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メルビン「うむ。魔物もおらんし
平和なようでござるな。
よきかな よきかな。
メルビン「アルスどの。
せっかく ここまできたでござる。
村も のぞいてゆくでござる。
アイラ「山や森は あいかわらずか。
シャレた お店でも
できてるかと思ったけど。
ガボ「へへへっ このへん
オイラが住んでたとこと
にてるよなっ。
ガボ「木が いっぱいで
でっかい山があって。
う〜ん おちつくなあ。
メルビン「まったく ちかごろの子供は
ぶつぶつぶつ。
メルビン「おお! アルスどの。
これは失礼した。
いやあ いい天気でござるな!
アイラ「広場のまんなかに たしか
石碑をたてるんだって
言ってたじゃない?
アイラ「どうせだから ちょっと
見てかない? アルス。
ガボ「ふんふん。あんまし前と
かわってねえなあ。
山ん中だから しかたねえか。
*「やーい! やーい!
リフのうそつきぃーっ!
*「うそつきー! うそつきー!
リフ「うそついてないよ!
ぼくの おじいちゃんは……。
*「じゃあ おじいちゃんも
うそつきだったのよ!
うそつきリフ!
リフ「うそじゃないよ!
*「じゃあ 村長さんや
おれのとうちゃんや みんなが
うそつきだってのか?
リフ「それは……でも……。
*「うそつきリフ!
あんたなんかとは だーれも
あそんでくれないわよーだ!
*「いこうぜ!
*「うん!
リフ「だって……うそじゃないよ。
死んだおじいちゃん うそなんて
つかなかったよ……。
リフ「でも……みんなは……。
リフ「…………。
メルビン「ううむ ひきょうでござる!
たったひとりに よってたかって!
むむうっ。
メルビン「アルスどのっ!
子供たちに ビシっと
おこってやりたいでござる!
ガボ「なんだよ あいつらっ!?
よってたかって ひでえぞ!
かわいそうじゃねえか!
アイラ「子供のケンカ……だけじゃ
なさそうだと思わない?
ちょっと 気になるね。
*「アオォーンッ!
*「まま? ままはおでかけよ。
*「見ねえ顔だが 子供らの
ともだちか なんかか?
*「ガキどもは いつものとおり
村長さんちの下の
ガラクタ置き場に いるぞ。
メルビン「村長どのの家の下 とは
どういうことで ござろう?
行って たしかめるでござる。
アルスは 立て札を 読んだ。
”偉大なる 神父さまの村へ
ようこそ!
お泊まりは こちら!
*「さあ〜て 今日は何を
作ろうかねえ?
*「どうです! カウンターのウラも
ピカピカでしょ?
毎日 みがいてるんですよ。
*「見えないところだって
そうじの 手をぬいたり
してませんからね。
*「あら 旅の方ね こんにちわ。
ここはレブレサックの村。
*「いだいな神父さまの伝説を
かたりついできた村よ!
*「かつて この村を救いし奇跡を
ぜひ 聞いておゆきなさい。
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「かつて この山は魔物によって *「霧の中から おそいくる *「さあ! そこへあらわれたのが *「神父さまは 村を守るため *「村人は よろこび *「どこからか あらわれた旅人が *「村人は チカラをあわせ *「旅人がにげだすと なんと! *「そのうえ 神父さまも *「そう。旅人こそが 魔物の手先 *「そして 神父さまは ほかにも *「この村を 出ていったのです。 *「それから ずっとこの村では |
いいえ |
*「……ま ムリにとは |
アイラ「ウソをついてるって ふうにも
見えないし……。
もうちょっと 調べてみましょう。
メルビン「……うーむ。村のみなは
まちがった話を すっかり
信じているようでござるな。
メルビン「しかし われらが悪者に
されているとは どうも
気分が悪いでござる。
ガボ「ちょっとヘンじゃねえか?
オイラたち 神父さまに
悪いことなんか しなかったぞ!
アルスは 石碑をしらべた!
そこには 古ぼけて かすれた文字で
こう きざんであった……。
”その身を 魔物の姿にかえて
村を守った 神父さまを
われわれは……。
なぜか ここから 新しい石を
つぎたした上に 文字がきざまれている。
”心から あいしていた。
”ところが ある日やってきた
魔物の化身が 神父さまを
殺そうとした。
”われわれは チカラをあわせ
神父さまを 守った。
”われわれは 神父さまへの感謝を
忘れることは ないだろう。
石碑には そう きざまれていた。
しかし なぜか土台の石とは
色が ちがうようだ……。
アイラ「ずいぶん 村につごうよく
なってるじゃないの。
気に入らないなあ。
アイラ「あれ? 文字の所と 土台は
別の石で 作られてる……。
ははん そういうこと。
メルビン「アルスどの わしは
年のせいで 目がおかしく
なったのでござろうか!?
