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キーファ「くわー!変なニオイだぜ。
どうなってるんだ いったい!
マリベル「な…何なの このニオイ!?
まるで馬小屋か なんかみたい。
ハナが 曲がっちゃいそうだわよ!
キーファ「なんで こんなに
動物だらけ なんだろう?
マリベル「ここって なんだか
動物の町 みたいだわね。
マリベル「どうしたっていうのよ。
この町って 人がほとんど
いないじゃない!
*「ワンッワンッワン!
マリベル「もう! なによ この村!
マリベル「アルス あんた
動物と話ができる知り合いはいないの?
いたら さっさと 連れてきなさいよ。
キーファ「おいおい アルス。
動物は ほっといていいから
町の人間から 話を聞こうぜ!
キーファ「ふう…。いったい この村に
なにが 起こったっていうんだ?
動物の言葉が わかればなあ……。
キーファ「ん? まてよっ!
そういや 動物と話せるって おやじが
どこかに いなかったっけ!?
キーファ「ふ〜む……。
なんだか変だぜ この町。
*「ブルルーッ。
*「ンモモーッ!
*「クーン クーン……。
*「モウー……。
*「… …
……。
どうしたと いうのだろう。
なにも 話そうとしない……。
キーファ「変だな。
まさか言葉を 忘れたわけじゃ
ないだろうに……。
マリベル「なんか へん!
言葉が 通じないみたいじゃない!
マリベル「ここの人たちって まるで
たましいの ぬけがら みたいね。
*「コココ コケッコーッ
コケケ?
*「フニャーッ!
*「ウニャニャッ!
*「… …
……。
ことばが 通じないのか……。
こちらの言うことが わからないようだ。
*「フゴッフゴーッ!
*「モウ〜 モモモウ〜。
*「ウモッ ウモモ?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「ムオ〜 モウ *「モモモウ〜 モモウ〜 |
いいえ |
*「モウ モウ |
*「モモモーッ!
*「ブヒーッブヒー!
*「ゴロゴロゴロ……。
*「ヒヒヒーンッ!
*「ニャニャニャーッ
フーニャニャニャッ!
なにか 言いたいようすだが
アルスには 動物の言葉はわからない!
*「… …
……。
なにも 話そうとしない。
ことばが わからないのだろうか?
*「ワンッ!
*「クーン……。
*「ワワワンッ ワンッ!
ウーッワンッワンッ!
なにか 言いたいようすだが
アルスには 動物の言葉はわからない!
*「くうーくうー……。
*「フーッ!
なんと!
少年がクサリに つながれている!
キーファ |
キーファ「こんな子供を キーファ「早く はずしてやろうぜ! |
マリベル |
マリベル「だれなの いったい! マリベル「アルス。 |
*「ンモッ ンモッ ンモーッ!
なにか 言いたいようすだが
アルスには 動物の言葉はわからない!
キーファ |
キーファ「きっと お前なら キーファ「うん? そういえば |
マリベル |
マリベル「教えて ちょうだい! マリベル「ふう……。無駄だよね。 |
*「ウッ…グッ……。
くびわが きつくしまって 苦しそうだ!
だが しっかりとカギが かかっていて
アルスたちには はずせそうもない!
キーファ「あっ そうか!?
ここの オヤジさんなら
動物たちの 言葉がわかる!
キーファ「なるほど アルス!
こいつは 考えたな。
すごいじゃないか!
マリベル「なるほどね!
あんた ここのオヤジさんに
ちからを かりに来たんだ!
マリベル「へえ 見直したわよ!
ポーッとしてるだけじゃ
なかったんだわね アルス!
*「ゴロ ゴロ ゴロ……。
*「キィ。
何かの 木の実を 持っている。
手に持っている 木の実を
アルスに 差し出しているようだ。
もらいますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
なんと! アルスは *「キィ。 |
いいえ |
*「キィ。 |
はいの場合
マリベル「へえ アルス。
あんた動物には もてるんだあ。
マリベル「人間の 女の子にも
そのくらいもてりゃ いいのにね!
キーファ「はははっ アルス。
何かプレゼントを もらったな。
キーファ「たとえ リスであろうが
好かれるってのは いいことだ。
アルスの人格ってやつかな。
いいえの場合
マリベル「ちょっと アルス!
あのリスが 何かあんたに
渡そうとしたの 気づかなかったの!
マリベル「せっかくの チャンスを
そうやって つぶすのって
ホント あんたらしいわね!
キーファ「ん? あのリスは
アルスに 何かをくれる
つもりだったんじゃないのか?
キーファ「どうせだったら
もらっておけば よかったのに
まったく アルスは欲がないよな。
*「わっはっは! そうか。
好きな娘が できたってか。
*「やるじゃないか。
おめえもそろそろ おとなの
仲間入りって わけだね。
*「ニャニャニャン ニャン!
*「おおっ お前さんたちか。
そんなまじめな 顔しちまって
きょうは いったい何の用だね?
*「なんだって。
動物だらけの 町を
見つけただって?
