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マリベル「ここは…… お城なのよね?
マリベル「だけど ずいぶんとまた
ボロっちい お城ね。
メルビン「城は 破壊されているが
どうやら 人々は
無事のようで ござるな。
メルビン「ともあれ これは
不幸中の幸いでござるな。
*「ああ 旅の人だね。
ここは ラグラーズ城だ。
*「あいにく この城は 復旧中だが
見てまわるだけなら
好きにして いいはずだぞ。
*「このお城は 1年前 敵国との
戦争によって このような姿に
なってしまいました。
*「まだまだ 完全ではありませんが
これでも ずいぶん 元のキレイな
姿に もどった方ですわ。
*「ここ ラグラーズは 長年
軍事国家として 世界に その名を
とどろかせてきました。
*「ですが マーディラスとの 戦争に
敗れて以来 すっかり 国が元気を
なくしてしまったようです……。
*「ここ ラグラーズでは
古くより 剣術こそ 最高の
チカラとして 重んじてきた。
*「しかし 魔法を重んじる
マーディラスに 敗れた今では
その理屈は もう通らないな。
*「敵国とはいえ マーディラスの
魔法兵士たちの 戦い方は
じつに 見上げたものだった。
*「あれほど 圧倒的な チカラを
持ちながら ほとんど
人を 殺さなかったのだからな。
*「私のような 兵士まで 復旧作業に
かりだされるとは……。
まったく なんたる不本意だ。
*「店は こわれちゃいましたけど
落ち込んでばかり いられません。
とにかく 商売第一です。
(道具や)
*「くそっ! マーディラスの兵士め!
*「そこにいる兵士は 今は亡き
兵士長どのの 愛弟子でした。
*「マーディラス兵は 王さえも
生かしたのに なぜか兵士長どのの
命だけを うばったのです……
*「ここは 兵士たちが 互いのウデを
競い合うための 格闘場だ。
*「もっとも 今は 城の復旧作業が
忙しくて 武闘大会どころの話じゃ
ないんだけどな。
*「王は この先におられる。
くれぐれも そそうの
ないようにな!
*「おお! 旅の者とは めずらしい!
ここしばらく この辺りを
旅する者など いなかったからな!
*「戦争に敗れて以来 わが国の王は
すっかり しずんでおられる。
*「よければ 旅の話でもして
王を 元気づけて
さしあげてくれんか?
王「敵国 マーディラスは
わずか10年前 一度は わが国に
敗れたはずの 国だったのだ。
王「それが この数年で まったく
おどろくほど マーディラスは
強い国へと 変わってしまった……
王「マーディラスが あれほどに
強くなったのは 新しい 若い王の
チカラのためと 聞くが……
王「どんな男かは 知らんが
できることなら 戦場以外の場所で
会いたかったものだな……。
メルビン「なんと 城のこのありさまは
人間同士の あらそいによるもので
ござったか!
メルビン「人間同士は チカラを
あわせねば ならんというのに……
なげかわしい ことでござる。
マリベル「ふうん……。
つまり 人間同士で戦争をして
こんなことに なったってわけか。
マリベル「で… その戦争も
とりあえず 終わってるのね。
マリベル「なんだか わかんないけど
そんなの あたしたちが
出る幕じゃないじゃないの。
ガボ「なんだか よくわからねえけど
つまり この城をおそったのは
魔物じゃねえってことか。
*「ウワサによると 大神官さまが
王の行動を とがめたために 王は
こんな関所を 作ったのだそうだ。
*「大神官さまは いったい 王の何を
とがめたと いうのだろうな……?
*「関所を通りたくば まずは
この俺を たおしていけ……!!
*「ムニャムニャ……。
*「ん? おまえはなんだ?
今は 王の特命により 大神殿への
道は 通れなくなっているのだ。
*「あきらめて
元の道を 戻るんだな。
メルビン「う〜む……。
ここは どうにもならんようで
ござるな……
メルビン「アルスどの ここは
ひとまず 引き返すでござるよ。
*「私はこうして 番人などしているが
大神殿との交流を やめることには
むしろ 反対しているのだ。
*「……とはいえ 王の命令に
逆らうことも できないしな。
マリベル「ここは どうやら
お城の城下町みたいね。
マリベル「けっこう 人が多くて
楽しそうな所じゃない。
*「ようこそ 旅の方。
ここは マーディラスの城下町よ。
*「わたしは 城の兵士になりたくて
この国に 来たのだが あっさり
追い返されてしまったのだ。
*「魔法にも 自信があったのだが
どうやら よほど 優れた人間しか
やとわないようだな。
*「今の王が 父の座を継いで2年。
新しい王は とにかく 国の強化に
チカラを 注いだのじゃ。
*「敵国に 勝つためと思えば
国民もみな はじめは 新しい王の
かんがえに 従ったが……
*「ラグラーズをたおし 敵などいない
今となっても 王は
国の強化を やめようとせん。
*「今の王には もう ついていけん。
まるで 悪魔にでも つかれて
しもたかのようじゃ……。
マリベル「この国の王さまは とにかく
国を強くすることに 必死なのね。
マリベル「それなら それで
いいじゃんって
あたしは 思うけどな。
*「神父の ディノさまが
この教会に 来られたのは
今から 半年ほど前のこと。
*「以前は お城に仕えておられて
現王とは 幼なじみだったという
ウワサまである方なのです。
*「私の名は ディノ。
以前は 王室つきの神父として
城に 仕えていました。
ディノ「しかし…… 王のかんがえが
わからなくなり 半年ほど前
私は 城を出たのです。
ディノ「今の王は おかしいのです。
国の強化だけなら まだしも
触れてはならないはずの……
ディノ「いえ…… なんでもありません。
今の話は 聞かなかったことに
してください……。
メルビン「ううむ……。どうやら
この国の王は 国民の信頼を
得ていないようでござるな。
*「なんでも 南の大神殿に行く道に
関所ができて 許可のない者は
通れなくなっちまったそうだ。
*「王さまが 急に作らせた物らしいが
今の王さまは 本当に
何を考えてるのか わからないな。
*「この間 ウワサで聞いたんだけど
究極魔法って なんなのかしら?
あなたたち 知ってる?
*「にゃ〜ん。
*「あれ? 見かけない顔ですね。
もしかして 魔法研究所で
はたらきたくて 来た人ですか?
はい | いいえ |
---|---|
はい |
*「そうですよね。 *「でも 今は 前よりも 入るのが |
アルスは 立て札を 読んだ。
”王立魔法研究所”
と 書かれている。
*「王の命令により
研究所内に 出入りできるのは
限られた者のみと されている。
*「許可のない者は
早々に 立ち去るがいい。
ガボ「研究所……?
なあ アルス。
ふつうの人は 入れないのか?
*「旅の者か。
あいにくだが ここは 一般の者の
出入り口ではない。
*「中に入りたくば しかるべき者の
許可を得て 南の入り口から
入るがよかろう。
*「ラグラーズとの 戦争が終わって
これで 少しは 平和になると
思ってたんだけどね……。
*「まだまだ 国を 強くしようと
してるなんざ わたしにゃ
王さまの気持ちが わからないよ。
メルビン「国民が 王をこころよく
思っていない国は 災いごとが
おきやすいで ござるよ。
メルビン「アルスどの。
この国のことは もっと調べた方が
よいかもしれんで ござるぞ。
ミクワ「メラ!!
ミクワ「あれ?
失敗しちゃったみたい……。
ミクワ「でも ときどきは成功するから
おにいちゃんたち 急に
話しかけると あぶないかもよ。
*「この国では 優れた魔法使いだけが
城や研究所に 仕えることができ
ゆうふくな生活を 約束されます。
*「そのため そこで魔法の練習をする
ミクワのように 多くの者が
魔法使いに なりたがるのです。
*「ウワサじゃあ 世界のどこかに
自由に空を飛べる種族が
いるっていうじゃないさ
*「きっと 気持ちがいいだろうね。
あたしも 空を飛んでみたいよ。
*「ふうふう。
毎日の洗たくも 楽じゃないわい。
*「だれか 洗たくを楽にする。
魔法でも 考えてくれないかねえ。
*「これ以上 国を強くして
王は いったい 何と
戦う つもりなのか……。
*「それが わからない以上
娘を 安心して 魔法使いに
することは できませんよ。
*「ラグラーズとの戦争が 終わった
今でも 王は 国を強くする方針を
変えていません。
*「つまり 娘のミクワがお城に仕える
チャンスも まだまだ
残っていると いうことですわ。
*「主人は 毎日 勉強ばかりですが
私は もっと心豊かに 暮らす道が
あると 思うのです……。
*「私は 研究所に入るために
こうして 日夜 勉強に
明けくれて いるのです。
*「さあ 勉強のジャマです。
用がないなら さっさと
出ていってください!
アルスは 本だなを調べた。
「初歩の魔法」という本が
おかれている。
”メラ メラミ メラゾーマ
”ホイミ ベホイミ ベホマ
”パルプンテ パルプンテ パルプンテ
あまり 役にたちそうになかった。
*「この先を まっすぐ行って
橋を わたったところが
魔法の城 マーディラス城だ。
*「はじめて見るなら
きっと たまげるぞ。
ガボ「すっげ〜 高い橋だな〜。
なんだか 空を飛んでるみたいで
オイラ 気分いいぞ。
マリベル「う〜ん……。
ずいぶん 見晴らしのいい橋ね。
*「ここは マーディラスの王城だ。
どうやら 志願兵というわけでは
なさそうだな。
*「この城に 用があるのなら
となりの兵士に
話しかけるといい。
*「ここは マーディラスの王城だ。
見かけない顔だが
この城に 何か用でも……
*「は!
もしや メディルの使いとは
おまえたちのことか!?
いいえを選んだ場合のみ | |
---|---|
いいえを選んだ場合のみ |
*「そうだろうな。 *「用が ないのなら |
*「ここは マーディラスの王城だ。
なんだ また おまえたちか。
*「まさか 本当は 自分たちが
メディルの使いだったとでも
言うのではないだろうな?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「おお! そうであったか! *「……と 言いたいところだが *「よし! 今から 王に |
いいえ |
*「そうだろうな。 *「用が ないのなら |
マリベル「ねえ アルス。
なんで なんたらの使いだなんて
ウソついたのよ。
マリベル「なんにしても あんなウソに
だまされちゃうなんて このお城の
警備も なってないわね。
メルビン「もちろん アルスどのの
ウソは 感心せんでござるが……
メルビン「そのウソが あるいは
この国を 救うことになるやも
しれんのでござる。
メルビン「この状況でのウソは
方便というもので ござろう。
ガボ「アルスが なんとかの使い
だったなんて オイラ ちっとも
知らなかったぞ!
