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*「アルス! もう 朝だよっ。
そろそろ 起きなさい!
*「おひさまは もう とっくに
のぼっちまってるよ!
マーレ「ほらほら ダラダラしてちゃ
だめじゃないか!
マーレ「父さんの 手伝いを
ちゃんとするって 約束したろ?
マーレ「ちこくしたぶんも しっかりと
やってもらわなくちゃね。
さあ 起きた 起きたっ!
マーレ「よしっ ちゃんと
目が さめたようだね。
マーレ「それじゃ 今日も 父さんに
弁当を 届けてやっておくれ。
マーレ「父さんの 大好きな
アンチョビサンドだよ。
はやく もっていっておやり。
アルスは アンチョビサンドを
うけとった!
マーレ「いいかい より道しないで
ちゃーんと 届けるんだよ。
さあ いった いった!
マーレ「どうしたんだい?
父さんは いつもの港にいるよ。
マーレ「毎日 そこから 船に乗って
漁に 出てるじゃないか。
ほら いった いった!
*「ここは フィッシュベル。
海に かこまれた 小さな村です。
*「あら アルスじゃない。
こんな朝はやくから
どこかへ おでかけ?
*「あっ ダメじゃない。
お父さんに お弁当
届けにいく とちゅうなんでしょ。
*「だったら こっちじゃないでしょ。
港は 教会のむこう。
アミットさんの家のそばよ。
*「あら アルス。
また ボルカノ父さんのとこへ
お弁当 届けに いくのね。
*「やっぱり はたらく男の弁当は
愛する者の 手づくり弁当で
なくっちゃ ダメよねえ うふふ。
*「魚が たんと とれるように
なったのは ええんじゃが
つい 食べすぎて しまってのう。
*「げーっぷ!
ハラが おもくて 起きられんわ。
*「あんな近くに 漁に いくなら
このへんの 小船でも
じゅうぶんだと 思うんだが……。
*「まあ 魚を たくさん つむには
大きい船のほうが いいのかもな。
*「このトシになって ホンマもんの
神さまを おがめるとは
思わなんだわ。
*「やれ ありがたや ありがたや。
*「前は とおくまで 漁に出ないと
とれなかった魚が 近くの海でも
とれるように なったんですって。
*「これも きっと 神さまの
ありがたい おチカラの
なせるワザなんですわっ。
*「アミットさんの お祭り
なくなっちゃった。
*「とうちゃんは ラクに お魚
いっぱい とれて うれしいって
いってたけど……。
*「ボク つまんな〜い!
お祭り 見たいよーっ!!
*「ねえ アルス
マリベルちゃんとは
仲良く やってるのかい?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「あらあら 若い人は いいわねー。 *「アルス あなたなら *「なんたって あのボルカノさんの |
いいえ |
*「あら そうなのかい? *「えっ ふたりっきりってわけじゃ *「アルスなら きっと |
*「これからは アミット漁は
なくなっちまうのかなあ……。
*「ありゃあ 年に一度の
お祭りみたいなもの だったからな。
なくなっちまうと さびしいよ。
*「カミさんのグチは
聞かなくて すむけどな。
*「まったく マリベルったら
このごろ 部屋で ボーッと
してることが おおくて……。
*「あれじゃ ますます
おヨメの もらい手が ないわ。
どうしましょう……。
*「あ カンちがい しないでね。
あなたに もらってほしいと
おねがいしてるわけじゃ ないのよ。
*「わったし〜は〜 メイドよ〜。
か〜わいい〜 メイドなのよう〜。
*「あっ あら アルスさん。
マリベルおじょうさまなら
お二階に いらっしゃいますだよ。
マリベル「アルス 平和って
とっても たいくつなのねー。
マリベル「アルスたちと
いっしょに旅してた あのころが
なつかしいわあ。
マリベル「パパの具合も
だいぶ 良くなったみたいだし
また 旅に出ようかなー。
*「ゴホゴホ…… えーと
港の そうじは これで
おわったかな。
*「船乗りの しごとは
船に乗ることだけじゃないって
こないだ 気が ついたんだ。
*「船が帰ってくる港を 守るのも
船乗りの しごとだってね。
ゴホゴホ……。
アミット「さすがに いつまでも
ベッドに 寝ているわけには
いかんからな。
アミット「ボルカノどのと ともに
漁に出るのを やめておいたが
見送りくらいは したい。
アミット「アルスが 漁にでるように
なったときには また いっしょに
行くとしようか わっはっは!
