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ガボ「わっ! オイラ ただでさえ
耳がいいのに こんな でかい滝の音
聞いてたら たまんないぞ。
メルビン「砂漠の南というのに ここは
なんともいえない 冷気が
ただよっているで ござるな。
アイラ「滝の音が すごいわ。
こんなものが 自然のチカラで
作りだされるんだから 不思議よね。
アイラ「あっ 冷たいっ! 海の水が
はねて ここまで 飛んできたわ!
まるで氷水みたい..。
メルビン「砂漠の南に こんな洞くつが
あったとは なんとなく ただならぬ
気配を 感じるでござる。
アイラ「あっ! もしかして あの
底に見えるのが コスタールで聞いた
伝説の船!? でも どうして…。
メルビン「あれに 見える巨大な氷は
コスタールで聞いた 海賊船!?
しかし 呪いは とけておらぬようだ。
アイラ「コスタールで 聞いた 海賊船が
こんなところで 氷づけに
されてるなんて 信じられないわね。
メルビン「あれに 見える巨大な氷が
もしや コスタールで聞いた
海賊船では ござらんか!?
*「ちょっと前までね ここで
大声で叫ぶ でっかい金ピカの
骨が見れたんだよ。
*「だけど それはニセモノだって
バレちゃって だれも
ここに 来なくなったんだ。
*「センセが 骨を持ったまま
帰ってこなくなっちゃったのねー。
*「あれさえあれば ニセモノなんて
使う必要なかったのにねー。
ホント これ残念ねー。
*「せんせぇが いなくなってからも
人を増やして ここの発掘を
つづけていたんだ。
*「そしたら 地下から空洞が
現れてな。しかも 中には
人が作ったような物がある。
*「知らねえ学者が いろいろ
調べてるが……くそっ! これを
せんせぇに 見せたかったぜ……
*「いやあ おどろいたよ。
いつものように つるはしを
振りまわしてたら 地下に穴が……
*「しかも 中には過去に人のはいった
あとがある……。う〜ん これぞ
太古のロマンってヤツだな。
*「見学の方ですか。
この洞くつを見て
どう思われますかな?
*「石像があるということは
かつて ここには人が入ったことが
あるとしか思えません。
*「しかも その大穴は……
私たちを 呼んでいるのか
はねつけようと しているのか……
*「とにかく 中がどうなっているのか
わかるまで 穴のそばには
近づくべきでは ないですな。
ガボ「どうせ アルスのことだから
あの穴に 入ろうって
思ってんだろ?
ガボ「う〜ん…… オイラとしては
今 あんまり 暗い所には
行きたくねえ 気持ちだぞ。
メルビン「たとえ 人々が入ることを
ためらう穴とはいえども わしらは
中に 入るべきでござる。
メルビン「人々が 危険な目に
あうのを 未然のうちに防げるやも
しれんで ござるからな。
アイラ「地下に 突然 現れた
大穴か……。たしかに
危険な香りのする 話ね。
まがまがしい 石像だ。
ガボ「早く 神さまを復活させて
どんな姿なのか 見てみてえな。
アイラ「次に もどる時は
トゥーラの弾き手を 見つけた後と
思ってたのに……。
メルビン「どうやら この様子では
いまだ 神の祭壇のありかは
わからぬようでござるな。
*「アイラの旅なら オレも いっしょに
行きたかったけど 妻が いるから
そうもいかないんだ。
*「あんたたち アイラが
色っぽいからって 変な気を
おこすなよ。
*「とくに そこの きどった あんた!
なんか スケベそうだなあ。ああ
オレも おともが できれば…。
メルビン「失礼な!
わしが スケベそうじゃとは……
ず 図星でござる!
*「おお アルスさん。
トゥーラの弾き手について なにか
てがかりは ありましたか?
はい/いいえ | |
---|---|
はい/いいえ |
*「ほう そうですか。 *「はるか昔 世界をおそった |
族長「おお アルスどの。
皆さんには たいへん
感謝しておりますぞ。
族長「あなたがたと 旅を ともにして
アイラも すこしずつ
成長している様子。
族長「本来の目的は 弾き手の子孫を
さがすことだが アイラのためにも
旅が 勉強になっておるようですな。
アイラ「わたし そんなに
成長したのかしら?
自分じゃ よくわかんないわね。
アイラ「たしかに 剣のウデは
あがったみたい だけどね……。
*「アイラが 心をこめて 儀式の
踊りを 踊るには やはり
大地のトゥーラが 必要でしょう。
*「それを 弾きこなせるのは
神にみとめられた 弾き手の
一族だけと 聞きます。
*「しかも 体力も気力も
じゅうじつ した 若者だけが
弾けるのだとか…。
*「アイラよ。この 時代に 神の復活が
必要なら きっと その 種となる
子孫も 残されているはず。
*「それが 神の意志であり
われらが一族が 生き残った
理由でも あると 考えましょう。
アイラ「おばあさまの 言う通りだわ。
きっと どこかに 弾き手の血筋は
残されているはず……。
アイラ「あきらめずに 探せば
いつか 見つかるわよ。
*「清きころも と 大地のトゥーラ
神を まもりし 巫女の
しるしは…
*「その者たちに きざまれ
復活への 宿命を せおう
さだめとなろう…
*「私たちの 古文書に残された
言い伝えの 歌よ。
メルビン「しるしは きざまれる……?
何やら 意味深でござるが いったい
どういう意味でござるかな?
アイラ「清き衣と 大地のトゥーラは
神を復活させる ふたつの神器。
アイラ「神の復活に まつわる歌なのは
まちがいないんだけど その意味は
まだ 正確には わからないのよ。
*「ボク さいきん
フエを吹く 練習を してるんだよ。
*「それで じょうずになって
トゥーラの弾き手と アイラの踊りに
あわせて フエを吹くんだ!
アイラ「フエの練習もいいけど
あの子 剣の修行は ちゃんと
やってるのかしら?
*「ウ〜イッ… 昼間から
よっぱらってばかり ってのも
なんだかなあ…。
*「よしっ オレも いっぱつ
トゥーラの けいこでも
やるか… ヒック!
*「一族の若者で 古文書のオキテを
今でも 大事にしてるのは
若者では アイラだけだったわね。
*「同じ 一族の生まれで ありながら
なんとなく アイラには
個性的な ふんいきが あって…
*「だからこそ 踊りにも
みりょくが あるんだけどね。
*「もう この地に来て
1年ちかくも たってしまったな。
*「この 西の海には かつて
神の祭壇があったと 古文書には
たしかに 記されているらしいが…
*「もし それが 本当の話なら
何者かが 祭壇を
かくしたっていうのか?
*「じっさい 神さま以外に
そんなこと できるヤツが
どこに いるってんだよな。
アイラ「そう……。
わたしたちが ここに来て
もう そんなに たったんだ……。
アイラ「ユバールの長い歴史の中でも
ひとつ所に 1年もとどまったのは
めずらしいことだわ。
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