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ガボ「やっぱ バロックのおっちゃんが
建てたモンは カッコイイなあ。
アルスも そう思うだろ?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
ガボ「だよなー。 |
いいえ |
ガボ「えーっ! |
マリベル「バロックさんの作品
今でも 残ってるけど……ホント
あれの どこがいいのかしらね?
マリベル「あたしには やっぱり
ただの ハデで 変な建物にしか
見えないわ。
*「ようこそ。
ここは 芸術の都リートルード。
*「あの天才建築家バロックの
出身地としても 有名ですよ。
*「みな バロックの建物ばかりを
ほめているが この教会も
なかなかの物だとは 思わんかね?
*「少なくとも 古さという点では
こっちが 勝っているぞ。
*「この建物は バロック後期の
作品として 知られている。
*「ながらく 山奥に 住んでいた
バロックが 町で くらすために
作ったものだそうだ。
マリベル「いったい ここは
なんなのよ?
ただ事じゃない 怪しさね。
アイク「年をとれば チカラや
外見の美しさなどは どうしても
おとろえるもの。
アイク「ですが かしこさというモノは
年老いても なお
高めることが できるのです。
アイク「だから 人間の価値というものは
かしこさで 決まるといっても
過言では ありません。
アイク「みなさんも 目先の チカラや
カッコよさばかりに とらわれず
頭の中身を みがいてくださいね。
モディーナ「わたくしの担当する
カッコよさ部門は もう長いこと
トップが かわっていません。
モディーナ「なんと 数十年前に
登録された 記録が いまだに
やぶられないでいるのです。
モディーナ「トップの ローズという方
いまごろ どこで なにを
なさっているのやら……。
モディーナ「ぜひ一度 お会いして
どうやって あの不動の順位を
きずいたのか きいてみたいですわ。
マッシュ「男は なんてったって
チカラもちで なくちゃな。
マッシュ「そして 女も やっぱり
チカラもちで なくちゃ だめだ。
マッシュ「君たちも もっと
カラダを きたえたほうがいいぞ!
ガッハッハッハ……。
*「ここは 各ランキングの 新しい
チャンピオンが 生まれた時にだけ
つかう場所なんですよ。
*「今は こんな がらんどうですが
その時ばかりは ここも
人で いっぱいになるんです。
*「ようこそ。
こちらは 世界を 評価する
世界ランキング協会の本部です。
*「本日は どのような
ごようけんでしょうか?
せつめいをきく
*「当協会では チカラじまん
かしこさ そして カッコよさの
世界ランキングを 決めております。
*「その方法は……仮に 今 あなたが
カッコよさ部門の ランキングに
登録したとしましょう。
*「その場合 登録された時点での
あなたの カッコよさから 現在の
あなたの順位が 決定されます。
*「もし さらにカッコよくなったら
新しく 登録しなおせば
新しい順位が でることになります。
*「なお 順位は ふん水のよこにある
掲示板に 表示されていますので
どうぞ ごらんください。
*「各ランキングで はじめてトップを
とられた時には 協会本部からの
ステキな プレゼントもございます。
*「どうか がんばって 各ランキング
トップの座を めざしてください。
*「さて 他にご用は ありませんか?
*「この町はな ずっと昔にな
バロックという 天才建築家を
生んだんじゃ。
*「それ以来 芸術の都と よばれて
多くの 自称芸術家どもが
集まってくるんじゃが……。
*「わしの見たところ 連中のなかには
どうも ロクなやつが おらんな。
*「この町に 来る途中
大きな橋を わたってきたが
なかなか にぎやかな所だったな。
*「おおぜいの人々が 行きかい
さかえているかんじだったよ。
*「フン フン フン フン
フン フフ〜ン♪
わたしは ステキな メイドさ〜ん♪
*「……あ あら ヤだ。
見てたの?
*「この町の 東の山奥には
奇妙な塔が そびえたってんだ。
*「バロックタワーと呼ばれる
その塔は あの天才バロックの
最後の作品なんだってよ。
*「塔の中は 外観と同じく
奇妙な カラクリじかけが
いっぱい あるってハナシだぜ。
*「キ〜ッ!
なによ あのランキングは!!
