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マリベル「あれっ? ひょっとして
ここって あのクレージュ村?
マリベル「なんか えらく 様子が
かわっちゃったわね。
いっしゅん わかんなかったわ。
ガボ「クンクン……この水の ニオイは
クレージュだな。
オイラ すぐに わかったぞ。
*「ようこそ
水と森の町 クレージュへ。
*「この町の北には あの有名な
世界樹が あるんですよ。
*「クレージュ名産の おいしい水は
いかがですか。もちろん
お代は いただきませんわ。
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「はい どうぞ。水と言えば *「でも 世界樹のしずくは *「それでも 毎日 多くの人たちが |
いいえ |
*「…そうですか。残念ですわ。 |
マリベル「世界樹のしずくを
売ってるんだ……。
マリベル「それって ちょっと
バチ当たりな気もするけど なかなか
いい商売よね。
ガボ「世界樹のしずくってなんだ?
うめえのか?
*「そういえば 今日は
お屋敷の食料倉庫の かたづけを
たのまれていたっけ。
*「……でも 面倒くせえなあ。
だれか かわりに
行ってくれねえかなあ……。
*「いらっしゃい。
うちは 酒場と宿屋を
かねていてね。
*「宿を とりたいなら
となりで 受けつけているよ。
*「うわさに名高い 世界樹を
ひとめ見ようと 旅を
してまいりましたが……
*「いや さすがは 大きい!
あらためて 神の奇跡の 偉大さを
思いしらされました。
*「このクレージュが ゆたかなのは
きっと 世界樹に 守られて
いるからでしょうね。
*「この部屋の お客さんてば
日がな いちにち テラスから
世界樹を ながめてるのよ。
*「まったく 世の中には
変わった人も いるものよねえ。
*「いやあ ここからだと 世界樹が
実に よく 見えますなあ。
*「う〜ん 絶景 絶景!
*「ウニャーゴロゴロ。
*「そこの 古井戸。昔は 村で
唯一の 水源だったんだってさ。
*「ところが 今じゃ 村中に 水路や
井戸が できてるだろ。
*「それで 地下の 水の流れが
かわっちまったらしいんだ。
*「あたしが まだ かれんな
乙女だったころ 水くみにゃ
この井戸まで 来るしかなかったよ。
*「今は そこらじゅうに
井戸やら水路やらが できて
便利になったんじゃがのう……。
*「ときどき 井戸ばたでの 立ち話が
むしょうに なつかしくなるよ。
マリベル「かれんな乙女って……
どんな大昔の話よ それ。
*「町の まんなかに 古井戸が
あるでしょ。昔 あの井戸に
怪物が すみついてたんだって。
*「今でも いれば
おもしろかったのになあ……。
*「ここは クレージュのおいしい水を
飲むための 水飲み場だよ。
*「この辺りの水は 昔から
味がいいことで 有名だから
旅人も 飲みにきたりするんだよ。
*「うまい水を たらふく飲んで
昼寝も できるなんて
いいところだよなあ。
*「うまい水じゃなくて
うまい酒だったら
もっと いいんだけどな。
*「お料理の水を くみにきたんだけど
ここって ハシゴを 上らなきゃ
なんないのが 面倒よねえ。
*「プハーッ!
やっぱり ここの水は
かくべつに うまいなあ。
*「何代も前の神父様が ある時
ご自分の信仰に 自信を失われ
教会を 出ていかれたそうです。
*「この時の シスターは 神父様が
いつか お帰りになることを 信じ
おひとりで 教会を 守られました。
*「数年の後 神父様は お帰りになり
二人で 教会をもりたてていったと
聞きおよんでおります。
*「わたくし この時のシスターのように
なるのが 夢ですの。
*「……あ〜あ ウチの神父様も
家出してくれないかしら。
*「おっ あんたたち 旅人かい。
さては 町の北に そびえる
世界樹を 見にきたね?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「やっぱり そうか。 *「おまけに すげえ いやしの力を *「まったく このクレージュが |
いいえ |
*「なんだ ちがうのか。じゃあ |
*「この町に 井戸や水路が 多いのは
大昔の いまわしい事件のせいさ。
*「当時 まだ小さな村だった
このクレージュの 村でただひとつの
井戸に 魔物が 毒をまいたのさ。
*「結局 魔物は よそから訪れた
旅人によって 倒されたんだけど
村人も 用心するようになってね。
*「井戸が ひとつじゃ 危ないってんで
いくつも 井戸や水路が
作られるようになったらしいよ。
*「ウチの主人てば 昼間から
寝てばかりでね……
*「そのことで 文句言うと ウチは代々
ナマケ者の家系だなんて 言うのよ。
どんな家系よ それって!
