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ガボ「チビィかぁ……あいつが
死んじまったら シーブルの
おっちゃん 悲しむだろうなあ。
ガボ「どうしたらいいかなんて
オイラ わかんないけどさ。
だれかが 悲しむのはイヤだな。
メルビン「いくら なんでも チビィを
殺して 事をおさめようというのは
いきすぎでござるな。
メルビン「アルスどの とりあえず
このことを シーブルどのに
知らせておくでござるよ。
マリベル「なんだか ずいぶん
勝手なこと言ってるわね。
マリベル「だいたい すぐに
あたしたちを 頼ろうってのが
気に入らないわよ。
シーブル「おや? どうかしましたかな
みなさん?
そんなに あわてて……。
シーブル「……ええっ!
町の者たちが チビィを
退治しようとしてるですってぇ!?
シーブル「な なんということだ。
まさか 彼らが そこまで
思いつめていようとは……。
シーブル「どうすればいいんだ?
このままでは チビィが……。
な なんとかしなくては……。
シーブル「………………。
シーブル「……こうなっては仕方ない。
連中の 最初の申し出どおり 山に
チビィを はなしましょう。
シーブル「先に チビィを
にがしてしまえば まさか 彼らも
それを 追ったりはしますまい。
シーブル「チビィと 別れるのは
身を さかれる思いですが
生きてさえいてくれれば……。
シーブル「よし そうと決まれば
早速 じゅんびに かからねば。
みなさんにも 協力してもらいますぞ。
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
シーブル「おお これは頼もしい。 シーブル「さあ じゅんびしなくては。 |
いいえ |
シーブル「そんな ひどい……。 シーブル「ここは 人助けと思って (ループ) |
アルスたちは チビィを にがすための
じゅんびを 手伝った。
そして 真夜中になった。
シーブル「ふう……じゅんびを
していたら すっかり
おそくなってしまいましたな。
シーブル「しかし 白昼どうどう
チビィを 連れ出すわけにも
いきませんでしたね。
シーブル「さあ まいりましょうか。
これ以上 モタモタしていたら
連中が 来るかもしれませんからね。
シーブル「とりあえずは 近くの丘に
向かうことにしましょう。
シーブル「おおぜいで 動いても
目立ちますから 私たちは
先に行きますよ。では…。
ガボ「さあ アルス。
いそいで 行くぞぉ!
マリベル「ちょっと ガボ!
声が 大きいわよ。
見つかっちゃうじゃない!
ガボ「……マリベルのほうが よっぽど
声が大きいと 思うぞ。
マリベル「……あんたも 生意気に
なったわねえ。ガウガウいってた
ころのが かわい気があったわよ。
マリベル「さあ とっとと
行きましょうよ。町の連中に
見つかったら めんどうでしょ。
メルビン「……なんだか
夜逃げするみたいでござるな。
メルビン「やむを得ぬ事情ではござるが
……正直なところ 少々
情けないでござる。
*「グ……グゴゴゴゴ。
グ…………グゴゴゴゴ。
*「ああ……来ないで……。
町が……町があ……。
*「むにゃ むにゃ……
へい いらっしゃい……むにゃ…。
*「スー スー……
あんたぁ あぶないよ……。
*「ああ……ばあさんかい。
……どうしたんじゃ?
しょうべんかね……むにゃ むにゃ。
*「みなさん こんな夜おそくまで
ご苦労さまです。
*「なにか わが神の助けが
必要ですかな?
(教会)
*「こんな 夜ふけに 外出するなんて
どうなさったのですか?
*「あっ! もしかして
あのチビィを にがそうと……?
*「……ご安心ください。
このことは 町の者たちには
けっして しゃべりませんわ。
*「問題は 誰が どうやって
あのバケモノを 倒すかですね。
*「わしゃ あんなもんとは
戦いとうないぞい。
考えただけで おそろしい。
*「だれも じいさんに 戦えとは
言ってませんよ。
*「……よそから 戦士を
やとうってのは どうですか?
*「むずかしいですな。
あいつと 戦えるだけの人材が
見つかるかどうか……。
*「だいいち 今この町には 戦士を
やとうような余裕は ないですよ。
*「……ふう。
やっぱり アルスさんたちに
頼むしかないんじゃないですか?
