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*「ゴロニャーン。
*「なんだ なんだ。
こんなとこまで 入って来たのか。
*「よし それじゃひとつ
わが家に伝わる
すごいヒミツを 話してやろう。
*「どうだ 聞きたいだろ?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「へへっ そうかい。 *「昔々の大昔。魔物がこの村を *「なんと そのお方に うちの祖先が *「その剣を使って 勇者さまは *「なっ すげえだろ! |
いいえ |
*「なんだ。 |
※プラチナソードをもらっていなくてもこのセリフ
マリベル「ちょっと 聞いた?
わたしのこと 勇者さまだって!
マリベル「まあ そんなふうに
言われるのも 悪くはないわね。
ほほほ!
メルビン「勇者……でござるか。
そう 呼ばれるには わしらは
まだまだ 未熟でござる。
メルビン「早く そうなれるように
がんばるで ござるよ。
のう! アルスどの!
ガボ「なんだ。オイラたち じゃなくて
ゆーしゃってやつが 魔物を
倒したことに なってるのか!
*「まあ かわいい旅人さんだこと。
プロビナの村に ようこそ!
*「よいしょっ よいしょっと!
ふうっ こんなもんで いいかしら。
*「おやっ 見れば 旅のお方だね?
こんな所まで 旅をして来たんじゃ
さぞかし 疲れただろうよ。
*「うちは そこの宿屋なんだよ。
もしよかったら 店の前にいる
うちの子に 声をかけておくれ。
*「こんにちは すてきな旅人さん。
ここは プロビナの村よ。
*「私のおうちは ここの宿屋なの。
安くするから 泊まっていってよ。
いいでしょ ねっ?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「やったーっ! |
いいえ |
*「ええーっ そんなあ! *「この辺 ほかに宿屋はないのよ。 |
マリベル「さすがは 宿屋の娘ね。
商売じょうずだわ。
ガボ「まだ ちっこいのに
しっかり してんなー!
メルビン「わっはっは。
かわいい看板むすめ でござるな。
*「気が変わったの?
泊まっていってくれるの?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「やったーっ! |
いいえ |
*「ええーっ そんなあ! *「この辺 ほかに宿屋はないのよ。 |
*「うちのベッドは フカフカだから
きっと気持ちよく ねられるよ。
*「向こうに見える 山の上の教会を
今日まで さがし求めて
長い旅を続けてきました。
*「はるか昔。
この村は おそろしい魔物のむれに
おそわれたことが あると聞きます。
*「そのとき 教会にいらした神父は
わが身を ぎせいにして
村の人々を 救おうとしたとか。
*「同じ 神に仕える者として
そんな気高き お方のいた教会を
ぜひ一度 訪ねてみたかったのです。
ガボ「そういえば 教会は
どうなって いるんだろう?
マリベル「時は 過ぎても
あの 神父さまの 伝説は
しっかり 伝わっているのね。
メルビン「まったく わしらも
あやかりたいほど 立派な
神父さまで ござったな。
*「うちの娘が がんばってくれるので
最近 店の売り上げがいいんです。
*「いまでも 大人顔まけですから
将来が 楽しみでねえ。
はっはっはっ!
マリベル「この娘がいれば この宿は
きっと将来も 安心だわね。
ガボ「親より 娘の方が
しっかりしてそうだもんな!
メルビン「こんな 小さなうちから
見上げた 商売魂で ござるな。
*「うちの おねえちゃん
お客さんを 連れてくるのが
うまいんだよ。
*「だから いつも おこづかいを
いっぱいもらってさ。
*「ぼくは だめなんだ。
くちベタだから……。
マリベル「ふ〜ん。
おなじ 兄弟でも
ずいぶん 違うものだわね。
メルビン「ふ〜む。
なにごとも 女性が強い方が
いいので ござるかな。
ガボ「弟は ちびっと
なさけねえなあ。
*「あっ おにいちゃんたち
何か 売りに来たの?
うちは まにあってるわよ!
*「きゃははっ
つかまらないよーだっ!
*「やーいっ まてまてーっ!
*「うるさいのう……。何もこんなに
たくさん 子供を作らんでも
ほかにすることが あったろうに。
メルビン「この家は ホント
にぎやかで ござるな。
マリベル「うるさいったって
こんな中で 寝ていられるほうが
不思議だわよ。
ガボ「じいちゃん こんなとこで寝てたら
長生き できねえぞ。
*「ちかごろ この村は
子供と 老人が 多くなりました。
*「まあ うちが いちばんの
子だくさん なんですがね。
はははっ!