*「あ〜あ やっぱり 失敗かな
この結婚。
マリベル「うわ 最悪ね それは!
そんな男とは さっさと
別れちゃいなさいよ。
*「…やっぱり そうなのかしら?
マリベル「うん うん!
絶対に そうするべきよ。
マリベル「まったく 男がグータラだと
結局 女が苦労するのよね。
ホント 困ったもんだわ。
*「でも やっぱり にくめない所も
あるのよ うちの人。
*「それに わたしが 見捨てたら
こんなナマケ者
どうなっちゃうか 心配だし……。
*「グー グー。
となりで どんな会話が されたかも
知らず のんきに 眠っている。
*「美しい 森と水。そりゃ この
クレージュは 別荘を たてるには
いい場所でしょうよ。
*「でも あの別荘の 持ち主って
今まで ここに 来たことが
ないらしいのよ。
*「ひょっとして ここに 別荘が
あるってことすら 忘れてるんじゃ…
まさかね 冗談よ。
*「あの立派な建物は ブルジオという
大金持ちの別荘なんだそうだ。
*「しかし 使ってない時まで
使用人を やとって
キレイにしておくなんて……
*「金ってのは あるところには
あるもんなんだねえ。
*「町長さんの ごせんぞさまは
昔 この町が 魔物にねらわれた時
大かつやくしたのよ。
*「町長さん いつも
その時のお話してくれるの。
*「今日も いい天気で
ぜっこの せんたく日和だねえ。
*「この水路のおかげで せんたくも
ずいぶん 楽になったよ。
井戸じゃあ こうはいかないからね。
町長「ようこそ 旅の方。
わたしがクレージュの町長です。
ときに この町へは 初めてですかな?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
町長「そうでしょう そうでしょう。 |
いいえ |
町長「おや そうでしたか。 町長「ところで 大昔に この町を |
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
町長「おお そうでしょうとも! 町長「それは ずっと昔。 町長「ある時 魔物たちが 町長「毒は 村人の心を 邪悪にする 町長「村の外から やってきた 町長「若者たちは 村長の助言に従い 町長「……と まあ かいつまんで 町長「いやあ いだいな先祖を |
いいえ |
町長「おや そうですか。 町長「もし 気が変わられたら |
町長「おや? ひょっとして
気が変わって この町の英雄の話を
聞きたくなりましたかな?
(同じなので略)
マリベル「なんだか あの村長さんの
活躍が やけに ふえてるわね。
気のせいかしら?
ガボ「おもしれえ話だったな。
でも 3人の旅の若者って
何モンだったんだろうな?
町長「わたしも いだいな ご先祖さまに
負けぬよう 努力せねばなりませんな。
ハッハッハ。
アルスは 本だなを調べた。
町長の日記を 見つけた。
読んでみますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
”最近 めっきり カミの毛が ”わが父も 祖父も フサフサとは ”かくなる上は あの万病にきくという |
いいえ |
(何も起こらない) |
*「ウチのお父さんが話す
大昔の英雄の話なんか
聞くもんじゃないわよ。
*「どーせ 自分の先祖の
じまん話になるのが オチなんだから。
*「おら ここの お屋敷つきの
庭師だよ。
*「んだども ここのご主人の姿は
いっぺんも 見たことねえんだ。
*「まったく ふしぎなことも
あるもんだべさ。
ガボ「おっきな お屋敷だけど
なんだか みんな ヒマそうだな。
マリベル「ふーん たしかに 大きな
別荘ね。でも シュミは
あんまり よくないわよ。
*「わたしゃ こちらの別荘に
お仕えして もう 2年にも
なりますがね…
*「いまだに ジマンの料理を
ご主人さまに 食べていただく
機会が ねえんですよ。
*「給料は いいんですがね。
なんとも はりあいのない職場です。
*「おそかったじゃない!
