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*「ここは コスタール。
世界中から 旅人たちが
おとずれる 港町だ。
*「ねえ ダーリン
ここは きれいな所ね。
来てよかったわ。うふふ。
*「彼女に せがまれちゃって
はるばる この町まで
旅して来たんですよ。
*「大昔に 名をはせた 最強の海賊
マール・デ・ドラゴーンは 魔王の
呪いで 氷づけにされたらしい。
*「そして 未だに 氷づけのまま
どこかの海を さまよっている
という ウワサだ。
メルビン「むむう。いったい
いつになれば 彼らの 氷の呪いを
解くことができるのでござろう。
メルビン「こういう時 自分の無力さが
うらめしいでござる……。
*「まったく 最近の若いもんは
カジノ カジノって 遊んでばかりで
けしからんよ。
*「なんでい オレみたいな男が
教会にいるのが めずらしいかよ。
*「この前から ポーカーで
勝てなくてよ。こうなったら
神だのみしか ねえだろ。
アイラ「そんなことを 神さまに
いのるなんて かえって
バチが 当たるんじゃないかしら?
*「神父さまが お仕事で
おでかけなので 私が かわりに
おうかがいしております。では……
(教会)
*「ここは わが教会を おとずれる
旅人のための きゅうけい所。
どうぞ ごゆっくりなさいまし。
*「はあ……。
毎日 遊び暮らしても どうにも
気分が 晴れない……。
*「実は ここから はるか南西の
マーディラスという国で 音楽家の
大会が あるらしいんです。
*「それで ボクも 行ってみたんですが
参加するらしい 人びとのレベルが
高くて…… はあ……。
*「ぬおお〜っ! これで また
すっからかんだっ!
*「カジノなんて 来なきゃよかった。
はあ……。
*「ここは かつては コスタール国の
お城と 城下町だったらしい。
*「しかし なん百年か 昔に
コスタール王は 側近と兵をつれ
他の地へ 移民したとか。
*「そして 残ったこの町を
旅人の いこいの場所となるよう
開放したらしい。
ガボ「うへえ。王さまのほうが
どっかに 行っちまうなんて
どういうつもりなんだ?
メルビン「むう。それでは もはや
ここは 城下町ではなくて
ただの港町コスタールでござるか。
*「あんた 旅の人だな。
ここのカジノは いい景品が
そろってるぜ。
*「なんたって 大昔の お城の
宝物が 放出されてるんだからさ。
ガボ「へえ おもしろそうだな。
なあ アルス 後で ちょっと
行ってみようぜ。
*「あら お店じゃなくて
うちの人に 用ですか?
あいにく 留守なんですよ。
*「あたしの お父ちゃん
お人よし なんだって。でも
お人よしって なにかなあ。
*「はい いらっしゃい!
うちの食堂は とれたての魚料理が
おすすめだよ!
*「おばちゃ〜ん。
ごはん おかわり!
*「ここ 昔 コスタール城下町だった。
でも いま オイラたちの村
コスタール城。
アイラ「以前は 仲の悪かった
ホビット族と コスタール城が
今は いっしょになっているのね。
アイラ「それは すばらしいことだけど
なにも あの洞くつを
お城にしなくても いいのに……。
*「うちの人 ホビットなまり が
ぬけきれなくて…… 久しぶりに町に
出てきたのに はずかしいわ。
*「うらの家の ご主人は
ギャンブル好きでしてね。
*「運の強い人なのか
カジノの景品で けっこう
もうけてるみたいですよ。
*「え〜ん お魚が ちっとも
つれないよお。
*「つりに 大事なのは
忍耐力だって パパは いうけど
本当かなあ。
*「たくの主人は とても運が強くて
いつも カジノで
勝ってばかりですのよ。
*「ま たまには ガラクタを
もらってくることも ありますけど。
ほほほ。
*「売れない ガラクタも みんな
すてずに とってありますの。
何かに使えるかも しれませんしね。
メルビン「むむう。
この家は ギャンブルで もうけて
くらしているでござるか……。
メルビン「じつに うらやましい……
い いや けしからんでござる!