*「そうですねえ……明日 もう一度
頼んでみましょうか。
今 彼らに 見つかるわけには
いかない!
メルビン「どうにか 見つからずに
町を 出られたでござるな。
メルビン「あとは シーブルどのが
ちゃんと チビィと別れられるかで
ござるが……。
メルビン「こればかりは わしらが
いくら 心配しても
しかたないことでござるしなあ。
ガボ「町から 出んのは
楽勝だったな。
なんか 拍子抜けしちまったぞ。
マリベル「ここまで来れば
もう 見つかる心配はないわね。
マリベル「今頃 町の人たち お屋敷に
のりこんだものの 肝心のチビィが
いなくて 途方にくれてたりして!
シーブル「……ふう ここまで来れば
ひとまず 大丈夫でしょう。
シーブル「さあチビィ おまえのために
いろいろ 持ってきてやったんだぞ。
シーブル「おまえの大好きなエサも
たくさんあるし おまえの好きな
オモチャもある。
シーブル「それから ケガをした時には
こっちの薬草をのむんだ……って
いくら おまえでも わかんないか。
シーブル「わしも うっかり者じゃな。
薬草なんて 持ってくるなんて。
ハハハハ……。
シーブル「…………。
シーブル「…チビィ ごめんな。
こんなことになって……本当はずっと
おまえと いっしょにいたかったよ。
シーブル「でも このままじゃあ
おまえが 危険にさらされるんだ。
だから……だから お別れだ。
シーブル「チビィや わしら人間の
勝手を ゆるしておくれ……
どうか 人間を うらまんでくれ……
チビィ「プギー プギー!
シーブル「さあ みなさん もう
けっこうですから いきましょう。
シーブル「これ以上 ここにいても
つらくなるだけですから……。
もう いきましょう……。
チビィ「プギー プギー!
シーブル「来ちゃダメだ チビィ!!
おねがいだから 来ないでおくれ。
シーブル「わしらは もう いっしょに
いられないんだよ。
わかってくれ チビィ……。
チビィ「プギー プギー!
チビィ「プギー……。
シーブル「みなさん ありがとう。
これで どうにか チビィの命を
救うことができそうです。
シーブル「なーに いる場所は
だいたい わかってるんです。
シーブル「また そのうち 様子を
見にいって やりますよ。
*「キャ〜!!
シーブル「な なんだ 今のひめいは?
外から 聞こえたぞ!
*「シギャアァ!!
ヘルワーム戦
メルビン「こやつら いったい
何匹いるのか……。
とにかく 戦うでござる!
ガボ「こいつら チビィに 似てるけど
みんなを おそってるから
悪い魔物なんだよな。
マリベル「こいつらが 相手なら
思うぞんぶん 戦えるってもんね。
お化け虫め〜 カクゴしなさい!
シーブル「アルスさん。
こりゃあ いったい なにが
起こっているというんですか?
シーブル「……ええっ?
チビィそっくりの ムシの大群が
町を おそっているですってえ!?
シーブル「そ それは まさか……?
ガボ「こいつら さては悪いヤツだな。
アルス オイラ戦うぞ!
マリベル「ちょっと なによ これぇ?
なんでチビィが こんなにたくさん
いんのよ 気持ち悪い!
メルビン「こ これは……チビィと
同じ種類のムシが 町を
おそっているでござるか?
*「ああ ばあさんや……わしも
意外に はやく そっちに
行くことになりそうじゃよう。
*「ふひい 助かりましたわい。
今回ばかりは もうダメかと
思っとったよ。
*「わしが ねてたら いきなり
そのバケモノが 床下から
はいでてきたんじゃ。
*「ここんとこ 地中から なにか
えたいの知れない音が してたのは
こいつのせいじゃったんじゃなあ。
*「ヒイィ! た 助けてくだされ〜。
*「ハアア……助かったわい。
*「それにしても このバケモノは
いったい なんなんじゃ?
*「やっぱり シーブルんとこのアレが
仲間を 呼んだかいのう?
*「クソッ!
こいつら いったい……?
*「こいつら……あのチビィのヤツの
仲間に ちがいないですよ。
*「やっぱり あいつはこの町を
ほろぼす悪魔だったんだ。
*「クソッ もう少しはやく
行動に ふみきっていれば……。
*「うわあああ!
