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※このシナリオ順だとマリベルがいないが、いる前提でセリフを記載
アイラ加入とギガジャティス入手はマリベル離脱後に可能となる
メルビン「ラグラーズとマーディラス
ふたつの国は あの後
どうなったのでござろうなあ?
ガボ「山があって 海もあって
遊ぶ場所いっぱいで いいよな!
マリベル「あいかわらず山ばっか。
つまんなーい。
ガボ「アルス せっかくだから
誰かと 話してみようぜ。
ガボ「んで この国の名物料理とか
おしえてもらうんだ! へへ〜っ。
メルビン「世はすべて事もなし。
うむ! 平和がいちばんでござる。
マリベル「みんなヒマそうで
うらやましいわね。
マリベル「あたしたちは 命がけで
旅してるってのにさ。
*「音楽を 愛する
文化の国 マーディラスへ
ようこそ 旅の方!
マリベル「おんがくぅ〜!?
そんなモノ 何の役にたつっての?
*「ラララ おお〜旅人よ〜
ようこそ〜マーディラスへ〜。
ルルルラ〜。
*「ここは〜 音楽の都〜。
ルルル 今日の出会いを祝い〜
歌おう〜 ラララ〜
ガボ「音楽ってなんだ?
すんごい強いのか? それ。
マリベル「あんたバッカじゃないの?
音楽ってのは 歌とかのことよ!
そーんなことも知らないのお〜?
ガボ「なんだよ! オ オイラだって
そのくらい 知ってたもんねーだ!
*「ワワワワーン!
*「国いちばんの楽師 ヨハンは
気まぐれで なまけ者ですが
その師には 頭が上がらないとか。
ガボ「ここって 昔ディノさんが
住んでたとこ だよな。
マリベル「国中 みんな
ヨハン ヨハンって
ずいぶん 有名じゃないの。
マリベル「まっ あたしだって
エスタード島に 帰れば
負けちゃいないけどね。
*「いらっしゃいませ。
ここは 楽器の店です。
*「お城に とうろくされた
おかかえ楽師さんたちの
楽器を しいれています。
メルビン「本当に この国は
音楽を大事にしているでござるな。
マリベル「楽器の店なんかに
なんの用だっての?
*「この楽器は どれも一流品ばかり。
ほんとうは 目の とびでそうな
値段 なのですが……。
*「姫さまの 命令で
じっさいの 半額で 楽師さんに
売っているのです。
*「もちろん あとの半分は
姫さまが 出してくださいます。
なんとも すばらしい お方です。
机の上には 様々な楽器が
かざられている。
*「ポロン……ポロロン……。
ああ どうもうまくいかない。
*「わたしも ヨハンのように
トゥーラがうまく
ひけるようになりたいよ。
メルビン「日々の精進は大切でござる。
お若いのに 感心でござる。
ガボ「おんがくってのも いろいろ
大変なんだなあ。
マリベル「ヨハン?
その人 カッコいいかしら?
マリベル「ここって たしか
王立魔法研究所だったとこよね。
ずいぶん変わったもんだわ。
メルビン「王立魔法研究所が 今では
人々の 集う店とは。
時の流れを感じるでござるなあ。
ガボ「おっ! いろいろお店がある!
なあなあ 見てこうぜ アルス!
*「この国じゃあ いくら体を
きたえても 何にもならない。
*「女の子に モテるのは
歌や楽器がうまいやつ
おどりの うまいやつ……。
*「あ〜 ちっくしょう!
うらやましいっ。
*「旅のつかれを いやすには
酒が いちばん!
さあ 飲んでってください。
*「ヨハンのやつ ウハウハじゃのう。
このじいにも ひとりくらい
わけてくれんかのう。
*「はあ〜 今日はトゥーラを
ひいて くれないのかしら。
*「彼のトゥーラって すごいのよ。
聞いてると しぜんに
体が おどりだしちゃうの。
メルビン「う〜む……。
メルビン「いやその ちっとも
うらやましくなんか
ないでござるよ アルスどのっ!
*「ねえねえ あたしのために
曲をつくってくれるって
やくそくして〜!
*「わかったよ たのしみにしてな。
*「きゃーんっ う・れ・しー!
マリベル「信じらんない!
あんなヤツの どこがいいわけ!?
*「うーん 昼間っから飲む酒が
いちばん うまいぜ。
……ん?
*「おっ 知らない顔だな!
おれは ヨハン。
国いちばん いや世界一の楽師さ。
ヨハン「まあ けいきづけに
いっぱい やりなよ。
ハハハハハ!
マリベル「なによ アイツ!?
昼間っから お酒なんか飲んで!
ロクなヤツじゃないわね!
メルビン「世界一の楽師とは また
大きく出たものでござるなあ。
一度 演奏を聞きたいでござる。
ガボ「ヨハン 世界一なのかあ。
すげえなあ。
ヨハン「おれは トゥーラって楽器が
いちばん とくいなんだ。
ヨハン「このあたりじゃ おれより
うまいやつは いないだろうな。
*「この下は かつてここが
王立魔法研究所とよばれていた
そのときのままに なっています。
*「見学されるのでしたら
ご自由に どうぞ。
ガボ「なあ ついでだから
この下の階も 行ってみようぜ!
マリベル「この下で あのロクでもない
魔法の研究してたのよね。
よぉ〜く 覚えてるわ。
*「この場所では かつて
王の命により
最強の魔法を研究していました。
*「しかし それも過去のこと。
*「今のマーディラスは 芸術。
ことに音楽を 重んじ
人に 安らぎをあたえています。
メルビン「たしかに 平和の世には
魔法は無用のものやも
知れぬでござる。
メルビン「まことの 平和なら……。
ガボ「ふ〜ん ゲージュツって
いろいろ 役にたつんだな。
オイラも なんかやってみよっと。
かつて 魔法の研究をした
道具が かざられている。
*「かつて マーディラス王ゼッペルは
行きすぎた戦争の果てに 魔法で
みずからの姿を 魔物に変えました。
*「そのチカラは すさまじく
マーディラスの城をも
たやすく 壊してしまうほど。
*「結果 ふたつの国は 和平をむすび
ゼッペル王は 魔法のかわりに
絵を はじめたそうです。
*「芸術こそが 人の心をいやす。
戦いに つかれた王は
そう 考えたのです。
*「王にならい 国民もみな 芸術を
あいするようになりました。
それからは 平和が続いています。
*「ぼくって たてごとの才能が
ないのかなあ。
いっつも まちがえるんだよね。
*「わたし この人の演奏で
おどるのが いちばん好きなの。
*「あんまり上手じゃないところが
なんていうか 味があるのよね。
*「ようこそ! ここは われらが
グレーテ姫さまの ファンクラブです。
あなたも 入会なさいますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「では あなたは 今日から *「会員には 姫さまの ごくひ情報を |
いいえ |
*「そうですか。 |
*「あっ! 会員の方ですね。
残念ながら 最新の 姫さま情報は
まだ 入手できて いないんですよ。
*「また来てくださいね!
*「料理も 音楽みたいなものさ。
ハーモニーが たいせつなんだ。
*「愛情 味 見た目
すべてが そろって
おいしいって おもえるのさ。
*「ふしぎな音楽をかなでる
民族がいると
船乗りに 聞いたことがある。
*「家をもたず 旅から旅へ
テントで暮らしているとか。
変わっとるのう。
*「この国は むかし魔法を重んじ
戦争を くりかえしていましたが
今は ちがいます。
*「音楽を 大切にする
平和な国と なったのです。
メルビン「魔法ではなく音楽を か。
それも ひとつの道でござろう。
*「あなた 音楽は 好き?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「よかった! |
いいえ |
*「あら そう。 |
*「ルルル〜 うーん 今日は
のどのちょうしが わるいねえ。
ルル…… ゴホゴホゴホ。
*「ふうふう。
毎日の洗たくも 楽じゃないわ。
*「ゼッペル王さまの時代なら
魔法で 洗たくも カンタンに
できたんでしょうねー。
*「こう 年になると
洗たくも しんどくてねえ。
*「休み休みでないと
やってられませんよ。
*「にゃにゃにゃにゃーん。
*「ル ル ルルルルル〜!
ガオーッ!!
*「ふふふ 今日もオレの歌声は
さいこうだぜ!
となりのアホとは ひとあじちがう!
ガボ「ワンワン! アオーン!
オイラだって 負けねえぞ!
マリベル「サイッテー!
な〜にが ひとあじちがう よ!
*「おれっち 体 きたえてるッス!
となりのヤツには まけないッス!
ラララ〜!
マリベル「あ〜っ うるさいっ!
アルス あいつ だまらせてよっ!
ガボ「やっぱ 体きたえるのが
音楽なんだな。ふーん。
*「この国で やとってもらおうと
わざわざ やってきたのだが……。
*「歌も歌えないような兵士は
いらないと いわれてしまった。
これから どうしよう……。
メルビン「歌の歌えない兵士は
やとわぬとは これまた
おかしな話でござるなあ。
ガボ「歌って そんなすげえもの
だったのかあ。
オラ 知らなかったよ。
マリベル「歌が歌えたって
ムリなんじゃないの?
*「まったく ヨハンのやつめ。
今日も れんしゅうを
さぼって あそびに行ったな。
*「おや お客さまですかな?
もうしわけないが 楽師ヨハンは
今は でかけておりましてな。
*「いつになったら もどるやら。
まったく……ぶつぶつ。
メルビン「この楽師どの 見るに
ひとかどの人物ではないかと
思うでござる。
ガボ「あのじっちゃん ヨハンの
飼い主なのかな?
マリベル「バカね 飼い主じゃなくて
家族って言うのよ!
動物じゃないんだから!
ガボ「ちょっと まちがえただけだろ!
マリベル「ヨハンって この家に
住んでるのね。
家は たいしたことないじゃん。
*「この国 いちばんの楽師
ヨハンは わたしの弟子です。
*「腕はいいのだが どうにも
なまけグセが ありまして。
こまっております。
アルスは 本だなを調べた。
本だなには 古びた日記があった。
日記には こう 記されていた……。
”あの日 この子を 託されたのも
この子の トゥーラの才能も
天が定めた 運命かもしれぬ。
”この子は トゥーラに愛された子。
ならば わたしの持つ 技術
知識のすべてを この子に。
”きっと わたしは そのために
この世に 生を 受けたのではと
そんな気が するのだ。
アルスは 本だなを調べた。
本だなには たくさんの楽譜が
ならんでいる。
*「しってる!?
この国で いちばんえらい人は
グレーテさまっていうんだ。
*「おしろの おひめさまなんだよ!
メルビン「ほほう 姫君が
この国を 治めているとは。
ぜひ お会いしたいでござるな。
ガボ「グレーテって人
ゼッペルさんと同じくらい
強いのかなあ。会いてえな!