*「このアタシが 30位以内にも
入ってないなんて そんなの
ゆるされるハズが ないわ!
*「そうよ。そもそも あいつらの
評価の基準が まちがってるんだわ。
まったく なんて はらだたしい!
マリベル「そりゃあねえ。
あの人じゃあ ランキングに
入ってなくても ムリないわよ。
マリベル「自分のことを
わかってないのって なんだか
あわれよね。
ガボ「あのおばちゃん ヤケになって
食いまくってるけど 大丈夫かな?
あれじゃあ 太っちまうぞ。
*「この間 北の橋んトコ いったら
はーぶてぃーの店ってのが
新しく できてたんだべ。
*「若いモンたちが おおぜい
集まって にぎやかだったなあ。
*「だども オラ ああいう
新しいモンは ニガテだでなあ。
けっきょく 入んなかっただよ。
*「いらっしゃいませ。
どうぞ ごゆっくり
くつろいでいって下さい。
*「バロックタワーの中には 様々な
カラクリじかけが あって
侵入者を こばむそうですね。
*「塔が 完成して数百年。
いまだ 最上階を 見た者は
いないというんですから すごい。
*「バロックは カラクリじかけにも
長けていたようですね。
*「この町の奥にある お屋敷。
なんとかいう金持ちが ひとめ見て
気に入って 買いあげたのよ。
*「でも そのお金持ち 別荘用に
買ったのに いそがしくて
ほとんど 来られないんですって。
*「なんだか もったいない話よね。
*「よそからきたモンは みんな
バロックの建物を 見ては
いろいろ さわぐがの……。
*「生まれたときから アレを見て
育ったアタシにゃ ああいうのが
当たり前って感じが するんだよ。
*「むしろ 普通の建物なんかは
ひどく地味で つまんない
感じが しちまうねえ。
*「オレは ちょうこく家でもあるが
それ以前に 肉体の芸術家なのさ。
*「見てくれ この きたえあげられた
筋肉の ハリとツヤを。
*「オレの夢は チカラじまんコンテストで
優勝して 世界中に オレの肉体美を
知らしめることなのさ。
*「うちの人ったら また 変なこと
言いだして……。
*「だれが 男のハダカなんか見て
よろこぶもんかね。
*「うちには カッコイイ武器しか
置いてないよ。
*「いくら 強くたって カッコ悪い
武器なんて そうびする意味が
ないもんな。
*「うちのヨロイは どれもこれも
美しいものばかりなんだ。
*「こんな カッコイイそうびで
身をかためりゃ キミも
モテモテ まちがいなしだよ。
*「この町は 変な建物も 多いが
変な人間は もっと 多いな。
*「あの建物を いいなんていう
連中の感性は オレには
さっぱり わからんよ。
*「ウワサによると バロックは
塔の最上階に 自分の
大切な宝物を かくしたらしい。
*「あの天才の お宝っていうんだから
きっと ものすごい 価値のある
ものなんだろうな。
*「あそこの家は その昔
バロックの親友である
医者の家だったんだとさ。
*「でも あんな有名人の 友だちで
いるって どんな気分なのかねえ?
*「友人の名声が ほこらしいのか?
それとも ねたましいのか?
いっぺん きいてみたいわ。
*「私は 建築家バロックの生涯を
研究している者なんだが……。
*「バロックの娘 エイミの
母親とは いったい どこの
だれだったのだろうか?
*「どんな資料を見ても いっこうに
見当が つかないんだよ。
*「この家の もとの主である
クリーニ医師なら それも
知っていたんだろうがなあ。
*「彼が 何かヒントになるような
物を残しておいてくれれば
助かるんだが……。
*「この家の地下室は 絵を
勉強しているという若者に
安く かしているんですよ。
*「なんでも あのバロックが
使っていた部屋だそうで 少しは
ごりやくでも あるのかしらね?
*「この部屋は 昔 天才バロックが
アトリエに 使っていたんだってさ。
*「ここで 絵を かいていれば
ボクにも 天才の ひらめきが
やってくるんじゃないかなあ。
アルスは 本だなを調べた。
アルスは 本の間から
古い手紙を 見つけた。
(内容は以前と同じなので略)
この手紙を とりますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
アルスは エミリアの手紙を |
いいえ |
(何も起こらない) |
*「クリーニ医師が エイミの母親の
ヒントを 残してくれていれば……
えっ 地下室で 手紙を見つけた?
