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アルスたちは チビィ退治に
そなえて 宿屋で 休むことにした。
そして 真夜中になった。
*「そろそろ いい時間ですな。
では みなさん よろしく
おねがいしますよ。
*「どうか シーブルさんが
目を覚まして かけつける前に
ケリをつけてくださいよ。
*「さすがに あの人の目の前で
殺すんじゃあ あんまりですからね。
マリベル「さ〜て それじゃあ
シーブルさんのお屋敷に行って
ちゃちゃっと やっちゃうわよ。
マリベル「まったく! アルスが
気軽に引き受けたせいで こっちは
とんだ とばっちりだわ。
メルビン「今は おとなしくとも
いつ モンスターとしての本能に
目覚めるかもしれんでござるからな。
メルビン「アルスどのが
そうと決めたなら わしは あえて
止めはせんでござるよ。
ガボ「なあ アルス〜。
ホントに やんのか?
ガボ「シーブルのおっちゃん きっと
悲しむぞ。
オイラ そんなのやだなあ……。
*「シーブルさんには 悪いけど
人を おそったんじゃねえ……
退治するのも しかたないさね。
*「な〜に あんたらのチカラなら
あんなムシっころ 楽勝じゃよ。
*「これで わしらも 今日から
マクラを高くして
ねむれるというもんじゃ。
*「どうか シーブルさんが
目を覚まして かけつける前に
ケリをつけてくださいね。
*「さすがに あの人の目の前で
殺すんじゃあ あんまりですからね。
*「闇のドラゴンや ヘルバオムまで
倒した みなさんなら あんな
ムシ1匹 敵じゃないですよね。
*「いやあ 本当に アルスさんには
助けられっぱなしだなあ。
*「わたしには あのムシを
退治しちまうことが いいとも
悪いとも 言えませんよ。
*「ただ みなさんが
それを やるっていうなら
止めはしませんがね……。
*「グ……グゴゴゴゴ。
グ…………グゴゴゴゴ。
*「ああ……来ないで……。
町が……町があ……。
*「むにゃ むにゃ……
へい いらっしゃい……むにゃ…。
*「スー スー……
あんたぁ あぶないよ……。
*「ああ……ばあさんかい。
……どうしたんじゃ?
しょうべんかね……むにゃ むにゃ。
*「みなさん こんな時間に
どうなさったと いうのですか?
*「……そうですか。シーブルさんの
ペットを 退治するおつもりですね。
*「あなたがたが そう決心したなら
止めはしませんが……。でも
本当に それでよいのでしょうか?
*「みなさん こんな夜おそくまで
ご苦労さまです。
*「なにか わが神の助けが
必要ですかな?
(教会)
シーブル「むにゃ むにゃ……
う〜ん チビィは 本当に
かわいいねえ……。
*「プギー……?
*「プギー プギー!
チビィ戦
ガボ「なあ アルス。
ホントに 戦うつもりなのか?
オイラ 気がすすまねえぞ。
メルビン「これも 町の平和のため。
チビィよ かわいそうだが
死んでもらうでござる!
マリベル「……なんて言うか さすがに
ちょっと やりにくいわね。
チビィ「プギー プギー……
シーブル「……こんな真夜中に
いったい なにごとなんだ?
シーブル「ああっ! チ チビィ!
シーブル「ああ チ チビィ……
な なんということだ……。
シーブル「アルスさん!
あなたたちは チビィに なんの
うらみがあって こんなことを!?
シーブル「……そうか あなたたちは
町の者たちに たのまれたんですね。
チビィを倒すようにと……。
シーブル「ごめん ごめんよ チビィ。
わたしが いけなかったんだ。
シーブル「おまえを ムリに 飼おうと
しなければ……あの時 おまえと
別れる決心をしていれば……
シーブル「こんなことには
ならなかったのに……。
ああ チビィ ゆるしておくれ……。
*「おお どうやら ぶじ
終わったようじゃの。
さすがは アルスさんたちじゃ。
*「……シーブルさん
こんなことになって あんたには
すまないことをしたと思います。
*「でも これもすべては
町を 救うためだったんです。
どうか わかってください。
*「……たとえ どこか 山に
はなしたとしても そいつは
町に 戻ってきたかもしれない……
*「そんな不安を 打ち消すには
こうでもするより 他に方法が
なかったんです……。
シーブル「チビィは……チビィが……
いったい なにをしたと……?