マリベル「おひめさまねえ。
ま あたしのほうが かわいいに
決まってるけどね。
メルビン「いつ見ても絶景でござるなあ。
ガボ「オイラ ここ 好きだ!
広くって高くって
すっげえ 気持ちいいよなっ!
マリベル「…………。
マリベル「べ べつに 高い所が
コワいわけじゃないからねっ!
メルビン「これだけ 大きな城となれば
中に仕えるものも多いはず。
メルビン「それを束ねるお方は
さぞや 大変でござろうなあ。
ガボ「このお城 広いからな。
迷わねえように しねえとな。
マリベル「グランエスタードのお城のが
ここより ずーっと立派よねっ。
アルス!
*「ここは マーディラスの王城だ。
わが国は 旅の者を
いつでも かんげいする!
*「旅に〜 疲れた こころ〜。
やさしく とろかす 歌声〜。
*「お〜お〜 旅人〜よ〜。
マーディラスへ〜ようこそ〜!
ガボ「へへっ。門番の人
おもしろいおっちゃんだな!
メルビン「か 歓迎の歌でござるか。
かたじけない。
マリベル「なんでも歌えばいいって
世の中って そういうモンでも
ないんじゃないの?
*「この国のあるじ グレーテさまに
会いにきたのなら
この扉のむこうへ すすむといい。
*「城の見学に きたのなら
左右の扉から 自由に
見てまわれば いいだろう。
メルビン「すごいコレクションで
ござるなあ。
さすが 音楽の都でござる。
ガボ「オイラの 見たことないものが
いっぱいあるぞ!
さわらして くんないかな?
マリベル「部屋中 楽器やら本やらで
いっぱいじゃない!?
グレーテ姫って 物好きよねえ。
*「この世の すべての音楽は
神にささげる 歌やおどりから
はじまったと いいます。
*「ある民族が それを
世界中に広めたとか。
*「神や 精霊をたたえる歌。
収穫を いわう 祭りの歌。
胸こがす 恋の歌。
*「歌には さまざまな種類が
あるのですよ。
アルスは 本だなを調べた。
本棚には たくさんの 楽譜が
ぎっしり つまっている。
アルスは 本だなを調べた。
「未整理の 楽譜なので
さわらないでください。
*「ここには 姫さまの命令で
めずらしい楽器や 歌の本を
あつめてあります。
*「王室にみとめられたものに
自由に かしだし
よい音楽を 作ってもらうためです。
*「新しい楽器の研究も
ここでは 行われています。
*「少しでも よい音を。
新しい 音色をと
日夜 はげんでおります。
*「わたしは 人々が
語りついできた 曲を
楽譜に のこしています。
*「おどろくほど 昔から
人間は 歌や 音楽を
作ってきた ものなのです。
机の上には トゥーラや
さまざまな楽譜が おいてある。
床には さまざまな
打楽器が おいてある。
トランペットが おいてある。
机の上には 大きなタンバリンが
おいてある。
アルスの 背たけよりも
大きなホルンが おいてある。
*「歌うたいや 詩人がたなんて
食が ほそいだろうと
思ってたら とんでもない!
*「ヒイ……フウ……。
おおいそがし ですよ!
*「三度のメシより おどりが好き!
……でも おどると
おなかが すくのよねえ。
*「ねー ごはん まだあ?
*「魔法とは 見えないチカラで
ものごとや 人のこころを
動かすもの。
*「歌もまた 魔法のひとつと
いえるのでは ないでしょうか。
*「かつて この国が
魔法に チカラを注いでいたころ…
*「国中の者たちが 魔法をおぼえ
魔法の修行を していました。
この部屋は そのなごりです。
*「この国は昔 マーディラスと
ラグラーズという ふたつの国に
わかれて 戦争をしていた。
*「ふたつの国が 和平をむすび
ひとつの国になってからは
兵士の数も ぐんとへったのだ。
*「わたしの 歌声は
飛ぶ鳥も落とすと 言われています。
*「だから お城の守りに
くわわっているんです。
……フクザツ!
*「せっせ せっせ。
いつ お客さまが きてもいいように
おそうじ しておかなくちゃ。
*「この下には 罪人を閉じこめている。
話がしたいなら 牢屋ごしに
話しかけるといい。
*「ちっくしょう あの宝箱
どうなってやがるんだ!
*「カギをあけることに かんしちゃ
*「オレの腕は 天下いっぴんよ!
今まで開かなかった カギはない。
*「なのによう オレさまのテクでも
どうにもなんねえ 宝箱が
あったのよ。
*「おまけに モタモタしてたら
このとおり つかまっちまった。
あ〜 あの宝箱の中身が気になるぜ。
ガボ「宝箱……宝箱……。
アルス なーんか
思いださねえか?
マリベル「単に コイツの腕が
悪かっただけじゃないの?
負け犬の 遠ぼえってやつね。
*「花や 水や 空の
けして かざりたてない
うつくしさ……。
*「歌も そのようにありたいと
おもうのですよ。
*「グレーテさまと 長老がたが
この国を おさめています。
*「グレーテさま お若いのに
まいにち お仕事ばかりでは
さぞ きゅうくつでしょう。
*「あ〜あ〜 水面にうつる〜
ボクの〜顔の〜
なんという〜 うつくしさ〜。
*「ラララ ウットリだ〜。
*「うつくしきグレーテさまの
おめしものは すべて ここで
作られます。
*「姫さまのため 毎日 一着ずつ
ドレスを ふやしております。
ガボ「服なんて 着なくったって
ヘッチャラなのになあ。
こんな いっぱい どうすんだ?
マリベル「ここのドレス ぜんぶ
グレーテって子のものなのお!?
なんか ムカつく!
ごうかなドレスが ならんでいる。
*「あたしも たくさん
お洋服が ほしいな。
グレーテさまが うらやましいわ。
メルビン「わしには どの服も
同じに見えるでござる……。
*「ぱたとんとん ぱたとんとん。
はたおりのリズムで
なにか歌が 作れないかねえ。
*「ぱたとんとん ぱたとんとん。
……ぐう。
ぱたとんとん……はっ!
*「……ほほほ 達人に なりますと
眠っていても はたおりができます。
ぱたとんとん ぱたとんとん。
マリベル「……寝てたくせに。
*「国を おさめる仕事で
おいそがしい 姫さまの
いこいの 水辺です。
*「旅の方には かかわりない場所。
おもどりなさい。
*「この部屋は グレーテ姫さまが
水あそびを される場所。
しもじもの者は 立ちさるがよい。
*「奥に いらっしゃるのが
グレーテ姫さまで ある!
*「えっけんを のぞむならば
失礼の ないようにな!
*「あれと これと それと
今日中に グレーテさまに
決めて いただかなくては。
マリベル「なによ バッカみたいっ。
こいつら 自分で考えるってこと
知らないわけぇ!?
ガボ「なんか知んねえけど
ずいぶん いそがしそうだなあ。
*「あの件は グレーテさましだい。
この件は グレーテさまに
まかせて……と。
*「ふむふむ のこりの件も
グレーテさまの意見を聞いて。
ふむふむ ふむふむ。
メルビン「姫君の肩に この国は
かかっているのでござるな。
ご立派でござる。
大臣「ほほう 旅の者だな。
マーディラスの あるじ
グレーテさまに あいさつするといい。
ガボ「じいちゃんは いいからさ
お姫さまと ちょっと
話して みねえか?
メルビン「まずは 国のあるじに
ごあいさつをするのが
スジという ものでござろう。
*「この階段の下には
グレーテさまのお部屋がある。
むやみに 出入りせんようにな。
*「うむ。旅の者じゃな。
わらわは グレーテ。
このマーディラスの あるじじゃ。
グレーテ「わが国は 音楽を重んじ
また 旅の者にも
ひろく 扉をひらいておる。
グレーテ「よき音楽で 旅のつかれを
ぞんぶんに いやすとよい。
……フウ。
グレーテ「……ん?
グレーテ「おお!
グレーテ「そのほう わらわと同じ
年ごろと みた!
おお うれしや!
グレーテ「毎日 毎日
としよりどもの 相手ばかりで
ウンザリして おったのじゃ。
グレーテ「わらわと 同じ
ピチピチの おはだじゃ!
うむ! うむ!
グレーテ「そのほう 名は
なんと申すのじゃ?
ガボ「ガボッ!
メルビン「わしは メルビンと申す。
おさなき身で 国を おさめるとは
まこと あっぱれな姫さまでござるな。
アルスは グレーテ姫に
自分の名前を おしえた!
グレーテ「ほう。よい名じゃ。
して なにゆえに
旅をしておるのじゃ?
マリベル | マリベル「……ってワケよ。 |
ガボ | ガボ「……ってことだ! |
メルビン | メルビン「……というわけでござる。 |
グレーテ「うらやましいのう。
わらわは しばらく
城の外へも 出ておらぬ。
グレーテ「ふむ……よし!
ひさびさに 出会った
ヤングな そちたちに ほうびじゃ!
グレーテ「アルスたちを 今から
わらわの 友にしてやろう!
どうじゃ うれしいじゃろう!
いいえを選んだ場合のみ | |
---|---|
いいえを選んだ場合のみ |
グレーテ「うれしくないと申すか!? |
グレーテ「うむ。ではアルスたちは
今日のこの日より わらわの友。
よろしゅうたのむぞ。
グレーテ「これからも 気がるに
わらわを たずねるとよい。
旅の話を 聞いてやろうほどに。
グレーテ「アルスも
わらわを 真実の友と思い
なんでも 相談するとよい。
グレーテ「わらわに できることなら
チカラとなってやろう。
グレーテ「わらわは 心が広いゆえ
ちょくちょくきても
いっこうに かまわぬぞ!
グレーテ「わが友 アルス!
いつでも このグレーテ
旅の無事を いのっておるぞ!
メルビン「おたがいに おたがいを
助け 導きあう。
美しい 友情でござるな。
ガボ「トモダチ! トモダチ!
えへへっ うれしいな!
マリベル「お姫さまの 友だちかあ。
ちょっと 気分いいわね。
グレーテ「なんじゃ?
わらわに あそんでほしいのか?
悪いが 今はダメじゃ。
グレーテ「国の しごとで
目がまわりそうに いそがしい。
また今度 立ちよるとよい。
大臣「おお これはこれは。
姫さまの お友だちのみなさま。
ごきげんうるわしゅう。
大臣「国のため とはいえ
まだ遊びたいさかりの 姫さまが
まいにち 仕事ばかり。
大臣「つねづね おかわいそうだと
案じておりました。
大臣「みなさま どうか
姫さまを よろしくおねがいします。
マリベル「一日中 仕事ばっか……。
うぇ〜っ。
考えただけで ゾッとするわ!
