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マリベル「今回は なんだか
つかれちゃったわね。
ガボ「オイラ はやく もどって
ベッドで よこになりたいぞ。
メルビン「アルスどの とりあえず
家にもどるで ござるよ。
*「ア…アルスたち!
やっぱり ここにいたのか!
マリベル「な〜んだ。
フィッシュベルの人じゃない。
どーしちゃったの? 血相変えて。
*「くっ…くわしい話は あとです!
とにかく マリベルおじょうさん!
すぐ 一緒に村に戻ってください!
マリベル「な……なんなのよっ!?
もうちょっと
ちゃんと 話しなさいよ!
*「じつは… アミットさんが 急に
病に 倒れちまいまして……
マリベル「パパがっ!?
*「それで 村の漁師たち
みんなで おじょうさんのことを
探してたんですよ!
マリベル「わ…わかったわ!
だったら さっさと
フィッシュベルに 戻るわよ!
マリベル「じゃあ アルス!
悪いけど あたしは先に
フィッシュベルに 戻ってるわよ!
マリベル「さっ 行くわよ!
ガボ「マリベルのヤツ
めずらしく マジメなカオしてたな。
メルビン「ふむ……。
アミットどののことが
心配でござるな。
ガボ「マリベルのヤツ
あれから どうなったのかなあ?
アルス オイラ気になるぞ。
メルビン「アルスどの!
とにかく マリベルどのの家に
いそぐでござるよ!
*「ここは フィッシュベル。
海に かこまれた 小さな村です。
*「……って な〜んだ。
アルスじゃない。
*「マリベルさんのお父さんの
アミットさんが ご病気になった話
もう聞いてる?
*「自分よりも 若い者が
倒れたなどと聞くと なにやら
急に 不安な気持ちになるわい。
*「あの元気なアミットさんが
急に 病気になるなんて
ちょっと 信じられないわ。
*「病気は こわいわね……。
*「マリベルおじょうさんが
村に戻ったんで とりあえず
みんな 落ちついたけど……
*「さっきまで 村のみんなで
おじょうさんを 探しまわって
そりゃ 大変だったんだから。
*「にゃ〜ん…。
ボルカノ「おお! アルス!
ようやく 戻ってきたか。
ボルカノ「知っているだろうが
マリベルおじょうさんの 父上の
アミットさんが 倒れてしまわれた。
ボルカノ「とりあえず 命は
取り留めたそうだが まだまだ
予断を ゆるさない状況らしい。
ボルカノ「心配には ちがいないが
オレたちが ジタバタしても
こればかりは どうにもならん。
ボルカノ「お前も まずは いちど
アミットさんの所に 行っておけ。
旅の話なら そのあとで聞こう。
ガボ「う〜ん……
アルスの とうちゃん
すげえ マジメな顔してたな……。
メルビン「うむ ボルカノどのの話も
気になるでござるが……
メルビン「ここは
ボルカノどのの言う通り まずは
アミットどのの所に 行くでござる。
マーレ「ああ アルス。
帰ってたのかい?
マーレ「あんたも アミットさんが
病気になったって話は
聞いてるだろ?
マーレ「マリベルさんがいなくて
さみしいってのも アミットさんの
病気の一因に ちがいないよ。
マーレ「あんたらの旅が
大層な意味を 持ってるってのも
わからないワケじゃ ないけど……
マーレ「とにかく これからは
なるべく マリベルさんを 外に
連れまわすんじゃないよ。いいね?
メルビン「う〜む 母上どのの
言うことも もっともで ござるが
なんとも ふくざつでござるな……。
*「アミットさんは とにかく
ここフィッシュベルの
名士だからね。
*「アミットさんが 病に倒れるなんて
平和な この村じゃ
ひさびさの 大事件だよ。
*「アミットさんの病気が
はやく よくなりますように……
*「神父さまなら
アミットさんのご自宅に
行かれましたわ。
*「神父さまが 留守の間は
ご用は 私がお受けします。
さて……
(教会)
*「にゃん にゃ〜ん!