ボルカノ「おう アルス
やっと きやがったか。
まったく おそいったらねえな。
ボルカノ「母さんの サンドウィッチは
ちゃんと もってきただろうな!
アルスは アンチョビサンド を
わたした!
ボルカノ「おお これこれ!
やっぱり これを食わなきゃ
漁のうでも にぶるってもんだ。
ボルカノ「モグモグ……。
……なあ アルス……
ボルカノ「ゴホンッ なんでもねえ!
おまえは 下へいって
イモの皮むきでも 手伝ってこい!
*「よお アルス
今日も オヤジさんに
弁当 届けに きたのかい。
*「いつまでも おつかいばかりじゃ
アルスだって あきるだろ?
いっしょに 漁に出ようぜ!
*「これまでは なん日も かけて
とおくの漁場まで いかなきゃ
とれなかった 魚たちが……
*「今じゃ 日帰りで いけるような
近くの漁場に わんさか いやがる。
*「ラクなのは ありがたいことだが
なんか こう はりあいってもんが
なくなっちまって いけねえや。
ヨハン「よう アルス
おはようさん。
ヨハン「今まで グランエスタードの
城下町で プラプラしてたけど
それも もう あきたんでね。
ヨハン「おまえの親父さんに たのんで
この船で どっかへ おくって
もらうことに したんだ。
ヨハン「どこへ おりるかは
ぜんぜん きめてないんでね。
おまえらとは もう会えないかもな。
ヨハン「まっ オレには
このトゥーラが あるから 平気さ。
おまえらも 元気で やってくれや。
*「お目あての魚が とれるなら
近かろうが とおかろうが
オレら 漁師にゃ カンケーねえ。
*「魚が いるから そこへいく。
ただ それだけなのさ。
*「日帰りなら 毎日 ちゃんと
妻のカオが 見られるんです。
これなら 船乗りも 悪くない。
*「神さま ありがとう!
ボクは あなたに せいいっぱいの
カンシャの いのりを ささげます!
コック長「しばらく 見ないうちに
アルスは かわったな。
コック長「成長したと いうことか。
おまえなら 父であるボルカノを
こえることが できるやもしれん。
コック長「わしから おまえに
たのむことは もう ない。
上へ あがるがええ。
*「アミットさん ボルカノさん
悪いけど ちょっと 浜のほうへ
きてくれやせんか!?
アミット「なんだ そうぞうしいぞ。
なにが あったのだ?
ボルカノ「おまえが あわてるなんぞ
ただごとじゃ ねえみてえだな。
*「そ そうなんすよ。
神の使いとか 名のる連中が
船で のりつけてきたんすよ。
アミット「なんだと?
それは ほうっては おけんな
ボルカノどの あとは まかせた。
ボルカノ「やれやれ これから
漁に出るってときに……。
しかたねえなあ。
ボルカノ「おい アルス
おまえ オレのかわりに
ちょっと いってこい。
ボルカノ「出航するぞっ!
イカリを あげろーっ!!
*「ふう…… 今日も 船は
ぶじに 出ていったな。
*「あと オレに できるのは
船が ぶじに 帰ってくるのを
いのるだけだよ。
*「ねえ アルス
たまには マリベルを 外へ
つれだしても いいのよ。
*「さいきん マリベルったら
いつも カリカリしていて
おちつかない ようすなの。
*「あの子は 家で おとなしくして
いるよりも 外で あばれて
いるほうが しあわせ なのかもね。
*「わったし〜は〜 メイドよ〜。
か〜わいい〜 メイドなのよう〜。
*「フンフンフン……。
マリベル「……すうすう……。
マリベル「……たいくつ……なのよう。
すう……すう……。
マリベル「どうしたのよ アルス
なんか さわがしいじゃない。
なにか あったの?