*「それだけ よその国と比べて
平和だという しょうこですよ。
メルビン「よくも まあ
作るだけ 作ったで ござるな。
ガボ「うひゃー! よそのうちの子が
遊びに 来てんじゃ ねえのか?
全部 ここんちの子かー!
マリベル「お年寄りが 増えたのは
たしかに 平和で
長生き 出来るからだろうけど……
マリベル「子だくさんは
関係ないんじゃないの!?
*「うちの お父さんって
10人兄弟なんだよ
すごいでしょ!
*「ぼくは 5人兄弟だから
えーっと……。
お父さんの 半分だね!
マリベル「10人兄弟って……。
わたしみたいな 一人っ子には
わからない世界だわ。
メルビン「これでも 半分で ござるか!
じいさまは 子供が うるさいなど
言ってられないで ござるな。
ガボ「すっげえぞ!
オオカミだって そんなに
兄弟は いねえぞ。
*「いやだあっ
わたしが お料理つくるーっ!
*「いけませんっ
向こうに 行ってらっしゃい。
*「あなたは この前もシチューに
お酢を 入れちゃったでしょ!
メルビン「そうそう。
なんでも 失敗を 繰り返して
上手になっていくで ござるよ。
ガボ「なんだか うまそうな
シチューだなあ。ゴクッ!
マリベル「わたしは 子供のころから
ちゃんと料理くらい できたわね。
マリベル「とりたての 魚を
そのまま 焼いて食べるのが
なんたって おいしいんだから!
*「最近 なんでも 大人のやることを
マネしたがって 困っちゃうわ。
*「んもーっ!
*「んももーっ!
*「んもっ?
はははっ そうか そうか。
モウ おなかが いっぱいかい。
*「んももっ なんだって?
モウ つかれたのかい。
*「よしよし それじゃあ
モウ 少ししたら 今日の仕事は
おわりにしような。
*「この子たちも 自分の子供と
同じくらい かわいいんですよ。
モウ たまりませんね。
メルビン「ずいぶんと 人間ばなれした
お方で ござるな……。
マリベル「なんだか モウモウ言ってたけど
顔もちょっと 牛に似てなかった?
マリベル「あ! もしかして あのとき
魂が 入れ替わったから!?
ガボ「くん くん……。
気のせいか おっちゃん
牛くせえぞ。
*「不思議でしょ。
うちの人は ああやって
ウシたちと話ができるのよ。
*「あの人の おじいさんも
そのまた おじいさんも みんな
ウシと話が できたんですって。
*「ひょっとしたら 先祖が
ウシだったんじゃないかしら?
マリベル「ひょっとしなくても
祖先は 牛だったんじゃないの?
ねえ……。
ガボ「な〜んだ。
おっちゃんが 話せるのは
牛だけ なのか?
ガボ「森に住んでる あの おっちゃんは
動物なら 誰とでも話せるぞ。
なっ アルス!
メルビン「なるほど。
先祖が牛なら 納得でござるな。
わっはっは!
*「ぼく お肉がキライで
いつもママに おこられちゃうんだ。
*「んもーっ!
葉っぱの方が おいしいのにな!
んもーっ!
*「黄金の女神像という お宝が
この村に あると聞いて
やって来たのだが……。
*「村人たちに たずねても
なぜか ピンと こないようす。
*「うーむっ。魔物もよせつけぬ
不思議な力を持つ 女神像など
でたらめな ウワサだったのか!
マリベル「あんた 来るのが
ちょっと 遅すぎたんじゃない?
メルビン「女神像のウワサは
ほかの地にも とどいて
いるようで ござるな。
ガボ「女神像なんか とっくに
ぶっこわれちまってるぞ。
おっちゃん 時代遅れだなあ。
*「にゃーん。
*「わっはっはっ! わが家のじまんは
村いちばんの ちからをほこる
オス牛の ヒレミニ号です。
*「村まつりのとき いつも行われる
牛ずもうでは 一度も負けた事など
ないのですからな。わっはっはっ!
ガボ「うひゃー。
うまそうな名前だな アルス!
メルビン「強そうと いうよりは
おいしそうな 名前でござるな。
マリベル「すごい 名前だこと……。
*「大きな声じゃ 言えないけどさ
うちの人は 子供のころから
村いちばんの 弱虫だったのよ。
*「だから ああして 強いものに
あこがれるんだろうね。
マリベル「男なんて そんなものよね。
何でも強いものが いちばんだって
思い込んでるものね。
マリベル「でも アルス。これからは
力より おつむの時代だわよ。
ポーッとしてたら おいてかれるよ!