*「キャ〜!!
*「な なんですか 今のひめいは?
*「わ わからん。
とにかく いってみよう。
ガボ「シーブルのおっちゃん
かわいそうだ……。
ガボ「アルス……オイラたち
ひどいことしちまったんじゃねえか。
ガボ「なんか……なんか ムネが
苦しいよ……。
マリベル「……ま どう見ても
ブキミな怪物だったし
これで よかったのよね?
マリベル「えっ? それより
外の様子が 気になるって?
マリベル「……そうね。
今は それどころじゃないか。
さあ 外へ いってみましょう。
マリベル「さっきの悲鳴は
ただごとじゃなかったわよ。
メルビン「アルスどの……
やってしまったことを 後悔しても
しかたがないでござるよ。
メルビン「それよりも 今は
外の様子を 調べにいくでござる。
アルスたちによって たおされた
チビィの死体だ。
シーブル「チビィ……わたしは……
わたしは……。
*「シギャアァ!!
ヘルワーム戦
ガボ「こいつら チビィに 似てるけど
みんなを おそってるから
悪い魔物なんだよな。
メルビン「こやつら いったい
何匹いるのか……。
とにかく 戦うでござる!
マリベル「こいつらが 相手なら
思うぞんぶん 戦えるってもんね。
お化け虫め〜 カクゴしなさい!
ガボ「こいつら さては悪いヤツだな。
アルス オイラ戦うぞ!
マリベル「ちょっと なによ これぇ?
なんでチビィが こんなにたくさん
いんのよ 気持ち悪い!
メルビン「こ これは……チビィと
同じ種類のムシが 町を
おそっているでござるか?
シーブル「アルスさん。
こりゃあ いったい なにが
起こっているというんですか?
シーブル「……ええっ?
チビィそっくりの ムシの大群が
町を おそっているですってえ!?
シーブル「そ それは まさか……?
*「ああ ばあさんや……わしも
意外に はやく そっちに
行くことになりそうじゃよう。
*「ふひい 助かりましたわい。
今回ばかりは もうダメかと
思っとったよ。
*「わしが ねてたら いきなり
そのバケモノが 床下から
はいでてきたんじゃ。
*「ここんとこ 地中から なにか
えたいの知れない音が してたのは
こいつのせいじゃったんじゃなあ。
*「ヒイィ! た 助けてくだされ〜。
*「ハアア……助かったわい。
*「それにしても このバケモノは
いったい なんなんじゃ?
*「やっぱり シーブルんとこのアレが
仲間を 呼んだかいのう?
*「クソッ!
こいつら いったい……?
*「こいつら……あのチビィのヤツの
仲間に ちがいないですよ。
*「やっぱり あいつはこの町を
ほろぼす悪魔だったんだ。
*「クソッ もう少しはやく
行動に ふみきっていれば……。
*「うわあああ!
た 助けてくださいよ〜。
*「ハア ハア……。
ありがとうございました。
*「さすがに ムシが相手じゃあ
オシッコかけても
ききませんからねえ……。
*「キャアア! こ 来ないで〜!
*「外が さわがしいので
出てきてみたら もう町中に
怪物が あふれていて……。
*「アルスさん これは いったい…
いったい なんですの?
メルビン「そういえば アルスどの。
シーブルどのは どうなさったので
ござろうか?
メルビン「ここは いったん
もどってみるでござるよ。
※メルビン死亡中はマリベルやガボが下のセリフを話す
ガボ「ウガァ!
まだまだ いっぱい いるぞお
ガボ「なあ アルス。オイラ
シーブルのおっちゃんのことが
気になるんだ。
ガボ「いっぺん もどってみようぜ。
マリベル「いったい 何匹いるっての?