*「そ その手紙は まさか?
た たのむ。その手紙を
私に 見せてくれ!
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「おお ありがたい。 *「…………。 *「……こ これは まちがいない! *「……フム この手紙によると *「名前が わかっただけでも *「しかし こんな重大な資料が *「と とにかく ありがとう。 *「お礼といっては なんだが アルスは かしこさのたねを |
いいえ |
*「そ そんなこと いわずに (ループ) |
*「やあ 君たちのおかげで
私の 研究も どうにか
完成しそうだよ。
*「こんなに 充実しているのは
ひさしぶりだ。
礼を 言わせてもらうよ。
*「こちらは 世界的な大金持ち
ブルジオ様の 別荘だ。
*「ブルジオ様は 今 こちらには
おいでになっていないが
あの方は 心の広いおかただ。
*「このやしきの価値を 知った上で
一般の見学者のために おやしきを
開放なさっている。
*「おまえたちも ブルジオ様に
感謝しつつ 迷惑にならぬよう
しずかに 見学するんだぞ。
マリベル「いくら 金持ちだからって
あんな屋敷 買っちゃうなんて
シュミ悪いわねー。
アルスは 本だなを調べた。
「天才建築家バロック作品集」最新版と
書かれた 本がある。
バロックが作った建築物が
新作もくわえ カラフルな 絵入りで
さらに くわしく 解説されている。
アルスは 見ていて
目が チカチカしてきた。
*「わたしは ご主人さまが
るすの間 ここの管理を
まかされている者です。
*「ご主人さまは おいそがしい身なので
まず めったに こちらには
おいでになりませんがね。
*「まあ ごゆっくり
見学なさってください。
*「ここの持ち主の ブルジオ様って
どんな方なのかしら?
わたし 見たことないのよね。
*「若くて ハンサムで なおかつ
やさしい方だと いいなあ。
*「…えっ そんなわけないって?
いいじゃない 希望なんだからさ。
ユメみさせてよ。
*「ご主人さまが いないんじゃあ
いくら いっしょうけんめい
働いたってね……。
*「そういうわけで
今は 自主きゅうけい中。
*「見学するのは 勝手だけど
部屋とか 汚さないでよ。後で
そうじすんの あたしなんだから。
*「この時計塔は 建てられてから
何百年の時をへて なお
私たちに 感動を与えてくれます。
*「芸術とは なんと
すばらしいものなのでしょうか。
*「私も 何百年後の世まで
残っているような 歌を
作ってみたいものです。
*「この時計塔も いいがなあ。
バロックタワー…あれを 最初に
見た時は おったまげたもんだぜ。
*「なんだか わけが わからんのだが
普通の建物には ない
迫力が あるんだよ。
*「いいなあ。
わたし このふん水 好きだわ。
*「こんなところで デートの
待ち合わせなんかしたら
とっても ステキでしょうねえ。
*「ここでは 世界ランキング協会に
登録された者たちの 順位が
見られるように なっておる。
*「向かって 左が チカラ強さ。
真ん中が カッコよさ。
右が かしこさランキングじゃ。
*「おまえさんも 登録しておるなら
ここに名前が のっているかも
しれんのう。
*「ふ〜ん かしこさランキング
今回のトップは あの人かあ。
すげえなあ。
*「きゃっ やったわ。
順位アップ!
*「やっぱり ダイエットの
成功が きいてるわね。
*「ううっ。おっきな歯車って
まきこまれそうで こわいよう。
*「ねえ パパぁ。
はやく 帰ろうよう。
*「だ だめだ。
どういう仕組みで 動いているのか
さっぱり わからん。
*「こいつの 小さいのを 作って
売り出そうかと 思ったんだが
やっぱり ワシには ムリなのか?
*「……いや まだまだ。
これくらいでは あきらめんぞぉ!
*「これも バロックの作品なのか。
……うん 確かに いいなあ。
*「特に この途中で 折れている所が
いいよ。ここらへんの感性が
やっぱり 天才的なんだなあ。
*「教会裏の建物を 見ただろ?