メルビン「そういう人間が いるから
かけごとで 身を持ちくずす者が
出るのでござるよ。
*「あら 旅の人ね。
ここは カジノも 有名だけど
北の大灯台も 名所なのよ。
ガボ「うひょ〜 おもしろそうだなあ。
なあ アルス 今日は 思いきり
遊んでいこうぜ。
メルビン「むう なんとも にぎやかで
楽しそうでござるな。
メルビン「じつは わしも かけごとには
目が ないんでござるよ。
メルビン「ただ 問題なのは ちっとも
勝てない点でござるがな。
アイラ「たしかに 楽しそうだけど
かけごとは ほどほどにしておいて
ちょうだいよね。
*「いらっしゃいませ。ここは
カジノのお客さまのための バーよ。
パフパフなら カジノでね。
ガボ「なあ アルス。
ぱふぱふって 何のことだ?
*「あ いらっしゃい。ここは
大昔の お城の食堂を
そのまま 使ってるんですよ。
*「だから あんまり
バーらしくないけど ゆっくり
くつろいでいって くださいね。
神父「くうっ また 負けてしまった。
信者たちの 大切な お金を
私は…… あ! ご……ごほん!
アイラ「あの神父さん ひょっとして
信者からの おふせを かけごとに
つぎこんでるんじゃあ……。
アイラ「だとしたら とんでもない
バチあたり神父だわ。
*「へえ あのウワサ
本当だったのか!?
*「オレは てっきり
うそっぱちだと 思ってたぜ。
*「私も 話を 聞いたときは
信じられなかったけどね。
*「だって 氷づけの 海賊船なんて話
いかにも 作り話っぽいしねえ。
*「でも 本当に見たって人が
いたんですよ。なんでも 大砂漠の
南端の 岩山の入り江で とか。
アイラ「氷づけの海賊船って……
それは もしかして
もしかするんじゃないの?
*「ここの灯台にある 聖なる種火は
聖なる 永遠の炎とはちがって
ただの炎なんですよ。
*「なんでも はるか昔は 北の
大灯台から 種火を運んだそうですが
それも ここでは 消えてしまって。
*「本物の聖なる種火を 見たければ
北の大灯台に ちょうせん
してみることですな。
ガボ「いったい なんで ここの
聖なる炎は 消えちまったのかな?
ガボ「せっかく オイラたちが
つけてやったのにさ……。
しょく台には 炎が
赤々と もえている。
*「ひと月ほど前 大灯台まで
いってみましたが とてもとても
最上階までは 行けません。
*「帰るときに この町の 防具屋さんが
上の階に 行こうとしてるのを
見たけど 大丈夫ですかねえ。
*「これって ふつうの炎に見えるけど
やっぱり そうなのかしら?
*「でも 昔は ここで 聖なる炎が
もえていたんだから この祭壇を
見るだけでも ごりやくあるわよね。
*「ん? なんだよ。
このスロットで やりてえのか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「いっとくけど どっちも |
いいえ |
*「まあ でかく 当てようってんなら |
*「旅のとちゅうの 気分転換に
カジノは 最高だな。
わっはっは!
*「いらっしゃいませ! 当カジノは
お客さまに 満足していただく
サービスが じまんで〜す。
*「どうぞ 心ゆくまで
遊んでいってくださいな。
*「ふう。いっぱつ当てた後の 酒は
また かくべつに うまいな。
*「ここの景品が けっこう
いいって聞いて はるばる
遠くから 旅してきたんですよ。
*「でも この調子じゃ 景品どころか
帰りの宿賃まで なくなりそうです。
……ぐはあ!
*「あ〜あ。ダメだね そこの人は。
もっと 先を 読まなきゃ
勝負には 勝てないよ。
*「こちらの 景品こうかん所には
みりょくある品を とりそろえて
ございます。
*「さきほども 常連のお客さまが
ごうか景品を 手に その階段を
にこやかに おりて行かれましたわ。
*「いらっしゃいませ。
カジノを お楽しみですか?
*「特別会員の方は バルコニーの
踊り娘に 声をかけてくださいね。
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「あら? でも 会員証を |
いいえ |
*「え? 特別会員って 何かって? |
メルビン「い いったい
その特別会員になると 何を
してもらえるのでござろうか……?