それじゃあ 約束通り かたづけて
もらうわよ。
*「倉庫のなかに ちらばっている
空きビンを ぜんぶ
かたづけて ちょうだいな。
*「お礼は 後で わたすから
できたら 取りにきて。
それじゃ よろしく。
*「なんだか 頼んでおいた人と
ちがうような 気もするけど…
まあ いいか!
マリベル「なんだって あたしたちが
かたづけなんか しなくちゃ
いけないのよ?
マリベル「アルスが ボケッと
してるから 押しつけられるハメに
なるのよ!
アルスは 本だなを調べた。
高級そうな本が ズラリと
並んでいる。
アルスは 本だなを調べた。
「世界の珍品・奇品」と
書かれた本がある。
”この世の どこかに
自由に 空を飛び回ることのできる
不思議な じゅうたんが あるらしい。
”それは 天より まいおりし
戦士の一族に 伝わる秘宝だという。
”だが そのじゅうたんを 実際に
見た者は いない……。
*「この別荘の コレクションルームには
ご主人様の 許可なしで
お入りになりませぬように。
*「あら 終ったの? それじゃあ
約束通り お礼を しないとね。
アルスは 50ゴールドを
手に いれた。
*「はい ご苦労さま。
またそのうち 頼むかもしれないから
その時は よろしくね。
*「まったく!
掃除する身にとっては
こう広いのも 考えものよねえ。
高級なヨロイが かざられている。
高価そうな絵が かざられている。
美しい女神像が かざられている。
*「あ〜あ 結局 食料倉庫の
かたづけ さぼっちまったよ。
きっと 怒ってるだろうなあ。
*「……へっ!? あんたたちが
やっておいてくれたあ?
*「へえ… そいつは ありがてえ。
恩に きるぜ。
*「また なにか 面倒なことが
あったら よろしく頼むぜ!
アルスは 立て札を 読んだ。
”世界中で ここだけ!
世界樹のしずく屋
どんな傷も たちまち 治す!”
*「さあ さあ よってらっしゃい!
*「当店では あの神秘の朝つゆ
大いなる いやしの秘薬
世界樹のしずくを 売ってるよ〜。
*「世界中でも ここでしか 手に入らない
珍品中の珍品だ。
買わなきゃ 損するよ〜。
*「いらっしゃ〜い!
あらあ 団体さん!?
バニー「ごめんなさいねえ。ウチでは
1グループさんで おひとりにしか
お売りできない キマリなのよ。
*「だから 並ぶ人以外は あっちの
待ち合い席で 待っててほしいの。
*「もちろん 買っていって
くださるわよネ?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「ありがとう ございま〜す! |
いいえ |
*「あら そうなの。残念ねえ…。 *「もうしわけ ないけど ウチって *「だから 買わない人は 店内にも |
マリベル「もう 待ちくたびれたわよ!
さっさと 出るわよ。
ガボ「なんで こんなに 人が
並んでんだ? なんか ウマい
もんでも もらえるのか?
*「せかいじゅのしずくは とれる量が
とっても すくないの。
*「だから もし 売り切れちゃったら
ごめんなさいね。
*「まだかのう……
このとしよりには 待つだけでも
つらいて。
*「いかなる キズも たちどころに
いやすという せかいじゅのしずく……。
そのチカラの秘密。
私が 必ず 解き明かしてみせる!
*「こちらの商品を 買いしめて
よそで売って 大もうけしようと
たくらんでいたのですが……。
*「この様子じゃ 買いしめなんて
とうてい できませんな。
*「みんなが 並んでるんで 思わず
ボクも 並んじゃったんだけど……。
*「いったい これは なんの
行列なんだろう?
*「人波にもまれ 買い物をする……
どうも よい詩には なりえない
環境ですね。
*「こんなふうに 並ばなきゃ
買えないってのは ちょっと
イライラ しますなあ。
*「こうやって 並んで待っている間が
楽しいんですよ。
*「わたしなんか もう やみつきで
毎日 ひまさえあれば
並んでますよ。
*「せかいじゅのしずくが……その……
抜け毛に よく きくってのは
本当かのう?
*「い いや なんでもない。
忘れてくれ。
*「たまには こうして
庶民にまぎれ 不便さを味わうのも
よいものじゃのう。
*「フウ〜 眠いわね……。
いつまで 待たせるのかしら?