いいえを選んだ場合のみ | |
---|---|
いいえを選んだ場合のみ |
*「あれ? あんな目立つものを |
*「バロックは 人生の後半を
あの家で 自分の娘と
すごしたそうだ。
*「そのころに 作り始めたのが
この町の 東にある
バロックタワーなんだがな……。
*「あれが 完成したのは
なんと バロックの死後20年も
たってからなんだとさ。
*「最後には そのバロックの娘が
自分で 石を 組み上げたって
話だぜ。
マリベル「バロックさんの娘?
それって もしかして……。
チカラじまんランキング1位の場合
*「おお あなたは。
*「ようこそ アルスさん。
チカラじまんランキング 初トップ
おめでとうございます。
*「つきましては 当協会より
トップかくとくの記念品を
おくらせていただきます。
*「かんたんな セレモニーも
おこないますので アルスさんは
左の階段を 上ってください。
*「記念品を さしあげますので
アルスさんは カウンター前から
左の階段を 上ってください。
出ようとすると
*「ちょっと まってください。
記念品を うけとるまでは
勝手に 出ていかないでください。
マッシュ「よう あんたか。
あいかわらず チカラが
みなぎっているようだな。
マッシュ「これからも その調子で
がんばってくれよな。
オレは いつでも 応援してるぜ
*「それでは ただいまより あらたな
チカラじまんチャンピオンへの
記念品じゅよ式を はじめます。
*「新チカラじまんチャンピオンの
アルスさん。
前へ おすすみください。
*「あれが 今度の チャンピオンかあ。
*「キャー アルスさん ステキ〜!
マッシュ「チカラじまんチャンピオン
アルスどの。
マッシュ「世界ランキング協会によって
あなたは チカラじまん世界一と
認定されました。
マッシュ「よって ここに 認定書と
副賞のごうけつのうでわを おくります。
アルスは
ごうけつのうでわを うけとった。
マッシュ「おめでとう。
アンタ かがやいてるぜ。
*「以上を もちまして
新チカラじまんチャンピオンへの
記念品じゅよ式を おわります。
ガボ「うほー!
バロックのおっちゃんらしいや。
あれから すごいの作ったんだな。
マリベル「バロックさんてば また
とんでもないモン 作ったわねえ。
マリベル「さすが天才建築家。
その創作意欲にだけは
アタマが下がるわ。
*「ここは 天才建築家バロックの
最後の作品として 知られる塔だ。
*「塔の上には バロックのお宝が
かくされているとの ウワサでも
有名なようだな。
*「だが 長い年月の間に なかには
モンスターどもが すくうように
なってしまったのだ。
*「おまえたちも 宝さがしは
いいが ケガしないように
気をつけるんだぞ。
あやしい形の物体が かざってある。
*「奥の部屋に 階段があると
思うんだが どうしても 入れない。
*「色ちがいの床に のれば
トビラは 開くんだけど……
どうすりゃいいんだ?