カベには コンニャクのような
灰色の物体の絵が かざられている。
”マーディラスの お城
グレーテ画
カベには 緑色の 怪物の絵が
かざられている。
”ピクニックに行った森
グレーテ画
*「昔は 音楽だけでなく
あらゆる げいじゅつを
重んじていたものです。
*「それが 音楽だけになったのは
……ここだけの話ですが
姫さまの せいですじゃ。
*「姫さまは おさなきころより
お歌や おどりは
じょうずでしたが そのほかは……。
*「国のあるじが キライなものを
なぜ 国が 大事にするのじゃ!と
おっしゃいましてね。
*「ホッホッホ それから この国は
音楽の都と なったのですじゃ。
ガボ「へぇ〜っ。昔の人たちは
歌いながら 絵 かいてたのか。
ややこしそうだなあ。
マリベル「わっがままー!
そういうことで 決めるのって
まるで ガキよねガキっ。
*「グレーテさま いい方なんだけど
たま〜に かんしゃくを
起こすのよね。
*「おばあちゃんに 聞いた話だと
この国の えらい人って
かんしゃくもちが 多かったって。
*「今日は かんしゃく起こして
テーブル ひっくり返さなきゃ
いいんだけど。
*「かつて ディノという神父は
つねに 王のおそばで
その心のささえと なりました。
*「われらも 姫さまを
かげながら お助けしたいと
思っております。
マリベル「ディノさんと 王さま
あの後は なかよくやったんだ。
よかったじゃない。
メルビン「神殿の 澄んだ空気は
おいしいでござるなあ。
ガボ「あの ながーい廊下
かけっこに もってこいだな!
こんど 競争しようぜ!
マリベル「アルス〜。
こんなとこに 何の用があんの?
神殿なんて つまんないわよ!
*「お〜お〜 いだいな〜神殿よ〜。
いにしえの〜魔法の国のなごり〜。
すぎさりし〜時〜。
*「お〜お〜 かがやきは〜
いまも〜かわらず〜。
人のこころ〜 かわるとも〜。
*「ここは マーディラス大神殿。
かつて魔法王国とよばれた
その時のまま のこっています。
*「ここに すっごい魔法があるって
聞いたんで はるばる来たんです。
*「しかし おかしな国ですよね。
国中みんな 歌ってるんだから。
*「この神殿には かつて
わが国が けんきゅうしていた
魔法が のこっています。
*「今では 魔法を学ぶものも
ほとんど いませんけどね。
マリベル「魔法は もう古いってことね。
だからって 音楽がいいとも
思えないけど。
*「あの まんなかの階段
どこに つづいてるんだろ?
フシギだなあ……。
メルビン「そういえば 城にも
同じような 不思議な部屋が
あったと思うでござる。
マリベル「まんなかの階段?
ははぁ〜 アレのことね。
マリベル「あたしは 知ってるけど
教えてあーげないっ。
*「国の まつりごとで
この神殿を つかうことも
あるんですよ。
*「なにせ 広いからねえ。
国中の人が あつまっても
ぜんぜん ヘッチャラです。
*「旅の方ですね。
神殿の扉は つねに
みなに 開かれております。
*「ここで お休みになりますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「それでは みなさまよい夢を……。 *「それでは お気をつけて。 |
いいえ |
*「そうですか。 |
神秘的な 石像が かざられている。
*「魔法は あらそいをよび
人を きずつける。
そう言った 王もいた。
*「しかし 魔法には もうひとつ
人をいやし 守るチカラも
そんざいするのだ。
*「この神殿では そうした
人を守るための魔法を
語りついで きている。
*「かつてのマーディラス王は
いだいな 魔法使いでもあったと
聞いています。
*「だれよりも 強く
そのチカラは 城をもたやすく
こわしてしまうほどとか。
*「ですが ある時から
魔法を使うことを
やめてしまったということです。
ナベの中には 何やら
あやしげな 液体が
ケムリを あげている。
*「魔法王国とよばれたころの
魔法研究所の なごりが
この部屋になります。
*「われわれは 古くよりつたわる
書物を ひもといて
魔法について 学んでおります。
*「この 神殿のどこかに
かつての大神官さまの
お墓が あるそうだ。
*「わが墓を もとめるもの
その知恵を しめせ とは
大神官さまの ゆいごん。
*「その墓には 大いなる宝が
かくされているとの 話だが
だれも 見つけられないのだ。
*「像より入りて 十字を切れ とは
大神官さまの お言葉だが
いったい 何のことなのか……。
メルビン「像……像……。
この神殿の中で 像のある場所とは
いかなる……ううむ。
ガボ「大神官って
あのじっちゃんか? 大好物の
おやつとか かくしてあんのかな?
マリベル「大神官のお宝ねえ。
探してみる価値はあるんじゃない?
アルスは 本だなを調べた。
本だなには 魔法の 研究書が
ぎっしりと つまっている。
アルスは 墓石を調べた。
”マーディラス 神官長の墓
アルスは 墓をしらべた!
そこには こう 書いてあった……。
”知恵あるものよ なんじに
さらなる知恵を さずけよう。
”わたし マーディラス大神官が
一生をかけて 研究した
きゅうきょくの 魔法……。
”もはや この国では
この魔法を使うものは いないが
後の世のために これを残そう。
”その身に かけられし
すべての呪文を うちけす
魔法……マジャスティス。
”願わくば 清き心のものが
これを 使うように……。
”マーディラス 大神官
アルスは マジャスティスを
おぼえた!
メルビン「見つけたでござるな!
おめでとうでござる。
ガボ「やったな アルス!
きっと すんげえ魔法だぞ!
マリベル「なーんだ 宝って
魔法のことだったの!?
つまんないのー。
*「この 神殿のどこかに
かつての大神官さまの
お墓が あるそうだ。
*「わが墓を もとめるもの
その知恵を しめせ とは
大神官さまの ゆいごん。
*「その墓には 大いなる宝が
かくされているとの 話だが
だれも 見つけられないのだ。
*「像より入りて 十字を切れ とは
大神官さまの お言葉だが
いったい 何のことなのか……。
メルビン「像より入りて 十字を切れ。
うむ! みごとな謎でござる!
さすが 大神官どの!
ガボ「じっちゃんのお墓の場所は
オラたちだけの ヒミツだもん。
このオッチャンには 教えなーい。
マリベル「ふふ〜ん あたしたちは
とっくに見つけちゃったわよーだ。
ガボ「あれっ?
オイラ ここの景色
どっかで 見たことがあるぞ。
ガボ「どこだったっけなあ……?
メルビン「ほほう?
なにやら 変わった家が…
テントでござるか。
ガボ「ああ そうだった!
ここ ユバールのテントだよ。
アルスも おぼえてんだろ?
*「シーッ!
今 いいとこなんだから
話しかけないでくれよ。
*「それにしても アイラの踊りは
なんか ぐっと くるものが
あるよなあ…。
メルビン「人前で どうどうと
のぞきをするとは
なんと ハレンチなやつ……。
メルビン「……そんなに よいものなら
わしも ちょびっとだけ
見てみたいでござるよ。
ガボ「……あれ? なんか 昔
同じようなことが あったような…。
*「おおっ こんなところに
旅人とは めずらしい。
*「本来ならば 丁重に
おむかえするのが われら一族の
ならわしですが…
*「今は 神聖なる 儀式の最中。
すみませんが 旅のおかた
しばし お待ちくだされ。
ガボ「テントん中から きこえる曲……
前にも きいたことがあっけど
そん時のほうが うまかったよな。
メルビン「よくは わからんが
たいせつな儀式の最中とあっては
仕方がないでござる。
メルビン「アルスどの。
また 後にするでござるよ。
*「おや 旅の人かい めずらしいね!
まあ あたしらも ずっと
旅人みたいなもんだけどさ。
*「でも ここに来てからは
けっこう長い間 落ち着いて
暮らしてるんだよ。
*「あたしたち ユバールの先祖は
かつて 魔王から 神を守るために
祭壇へ 封印したのさ。
*「それから いちどは 神を
復活させようとしたらしいけど
時期が早すぎて だめだったとか。
*「でも 今の 平和な世の中で
一族の言い伝えを 守りつづける
意味が あるのかねえ。
*「おれら ユバールは
もう なん百年も 前から
旅を つづけてきた。
*「まだ 魔王が生きていたころには
その手から のがれるために
西へ 東へ…。
*「そして 魔王がほろんでからは
神の復活への 言い伝えにある
祭壇を さがしつづけて来たのだ。
メルビン「ウワサには きいていたが
彼らが ユバールの民でござるか。
メルビン「苦しい旅をしながら
今も 神の復活を 待っているとは
見上げた人々でござる。
*「言い伝えによると この村の西に
山脈があって その向こうに
神の祭壇が あったといいます。
*「けれど 現実には ごらんの通り
いちめんの海。
*「私たちに 伝わる
古文書が まちがっていたと
いうのでしょうか。
ガボ「おかしいなあ。
昔はたしか こっから西に
山があったよな?
メルビン「アルスどのの話では
以前は たしかに 神の祭壇が
あったのでござろう?
メルビン「とすると 何かの原因で
地形が 変わったのでござるかな?
*「あ〜あ 早く 儀式
終わらないかなあ。
*「今日は アイラが 剣の
けいこを つけてくれる
約束だったのに…。
*「やれやれ 族長さまは
いつまで ここに
とどまるつもり なんだろうな。
*「神の祭壇のある 湖が
みつからないのに ただ じっと
待っていても しかたないよ。
*「あんたも そう思うだろ?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「そうだよな。だいたい 本当に |
いいえ |
*「えっ? あんた まさか *「なんで あんたたちが *「そもそも 見つけたからといって |
メルビン「むうぅ。
神の復活を 信じぬとは
なんと バチあたりな……。
ガボ「だって オイラたちは この目で
神の祭壇を 見たんだもんな。
ガボ「アルスも あのおっちゃんに
そう言ってやれば いいのに……。
*「おや? あなたたちって
一族の古文書に 書いてある
勇者に ちょっと にてるなあ…。
*「ま 気のせいでしょうけどね。
なんたって なん百年も昔の
話ですから。
*「ヒヒン…ブルルルッ。
*「ブルルッ…ブルルルン。
*「ヒヒ〜ン!
*「今日は 大事な 儀式の日
だっていうのに もりあがらないわね。
*「まあ かんじんのアイラが
乗り気じゃないんだから
無理もないけど。
*「それに ウデのいい
トゥーラの 弾き手だって
まだ 見つからないし…。
*「ボクたち 一族の代表となる
踊り手は 今回のアイラで
ちょうど10代目。
*「なかでも 2代目のライラという人は
もう かなりの踊り手だったらしい。
*「アイラは 伝説のその踊り手に
あやかって 名づけられたんだけど
いや とんでもない じゃじゃ馬さ。
メルビン「いやいや 若いおなごは
ちょっと じゃじゃ馬なくらいが
ちょうどいいんでござるよ。
ガボ「へえ。
あの ライラがいた時代から
そんなに たってんだな。
ガボ「今も ユバールの人たちが
残ってるってことは キーファが
みんなを 守ったってことか?