*「アミットさんが 病気になったと
聞いてから 料理してても
気が気じゃなくてね。
*「村のみんなが 料理をおいしく
食べられるのは 漁師の男や
アミットさんのおかげ だからね。
*「にゃお〜ん。
*「アミットさんは よく
うちのお店に来て
話をしていたんだよ。
*「きっと おじょうさんが
家にいないことが 多くて
さみしかったんじゃないかなあ。
*「おお アルスたち。
*「さっきは すまなかったな。
ろくに説明もせず おじょうさんを
連れていってしまって。
*「マリベルおじょうさんなら
今はもう 家の中だぞ。
メルビン「ふむ……。
マリベルどのは
すでに 家の中でござるか。
メルビン「アルスどの
はやく マリベルどののもとに
行くでござる。
*「う〜む…… アミットさんの
お身体が 心配だな。
大したことなければ よいが……。
*「アミットさんが 病に倒れたと
小舟で 伝令があってな。
*「漁もそこそこに みんな
村に 戻ってきたというわけだ。
*「アミットさんが ある程度
回復するまで 漁の予定は
白紙ってことに なるかもしれん。
*「漁に出ている間に
もしものことが…… いやいや
悪い想像は やめよう。
コック長「家に戻ったときの
マリベルおじょうさんは
いつになく 神妙な顔をしとってな。
コック長「あの じゃじゃ馬も
さすがに 父親のこととなると
本気で 心配のようじゃな……。
*「マリベルおじょうさーん!!
*「おお アルスたちか!
ええ? マリベルおじょうさんなら
もう 他の人が見つけたって?
*「ああ アルスさんたち。
マリベルおじょうさまなら
ここのお部屋に いるですだよ。
神父「ふむ。では マリベル。
もう一度 言うぞ。
神父「とりあえず アミットどのは
命は 取り留めた。だが 何ぶん
危険な病には ちがいない。
神父「こんなときじゃ。せめて
お前が これ以上 アミットどのに
心配をかけては ならんぞ。
神父「しばらくは 父のそばにいて
アミットどのを 安心させてやれ。
それが 何よりのクスリになる。
マリベル「パパ……。
メルビン「ふむ……
どうやら アミットどのは
命は 取り止めたようでござるな。
メルビン「つらいとはいえ……
アルスどの 仲間なら ここは
マリベルどのを はげますでござる。
ガボ「う〜ん……。
空気が重てえな……。
ガボ「マリベルの気持ちも わかるし
つれえよなあ……。
マリベル「………………。
ガボ「マリベル……
かわいそうにな……。
ガボ「マリベルの気持ち
オイラにも よくわかるぞ……。
メルビン「……アルスどの。
ここは ひとまず
行くでござる……。
*「まさか 主人が倒れるなんて……。
*「信じたくありませんわ……。
どうか 悪い夢であってほしい……。
神父「おお アルスたちか。
神父「まさか こんなときにマリベルを
どこかに 連れていこうと
いうのでは あるまいな?
はい/いいえ | |
---|---|
はい/いいえ |
神父「いずれにしても 今 マリベルを 神父「なんにせよ せっかく |
メルビン「神父どのの言うことが
おそらく いちばん
正しいのでござろう。
メルビン「今 マリベルどのを
連れていくのは
許されないことでござる。
ガボ「マリベルの とうちゃん
はやく よくなるといいな。
ガボ「そうすりゃ また マリベルと
一緒に 旅ができるんだろ?
神父「今 マリベルを
ここから 連れ出すことは
わしが ゆるさんぞ。
神父「なんにせよ せっかく
来たんじゃ。アミットどのを
元気づけて 差し上げるがよい。
アミット「うう……。
マリベル……。
*「あの お元気なダンナさまが
ご病気になられるなんて……
まだ 信じられないですだよ。
*「アミットさんが いなくては
ここ フィッシュベルは
成り立たないからな。
*「なんにせよ はやく
もとの 元気な姿に
戻ってほしいものだ。
*「アミットさん 大丈夫かなあ?
ボルカノ「おお アルス。
……そうか。アミットさんは
持ち直したか。よかった。
ボルカノ「心配には ちがいないが
オレたちが ジタバタしても
こればかりは どうにもならん。
ボルカノ「せめて アミットさんが
はやくに 回復されることを
祈るしか あるまいな……。
ボルカノ「……それはそうと
じつは おまえたちに ひとつ
聞きたいことが あったのだ。
ボルカノ「以前 ここより北西の海で
漁をしていたとき 近くの大陸に
テントで暮らす人々を見つけてな。
ボルカノ「見たところ 旅の
民族のようだったが お前たちは
そんな人々を 見なかったか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
ボルカノ「おお! やはり知っていたか! ボルカノ「……いや 先日 城の ボルカノ「あるいは 見まちがいでも ボルカノ「お前も見たというのなら ボルカノ「調査団の連中が 調べた後に |
いいえ |
ボルカノ「そうか……。 ボルカノ「……いや 先日 城の ボルカノ「お前も 知らないというなら |
メルビン「旅の民族でござるか……
ぬう…… わしには
わからん話でござるな。
メルビン「アルスどのは
なにか 思い当たることは
ないでござるか?