マリベル「あっ! なによ あの船。
ふふん ちょっと おもしろそうね。
見に いってみよっと!
*「なんだい なんだい?
漁に出るのに 大さわぎ
するなんて ひさしぶりだね。
*「あら?
あの船は なんだろうね。
はじめて 見るけど。
*「うっわー すごかったなー。
キレイな船から ピカピカ光る服を
着た人たちが おりてきたんだ。
*「でも さっさと 村の外へ
出ていっちゃったよ。
もっと 見たかったなあ。
*「ほえ〜 あれが 神さまの使いの
人たち なんだの〜。
*「さすが 村の神父なんぞとは
くらべものに ならんほど
りっぱ だったわい。
*「やれ ありがたや ありがたや。
*「どうしましょう どうしましょう!
神の使いの かたがたと
お話しして しまったわっ。
*「ああっ わたしも いつか
神さまのもとで いっしょに
はたらきたいですわっ。
神父「神の使いの者たちは
グランエスタードの王に
用事が あるらしいな。
神父「その用事が なにかまでは
聞かせて もらえなかったが。
ところで……
(教会)
アミット「ほう では 神の使いと
名のる者たちが この船から
おりてきたと?
*「はい。
グランエスタードの城へ
いきたいと もうされたので……。
*「道を おしえたら さっさと
いってしまわれました。
アミット「ふーむ。
まあ わしらには おそらく
カンケイのないこと なのだろう。
アミット「とりあえず この船を
おあずかり しておけば
よいのだろうな。
アミット「ん アルスか。
なんでも 神の使いと名のる者たちが
城へ むかったそうだな。
アミット「アルス おまえ
気に なるのだろう?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
アミット「ふふふ そうだろうな。 アミット「神の使いとやらに |
いいえ |
アミット「そうか? ならば いいのだ。 |
*「神の使いだか なんだか
しらないけどさ。
いきなり やってきて……
*「女! グランエスタードへの道を
われわれに おしえるのだ!!
*「……だってさ。
まったく なにさまのつもり
なのかしらねー プンプン!
マリベル「ふーん これが
神の使いの のってきた船ねー。
マリベル「ぜいたくだけど ちょーっと
シュミが わるいんじゃない?
あたしは 気に いらないなあ。
マリベル「神の使いって人も
あんまり カッコよさそうじゃ
ないみたいだしねー。
マリベル「アルスに ついていこうと
思ったけど 今回は いいや。
*「こんな ゴテゴテと かざった船で
よく 海を わたってこれたな。
*「神の ご加護って ヤツが
あるんだろうが オレは ごめんだね。
マーレ「父さんたちは もう
漁に 出たみたいだね。
マーレ「アルスも ごくろうさん。
しばらく ぶらぶら しておいで。
*「ぐごー ぐごー。
*「なによ あいつら!
わたしが じゃま だったからって
つきとばさなくても いいじゃない!
*「おかげで スカート
よごれちゃったわよ! プンプン!!
*「あっ アルス ごめんなさい。
あなたの じゃまも しちゃった
みたいね。
*「アルス お城へ いくの?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「もし あいつらに 会ったら |
いいえ |
*「あら ちがうの? |
*「おお お前さんたちか。
ひさかたぶりだなあ。
元気に やっとるようだな。
*「オラも ガボも 元気にしてるよ。
ガボも ここが 気にいって
くれてるようだしな。
*「オラも なんか こう
息子が できちまったみたいで
たのしくって しょうがないさね。
ガボ「ん? みんな どうしたんだ。
きゅうに おしゃべりを
やめたりして。
ガボ「だめだよ アルス。
みんな ビックリして
にげちゃったじゃないか。
ガボ「せっかく たのしく
おしゃべり してたのにさ。
ガボ「そいで アルス
オイラに なんか用かい?