机には 古代の楽譜のようなものが
のせられている。
*「こうして ウデのいい トゥーラの
弾き手を おまねきする じゅんびは
しているんだけど…
*「伝説の弾き手のような人は
なかなか みつからないの。
ガボ「伝説の弾き手って
ひょっとして ジャンのことかな?
ガボ「アイツが 弾くトゥーラは
いい音がしたもんなあ……。
*「儀式は まだ終わらぬようです。
すみませんが もうしばらく…
うん?
*「おおっ 終わるようですな。
でも ちょっと 早かったような…
*「どわっ!?
*「待ちなさい! アイラ!
まだ 儀式は 終わっておらぬ!
*「な なにが あったんです?
族長さま…。
ガボ「さっき 飛び出していった
ねえちゃんよう……なんか
なつかしいニオイが したぞ。
メルビン「チラッと 見ただけでござるが
先程 飛び出していった おなご…
なかなか 色っぽい美人でござった。
*「アイラの踊りって ホント
ぐっとくるものが あるよなあ。
*「儀式の とちゅうで
とびだすとは まったく
アイラにも こまったものです。
*「よもや 族長さまの トゥーラが
気に入らぬわけでも あるまいに。
*「かつて 勇者のはたらきにより
魔王の封印からのがれた 人びとは
生きのこり やがて 世界は平和に…。
*「けれど いつか また 魔王の存在が
人間たちを おびやかす日が
くるやもしれません。
*「そのためにも われわれには
オキテを守り 神を復活させる使命が
あるのです。
*「それには 年老いた私に かわって
踊り手となれる アイラの才能が
必要なのですが…。
メルビン「先程の美女…アイラどのが
神を復活させるための 儀式の
踊り手なのでござるか。
メルビン「ぜひ 踊っているところを
見てみたいでござるな。
ガボ「世界を 平和にした勇者って
何者なんだろ?
ガボ「メルビンは 石っころに
なってたんだから ちがうよな。
*「おお 旅のおかたじゃな。
これは みぐるしいところを
お見せしたのう。
*「まったく アイラは なにが
気に入らんというのか…。
*「こうして わしが みずから
トゥーラの弾き手も
かって でているというに。
*「一族を代表する 踊り手を
名誉と 思わんとは これも
時代というもの なのかのう。
ガボ「族長のじっちゃんには 悪いけど
トゥーラ弾くんだったら
ジャンの方が うまかったよな。
*「おやおや また アイラは
とびだして いっちゃったみたいだね。
*「アイラの 才能は 誰もが
みとめてるんだけど かんじんの
本人が あの調子じゃねえ。
*「アイラの気持ちも わからないでも
ないよ。だって この平和な世界で
はるか昔のオキテを 守れなんて…
*「今どきの 若いもんには どだい
無理な話だよ。
ガボ「ユバールのオキテって
きびしいそうだな。きっと
オイラには とても守れねえよ。
メルビン「今どきの 若い者でも
アルスどのたちは 別でござるな。
メルビン「昔の若い者とて なかなか
アルスどの のような
できる男はいなかったでござるよ。
*「アイラの ウソつき! 儀式が
おわったら 剣のけいこの
約束だったのに…。グスン。
*「おや トゥーラの音が
とまったようだけど ぎしきは
どうなったんだ?
はい/いいえ | |
---|---|
はい/いいえ |
*「えっ? アイラが とびだしたって? *「あいつは 踊りはうまいけど *「どちらかといえば 踊り手よりも |
メルビン「踊り手にして 女剣士とは
なんとも 勇ましいことでござる。
メルビン「下手に エッチなことを
したりしたら きっと
ただでは すまんでござるな。
*「昔 一族の仲間だった
伝説のトゥーラの 弾き手って
ジャンって いう人だったらしいの。
*「でも なぜか オキテをやぶって
一族から 追放されたんですって。
*「その人の トゥーラなら アイラも
きっと きもちよく
踊れたでしょうにね。
メルビン「アルスどのたちは
そのジャンというトゥーラ弾きを
知っているのでござるか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
メルビン「さすが アルスどのは |
いいえ |
メルビン「そうでござるか。 |
ガボ「おう ジャンか!
アイツが トゥーラを弾くと
ホント いい音がしたよなあ。
*「アイラは 踊りもうまいし
いい女だと思うんだけど
じゃじゃ馬なのが 玉にキズだな。
*「だいじな 儀式の とちゅうで
とびだしたりして また 西の
がけっぷちにでも 行ってるんだろ。
ガボ「西のがけっぷちかあ……。
なあ アルス!
ちょっと 行ってみようぜ。
*「いいにくいけど アイラは きっと
族長さまの トゥーラが
気に入らないのよ。
*「なんでも 昔は ウデききの
弾き手が いたらしいけど なぜか
一族を 出ちゃったんですって。
*「そのあと しばらくたってから
さがしたんだけど ぜんぜん
見つからなかったらしくて…。
ガボ「たしかに ジャンのほうが
族長のじっちゃんより ずっと
トゥーラ弾くの うまかったもんな。
ガボ「あのねえちゃんが 演奏を
気に入らねえってのも わかるよ。
メルビン「それほどの ウデききならば
ユバールの民を ひきいる立場にも
なれたであろうに……。
メルビン「その弾き手どのは
どうして 一族を
出てしまったのでござるかな?
*「うーん やっぱり どこか
似てるなあ。
*「伝説の 選ばれし守り手となる
剣士を かつて われらのもとに
つれてきて下さった 勇者…。
*「古文書に 書かれていた
その姿かたちが アルスさんに
にてるんですけど…。
*「ま 気のせいですよね。
なんたって なん百年も昔の
話ですから。
メルビン「ふむ ピンと来たでござるよ。
どうやら その古文書の勇者とは
アルスどののことでござるな。
メルビン「となると 伝説の守り手は
話に聞く アルスどのの友人
キーファ王子でござるか……。
メルビン「アルスどののご友人は
ユバールの守り手として 立派に
使命を 果たしたようでござるな。
ガボ「へっへ。
アルス 勇者に似てるってよ。
照れるんじゃねえか?
ガボ「はへっ?
オイラ なんか 変なこと言ったか?
メルビン「アルスどの。
ひょっとして アイラどのを
お探しでござるか?
メルビン「アルスどのも なかなか
スミに おけんでござるなあ。
ガボ「さっき 飛び出していった
なつかしいニオイの ねえちゃん
どこに 行っちまったのかな?
メルビン「ほほう 絶景でござるな。
ガボ「うひょっ!
すごい 見晴らしだなあ。
アイラ「だれっ!?
アイラ「あら な〜んだ。
さっき 私たちの村を
たずねてきてた 旅の人ね。
アイラ「てっきり 村のだれかが
追いかけてきたのかと思ったわ。
アイラ「こんにちは。 わたしは
ユバール一族の アイラ。
旅の人が わたしに 何か用?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
アイラ「はは〜ん さては 族長さまに |
いいえ |
アイラ「あら 用もないのに こんな アイラ「ごまかしたって だめよ。 |
アイラ「でも おあいにくさま。
わたしは 踊り手のあとつぎに
なるつもりは ないの。
アイラ「悪いけど わたしのことは
ほうっておいて ちょうだい。
じゃあね。
メルビン「むう…神を復活させる儀式の
踊り手が あの様子では
神の復活は 先のようでござるな。
ガボ「アイラねえちゃん あんなとこで
何やってたんだろうな?
アルスは 墓に きざまれた
文字を 読んだ。
”神の踊り手 そして 守り手の
一族 ここに 眠る。
*「アイラったら ここに来てから
いつも 心 ここにあらず
っていう感じなのよ。
*「もしかしたら 自分で ウデのいい
トゥーラの 弾き手を さがしに
行きたいんじゃないかしら。
メルビン「トゥーラの弾き手でござるか…
しかし それほどのウデの者が
今の時代に いるでござるかな?
*「アイラは 西のがけっぷちに
いただろ?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「あの がけっぷちには この地に *「オレたち ユバールは 死んでも |
いいえ |
*「えっ いなかった? |
メルビン「ユバールの一族は
ずっと 旅を 続けているから
墓を 作る習慣がないのでござるな。
メルビン「しかし 墓がないのでは
ちょっと さびしいでござる。
ガボ「へえ。
あの墓って アイラの親のなのか。
ガボ「じゃあ アイラねえちゃん
さっきは 墓まいりしてたんだな。
*「ぐうぐう…。
*「アイラは 本当は すごく
踊りが 好きなんだと思うよ。
*「でなきゃ あんなに
みりょくのある ダンスを
踊れるわけないよ。
ガボ「アイラは 踊るのが好きだから
踊りが うまいのかあ。
ガボ「そうだよな。
オイラも メシ食うの好きだから
食うの 早ええもんな。
メルビン「アイラどのの踊りは
それほど よいのでござるか。
メルビン「むうう。
あの時 わしも のぞかせてもらえば
よかったでござるよ。
*「うちの人ったら よく
族長さまのテントを のぞいて
アイラの 踊りを 見てるんです。
*「神聖な 踊り手に あこがれて とか
いっているけど 本当は エッチな目で
見てるんじゃないかしら。
メルビン「神聖な踊りを エッチな目で
見るとは ゆるせんでござるな。
メルビン「その点 わしならば きっと
純粋な心で 見られるでござるよ。
*「おれら ユバールは
もう なん百年も 前から
旅を つづけてきた。
*「世界の どこかにある 神の祭壇を
見つけ 神を復活させる という
使命のために…。
*「しかし その オキテを 決めたのは
いったい だれだったのか? それも
もう わからなくなってしまったがね。
ガボ「ユバールの民って 自由で
楽しそうだって思ってたけど
けっこう たいへんなんだな。
*「あんたたち 旅の人なら
この世界の いろんな場所を
見てきたんだろ?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「だったら 平和な この世で |
いいえ |
*「おやおや せっかく あちこちを *「せっかく 平和な世の中なんだから (会話終了) |
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「それでも 人間 なにかひとつ |
いいえ |
*「ふうん さすがに 旅の人だけあって |
*「すや すや…。
*「ぐご〜 ご〜…。
*「ぎしきは すっかり 流れちまった
みたいだな。
*「神の祭壇があった場所も みつからず
大地のトゥーラを 弾きこなす者も
いない 今 あせる必要はないが…
*「どっちにせよ アイラを ここに
じっと 引き止めておくのは どだい
ムリってもんだ。
*「なんせ アイツには 冒険好きで
有名だった 伝説の 守り手の血も
流れてるんだからな。
メルビン「神の祭壇の場所も わからず
トゥーラの弾き手もいない……。
メルビン「やれやれ 神の復活までは
遠い道のりのようでござるな。
ガボ「なあ アルス。
その冒険好きで有名な 守り手って
たぶん……な?