ガボ「旅の民族って オイラ
どっかで聞いたことがあるような
気がするぞ……。
ガボ「ユバ……なんとかって連中も
たしか テントとかで
暮らしてた……よなあ?
ガボ「うう……。
昔のことを考えると
アタマが かゆいぞ……。
ボルカノ「なんにしても
お前のおかげで はっきりして
いくらか スッとしたぞ。
ボルカノ「……いや なぜか知らんが
あの旅の民族のことが ずっと
胸に 引っかかっていたものでな。
ボルカノ「ここより 北西の地だ。
もし お前も 気になるようなら
いってみると いいだろう。
*「ここは フィッシュベル。
海に かこまれた 小さな村です。
*「……って な〜んだ。
アルスじゃない。
*「ウワサでは アミットさん
とりあえず 大丈夫だったそうね。
ちょっとだけ 安心したわ。
*「ブーブー。
*「コッ コッ コッ。
*「わんわん!
*「キィ キィ…。
*「おお お前さんたち。
また 来ただか。
*「最近 この辺りに
見たことのない鳥が
飛んでることが あるだよ。
*「ひょっとしたら お前さんたちが
島を 復活させたときに
一緒に現れた 鳥かも知れねえな。
*「そのうち その鳥から
直接 聞いてみっとするだよ。
メルビン「ここは いつ来ても
本当に 平和な様子でござるな。
*「ウワサじゃあ ホンダラさん
とうとう 本当に 家を
追い出されるかもって話だよ。
*「あれだけ 借金を ためこんじゃ
しょうがないよねえ。
ガボ「ホンダラのオッチャン
家を 追い出されんのか?
ガボ「そしたら あのオッチャン
どこで 暮らすんだ?
*「あの ガケっぷちの
ヘンクツじいさんに 食べ物を
届ける 役目さえなければなあ。
*「そうすれば わたしだって
新しい大陸で 商売のひとつも
できるのにって 思いますよ。
*「む? いつも 連れておる
きれいな娘さんは
今日は いないのかの?
*「さては いよいよ 本当に
オルカに 取られてしもうたか?
恋は デンジャラスじゃのう。
*「このあいだ 夜がふけてから
リーサ姫さまが おひとりで
教会に まいられたのです。
*「きっと キーファ王子のごぶじを
神に お祈りされたのでしょう。
*「クーン クーン。
*「キーファ王子がいなくなったのは
残念だけど きっとリーサ姫さまが
いい おムコさんをもらうだろうさ。
*「……てことは がんばれば
アルスでも 王子になれるかも…
って な〜に 冗談だよ 冗談。
*「王さまは 元気にしているらしいが
キーファ王子がいなくなっては
やっぱ さみしいと思うぞ。
*「アルスたちの顔を見れば
王さまも 多少は元気がでるだろ?
だから ときどきは行くようにな。
*「やれやれ みょうに元気な顔で
ホンダラさんが 来ちゃったな。
*「ホンダラさん あの顔のときは
いつも ロクな話を
しないからな……。
*「ホンダラさん 家を
追い出されるかもってのに
今度は 沈没船の引き上げだって?
*「やれやれ ホンダラさんは
さぞ 長生きするだろうよ。
*「あ〜あ……
今日は おじいさんが
つかまってるみたい。
ホンダラ「だからな じいさん。
人生 チャンスは そうそう
落ちてるモンじゃねえんだぞ。
ホンダラ「今が そのチャンスって
ヤツだ! 家で ねむってる金を
オレに まわすだけで…… ん?
ホンダラ「おお アルスか。
どうやら 今の話を
聞かれちまった みてえだな。
ホンダラ「だったら しょうがねえ。
お前にも おしえてやるよ。
ホンダラ「これは ウワサなんだがな
世界のどこかに 凍ったまんま
ねむってる船が あるって話でな。
ホンダラ「オレの予想によりゃあ
その船は きっと さぞかしすげえ
お宝を 積んでるにちがいねえ。
ホンダラ「……となりゃあ その船を
さがしだして 引き上げれば
オレは たちまち 大金持ちだ。
ホンダラ「……で 今は
引き上げのための資金を
大々的に 集めてるってワケだ。
ホンダラ「んなわけで お前らみたいな
金のなさそうなのに 用はねえのさ。
さあ 行った 行った。
メルビン「ううむ…… ホンダラどのは
相変わらずの 様子でござるな。
メルビン「氷づけの船などと……
そんなものが この世にあるとは
ガボ「すっげえ……。
ホンダラのオッチャン
アタマいいよなあ。
ガボ「ホンダラのオッチャンが
金持ちになったら オイラにも
なんか 食わせてくれるかな?