メルビン「こ このようなことが
書いてあるはずは ないでござる!
おかしいでござる!
ガボ「なあ 下のほうと上のほう
石の色 ちがってるぞ。
あんま かっこよくねえなあ。
*「にゃーご。
*「へえ。この村は大昔 魔物に
ひんどい目にあわされましてなあ。
*「それを お助けくださった
神父さまを おまつりしております。
ありがたいこって。
*「木こりの家のリフは どうも
ホラふきのクセがあって
いかんのう。
*「あそこの家のモンは みんな
ホラふきの血すじなのかのう。
まったく。
アイラ「木こりの家……もしかして
村の入り口で会った
あの子のこと?
ガボ「木こりんちに ホラッキが
住んでんのかあ。
ガボ「なあ ホラッキって なんだ?
*「村が こうして平和なのは
伝説の神父さまの おかげ。
*「今でも 村のものは みーんな
感謝しているんですよ。
*「う〜ん やっぱりこのへんに
ひきだしが ほしいなあ。
ガラクタ置き場で もらってくるか。
*「いやあ ついこのあいだ
この村に ひっこしてきたんですが
なかなか かたづかなくてね。
*「しかし 村のガラクタ置き場にある
家具は 自由に使っていいだなんて
ふとっぱらな 村だよなあ。
*「ガラクタ置き場?
ああ 村長さんの家の 下ですよ。
丘の上にあるから すぐわかります。
ガボ「ガラクタ置き場かあ。
なんか おもしろいモンねえかな。
なあ 行ってみねえか?
アルスは 本だなを調べた。
”シェフ・グルメッチのお料理読本
”わたし グルメッチの手に かかれば
どんな材料でも たちまち
すばらしい 料理になるが……
”それでも やはり 伝説の肉
超しもふり肉の味は かくべつだ。
”その マイルドで デンジャラスで
スイートで パンチのきいた味には
魔物さえ メロメロになるのだ。
”王や 貴族でも めったには
食べられない 超しもふり肉。
思い出すだけで ヨダレが出る。
アルスは タンスの中を
調べようとした。
しかし うら側からは
タンスの中は わからない。
アルスは 立て札を 読んだ。
”いらっしゃいませ
旅の 道具屋は テントの中!
*「この村には 昔えらーい神父さまが
いたんですってね。
*「村の人たち いまだに神父さまを
おまつりしてるそうじゃないですか。
えらいよなあ。
アルスは 立て札を 読んだ。
”みんなの ガラクタ置き場
ただし 村民専用
*「ダメダメ! 今は ぼくたちが
あそんでるんだ。
なかまじゃない子は 入れないよ!
*「……どうしてもって いうなら
ちょっと みんなにきいてみるから
また あとできなよ。
アイラ「ふふふ 子供だけの
ヒミツのあそび場ってわけね。
小さいころ 思い出すなあ。
ガボ「ダメって 言われると
なーんか 気になるよなっ。
あとで また来るかあ。
*「う〜ふ〜ふ〜ふ〜ふ〜。
あなたたち〜ジャマなのよ〜。
*「あ〜ら ごめんなさあ〜い。
ちょっと お花の虫を
とってたんです〜。
ガボ「……あの ねえちゃん
なんか ブキミだぞ。
アイラ「ヘンな人……。
だんろの上には 大きなオノが
かざられている。
村長「やや! これは旅の方ですな。
レブレサックへ ようこそ!
村長「この村には けだかい神父さまと
ゆうかんな村人たちの
伝説があります。
村長「かつて魔物たちが 村を
苦しめたとき それを救った
けだかい 神父さま。
村長「そして 神父さまが魔物に
殺されかけたのを たすけた
ゆうかんな 村人たち!
村長「神父さまと われらの先祖は
村のほこりです。うむ!
村長「われわれは いつまでも
この伝説を かたりついでいこうと
思っております。
*「これは 旅の方ですね。
ごきげんよう。
アルスは 本だなを調べた。
「よい 村長となるには」
「よくわかる 村長学入門」
「村人の心をつかむ10の方法」
……などという本が 並んでいる。
*「おや こんな山奥に旅人とは
めずらしい。
……えっ?