た 助けてくださいよ〜。
*「ハア ハア……。
ありがとうございました。
*「さすがに ムシが相手じゃあ
オシッコかけても
ききませんからねえ……。
*「キャアア! こ 来ないで〜!
*「外が さわがしいので
出てきてみたら もう町中に
怪物が あふれていて……。
*「アルスさん これは いったい…
いったい なんですの?
メルビン「そういえば アルスどの。
シーブルどのは どうなさったので
ござろうか?
メルビン「ここは いったん
もどってみるでござるよ。
※メルビン死亡中はマリベルやガボが下のセリフを話す
ガボ「ウガァ!
まだまだ いっぱい いるぞお
ガボ「なあ アルス。オイラ
シーブルのおっちゃんのことが
気になるんだ。
ガボ「いっぺん もどってみようぜ。
マリベル「いったい 何匹いるっての?
これじゃ キリがないじゃない!
あ〜 うっとおしい。
マリベル「ねえ アルス。
ここはいったん シーブルさんの
お屋敷まで もどろうよ。
マリベル「シーブルさんのことも
気になるし それに あそこなら
まだ 大丈夫かもしれないわ。
メルビン「まったく 何匹いるのか……
これでは ラチがあかんでござるよ。
メルビン「そういえば アルスどの。
シーブルどのは どうなさったので
ござろうか?
メルビン「ここは いったん
もどってみるでござるよ。
*「外が ずいぶん 騒がしいようだが
いったい こんな夜中に
何事ですか?
*「……ええっ!
魔物の大群が 町をおそっている!?
*「た たいへんだ! アルスさん。
どうか 町を 救ってください!
私も できるだけのことはします。
(教会)
*「アチョ〜!
ウリャ ウリャ ウリャ〜!!
*「フウ……。
すけだち かんしゃするぜ。
*「それにしても このムシっころは
なんなんだい? シーブルさんの
ペットに よく似てるが……。
*「ひゃああ〜!!
*「ああ ビックリした。
おどかさないどくれよ。
*「あのムシが おそってきたかと
思ったじゃないか。
*「くそお! このやろう
なかなか手強いぜ!
でりゃああ!
*「しゅ 主人を……
主人を どうか助けてください!
*「人が気持ちよく ねむっていたら
いきなり おそってきやがって
このバケモノめ!
*「……こいつは やっぱり
シーブルさんのとこのバケモノの
親せきですかね?
*「まったく だから あんなのは
はやいうちに
始末しちまうべきだったんだ。
*「ああっ やっぱり わたしの夢は
正夢だったんだわ!
*「この町が ほろんでしまうという
あの夢は……。
ああっ どうしたらいいの?
*「ヒィ〜!
だ だれか 助けておくれ〜!
*「う うわああ!!
アルスさん 助けてください〜!
*「わ わたしは 見ました。
この怪物が 地中から
出てくるのを!
*「こいつら ヘルバオムの開けた
穴を 通ってきやがったんですよ。
メルビン「アルスどの はやく
シーブルどのを 助けるでござる。
マリベル「……ふう。
どこもかしこも ムシ ムシ ムシ!
ホント ヤになるわね。
ガボ「アルス シーブルのおっちゃん
助けなくてもいいのか?
シーブル「わたたた……。
な なんだ こいつは?
シーブル「アルスさんっ!
た 助けてくだされ。
シーブル「ハアハア……助かりました。
それにしても こいつは
いったい……?
シーブル「えっ チビィが 仲間を
呼んだですって? バカな!
シーブル「それに チビィは もっと
かわいいし こんなキョウボウじゃ
ありません。
シーブル「こんなのと チビィが
同じ仲間だなんて 私には とても
信じられませんな。
シーブル「クッ! ここも もうダメか。
……みなさん グズグズは
していられない。
シーブル「ここは いったん 町の外に
ひなんしましょう。
ガボ「オイラ もう ハラへって
戦う元気ねえよう。
ガボ「なあ アルス〜。
にげちまおうぜ。
マリベル「アルス!
ぐずぐずしてないで さっさと
にげるわよ。
メルビン「くやしいが ここは
いったん 引くでござる。
にげるのも勇気でござる。
マリベル |
マリベル「ちょ ちょっと。 |
ガボ |
ガボ「うひゃ! もう そこらじゅう |
メルビン |
メルビン「ムムッ! どうやら |
*「プギー プギー!