*「メディルの使いは 大切な客人と
聞いていたのだが…… まあいい。
とにかく 城の中で 待つがいい。
*「門番をしていた兵士なら
王の確認を 取るために
このトビラの先に 行っておる。
*「確認が 取れるまで
ここを 通すわけには いかん。
城の中で しばらく 待つがいい。
*「私は ここで杖を作っております。
見なれぬ顔ですが もしや
新しい杖を お求めですか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「ならば また訪ねてくだされ。 |
いいえ |
*「ならば こんな年寄りには |
*「それにしても…… 遅いのぉ。
あやつは いったい どこで
油を 売っとるんじゃ……。
*「さーて できた。
黒トカゲの むし焼きでござ〜い。
*「なんて ウソウソ。
逃げないでよ。 冗談なんだから。
*「魔法使いって あんまり
モリモリ 食べるって
感じじゃないと 思うけど……
*「中には いるのよね。
魔法に さしつかえるほど
食べちゃう人も。
*「ああ 忙しい! 忙しい!
*「まったく 料理だけは
魔法で作るって わけにも
いかないからね。
深く めい想しているようだ……。
返事がない。
*「ここは より魔力を高めるための
修行の場です。ここでの
私語は おつつしみ ください。
*「ウトウト……。
*「は! せっかく めい想してたのに
あんたらのせいで
気が それちゃったじゃないか!
*「本当にもう……。
人の 修行のジャマだけは
やめてくれよな。
魔法使いの像のようだ。
*「この城は 4つの塔からできていて
それぞれの塔に 名前が
あるんですよ。知ってましたか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「な〜んだ つまんないの。 |
いいえ |
*「ええ! 知らないんですか? *「まず 正面から すぐ右の塔。 *「そこから 北に進んだ所にある *「……で 正面から すぐ左の塔。 *「そこから 北に進んだ つまり *「はじめは ちょっと 迷うけど *「どうです ボクの話は? |
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「そうでしょうとも! |
いいえ |
*「そうかなぁ……。ボクの話術も |
*「兵を ひきいて ラグラーズに
向かうときの 王の姿は
それは 勇ましいものだった。
*「あのときは 自分の国の王が
この方で よかったと
つくづく 思ったものだ。
*「しかし 今は……。
いや 不用意なことは言うまい。
*「ぐうぐう……。
*「この下は 牢獄だ。
囚人と話したくば ロウヤ越しに
話すがいいだろう。
*「城の一部が 空を飛んでるなんて
いかにも すげえお宝が
ありそうだと 思うじゃねえか。
*「なのに 王の部屋まで
入りこんでも 金めの物なんて
なんにも ありゃしねえ。
*「おまけに ヘマふんで こうして
つかまっちまって……。
まったく いいとこなしだぜ。
きれいな水が たたえられている。
*「師匠に たのまれて この部屋の
まん中にある 宝箱の中身を
取りに きたんだけど……
*「あの宝箱は 魔法に守られてるのに
開け方を 忘れちまうなんて……。
ああ また 師匠にどやされる。
*「像より入りて 十字を切れ。
これが 開け方の ヒントの
はずなんだけどな……。
マリベル「像より入りて 十字を切れ
ですって。なんのことかしら……
ナゾかけっぽくて 気になるわね。
何かの開いたような
音がした……!
*「あ 開いたのか!
いや ありがてえ!
*「それは 魔法の杖の しあげに使う
大事な聖水なんだ。
当然 わたしてくれるよな?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「恩にきるぜ! こんな大事なこと *「俺は 火の塔で 杖作りの弟子を |
いいえ |
*「そんな いじわる 言いっこなしだ。 (ループ) |
アルスは 石碑を調べた。
”どんな道であろうとも
必ず 頂点を目指せ。
―ジェシカ・マーディラス1世
*「あ 宝箱を 開けてくれた
あんたらか!
本当に 来てくれたんだな!
*「あのあと 結局 宝箱の開け方を
忘れたってのが バレて 師匠に
さんざん どやされちまったよ……
*「それで しばらくは
こうして 倉庫の整理ってわけさ。
トホホ……。
*「そんなわけで 今は何も
できないけど 絶対 礼はするから
本当に また来てくれよな。
*「こう見えても 杖作りのウデだけは
たしかなんだぜ。だから
絶対に また来てくれよな。
法衣が かけられている。
はたおり機が 置いてある。
*「ここでは 法衣を作るための
絹を 織っております。
*「本当に いい法衣は
魔力の強い者の 織った絹でしか
作ることが できないのです。
*「すべての糸の 端から端まで
ただひたすら 念を みたして
織っていくのです。
*「よくできた絹は うっすらと
光を放ち ひと目で いい絹だと
わかるものなんですよ。
*「む? わしが国王かじゃと?
わしは 先代の国王じゃ。
先代国王「2年前に 息子に 王の座を
ゆずりわたし 今は 妻と二人で
いんきょの暮らしを しておる。
先代国王「息子は 王になってからの
わずか2年で 弱小だったこの国を
徹底して 強化しよったのじゃ。
先代国王「国を強くするのは いいが
みなの言うように 今の息子は
すこし 行きすぎかもしれん。
先代国王「そこにいる妻も わが子の
未来に 不安を感じておる。
よければ 話を聞いていくがよい。
*「私は この国の 皇太后。
つまり 今の王の母親。
皇太后「いきなりで すまぬが……
そなたらは 旅の者か?
いいえを選んだ場合のみ | |
---|---|
いいえを選んだ場合のみ |
皇太后「そうか……。ならば ここは 皇太后「即刻 立ち去るがいい。 |
皇太后「今一度 たずねる。
そなたらは 旅の者か?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
皇太后「そうか! ならば そなたらに 皇太后「この城の南に わが国と 皇太后「しかし 息子は ある日 皇太后「理由はどうあれ このままでは 皇太后「そこでだ 大神殿の主である |
いいえ |
皇太后「そうか……。ならば ここは 皇太后「即刻 立ち去るがいい。 |
いいえを選んだ場合のみ | |
---|---|
いいえを選んだ場合のみ |
皇太后「無理じいはせん。 |
皇太后「旅の者。
今一度 たずねる。
皇太后「そなたらには 大神殿の
主である 大神官のもとに ひとつ
書状を とどけてもらいたい。
皇太后「行ってくれるな? 旅の者。
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
皇太后「感謝するぞ 旅の者。 アルスは 皇太后の書状を 皇太后「その書状は 大神官が 皇太后「関所は 門番の兵士に |
いいえ |
皇太后「無理じいはせん。 |
ガボ「アルス。
今の おばちゃんから
何を もらったんだ?
ガボ「うまいもんだったら オラにも
ちょっぴし 分けてくれよな!
マリベル「大神殿は お城から出て
南の方角とか 言ってたわね。
マリベル「アルス どうすんのよ?
大神殿に行くのは 王さまに
会ってからにするの?
メルビン「じつの母どのに
あれほど心配を かけるとは……
この国の王は 親不孝者でござる。
メルビン「父どのと母どのは 何より
大事でござる。アルスどのも
ずっと大切に するでござるぞ。
皇太后「そなたらに あずけた書状は
いわば 王の意志に 逆らう物。
城の者には たのめなかったのだ。
皇太后「大神殿は この城から南。
それでは よろしく頼んだぞ。
マリベル「ね…ねえ! アルス!
当然 今の見たわよね!
マリベル「なんなのかしら?
あれも 魔法のチカラなの?
ガボ「うっひゃあ〜!
すげーぞ! 今の もういっぺん
やってくんねえかな!?
メルビン「うむ! 今 地上に降りた
建物こそ 王の間のある場所に
ちがいないでござる!
メルビン「もしや 王に会えるやも
しれんでござる! アルスどの!
行ってみるでござるよ!
*「まだ 王の許可は でていない。
ここを 通すことはできんぞ。
*「おまえたち! たった今 王に
確認をとったが そんな少年など
来るはずがないとのことだ!!
*「おまえたち 本当は
メディルの使いでは ないな!?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「むむ! よくも ぬけぬけと! |
いいえ |
*「むむむ……!! |
*「とにかく 問答無用だ!
今すぐ この城から 立ち去れ!
*「まったく 人をだますとは
とんでもない ヤツらだ!
もう2度と 来るんじゃないぞっ!
*「人をだまして 城の中に入るとは
とんでもない ヤツらだな。
*「なんだ おまえたち。
まだ この城に 用があるのか。
*「当然 城に入れるわけにはいかん。
もう来るんじゃないぞ。
*「そりゃあ 俺だって
なれるもんなら 魔法使いに
なってみたいよな。
*「大神殿を 知ってるかですって?
それは もちろん知ってますよ。
*「大神殿とは ずっと 深い交流が
ありますからね。場所なら
この町から 南の方角ですよ。
*「また おまえか。
ここは通れないと 言っただろう。
皇太后の書状を 見せますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい | *「ん? なんだ それは? *「おお! 皇太后さまより |
いいえ |
*「ここを 通りたくば |
マリベル「さすが 皇太后さまの書状!
効果ばつぐんだね!
*「このまま 南に行けば
大神殿は すぐ目前だ。
まようことも ないだろう。
*「皇太后さまの命令を
受けているのだ。くれぐれも
気をつけて 行くのだぞ。
*「おお また おまえか。
皇太后さまの書状は まちがいなく
持っているようだな。
*「よし ここを 通ってよいだろう。
マリベル「ねえ アルス。
大神殿って ホントにこんな所を
とおって行くんでしょうね?
*「大神殿を 探してると?
あいにくだけんど どうやら
道を みちがえてるっぺよ。
*「大神殿なら この山から
東の方だっぺ。
来た道に 戻るといいだよ。
アルスは 足もとのオケを調べた。
釣れたばかりの魚が
オケの中を 泳いでいる。
メルビン「ふむ! なかなかに
立派な神殿で ござるな!
*「大神殿へ ようこそ。
どうぞ ゆっくりしていってね。
*「いや この神殿は 美しいですな。
遠くから見て 用もないのに
思わず 立ち寄ってしまいました。
*「と 世間話は
このくらいにして……
(どうぐ屋)
*「なんですと? 皇太后さまの
命により 大神官さまに
書状を とどけに 来たですと?