メルビン「わかるでござるな。
男は やはり強くなければ
いけないでござるよ。
ガボ「強いものに あこがれるなら
オイラに あこがれれば いいのにな。
へへっ。
*「おにいちゃん 早くう。
ああんっ ヨダレで顔が
びしょびしょに なっちゃう!
*「んもももーっ!!
*「こらっ おとなしく しろってば!
*「ええとっ こうやってしぼれば
ミルクが出るはず なんだけど
へんだなあ……。
ガボ「なあ アルス。
あの牛って オスなんじゃないか?
ミルクなんか でねえよなあ。
メルビン「わしも 子供のころ
よく乳しぼりを やったでござる。
メルビン「もっ もちろん
牛に 決まってるで ござるよ!
な なんでござるか その目は!
マリベル「どうみても オス牛なんだから
ミルクなんか でないわよね。
ポチ「わんっ わんっ!
*「よっこらせ。どっこいせ!
*「オレも昔は 飲む 打つ 買うで
女房を 泣かしたもんだが
いまは ほれ このとおり。
*「やっぱり 自然を相手に
汗をながすのが いちばんさね。
*「ううっ……。
これで 新しいカミさんでも
いてくれたらなあ。
マリベル「あ〜あ。どこにでも
あんたの おじさんみたいな男が
ひとりくらいは いるみたいだわね。
ガボ「おっちゃん なんで
泣いてたんだ?
あれ 汗じゃねえよなあ。
メルビン「何があろうと 男たるもの
おなごを 泣かしちゃ
いかんでござるよ。
メルビン「アルスどのも
マリベルどのを 泣かしては……
いや……。反対で ござったな。
*「まったく うちのじいさんは
どこに 行っちまったんだろう。
目をはなすと すぐこれだ。
*「きっとまた 若い娘の尻でも
追いかけ 回しているに
ちがいないよ!
ガボ「シリなんか 追っかけて
なにか 面白いのか?
わかんねえな〜。
マリベル「いくつになっても
男って やあね!
メルビン「わっはっは!
ずいぶんと お盛んな
お年寄りのようで ござるな。
*「こんな 小さな村だと
みんなが 顔見知りだから
商売も しにくくってね。
*「みなさんみたいな 旅人が
もっとたくさん 来てくれれば
うれしいんですけどね。
*「あっ 別に 旅人さんだから
高く売ってるとかじゃないですよ。
ごかいしないで くださいね!
*「わたし どこか知らない
遠くの国に 行ってみたいの。
*「かわいいクツに すてきなドレス。
にぎやかな町とか お城があって
まいばん みんなでダンスをするの。
*「ふうっ。
夢みているうちが 花なのかしら。
ガボ「なんで みんなは
食いもんのことに
きょうみが ねえんだろう。
ガボ「洋服や クツなんかより
よ〜っぽど だいじだと思うぞ!
メルビン「ダンスで ござるか。
なつかしいで ござるよ。
メルビン「若いころは どの娘と踊るか
それは 迷ったもので ござるよ。
もてる男の なやみでござるな。
マリベル「そういえば キーファ。
お城の ダンスパーティーとかに
一回も呼んでくれなかったわ!
マリベル「キーッ!
いまさら 文句いおうにも
キーファが いないじゃないのさ!
*「ほほっ ベルルちゃん。
かわいいのう。
*「やっぱり 若い娘はええのう。
シワシワより ピチピチじゃのう!
メルビン「なかなか お盛んな
おじいちゃんで ござるな。
わっはっは!
*「ここは村の老人の いこいの家だよ。
*「もともとは 村の長老さまの一家が
住んでいたらしいけんど……
*「山の上に 引っこされるとき
村の老人のためにと この家を
村に寄付したんだそうだよ。
メルビン「すごいで ござるな。
人々のために 自分の家を
寄付したでござるか。
メルビン「あの 神父さまに
負けじと劣らぬ 心の広さを
感じるでござるなあ。
ガボ「ラズエルの おっちゃんたち
あれから山の上に 引っ越したのか。
マリベル「長老さまの 一家って
オルドーさんと ラズエルさんの
ことだよね きっと。
*「ぶひひーんっ!
*「もーっ。
*「まあっ いらっしゃい。
旅のお方に会うなんて 久しぶり。
わたし ベルルです よろしくね。
ベルル「毎日ここで お年寄りの
お世話をするのが
わたしの 仕事なんです。
ベルル「みなさん 元気で
たくさん食べるから
食事のしたくも たいへんなの。
メルビン「こんな かわいいお嬢さんに
世話してもらえるとは この村の
お年寄りは 幸せでござるな。
ガボ「じっちゃんも ばっちゃんも
よく食べるのが きっと
長生きの ひけつなんだな!