また どこかへ でかけるのか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
ガボ「カミさまの使い? ふーん……。 |
いいえ |
ガボ「ふーん そうかー。 |
ガボ「オイラ とっても
ここが 気に いっちゃったんだ。
ガボ「森の動物たちが いっぱい
あそんでくれるし おっちゃんも
とっても やさしいし。
ガボ「オイラ ずーっと
ここに いたいなあ……。
ガボ「カミさまとかいう ヘンなヤツが
でてきたから オイラたちは もう
たたかわなくても いいんだろ?
ガボ「だったら オイラ ずーっと
ここに いても いいよね。
*「ガルガルガル!
*「わんっ わんっ わんっ!
*「ようこそ。ここは
グランエスタードの城下町よ。
*「神の使いの人が きたってことで
町は ちょっとした さわぎよ。
*「いったい なんの用事があって
ここに 見えられたのかしらねえ。
神の使いの かたがた。
*「さあなあ……。
わしには わからんのう。
まあ 悪い知らせでは なかろう。
*「そうですよねえ。
なんといっても 神さまからの
お知らせ ですもんねえ。
*「おや アルス。
神の使いのことは もしかして
もう 知ってるのかい?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「さすが アルス 目ざといねえ。 *「神の使いの かたがたは |
いいえ |
*「おや あんたが *「つい さっき 神の使いっていう *「さっさと ここを 通りすぎて |
*「うえ〜ん!
ホンダラさんが 出かけようと
してたから……
*「どこにいくの? って聞いたら
頭を思いっきり こづかれたよう。
うえ〜ん。
*「やあ アルス。
今日は どうしたんだい。
買い物でも たのまれたのかい?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「そうか。 *「アルスも がんばらないとな。 |
いいえ |
*「はは〜ん さては 神の使いを *「神の使いは ここには きてないよ。 |
*「うまい魚も こう毎日
食べていると さすがに
あきが くるものじゃ。
*「ちかごろは 大漁すぎて
魚の値段も さがっていると聞く。
*「ボルカノどのは とれる魚は
すべて とってきてしまう
ごうかいな お人じゃからなあ……。
*「もう ヨハンのトゥーラは
聞けないのねー。
*「ここだけの話 アタシ ちょっと
カレのこと イイなって
思ってたのよねー ふう……。
*「やあ アルス。
あいかわらず 元気そうだな。
*「そういや おまえのおじさん
えーと ホンダラさんだったけか。
今ごろ どこで なにをしてるのかな。
*「あんな客でも これだけ
長い間 カオを見せないとなると
ちょっと さびしいよ。
*「さあて これでよしと。
この部屋も きれいになったわ。
*「もしかしたら 神さまの使いの人が
お泊まりになるかも しれないし
念入りに おそうじ しなきゃね。
*「なあ あの連中って
とっても エライんだよな?
シスターさん。
*「もちろんですわ。
あのかたたちは わたしなどとは
ちがうのです。
*「現世に よみがえった 神さまの
おそばで はたらくことを
ゆるされた かたたちなのですから。
*「ふーん…… そんなもんかね。
*「神さまが おられるかぎり
この世の平和は 約束されたと
いってよいでしょう。
*「もし キーファ王子が いらしたら
平和なんて たいくつだ! などと
おっしゃったかも しれませんね。
*「この世に神が いようが いまいが
オレの生活に かわりは ないさ。
*「神が 金を めぐんでくれる
わけでも ないしな。
*「わしの いのりのチカラも
まんざらでは なかったのう。
*「なにせ 神さまを よみがえらせて
しまうほどじゃからなあ。
ほっほほほ。
*「きゃははっ
われらは カミの使い なるぞーっ
わーい わーい。
*「神の使いのかたがたが
とつぜん ここに見えたときは
それは もう おどろきましたよ。
*「それにしても うらやましい。
わたしも じかに 神と
お話しして みたいものです。
*「おっと 失礼……
(教会)
*「今日も ええ天気じゃのう。
今夜は 星を見ながら ヨハンの
トゥーラが 聞きたいもんじゃ。
*「おっと ヨハンはもう この町を
出ていって しまったんじゃったな。
ざんねんなことじゃ。
*「うちの オルカのところには
どうして ロクでもない女の子しか
遊びに こないのかしら?