*「それは 大神官さまも
さぞ よろこばれましょう。
ささ 神殿の2階へお急ぎなされ。
*「昔 一緒に 魔法の修行をしてた
友達がね ドワーフのもとに
お嫁に いったのよ。
*「相手が 人間じゃないってのが
イマイチだけど ちょっぴり
うらやましかったな……。
*「私は マーディラス城の兵士として
はたらきたいと思い
ここまで 来たのだがな……。
*「なんと 城に向かう道に
関所ができていて 許可のない者は
通ることが できないのだそうだ。
*「この池の まん中の 島って
いったい どうやったら
行けるのかしら……?
*「ねえ 聞いて! この橋ね
さっき 急に 現れたのよ!
*「え? この橋は あなたたちが
出したですって? すご〜い!!
*「あらあら。若いのに ずいぶん
つかれたような 顔をしてるねえ。
*「よかったら 休んでお行きよ。
なに お金なんか いらないさ。
休みますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「さあ! 今日も がんばりなよ! |
いいえ |
*「あら そう……。 |
*「大神官さまは ここしばらく
部屋に こもって
魔法の研究ばかりしています。
*「今日も朝から いろいろ
研究してるみたいだけど
いったい 何の魔法なのだろう?
巨大なツボが 置かれている。
アルスは 本だなを調べた。
「世界の美女」と書かれた
肖像画集がある。
*「ええい! できんわっ!
*「なんだか だんだん
どうでも よくなってきたわい!
*「まったく この魔法なくして
あのボウズを 止めることなど
できんというのに……。
*「ん? なんじゃ?
いかにも わしが大神官じゃが
おまえさんたちは?
皇太后の書状を 渡しますか?
いいえを選んだ場合のみ | |
---|---|
いいえを選んだ場合のみ |
大神官「用がないのなら 向こうに |
大神官「また おまえさんたちか。
わしは今 モーレツに 忙しいと
言ったじゃろう……。
皇太后の書状を 渡しますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
大神官「これは……? 大神官「フムフム…… なるほどのう。 大神官「まあ いかにも あのボウズの 大神官「旅の者 ご苦労であった! 大神官「くわしくは 秘密なんじゃが 大神官「とにかく 重要なんじゃが 大神官「わしが 何を言いたいが |
いいえ |
大神官「用がないのなら 向こうに |
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
大神官「な! なんと! 大神官「その親切さは いずれ マリベル「ねえ アルス。 大神官「……で たのみの話じゃが 大神官「その洞くつの奥に ねむる 大神官「くわしくは 星空の結晶を |
いいえ |
大神官「要領が 悪いのう……。 (ループ) |
ガボ「なんだか 今のおっちゃん
変な おっちゃんだったなあ。
メルビン「やれやれ。
手紙を わたしおえたと思ったら
今度は 星空の結晶とは……
メルビン「どうやら この地は
人づかいの あらい人間が
多いようでござる。
マリベル「どうやら 王さまが
一方的に怒ってるだけで こっちは
それほど 気にしてないみたいね。
マリベル「……でも これじゃあ
あたしたち ケンカを止めに
来ただけみたいじゃない。
*「あら こんな所に 人が来るなんて
めずらしいわ。
*「えっ? 星空の結晶を探してるの?
だったら いろいろと
教えてあげられるけど……
*「今 手が はなせないから
うちの人とでも
話していて くれるかしら?
*「なんだな? おまえさんがたは?
わざわざ こんな山奥に来るとは
なんたる 変わり者だべ。
*「なに? 大神官さまに星空の結晶を
取ってくるように 命じられたと?
ふわ〜 そら ご苦労さんだのう。
*「星空の結晶なら この山の
てっぺんの泉のほとりに ときどき
落ちてることが あるっぺよ。
*「もっとも 今は 行きたくても
行けないけんどね。
*「なんでって? あんた なんでも
人にたずねてねえで んなこと
自分で たしかめたら ええべ。
*「……あんた いつまで
こんな所を フラフラしている
つもりね?
*「なして 山のてっぺんに行けんのか
早いとこ 確認してくるが
いいべさ。
水の流れが はげしく
このままでは 進めそうにない。
マリベル「どうやら このままじゃ
ここは通れないみたいね。
マリベル「とりあえず 他の方法を
かんがえましょ。アルス
あんたも かんがえるのよ。
ガボ「うっひゃあ〜。
すっげえ 水だなあ……
*「あんれ。その顔は なして
てっぺんに行けんのか わかった
顔のようじゃね。
*「そう 落ち込まんでも おらが
ええ情報さ 提供してあげるけん
心配は 不要だべ。
*「あんたらも 見たと思うけんど
山のてっぺんに続く 道のとこに
滝が ドカンとあたってるっぺさ。
*「滝が止まらんことには あの道は
どうやっても 通れんのよ。
*「でも 明け方の みじかい時間
なんでだか あの滝は 止まるべ。
つまり 朝まで待てばいいっぺよ。
*「これ以上 くわしい話は
そこにいる ウチの奥さんにでも
聞いてみるといいだよ。
既に滝を見ている場合
*「なんだな? おまえさんがたは?
わざわざ こんな山奥に来るとは
なんたる 変わり者だべ。
*「なに? 大神官さまに星空の結晶を
取ってくるように 命じられたと?
ふわ〜 そら ご苦労さんだのう。
*「星空の結晶なら この山の
てっぺんの泉のほとりに ときどき
落ちてることが あるっぺよ。
*「もっとも 今は 行きたくても
行けないけんどね。
*「なんでって? 見たとは思うけんど
山のてっぺんに続く 道のとこに
滝が ドカンとあたってるっぺさ。
*「滝が止まらんことには あの道は
どうやっても 通れんのよ。
*「でも 明け方の みじかい時間
なんでだか あの滝は 止まるべ。
つまり 朝まで待てばいいっぺよ。
*「これ以上 くわしい話は
そこにいる ウチの奥さんにでも
聞いてみるといいだよ。
*「星のまたたきが 汚れなき水面に
反射して生まれる 奇跡の結晶。
それが 星空の結晶です。
*「つまり 星空の結晶は
星の出ている時間にしか
手に入らないわ。
*「取りに行きたいのなら あすの朝
星が消える前に ここを出れば
きっと 間に合うでしょう。
*「もし よければ それまで
ここで 休んでいかれては
いかがですか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「それでは ごゆっくり……。 |
いいえ |
*「そうですか……。 |
*「あんたら そろそろ
起きないと やばいっぺよ。
*「いや まいった まいった。
じつは オラもちょっと
ねぼう しちまっただよ……。
*「今なら 滝は止まってるだよ。
お星さま 消えちまわないうちに
あんたらも 急いだ方がいいっぺ。
*「礼なんていいから あんたら
のんびりしてないで もっと
急いだ方が いいっぺよ!
*「さあ 急がないと 滝がまた
流れはじめて しまいますわ。
結晶を取らずに戻って来た場合
*「あんたらだか。……なんと!?
星空の結晶を取らずに 戻ってきて
しまっただか!
*「あいたたたた……。んだば
また あすの朝まで 待つしか
ないっぺなあ……。
マリベル「アルス!
なんだって 星空の結晶を取らずに
もどってきちゃったのよ!
マリベル「ホントに とろくさいわね!
今度 同じことやったら あたし
あんたと旅するの やめるわよ!
*「まあ。星空の結晶は
見つからなかったですって?
では しかたないですね。
*「また あすの朝まで こちらで
お休みになりますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「それでは ごゆっくり……。 |
いいえ |
*「そうですか……。 |
*「あんたら そろそろ
起きないと やばいっぺよ。
*「いや まいった まいった。
さいきん どうも寝おきの
ちょうしが わるいっぺ。
*「んなことより あんたら
とにかく 急ぐっぺ!
今なら 滝は 止まってるだよ!
*「さあ 今日こそ 星空の結晶を
見つけてきて くださいね!
アルスは ゆっくりと またたく
美しい 結晶をみつけた。
アルスは
星空の結晶を 手に入れた。
ガボ「う〜ん……
星空の結晶って やっぱり
食えそうもないな。
ガボ「アルス。
つぎは もっと うまそうな物を
探そうぜ。
メルビン「なるほど。
これが 星空の結晶でござるか。
メルビン「こんな物が 材料になるとは
魔法の研究というのも
奥が深いでござるな。
*「ああ。あんたらだか。
とうとう 星空の結晶を
取ってこれたみたいだっぺね。
*「ところで…… 言いわすれてたけど
じつはここは 宿屋だっただよ。
*「そんなわけで ○日の泊まりで
○ゴールド できれば
はらって ほしいっぺ。
*「ムリにとは 言わないけんど
はらってくれるだか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「ありがたいっぺよ。 |
いいえ |
*「……そうだか。ぜんいなき |
*「さあ。用がすんだら はやく
大神官さまのところに
戻るといいっぺ。
*「まあ。星空の結晶を 取って
これたのですね。大神官さまが
さぞ よろこばれましょう。
*「おお さっきの連中か。
なんだ 今度は城に戻りたいのか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「ならば もう一度 皇太后さまの *「なに? 書状は 大神官さまに *「残念だが これも規則だからな。 |
いいえ |
*「ならば 来た道に |
*「おお 無事に 星空の結晶を
取ってきなさったようですな。
*「大神官さまが よろこばれましょう。
さあ 急いで大神官さまのもとへ。
*「この橋って いったい
どうやったら 出てくるの?
ねえねえ 教えてよ〜。
大神官「おお! おまえさんたちか!
星空の結晶は 無事に
取ってこれたのじゃろな!?
星空の結晶を わたしますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
大神官「おおおっ! これぞ まさしく 大神官「アルス ご苦労じゃったな。 大神官「どこかで 聞いたかもしれんが 大神官「なんでも 王は 究極魔法を 大神官「究極魔法とは そのチカラの 大神官「そんなウワサが 本当ならば 大神官「だが 王はシラをきるばかりで 大神官「そんなこんなで 王は 大神官「そこでじゃ わしは 万が一の 大神官「苦労はしたが どうやら 大神官「おお そうじゃ。 アルスは 大神官の書状を 大神官「それさえあれば たとえ王とて 大神官「おまえさんたちは 城に戻り 大神官「わしは こっちの魔法の完成に |
いいえ |
大神官「なんじゃ……。 大神官「とにかく あれは |
メルビン「おお! 大神官どのより
書状を もらったでござるな!
