラ「アルス 今日は
ぐっすりと 眠れそうね うふふ。
メルビン「今日は 酒でも飲んで
ゆっくりと したいでござるよ。
メルビン「わしの役目も これで
終わったので ござろうか……
いや これからで ござるな!
アイラ「魔王はほろび 神は復活……。
わたしたちの 戦いも
これで ほんとうに 終わったのね。
ガボ「はやいとこ どっかで
なんか 食おうぜ アルス!
ガボ「ふわー やっと
終わったなー アルス。
*「ニャオ〜ン。
*「キキッ キッ!
*「うお〜ん うお〜ん。
*「わんわんわんっ!
ガボ「おおー みんな
よろこんでるぞ!
*「おっ お前さんたち!
聞いたぞ 聞いたぞ
森の動物たちから!
*「神さまを この世に
復活させたのは どうやら
お前さんたち らしいじゃないか。
*「いやあ そんな すごい連中と
知り合いだなんて オラも
ハナが高いよ わははは。
アイラ「ねえアルス 考えてみたら
わたしたちって ほんとに
すごいことを してきたのよね……。
ガボ「オイラは また ここに
いさせて もらおうかなあ……。
*「あっ お帰りなさい アルス!
すごいわよ 聞いて聞いてっ。
*「なんと ついに 神さまが
この世に おでましになったのっ。
わたし 信じられないわ!
アイラ「神さまが 復活なされて
この世界の平和は 約束されたも
同然ですもの。
メルビン「神は あくまで わしらを
みちびいて くださるものでござる。
メルビン「わしら自身の 努力も
おこたっては ならぬでござるよ。
ガボ「神さまって そんなに
ありがたいもん だったのかー。
オイラ 知らなかったぞ。
*「ほんとうに 神が この世に
おわすとはのう……。
*「このトシまで 生きていて
こんなに おどろいたことは
ないわい。
*「神さまが あらわれたってことは
これからも ずっと 平和が
つづくってことでしょう?
*「だったら 神さま 大カンゲイ!
もし なにかあっても 神さまが
なんとか してくれるわけだし。
*「なんで いまごろ 神さまが
出てきたり するんだろうねえ?
*「べつに 神さまが いなくても
この国は 平和だったじゃないか。
マーレ「おお お帰り アルス。
無事で なによりだよ。
マーレ「神様を よみがえらすなんて
アルスも りっぱになったもんね。
マーレ「さあ 今日は お祝いだよ!
村をあげての 盛大なお祝いになるよ。
楽しみに しておいで!
アイラ「わたしも お手伝い
したほうが いいかしらね。
メルビン「マーレどのの料理は
絶品というで ござるからな。
楽しみが 増えたでござるよ。
ガボ「アルスの母ちゃんの料理か。
オイラ 今すぐに 食べたいぞ!
マーレ「村の女が ウデによりをかけて
料理を こさえるからね。
もちろん 母さんもさ。
ボルカノ「よお アルス。
よく 帰ってきたな はっはっは。
ボルカノ「神さんの復活 しっかと
この目で 見せてもらったぜ!
ボルカノ「なーんてな とおくのほうで
光の玉みたいのが 見えただけ
なんだがな。
ボルカノ「だが あれが 神さん
だってのは あまり信心ぶかくねえ
オレでも すぐに わかったぜ。
ボルカノ「ま 神さんが いたって
オレらのやることにゃ ぜんぜん
カンケーないがな わっはっは!
ガボ「アルスの父ちゃんは
あいかわらず 元気だなあ。
オラも 負けねえぞ!
アイラ「神さまの復活は もう
世界中の人たちに 知られて
いるんでしょうね。
メルビン「神がいるからと いって
みなの生活が 変わることは
ないでござるからな。
*「ああ…… 神さまが
ほんとうに この世に
おすがたを お見せになるなんて!
神父「神は おられた。
神は つねに われわれのことを
見守っていて くださったのだ。
神父「さあ アルスも
神に いのりを ささげなさい……。
(教会)
*「ねえねえ おにいちゃんたち
神さま 見た?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「えー いいなあ。 |
いいえ |
*「そうなの? ボクも よく |
*「こんな めでたい日に
店なんて やってられないよ!
*「なんたって 神さまが ホントに
いたってんだから おどろきだよ。
*「やあ アルス 聞いたかい?