*「おや あなたがた ですか。
儀式の時は 失礼しました。
*「かつて きちんとした 守り手が
一族に いたころは オキテも
きびしく 守られていたのですが…
*「この わたしじゃ 剣のウデでは
アイラに まるで かなわなくて。
いや なさけないことです。
族長「では どうしても
探しに ゆくというのか?
アイラよ。
アイラ「だって 族長さま。
神の祭壇が みつからない 今
踊り手は まだ 必要ないはずです。
アイラ「だから あきらめないで
探しつづけたいんです。
どこかにいる トゥーラの名手を。
*「でもね アイラ。伝説の引き手の
血すじの者は もう はるか昔に
絶えてしまったかも しれない。
*「これまで 探しつづけても
手がかりひとつ
見つからなかったのだから。
アイラ「いえ 私は 信じてます。
大地のトゥーラが あるかぎり
弾き手も きっと現れると…
アイラ「あらっ? あなたがたは
旅の…
……!!
アイラ「そうです 族長さま!
わたしには この 旅の仲間も
いるんだから 安心ですわ。
族長「なに 旅の仲間じゃと!?
…しかし その方がたは たしか
ここに たずねてきたばかりの…
アイラ「ええ 会ったばかりですけど
私たちのことを とてもよく
理解してくれて…
アイラ「いっしょに 大地のトゥーラを
弾きこなせる名手を
探してくれるんだったわよね?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
アイラ「お聞きの とおりですわ。 アイラ「旅なれた この方がたが 族長「それは そうだが |
いいえ |
アイラ「シーッ…! アイラ「お願いだから ここは わたしに アイラ「いっしょに 大地のトゥーラを (ループ) |
行こうとすると
アイラ「あらっ どこいくの?
族長さまとの お話が 終わるまで
まってちょうだい。
メルビン「アイラどのを 旅の仲間に
するのでござるか?
メルビン「……ムフフ。
それも 悪くないでござるな。
ガボ「??……いったい
いつから アイラといっしょに
旅に出ることになったんだ?
アイラ「もし 神の祭壇のあった 湖が
見つかるなら なんとか それまでに
弾き手を さがしたいの。
アイラ「そうしたら わたし
今より ずっと 心をこめて
踊れるような気がする。
*「アイラのような むてっぽう娘を
旅を ともにしたら きっと
苦労なさいますよ。
族長「しかし 本当に いるかどうかも
わからない 弾き手を 探すのに
協力して いただくわけには…。
族長「それに 冒険好きの アイラのこと
いったん 一族を飛び出したら
もどってこないように 思えてのう。
アイラ「じゃあ そういうことで
出発しようかしら?
アイラ「皆が ねている 夜に
出発するのが おおげさにならなくて
いいしね。
アイラ「では 族長さま。
行ってまいります。
族長「…まったく お前は
子どものときから こうと
いいだしたら きかんのだから…。
族長「その性格は いったい
誰に 似たのやら…。
族長「じゃが アイラよ。お前が
われらの使命を だれよりも 大切に
考えていることも 知っておる。
族長「ここは お前を 信じ
われら一族に 伝えられる
大地のトゥーラを あずけよう。
アイラ「族長さま それは…!
族長「これは かつて 神の祭壇に
そなえられた 大地のトゥーラ。
族長「神の 復活の 儀式のために
使うものじゃ。
族長「伝説の弾き手の 子孫が もし
生き残っておれば このトゥーラを
弾きこなすことが できよう。
族長「もし お前の目に かなう
弾き手に出会ったら この
トゥーラを 弾かせてみるがいい。
アイラ「…ありがとうございます。
たしかに トゥーラを
おあずかりします。
*「アイラや。長い旅になるかも
しれないけれど 道中
気をつけるんですよ。
*「私たちは お前を 本当の
マゴのように 思っているんだから。
アイラ「わかってます おばあさま。
いやあね そんなに しんこくなカオを
しちゃって…。
アイラ「ちゃんと すごウデの弾き手を
さがして もどってきますって!
アイラ「ではでは こんどこそ
行ってまいります!
アイラ「それじゃあ 出発しましょう!
アイラ「皆に 見送られるのは
あんまり 好きじゃないから
このまま だまって 出かけるわね。
アイラ「じゃあ ちょっと
まっててね。
アイラ「ここは わたしの両親と
ご先祖さまの お墓。
アイラ「そして この つるぎは 代々
守り手の血すじに 伝わってきた
神の剣。
アイラ「刃の先の方に 紋章のような
かざりが あるでしょう? これは
神の守り手の あかし らしいわ。
アイラ「なんでも 伝説の守り手として
有名だった ご先祖さまが
見つけたもの なんですって。
アイラ「その人 もとは どこかの国の
王子さまだった とかいう 変わった
けいれきの もち主 なのよね。
アイラ「ともかく わたしが 剣をもつと
族長さまが いいカオを しないから
ここに 納めておいたんだけど…。
アイラ「これからの 旅には たぶん
役立つでしょうから もってゆくわ。
アイラ「ああ… 今夜は また
月明かりが きれいね。
アイラ「…ねえ。
今夜はもう おそいし 海も静かだし
ここで 野宿していかない?
アイラ「せっかく 仲間に
なったんだから あなたたちの
話も 聞きたいし。
アイラ「ねえ こっちに こない?
アイラ「こうして 星空を ながめながら
眠りにつくのも なかなか
ステキな 気分だと思うわよ。
こうして アルスたちは 新しい仲間
アイラと 波の音を まくらに
眠ることにした。
あたたかい 潮風が あたりを
なでてゆき アルスには 故郷の村や
城を 思いおこさせる 一夜だった。
そして つぎの朝…。
アイラ「おはよう アルス。
さあ 出発しましょうか。
アイラが 仲間にくわわった!
アイラ「あ そうそう!
アルスに 大切なものを
渡すのを 忘れるとこだったわ。
アイラ「これは ご先祖さまから ずっと
私の一族に 伝わってきたものなの。
アイラ「この 石版は どうぐぶくろに
入れておくわね。
アイラ「さあ 出発しましょう!
アイラ「さあ アルス。
それじゃ トゥーラの弾き手を
探しに 出発しましょうか。
メルビン「やっぱり 旅の仲間に
女性がいると はなやかになって
よいもんでござるな。
ガボ「アイラって マリベルと
くらべっと やさしそうだな。
オイラ 安心したぞ。
アイラ「なんだか アルスたちと
一緒に ここにいると
照れるわね…。
ガボ「アイラが出てっちまったから
ユバールのみんな
しょぼくれんじゃねえかな?
メルビン「アイラどのはユバールでは
なかなかの 人気者でござるから
皆 さみしいでござろうな。
*「ヒヒン ヒヒーン!
*「ブルルルッ…。
*「ヒヒーン! ブルルル…。
*「アイラなら 自分で
トゥーラの弾き手を さがしに
行くって いいだすと 思ったわよ。
*「同じ 一族の生まれで ありながら
なんとなく アイラには
個性的な ふんいきが あって…
*「だからこそ 踊りにも
みりょくが あるんだけどね。
ガボ「そういや アイラって
ほかのユバールと ちょっと
ちがう感じするよな。
ガボ「でも なんとなく なつかしい
感じがすんのは なんでかな?
メルビン「むう。アイラどのの踊り
はやく 見たいでござる〜。
アイラ「なんとなく 自分でも
ユバールの踊り手 なんていう身に
かた苦しさを 感じてるのよね。
アイラ「ユバールのくらしも 好きだけど
わたしは もっと 外の世界を
見てみたいから……。
*「ウ〜イッ… 昼間から
よっぱらって いられるのも
悪くないや。
*「旅のとちゅう じゃ
こんなふうに おちついては
いられなかった からな…。
*「あっ アイラ!
ひどいじゃないかっ だまって
出ていくなんて!
*「この前だって 剣のケイコを
つけてくれるって いったのに…
*「今度 かえってきたら ぜったい
教えてよね! ぼく 強い守り手に
なってみせるから…ぐすん…。
*「かつて 伝説の守り手となる剣士を
わが 一族に 連れてきてくれたのも
旅の一行だったと 伝えられてます。
*「そして また 今回 旅の皆さんに
大地のトゥーラの 弾き手を
さがしてもらうことに なるとは…
*「なんだか ふしぎな縁を
感じますよね。
アイラ「たしかに ふしぎな縁を
感じさせるわよね。
ガボ「ホントに アルスといると
ふしぎなこと ばっかりだ。
*「アイラは 子どもの頃から
こうと いいだしたら 決して
ゆずらない性格 だったっけ。
*「そういえば アイラの先祖にあたる
伝説の守り手も じつは けっこう
むてっぽうで 族長を困らせたとか…
*「血は あらそえない もんだね。
あっはっは!
ガボ「むてっぽうな 守り手かあ……
やっぱり 誰かを思い出すよ。
なあ アルス!
アイラ「もう! おばさんたら。
わたしは そんなにむてっぽうな
性格じゃないわよ。
*「おれら ユバールは
もう なん百年も 前から
旅を つづけてきた。
*「その 一族に生まれた 伝説の弾き手
ジャンなら きっと どこかで
生きて 旅を 続けていたはずだ。
*「だとしたら この世に 子孫を
残してるかも しれないよな。
アイラ「伝説の弾き手ジャンか……
いったい どんな人だったのかしら?
ガボ「ジャンかあ……あいつ
ライラひとすじだったもんな。
子孫なんて いるのかなあ?
*「あんたたち 旅の人なら
この世界の いろんな場所を
見てきたんだろ?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「だったら なにか すこしでも |
いいえ |
*「おやおや せっかく あちこちを *「そんなことじゃ アイラの (会話終了) |
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「えっ? 会ったことがある? *「いいよ いいよ。そのくらい |
いいえ |
*「もし 子孫でも 生き残ってりゃ |
メルビン「トゥーラの弾き手でござるか…
しかし それほどのウデの者が
今の時代に いるでござるかな?
アイラ「トゥーラの名人てことは……
やっぱり 音楽の盛んな土地を
探せば いいのかしら?
ガボ「伝説の弾き手かあ。
どうすりゃ 見つかるかなあ?