メルビン「これで 王にも会えるで
ござろう! さあ アルスどの!
すぐに 城にもどるでござるよ!
マリベル「今度は
お城に行け ですって。
マリベル「まったく この国の人って
旅人を 便利屋か何かと
かんちがいしてるわよね。
大神官「ああなって……。
こうなって……。ブツブツ。
大神官「うお! なんじゃ!
まだ こんな所に おったのか!?
大神官「こうしている間に 王が魔法を
完成させてしまうやもしれん!
はやく 城に戻るがいい!
*「今度は 城に戻られるのですか。
いやはや あわただしいですな。
*「さっき 王の書いた 許可証を
持った男が ここを通っていったが
ひどく 態度の悪い男だった……。
*「おお さっきの連中か。
なんだ 今度は城に戻りたいのか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「ならば もう一度 皇太后さまの 大神官の書状を 見せますか? |
いいえ |
*「ならば 来た道に |
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「ん? な! なんと!? *「大神官さまが めったな者に *「と とにかく ここを通ることは |
いいえ |
*「なに? 書状は 大神官さまに *「残念だが これも規則だからな。 |
メルビン「ふむ! さすがは
大神官どのの 書かれた書状!
効果は ばつぐんでござる!
マリベル「ふ〜ん。
あの大神官のおじさんの書状
結構 すごいじゃん。
*「大神官さまは 国王にひとしく
尊き方。その方の書状を
持っているとは……。
*「そろそろ 交代の時間か。
毎日これでは 疲れが
たまってしまうな……。
*「おお 大神官さまの書状を持つ
おまえらか。
よし 通っていいぞ。
*「おお お前たちか。
よかろう ここは通るがいい!
*「神父さまは なにやら
胸さわぎがすると言って
さきほど お出かけになりました。
*「なにか 悪いことでも
起きなければ よいのですが……。
*「なんでも ガラの悪いヤツが
町を フラフラしているらしいな。
*「あんたらも 変なのに
からまれないように 気をつけなよ。
*「うちの人って 見てくれは
恐そうだけど あれで 結構
お人好しで かわいいのよね。
*「さっき ひどくガラの悪い男が
いたけど あんな男が この町に
何の用なんだろ……?
*「いつにもまして お城の
ふんいきが ピリピリしてるけど
私の 気のまわしすぎかね……。
*「王は ただひたすらに 国を
強くしようと しているがな……
*「強すぎるチカラは
やがて 破滅を呼ぶもんじゃ……。
*「王の悪いウワサ? ……ああ
たしかに ないことはないな。
*「でも そんなウワサがなくても
今の王は どこかおかしいって
みんな 感じてると思うぞ。
*「ミクワは せっかく
神さまから チカラをもらって
生まれてきた子だと いうのに……
*「魔法使いを やめさせるなんて
そんなこと 私は絶対に
反対ですわ!
*「……今 娘の将来について
話し合っているんですが 妻は
なかなか 納得してくれません。
*「私はただ 娘には
もっと自由に 生きてほしいと
思うだけなのですが……。
*「娘に期待する お母さまの気持ち
娘を想う お父さまの気持ち
どちらも よく分かります。
*「私は どちらの味方をすれば
よいのでしょう……。
ミクワ「毎日 魔法の練習ばっかりで
なんだか あきちゃったなあ……。
ミクワ「ねえ おにいちゃんたち。
魔法が 使えることって
そんなに 大事なこと?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
ミクワ「ふ〜ん……。 |
いいえ |
ミクワ「ふ〜ん……。 |
*「王の命令により
研究所内に 出入りできるのは
限られた者のみと されている。
*「許可のない者は
早々に 立ち去るがいい。
大神官の書状を 見せますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「む……! なんと! *「それを 持っているとは *「王が 何と言うか知らんが…… |
いいえ |
*「さあ そこにいてもムダだ! |
*「王へのたてまえ上 大神殿との
交流は 禁止ということに
なっているが……
*「大神官さまの書状とあっては
王の命令にも ひとしい。
無視するわけにも いかんからな。
*「王立魔法研究所へ ようこそ。
所内は ご自由にご見学ください。
*「あなた 知っていますか?
このオブジェは 魔法のチカラで
宙に 浮いているんだそうです。
*「くわしくは わからないですけど
お城が 宙に浮いてるのも
これと同じ 原理だそうですよ。
アルスは 立て札を 読んだ。
”この マジックボールは
王立魔法研究所の シンボルです。
と 書かれている。
*「かつて 大陸をも 吹き飛ばした
究極魔法とは もしや強力な
バシルーラ……ではないだろうな。
*「妙なウワサを 聞きました……。
なんでも 王が 究極魔法の復活を
計画しているとか。
*「古き賢者でさえ恐れた 究極魔法。
本当に あるとしたら それは
どんな魔法なのだろう……。
アルスは 本だなを調べた。
「魔法体系」と
書かれた本がある。
さまざまな魔法の歴史などが
解説されているが むずかしすぎて
アルスには 理解できなかった。
*「こんな せまい部屋だが
ここで 仕事ができるのは
選ばれた人間だけなのだ。
*「この研究所で はたらくのは
マーディラス国民の 夢だからな。
*「大神殿との 交流を断ち
幼なじみは 考え方のちがいから
城を出ていってしまった……。
*「今の王の孤立ぶりは 目にあまる。
いったい 何がそこまで 王を
かり立てているのだろうな……。
アルスは はりがみを 読んだ。
”所長室
と 書かれている。
*「大切な話が あって来たのに
所長が おられないとは……。
いったい どこに行かれたのだろう?
*「私は この研究所の所長です。
今 ここから 町の人々の暮らしを
ながめておったのです。
所長「町の人々は 今でこそ 平和に
暮らしていますが 昔から ずっと
こうだったわけでは ありません。
所長「ほんの十数年前まで この国は
年中 敵国に攻められてばかりの
弱小国だったのです。
所長「罪もない人々が 家を焼かれ
人も殺され…… この国にあるのは
恐怖と不安ばかりでした。
所長「王が 今 国の強化に
チカラを注ぐのは そうした
つらい過去が あるからこそ。
所長「たとえ 悪いウワサがあろうとも
私だけは どこまでも
王に ついていくつもりです。
所長「王が 今 国の強化に
チカラを注ぐのは 弱小国だった
つらい過去が あるからこそ。
所長「たとえ 悪いウワサがあろうとも
私だけは どこまでも
王に ついていくつもりです。
ミクワ「わ! わわ! わ!
ミクワ「と……止まらないよ〜!
ミクワ「わ! わわ!
だ……だれか! たすけてぇー!
ミクワ「ご…ごめんなさい!
あの……大丈夫でしたか?
*「娘……。
魔法使いに なりたいのか?
ミクワ「は…… はい。
*「そうか……。
ならば 俺が 魔法の使い方を
教えてやろう……。
*「おぼえておくといい……。
これが メラゾーマという呪文だ。
ディノ「やめろ!!
ディノ「うああぁぁ!!
*「ほう……。
この呪文を くらって
まだ 息があるとはな……。
ディノ「き…… きさま!
くっ!!
*「今ここで 死なせてやってもよいが
あいにく 私も いそぐ身でな。
せいぜい 痛みにあえぐがいい……
マリベル「なっ!?
なんだったの!? 今のは!
マリベル「アルス! なんで
あんたは ボケッと見てたのよ!
男のくせに 情けないわね!
メルビン「アルスどの!
神父どのの 身体が心配でござる!
すぐに 行くでござるよ!
ガボ「ガルルルル……
あの黒いヤツ 悪いヤツだ。
においで わかるぞ……
ミクワ「神父さま!
ごめんなさい 私のせいで!
ディノ「ううっ……。
いや 私なら 大丈夫だ……。
ディノ「私のことよりも……
ミクワ おまえこそ
ケガは なかったろうな?
ミクワ「は…はい!
私は 平気です。
ディノ「そうか……。
ならば なによりだ。
し…しかし……。
ミクワ「し……神父さま!?
ディノ「うむ……。
さすがに かなり こたえたようだ。
このままでは いかんな……。
ディノ「そこの方。すいませんが
私に肩をかして 教会まで
行っていただけませんか……。
ディノ「ありがとうございました。
あなたがたの おかげで
命びろい いたしました。
ディノ「それにしても あの男は
何者だったのでしょうな?
どうやら 城に向かったようだが…
ディノ「信じたくないですが
あの男も 王と かかわりのある
人間でしょうか? だとしたら……
ディノ「幼き少女を 殺そうとする男と
かかわりあう…… それが
今の ゼッペルということか……。
ディノ「……いや すいません。
一方的に 話しては
何のことか わかりませんね。
ディノ「ゼッペルというのは この国の
王のことです。あなたがたには
事情を お話ししましょう……。
ディノ「私と 現王ゼッペルは
じつは 幼なじみだったのです。
ディノ「そして……
幼なじみは もう一人いました。
彼女の名前は ルーシア。
ディノ「花が好きで 鳥が好きで
あどけなく よく笑う
ごく普通の 少女でした。
ディノ「しかし 私たち3人が
いっしょに 過ごせたのは……
わずかに 8歳のときまででした。
*「て……敵襲だーっ!!
*「お…おい! 大丈夫か!?
町は 今 どうなっているのだ!
*「ラ……ラグラーズ軍の兵は
恐ろしい数です! 町もすでに……
ほぼ 制圧されたかと…… うぁ!
*「くそっ! なんということだ!
*「城内の兵に告ぐ! 至急
戦闘準備に入れ! この城だけは
なんとしても 死守するのだ!
*「お…王子ではありませんか!?
いったい こんな所で
何を されているのです!
ゼッペル「な…何をって……
ただ 遊んでただけだよ。
*「と…とにかく ここは危険です!
すぐに 城内にお入りください!
さあ ディノとルーシアも……。
*「くっ!
ラグラーズの兵士たちか……。
*「こ…この子たちは 町の子供だ!
罪のない子供まで あらそいに
まき込む 必要はあるまい!
*「身なり からすると
おそらくは 王子かと……。
兵士長「うむ。
*「王子を 落としたともなれば
わが軍の 士気も
一気に 高まりましょう……。
兵士長「軍の目的は 殺りくではない。
目的は あくまで この国を
わが国に 服従させることだ。
兵士長「王子は 殺さず捕えておけ。
役に立つだろう。
*「かしこまりました……。
*「よし!
この者たちを 捕えるのだ!