*「それとも オルカに
女の子を 見る目が ないのかしら。
*「神さまのチカラで 世界は
平和に なるっていうし……
*「今度は みやげ物でも
売ってみるかな。
*「うふふ……
オルカ 好きよ。
オルカ「オイオイ そんなに
くっつくなよ。
*「あら いいじゃない。
うふふ……。
オルカ「よう アルス。
今 とりこみ中なんだよ。
さっさと 出てってくれ。
オルカ「なにを してるかって?
見りゃ わかんだろ。
ヤボなこと いわず 出てけって。
*「ゴロニャ〜ン。
*「ほえ? 神の使いじゃと?
そんなもんは わしゃ 知らん。
*「それより 気がかりなのは
ホンダラの ゆくえじゃよ。
どこに いってしまったのやら……。
*「やっぱり かした金は
返ってきそうに ないのお……。
*「けっきょく 家賃を
ふみたおしたまま ホンダラさんは
どこかへ いなくなってしまったわ。
*「でも あの部屋は
そのままに しておこうと
思っているの。
*「もしかしたら ひょっこり
帰ってくるかも しれないでしょ。
*「キャー!
*「レディの入浴を のぞくなんて
サイテー!!
*「なーんちゃって。
おフロそうじ してただけでちゅー!
*「これは アルスどの。
そろそろ いらっしゃるころと
おまちしていましたよ。
*「聞けば 神の使いは
フィッシュベルの村に 船で
やってきたというでは ないですか。
*「アルスどのが これを
お見のがしになるハズは ない。
ささっ お通りください。
*「この先は グランエスタード城。
わたしは ほんとうは 今日
非番で お休みなのだが……
*「神の使いが きたとかで 見張りに
かりだされて しまったよ。
トホホ……。
*「ただいま 神よりの使者が
本城に おとずれているため
特別けいかい中です。
*「アルスどのも あまり
城内で さわがれませぬように。
*「わが王は 神の使者どのと
えっけん中で あろう。
*「いくら アルスどのでも
お会いできるか どうか
わかりませんぞ。
兵士長「しばらく しずかであった
この城も 神の使者のおとずれで
急に いそがしくなった。
兵士長「平和な世とはいえ
客人を守るのを おこたるわけには
いかんからな。
兵士長「もうすこし 兵士を
配置したほうが よいかもしれん。
うーむ。
*「王は ただいま 神の使いの
かたがたと お会いしている
さいちゅうで あります。
*「グランエスタードの お城へ
ようこそ アルスどの。
*「王は この宴卓の間で
神の使者たちと 会食中だ。
だれも 入れるわけには いかぬ。
*「悪く 思わないでくれ。
*「いくら アルスさんの
たのみでも ここは
お通しできません。
*「おえらいさんの許可でも
あれば 別ですけどね。
*「王さまは 上には おりませんよ。
宴卓の間で 神の使いのかたがたと
お会いしているハズです。
*「あの アイラとかいう小娘は
いったい 何者なの!?
*「ただの兵士のくせに
いつも 王さまの お近くに
いるなんて……。
*「ああっ 王さまも やっぱり
私なんかより 若い女のほうが
いいのね? そうなのね?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「きいーっ! |
いいえ |
*「そ そうですわよね。 *「けちらして やるんですわっ。 |
*「キーファ王子さまの いない今
この部屋は アイラという
女兵士の部屋に なっています。
*「王さまは そのウデを買われて
アイラを おつきの近衛兵として
召しかかえられたんです。
*「むむっ あやしいヤツ!
*「あっ なんだ アルスか。
ごめん ごめん。
*「見張りなんて ひさしぶりだからな。
気合い 入れすぎちゃったよ。
あははは!