マリベル「若いのに お年寄りの
お世話してるなんて えらいわね。
マリベル「ああ 思い出しちゃった。
あたし おじいちゃん子だったのよ。
なつかしいなあ……。
*「うちには 5人も孫がいるから
わしなんかのいる場所が
ないんじゃよ。
*「毎日ここで こうして友達と
お茶をのんで おしゃべりするのが
何よりの 楽しみなんじゃ。
ガボ「みんな 楽しそうだなあ。
なんだか オイラまで
楽しくなっちまうよ。へへ!
メルビン「わっはっは!
わしら 若い者には まだちょっと
この家は 早すぎるようでござるな。
マリベル「なんだか あたしたちより
おじいちゃんや おばあちゃんの方が
元気あるみたい……。
*「はがっ!
ひゅのみに いれふぁが
おひてひまったでふ。
*「わ わしは 左のおじょうさんが
好みですじゃ。
うはっ はずかしーっ!
*「はて? いま 何をしようとして
席を立ったのか 忘れてしもた。
*「むにゃ むにゃ……。
おじいちゃん もう帰ろうよう。
*「この村の 教会は
この先にある 洞くつを抜けた
山の頂上にあるのよ。
*「遠い昔に一度 焼けたんだけど
そのあとまた 村のみんなの手で
りっぱな教会が つくられたのさ。
*「ちょっと 遠いけど 大丈夫。
いましがた おじいさんも
登って行ったところだよ。
*「あなたたちの 若い足なら
すぐに 追いついてしまうかもね。
マリベル「やった! アルス。
教会は 直っているんだわ。
早く 行ってみましょうよ!
メルビン「よかったでござる!
神父どのも 空の上で
よろこんでいるで ござるよ。
ガボ「前も 思ったけど
あんな高いとこに 教会作るの
大変だよな アルス。
*「ふうっ ふうっ。
いやはや 年は取りたくないもの。
*「通いなれた この道も
日々きつくなって いくようです。
*「見ず知らずのお方に
失礼かとは 思いますが
どうでしょう。
*「山頂の教会まで しばしの道のり
この年寄りの手を 引いて行っては
くれませんでしょうか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「おおっ ご親切に。 |
いいえ |
*「いや 失礼いたしました。 *「わかっていながら 無理をいう |
いいえの場合
ガボ「いいのか アルス。
ことわっちまってさ。
ガボ「うらんで 出っかも
しんねえぞ!
メルビン「アルスどの。
お年寄りには 親切にした方が
よいのでは ござらんか?
マリベル「ちょっと アルス。
あんた 意外と 意地悪じゃん。
マリベル「おじいちゃんの 一人くらい
あんたが おぶってでも
連れて行って あげなさいよ!
*「おかしいねえ……。
そろそろ 帰ってみえても
いいはずなのに どうしたのかね。
*「この教会には 若い神父さまと
そのお父さまの ふたりも
神父さまが いらっしゃるんだよ。
*「順番からすると 今日は
父さま神父の 番なんだけど
村に行ったきり まだ戻らないのさ。
*「なんと。
教会まで 手を引いて行って
くださるのですかな?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「おおっ ご親切に。 |
いいえ |
*「いや 失礼いたしました。 *「わかっていながら 無理をいう |
マリベル「アルス。
あたしが つかれたら
あたしの手も 引っぱってよ。
メルビン「修理された 教会を
早くみたいもので ござるな。
ガボ「くん くん……。
この空気のニオイ 覚えてるぞ。
*「みなさんみたいに 親切な方たちに
出会えて ラッキーでしたわ。
ほっほっほ。
*「いやいや 助かりましたぞ。
ささ まいりましょう!
階段を降りようとすると
*「はて? そちらは ちがいますぞ。
山頂に向かうのでしたら
階段は 上らねばなりません。
*「やれやれ ここまで来れば
もう ひと息ですな。
ガボ「洞くつから 出っと
まぶしーなー!
メルビン「魔物がいない 洞くつは
あっという間で ござったな。
マリベル「ああ やっぱり
おもての空気は いいわね!
*「絶景かな。絶景かな。
ほうっ 今日は天気が良いせいか
遠くにうっすらと 島影が見えるぞ。
*「うーん。いったい あれは
何という 島なんだろうなあ。
人が住んで いるんだろうか?