思えんでござるしな。
*「う〜む ホンダラの話を
まともに聞いてると しだいに
胸が わるくなるようじゃわい……。
*「世界に 島が増えたおかげで
ときどき よその大陸からの
お客さんも 来るようになってね。
*「これでこそ 部屋の掃除も
やりがいがあるってモンだよ。
*「ホンダラさん ちょっと青ざめて
家の中に 入っていったと
思ったら……
*「すぐに すごい元気で 家を
飛び出していったよ。また
変なこと 思いついたのかな……。
*「オルカの野郎。
最近 やたらに女の子を
家に 呼んでやがるみたいでなあ。
*「そのうち 痛い目に
あわなきゃいいんだがな。
*「おや? 今日はあのワガママそうな
娘さんは 一緒じゃないのかい?
オルカ「おっ アルスか。
ん? なんだ 今日はマリベルは
一緒じゃないんだな。
オルカ「はは〜ん…… わかったぞ。
お前 さては マリベルに
きらわれたな?
オルカ「ん? その暗い顔は
図星ってことか! わかった!
もう それ以上 言うなって!
オルカ「なんにしても あんまり
落ちこむんじゃないぞ!
う…うぷぷぷぷ!
メルビン「むむ! こちらの気持ちも
知らずに 好きなことを言って
ゆるせん青年でござる!
*「キーファ王子が いなくなってから
町の灯が 消えてしもたようじゃ。
……さみしいのう。
*「さっきホンダラに 近いうちに
家賃を払わんと 本当に 家から
出てってもらうと言ったんじゃ。
*「そしたら いつになく青ざめた顔で
帰っていきよった。今ごろ
すこしは 反省しとるじゃろう。
*「ボルカノどのも アルスも
がんばっとるというのに
ホンダラだけが いつものままじゃ。
*「あの男は 死ぬまで
ああ なのかのう。
ほんに 進歩のないヤツじゃ。
*「ホンダラさんを 追い出すのは
かわいそうだけど こればっかりは
仕方ないとは 思うのよ。
*「でも そんなことしたら
ホンダラさん 教会で寝起きしたり
しやしないかと 今から心配だわ。
*「ゴロニャーン。
*「あら アルス。
あそびに 来たの?
ゆっくりしていくと いいわ。
*「王さまは 表面上は いつもと
変わらないって 話だけど……
*「キーファ王子が いなくなったこと
本当は どう思ってるんだろうな?
*「なんでちゅか?
レディーの おけしょうを
のぞくのは しつれいでちゅよ!
*「おお これはアルスどの!
またひとつ 世界に新しい島が
現れたそうですな!
老人「ぐう……ぐう……。
老人「……わしも 友だちが
たくさん ほしいのう……。
……むにゃむにゃ。
ガボ「物知りのじいちゃん
寝てんのかあ。
せっかく 来てやったのになあ。
兵士長「ウワサに聞いたが
フィッシュベルのアミットさんが
病に 倒れてしまったそうだな。
兵士長「アミットどのといえば
ボルカノどのと並ぶ 国の名士。
兵士長「王も そのことを
気に病んでおられたようだぞ。
メルビン「アミットどのが
倒れられた話は ここにも
届いているようで ござるな。
*「聞きましたか!?
ホンダラさんが ものすごい計画を
練ってるんですよ!
*「なんでも 海に沈んだ船を
陸に 引き上げるとか……
*「さすが ホンダラさんだなあ。
ボクも お城の仕事がなければ
すぐに手伝いに 行くのに!
*「ここだけの話ですが
魔物なんてのが 本当に出たら
ボクなら 逃げちゃいますね。
*「なんでも
フィッシュベルの アミットさんが
病に 倒れられたとか……。
*「世界が どんなに平和でも
人間である以上
病は 避けられませんからね……。
*「王さまが ご一緒するようになって
リーサ姫さまも ようやく残さず
食事をするようになったけど……
*「まだ 元気が出ないみたい。
王子がいなくなったことを
ちっとも ふっきれてないのね。
*「今でも ときどき
つい うっかりと 王子の食事まで
作っちゃうことがあってね。
*「なんていうかね……
ホント さみしいよ。
*「王子がいなくなってから 王は
どんなに忙しくとも 食事だけは
リーサさまと一緒にとられるのだ。
*「あまりオモテには見せないが
心の優しい人だとは 思わないか?
