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アルスは 立て札を 読んだ。
”はじめての人
かんげい!”
*「私は 世界の どこかにあるという
最強の武器 防具を もとめて
旅をしてる者だ。
*「言い伝えでは 4人の精霊たちが
それらを作ったと言われているが
どこまで本当のことなのか……。
*「まるで 手がかりがないというのも
さびしいものよのお……。
ガボ「なんだか リファ族のみんなも
元気にしてる みてえだな。
*「最近 族長さまが 毎日のように
教会に まいりますわ。
*「じつの娘を リファ族ではないと
いつわっていたことを よほど
気に病んでおられるようです……
族長「お…おお! アルスさんたち!
また 谷においでくださるとは!
族長「あれから 谷はすっかり
もとの生活を 取りもどしました。
アルスさんたちの おかげです。
族長「どうやら フィリアも 私の
じつの娘であることを 心から
よろこんでくれているようです。
族長「あの子に もう二度と
肩身のせまい思いは させません。
今 ここでお約束しましょう。
族長「それでは またこの谷に
おいでください。会える日を
楽しみに していますよ。
アイラ「族長さんも どうやら
気持ちを 入れかえたみたいね。
アイラ「これなら きっと
フィリアも しあわせにしてるに
ちがいないわ。
*「おやおや。アルスたちかい。
なんだい 久しぶりじゃないか。
*「フィリアがね 最近変わったのさ。
なんでも いろいろ勉強したいとか
言い出してね。
*「旅の商人に ワケの分からない本を
たのんだりしてるけど
いったい 何を知りたいのかね……
メルビン「フィリアどの いったい
何を学んでいるので ござろうな?
メルビン「何を 学んでいるにせよ
きっと フィリアどのなら
それを ムダにしないでござろう。
*「フィリアと あそぼうと
思ってたのに フィリアってば
また 花摘みに行ったのかしら?
*「フィリア!
花を摘みに 行くんだろ?
フィリア「うん。
*「だったら ボクが ガケの上まで
連れて行ってやるよ。
飛んで行けば あっと言う間さ。
フィリア「ええっ。
そんな…… いいよ。
私 こわいもん。
*「こわいことなんて ないよ。
よし じゃあ行くよ。
ちゃんと つかまっててな。
フィリア「う…うん。
*「はあ……。
ダメかあ〜……。
フィリア「だから ホントにいいってば。
私 好きだもん。歩くの。
*「う〜ん……。
ごめんな フィリア。
アイラ「あはははは!
どうやら 男の子たちとは
仲直りが できたみたいね。
フィリア「あっ! アルスさんたち!
また ここに来てくれたのね!
フィリア「神の石が なくなってから
ときどき 風が止まるように
なってしまったけど……
フィリア「みんなも 地面を歩くことに
だんだん なれてきたみたい。
フィリア「だから 今 風が止まっても
たぶん あの時みたいなことには
もう ならないと思うよ。
フィリア「これも アルスさんたちの
おかげだね! 谷のみんなも
すごく 感謝してるよ!
*「女の子ひとりも
つれて飛べないなんて……。
なんだか なさけないよなあ……。
*「スー……スー……。
*「ときどき 風が止まってしまうから
最近は毎日 こうして
歩く練習もしてるのよ。
*「こう毎日天気がいいと 一時期でも
あれほど 空が暗くなったことが
信じられませんな。
*「神殿にある 精霊の像さまが
この谷の風を 守っているなんて
ちっとも 知りませんでしたよ。
*「フィリアひとりくらい
ガケの上まで はこべないなんて
だらしないヤツだなあ。
*「だけど ぜったいに
手伝ってなんかやるもんか!
*「あんなに いばってた男の子たちが
今じゃ フィリアちゃんに
頭が 上がらないみたい。
*「それはそうよね。フィリアちゃんと
アルスさんたちは
この谷の 恩人なんですもの。
メルビン「ふむ……。この場所は
無人になったでござる。
ガボ「だ〜れも いないし……
アルス こんな所にいても
つまんねえだけだぞ。
アイラ「雲がないだけで
ホントに キレイな神殿ね。
メルビン「神殿を取り囲んでいた
巨大な黒雲が なくなったで
ござるな。
メルビン「この地が 平和になった
何よりの あかしでござるな。
アイラ「みんな しあわせそうな顔を
してるから ここって
すごく 居心地がいいわ。
ガボ「この神殿って なんだか
やけに 広いよな。
ガボ「歩いてるだけで オイラ
つかれきっちゃうぞ。
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