*「なんだか とつぜん
見張りの兵士が ふえたわね。
なにか あったのかしら。
*「そんなわけ ないか。
だって 世界は平和に
なったんだものね。
*「キーファ王子が この城を出て
いったい どれくらいの月日が
流れたのやら……
*「思えば 王子が あの遺跡に
興味を もたれたときから
こうなるような 気がしておったよ。
*「最近 リーサ姫が ベランダに
お姿をお見せに ならないのです。
*「キーファさまが 旅立たれてから
ずっと お部屋に こもりきりの
ご様子……。
*「お体を こわしてなければ
よいのですが……。
*「姫さまに 会いに
いらしたのですね アルスさん。
*「このところ 姫さまも
調子がよい ご様子。
お声を かけてあげてください。
リーサ姫「あっ アルス……
リーサ姫「ねえ アルス
お兄さまは 今どこにいるのかな?
リーサ姫「ちゃんと ごはん
食べてるかな? しあわせかな?
リーサ姫「ごめんね。
アルスに こんなこと
聞いても わかるわけないよね。
リーサ姫「あの お兄さまのことだもの。
きっと うまくやってるわよね。
わたしが 心配しなくたって。
*「アルスどのは
神を 信じるか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「そうであろうな。 *「あの姿を前にして 神と |
いいえ |
*「なかなか ひねくれ者だな *「わしも はじめは 信じては *「書物に残る 多くの伝説や神話は |
*「ちぇっ 神の使いっつったら
すげえ魔法とかも 使えんだろ?
*「オレたちが わざわざ
見張ってなくたって 平気だろ?
しちめんどくせえなあ。
*「神さまが 使いのかたたちを
およこしに なるなんて
きっと すごい用事なんですよ!
*「たとえば この私を
神の兵士に してくれるとか!
*「……って そんなわけないか。
さっ しごと しごと……。
*「おお神よ!
私に あなたをたたえる歌を
うたうことを お許しください!
*「ラララ〜 神は いませり〜
われらを みちびきた〜まえ〜
平和の〜 野に〜 ラ〜ラ〜♪
*「神のチカラがあれば もう
この世から 争いなど
なくなるだろうな。
*「そうなれば オレたちのような
兵士は おはらい箱だ。
これが最後の しごとかもな。
*「お若いの。
占いは どうじゃな?
タダで いいぞよ。
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「では 占って しんぜよう。 *「はいやー! とりゃー! *「むっ 見えた! *「おそろしいほど きらびやかで *「いったい なんの建物 *「はあ はあ…… とつぜん *「とりあえず こんなん 出たぞい。 |
いいえ |
*「そうか……。 |
*「ここは 王の間です。
でも 王さまは いませんよ。
*「急ぎの ご用件なら
そこに おられる 大臣どのが
聞いてくださるでしょう。
大臣「おお アルス。
どうした なにか用か?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
大臣「ほう 神の使いのことを 大臣「だが 神の使いのかたがたは *「大臣どのっ 大臣「伝言とな? *「ハッ! フィッシュベルより *「……との ことであります! 大臣「ふむ これはまた なんとも *「ハッ! 失礼します。 大臣「アルス 聞いておったな? 大臣「王が なに用で 大臣「急いで いけば |
いいえ |
大臣「ふむ そうか。 大臣「神の使いのかたがたに |
大臣「アルス
王が おぬしを 呼んでおるぞ。
大臣「王は 神の使いのかたがたと
1階の宴卓の間に おられるはず。
ささ 急いでいくがよい。
*「王さまは アルスどのに
どんな用事が あるのでしょうか?
気に なりますねえ。
*「あとで こっそり
どんな用事だったか わたしに
教えてくださいね。
*「あっ アルスさん!
よかった まだ お城に
いらしたんですね。
*「王が およびだ。
はいっても いいぞ。
*「なんか たのみたいことが
あるらしいですよ。
*「さあ はいるがよい。
*「どこへ 行くんです?
まだ 王との話は
おわって ないでしょう。
*「神の使者たちも おられる。
そそうのないようにな。
*「わたしたちの国の お料理
おクチに あったかしら。
*「もうちょっと おそい時間なら
とれたての お魚料理を
お出しできたのに 残念だわ。
*「ああ きんちょう しちゃうわ。
神さまの使いの人に 会えるなんて。
*「あわてて おさらを
ひっくり返したり しないように
気をつけなきゃ……。
*「こんな 朝はやくじゃあ
まだ しこみが 完全じゃ
ないんだよなあ。
*「それでも できるだけのことは
したはずだな うんっ。
*「神さまは どうだか知らないが
神の使いとはいえ 人間だろ?