*「わっ! いきなり
話しかけないで くださいよ。
落っこちたら どうするんですか!
*「あなたは 痛くないでしょうけど
わたしきっと 死んじゃいますよ!
マリベル「アルス。
ちょっと 押してみたら……
って やっぱ 悪いわね。ほほほ!
ガボ「きっと じゃなくて
ぜったい死んじゃうぞ おっちゃん。
メルビン「わ わしは 高いところが
ちょっとばかり 苦手でござるよ。
わはは……。
*「おおっ 着きました 着きました。
ここが 教会です。
ささっ 中へ入りましょう。
*「やれやれ やっと 着きました。
たいそうお疲れになったでしょう
本当に 助かりました。
*「教会に ご用がお有りのときには
おこしください。あなたたちなら
いつでも 大かんげいいたしますよ!
メルビン「なんと!
ひょっとして あの ご老人は
教会の 神父さまで ござったか!
マリベル「おどろいた!
あの おじいちゃんが
ここの 神父さまなわけ!?
*「あらっ お客さま?
うちの人に ご用かしら。
それとも おじいちゃま?
*「ごめんなさいね。
今は ふたりとも出てしまっていて。
*「そうだわ。主人なら教会うらの
ほこらにいるところかも知れません。
のぞいてみて くださいな。
*「ぼくの ひい ひい ひい
ひい ひい ひい……
*「ああっ だめだ!
あたまが こんらんして
よく わからないや!
*「とにかく そのくらい古い時代の
ぼくの おじいちゃんが
村の宝を こわしちゃったんだって。
*「そしたら 村が魔物におそわれて
神父さまが いなくなって……。
*「まだ ここまでだけど ぼく
自分の家の 歴史を勉強してるの。
えらいでしょ!
マリベル「あはは!
こんらんするところ なんて
ラズエルさん そっくりだわ!
マリベル「やっぱり 血は
あらそえないのかしらね!
ガボ「オラは 勉強なんかしないけど
勉強する奴は エライと思うぞ!
机の上に 本が置かれている。
表紙には「かがやけ!わが一族」
と書かれている。
カギのかかった キズだらけの
古い宝箱が 置かれている。
なんと!
これは ラズエルの村を守った
神父さまの 宝箱だ!
持っているカギで 開けられそうだ。
開けてみますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
なんと! アルスは |
いいえ |
(何も起こらない) |
*「ぐががー ぐがっ!
*「この教会には 若い神父さまと
そのお父さまの ふたりも
神父さまが いらっしゃるんだよ。
*「もともと おふたりの家は
古くから 村の長をつとめる
家系だったのじゃが……
*「あるときを さかいに
なぜか 神の道へと
お進みになったのじゃ。
*「まあ かたちは変わっても
村のために 尽くすことには
ちがいがない。
*「ほんに わしらにとっては
ありがたい お方たちじゃよ。
*「本当に お世話になりました。
ご親切 忘れませぬぞ。
*「はてと……。ここに あったはずの
木彫りの女神像は いったい
どこに 行ったのでしょう?
*「それは さておき
今度は わたしが みなさんの
お役に立つばんですな。
(教会)
*「しかし ここにあった
木彫りの女神像は いったい
どこに 行ってしまったのか……。
メルビン「木彫りの女神像?
黄金の女神像が 無くなったから
新しく作ったのでござるかな。
*「教会の大切な 女神像を
落として こわしちゃったんです。
な ないしょですよ!
*「村の古い 言い伝えでは
黄金の女神像が こわれたとき
泉につけて なおしたとか。
*「言い伝えが 本当なら
黄金じゃないけど この女神像も
なおるかも 知れないでしょ。
*「さっきから ためしてみようと
待っているのですが
神父さまが ずっといるんですよ。
*「ああっ はやく何とかしないと
ばちが当たるかも 知れない!
か 神さま!
マリベル「あらら。
結局 女神像っていうのは
こわれる運命に あるのかしらね。
ガボ「うはあ。今度の 女神像も
こわれちまったのかあ。
メルビン「泉につけたところで
木彫りの女神像が 直るはずは
ないでござる。
メルビン「かわいそうだが
あとで 神父さまに
怒られるで ござるな。
*「この泉は 昔々 教会にいらした
神父さまが 祈りをささげて
いらしたところなのです。
*「私たち あとをつとめる者も
毎日 祈りをささげております。
*「あなたがたも 旅の無事をねがい
この泉の水で 身を清めて
行かれるがよいでしょう。
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