シーブル「チ チビィ おまえ
どうして ここに……?
シーブル「!……そ そうだ ここは
危険だ。はやく にげなさい!
*「プギーーー!!
シーブル「チ チビィ……。
*「シギャアァ!!
*「プギー!!
*「グギャアァ……!
*「シギャアァ!!
*「プギー!!
*「グギャアァ……!
*「シギャアァ!!
*「プギー!!
*「グギャアァ……!
*「プギーーー!!
シーブル「チビィ……おまえ わしらを
守ってくれたのか……。
シーブル「ありがとう。
おまえが こんなに強いなんて
しらなかったから おどろいたよ。
*「プ……プギー……。
シーブル「チ チビィ!
チビィ どうしたんだ!?
シーブル「チビィィィーーー!!
ムシの大群におそわれた ルーメンは
チビィによって 救われた。
人々は 助かったことを 喜び
同時に 自分たちのあやまちに 気づいた。
そして 夜が明けた。
シーブル「……フウ。
なんとか 助かりましたな。
シーブル「町の者たちも みな ぶじで
なによりでした。これも
アルスさんたちの おかげです。
シーブル「それと……あいつの……
チビィの おかげですかな。
シーブル「思えば ヘルバオムの時には
ロッキーに助けられ そして 今度は
チビィにも 助けられ……。
シーブル「……ねえ アルスさん。
わたしは あいつらに なにか
してやれたんでしょうか?
シーブル「あいつらが わたしに
してくれたことに 見合うだけの
なにかを……。
シーブル「……いえ すいません。
泣くまいと 決めてたのですが……
まったく 情けないことですな。
ガボ「オイラ チビィは きっと
満足してると思うんだ。
ガボ「だって いちばん大好きな人を
助けられたんだもんな。
きっと よかったって思ってるよ。
メルビン「結局 今回は なにも
できんかった……わしも まだまだ
みじゅくでござるよ。
メルビン「もし チビィが いなければ
どうなっていたことか……。
考えるのも おそろしいでござる。
マリベル「あのムシの大群……
それと チビィって いったい
なんだったのかしら?
マリベル「おんなじ種類のムシなのは
まちがいないと思うんだけど
チビィは いいヤツだったし……。
マリベル「たしかに言えるのは
あいつのおかげで ルーメンが
すくわれたってことだけね。
シーブル「よかったら オモテに
作った チビィの墓にも
よっていってください。
シーブル「きっと あいつも
よろこびますから……。
アルスは 墓石を調べた。
”わが友 チビィ ここに眠る”
と書かれている。
*「あたしゃ 最初から あのコは
いいムシに ちがいないって
思っていたよ。
*「えっ どうしてかって?
そんなの あのつぶらなひとみを
見れば いっぱつでわかるわ。
*「まあ これも トシのこうって
やつかしらね。
*「……みなさんの 言いたいことは
わかってますよ。
*「たしかに この町は チビィの
おかげで すくわれました。
私の不安は はずれていたわけだ。
*「ですが 私は 自分の行動までが
まちがっていたとは
思っていませんよ。
*「私は みんなのためを
思って 行動したまでです。
*「シーブルさん 大丈夫なのかしら?
とても 心配ですわ。
*「愛する者を うしなうのは
身をさかれるよりも
つらいことですもの……。
*「このたびのことは
われらにとって つらい試練でした。
*「今も 人々の心の中には
わりきれぬ思いが うずまいて
町中が どうようしております。
*「これから どうやって ふたたび
人々の心を まとめていくか……
それが 真の試練でしょうな。
*「ですが それは この町の問題。
あなたがたには また別の試練が
ありましょう。
*「あなたがたの試練にとって
なにか おチカラになれることが
ございますかな?
(教会)
*「今にして思うと あの地中から
ひびいていた音は ムシたちが
たてていたんじゃなあ。
*「ヘルバオムの時にも 地震という
予兆があったし……これからも
地中の様子には ちゅういじゃな。
*「わしも この目で見たよ。
あのチビィが 怪物どもを
追いはらってくれたのを……。
*「……いろいろ ひどいことを
言ったのを シーブルさんに
あやまらねばならんな。
*「いまさら なにを言っていると
お思いか?