メルビン「き 気になるでござる!
*「ハア〜ッツ! くわっ!!
*「じゃましないでくださいよ。
今 スロットレバーを 引く 右手に
気合いを いれてるんだから。
*「ちっ こんな調子じゃ
しんぴのよろいなんて
とても もらえそうにないや。
*「さっき 出てった
お金もち風の男 なんて
じゃんじゃん 出してたのになあ。
*「う〜ん ここからの ながめは
気分いいわね! お仕事にも
気合いが 入るわあ。
*「いらっしゃいませ! 当店で1ばん
人気の ラッキーパネルは
こちらで お楽しみくださいね!
*「ぬわっ!
そこで そうきたか!
*「うらにまわれば カードの中身が
ぜんぶ 見えると思ったのに。
ちぇっ なにも 見えないや。
*「ここのカジノの景品は いいが
たま〜に おかしな ガラクタが
並んだことも あったんじゃよ。
*「そうそうしばらく前にも
へんな 石版のカケラみたいなもんが
出てのう。
*「はて 誰が とっていったか……
たしか 宿屋のうらの
ご主人じゃったかのう……。
*「ただ 運にたよってばかりいても
大当たりは ねらえないもんだ。
アタマを つかわなきゃな。
*「わっ 話しかけないでください。
さっき見た カードの中身を
忘れちゃうじゃないですか。
*「世界が こう平和じゃ
あたいの出番も ありそうにないね。
のんびり 遊ばせてもらうわよ。
ここのカジノの
立派な 看板が
かけられている。
*「ふう いっぷく いっぷく……と。
エッチな お客さんの
お相手は つかれるわ。
*「さっきも 宿屋さんのうらのご主人が
オシリをさわっていったのよ。
いや〜ね。
メルビン「う〜む。宿屋の主人は
けしからんでござるが その気持ちも
よ〜く わかるでござるよ。
*「わっはっは!
今日も 大もうけ!
*「これだから カジノは
やめられませんな。
わっはっは!
*「おや どうかしましたか?
私に なにか ご用ですかな?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「え? 私が 昔 石版のようなものを *「さて どうだったかな? *「ん? ああ ひょっとして *「なにやら わけのわからない物 *「価値なんて ないんだろうが *「あの主人は 人がいいから |
いいえ |
*「やや 私の かんちがい でしたか。 |
アイラ「あの石版のカケラを
売っちゃうなんて……。
アイラ「アルス とにかく
防具屋さんに 行ってみましょ。
*「にゃん にゃん!
*「にゃ〜ん。
*「え? うちの主人が 石版のかけらを
買わなかったかって?
*「さあ どうだったかしらねえ……。
なにしろ もう ひと月も前に
出ていったまま 帰らないもので。
*「ちょうど 心配してたところだし
もし 主人に ご用なら 北の
大灯台まで 行ってみてくださいな。
*「あそこの 聖なる種火を どうしても
見たいって 出かけていったまま
もどらないんですよ。
メルビン「ひと月前に 出ていったのを
ちょうど 心配してたとは……。
メルビン「なかなか どうして
ごうきな ご婦人でござるな。
アイラ「大灯台の聖なる種火ね……。
アルス 行ってみましょう。
アイラ「この大灯台のどこかに
防具屋のご主人が いるはずなのね。
さあ アルス 探すわよ。
*「わしだって 聖なる種火を
おがんだことは あるわい!!
*「……いや これは 失礼した。
わしゃ ここの 灯台守じゃ。
*「最上階まで いったこともないのに
灯台守なんて いえないよと
旅の男に バカにされてなあ……
*「ちょっと 気がたっておったんじゃ。
すまんかったのう 旅のお方。
*「コスタールまで 旅してきたなら
この上の 水神様の像には
おまいりするべきだろう。
*「とても 美しくて
心が 清らかになる像だそうだな。
*「ここの 水神様の像になら 誰でも
おまいりすることが できるけど
聖なる種火は 見られないわよ。
*「なにしろ ここから上の階には
大昔の 灯台守たちが 作った
しかけが いっぱいあって…
*「よほどの 旅の鉄人じゃなきゃ
最上階まで 行くのは
むりだものね。
ガボ「オイラたちは すじ金入りの
旅の鉄人だから そんなの
よゆうで 見ることできるぞ。
*「私は 旅の尼。さまざまな
神の像を おまいりしながら
世界各地を めぐっております。
*「これが 海をわたる旅人を
見守るという 水の神様の像ですか。
いや〜 美しい!