*「モンスターが 出るなんて
きいてませんでしたよ〜。
*「うう 命あっての モノダネ。
やっぱり お宝は あきらめて
かえろうかなあ……。
*「オレが 思うに あのでかい
カメの人形が あやしいな。
*「うん まちがいねえぜ。
目の部分に はまっている宝石が
はずれそうだ。
とってみますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
アルスは 竜のひとみを 手に入れた。 |
いいえ |
(何も起こらない) |
竜の目の部分に 穴が 開いている。
アルスは りゅうのひとみを
竜の像に はめこんだ。
アルスは 石碑を調べた。
竜に ひとみの やどりしとき
炎の息 しずまらん
アルスは 石碑を調べた。
聖堂への ただひとつの道は
4つの しるしを ふみしめし者に
その姿を あらわすであろう。
アルスは 石碑を調べた。
わたしは 天才建築家バロック。
最後の作品である この塔に
わたしの宝を のこそうと思う。
だが 後世の者に わが生涯の宝を
知られるのは その……じつのところ
気恥ずかしくも 思うのだ。
それゆえに この塔には
侵入者を こばむ あらゆる
しかけを ほどこした。
だが 長い歴史のなかには きっと
わたしと 同じような 天才があらわれ
ここに たどりつくこともあるだろう。
そこで その者に ねがう。
ここにおかれた 宝箱のなかみは
好きにしてくれて かまわない。
だから ここで見た 2枚の
わが宝のことは どうか忘れてほしい。
貴君が 情けを知る者であることを
切に ねがう。
マリベル「なんか ここの石碑
読んだら バロックさんのイメージ
変わるわよねえ。
マリベル「あたしとしては けっこう
ショックだわ。
マリベル「でも ま かわいそうだから
バロックの宝の ひみつは
だまっておいてあげるか。
マリベル「いい! アルスも 人に
言ったりしたら ダメよ。
ガボ「バロックのおっちゃん
石碑でも えらそうだったなー。
”わが愛娘”とタイトルが
つけられている。
過去の世界で 出会った
宿屋の娘エイミに よく似ている。
”青春の日”とタイトルが
つけられている。
バロックと クリーニに よく似た
2人の青年と 見知らぬ 若い娘が
楽しそうに えがかれている。
マリベル「ここは現代でも 人通りが
たえないわね。ほら アルス
ボケッとしてると ぶつかるわよ。
*「ずっと昔 この橋が かかる前にゃ
この川は 渡し舟をつかって
行き来しとったそうじゃ。
*「どんなもんじゃったのか……。
ワシも 乗ってみたかったのう。
*「わたし この間まで
ハーブ園で はたらいてたんだけど
やめて にげてきたの。
*「なにから にげてきたのかって?
そりゃあ もちろん
あのスケベな ご主人さまからよ。
*「あの人 女なら みさかいなく
さわってくるのよ。
ほんと アタマきちゃう!
*「わしんとこは 先祖代々
この橋を わたって
行商しとるんじゃよ。
*「ウワサの 世界ランキング。
わしは カッコよさランキングに
挑戦するつもりじゃ。
*「まあ わしならば 10位以内は
かたいところじゃろうな。
*「ウワサに なるだけあって
なかなか おいしかったわ
ハーブティー。
*「今度 となりの奥さんにも
教えてあげなくちゃ。
*「リートルードには 各地から
こころざしを持った 芸術家たちが
集まってくるそうですね。
*「わたしも あの芸術の都で
なんとか ひとはたあげてやろうと
思ってるんですよ。
*「生まれ故郷の エンゴウに
5年ぶりに かえるんだ。
*「占い師の バアさん
元気に してるかなあ。
*「はるばるランキングの
確認に きたんだが 今回も
オレの名は なかった……。
*「くっそ〜 オレって
そんなに いけてないかなあ?
*「この地方には なんでも
すごいお宝が ねむっている塔が
あるそうですねえ。
*「さすがは 芸術の都リートルード。
見るべきもの 美しいものは
たくさん ありました。
*「ですが わたしなどには
作られた美より 自然の美のほうが
より美しいと 感じられますね。
*「わたしは 旅人。
女ひとり旅なんて ちょっと
カッコイイでしょ。
*「オレは 仕事を 探して
旅してんだが どうやら
ここいらも 平和なようだ。
*「まったく こんな時代にゃ
オレみたいな 戦うしか能がない
人間は 役立たずってモンだな。
*「今は こうして 行商する身ですが
いずれは どこかに 自分の店を
かまえてみせるつもりです。
*「リートルードみたいな 都会に
できたら 理想なんだけど……。
*「やっぱり それは ちょっと
きびしいかな?
*「今度 わたしは 新しく家を
建てるつもりなんじゃ。
*「それで その参考にするために
天才と名高い バロックの建築物を
見にきたというわけなんじゃよ。
*「オレは あのバロックタワーに
挑戦するために きたんだが
ついに2階にも すすめなかったよ。
*「われながら 情けない話だよなあ。
*「今の メモリアリーフのあるじは
いつも 女のシリばっかり
追いかけてるような人でしてね。
*「あんなんじゃあ あのハーブ園も
そう 長くないんじゃないかって
もっぱらの ウワサですよ。
*「この先に メモリアリーフっていう
大きなハーブ園が あるんだけど。
*「そこじゃあ あたしみたいなのに
高い給料くれるんだって。
……本当なのかなあ?