これじゃ キリがないじゃない!
あ〜 うっとおしい。
マリベル「ねえ アルス。
ここはいったん シーブルさんの
お屋敷まで もどろうよ。
マリベル「シーブルさんのことも
気になるし それに あそこなら
まだ 大丈夫かもしれないわ。
メルビン「まったく 何匹いるのか……
これでは ラチがあかんでござるよ。
メルビン「そういえば アルスどの。
シーブルどのは どうなさったので
ござろうか?
メルビン「ここは いったん
もどってみるでござるよ。
*「外が ずいぶん 騒がしいようだが
いったい こんな夜中に
何事ですか?
*「……ええっ!
魔物の大群が 町をおそっている!?
*「た たいへんだ! アルスさん。
どうか 町を 救ってください!
私も できるだけのことはします。
(教会)
*「アチョ〜!
ウリャ ウリャ ウリャ〜!!
*「フウ……。
すけだち かんしゃするぜ。
*「それにしても このムシっころは
なんなんだい? シーブルさんの
ペットに よく似てるが……。
*「ひゃああ〜!!
*「ああ ビックリした。
おどかさないどくれよ。
*「あのムシが おそってきたかと
思ったじゃないか。
*「くそお! このやろう
なかなか手強いぜ!
でりゃああ!
*「しゅ 主人を……
主人を どうか助けてください!
*「人が気持ちよく ねむっていたら
いきなり おそってきやがって
このバケモノめ!
*「……こいつは やっぱり
シーブルさんのとこのバケモノの
親せきですかね?
*「まったく だから あんなのは
はやいうちに
始末しちまうべきだったんだ。
*「ああっ やっぱり わたしの夢は
正夢だったんだわ!
*「この町が ほろんでしまうという
あの夢は……。
ああっ どうしたらいいの?
*「ヒィ〜!
だ だれか 助けておくれ〜!
*「う うわああ!!
アルスさん 助けてください〜!
*「わ わたしは 見ました。
この怪物が 地中から
出てくるのを!
*「こいつら ヘルバオムの開けた
穴を 通ってきやがったんですよ。
メルビン「アルスどの はやく
シーブルどのを 助けるでござる。
マリベル「……ふう。
どこもかしこも ムシ ムシ ムシ!
ホント ヤになるわね。
ガボ「アルス シーブルのおっちゃん
助けなくてもいいのか?
シーブル「わたたた……。
な なんだ こいつは?
シーブル「アルスさんっ!
た 助けてくだされ。
シーブル「ハアハア……助かりました。
それにしても こいつは
いったい……?
シーブル「えっ チビィが 仲間を
呼んだですって? バカな!
シーブル「……いや そうかも
知れませんな。チビィが 人間を
うらんだとしても 無理はない。
シーブル「別に あなたがたを
責めているわけではありませんよ。
悪いのは 私なんですから……。
シーブル「クッ! ここも もうダメか。
……みなさん グズグズは
していられない。
シーブル「ここは いったん 町の外に
ひなんしましょう。
ガボ「オイラ もう ハラへって
戦う元気ねえよう。
ガボ「なあ アルス〜。
にげちまおうぜ。
マリベル「アルス!
ぐずぐずしてないで さっさと
にげるわよ。
メルビン「くやしいが ここは
いったん 引くでござる。
にげるのも勇気でござる。
マリベル |
マリベル「ちょ ちょっと。 |
ガボ |
ガボ「うひゃ! もう そこらじゅう |
メルビン |
メルビン「ムムッ! どうやら |
シーブル「町の外に にげるのは
もうムリです。ここは町外れの
井戸に にげこみましょう。
シーブル「いくら あなたがたでも
あの数を とっぱするのは
ムリというものですよ。
シーブル「町の者たちのことも
気になりますが ひとまず
ここで 朝を まちましょう。
シーブル「なーに 彼らも うまく
にげのびていますよ。
きっと ぶじですとも……。
出ようとすると
シーブル「アルスさん!