メルビン「この水神さまというのは
その正体は おそらく
水の精霊のことでござろうな。
メルビン「わが神とは ちがうようだし
かといって あの海底王とは
似てもにつかんでござるしなあ。
*「あわわわわ…… ここまで来たら
もどれなくなっちゃって……
わ〜ん 落ちるの こわいよ〜。
ガボ「どーせ 落ちたって
大したことないんだから 思いきって
落ちちまえば いいのにな。
*「や やっと 1ヶ月かかって
ここまで たどりついたはいいが
もう クタクタで 帰れないかも……
*「え? 私は コスタールの
防具屋かって?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「たしかに 私は 防具屋ですが…… *「……はあ? 石の板? *「いつもながら ことわりきれなくて *「あの人の 幸運に あやかりたいから *「まあ どうせ ガラクタだろうし *「あなたがたも どうせ 神父さんと *「カジノなどに 幸運をもとめるより |
いいえ |
*「なんだ 空耳か…… |
アイラ「今度は 神父さんか……。
なんだか たらい回しに
されてる気分だわ。
メルビン「地道な どりょくが
1ばんとは さすがに ここまで
上ってきた男でござるな。
メルビン「言葉に 重みが
感じられるでござるよ。
聖なる炎は あたたかく
そして チカラ強く
あたりを 照らしている。
メルビン「ここに来ると 光ゴケを
とりにきて 苦労した時のことが
思い出されるでござるな。
アイラ「ホビットたちも もう少し
洞くつのあさい所に 住んでいれば
たずねて来やすいのにね。
メルビン「ホビットはともかく
ここに 住んでいる人間は
息苦しくないのでござろうか?
アイラ「今では こっちが
コスタール城なわけね。
*「ここは コスタール城。
コスタールの港の民と
ホビット族のくらす 地下の楽園だ。
メルビン「なんと こんな所に
コスタールの城があるとは……。
じつに 奇妙でござるな。
アイラ「以前は 仲の悪かった
ホビット族と コスタール城が
今は いっしょになっているのね。
アイラ「それは すばらしいことだけど
なにも この洞くつを
お城にしなくても いいのに……。
*「この洞くつには 光りゴケっていう
私たちの太陽があるから いつも
明るく暮らせるの。
*「どうぞ ゆっくりしていってね。
*「ぼくの おじいちゃん
もうじき 永遠の眠りに つく。
でも 悲しんじゃだめだって。
*「おじいちゃん 幸せに
天国へ いけるからって
父さん いってた。
*「この国には ふたつの伝説が
あるのじゃ。
*「ひとつは かつて コスタールを
すくうために たたかった
最強の海賊の話。
*「もうひとつは また コスタールと
ホビットの祖先を すくった
旅の勇者の話。
*「この平和な世で わしらが
生きてこられた かんしゃの気もちを
忘れぬよう 語りつがれてきた伝説。
*「それらは わしら 皆の
宝物なんじゃよ。
*「最近は よく 旅の人が 王さまを
たずねてくるようになったねえ。
*「まあ あたしらの 王さまは
心の広い人だからさ。だれとでも
友だちに なれるんだけどね。
*「こう見えても はるか昔
わしらホビットは 人間を
きらっていたそうです。
*「なんでも コスタール王の先祖が
ホビットの姫と 結婚したはいいが
早くに 亡くしてしまったとか。
*「そのことが もとで お互いに
誤解が あったようなのですが
まあ はるか昔の話ですからね。
メルビン「いかな 悲しい事件も
時の流れが 全てを 過去へと
追いやってくれるでござるな。
*「あんたも うわさくらいは
聞いたことがあるだろ?