*「私たちの 踊りは
神をたたえる 情熱的な ダンス。
*「こうして ステップを ふんでいると
なんだか 身体中から チカラが
みなぎるような 気がするんです。
*「ねえ アイラ。あなたも そう
思うでしょ。とくに あなたの踊りは
まわりの皆まで 元気にさせるもの。
メルビン「アイラどのの踊りを
見たくなったでござる。
はやく 弾き手を 探さねば……。
アイラ「気持ちが のってる時は
たしかに そんな風にも感じるけど
最近じゃ なかなかね……。
アイラ「でも 伝説の弾き手の
音色でなら わたしも 本気で
踊れると思うわ。
*「アイラに たのもしい 旅の仲間が
できて よかったわ。
*「私たちも ここで 神の祭壇が
見つかるように 祈ってるから
がんばってね。
*「アイラの旅なら オレも いっしょに
行きたかったけど 妻が いるから
そうもいかないんだ。
*「あんたたち アイラが
色っぽいからって 変な気を
おこすなよ。
メルビン「わしは もうジジイで
すっかり 枯れておるから
心配無用でござるよ。
ガボ「変な気って どんな気なんだ?
*「族長さまは やはり このまま
この地に とどまるつもりらしいな。
*「この 西の海には かつて
神の祭壇があったと 古文書には
たしかに 記されているらしいが…
*「もし それが 本当の話なら
何者かが 祭壇を
かくしたっていうのか?
*「じっさい 神さま以外に
そんなこと できるヤツが
どこに いるってんだよな。
ガボ「でも かくされちまった祭壇に
神さまは いるんだろ?
ガボ「神さまって 祭壇の中からでも
そんな すげえことができるんだな。
*「アイラと 旅の皆さんばかりに
たよっていては もうしわけない。
*「われわれの方でも 神の祭壇が
失われた謎を なんとかして
しらべてみようと 思います。
*「アイラが 心をこめて 儀式の
踊りを 踊るには やはり
大地のトゥーラが 必要でしょう。
*「それを 弾きこなせるのは
神にみとめられた 弾き手の
一族だけと 聞きます。
*「しかも 体力も気力も
じゅうじつ した 若者だけが
弾けるのだとか…。
*「アイラよ。この旅を おえて
弾き手をつれ もどったとき お前は
さらに 成長していることでしょう。
*「そのときの お前の 踊りを
楽しみにしていますよ。
メルビン「むう 若者だけでござるか…
なんだか 切ないでござるな。
ガボ「オイラは 若いけど
とても トゥーラは弾けねえや。
ガボ「オイラだったら 踊るほうが
楽しそうで いいな。
アイラ「おばあさま……。
わたし その時は きっと
最高の踊りを 踊ってみせるわ。
族長「おお アルスどの。
皆さんには たいへん
感謝しておりますぞ。
族長「どうか しばらくの間
アイラをよろしく
お願いもうします。
族長「伝説の弾き手の子孫が もし
残っていれば その楽士としての
うで前で ウワサになっていよう。
族長「世界のどこかに 手がかりが
あるやも しれませぬ。
族長「その間 わしらは ここで
神の祭壇を さがす 手だてを
考えておくと しましょう。
アイラ「伝説の弾き手に子孫がいるなら
きっと ステキな人よね。
メルビン「神の祭壇のことは 族長どのに
まかせて われわれは 早く
弾き手を 見つけるでござるよ。
ガボ「ウワサになるほどの楽士かぁ…
そんなヤツ いたっけなあ?
ガボ「クンクン。
アルスの村は いつ来ても
うまそうな 魚のニオイがするぞ!
アイラ「ふうん……。
ここが アルスの
生まれた村なのね。
アイラ「……ふるさとって いいわね。
わたしたち ユバールの民には
そういうの ないから……。
*「アミットさんの病気も どうやら
急に よくなったみたいだね。
*「これも 村のみんなが
神さまに お願いしたおかげだよ。
よかった よかった。
*「まあ アルスさん
よく お帰りになられました。
*「これからも あなたがたの
旅のご無事を お祈りいたしますわ。
どうか 神のご加護があらんことを。
神父「おお! アルスか!
もう 知っているかもしれんが
うれしい報せが あるぞ。
神父「アミットどのの病気だが
マリベルが 家に戻ったとたん
急に 回復をはじめてな!
神父「やはり 娘の顔を見て
安心したというところじゃろうな。
まあ それはさておきじゃ……
(教会)
*「アミットさんの病気
だいぶ よくなったって
とうちゃんが 言ってたよ!
ボルカノ「……とは言っても
アイツも いっぱしのオトナだ。
放っても おけんだろう。
マーレ「オトナだから 困るんですよ。
あんなトシになって 仕事もせず
毎日 フラフラして……。
マーレ「これで 借金の
肩代わりなんて してごらんよ。
また調子にのるに ちがいないさ。
ボルカノ「……ん。
まあ そう言うな。あんなのでも
一応 オレの弟なのだからな。
ボルカノ「なんにせよ いい機会だ。
借金を払ったら ホンダラには
キツく 灸をすえてこよう。
マーレ「……まったく。
ガボ「アルス!
オイラ アルスの母ちゃんの
言う通りだと思うぞ!
ガボ「人に めいわくをかける
オトナになっちゃダメだぞ!
アルス!
アイラ「今の人が
アルスのお母さんね。
アイラ「うふふ。
ちょっと 怒ってたみたいだけど
アルスを 心配してるのね。
メルビン「あいたたたた……。
アルスの母上どの 今日は
キゲンがわるいようでござる……。
ボルカノ「おお アルス。
戻ってきたか。
ボルカノ「アミットさんの容体は
だいぶ よくなってきたらしいな。
ボルカノ「だが アミットさんが
もう少し落ちつくまで しばらく
漁は休むことに 決まってな。
ボルカノ「いい機会だから
グランエスタードの城下町まで
用を済ませに 行こうと思うのだ。
ボルカノ「お前たちも 時間があるなら
家で 休んでいくといい。
その方が 母さんも よろこぶしな。
メルビン「アミットどのは
だいぶ 回復したようで
まずは ひと安心でござるな。
アイラ「今の人が
アルスのお父さんね。
アイラ「アルスとは なんだか
あんまり 似てないのね。
ガボ「アルス!
オイラ アルスの父ちゃんの
言う通りだと思うぞ!
ガボ「今日は このまま
アルスの家で 休もう!
きゃっほう〜!
マーレ「ああ アルス。
そういや あんたに ひとこと
言いたかったんだけどね。
マーレ「旅でもなんでも していいから
人さまに めいわくをかける
オトナにだけは なるんじゃないよ。
マーレ「……まったく。
*「せっかく 漁は休みだってのに
みんな ワケもなく
船のほうに 集まってるぞ。
*「息抜きも じょうずに
できないとは まったく
海の男は 不器用者ぞろいだな。
*「アミットさんの 病気が
だいぶ 持ちなおしたって聞いて
おみまいに 来たのよ。
*「アミットさん 思ったより
ずっと よくなったわよ。
*「アミットさんが こんなとき
なんだから 村のみんなが
しっかりしないとね。
*「ボクも もうカゼをひいてる
場合じゃないな!
*「妻をおいて 漁に出るのも
たしかに さみしいんですが……
*「漁に出れないとなると
なんだか もっと さみしいです。
ボクも つくづく漁師だなあ……。
*「おお アルスか。
やはり マリベルおじょうさんは
一緒ではないのだな……。
*「あの おじょうさんでも
さすがに 落ちこんでるだろう。
友だちなら 元気づけてやれよ。
*「おいおい! いくら 漁が休みでも
おじょうさん以外の女を
むやみに 船に……!
*「……っと? いや…まあ
アルスの仲間だってんなら
しかたねえな……。
*「ところで…… なあ あんた。
名前を おしえてくれないかい?
アイラ「……わたし?
わたしは アイラ。
*「ア…アイラってのか。
おぼえておくよ。
いい名前だな……。
アイラ「な…なんなの あの人は……。
アイラ「ねえ アルス。
今の人って いっつも
あんな感じなの?
*「アイラ……。
なんて きれいな名前なんだ。
一生 忘れられないぜ……。
アミット「おお アルスか……。
わざわざ 来てくれるとは
まったく すまんのう……。
アミット「まさか 自分が
こんなことに なろうとは
わしも 正直おどろいたがな……。
アミット「だが わしが ここまで
回復したのも 村のみんなが
心配してくれた おかげだろう。
アミット「外で 村の者に会ったら
わしが 礼を言っていたと
伝えてくれ。たのむぞ……。
メルビン「アミットどのは だいぶ
元気を 取り戻されたようでござる。
メルビン「いちじは どうなることかと
思ったでござるが……
本当に よかったでござるよ。
ガボ「アミットのオッチャン
ちゃんと しゃべってたな!
ガボ「あれなら きっと
すぐ よくなると思うぞ!
*「ああ アルス。
おかげさまで 主人は
だいぶ 持ちなおしたわ。
*「神父さまが言うには
あとは ゆっくり休めば
じきに もと通りになるそうよ。
*「なんにせよ 安心したわ。
あなたたちにも
心配を かけてしまったわね。
マリベル「ああ アルスたち。
パパのおみまいに 来たのね?
……あら?
マリベル「なんだか 見ない人も
一緒みたいだけど その人は?
アイラ「わたしは アイラ。
伝説のトゥーラ弾きを探すために
アルスたちと 同行してるの。
アイラ「あなたのウワサは
アルスたちから 聞いてるわ。
よろしくね マリベル。
マリベル「ええ。こっちこそ
よろしく! えっと……アイラね。
マリベル「ところで……
そうそう アルスたちは
パパのおみまいに 来たのよね?
マリベル「パパは とりあえず
ずいぶん 元気を
取り戻したけど……
マリベル「まだ しばらくは
あたしが そばにいないと
ダメみたいなのよ。
マリベル「あんたらは あんたらで
あたしなしじゃ ツラいだろうけど
まあちょっと ガマンするのよ。
マリベル「パパが ちゃんと
元気になったら また あたしが
一緒に 行ってあげるからね!
メルビン「マリベルどのも どうやら
元気になったようでござるな。
メルビン「これで わしらも
安心して 旅を
つづけられるでござる。
アイラ「マリベルって
話してて 気持ちのいい子ね。
アイラ「わたしも マリベルと
一緒に 旅がしたいけど……
今は しかたがないわね。
ガボ「マリベルが いないと
アルスは さみしいんだろ〜?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
ガボ「……ちぇっ! |
いいえ |
ガボ「ん? そうなのか? |
*「おお 今日 連れとる娘さんは
いつもの子とは
ちがう娘さんのようじゃな。
*「まったく アルスも
スミに置けんのう。
*「ちょっと そこのあんた……
よく顔を見せてくれないかね?
アイラ「わ……わたし?
*「いかにも あんたじゃ。
あんたの顔 どこかで見たような…
むう…どこじゃったかのう?
アイラ「今のおばあさん なにかしら?
ねえ アルス。わたしって
だれかに 似てると思う?