*「ええ 息子のリフなら
さっき 帰ってきましたが。
それがなにか?
*「おや こんな山奥に旅人とは
めずらしい。
なにもない村ですが ごゆっくり。
リフ「ぼく ウソなんて ついてないよ!
リフ「あっ ごめんなさい。
……えっ!? ぼくの話
ききたいの?
リフ「…………えっと えっとね。
ぼくの家だけ 村のみんなと
しってる話 ちがうんだ。
リフ「おじいちゃんも そのずっと前の
おじいちゃんも 言ってた。
リフ「神父さまに ひどいことしたのは
村の みんなのほうだって。
旅の人は わるくないって。
リフ「でも 村のみんなは
ちがうっていうんだ。
ぼくたちが ウソつきだって。
リフ「ぼくも おじいちゃんも
ウソなんて ついてないのに……。
リフ「それとも みんなのほうが
ただしいのかな。
ぼく ウソつきなのかな。
リフ「……だって だれも
信じてくれないんだもの。
リフ「ごめんなさい。
聞いてもらって ちょっとだけ
げんき でてきたよ。
リフ「だれも あそんでくれないから
さみしかったんだ。
ありがとう またきてくれる?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
リフ「ありがとう! えへへ |
いいえ |
リフ「そうだね 旅の人って |
ガボ「おかしいよなあ。
なんで ウソのことが ホントに
なっちまってんだ???
ガボ「オラたちが ちゃーんと
話してやれば 村の大人も
信じてくれねえかなあ?
メルビン「村の石碑が なにやら
うさんくさいでござる。
メルビン「どなたか 村の代表に
石碑のことを きちんと
聞いてみるでござる。
リフ「おじいちゃんも そのずっと前の
おじいちゃんも ずーっと
言ってたんだ。
リフ「神父さまに ひどいことしたのは
村の みんなのほうだって。
旅の人は わるくないって。
リフ「でも 村のみんなは
ちがうっていうんだ。
ぼくたちが ウソつきだって。
リフ「ひとりだけ ちがうとこわいんだ。
みんなのほうが 正しいんじゃ
ないかっておもうんだ。
リフ「昔のこと 知ってる人がいて
ホントのこと わかったらなあ……。
メルビン「リフどのの ためにも
村のみなに 真実をあきらかに
するでござる!
メルビン「それにしても リフどの。
なんと けなげな……うっうっ。
アイラ「ねえ この家って
もしかして ルカスが住んでた
家じゃない?
アイラ「あの子だけは ちゃんと
わたしたちのこと忘れないで
くれたんだね。
ガボ「リフんちは ずっと
ほんとのこと おぼえてんのに
村のやつら 聞いてくんないのか。
ガボ「むこうのほうが
ウソついてるくせに ひでえよな!
アルス ハラたたねえか!?
*「リフの話を 聞いたんですか?
……たしかにわが家には すこし
ちがう伝説が 伝わっています。
*「わたしも 小さいころは
みんなのほうが まちがっていると
思っていました。
*「けれど 多くの人々が信じるものが
世の中 正しいことになる。
真実が どうであろうと。
*「……リフも 大きくなれば
わたしのように わかるでしょう。
きっと ね。
*「うちは昔からずっと
木こりをやっています。
*「ご先祖さまから 伝わる話は
村の伝説とは ちがっていますが
それが なんだというんです?
*「 多くの人々が信じるものが
世の中 正しいことになる。
真実が どうであろうと。
*「……リフも 大きくなれば
わたしのように わかるでしょう。
きっと ね。
アルスは 墓石を調べた。
”冒険者ヌルスケの墓 とかかれている。
アルスは 墓石を調べた。
なんと 5枚の小さなメダルを見つけた!