*「じまんではないが ここの食材は
王室の方々の 食されるものゆえ
どれも 一級品ばかりなのじゃ。
*「ふむ。たしかに わしが
じまんすることでは ないな。
*「異常なーし!
*「異常ありませんっ!
*「こちらは われらが
グランエスタード王の
玉座の間にございます!
大臣「王子が いなくなってから
しばらく 王は 元気を
なくされていたようだったが……
大臣「最近は いくぶん 元気を
取り戻しつつ あるようだ。
バーンズ王「おお アルスたち!
その後も 旅は順調であろうな?
バーンズ王「ところで……
フィッシュベルの アミットどのが
病に 伏せられたと聞いたが……
バーンズ王「マリベルの姿が
見えんのは やはり そのためか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
バーンズ王「やはりそうか……。 |
いいえ |
バーンズ「では わしの |
バーンズ王「アルスよ。これだけは
わしのクチから 言っておこう。
バーンズ王「旅をしていようが
していまいが 生きるということは
出会いと別れの 積み重ねだ。
バーンズ王「だが ひとつの目標を
目指す男なら 決して 人との
別れを おそれてはならん。
バーンズ王「キーファとて
アルスや わしらとの別れを
悔やんでなど いないはずだ。
バーンズ王「む? すまんすまん。
なにやら 説教くさく
なってしまったな。
バーンズ王「別れの分だけ また
新たな出会いもある。わしが
言いたかったのは そういうことだ。
バーンズ王「おのれの道を信じ
これからも 旅をつづけるのだぞ。
ガボ「キーファのとうちゃんも
だいぶ 元気になったみてえだな。
メルビン「バーンズ王の言葉は
いつも 心にしみるでござるな。
メルビン「さあ 行くでござる。
立ち止まっている時間は
ないでござるぞ。
*「王さまに この部屋は物置と
するように 命じられました。
*「ですが……それでは いつか
キーファ王子がもどられたときに
悲しまれるでしょう。
*「たとえ 王さまの おしかりを
受けようとも この部屋は
このままで 残そうと思います。
*「お妃さまが亡くなられて10年……
そして キーファ王子までも
いなくなられてしまうなんて……
*「私のような者が 少しでも
王さまの 心のささえに
なれればと思うのですが……
*「最近 現れた島の中には ひとつの
場所に とどまらず 旅をつづける
民族もいるらしい とのことだ。
*「もし そんな民族がいたら
調査団の連中も 発見できまいな。
*「たとえ どこにいようとも
王子が 幸福に生きられることを
国民 みなが祈っています。
*「この祈りが キーファ王子の元に
届くといいのですけど。
*「きょうも 遠くの島まで
よく見えるなあ。
*「私も あそこの島に
行ってみたいけど
あぶないかなあ やっぱり。
*「ほれ そこの方。
今こそ そなたに
占いが 必要では ないかな?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「では ひとつ このじじいが *「……はにゃまか はにゃまか *「おおっ 見えたぞ見えたぞ。 *「むむ? この娘さん *「ううむ…… *「まあ それは いいわい! |
いいえ |
*「そうか……。 |
ガボ「きゃははは!
オイラ 今のおっちゃんのかけ声を
もっぺん 聞きてえぞ!
*「この地図を見るかぎりでは
もう ほとんどの島が
この世界に 現れたようだな。
*「すべての島が 現れたとき……
いったい 世界には何が
起こるのだろうな……!
*「城の調査団に入れば 世界に現れた
いくつもの島を この目で
見ることが できるんです。
*「ボクも その仕事を 志願しようと
思ってるんですよ。
*「最近に現れた島の ごく限られた
地域では 魔物というものが
実際に 現れるのだそうです。
*「魔物など 架空のものと
思っていたのに……
恐ろしいことです。
*「さきほど 海のかなたで
何かが 光ったように見えたが……
*「もしかしたら どこか
よその国の船でも
いたのかもしれないな。
*「ここは 王さまのお部屋です。
*「王さまは おられませぬが
今は わが国の王女である
リーサ姫さまが おられます。
*「くれぐれも そそうの
ありませぬように。
リーサ姫「まあ アルス!
よく 来てくれたわね。
リーサ姫「お兄さまのこと
悲しく かんがえるのは
やめることに したの。
リーサ姫「あの お兄さまのこと……。
自分で決めたことを とちゅうで
変えたりしない人ですものね……
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