ホンダラ「世界のどこかに 凍ったまま
ねむってる船が あるって話でな。
そいつを 引き上げようってワケだ。
ホンダラ「氷づけの 沈没船たあ
まったく 聞くからにして
金のにおいのする話だぜ……。
アイラ「ええっ!?
今の人 アルスの
おじさんなの?
アイラ「ふ…ふ〜ん。
それはちょっと…… 意外な感じね。
アイラ「……すごい!
こんな ひろいお城
わたし はじめて 見たわ!
アイラ「でも…… はじめて来たのに
このお城は なんだか
なつかしい感じがする……。
兵士長「おお アルスどの。
兵士長「む? どうやら 新しい
旅の仲間が ふえたようですな。
兵士長「アルスどのの旅は
世界のための 重要なもの。
同志は 多いほど心強いでしょう。
*「……!?
キ…キーファ王子っ!?
*「はっ… 気のせいか……。
でも 今 たしかに 王子の気配を
感じた気が したんだけど……
*「う〜ん……
ひょっとして ちょっと
つかれてるのかなあ?
*「この先は 玉座の間にございます。
*「おお アルスさんでしたか。
ならば どうぞ
ここは お通りください。
バーンズ王「おお アルスたち。
む? どうやら
見なれぬ顔も あるようだな。
バーンズ王「アルスたちの
新しい仲間か。よければ
名を 聞かせてはくれんか?
アイラ「アイラと申します。
これほどの大国の王と
お目にかかれ 光栄に思います。
バーンズ王「ふむ アイラと申すか。
これはまた 力強い仲間を得たな。
アルス。
バーンズ王「しかし……まさかな。
バーンズ王「……アイラよ。
つまらぬことを聞くが…… そなた
わしの顔に 見覚えはないか。
アイラ「………………。
アイラ「……すいません。
きっと お会いするのは
はじめてのはずですわ。
バーンズ王「ふむ…… そうだな。
つまらぬことを聞いて
すまなかった。
アイラ「ただ…… 私はユバールの民。
幼少のころより 旅を続けており
故郷というものを 知りません。
アイラ「なのに…… なぜか
この城には 不思議ななつかしさを
感じています。
バーンズ王「ほう。
そなたも ユバールの……
バーンズ王「……………。
バーンズ王「アイラとやら。
この城でよければ わが家と思い
いつでも おとずれるといい。
バーンズ王「そなたさえ よければ
この城は いつでも
そなたを 歓迎しよう。
バーンズ王「さて アルスよ。
引き止めて すまなかったな。
さあ 旅の続きに 向かうがいい。
アイラ「バーンズ王……
とても やさしそうな人ね。
アイラ「はじめて会うのに なんだか
自分のお父さんみたいに
感じたわ……。
*「ほれ そこの方。
今こそ そなたに
占いが 必要では ないかな?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「では ひとつ このじじいが *「……ぱぱいやむーちょ! *「ううむ…… よく見えんが *「むむ? 消えた……。 *「まあ そんな感じじゃ。 |
いいえ |
*「そうか……。 |
リーサ姫「お…お兄さまっ!?
リーサ姫「ア…アルス……。
お兄さまが… お兄さまが
一緒なのね!?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
リーサ姫「………………。 リーサ姫「ありがとう アルス。 リーサ姫「ごめんね アルス……。 |
いいえ |
リーサ姫「そんなのウソ! リーサ姫「………………。 リーサ姫「……ううん。 リーサ姫「お兄さまは |
アイラ「リーサ姫と
おっしゃるのですね……。
リーサ姫「あ…あなたは……?
アイラ「アイラと申します。
わたしのような 旅の人間が
話しかける無礼を お許しください。
アイラ「リーサ姫は 今
お兄さまとの 別れを
悲しんでおられるのですね?
リーサ姫「ええ……。
アイラ「リーサ姫に ひとつだけ
お教えしたくて…… わたしたち
ユバールの民の 言い伝えです。
アイラ「別れた者の その後の幸福を
ねがうなら 決して その別れを
なげいては いけない……と。
アイラ「元気を おだしください。
それが なにより
お兄さまのために なるはずです。
リーサ姫「………………。
リーサ姫「……ありがとう。
アイラ……。
メルビン「……アイラどのも
やさしい女性でござるな。
アイラ「ごめんね アルス。
わたし ちょっと
でしゃばっちゃったかもね。
アイラ「ふだんなら 人に
こんな話は しないんだけど……
なんだか だまって見てられなくて。
リーサ姫「ありがとう アイラ……。
あなたのおかげで
すこし 気持ちが楽になりました。
リーサ姫「ねえ アイラ。 よかったら
また ときどきは ここに
あそびに きてくれないかな……。
メルビン「伝説の弾き手……。
どこにいるので ござろう?
ガボ「なあなあ! せっかくだから
お城にも 寄ってこうぜ!
アイラ「神を 復活させることが
わたしたち ユバールの悲願。
いつかきっと かなえたいわ。
メルビン「あいかわらず この国は
平和そうでござるなあ。
ガボ「なっ ここまで来たなら
お城にも いってみねえか?
アルス。
アイラ「この町は みんな
歌が好きみたいね。
なんだか うれしいわ。
*「この店では 楽器の修理も
行っているんです。
*「なにしろ マーディラスは
楽師さん だらけですから
年中 はんじょうしてますよ。
*「悲しみに しずむ〜 人よ〜
このしらべ〜 きみに ささげん〜。
*「そこの家で このあいだ
おそうしきが あったそうです。
ガボ「おそうしき?
誰か 死んじまったのか?
アイラ「たとえ 知らない人でも
誰かが死ぬってのは
イヤなものだわね。
メルビン「悲しいことでござるな。
しかし きっと神のみもとで
安らかに 眠っているでござろう。
メルビン「みな こころなしか
さみしそうでござるな。
*「せっかく ヨハンが
酒場にこなくなったというのに
あいかわらず おれは モテない!
*「ダーマの神殿で 転職でも
しようかなあ。
*「ウィ……ヒック。
フガフガフガ……ヒック。
*「このごろ ヨハンってば
まったくトゥーラを
ひかなくなったのよ。
*「ケガでもしたのかしら?
*「さいきん ヨハン
パッタリこなくなったの。
さみしいわぁ……。
アイラ「酒を飲むような気分じゃない
ってとこみたいね。
ヨハン 何があったのかしら。
*「あたしゃ ヨハンを
みそこなったよ!
*「あたしの父さんの そうしきに
よりによって 祭りの曲を
えんそう するだなんて!
アイラ「いったい ヨハンはどうして
そんなこと したんだろう?
……わからないわね。
メルビン「なくなられたのは
このご婦人の 父君とは。
メルビン「心より おくやみを
申し上げるでござる。
ガボ「うひゃーっ こえーっ!
おばちゃん カンカンだぞ!
*「今日も いいニュースを
しいれてますよ!
*「グレーテ姫さまの 好物は
なんと オムレツなんですって!
*「ああ わたしの作ったオムレツを
姫さまに 食べてもらいたい……。
*「あ〜 ゴホン。
あたらしい情報が 入りましたら
また お知らせいたします。
*「どうぞ おたのしみに!
*「ヨハンって トゥーラひきが
このあいだ すごいさわぎを
起こしたのよ!
アイラ「すごいさわぎ……。
あんまり いいウワサじゃ
なさそうね。
メルビン「ヨハンどのが さわぎを?
どういうことでござる?
ガボ「ヨハン 何したんだろ?
さかだちして トゥーラでも
ひいたのかな?
*「ヨハンったら おそうしきに
お祭りの曲を ひいたんだよ!
*「たしかに 上手だったけどさ
家の人たちは カンカンさ。
ずいぶん おこってたよ。
ガボ「そうしきって あんまり
めでたくないよなあ。
ヨハン どうしちまったんだ?
メルビン「ふうむ……ヨハンどのには
何か 考えがあったのか
それとも……?
アイラ「そりゃあ 家族の人が
怒るのも ムリないわね。
何考えてるんだか。
*「いもうとに おいだされちまった。
ちくしょう……ルルリラ〜!
*「おれっち めいわくッス!
となりのヤツが いそうろう
してるッス! ラララ〜!
*「ねえねえ おそうしきのこと
まだ 気にしてるのぉ?
ヨハンってばあ。
*「いいじゃん あの曲。
あたしは ビビっときたけどな〜。
ねえ またトゥーラひいてよ。
ヨハン「気がのらねえんだ。
ベイビー たのむから
オイラのこたぁ ほっといてくれ。
*「なぁーによ もう。
いきなり うちにおいてくれ
なんて たのんどいてぇ!
ガボ「そうしきで 悪さしたから
家 追ん出されたんじゃねえのか?
なっ アルス!
アイラ「うーん……。
本人に聞いても 答えないし
事情は わからないまま か。
メルビン「う〜む 女性の部屋に
ころがりこむとは なんとも……。
メルビン「べ べつに うらやましくは
ないでござるよ!!
ヨハン「…………。
メルビン「なにやら ワケありの様子。
ここは そっとしておくのが
一番でござろう。
アイラ「なんだか様子がヘンね。
どうしちゃったのかしら?
ガボ「ヨハンのやつ ずいぶん
キゲン悪そうだなあ。
*「わ わ わたしは戦士〜!
つよいぞ〜 ゴツいぞ〜……。
*「うう やはりはずかしい。
だが お城にやとわれるため
なんとか 歌をマスターせねば!
*「あの バカ者 ヨハンは
今は ここにはおりません。
おおかた 酒場か女の所でしょう。
*「心を いれかえるまでは
トゥーラをひいてはならんと
命じてから 家に戻らないのです。
メルビン「楽師どのもご立腹とは。
う〜む 事態は深刻でござるな。
ガボ「この家 空気がピリピリしてて
なんか 落ちつかねえよ。
はやく外行こっ アルス!
アイラ「あの 怒りよう……。
本当に ヨハンのことを
考えているのね。
ガボ「山だったら てっぺん!
お城だったら まんなか!
景色のいいところが オラ好きだ!
アイラ「その土地土地の 王様や
村長さんに ごあいさつする。
旅人の常識よ アルス。
メルビン「いつ見ても りっぱなお城で
ござるなあ。
*「あれも これも それも
すぐにでも グレーテさまに
決めて いただかなくては。
ガボ「うひーっ あいかわらず
いそがしそうな お城だなあ。
*「あの件は グレーテさましだい。
この件は グレーテさまに
まかせて……と。
*「ふむふむ のこりの5件も
グレーテさまの意見を聞いて。
ふむふむ ふむふむ。
メルビン「国の仕事というのは
魔物より やっかいなものと
見えるでござる。
アイラ「お姫さまって ずいぶん
頼られてるのね。
なんだか かわいそう……。
グレーテ姫の しょうぞう画が
かかっている。
海から見た マーディラスの白が
えがかれている。
大臣「おお これはこれは。
姫さまの お友だちのみなさま。
ごきげんうるわしゅう。
大臣「国のため とはいえ
まだ遊びたいさかりの 姫さまが
まいにち 仕事ばかり。
大臣「つねづね おかわいそうだと
案じておりました。
大臣「みなさま どうか
姫さまを よろしくおねがいします。
アイラ「姫さまは アルスと
そう変わらない年だもの。
ホントなら 毎日遊んでていいのに。
ガボ「オラ じいちゃんよりも
姫さまと 話してえな。
メルビン「うむうむ。姫君も
あの大臣どのの助けが あってこそ
国をおさめられるのでござる。
グレーテ「おお マーディラスへ
よくぞ 参った。
……む? こまっておるのか?