アルスは 5枚の小さなメダルを手に入れた。
アルスは 墓石を調べた。
”偉大なる 神父さまの墓
アルスは 墓石を調べた。
墓の文字は かすれていて
なんと書いてあるか わからない。
アイラ「神父さまが 出ていった時と
そっくり そのままに
なってるみたいね。
アイラ「ホント いろんなことが
あったけど 神父さま
元気だといいね。
ガボ「クンクン……。
まだ ちょっとだけ
神父さまの ニオイがする。
ガボ「へへっ なつかしいな。
メルビン「あるじを うしなった教会は
さみしいもので ござるなあ。
メルビン「いつの日か 神父さまが
この村に もどる時がくれば
よいのでござるが……。
*「この教会は 伝説の神父さまが
いらしたころのまんまに
残してあるんですよ。
*「まいにち 村の女たちが
交代で おそうじしてるんです。
アルスは 本だなを調べた。
本だなには 古びた聖書と 神学の本が
きちんと おさめられている。
*「この教会には かつて
けだかい神父さまが くらして
いらっしゃいました。
*「わたくしたちも 修行をつみ
いつかは 村を救った
神父さまのように なりたいものです。
村長「やや! これは旅の方ですな。
レブレサックへ ようこそ!
村長「この村には けだかい神父さまと
ゆうかんな村人たちの
伝説があります。
村長「かつて魔物たちが 村を
苦しめたとき それを救った
けだかい 神父さま。
村長「そして 神父さまが魔物に
殺されかけたのを たすけた
ゆうかんな 村人たち!
村長「神父さまと われらの先祖は
村のほこりです。うむ!
村長「われわれは いつまでも
この伝説を かたりついでいこうと
思って……。
村長「……えっ?
村長「村の いいつたえが
まちがっていると!?
またまた ごじょうだんを。
村長「……なんと! 村の石碑が
すりかわっていると いうのですか?
村長「なにを バカなことを!
そんなこと あるはずがない。
話になりませんな。
村長「村の いいつたえが
まちがっているなど
まったく 考えられませんな。
ガボ「うーんと昔のこと
バッチリわかるようなモンが
どっかに あればなあ。
ガボ「そしたら 村長さんも
オラたちやリフのこと
信じてくれるよな!
アイラ「わたしたちが あの時
その場にいたって言えれば
話は はやいんだけどね。
アイラ「あははっ 信じてくれるわけ
ないだろうしね。
他の方法を 見つけないと。
メルビン「この村のどこかに きっと
正しい歴史を 伝えるものが
あるでござる! さがすでござる!
*「きみたち もしかして
中に はいりたいのか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「う〜ん どうしよ。 *「いっこ やくそくできる? *「サザムがね サザムとぼくたちの *「いい? |
いいえ |
*「なーんだ つまんないの! |
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「うん! じゃ おいでよ! |
いいえ |
*「なーんだ つまんないの! |
いいえの場合
メルビン「アルスどの 村の中を
すみずみまで しらべるでござる!
まずは ここからでござる!
アイラ「なんとなく この中が
気になるのよね……。
ガボ「なあ この中
な〜んか におうんだよ。
オイラ 入ってみてえなあ。
*「うーん うーん……。
ダメだ おもくって
もちあがらないや。
*「サザーム!
あたらしい 子分たち
つれてきたよっ!
サザム「ん?
サザム「あっ そうだっけ。
ごめんごめん。
サザム「よーし ごくろう!
もちばに もどってよし!
*「うん!
サザム「よーし きたな!
あたらしい 子分たちよ!
サザム「ぼくは サザム!
この村のこどもたちの
だいひょう なんだぞ!
サザム「あたらしい 子分たちよ!
よろしくな!
サザム「あのさあ おまえたち
ちょっと コレ ほりだすの
てつだって くれないか?
サザム「宝物を うめようとしてたらさ
なにか みつけたんだ。
でも おもくて ほりだせなくて。
サザム「きっと 大事なものだ!
ワクワクするだろ!
なっ いっしょに ほりだそうぜ!
サザム「もちろん てつだって
くれるよなっ?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
サザム「よおし まかせたぞ! |
いいえ |
サザム「なんだよ 親分のいうこと (ループ) |
アイラ「うーん こんなことしてる
場合じゃないんだけどなあ。
ま しょうがないか。
ガボ「オイラ こういうの
とくいだぞ!
へへへっ まかせとけ!
メルビン「神の英雄と よばれし
このわしが 子供の子分とは……。
なさけないでござる。
アルスは 本だなを調べた。
”村長 ポエム集
”空は 青い。
青いは リンゴ。
リンゴは うまい。
”うまいは わしのポエム!
なーんちゃって!
だっはっはっ。
*「なに してるの?
宝物が うまってるのは
こっちじゃないわ。
*「はやくしないと サザムに
おこられちゃうわよ!