*「今 リートルードでは
かしこさの 世界ランキングも
決めているそうですなあ。
*「いやあ こういうイベントを
まっていたんですよ。
*「つよさや カッコよさでは
勝負に なりませんが
頭だったら 自信ありますからね。
*「さあ めざすぞ。
明日の かしこさ 世界一ィ!
*「へへへ……前をいく ねーちゃん
いいケツしてんなあ。
*「この先の リートルードの町では
バロックとかいう建築家の作品が
たくさん 見られるとか。
*「いやあ 楽しみだ。
こんな風に 気軽に 旅ができるのも
平和な時代のおかげですなあ。
*「川向こうには わたしが めざす
古く 大きな修道院が あります。
*「わたしは これから そこで
シスターとしての しゅぎょうを
つむつもりなんです。
*「わたしは バロック作品の中じゃ
この橋が いちばん好きだね。
*「なぜなら こいつは いちばん
ひとの役に立っているからね。
*「わたしは 建築物なんてものは
ひとの 役に立って なんぼだと
思うんだよ。
*「なんで 橋の真ん中に
こんなものが 立ってんのかなあ?
ヘンなの〜。
アルスは 立て札を 読んだ。
「カッコいい人以外 お断り」と
書いてある
*「そこの店のおやじ。
カッコよさランキングを
見るのが 大好きでさ。
*「ランキングに 入っている
人間にしか ものを売らねえんだよ。
*「けっこう めずらしい売りものも
あるんだが オレなんかにゃ
売ってくれねえんだよな。
*「ん。あんたたち 客かい?
*「うちは カッコよさランキングに
入っている人間にしか
ものを 売らないんだ。
*「あんたたちの中に ランキングに
入ってる人は いるのかい?
ランキングに入っている
*「おお そうか そうか。
あんたが あのマリベルさんか。
名前 チェックしてるよ。
*「さ〜て それじゃあ 商売だな。
*「うちは めずらしいものも
けっこう おいてあるからな。
遠慮せずに 買っていってくれ。
(よろず屋)
ランキングにない
*「本当か? なんか 怪しいな。
じゃあ きくが なんて名前で
順位は 何番だった?
*「いっとくが オレは ランキング
全部 おぼえてっからな。
適当に いっても ムダだぞ。
*「ほ〜ら なにも いえないだろう。
ウソついたって わかっちまうんだ。
*「まあ うちで 買い物したかったら
カッコよさを みがくことだな。
いいえ
*「それじゃあ 話になんねえな。
まず リートルードに いって
ランキングの登録を してきな。
マリベル「カッコよさランキングに
入ってる人にしか 売らないなんて
たいど悪い店ねえ。
マリベル「客商売を なんだと
思ってるのかしら?
*「オレは カッコよさランキングを
見るのが 大好きでなあ。
*「毎日 リートルードに いっちゃあ
ばっちり チェックしてるんだぜ。
アルスは 立て札を 読んだ。
「ハーブティーの店」と 書いてある。
*「ここの ハーブティーの店は
今 流行の スポットなんだ。
*「ハーブティーって ニオイは
きついけど なれれば うまいし
体にも いいんだぜ。
*「そこの店で 使っているハーブって
橋をわたって 東の方にある
ハーブ園のものなんですって。
*「もし 橋が かかってなかったら
とても できない 商売よね。
*「バロックの時代に 橋が かけられ
以来 この辺りにも 店が
できるようになったそうです。
*「人通りが 多いところが
さかえるのは 当然のことですね。
*「井戸の中で くらすのは
なかなか いーど!
*「……ププッ。
面白すぎて 腰が抜けそうじゃ。
なあ あんたも そう思うじゃろ?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「そうか。 そうか。 |
いいえ |
*「……むう いまいちじゃったか。 |
マリベル「なんだか ずいぶん
はやってるみたいね。
ハーブティーかあ……。
マリベル「なにが 流行するかなんて
わかんないものねえ。
ガボ「なんだか この店 いいニオイが
すんなあ……フワァ……。
なんか 眠くなってきたぞ。
*「いいねえ。
この体中に ジワ〜ッと
しみわたってくる感じ。
*「きいてるって 感じがするよ。
さすが ハーブティー。
もう やみつきになりそうだよ。
*「話題の店だけあって
なかなか いいわね。
足をのばしてきて 正解だったわ。
*「急ぎの 旅だというのに
この店に どうしても
入るんだと きかなくて……。
*「まったく 奥さまの
ワガママにも こまったものです。
*「たまには こんな 安っぽい店に
入ってみるのも 悪くないものだわ。
*「わたくしが いつも 飲んでいた
最高級のお茶には とうてい
およばないけれどね。
*「ほほう……これは いい!