今ここから出るのは 危険です。
シーブル「つらいでしょうが
どうか こらえてください……。
シーブル「……アルスさん。
ヤツらは 本当に チビィが
呼んだのでしょうか?
はい/いいえ | |
---|---|
はい/いいえ |
シーブル「先程は そうかもしれないと |
シーブル「あの やさしかったチビィが
仲間に町を おそわせるなんて……。
シーブル「……うん これはきっと
なにかの事故だったんだ!
そうに ちがいありません。
シーブル「だれが なんと言おうと
わたしは……わたしだけは
チビィを 信じつづけますとも。
アルスたちは 井戸の中で
眠れぬ 一夜をすごした。
そして 夜が明けた。
シーブル「……なんとか ぶじに 朝を
むかえられたようですな。
シーブル「……物音ひとつしません。
ヤツら 立ち去ったのか……?
シーブル「町のようすが 気になります。
外に 出てみましょう。
シーブル「こ これは ひどい……。
マリベル「……なんか 結局 この町
ほろんじゃったわね。
マリベル「あたしたちの努力も
ムダ骨だったってわけか。
メルビン「やれやれ……。
とうとう この町を すくうことは
できなかったでござるな。
メルビン「わしも まだまだ 修行が
足りないでござるな。こんな事で
魔王を 倒せるのかどうか……。
ガボ「ウガ〜!!
オイラ すっげえ くやしいぞ。
町ひとつ すくえねえなんてよう!
シーブル「な なんということだ。
町が……ルーメンの町が
ほろんでしまった。
シーブル「アルスさん こんなのって
あんまりじゃあないですか!
どうして こんな……。
シーブル「……町じゅうを 見まわって
みましたが ネコの子1匹
いやしませんでした。
シーブル「わたし ひとりが……
わたし ひとりだけが この町で
生き残ってしまったってわけです。
シーブル「チビィを 失い……そして
今 住んでいた町まで 失って
もう どうしたらいいのか……。
シーブル「チビィを 失い……そして
今 住んでいた町まで 失って
もう どうしたらいいのか……。
シーブル「……すいません。
しばらく ひとりにしてください。
シーブル「ショックが 大きすぎて……
今は ひとりになりたいんです……。
シーブル「……アルスさん。わたしは
ここで チビィや 町の者を
とむらって 生きることにしますよ。
シーブル「それが チビィも すくえず
ただひとり生き残ってしまった
わたしにできる せめてものこと。
シーブル「この罪にたいする
つぐないというものでしょう。
*「おや? このようなところに
人が 来るとは めずらしい。
*「ここは かつてルーメンと
よばれた町……ですが 今は
ただの荒れ野です。
*「伝説によれば この町を
ほろぼしたのは 巨大な植物とも
ムシの大群だとも いいます。
*「どうも はっきりしない話ですが
生き残った人間が ほとんど
いないのだから 仕方ありませんね。
*「ただ この近くに住む 老人は
町がほろびた時 ただひとり
生き残った人の 子孫だそうですよ。
*「もっとも 本人も くわしいことは
知らないそうですが。……。
*「残念なことですが きっと
それは 彼のご先祖にとっても
いまわしい記憶だったのでしょうね。
*「この町が ほろびた 本当の
理由は わかりません。
*「北の小屋に住む 老人は
この町の生き残りの子孫ですが
くわしいことは 知りませんし……。
*「残念なことですが きっと
それは 彼のご先祖にとっても
いまわしい記憶だったのでしょうね。
※以下、井戸の中でのみ聞ける。恐らく設定ミス
マリベル「ここを すくうのには
ホントに 苦労したわよね。
まったく やれやれだわ。
ガボ「この町が すくわれて ホントに
よかったなあ。なんべんも
行ったり来たりしたもんな。
メルビン「ここにくると ムシの大群を
前にして なにもできなかった
無念が 思い出されるでござる。
メルビン「わしも まだまだ 修行が
足りないでござるな。
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