*「うおおぉぉーっ!
兵士長「くっ…… きさまぁ!
ルーシア「いやあああぁっ!
ルーシア「た……たすけて……。
ディノ「ル……ルーシア! 大丈夫だ!
すぐに たすけるから……!
ルーシア「し……死にたくない!
死ぬのはイヤぁ! たすけて!
ディノ! ゼッペル!
ディノ「お…落ちついて ルーシア!
大丈夫だ! 必ず たすける!
ルーシア「ディノ……!
ゼッペル……!!
ディノ「ルーシアァーーッ!!
兵士長「バカな兵士め……。
罪のない娘まで
道づれに するとは……。
*「おケガは ありませんか?
兵士長「かすりキズだ。それより
こんな所で グズグズしておれん。
すぐに 王子を捕らえろ。
*「はっ! ただちに!
*「む……?
な…なんだ……?
兵士長「覚悟を 決めたか。
さすがは 将来の王。
いさぎよいものだな。
ゼッペル「……してやる。
兵士長「ん? ……なんだと?
ゼッペル「おまえら 全員!!
今ここで みな殺しにしてやる!
兵士長「お…おのれ!! コゾウが!!
ゼッペル「はなせぇっ!
おまえら 全員 殺してやる!!
兵士長「威勢がいいのは結構なことだ。
だがな…… それだけでは
国を 守ることはできん。
ゼッペル「はなせっ! はなせぇっ!!
ゼッペル「うあっ!!
兵士長「わが軍に 屈する運命とはいえ
おまえも国の王子。これだけは
身をもって 覚えておくといい。
兵士長「このマーディラスが
こうして 敵国に攻められるのは
ムダな魔法ばかりに たよるからだ!
兵士長「戦場で役立つのは 剣のみ!
良いか! 魔法で剣に打ち勝つなど
できるはずが ないのだ!
兵士長「よし 行くぞ!
落城は もう目の前だ!
ディノ「……結局 わが国は
この戦争に敗れ ラグラーズの
配下国となりました。
ディノ「そして10年後 ゼッペルは
自ら王となり とうとう
ラグラーズを たおしたのです。
ディノ「ですが…… この国は 今も
平和には なっていません。
ディノ「なぜなら 王は今
究極魔法と呼ばれる 危険な魔法に
手を出そうと しているからです。
ディノ「究極魔法とは かつて
大陸を 吹きとばし 賢者によって
封印されたという 破滅の魔法。
ディノ「なぜ今になって そんな魔法が
必要なのか……。私には
王の気持ちが わからないのです。
マリベル「神父さんの話で
王さまも かわいそうってのは
よく わかったけど……
マリベル「だからって 危険な魔法に
手を出すことの理由が
なんか わかんないのよね。
マリベル「ふうん……。
お城につかえてたなんて じつは
えらい 神父さんだったのね。
マリベル「どうりで
あんな魔法を 受けても
生きていられるわけね。
メルビン「ううむ……。
この国も いろいろと まよいを
抱えているようでござるな……。
ガボ「神父のおっちゃん
あんまり 大したことなくて
よかったな。
ディノ「王が今 究極魔法までをも
求める姿は まるで……
ディノ「あのときの 敵兵の言葉に
はむかおうと しているかのように
思えるのです……。
ディノ「魔法で 剣に打ち勝つことなど
できるはずがない…… という
あの言葉に……。
*「あれほどの 魔法を受けて
無事で いられるのは 神父さまの
おチカラが 強かった おかげです。
*「普通の町人なら ひとたまりもなく
命を 落としていたことでしょう。
恐ろしいことです。
*「あ あなたたち!
さっきの さわぎは見てましたか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「神父さん 最高に |
いいえ |
*「それは もったいない! 神父さん |
*「自分の身を ぎせいにして
少女を助ける…… ボクも あんな
ゆうかんな 男になりたいなあ。
*「大神官さまの書状を 持つ者だな。
よろしい ここは通るがいい。
*「魔法が 時に わざわいを
呼ぶことも真実。……きっと
これで よかったのですわ。
*「今 決心しました!
危険な目に あわせるくらいなら
娘は 魔法使いにしませんよ!
*「妻が なんと言おうと
これからは 普通の娘として
育てていくつもりです!
*「私の 見ていないところで
娘が 命の危険に
さらされていたなんて……
*「魔法が かならずしも
幸せを 呼ぶわけではない……。
そういう 暗示かもしれませんね。
ミクワ「私の 魔法のせいで
あんなに 大さわぎに
なっちゃうなんて……。
ミクワ「神父さまは ケガしちゃうし
あの こわい人だって
怒って 当然だよ。
ミクワ「コレって やっぱり
わたしには 魔法の才能なんて
ないってこと なんだよね。
*「私では 場内への出入りを
許可することはできん。
となりの兵士に 相談するがいい。
*「ここは マーディラスの王城だ。
むむむ! また おまえたちか!
*「まさか 本当は 自分たちが
メディルの使いだったとでも
言うつもりじゃ ないだろうな?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「はっはっは! *「メディルの使いなら |
いいえ |
*「うむ。本物のメディルの使いなら |
*「とにかく もう二度と ここには
来るんじゃないぞ! いいな!
大神官の書状を 見せますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「むう……。 *「な! なんと! *「む…むう! 大神官さまの |
いいえ |
*「さあ 行った 行った。 |
*「さきほど メディルの使いとやらが
ここを 通っていったが
ひどく ガラの悪い男だった。
*「あんな男の 出入りを
許可するくらいなら 門番など
不要のように 思えるな。
*「城の中に 入るのはいいが
王は今 客人と会われている。
ジャマだけは せんようにな。
先代国王「息子が 究極魔法の復活を
はかっているらしい という
ウワサを 知っておるか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
先代国王「なんでも 究極魔法の書を 先代国王「息子は 究極魔法の書を 先代国王「はたして そんな書が |
いいえ |
先代国王「なんと そうだったか。 ならば 今の話は 聞かなかったことにしてくれ。 |
皇太后「おお そなたたちは!
して 例の書状は ぶじに大神官に
とどけてくれたのだろうな?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
皇太后「うむ ご苦労であった。 皇太后「あとは 息子の 皇太后「ウワサでは 究極魔法の 皇太后「究極魔法にかかわる書は 皇太后「息子が どうあがこうと |
いいえ |
皇太后「まだだと言うのか。 皇太后「あの書状は わが国のための |
*「おお いつぞやの ニセモノか。
今度は どうやって
城に もぐりこんだのだ?
大神官の書状を 見せますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「おお これは! *「そういうことならば |
いいえ |
*「今は 大目に見てやるが |
*「われわれ 兵士にとって
大神官さまは 王と同じ。命令を
こばむことは できないのだ。
*「だいじな客人と 話があるから
下がっていろと 言われたけど……
*「いきなり そう言われると
どこで なにしてよいやら。
う〜ん……。
*「さあ…… おさがしの物です。
どうぞ 手に取って
おたしかめください。
ゼッペル「な! なんと!
うむ……これは まことの……。
*「もちろんですとも……。
クックック……。
ゼッペル「にわかには 信じがたいな。
まさか こんなものが まだ
この世に のこっていようとは……
*「真実は つねに目の前に
ある物のみ ということです。
……ん?
*「どうやら ジャマが
入ったようですな。
しからば 私はこれにて……
ゼッペル「……うむ。
まことに ご苦労であった。
いずれ 使者より礼を送らせよう。
*「気づかいは無用……。
それより 成功を
祈っておりますぞ。
マリベル「ちょっと アルス!
今のヤツって さっき神父さんに
魔法を使ったヤツじゃない!
マリベル「……ってことは あいつが
例のメディルの使いってわけね。
メルビン「うむ……。
ここで さわぐわけには
いかないでござるな。
メルビン「時を見て あの者とも
ゆっくり話す必要が
ありそうでござるが……
ガボ「ガルルルル……
*「あのメディルの使いとかいう男……
言いしれぬ 殺気のようなものを
ただよわせていたな……。
アルスは カベの絵を しらべた。
あどけなく笑う 少女が描かれている。
絵の下に ルーシアと書かれている。
*「究極魔法のウワサ?
……興味ありませんね。
*「ここは 王の料理専用の
調理場だ。
*「どんな味がするやら
一度でいいから 王の料理を
食ってみたいもんだよな。
*「この教会には 王の幼なじみの
ディノという 若くて優秀な
神父が いたのだがな……
*「王の考えに 異をとなえて
城を 出ていってしまったのだ。
今ごろ どうしているかな……。
大臣「メディルの使いは
あらゆる書物を 読んだといわれる
博識なる 賢者だ。
大臣「私がその者に ある魔法の書を
探すよう 命じたのだが……
どうも 様子がおかしい。
大臣「前に会ったときは もっと
弱々しい男だったはずだが……
今日の姿は まるで別人のようだ。
ゼッペル「きさまらは 何者だ!
ここは 旅人ふぜいの
入ってよい場所ではないぞ!
ゼッペル「なに? 大神官より
究極魔法の研究を やめさせるよう
たのまれただと? ……年寄りめ。
ゼッペル「とにかく!
大神官にも言ったが そんなムダな
研究など だれもしておらん!
ゼッペル「つまらん とりこし苦労に
他人を まき込むなと 今度は
あの年寄りに 伝えておけ!
メルビン「う〜む……。
王の言葉を はたして どこまで
信じていいものでござるか……。
マリベル「さっきのヤツ……
王さまに 何かわたしてたけど
何だったのかしら……
ゼッペル「究極魔法は 伝説の中に
ねむる魔法だ。そうやすやすと
実現できる ものではない。
ゼッペル「それがわかったら
おまえたちも さっさと
ここから 出て行くのだ!
*「やあ! あなたたち!
いやあ ずいぶん探しましたよ!
*「わたしは 大神官さまから
あなたたちを 呼んでくるように
命じられた者です。
*「なんでも 例の魔法が
完成しそうだとのことです!
さあ 急いで 大神殿へ!
*「じゃあ 伝えましたからね!
必ず 来てくださいよ!
メルビン「大神官どのの魔法が
完成すれば 王の究極魔法すら
封じると 言っていたでござるな。
メルビン「なんにせよ
今しばらく この国の行く末を
見すえるでござる。
ガボ「アルス。
今度は 大神官のおっちゃんの所に
行くのか?