*「きみたちなら サザムより大きいし
きっと 宝物を ほりだせるよ。
*「がんばってね。
*「う〜ん…。
アルスは 目のまえの
大きな穴を のぞいてみた。
穴の底には なにかが
埋まっているようだ。
ほりだして みますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
アルスは 穴の底に なんと 古びた石碑を みつけた! |
いいえ |
(何も起こらない) |
サザム「おっ みつけたな!
なんて かいてあるんだ!?
よんでくれよ!
アルスは サザムに
古びた石碑に きざまれた
文章を 読んでやった。
そこには こう書いてあった……。
”その身を 魔物の姿にかえて
村を守った 神父さまを
われわれは 殺そうとした。
”神父さまを 魔物の手先と
うたがい 村中の みなで
殺そうとしたのだ。
”神父さまこそが われわれを
守ってくれていたというのに。
”われわれの あやまちは
旅人たちのおかげで ふせがれたが
罪は 消えることはない。
”われらは いつまでも
このあやまちを 忘れてはならない。
”そして 旅人と神父さまへの
感謝の心も……。
サザム「…………。
サザム「……なんだって?
*「ねえ それ リフがしてたのと
おんなじ 話じゃない?
*「じゃあ もしかして リフ……。
サザム「…………。
サザム「でも みんな 大人の人
ちがうこと いってるじゃないか!
サザム「でも……昔の人は
リフと おんなじこと
いってる……。
サザム「……むかしの 村長さん
かくしたって かいてあった。
そのほうが 村のためだって。
サザム「ほんとのことを かくした?
それで ずーっとみんな
ウソ いってたの?
サザム「ほんとのこと いってたのに
ぼくたち リフに……。
サザム「よし! みんな!
大人の人に おしえよう!
サザム「みんな てわけして
大人に ほんとのこと
おしえてあげるんだ!
サザム「よーし いくぞ!
村長「なんと! 古い石碑が
この家の地下に
かくされて いたと!?
村長「まさか…… すみませんが
ちょっと見せてください。
アルスは 村長に
古びた石碑を 見せた!
村長「むう…… なんと!
これは……。
村長「…………。
村長「どうして こんなものを
残しておいたのだ!
今さら……。
村長「……ははははは。
村長「あっはっは!
いやあ たしかに
広場の石碑とは ちがいますな。
村長「ですが 村のためには
こんなものは あっては
ならないのです。
村長「こんなもの あっては
ならないんですよ……。
村長「フーッ!
さて 何の話でしたかな?
おお そうか 旅立たれますか!
村長「それはそれは お気をつけて!
ごきげんよう!
ガボ「ちっくしょーっ!
村長さん なんで古い石碑
こわしちまったんだよっ!?
ガボ「ほんとのこと わかったのに
なんで あんなことすんだ?
オイラ くやしいぞっ!!
アイラ「真実は 闇の中……か。
アイラ「みんな この先も ずっと
まちがった歴史を
信じていくのかな。
メルビン「あやまちをみとめる勇気も
大切と 思うでござる。
メルビン「村長どのの 立場では
いたしかたないとも 言えるが
どうも スッキリしないでござる。
村長「広場の石碑が
まちがって いるですって?
そんなこと ありませんよ。
村長「われわれ 村人が
伝説の神父さまを 殺そうと
するなんて ありえません!
村長「だいいち 何ひとつ昔のものは
のこっていませんから
たしかめようもない!
*「子供たちって ほんとうに
とんでもないことを
考えつく ものですわ。
*「わたしたちの祖先が
神父さまを 殺そうとしたなんて
ウソに きまってます!
*「……おこられちゃった。
*「大人の人 だぁれも
しんじてくれないのよ。
わたしたちが ウソつきだって。
*「……ぐすん。
*「みんな ウソつきだっていうんだ。
ぼく ウソついてないのに!
*「ぼく リフのきもち
いまなら ちょっとだけ わかるよ。
サザム「ぼくたち ウソはいってない。
でも 大人の人は
だれも 信じてくれなかった。
*「あたし どなられた。
きょうは おやつ なしだって。
*「ぼくも あたま たたかれた。
ウソつきには おしおきだって。
サザム「みんな おこるんだ!
いいかげんなこと いうなって!
……なんでだよ。
サザム「リフの お父さんだけ
ちゃんときいてくれたけど……。
サザム「でも ほんとうのことでも
ウソにしなくちゃ
いけないことも あるって。
サザム「村のみんなが ウソを
しんじてるなら
ウソが ほんとになるんだって。
サザム「……そんなこと いうんだ。
サザム「お父さんも お母さんも
いっつも ウソつくなって
いってたのに!