*「……そうじゃな たしかに
勝手なもんじゃ。
自分でも 情けないわい。
*「ガハハハハ……今度ばかりは
さすがの大将も あのムシっころに
いいところ持っていかれちまったな。
*「まあ 命があっただけ
もうけものってモンじゃねえか。
*「いくら リッパなことをしても
死んじまったんじゃあ
元も子もねえもんな。
*「はあ〜 やれやれ。
どうにか今回も 夫婦そろって
助かったよ。
*「これも あんたがたと
あのムシころのおかげだねえ。
ホントに ありがとうよ。
*「でも こんなことは もう
こりごりだね……。
あっ ところで何か 入り用かい?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「はいはい。 |
いいえ |
*「そうかい? |
*「みなさん ゆべは ロクに
ねむれなかったでしょう?
どうぞ ウチで休んでってください。
*「もちろん お代なんか
けっこうですからね。
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「それじゃあ 疲れを残さず *「どうです? *「うちでよければ いつでも |
いいえ |
*「さびしいなあ。 |
*「まさか本当に あんなたくさんの
お化けムシが 町の下に
ねむっていたなんてねえ。
*「ヘルバオムのことといい
なにか 地下に 悪いモンでも
うまってんじゃないかねえ?
*「……イヤだね 真剣なカオして。
ジョーダンだよ ジョーダン!
*「ああ シーブルさんに なんと
あやまれば よいのでしょう?
*「あのチビィが 町とわれわれを
すくってくれたなんて……。
*「これじゃ もうしわけなくて
あわせるカオが ありませんよ。
*「そうだ! せめて チビィのお墓に
なにか お供えでもしよう!
*「……チビィの好物って
なんだったんでしょうかね?
アルスさん ご存知ありませんか?
*「あのチビィがねえ……。
オレは見てなかったけど ご主人を
守ろうと 必死だったんだろうな。
*「シーブルさんが チビィを
思う心に 応えたってわけだ。
それで この町は すくわれた。
*「シーブルさんのゲテモノ好きにも
かんしゃしなきゃ ならんな。
*「ようやく 町がほろびる夢を
見ないようになりました。
*「今度こそ……
今度こそ 本当に この町は
すくわれたのですよね?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「みなさんに そう言ってもらえると |
いいえ |
*「そ そんな……。 |
ガボ「この町が すくわれて ホントに
よかったなあ。なんべんも
行ったり来たりしたもんな。
マリベル「ここを すくうのには
ホントに 苦労したわよね。
まったく やれやれだわ。
メルビン「ここにくると ムシの大群を
前にして なにもできなかった
無念が 思い出されるでござる。
メルビン「わしも まだまだ 修行が
足りないでござるな。
*「ようこそ ルーメンの町へ。
こんな片田舎に
旅のお方とは めずらしい。
*「ここは 町の勇者の墓くらいしか
見るべきものは ありませんが
しずかな いい町ですよ。
*「この町の 勇者の墓なら
大きなお屋敷のそばに
あるわよ。
*「でも なんで 教会の裏じゃなくて
あんなところに お墓が
あるのかしらね?
*「この町の北に住む じいさんは
モンスターじいさんって
みんなから 呼ばれてんだぜ。
*「とにかく モンスターが好きで
しょうがないってんだから
まったく 変なシュミしてるだろう?
*「もともとは この町の人間なんだが
そんなんだから 町になじめないで
自分から 出てっちまったそうだ。
*「この町の 近くに
モンスターじいさんって よばれてる
変人が 住んでるのよ。
*「モンスターが 大好きで
人里から はなれて くらしてるの。
ホント 変な人だわ。
*「なんでも 勇者チビィには
4人の子分がいたって話だぜ。
*「え〜っと 名前は たしか……
ひとりは アルスとかいったな。
*「あとの3人は……
わりい 思い出せねえや。
マリベル「なんで アルスなんかの
名前をおぼえてて このあたしの
名前をおぼえてないのよー!
メルビン「トホホ……わしたちは
チビィの子分でござるか。
*「キャン キャン!
*「あら 旅の方?
ああ そっか 勇者チビィのお墓を
見にきたのね。
*「チビィって どんな人だったと思う?