今日は 神の復活を祝って
うたげが ひらかれるってさ。
*「へへへ 楽しみだなあ。
よーし いっぱい食べて
いっぱい 飲むぞー!
メルビン「ほほう うたげとは
楽しみでござるな アルスどの。
ガボ「うたげだって!
やったな アルス
ハラいっぱい 食えっぞ!!
*「とつぜん 心の中に 声が
ひびいたんだよ。
われは 神……ってね。
*「村のみんなも 聞こえたって
いってたから オレの頭が
おかしくなったわけじゃないよな。
*「こいつも だいぶ
くたびれているみたいだ。
*「いち度 こまかいとこまで
そうじして やらないとダメだな。
*「神が 見ていてくださるのなら
これからの漁も 安心だぜ。
*「嵐に おそわれたって 神が
たすけてくれるだろうさ。
マリベル「アルス やったじゃない!
魔王を やっつけたうえに
神さままで 呼び出しちゃうなんて。
マリベル「正直な話 アルスが
ここまで がんばれるなんて
思ってなかったんだ。
マリベル「ちょっとだけ 見直したげる。
ちょっとだけね うふふ。
マリベル「でも 残念だわ。
あたしも いっしょに行って
神さま 見てくれば 良かったな。
マリベル「パパが たおれたり
しなければなあ……。
ガボ「オイラは マリベルと
いっしょじゃなくて……
なんでもないぞ。
メルビン「マリベルどのの分も
わしが がんばったでござるからな!
わっはっは。
アイラ「お父さまが ご病気
だったんですもの。
しかたないわよね マリベル。
*「今日のうたげは わが家が
全面的に 協力するから
盛大なものに なるわよ。
*「もちろん アルスのお仲間さんも
参加してもらいますからね。
楽しみにしておいてね。
アミット「神の復活によって
これからの漁は より安全に
おこなわれるだろう。
アミット「そうなれば この村も
この国も もっと ゆたかになる。
よろこばしいことだ。
アミット「アルスたちも 今日は
ぞんぶんに うたげを 楽しむが
よいぞ。
メルビン「うむうむ わしの魚は
大好きで ござるから
よろこばしいで ござるよ。
ガボ「うったげ うったげ!
アイラ「ひさしぶりに わたしも
おどって みようかしら うふふ。
*「お祝いのために キアイいれて
料理を しているんですだよ。
*「村の人たち 全員分の料理を
つくるのは たいへんですだ。
*「フニィ〜……。
*「ここの お酒を もってかないと
きっと たりないよなあ……。
*「うわ 急に 話しかけるなよ。
あぶないじゃねえか。
*「イモの皮むきなんて オレ
なれてねえんだからよう。
コック長「村の家の 台所だけじゃ
おいつかないからなあ。
ここも 使わなきゃならん。
コック長「それよりも アルス
ボルカノどのと マーレどのには
帰って来たことを つげたのか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
コック長「そうか ならばいい。 コック長「おい! 料理を外へ はこぶぞ。 *「あいよ! コック長「さあ アルスたちも外へ。 |
いいえ |
コック長「それは いかんな。 コック長「まずは ふたりに お前のカオを |
メルビン「さあ アルスどの
わしたちも 外へ!
アイラ「わたしたち 手伝わなくて
よかったのかしら……。
ガボ「じゅるるる……。
祭りが始まった後
アイラ「……。
あっ 歩きながら 食べるのって
はしたないかな?
ガボ「うっひょー なに食おうかな。
メルビン「こういった うたげは
何度やっても いいものでござるな。
アイラ「いいわね こういう
雰囲気って……。
ガボ「もぐもぐ……。
メルビン「むむっ この酒
なかなか いけるでござる!
*「うえ〜 えろえろえろ……。
*「気にしないでくれ。
海の魚に エサをやってるだけだ。
うっぷっ!
メルビン「うっぷ……。
ガボ「ああ もったいねえなあ。
アイラ「う……。
*「あれだけ つくった料理が
もう なくなっちまいそうですだ。
*「こりゃ もっと キアイいれて
つくらねえと なんねえですだよ。
*「よお アルス
こんなとこを うろうろしてると
食い物 なくなっちゃうぞ。
*「オレ? オレは もう
死ぬほど 食ったんでな。
ここで ひと休みさ。
*「神の復活と アルスたちの
カツヤクを 祝って……
*「カンパーイ!