ニオイを かぐだけで なんとも
心が 落ち着きますな。
*「あなたも 一杯いかがです?
長旅のつかれが じんわりと
いやされますよ。
*「あ〜 もう いそがしいったら
ありゃしない!
*「たまには あたしも お客さんに
なって ハーブティーを
ゆっくり 飲んでみたいもんだわ。
*「お客さんが たくさん来て
店が はんじょうするのは
いいんですがねえ……。
*「私 本当は ハーブティーって
好きじゃないんですよ。
どうも ニオイが苦手で……。
*「じゃあ なんで こんな店を
やっているかですって?
*「いやあ 私 はずかしながら
メモリアリーフのダンナに
借金が ありましてねえ……。
*「そのお金を返すために ここで
はたらかされてるんですよ。
お金って ホントに こわいですね。
マリベル「まんなかのあたりに
かすかに ハーブ園のなごりが
みられるわね。
*「まったく ご主人ときたら
昼間っから 若いメイドを
追いかけまわして!
*「いったい だれに似たのやら……。
マリベル「人目を はばからず
メイドを 追っかけ回してるなんて
まちがいなく ヘンタイよ。
*「むほ〜 ご主人は まだか。
みんな 楽しみにしてんのに
いつまで 待たす気だほ〜!
*「ウワサどおり すげぇよ。
ホントに ただ ご主人が
メイドを追っかけるだけなんだ。
*「だいのオトナが マジになって
こんな おバカなことを
やらかすなんて イカレてるぜ。
ガボ「オトナが バカをやらかすと
みんなに よろこばれるのか。
オイラ 今まで知らんかったぞ。
*「メイドを追いかける ご主人が
さいきんになって たいへんな
人気を呼んでいましてね。
*「おいかけえこを見たさに
ハーブ園にやってくる人が
いるくらいなんですよ。
マリベル「ここの ヘンタイ主人の
奇行が ショーになってるなんて
あーあ 世も末だわね。
*「必死に 逃げるメイドも
それを追いかける ご主人も
まさに真剣そのもの。
*「いちど見れば あきますが
何にしても 鬼気せまるものが
ありましたなぁ。
*「ご主人さまは あいかわらず
ちっとも はたらかないけど
なぜか 客足は のびてるのよ。
*「どういうわけか ご主人さまが
メイドを 追っかけるさまが
いい見せ物になってるみたいなの。
*「あ〜あ つかれちゃった。
*「そういえば ご主人さま
おかしな石の板を見つけたって
いってたけど……
*「あれ どこに しまったっけなあ。
*「ただいま ご主人さまは
きゅうけいちゅうでぇす。
*「いつメイドを 追いかけるかは
ご主人さまの気分しだいですわ。
*「んふぅ……ご主人さまったら
まだ昼間だってのに スゴイの。
あたし もうフラフラだわ(はーと)
*「ノンノン!
今は ティータァイム。
*「ギャラリーには悪いけどぉ
ぼくが メイドを追いかけるのは
ハーブの香りを 楽しんだあとさ。
マリベル「あーあ すっかり
得意になっちゃってるわ。
ちっとも 働かないくせにさ。
アルスは 墓石を調べた。
しかし 文字のほとんどが かけていて
名前しか 読むことができなかった。
ペペ という人の墓らしい……。
マリベル「やっぱり リンダの墓の
となりに たってるってことは
あのペペの お墓なんだわ。
マリベル「死んだあとになって
あのふたりは ようやく
むすばれたんだね。
アルスは 墓石を調べた。
しかし 文字のほとんどが かけていて
名前しか 読むことができなかった。
リンダ という人の墓らしい……。
ガボ「リンダもペペも 天国で
元気にやってるといいなあ。
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