グレーテ「くるしゅうない わらわに
話してみるがよい。
このグレーテが チカラになるぞ。
グレーテ「なになに……ふうむ。
伝説のひき手……大地のトゥーラ……。
グレーテ「おもしろいっ!
グレーテ「ユバールの血をひく
伝説のひき手を 探しておるのか!
なんとも ワクワクするのう。
グレーテ「音楽の都のあるじとしては
聞きずてならぬ。
よし! このグレーテにまかせておけ!
グレーテ「わらわは これより
世界中に おふれを出す。
グレーテ「このマーディラスで
世界一のひき手を決める
大会をひらく と!
グレーテ「そして 優勝したものには
なんなりと ほうびをつかわすとな!
グレーテ「アルス そのトゥーラは
伝説のひき手のほかには
けして 奏でられぬものと 聞いた。
グレーテ「大会で 使える楽器は
大地のトゥーラのみとし みごと
かなでた者が 伝説のひき手じゃ!
グレーテ「それでよいな?
いいえを選んだ場合のみ | |
---|---|
いいえを選んだ場合のみ |
グレーテ「ほほほ えんりょするでない。 グレーテ「よい 気晴らしに |
グレーテ「決まりじゃな。
それではこ これよりわらわは
世界中に おふれを出す。
グレーテ「トゥーラひきが 集まるまで
時間がかかろう。しばし間をおいて
この国を たずねるとよい。
グレーテ「アルス そなた わらわの
たいくつの虫を 退治するとは
なかなかヤルのう。
グレーテ「ほうびに これからは
わらわを 呼びすてにしても
かまわぬぞ? ほっほっほ!
メルビン「あれこれ じゅんびも
あるでござろうし
気長に 待つでござるよ。
アイラ「お姫さまに 相談して
よかったわ。
大会が 楽しみね。
ガボ「大会って いつごろ
開かれるんだろうな。
すっげえ 楽しみだなっ!
グレーテ「そちは せっかちじゃのう。
アルス すまぬが もうすこし
待っておれ。
グレーテ「トゥーラひきが 集まるまでは
今しばらく かかろうほどに。
アイラ「大会 どこで開かれる
ことになるんでしょうね?
メルビン「気がせくのはわかるが
あせりは 禁物でござるよ
アルスどの。
ガボ「ちぇーっ まだ先かあ。
アルス どっか行って
時間 つぶしてこようぜ。
大臣「さきほど 姫さまより
世界中の国へ おふれが
出されたばかりです。
大臣「なにしろ 世界中から
トゥーラひきを 集めるのですから
ずいぶん時間が かかるでしょう。
大臣「みなさまが いないうちに
大会を開いたりは しませんので
安心して 旅を続けてくだされ。
メルビン「世界中に おふれを出し
トゥーラひきを集めるとなると
かなり 先の話となろう。
メルビン「大臣どのの 言うように
しばし マーディラスを
はなれたほうが よいでござる。
アイラ「ちゃんと待っててくれるなら
安心ね アルス。
ガボ「すいぶんって どのくらいかな?
メシ食ってる間くらいかな?
もっと長いのかな?
*「あれこれ いそがしいのに
世界一の トゥーラひきを決める
大会を ひらくとは。
*「やれ じゅんびに
おおいそがし ですじゃ。
*「あの件も この件も
まだ決まっていないというのに
トゥーラひきの 大会なんて!
*「グレーテさまは いったい
何を お考えなのか……。
ガボ「町ん中も 大会のウワサで
もりあがってんな!
へへーっ 楽しみだなーっ。
メルビン「みな 本当に 音楽が
好きなのでござるなあ。
アイラ「大会には お客さんも
たくさん 来そうね。
みんな 楽しみにしてるもの。
*「しってる!?
今度 大神殿に トゥーラひきが
いーっぱい あつまるんだよ!
*「世界一の人を きめるんだって!
すごいね!
メルビン「ほう 大神殿で
大会が 開かれるのでござるか。
よく 覚えておかなくては。
アイラ「神殿を 使うなんて
ずいぶん 大がかりねえ。
*「トゥーラひき 世界一をきめる大会
……たしかに ヨハンが出場すれば
優勝するでしょうな。
*「しかし 禁をやぶり
トゥーラを ひく気なら
わたしは やつを 破門します。
ガボ「じっちゃん なんだか
悲しそうだなあ。
*「トゥーラひきの 大会は
大神殿で 開かれるんですってね。
*「でも まだいつになるか
わからないらしいわ。
ガボ「大会は 大神殿でやるのかあ。
あそこなら いっぱい人がきても
だいじょぶそうだもんな。
*「この間は ちょいと
バカなことを しちまったけど
ヨハンのうでは たしかだ。
*「優勝は ヨハンに きまってるさ!
アイラ「大地のトゥーラに 選ばれし
わが一族の 伝説のひき手。
本当に ヨハンなのかしら。
*「こいつ はぎしりがひどくて
寝らんねえんだよな。
*「でも おれの部屋はいもうとに
とられちまったし……ルルリラ〜!
*「おれっち めいわくッス!
こいつ いびきがすごいッス!
ラララ〜!
ヨハン「…………。
ヨハン「大会? さあね。
アイラ「ずいぶん 気のない返事ね。
まあ 大会にはきっと
出るんだろうけど。
メルビン「ヨハンどのは ずっと
考えこんでいるようでござるな。
心配でござる。
ガボ「ヨハン 元気ねえなあ。
ハラ へってるのかな?
*「ねえねえ おそうしきのことなんて
忘れちゃいなよ〜!
*「ほら みんな ヨハンのトゥーラ
たのしみにしてるんだよぉ。
優勝は ぜったいヨハンだって。
ヨハン「…………。
ベイビー たのむから
オイラのこたぁ ほっといてくれ。
*「もう! ヨハン!
あれから いっぺんもトゥーラ
ひいて くれないじゃないっ!
ガボ「そうしきの時から ずっと
トゥーラ 弾いてねえのか。
なんでだろ?
アイラ「この調子で ホントに大会
だいじょうぶなのかしら?
心配だわ。
メルビン「そうしきの日のさわぎが
ヨハンどのを 悩ませて
いるようでござるな。
*「戦士〜戦士は ヨロイ着て〜
フロも ねるのも ヨロイ着て〜。
ルルララリラ〜ラ ヨロレイヒ〜!
*「なれてくると けっこう
歌も たのしいものですね。
*「大会で つかえるのは
大地のトゥーラという
とくべつな 楽器だけとか。
*「姫さまのことだ
何か お考えがあってのことと
思いますが……ううむ。
*「今日も いいニュースを
しいれてますよ!
*「グレーテ姫さまは 今日までに
なんと 259回 テーブルを
ひっくりかえしたそうです!
*「代々の マーディラス王をぬいて
これで姫さまの記録が
トップに なったんですよ!
*「ああ…… わたしも
姫さまに ひっくりかえされたい。
*「あ〜 ゴホン。
あたらしい情報が 入りましたら
また お知らせいたします。
*「どうぞ おたのしみに!
*「ラララ わたしも 大会に〜
出場するのです〜。
*「でも〜ヨハンのトゥーラには〜
やっぱりかなわな〜い ラララ〜。
アイラ「始まる前から あきらめてちゃ
ダメよね アルス。
アイラ「せっかく 出場するなら
ベストを つくさなくっちゃ。
メルビン「マーディラスの国民
全員が 大会に出そうな
いきおいで ござるなあ。
ガボ「アルス やっぱ ヨハンが
一番人気だなあ。
ヨハン 優勝すんのかな。
ガボ「ヨハンって すげえなあ。
みんな ウワサしてら。
*「ヨハンが 酒場にこなくなったら
今度は 世界中のトゥーラひきが
やって来るらしい。
*「つくづく ついてないよ。
*「トゥーラの大会なら
ヨハンも ひいてくれるわよね!
*「でも いつになったら
大会が 開かれるのかしら?
ガボ「ヨハンって みんなから
期待されてんだなあ。
*「優勝は ヨハンにきまってるけど
さいきん 彼 元気ないのよね。
しんぱ〜い!
メルビン「女性というのは いつも
うれいをおびた 男には
弱いもので ござる。
*「トゥーラひきの 大会かあ。
もっと楽器がうまければ
出場したのに。
*「そして きみとくらす家を
グレーテさまに もらうんだ。
*「世界中から トゥーラひきが
集まるなんて ステキよね!
いろんな曲で おどれるわ。
*「音楽を 愛する
文化の国 マーディラスへ
ようこそ 旅の方!
*「トゥーラひき世界一をきめる大会が
今度 開かれるんだってさ。
楽しみだねえ!
*「いらっしゃいませ。
ここは 楽器の店です。
*「もうしわけございませんが
大会で使う 大地のトゥーラは
当店では あつかっておりません。
*「なんでも 大地のトゥーラとは
とても 珍しい楽器だそうですね。
*「一度でいいから 分解して
しらべて みたいなあ……。
メルビン「この神殿 いっぱいに
楽師たちが 集まるとは。
すごい眺めでござろうなあ。
ガボ「さっそく じゅんびが
始まってるみたいだな!
アルス 楽しみだなっ!
アイラ「なるほど ここなら大会に
うってつけよね。
*「うむ! 姫さまの席は
ここが いいだろう。
*「今 大会のための じゅんびを
している ところなのだ。
*「ここは マーディラス大神殿。
世界一のトゥーラひきを決める
大会の会場です。
*「見物人は あっちへ並べて
参加者は こっちへ並べて……。
いや むこうの方が いいかな?
*「これだけの 広さだ。
なにかの大会をひらくには
たしかに もってこいだが……。
*「ああ いにしえの魔法を伝える
大神殿が……うう なさけない。
*「トゥーラの大会で 優勝すれば
のぞみは 思いのままか。
*「魔法使い やめようかなあ。
*「下見に来たのはいいが
いったい いつになったら
大会が はじまるんだろう。
*「今度 トゥーラの大会で
神殿の庭を 使うそうですね。
*「世界中の人が 集まるのかあ。
楽しそうだなあ。
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