ぐびぐびぐび……。
*「カーッ!
ひるまっから 酒が飲めるなんて
神にカンシャしちゃうな オレ。
*「ああ〜 いい気分だなー。
こんなに おだやかな気分に
なったのは ひさしぶりだよ。
*「いいなー ボクも お酒
飲んでみたいなー。
*「こっそり 飲もうとしたら
かあちゃんに おこられちゃった。
ガボ「オイラ お酒だけは
まずくて 飲めないなー。
アイラ「お酒は 大人になってからよ。
わかってるわね アルス?
メルビン「アルスどのには
まだ 酒は ちと早いでござるかな?
わははは!
*「あら アルス
どう 楽しんでる?
*「この うたげは 神さまのためって
だけじゃなくて あなたたちの
ためでも あるのよ。
アミット「いやあ それにしても
神が復活したとは いまだに
信じられないな。
アミット「だが 神の声は
わしにも しっかりと聞こえた。
神々しいとは まさに あのことだ。
アミット「アルスも ごくろうだった。
さあ 好きなだけ 食べて
飲んでくれ。
メルビン「神は たしかに
復活したので ござるよ。
ガボ「アミットのおっちゃんも
たくさん食って 病気なんかに
なるなよー。
*「はあ……海からの風が
とても 気持ちいいわ。
*「よって ほてったカラダを
ほどよく さましてくれるの……。
*「あれ? もう お酒 カラかあ。
また 船倉から もってこないと
ダメだな。
*「どう アルス
お料理 おいしい?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「そう? よかった。 |
いいえ |
*「あ やっぱり? |
ガボ「オイラは うまくても
まずくても食えれば 文句ないぞ。
神父「ほれ ぐーっといけ ぐーっと。
*「いけませんわ 神父さま。
わたしたちは 神さまに
つかえる身なんですよ
神父「ほっほっ まあ よいではないか。
これは 神の復活を祝う酒じゃ。
神も お許しになるじゃろう。
*「はい…… じゃあ ちょっとだけ。
アイラ「そうよね 今日くらい
ハメをはずしたって 神さまも
ゆるしてくださるわよね。
メルビン「アルスどのも 一杯
いかがで ござるか?
*「ひっく!
あら ごめんなさい。
すこし よっちゃったみたいです。
*「たまには こうして ふたりで
お酒を飲むのも いいねえ。
*「ちょっと あのころのことを
思いだしちゃったよ あんた……。
*「バカだな おまえ……
おれも おまえも あのころから
なんにも かわっちゃいないよ。
マリベル「ねえ アルス。
あなた やっぱり お父さんの
あとついで 漁師になるの?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
マリベル「ふーん…… まあ いまの マリベル「むかしは ぜったい |
いいえ |
マリベル「あれ そうなの? マリベル「あなたが あとを |
はいの場合
メルビン「アルスどの 漁師も
きびしい仕事と 聞くでござる。
精進なされよ。
ガボ「そっか アルスは
漁師に なんのかー。
ガボ「魚 いっぱい取って
オラに 食わせてくれよな。
アイラ「神さまが 復活したんだもの。
アルスが 剣をとって
戦う必要は もう ないものね。
いいえの場合
メルビン「アルスどのなら
きっと どんな仕事も
こなせるで ござるよ!
ガボ「なんで アルスは
漁師に ならないんだ?
ガボ「オラ 魚 たらふく食わせて
もらおうと 思ってたのにな。
アイラ「アルスには ほかに
やりたいことが あるのね。
マーレ「めずらしいね 父さんが
酒に ようなんてさ。
マーレ「酒にも船にも よわねえ
ってのが 父さんのじまん
だったんだけどねえ。
マーレ「きょうは よっぽど
気が ゆるんでいるみたいだね。
ふふふ。
アイラ「自分の息子が これでもう
危険な目にあわずに すむんだもの。
気も ゆるむわよね。
ガボ「アルスの父ちゃん
とっても 酒くさかったぞ。
メルビン「わしも 酒には
ちと 自信があるでござるよ。
ボルカノ「まあ あれだ。
オレのあとを つぐなんてのは
どうでもいいことだが……
ボルカノ「その前に ヨメさんを
見つけて おかないとな。
ボルカノ「家を守ってくれる
ヨメさんが いないと 男は
なんにも できねえからな。
ボルカノ「がっはははっ ひっく!