ガボ「ふう……。
あっち行ったり こっち行ったりで
オイラ はらへったぞ。
マリベル「例の魔法ってのは
究極魔法じゃなくて 大神官さんが
研究してた魔法のことね。
マリベル「さっ 行くとなったら
さっさと行くのよ。アルス。
*「ウワサでは マーディラス王が
究極魔法の研究を しているとか。
*「究極魔法は 禁じ手の魔法……。
まったく 神をも恐れぬとは
このことですな。
*「さっき 大神官さまが
もうすぐ 新しい魔法が
完成するって 言ってましたよ。
*「もう 完成したのかなあ?
なんか ワクワクしますよね。
大神官「おお 待っておったぞ!
よし! 究極魔法を封じる魔法の
これが 最後の調合じゃ!
大神官「よし! 準備完了じゃ!
おまえさんがた!
完成の瞬間を 見のがすでないぞ!
大神官「むう…… 失敗のようじゃ。
おかしい。わしの完ぺきな調合に
まちがいは ないはずじゃのに……
大神官「ん? なんじゃこれは?
おお! そういえば これも
入れるんじゃったな……。
大神官「おおお! これも忘れておる!
……なに!? これもか?
ううむ……。
大神官「おまえさんがた
見ての通りじゃ。 どうやら
魔法は 失敗だったようじゃ。
大神官「調合は ほぼ完ぺきじゃったが
魔法というものは びみょうな失敗で
こうなってしまうものなのじゃ。
大神官「ほ……本当じゃぞ!
とまあ それはよい。
ともあれ もう一度やり直しじゃ。
大神官「すまぬが おまえさんがたは
城に戻り 王の見はりを
つづけてくれ! たのんだぞ!
メルビン「…………。
メルビン「この分では あまり
大神官どのの魔法に 期待を
かけすぎない方が いいでござる。
メルビン「さて アルスどの。
これから どうするでござるか?
ガボ「ギャハハハハ!
今のけむり オイラは
すげえ おもしろかったぞ!
ガボ「大神官のおっちゃん
今のけむり もういっぺん
やってくんねえかな〜?
マリベル「ふう……。
どうせ こんなことだろうと
思ってたわよ。
マリベル「ここで 魔法の完成を
待つより お城で王さまを
見はってた方が いいかもね。
大神官「今度 失敗したら
もう一度 材料から
集めなおさねば ならん。
大神官「次こそ 成功させるゆえ
おまえさんがたは 急いで城に
戻ってくれ! 頼んだぞ!
*「やはり また来たか……。
わざわざ ここで 見はっていて
正解だったようだな……。
*「オレが だれだか わかるか?
他人の名だが メディルの使いと
言えば わかるかもしれんな。
*「おまえらに おしえてやろう。
王が研究していた 究極魔法は
もう まもなく完成する。
*「そして 王は その呪文をクチにし
やがて 強いチカラに支配され
破壊の神へと 姿を変えるだろう。
*「破壊の神は この大陸にある
すべてを ほろぼす。家も人も
そして ついには おのれ自身も。
*「……どうして オレがおまえに
こんな話をするか わかるか?
*「なぜなら おまえは
破壊の神の姿を 見ることなく
今ここで 死ぬ運命だからだ!
(メディルの使い戦)
メルビン「いつぞや 神父どのに使った
あの魔法…… アルスどの
こやつの魔力は 本物でござるぞ。
ガボ「ガルルルル……。
アルス 油断はできねえぞ!
マリベル「きーっ!!
待ち伏せしてるなんて
ほんっとに むかつくヤツね!
*「ぐはあっ!
バ……バカな……! わたしが……
こんな連中に 敗れるなど……。
*「し……しかし 残念だったな。
もはや 王の魔法を止めることは
だれにも できん……。
*「この目で 見ることができんのは
くちおしいが…… 生まれるのだ。
すべてを のみこむ 破壊の神が!
*「破壊神となった 王の手によって
おまえらも この大陸とともに
消えさるがいい! ……ぐはっ!
マリベル「王さまが 破壊神になる!?
アルス! まずいわ!
すぐに 王さまをとめなくちゃ!
ガボ「ガルル……。
せっかく勝ったってのに
イヤな空気がいっぱいだぞ……
メルビン「いよいよ 来るべきときが
来たでござる!
*「な……なんなの!?
今 男の人が
魔物に 化けたわよね……。
*「あなたがたが いなかったら
今ごろ どうなっていたか……。
*「今の魔物は 王の魔法が
この大陸を 消してしまうとか
言っていたな!
*「いかん! 王は さきほど
研究所の中へ 入っていかれた!
おまえたち 様子を見てきてくれ!
*「王が この大陸を消すなど……
信じたくはないが とにかく
今は 王のもとに いそぐのだ!
*「あの男!
やっぱり どうもおかしいと
思ってたんですよ!
*「王さまが 研究所に入ったと聞き
神父さまも すぐに
魔法研究所に 向かわれました。
*「神父さまの身が 心配です。
あなたがたも 研究所に
向かってください!
*「王が 研究所に行かれたとは……。
悪いウワサが 現実にならねば
よいのですが……
*「王さまが 町に 姿を見せたので
さきほどまで やじうまが
集まっていましたわ。
*「ふだんは 城を 浮かせてまで
自分を守ってる人が
町に なんのご用でしょうね。
ミクワ「なんだか すごい音が
してたけど 何かあったのかな?
*「さっき ここを通ったときの
王さまは ひどく殺気にみちた
顔をしていました……。
*「今は 王の特別命令により
城の中への出入りは 禁止だ!
早々に 立ち去るがいい!
*「だれ一人 ここから
人を入れるなとの 王の命令だ!
早々に 立ち去れい!
*「なんか 神父のカッコの人が
走り込んできて なにやら
もめてるんですよ。オロオロ……
*「あの若い神父は たしか……
そうそう 王室つきの神父の
ディノじゃないか。
*「城を 出ていったとは
聞いていたが ここまで
落ちぶれていたか……。
*「なんだろう? 研究所の
仕事の希望者……にしては
ちょっと あらっぽいな。
*「いったい なんなんですか?
これじゃ うるさくて
研究に ならないですよ。
ディノ「通せ! ジャマをするな!
*「たとえ ディノさまといえども……
王の命令なのです。
どうか お下がりください。
ディノ「この国が……!
いや! この大陸もが
消えてしまうかも しれんのだぞ!
ディノ「こんなときに 命令だの
なんだのと 言っている場合か!
*「し…… しかし……。
ディノ「ええい! やむをえん!
マリベル「なんなのよ!
ホントに あんたってヤツは!
マリベル「今 こんな所で
話してる場合じゃ ないでしょ!
神父さんのあとを 追うのよ!
*「う〜ん……。
ディノさま お待ちくだされ……。
*「王は 地下にある 魔法陣の部屋に
入っていったようだな。
ディノ「これは……! ゼッペル!
まさか これが……
いにしえの 究極魔法なのか!
ゼッペル「いいところに 来たな。
おまえにも 見せてやろう。
神さえ息をのむ 究極のチカラ……
所長「あの書の通りならば
あとは これを入れれば
完成のはずです……。
ゼッペル「入れろ。
所長「はい……。
ディノ「やめろ!!
ゼッペル「よし……。
下がっていろ。
所長「はい……。
ゼッペル「賢者の封印を 解きはなち
長き眠りから 今こそよみがえれ!
ゼッペル「うおお…… 感じるぞ……。
今 この身に 究極のチカラが
やどったことを……。
ディノ「ええい! ゆるせ!
ディノ「ぐあ!
ゼッペル「もはや 何者にも
この魔法の 行く手を
さえぎることは できん……。
ディノ「……やめろ!
そのチカラは わざわいを生む。
今のおまえは おかしいのだ……。
ゼッペル「……おかしい?
そうかも しれんな。
ゼッペル「だが 私に言わせれば
おかしいのは おまえの方だ……。
ゼッペル「自分が守れなかった命を
過去のことと言って 忘れてしまう
おまえの方が よほどな……
ディノ「守れなかった命……。
ゼッペル… おまえは……。
ゼッペル「チカラがなければ 何ひとつ
守ることはできん。……なのに
みな それに気づかないフリだ。
ゼッペル「……この呪文だけは それを
知っていよう。生まれ出でよ。
……究極魔法 マナスティス。
ゼッペル「…………。
ゼッペル「なんだ……? この体中に
みなぎりわたる チカラは……。
マリベル「アルス!
さっきの王さまを
見てたでしょ!?
マリベル「あれって 究極魔法が
完成したのよ! はやく
王さまを どうにかしなきゃ!
ガボ「グルルル…… すげえ……。
オイラ あんな すげえヤツを
見たの はじめてだぞ……
メルビン「今の王から感じた
メルビン「まだ弱いとはいえ……
あの気は まさしく 魔王の気
そのもの だったでござる……。
メルビン「アルスどの……。もはや
われわれでは どうにも
できんかもしれんでござるぞ……。
ディノ「あ……あなたがた!
すぐにゼッペルを……! うあっ!
所長「王を信じ とうとう究極魔法の
完成にまで 手をかしてしまったが
今の 王の様子は……!
所長「いかん! 旅の者!
王を止めてくだされ! やはり
あの魔法は 危険すぎたのじゃ!
*「まさかとは 思うが……
王は 本当に 究極魔法を
唱えてしまったのでは あるまいな。
*「な… なんだぁっ?
今の王は… 体中から
恐ろしい気を 発していたぞ!
*「ん? なになに?
前の方で いったい
何が 起こってるの?
*「オロオロ オロオロ……。
*「な……なんだ!?
今 ここを通っていった 王は
体から 光を放っていたぞ!
*「さっき なんだか
地面が ゆれたみたいだけど
なんだったのかしら……?
*「魔法研究所から 空に向かって
光がのびていくのを 見ました……
*「そしたら 王さまが出てきて
ひとりで 橋の方に
行ったようですが……。
*「あわわわ!
さっき 王さまが ひとりで
ここを 歩いていきましたよ!
*「やれやれ。
王さまのヤツ 今度は ひとりで
さんぽ してやがったぜ。
*「王の身体のまわりに なにやら
ふつうではない オーラを
感じました……。
*「あれが まさか
究極魔法なのでしょうか……。
*「王さまなら さきほど
城に お戻りになったようです。
ミクワ「今 王さまが お城の方に
向かって行ったけど……
ミクワ「あの恐い人と そっくりな目を
してたような 気がする……。
ゼッペル「……見えるか 私の姿が!
手に入れたぞ! 何者にも屈しない
最強のチカラを!