わたしは きっと すごい
ハンサムさんだったと 思うのよね。
*「なぜかって?
そりゃあ 勇者だもん。
かっこいいに 決まってるじゃない!
マリベル「ハンサムねえ……事実を
知ったら どんな反応するかしら?
見てみたい気もするわね。
*「この町は 過去になんども
危険な目にあってるからね。
*「平和になった今でも 武器や
防具は いいものそろえてるよ。
ど〜ぞ 買ってってください。
*「お客しゃまでしゅか?
うちは いいものばかりだから
なにか 買ってってくだちゃいね。
*「子は 親を見て そだつってのは
ありゃ 本当だねえ。
*「うちの娘ときたら……
将来が 楽しみというか
こわいというか……。
*「あんたがた 知っておるかね?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「そうか 知っておったか。 |
いいえ |
*「フムフム……。 *「じつは この人は わしの *「だから わが家は ゆいしょ正しい |
マリベル「チビィの子孫って……
ムシ人間?……ううっ…想像したら
気分悪くなってきたわ。
マリベル「まったく…しょーもないウソ
つかないでほしいわ。
*「うちのじいさんの 言うことは
あんまり本気にしないほうが
いいよ。
*「ホラふくのが なにより
好きって人なんだから……。
*「だいたい 勇者チビィって
若くして 死んじまったんだろ?
*「その子孫が 残ってるなんて
いかにも うさんくさい
話じゃないか。
*「このルーメンは かつて3度の
危機に みまわれたと
伝えられています。
*「いわく 闇のドラゴンの封印。
悪魔の植物ヘルバオムのしゅうらい。
巨大ムシの大群の出現。
*「このみっつの危機から 町を
救ったのは チビィという
ゆうかんな男でした。
*「彼は 町を救った後
その時のケガが もとで
なくなったといいます。
*「まさに ひげきの勇者と
よばれるに ふさわしい方ですわ。
マリベル「ゆうかんな男?
勇者チビィ?……また ずいぶん
話が ねじまがったものね。
メルビン「たしかに チビィは 町を
すくったでござるが……最初の
ふたつは ちがうでござるよ。
メルビン「なんだか 手柄を
横取りされた 気分でござる。
ガボ「へえ この町には そんな勇者が
いたんだ。3回もなんて
すげーなあ……ん? チビィ?
*「これが この町の勇者
チビィの墓だそうですな。
*「……しかし チビィという名前
どうにかなりませんかな。
*「失礼だとは思うが まるで
犬かなにかみたいで とても
勇者の名前とは 思えませんよ。
アルスは 墓石を見た。
”勇者チビィ ここに眠る”
と書かれている。
*「この くずれたカベは ずっと昔
この町が 闇に封印された頃から
こうだったそうですよ。
*「当時の ルーメンの荒れた様子
人々の苦しみようが このカベを
通して 伝わってくるようですな。
*「まったく おそろしいことです。
そんな時代に 生まれてなくて
本当によかった。
*「カアちゃんは きらってるけど
オイラは モンスターじいさんって
キライじゃないよ。
*「だって モンスターと
なかよくできるなんて なんか
かっこいいじゃん。
*「なんだよ。人の住みかに
勝手に 入ってきやがって。
*「ああん?
どうして こんなところに
住んでるかって?
*「な〜に 住んでみりゃ
こんなところでも しずかだし
いがいに 悪くないもんだぜ。
*「ただ ちょっと 日の当たりが
悪くて ジメジメしてんのが
なんだがな。
*「あら いらっしゃい。
ここは さる大金持ちの奥方さまの
お屋敷なのよ。
*「なんでも ご主人さまとは
ずっと昔に 大ゲンカして以来
別居中なんですって。
*「だから わたしたちは ご主人さまの
おカオも 見たことがないのよ。
マリベル「さる大金持ちぃ?
それって もしかして……。
*「あ〜 いそがしい いそがしい。
ここの奥さまは 人使いが
あらいから イヤになっちゃうわ。
*「あっ! 今 言ってたこと
奥さまに つげ口しないでよ!
*「まったく うちのメイドどもは……
口ばかりが うごいて 手のほうは
ちっとも はたらかないんだから。
*「どこかの国で 研究されてるという
からくりメイドっていうのが
完成したら 買おうかしら?
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