ガボ「アルスの ヨメさんかあ。
どんな人か オラも見てみたいぞ!
メルビン「アルスどの 結婚式には
忘れずに わしも 呼んでほしいで
ござるぞ!
アイラ「うふふ アルスには
まだ そういう人 いないの?
*「ん? なんじゃ アルス。
どこへ 行こうと いうんじゃ。
*「この うたげは おぬしたちが
いなければ はじまらないんじゃぞ。
さあ もどった もどった!
ヨハン「おいおい アルス
ひどいじゃんかよー。
ヨハン「パーティやるなら オイラを
呼ぶのが スジってモンだろ?
まったく 気が きかねえよな。
ヨハン「おっと それは おいといてと。
アルス バーンズ王が
お前たちを お呼びだぜ。
ヨハン「パーティのことなら
なんにも 心配いらないぜ。
オイラが もりあげてやっからさ。
ヨハン「じゃ たしかに つたえたぜ。
……よっしゃー いっぱつ
イカス曲を ひいてやっか!
ガボ「アルス 城へ行こう。
もっと うまいものが
食えるかも しれねえぞ!
アイラ「そうね アルス
そろそろ バーンズ王さまにも
報告に 行かないとね。
メルビン「ヨハンどのは
あいかわらずの ようでござるな。
*「王さまに 呼ばれとるんじゃ
しかたないのう。
*「まあ 王さまも きっと
アルスたちのことを 祝って
やりたいんじゃろうな。
ヨハン「どうした アルス。
さっさと バーンズ王のとこへ
行ってこいよ。
ヨハン「オイラが いいつけを
守らなかったと 思われちゃう
じゃんかよー。
アイラ「ここは ヨハンに
まかせておきましょう アルス。
マリベル「ふーん あの人が
神さま復活のための 曲をかなでた
ヨハンって人なの。
マリベル「曲は たしかに すごいけど
性格は ちょっと 軽いみたいねー。
メルビン「マリベルどののことを
心配しているで ござるか?
メルビン「だいじょうぶで ござるよ。
それより ヨハンどののほうが
心配でござるよ わっはっは。
アイラ「さすが マリベル
男を見る目は しっかりしてるわね。
うふふふ。
*「……いい曲ね……。
心に ビンビンと ひびくわ……。
*「あら すてきな曲ね。
だれか 気をきかせて
楽士を 呼んでくれたのかしら。
アイラ「アルス バーンズ王の
ところへ 急ぎましょう。
メルビン「さあ バーンズ王が
アルスどののことを
待っているでござるよ!
ガボ「みんな いないぞ。
城の中へ 行ったのか。
*「私は 神の使いの者だ。
われわれは 神のために
その居城を 建造することにした。
*「そのためには 各国より
すぐれた大工や 兵士を多く
集めねばならん。
*「バーンズ王は 心よく
私の申し出を うけいれてくれた。
さて つぎの国は……。
メルビン「これは わしも
だまっては おられぬでござる。
手伝いに 行かねば……。
アイラ「神さまの お城ですって!
とても すばらしいものに
なりそうね……。
ガボ「うまいもん あるかなあ……。
*「これは アルスどの!
ささ はやく 王さまのもとへ!
*「わが王が アルスどのを
おまちかねですぞ!
*「ほっほっ わしの占いに
ちゃーんと 出ておったよ。
おぬしたちのことはな ほほっ。
*「アルスさん ありがとう!
わが神の復活は すべて
あなたがたの おかげです!
*「お帰りなさい アルス
そして おつかれさま!
*「わーい アルスにいちゃん
バンザーイ!!
兵士長「アルスどのの 武勇伝の数々
しかと この耳に しましたぞ。
いやはや すばらしい!
兵士長「わが王も さぞや およろこびに
なられることでしょうな。
*「さあ おいそぎを!
バーンズ王が おまちかねですぞ!
*「これで世界は ほんとうに
平和に なったんですね!
やったーっ。
*「すごいじゃないの アルス!