ゼッペル「……ルーシア!
これで 負けない! これで
何からも おまえを守り通せる!
ゼッペル「これで 二度と……
おまえを…… 恐怖に……
さらすこともない……。
ゼッペル「……うあああっ!
な…なんだ!?
この…… チカラは……。
ゼッペル「ど…どうしたことだ……。
何も見えん……。暗や…みが……
おそい…かかってくる……。
(ゼッペル戦)
メルビン「この気は……!?
まさか…… こやつ 本当に
魔王になるのでは あるまいな……
ガボ「グウウウ……。
アルス オイラたち 本当に
こんな相手に やれんのか……?
マリベル「信じらんない……。
なんなの この気は……。
※勝利してもイベントに変更はない
ちなみに倒すと獲得EXP1、獲得ゴールド1
ゼッペル「ほろびるがいい……。
この地にある……何もかも……。
なんと アルスたちが
生き返った!
大神官「おまえさんがた!
おそくなって すまなんだ!
大神官「うむ……。
どうやら 王の魔法は
完成してしまったようじゃな!
大神官「このままでは
王は 破壊神となり
本当に この大陸を……!
大神官「……と 細かい話は
とりあえず あとじゃ!
とにかく わしに ついてまいれ!
マリベル「…………。
マリベル「……とりあえず
命びろい したみたいね。
ガボ「アルス! まだ 今のヤツと
たたかうつもりか!?
ガボ「オ……オイラは もう
あんまり やりたくねえぞ!
メルビン「あの者と 剣をまじえて
わしは ようやく
確信したでござる……。
メルビン「今の われわれでは
もはや あの魔法を止めることは
不可能でござる……。
メルビン「大神官どのの魔法に
最後の望みをたくして……
アルスどの 行くでござる。
*「うわぁっ!
たっ…たすけてくれぇ!
大神官「なんじゃ 落ちつかんか!
いったい どうしたんじゃ!
*「あ…… あ? だ…大神官さま!?
たっ…たすけてください!
魔物が 城の中に!
大神官「うむ!
して 魔物は どこに行った!?
*「王室の方に 行ったようです!
それで みんな
あわてて 逃げ出して……!
ゼッペル「ほろびよ……。
この地にある すべて……。
大神官「いかん! アルスたち!
わしに ついてまいれ!
ガボ「あんまり 行きたくねえけど
ただじゃ 死ねねえぞ!
アルス!
メルビン「もしも 今度 大神官どのの
魔法が失敗だったら そのときこそ
最後でござる!
メルビン「アルスどの!
腹を決めて 行くでござる!
マリベル「行くわよ! アルス!
*「大神官さまの身に 何かあったら!
あなたがた! すぐに大神官さまの
あとを 追ってください!
*「もうダメじゃ。王のいないときに
あんな魔物が あらわれては
この城も もうおしまいじゃ。
*「は! 今のは 大神官さまでは……
しかし たとえ大神官さまでも
あのような 魔物が相手では……。
*「さ…さっき魔物が 入ってきて……
ああ! このままでは
この城も おしまいだ……。
*「こ…これは 地震なの!?
こんなに 長い地震は
生まれて はじめてだわ!
*「あわわわわ! え!?
大神官さまなら
こっちには 来てませんよ!
*「そんなことより!
あわわ…… あの魔物を
なんとかしてくださいよ!
*「ああ! 早くしないと 城が!
城が すべて バクハツ
してしまう!
大神官「おまえさんがた!
しかと見ておれよ! これこそ
わしが 研究をしとった魔法じゃ!
大神官「すべての 魔法の効果を
無に帰す呪文 マジャスティス!
大神官「その聖なるチカラで
ボウズに宿った 悪しきチカラも
ふり払うのじゃ!
ゼッペル「ぐっ……ぐわああああ!!
大神官「おまえさんがた…… すまん。
どうやら わしの魔法は まだ
完全では なかったようじゃ……
大神官「ヤツはまだ 生きておる。
このままでは この地の危険も
まだ 去ってはおらん……!
大神官「たのむ!
わしに代わり ヤツにとどめを!
ガボ「ガルルルルル!!
マリベル「ここまで来て 今さら
逃げるわけにはいかないわ!
アルス! 行くわよ!
メルビン「大神官どのの魔法は
たしかに 効いてるでござる!
メルビン「今の王になら
勝てるかもしれんでござる!
アルスどの 急ぐでござる!
*「ヤツは まだ生きてるですって!?
お…お願いします!
あの化け物を 倒してください!
*「さ…… さすが 大神官さま。
だけど…… あわわ! 魔物は
まだ 生きてるじゃないですか!
*「地震は おさまったみたいだけど…
なんなのかしら?
すごく いやな空気……。
*「どっちにしても もうダメじゃ。
あんな化け物に 目をつけられたら
この城は もうおしまいじゃ。
*「魔物は 中庭に落ちたようです!
さあ! はやく やつのところへ!
*「あ……あぶなくなったら
わたしも 加勢します!
*「だから あぶなくなるまでは
みなさんだけで
がんばってください!
ゼッペル「ぐあああ…
どうしたことだ……。
チカラが…… 抜けていく……。
ゼッペル「だが……
すべてを 破壊しつくすまで……
止まるわけに……いかん。
(ゼッペル戦)
メルビン「アルスどの!
どうやら 大神官どのの魔法が
効いているようでござるぞ!
ガボ「ガオオオ!
さっきは よくも!
オイラ 怒ってんだぞ〜!
マリベル「今度は さっきより
気が 落ちてる……。
アルス! 行けそうよ!
ゼッペル「ぐっ…ぐああああ……!
これ…までか……。
ゼッペル「何者にも……
屈しない……チカラ……
ゼッペル「すまない……。
オレは おまえを……
守っては やれな…かった……。
ディノ「ゼッペル!
ゼッペル「…………。
ゼッペル「ううう……。
ゼッペル「よかった……。
まだ 息はあるようだ。
ディノ「あなたがたも 無事で何より。
この国のために つらい戦いを
よくぞ 引き受けてくれました。
ディノ「あなたがたが いなかったら
今ごろ この大陸は 本当に
ほろんでいたかも しれません。
ディノ「いや…… 今は
話し込むより キズついた者の
手当てが 先ですね。
ディノ「城の者!
王を運ぶ手を かしてくれ!
ディノ「2階の 大神官さまも
すぐに 手厚く看護するのだ!
かくして 究極魔法は
その威力を見せることなく
再び 長き封印の眠りに
つくこととなった。
究極魔法をめぐり キズついた者たちは
それぞれに いやされ
互いのまよいを 消せないままに
それぞれの 夜をすごした。
そして 夜が明けた。
ガボ「一時は どうなることかと
思ったけど 王さまが
死なずにすんで よかったよな。
皇太后「まったくもって そなたらには
世話になったな。息子のケガも
さいわい そう深いものではない。
皇太后「息子は まだ横になっているが
目はさめておるだろう。よければ
出発の前に 話しかけていかれよ。
大神官「では 皇太后どの。わしも
いつまでも 神殿を留守にできん。
これにて 失礼しますぞ。
皇太后「うむ。落ちついたら また
ゆっくり たずねてください。
お礼は その時に あらためて。
大神官「礼など 不要……。
いや いずれ うまいものでも
食わせてもらうと しようかの。
大神官「アルスたち。そういうわけで
わしは 神殿に戻るが
おまえさんがたに 話がある。
大神官「あとで 大神殿の方に
たずねてくるがよい。
待っておるぞ。
マリベル「アルス。ちゃんと
王さまに 話してから行きましょ。
マリベル「これって常識だからね。
あんたが いくらバカでも
そのくらい わかるでしょ?
先代国王「息子がまだ おさない日の
あの 戦いのことを
ひきずっていたとは……。
先代国王「一人きりの 息子の気持ちも
わからんとは まったく
わしは 自分が恥ずかしいわい。
ゼッペル「旅の者。おまえたちには
礼を 言わねばならんな……。
ゼッペル「おまえたちの はたらきが
なければ 今ごろ この国は
本当に ほろんでいたかもしれん。
ゼッペル「……私は 子供のころから
ずっと 悔やみつづけてきたのだ。
ゼッペル「自分のチカラが
足りないばかりに 友の命を
守ってやれなかったことをな……。
ゼッペル「そして 私は決めた。
もう二度と 何者にも屈しない
強いチカラを 手に入れるのだと。
ゼッペル「そうすることが……
おさなき友への せめてもの
つぐないだと 思っていた。
ゼッペル「しかし そんな かんがえは
きれいごと だったのかもしれん。
ゼッペル「私が チカラを望んだのは
友のためなどではなく 弱かった
自分への 言い訳にすぎないのだ。
ゼッペル「…………。
ゼッペル「……めいわくをかけた
国の者たちには 私は
借りを 返していかねばならんな。
ゼッペル「罪ほろぼしになるかは
わからんが 今後は平和のために
チカラを つくしていこうと思う。
ゼッペル「では 旅の者。
また いつか この国を
おとずれるがいい。
ゼッペル「私は おまえたちが来る日を
楽しみにしながら ゆっくりと
国づくりに はげむとしよう。
マリベル「う〜ん……
王さまの気持ちも わかるだけに
なんか ふくざつな気分ね。
マリベル「アルス。
あんたも あたしが死んだりしたら
あのくらいは 後悔しなさいよ。
メルビン「結局のところ 問題をずっと
さかのぼって かんがえると……
メルビン「ゼッペル王どのの
幼き友を死なせた 人間同士の
あらそいが 悪かったのでござる。
メルビン「人間同士の 無意味な
あらそいが この国に このような
悪夢を 呼んだでござるな。
*「おお もう行くのか……。
*「道中 くれぐれも 気をつけて
いくのだぞ。そなたらは
この国の 恩人なのだからな。
*「お城が こわれてしまったときに
王さまは だいじな絵を なくして
悲しんでおられたとか。
*「なんの絵かは知りませんが
よっぽど 思い入れのある
絵だったんでしょうね。
*「なに?
王さまの部屋があった お城の
まん中の部分が こわれたって?