*「ウワサには きいていたが……
いやはや たいした 盛況ぶりだ。
*「ほんと いつ来ても この店は
客が 並んでいるなあ。
*「オレは ホイミなんて 使えんから
いざという時に そなえて
せかいじゅのしずくを 買っとくぜ。
*「せかいじゅのしずくこそ 神の奇跡。
ぜひとも 手に入れておかねば。
*「せかいじゅのしずく……
ようやく 手に入るよ。
*「ようやく 手に入った。
これで 安心して 帰れます。
*「並ばされた上に
値引きも してくれないなんて
ホント アタマにくるわね!
*「やあ ようやく 買うことが
できましたよ。
*「買えた 買えた。
さあ とっとと 帰りましょっと。
*「やっと 買えたぜ。
ホントに ムダな時間
使わせやがる。
*「どうして この店ばっかり
こんなに はやってるんだべ?
*「お母さんに たのまれて
お使いに来たの!
*「こいつが せかいじゅのしずくか……
見た目は ただの水だな。
*「これが せかいじゅのしずくか……
よ〜し早速 帰って 研究だあ!
*「そうか。みんな せかいじゅのしずくを
買うために 並んでいたんだ。
*「思わず ボクも 買っちゃったよ。
*「ようやく 買えたわい。
やれやれじゃて。
*「せかいじゅのしずく……
ようやく 手に入ったよ。
*「いらっしゃいませ。当店では
話題の せかいじゅのしずくのみを
とりあつかって おります。
*「ですが なにせ もともとの
とれる量が すくないもの でして…
*「いちどに お売りできるのは
1回分のみと なっておりますので
どうか お許しください。
*「せかいじゅのしずく 1回分で
1000ゴールドと なりますが
お買いあげに なりますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「ありがとう ございます。 |
いいえ |
*「おや残念ですな。 *「気が むいたら また いつでも |
*「申しわけ ありません。たった今
せかいじゅのしずくは 全て
売りきれて しまいまして…。
*「後ろで お並びの お客様にも
申し上げます。せかいじゅのしずく
本日分 売りきれと なりました。
*「まことに 申しわけ ありませんが
どうか またの 機会に おこし
ください。
*「チェッ なんだよ〜。
*「せっかく 並んでたのに…
*「申しわけ ありません。ただいま
せかいじゅのしずくは 品切れ状態
でして…
*「どうぞ またの 機会に おこし
ください。
*「ホント ごめんなさいネ。もう
ちょっと 値段を 上げりゃ
こういうことも ないんだけど…
*「それでも 普通の人が 買える
値段で 売るってのが ウチの
モットー なのよネ。
マリベル「なによ ひとを さんざん
待たしといて 売り切れですって。
バカに してるわね!
マリベル「あんたも
はい そうですかって
引き下がってんじゃないわよ!
ガボ「みんな どっか 行っちまったぞ。
いったい なんだったんだ?
マリベル「まったく 待ちくたびれたわ。
さあ 用がすんだんなら
さっさと 出るわよ。
ガボ「おう アルス 終わったのか?
オイラ 待ってる間に すっかり
ハラへっちまったぞ。
ガボ「そういや あの妖精のねーちゃん
どうなっちまったのかなあ?
マリベル「この時代でなら
もう完全な 世界樹に
成長してるみたいね。
*「ありがたや ありがたや。
こんな立派な木に お目にかかれるとは
長生きは するもんじゃのう。
*「おむかえが来る前に いち度は……と
見にきたかいが あったわい。
ありがたや ありがたや。
*「いやあ すごいね 世界樹。
実際 見るまでは ただの
大きい木だと 思ってたんだが……。
*「なんて いうか 神秘的な
ふんいきが ただよってるよな。
*「オレは もう 20年も この森で
木こりを している。
*「世界樹には あざやかな 青い羽の
小鳥が 住みついていてな
これが 美しく さえずるんだ。
*「この20年 青い小鳥のさえずりと
きくのは オレの ひそかな
楽しみだったよ。
*「言い伝えによると 世界樹の近くには
木を守る 森の妖精が
住んでいるということですが……
*「こうして ながめていても 見えるのは
ときどき 木のまわりを 飛んでいる
青い小鳥くらいのもの……。
*「まさか あの小鳥が
妖精の化身というわけでも
ありますまい。
*「しょせん 言い伝えは 言い伝えに
すぎないということですかな。
……残念なことです。
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