氷づけの 海賊船の話。
*「あれこそが かつて わが
コスタール王の先祖とともに
魔王と戦った 海軍なのだそうだ。
*「でも 伝説じゃあ 魔王がほろんだら
その呪いの氷も とけるはずだった
らしいけど。今は どうなんだろ。
メルビン「では 魔王さえ 倒せば
最強の海賊たちと 会うことも
夢ではないのでござるな。
*「あ いらっしゃいませ。
長老さま この奥。
長老「ほほう お前さんたちに
みなぎる そのチカラ。まるで
伝説の 旅の勇者のようじゃ。
長老「かつて コスタールの先祖が
のこした伝説を この城の学者が
研究しておる。
長老「コスタール王の 図書室を
たずねてみるといい。
メルビン「ほほう。
いかなる伝説でござるかな?
楽しみでござるよ。
*「ボクは いつか 父上のように
立派な王さまになって 伝説の
海賊船を さがすんだ!
*「そしてね マール・デ・ドラゴーンの
船と いっしょに 旅に出るの。
ぜったいだもん!
姫「あ〜あ。たいくつじゃなあ。
父上は コスタールの港からの
客人のお相手で いそがしいし。
姫「あたしも カジノとやらに
行ってみたいなあ。
ガボ「おんなじ 姫さんでも
リーサ姫なんかとは だいぶ
感じが ちがうんだな。
*「なんだか 最近 王さまを
たずねてくる お客さんが
エッチそうな人 ばかりのような……
*「そんな気がするけど たぶん
気のせいよね。
メルビン「な 何でござる なぜ
わしのほうを 見るでござるか?
*「カジノには 行ったかい?
コスタール王さまに たのめば
特別会員証を もらえるらしいよ。
*「ここから先は 光ゴケの入り江に
むかう 洞くつです。
*「われらの太陽 光ゴケのおかげで
こうして 洞くつでも
暮らすことが できるのです。
*「そして 光ゴケが この世にあるのは
はるか昔の 旅の勇者の
はたらきの おかげとか。
ガボ「へっへ。旅の勇者って
オイラたちのことだぜ。
ガボ「でも 光ゴケを 育てたのは
シュクリナさんなんだから いち番
えらいのは シュクリナさんだな。
*「北の大灯台には ここよりも
もっと こわい魔物がでるそうよ。
*「はるか昔 初代コスタール王は
魔王の手から 国をまもるため
最強の海賊と 手をむすびました。
*「しかし そのことは 魔王の怒りを
よび 海賊マール・デ・ドラゴーンは
永遠の呪いの氷づけに。
*「しかし 伝説の旅の勇者のかつやくで
魔王に封印された 国々も もとの
世界にもどり……
*「そして 魔王のチカラも すでに
つきており 世界は 今の
平和な姿を とりもどしたと。
*「それが 私が調べて だいたい
わかったことなのです。
が どうしても ふにおちない!
*「魔王が ほろんだのなら なぜ
海賊船の氷は とけないのでしょう?
それだけが わからないのです。
アイラ「マール・デ・ドラゴーンは
魔王の怒りを
かってしまったのね。
アイラ「私たちだって
もしかしたら……。 でも
おそれては いられないわ。
メルビン「わしには わかるでござるよ。
魔王は いまだ ほろんでおらず
どこかに かくれているのでござる。
メルビン「しかし いつか必ずや
見つけ出し 今度こそ わしの手で
倒してくれるでござる。
ガボ「ううう……。
オイラ むずかしい話を 聞いてると
アタマ痛くなってくるんだよ。
アルスは 本だなを調べた。
本棚には コスタールの国と
伝説の海賊に まつわる歴史について
学者が 調べた書物が おいてある。
これを 読むより 直接
学者に話を 聞いたほうが
わかりやすそうだ…。
アルスは 本だなを調べた。
本棚には ホビット族の言語
ホビットの方言辞典が おいてある。
*「コスタール王の 玉座の間へ
ようこそ! 旅の方は いつでも
かんげい いたします。
*「人間と ぼくらホビットは
じゅみょうが すこし ちがうのさ。
*「ぼくらの方が 年をとるのが
すこし 遅くて…… つまり
人間より 長生きなんだよ。
*「だから いつかは 王妃さまと……
って 聞かなかったことに
しといてくれ。
*「うつら うつら……。
*「かつて わが お城に仕えた
偉大なる 楽士は 海賊の総領とも
旅を共にされたとか。
*「さぞや いろいろな経験をつまれ
すばらしい曲を おつくりに
なったのでしょうね。
アイラ「今の話の 偉大な楽士って
過去のコスタールで 会った
ふしぎな楽士さんのことよね。
アイラ「たしかに すばらしい曲を
聞かせてくれたわね。
*「王さまは ちょっと
変わったお方ですが
気になさらないでくださいね。
王妃「私は この王の妻。
つまり コスタールの王妃です。
王妃「王さまは いつも ふざけたお方と
思われがちですが
これは 表向きのお姿。
王妃「本当は ご先祖さまの血を引いて
とても 勇気がある 勉強家で
いらっしゃいますわ。
アイラ「勇気があって 勉強家……。
とても そうは見えないけど……。
アイラ「でも 王妃さまが
そう言うからには きっと
そうなんでしょうね。
ガボ「ふへえ。
今のコスタール王の奥さんも
ホビットなんだなあ。
*「コスタール国へ ようこそ。
こんな 洞くつの中に 城があって
おどろかれたであろう。
*「どうぞ ごゆっくりなさるといい。
王「やっほ〜 旅のお客人!