*「ふ〜ん。
ここにいると すっかり
外のことが わからなくてな。
*「こうして 城を復旧していると
ラグラーズの 人々の気持ちが
よく わかりますね。
*「これから 魔法使いは どんどん
数がへらされるって ウワサよ。
*「せっかく がんばって
修行してきたのに
そりゃないでしょって感じよね。
*「今 聞いたんだけど そこにいる
おばあさまは 以前に 娘さんを
亡くされたらしいの……。
*「娘さんが まだ8つのとき
だったんですって。
悲しい話よね。くすん。
*「聞くところによると 王があれほど
強いチカラを 欲したのは わが娘
ルーシアを 思ってとのこと……。
*「やさしき王に 仕えることができ
今はただ 心から
うれしく思っております……。
*「城は 復旧作業中だ。
見たければ 見ていくがいい。
*「ひーひー。復旧作業もいいけど
おなかがへって
チカラが でないよお……。
*「あの メディルの使いとやらは
なんでも 魔物が 化けていた
姿だったそうじゃないか。
*「破壊のために 王の純すいな
気持ちを 利用するとは……
王の痛みが 伝わってくるようだ。
*「う〜む……。城を完全に
元に戻すのに どれほどの
時間がかかるだろう……。
*「城の男は 総出で復旧作業か。
チカラ仕事は ニガ手なんだがな。
*「私は 杖を作っております。
新しい杖を お望みなら
そこの男に たのんでくだされ。
*「よお! あんたらか! この前は
世話になったな! そうだ!
これを 持っていってくれよ!
アルスは いかずちの杖を
手に入れた!
*「こう見えても 杖作りのウデだけは
たしかなんだ!
大切に 使ってくれよな!
*「王さまの おケガが はやく
なおるように 栄養のあるもの
いっぱい つくらなきゃね!
*「なんだか 男の人が一人いるだけで
ここもずいぶん 居心地
変わっちゃうのよね……。
*「どこにいても いつもと同じ
作業ができる。そうでなくては
一流の料理人とは 言えませんよ。
*「さすがに 王さまの料理を
作ってきただけあって 私たちとは
手つきがちがうね。手つきが。
大臣「王に 究極魔法の書を持ってきた
メディルの使いは やはり
ニセモノだったようです。
大臣「おそらく 魔のチカラによって
この世に 存在するはずのない書を
復活させたのでしょう。
大臣「しかし…… だとすると
本物の メディルの使いは
どうしたのでしょうな?
*「おお おまえたちか!
このあいだは よくぞ この城を
守ってくれたな!
*「今はもう 出入りは自由だ。
城の中も 好きなように
見てまわるがいい。
*「なんだか さっきから
見なれない じいさんが
チョロチョロしてるんだが……
*「なんとかの使いみたいに また
あやしいヤツじゃ ないだろうな。
*「う〜む まいった。
まったく まいったわい。
*「王さまに 探してくるよう
命じられた本が あるんじゃが
とうとう 見つからんかった……。
*「ん? わしなら
メディルの使いという者じゃが
それが どうかしたのかの?
マリベル「なるほど……
ちょっとだけ 意味がわかったわよ。
マリベル「あたしたちが 戦った
メディルの使いは 今の老人に
なりすましてたってわけね。
*「これで 王もすこしは
改心するじゃろう。
めでたし めでたしじゃ。
*「なんでも 王さまのケガは
それほどの
深手じゃなかったらしいね……。
*「なんていうか 良くも悪くも
あの魔法の おかげなんだろうね。
*「主人は 落ちこんでるみたいだけど
私は こっちの方が
よかったと 思ってるんです。
*「なんでも 魔法研究所は
今後 活動を中止するとか……。
*「目標がなくなったら なんだか
何をやっていいのか 急に
わからなくなりましたよ……。
*「なんでも 王は以前に
幼なじみの少女を 目の前で
死なせてしまったことがあるとか。
*「娘を持つ親として そんな王の
やさしさも わからなかったなんて
本当に 心が いたみます……。
ミクワ「魔法も キライじゃないけど
やっぱ 遊んでた方が 楽しいよね。
わーい わーい!
*「さいきん ミクワが 前よりも
よく 食べるようになったんです。
*「魔法使いの道は なくなりましたが
今は この家が ふつうなことに
しあわせを 感じますわ。
所長「ゆうべは 王の身を案じて
ねむることが できませんでした。
所長「もし 王の身に 何かあったら
究極魔法の完成に 手をかした
私にも 責任がありますからな。
*「ここが 活動中止になるなど
寝耳に水だが あんなさわぎの
あとでは ムリもないかもしれんな。
*「受付の彼女に 会いたさに
毎日 ここに通ってたんだけど
あ〜あ これから どうしよう……
*「王立魔法研究所へ ようこそ。
ですが ここは まもなく
活動中止と なります。
*「あ! あなたたちは!
ウワサで 聞きましたよ!
大かつやくだった そうですね!
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「やっぱり! |
いいえ |
*ごけんそん ごけんそん! ゆうべから あなたたちのウワサで もちきり なんですから! |
ディノ「では みじかい間でしたが
いろいろ お世話になりました。
*「いえ。こちらこそ
学ばせて いただきましたわ。
また いつでも来てください。
ディノ「ありがとう。では。
ディノ「やあ あなたたち。
戦いのキズは すっかり
回復したようですね。
ディノ「あれから いろいろ
かんがえたのですが 私も
城に 戻ろうと思いましてね。
ディノ「あのとき 王が 言ったとおり
たしかに 変わってしまったのは
私の方だったのかも 知れません。
ディノ「王は 幼い頃の 純真さを
うしなわず…… 私は それを
うしなってしまったようです。
ディノ「さて 長話もなんですし
そろそろ 行こうと思います。
では旅の方。今後も よい旅を。
*「神父さまは 一度は捨てた
城に 戻ることに ずいぶん
不安も お持ちだったと思います。
*「それでも 不安なそぶりなど
すこしも見せずに 行かれました。
意志の強い お方です……。
*「聞いた話じゃあ 大神殿との間の
関所が 通行自由になったそうだ。
これから 忙しくなるかもな。
*「この間 ウワサで聞いたんだけど
究極魔法って なんなのかしら?
あなたたち 知ってる?
*「おお いつかの旅人か。
この関所は もう廃止になったのだ。
*「これからは 自由に通れるぞ。
……まあ それが普通なんだがな。
*「私は 旅の商人です。
そろそろ 行かねばなりません。
さて……
(どうぐ屋)
*「お城では 今後 魔法の研究を
しばらく やめるそうね。
*「ここも そうなったら
わたしも およめさん修行が
できるんだけどな……。
*「先日 大神官さまが あわただしく
出かけられたと思ったら
また あわただしく戻られました。
*「大神官さまは ここ大神殿の象徴。
お元気なのは 結構なことですわい。
*「関所の通行が 自由になったの?
じゃあ 久しぶりに 城下町まで
買い物でも 行こうかな……?
*「なんと! せっかく関所が
通れるようになったと 思ったら
今度は国の強化が 終わっただと?
*「ええい! もういい!
わたしは 国へ帰るぞ!
まったく……。
*「お城との交流が 戻ったってのに
大神官さまは まだ 部屋の中で
研究を 続けてるみたいです。
大神官「おお おまえさんたち。
待っておったぞ。
大神官「じつは わしが使った魔法を
おまえさんたちにも 伝授しようと
思っとったのじゃがな……
大神官「見ての通りで あの魔法は
まだ 不完全だったのじゃ。
大神官「あの魔法が 完全なら
究極魔法じゃろうと すぐに効果を
打ち消した はずじゃからな。
大神官「そういうわけで わしは今後も
ここで あの魔法の 研究を
つづけようと 思っておる。
大神官「そして いずれ あの魔法が
完全になったら そのときこそ
おまえさんたちに さずけよう。
大神官「それまで 楽しみにしておれ!
では かならず また来るのだぞ!
アルス!
メルビン「大神官どのの あの魔法が
会得できれば 今後の旅にも
おおいに 役立つでござろう。
メルビン「アルスどの。
完成の日を 楽しみにして
またここに 来るでござるよ。
マリベル「あの魔法が完全に
なったら……か。いつになるやら
あてにならないわよね。
ガボ「大神官のおっちゃん わざわざ
来るようにって言うから なにか
食わしてくれるかと思ったのにな。
*「あんたら また来ただか!
こんな山おくに 今度は どんな
用があるだ?
*「わかった。ここのねごこちのいい
ベッドが わすれられないだな。
お得意さんは 大かんげいだっぺ。
*「ああ 旅の人だね。
ここは ラグラーズ城だ。
*「さっき マーディラスの兵士たちが
復旧資材を 借りにきたんだが
マーディラスで 何かあったのか?
*「なんでも マーディラスのお城も
ここと同じように
こわれてしまったんですって。
*「ウワサでは 王さまが おやつを
取られて 大あばれしたって
いうんだけど 本当かしらね?
マリベル「ずいぶん ムチャクチャな
話が 伝わってるみたいね。
マリベル「まあ いいわ。
おもしろいから ほっときましょ。
*「この城が 立ち直ったとしても
もう二度と マーディラスと
戦うことは ないと思います。
*「あらそいなど 無意味。
みなが それに
気づきはじめているのです。
*「剣も魔法も 人の使う道具。
勝敗を決めるのは あくまで
それを あつかう者のチカラだ。
*「つまり 本当に強いのは
剣でも魔法でもないということだ。
*「何年かぶりに この城では
武闘大会が ひらかれることに
なったのだ。
*「妙な話だが この城では
武闘大会こそ 平和のあかしと
いえそうだな。
*「武闘大会が おこなわれることが
決まって 城内が すっかり
活気づきましたよ!
*「若い兵士たちの 士気も
すっかり あがってます!
今から 大会が 楽しみだ!
*「兵士長が 死んだことは
本当に かなしい。
そして 本当に くやしい……。
*「だが こういう くやしさも含めて
これが 戦争なのだろうな……。
*「しなやかな 筋肉のぶつかりあい。
とびかう 怒号。
そして ほとばしる 汗……。
*「ああっ!
武闘大会が 待ち切れないぜっ!
*「王は この先におられる。
くれぐれも そそうの
ないようにな!
*「最近 王は すっかり
元気を 取りもどされた。
*「だが 今は何やら
深く 考えこんで
おられるようだな。
王「死んだ わが国の兵士長は かつて
マーディラス王の 幼なじみを
死に 追いやったとか。
王「にくしみが にくしみを生み……
まったく どこまで行っても
あらそいなど むなしいものだな。
メルビン「うむ。人間同士の
あらそいが 無意味であることに
みな 気づいているようでござる。
マリベル「なんだか ちょっと
来ないうちに このお城のみんなも
元気になったみたいね。
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