魔王を やっつけちゃったうえに
神さままで よみがえらせるなんて!
*「まさか 神が ほんとうに
この世に 存在したとは……。
わしも まだまだ 学ばねば。
*「やるじゃねえか あんたら!
おれ あんたらに ホレたぜっ。
*「玉座の間まで まちきれずに
ここまで 王さまが おりてきて
しまったもので……。
*「ここで あなたがたを
おむかえすることに しました。
*「アルスさん ステキ……。
*「あなたたちの おかげで
私も 勇気が もてるような気が
してきましたわ。
*「今夜 王さまに 私の気持ち
つたえてみようかしら……。
アイラ「よかったわね アルス
みんな こんなに よろこんで
くれてるわ!
ガボ「みんな ほんとに
うれしそうだぞ。
メルビン「みなの この明るい笑顔!
こうでなくては いかんでござるよ!
*「アルスどのたちの かつやくを
キーファ王子も きっと どこかで
よろこんでおられることでしょう。
ガボ「キーファ どうしてるかなあ…。
アイラ「きっと キーファ王子にも
この よろこびが つたわってるに
ちがいないわ アルス。
メルビン「この平和を 勝ちとれたのも
キーファどのの チカラが
あったればこそで ござるよ。
リーサ姫「アルス ありがとう。
おにいさまも こんな平和な世界を
のぞんでいたのでしょうね。
リーサ姫「お兄さま……
帰ってきてくれるかしら……。
大臣「アルスどのたちが こられる
すこし前に 神の使いを
名乗る者が あらわれましてな。
大臣「なんでも 神の城を
作るのだとか……。
大臣「いやはや 神の住む城など
私には想像も できませんな。
バーンズ王「よくぞ来た!
アルスと その仲間たちよ!
バーンズ王「魔王によって
うしなわれた大地を よみがえらせ
その魔王さえも うちたおし……
バーンズ王「神をも 復活させた
その はたらき 見事である!
バーンズ王「国中……いや!
世界中の者 みなが そなたたちを
ほめたたえるだろう。
バーンズ王「……とまあ かたくるしい
あいさつは このくらいにしてじゃ。
バーンズ王「アルス そして ガボ
アイラ メルビンどの
ほんとうに ご苦労じゃったな。
バーンズ王「魔王が ほろび
神が復活した今 この世界の平和は
ゆるぎないものと なった。
バーンズ王「長く 苦しい旅をおえた
そなたたいにも 平和な日々が
おとずれるじゃろう。
バーンズ王「ときに アルス
そなたは これから どうする?
父親のあとをつぎ 漁師になるか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
バーンズ王「そうか ボルカノどのも |
いいえ |
バーンズ王「ふむ…… ほかに |
バーンズ王「では ガボは
どうするのじゃ?
ガボ「オラ? オラは そうだなー。
きこりのじっちゃんのとこでも
行こうかな。
バーンズ王「ふむ そうか。
メルビンどのは いかがいたす?
メルビン「わしは 神のもとへ
帰るでござるよ。
メルビン「これからは 神のもとで
世の平和を守るために チカラを
つくすつもりでござる。
バーンズ王「先ほど 神の使者が来て
神の城を建てると いっておった。
それに 協力してほしいのう。
バーンズ王「……アイラよ。
そなたは どうするつもりじゃ?
アイラ「わたしは……
バーンズ王「そなたさえ よければ
ここで くらさぬか?
城の兵士でも なんでも よいぞ。
バーンズ王「リーサ姫も そなたを
気にいって おるようじゃし
姫の教育係などは どうかな?
リーサ姫「まあ お父さまったら。
アイラ「ありがとうございます。
すこし かんがえさせてください。
バーンズ王「うむ……
それが よいじゃろう。
バーンズ王「さあ みなの者 祝いじゃ!
うたげを開くと しようぞ!!
楽士隊 出番じゃっ。
その夜 グランエスタード城では
盛大な うたげが もよおされた。
フィッシュベルや 近隣の人々も呼ばれ
うたげは 夜どおし つづいた。
この日 世界の そこかしこで
同じように うたげが開かれ
それは数日 続いたという。
人々は神に 永遠の平和を
願ったのだった。
そして 月日は流れた……。
アルスたちは 以前のように
平和な生活を 送っていた。
やがて ある日の朝……
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