元気に カジノしてる?
王「あそこは わしの先祖が
旅人や 海賊たちのために ひらいた
娯楽場だから よっていってよね。
王「そらっ わしからのプレゼント!
特別会員証を あげちゃおう!
アルスは コスタール王から
カードのようなものを うけとった!
アルスは 特別会員証を 手に入れた!
王「いやあ 平和っていいよね!
メルビン「おお。これで ついに
わしも 特別会員でござる!
うれしいでござる〜。
アイラ「な なんだか 明るい王さまね。
昔のコスタール王とは ずいぶん
性格が ちがうみたいね。
ガボ「今のコスタール王って
おもしろいヤツだなあ。
オイラ こっちのほうが 好きだぞ。
*「あら あなたがたは
特別会員の方ね。じゃあ
パフパフしましょうか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「じゃあ 目をつぶっていてね。 *「じゅんびは いい? *「どうだった? 私のラッパ。 *「お客さんの運が あがる |
いいえ |
*「あら パフパフしないの? |
ガボ「な〜んだ パフパフって
ラッパ鳴らすことだったのか。
アイラ「……まあ いいわ。
アルス 早く 行きましょう。
メルビン「き 期待はずれでござる〜。
*「え? うちの主人に
会ったんですか?
*「まあ! 大灯台の最上階に
たどりついてた ですって?
*「おやまあ あの お人よしの夫も
すてたもんじゃ ないわねえ。
帰ったら お祝いしなくちゃ。
ガボ「大灯台のてっぺんまで
のぼるのって お祝いするほどの
ことなのかあ……。
ガボ「だったら オイラたちも
お祝いしてほしいぞ。
神父「くっ また 負けてしまった。
信者たちの 大切な お金を
私は…… あ! ご……ごほん!
神父「な なにか 用ですかな?
教会のおつとめならば るすばんの
シスターに……
神父「は? 石版?
な なんのことですかな?
神父「わたしは たいへん 忙しいので
これで失礼します。
ではっ!
ガボ「アルス〜。
神父さん にげちまったぞ。
追わなくていいのか?
*「神父さまったら もどられるなり
寝こんでしまって いったい
なにが あったのでしょうか。
*「最近は 教会の ご自分の机の下で
ごそごそ なさったりして
様子も おかしいですし……。
神父「うう…… 急に熱が……
頭痛が……。
神父「私は 知りません。
なにも 知りませんぞ。
メルビン「神につかえる身である
神父でさえ ついつい
ギャンブルで 失敗をする……。
メルビン「人間とは かくも
弱いものでござる。
アルスは 目の前の 机の下を
調べた!
なんと 机の下には 石版のかけらが
かくされていた!
アルスは ふしぎな石版?を
手に入れた!
アイラ「勝手に 持っていくなんて
なんだか 悪い気もするけど……。
アイラ「あの神父さん 石版なんて
知らないって 言いはるし
仕方ないわよね。
メルビン「やれやれ ようやく
石版を 手に入れることが
かなったでござるな。
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