サザム「なのに なんでだよ。
サザム「……なんでだよお。
*「リフ!
リフ「……サザム ぼくに用事って?
サザム「ぼくたち リフのこと
ウソつきじゃないって
わかったんだ。でも……。
サザム「リフは ウソつきじゃないって
大人の人に いっても
しんじてくれなかった。
リフ「…………。
サザム「でも まけないんだ。
サザム「ぼくたち 大人の人には
まけないんだ。
ウソは ウソだって いうんだ。
サザム「たくさんの人が ウソを
信じてても ぼくたち
ほんとのこと いうんだ。
サザム「……リフが ひとりぼっちで
できたんだもん!
ぼくたちは ひとりじゃないもん。
サザム「だから……。
リフ「なあに?
サザム「これまで ごめん。
もうウソつきって よばないから
また いっしょにあそぼうぜ!
サザム「きが むいたらで いいからさ。
*「あそぼうよ リフ!
リフ「…………。
リフ「ありがとう。
……えへへっ!
サザム「子分たちも ありがとう!
おかげで ぼくたち
リフと なかなおり できたよ。
サザム「また こいよ!
いつでも あそんでやるよ!
きをつけてな!
ガボ「リフも サザムも
なかなおりしたんだな。
よかったなあ。
アイラ「きっと リフたちが
これからは ほんとのことを
伝えていってくれる。
アイラ「がんばっただけのことは
あったわけだ。
まあ よかったじゃない?
メルビン「子供たちに 真実が
伝わったのが せめてもの救い。
よかったでござる。
リフ「えへへ みんながきてから
いいこと ばっかりだよ!
ありがとう!
*「なかなおりできて すごく
よかったの。
*「リフを なかまはずれに
してるときね ずっとね
ごはん おいしくなかったの。
*「とうちゃんに たたかれたけど
とうちゃんのいうことは
きかないんだ。
*「ぼくも ほんとのこと
わかったから ぜったい
ウソは しんじないんだ。
*「リフって すごいよね。
ひとりぼっちでも すーっと
がんばったんだもん。
*「ちょっと かっこいいよね。
※すーっとは誤字?
*「みんな なかよしのほうが
たのしいわ!
*「あはははは! まてー!
サザム「ぼくたち みんな
大人のひとには まけない。
サザム「村に おこった
ほんとうのこと ずーっと
ぼくたちが つたえていくんだ。
リフ「みんなが ちがうことをいって
ひとりぼっちに なっても
ぼくが まちがってるわけじゃない。
リフ「ほんとうか どうかは
たくさんいるか どうかとは
ちがうって ぼく わかったんだ。
*「まったく! ガキどもは
なにを くだらんことを
言ってるんだ!!
*「みつけたら タダじゃおかんぞ!
*「ええと ベッドはやっぱり
こっちのカベがいいかな?
うーん まようなあ。
*「いやあ ついこのあいだ
この村に ひっこしてきたんですが
なかなか かたづかなくてね。
*「このテント ちょっといいでしょ。
まえに 旅先で会った
ユバールの人に もらったんですよ。
*「くるっと たためば
すごく小さくなって はこぶのも
ラクだし テントっていいもんですよ。
アイラ「ふふっ なつかしいね。
みんな 元気にしてるかなあ。
メルビン「うーむ これはべんり。
ユバールどのは なかなか
知恵者でござるな。
*「子供たちは どこからか
本当のことを 知ったようですね。
*「これから 子供たちは
村の大人たちに ずっと
ウソつきだと いわれるでしょう。
*「……むかし わたしが
そう言われたようにね。
*「けれど もしかしたら……。
*「子供たちが 村の未来を
変えていけるのかも しれない。
*「できれば そうなってほしいと
わたしは 思うのですよ。
*「今は 村の大人たちの 言葉が
真実だということに なっている。
*「多くの人々が信じるものが
正しいと みな そう言っている。
けれど いつかは……。
*「……リフが 大人になった時には
きっと村は 変わっている。
そう 思うのですよ。
*「むにゃむにゃ 神さま
どうか子供らを おゆるしください。
*「子供らは きまぐれに
ウソをついてる だけなんです。
むにゃむにゃ。
*「えっと えっと リフもサザムも
ウソついてるの?
*「んだ。あいつらの言うこたぁ
ぜったい ホンキにしちゃ
なんねえぞ!
*「はあーい。
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