*「だったら オレの料理に
満足しないわけが ないさ。
*「われわれは この島を統治する
グランエスタードの王に
会いに きたのだ。
*「われらが神の居城たる
クリスタルパレスの完成と
ご神託を つたえに。
*「ほう おまえが 王の話にあった
アルスと いう者か。
*「ふむ…… 王の話が 真実であれば
おまえは すばらしいチカラを
もつと いうことになるが……
*「私には そうは見えぬな。
ただの若者としか 思えぬが。
*「バーンズ王には 私たちとともに
クリスタルパレスへと
おもむいて いただきます。
*「クリスタルパレスでは 各国の
代表者のかたがたに 神からの
啓示が あたえられるのです。
アイラ「ハーイ アルス。
元気に してた?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
アイラ「聞くだけ ムダだったね。 |
いいえ |
アイラ「あら そう。 |
バーンズ王「おお アルスよ。
やはり この城へ きておったか。
バーンズ王「神の使いのことを聞いて
そなたが だまっているわけは
ないと 思っておったぞ。
バーンズ王「とにかく わしの
となりの席へ すわるがよい。
話は それからじゃ。
バーンズ王「神の使いのかたがたよ。
この者が 先ほど話した
アルスと もうす者じゃ。
バーンズ王「クリスタルパレスに
むかうにあたり このアルスと
近衛兵のアイラを つれていきたい。
バーンズ王「よろしいかな?
*「よいだろう。
その者たちには わが神も
きょうみを しめすかもしれん。
*「ですが 大神官ネビラどの。
われわれの船では あとふたりが
限界かと……
バーンズ王「それには およばん。
わしらは わしらで 乗り物を
用意しておるよ。
ネビラ「ならば 問題はない。
すぐに 出発したいが
よろしいか?
バーンズ王「どうじゃ アルス。
いっしょに 来てくれるな?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
バーンズ王「うむ! よくぞ いった。 ネビラ「では われらは 先に バーンズ王「たいした おもてなしも ネビラ「いや 充分 ごちそうになった。 バーンズ王「ああ いそぐとしよう。 |
いいえ |
バーンズ王「なにを いう。 (ループ) |
バーンズ王「よし アルス
わしらも すぐに出発しよう。
バーンズ王「そなたから あずかった
飛空石とやらで クリスタルパレスへ
むかうのじゃ!
アイラ「王ったら あの飛空石に
乗りたいって さんざん
ダダをこねたことが あるのよ。
バーンズ王「うるさいぞ アイラ!
さあ ふたりとも わしに
ついてまいれ!
バーンズ王「わしは これから
神の城クリスタルパレスへ むかう。
あとのことは たのんだぞ。
*「ハッ! お気をつけて
行ってらっしゃいませっ!
バーンズ王「ふむ ここじゃ ここじゃ
さて アルス さっそく
出発するが よいかな?
いいえの場合追加 | |
---|---|
いいえの場合追加 | バーンズ王「わっはっは なんじゃ。 バーンズ王「どんなに 着飾ったとて バーンズ王「ましてや 戦いに |
バーンズ王「よし! では アルス
さっそく 飛空石をよぶのじゃ。
バーンズ王「そなたが よべば
飛空石は それに こたえようぞ。
さあ よぶのじゃ アルス!
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
アルスは 念をこめ バーンズ王「おお こんな間近で バーンズ王「さあ 行くぞ。 アイラ「ほら アルス |
いいえ |
バーンズ王「なんと! わしの バーンズ王「いやじゃ いやじゃ。 (ループ) |
バーンズ王「おおっ 飛んだ 飛んだぞ。
これが 空を飛ぶとは
世の中は おもしろいのう。
バーンズ王「では 神の城へ むかって
いざ 出発じゃ!
ガボ「アルスー!
オイラを おいてくなんて
ひどいよおーっ!!
ガボ「オイラも つれてけーっ
てやあっ!
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