*「わっはっは!
なにを 言ってるだね。
*「いくら オラが こんな
森のおくに 住んでるからって
からかっちゃ いけないだよ。
*「この島の 動物たちから
たいがいの事を 聞いちゃいるが
そんな話は 知らないだ。
*「ニャニャニャ。
*「あん。なんだって?
この人たちの 言うことが
気になるってか?
*「ニャンニャ
フニャ ニャーゴ!
*「へっ? オラに行って
確かめてこいってか!
*「ニャン ニャニャ
ニャニャーン!
*「そりゃ オラが行かなきゃ
動物の言葉は わからないだよな。
*「わかった わかっただよ。
*「アルスの話が 本当ならば
ここは オラの出番ってわけだ。
よしっ そこまで 案内するだよ!
きこりが 仲間にくわわった!
*「さあ 出かけるだよ。
ウソかホントか 動物の町へ
しゅっぱ〜つ!
マリベル「さあ アルス。
さっきの町へ 戻って
ナゾを とくわよ!
キーファ「これで あの町に
一体 何が起きたのかが
わかるってわけだな。
キーファ「よーし!
アルス いこうぜ!
*「おおっ!
ここが 動物だらけの
町ってわけだかね。
*「よしっ さっそく動物たちから
話を聞いてみるだよ!
*「よしよし。
かわいい顔して いい子だなや。
*「さあ 何もこわくないだよ。
いったいここで 何があったのか
オラに 教えておくれ。
*「ワンッワンッワン!
*「あ……?なんて言ったんだい?
もう一度 言っておくれ。
*「ワンッワンッワン!
*「なっ なんてこったい。
なにを 言っているのか
さっぱり わからないだよ!
*「こりゃあ絶対 おかしいだよ。
もっと ほかの動物とも
話をしてみるだよ!
キーファ「まいったな。
オヤジさんでも わからないんじゃ
お手上げだぜ まったく。
キーファ「ここの 動物たちは
おれたちの世界にいる 動物とは
言葉が ちがうんだろうか。
マリベル「何なの!?
この人でも だめっていうのは
いったい どういうことなのよ!
*「ワンッワンッワン!
*「ううむ…… だめだ。
やっぱり この町の動物とは
話が できないだよ……。
マリベル「ちょっと この人
まじめに やってるんでしょうね!
*「ブルルーッ。
*「だめだ……。
何を考えているのか
まるで わからないだよ。
*「ンモモーッ!
*「う〜ん……。
このオラが 話せない動物たちが
いるなんて信じられないだよ!
*「ワンッ!
*「おかしいだよ。
こいつらは いったい……。
*「… …
……。
*「話は 動物たちから
聞くだあよ。
*「この町の人間は
話ができねえって
言ってなかったっけか?
*「んんっ……??
こいつは ぶったまげただよ!
こんなバカなことが あるのかね!
*「この老人は 人間じゃないだよ。
姿は人間だが 中身はウマだ!
*「よしっ こいつとなら
話が通じるだよ!
*「さあ 何もこわくないだよ。
いったいここで 何があったのか
オラに 教えておくれ。
*「ふむふむ……。
なっ なんだって!?
*「はるか昔 一匹の恐ろしい魔物に
この町が 襲われた時……
土地の守り神たちが 現れたんだと。
*「それは 伝説の白いオオカミ!
彼らはチカラを合わせ その魔物に
戦いを いどんだらしいだよ。
*「だけんど 魔物のチカラは強く
次々と 白いオオカミたちは
命を落として いったんだと。
*「こいつは えらいこった。
もっと 人間の姿をした動物から
話を聞くだよ!
マリベル「伝説の白いオオカミ?
それって いったい……。
キーファ「ふ〜む。
その伝説に 今のナゾを解くカギが
かくされているのかもな。
キーファ「本当かよ!
実はこいつが 動物だなんて
とっても 信じられないぜ!
出ようとすると
*「アルス!
もっと 人間の姿をした動物から
話を聞くだよ!
*「… …
……。
*「この娘は 人間じゃないだよ。
姿は人間だが 中身はネコだ!
*「よしっ こいつとなら
話が通じるだよ!
*「さあ 何もこわくないだよ。
いったいここで 何があったのか
オラに 教えておくれ。
*「ふむふむ……。
なっ なんだって!?
*「白いオオカミたちは やっとのこと
神の山にある 魔封じの洞くつに
魔物を おびきよせ……
*「みごと 入口の岩戸を閉めて
魔物を封じ込めたんだそうだよ!
*「だけんど そのときの戦いで
生き残ったのは おなかに子供を
身ごもった メス1頭だったんだと!
*「白いオオカミたちの
多くの ぎせいによって
封印が成功したってわけだね。
*「こいつは えらいこった。
もっと 人間の姿をした動物から
話を聞くだよ!
マリベル「魔封じの洞くつ?
本当に どこかに
あるのかしらね。
キーファ「白いオオカミというのが
気になるな……。
*「… …
……。
*「この男は 人間じゃないだよ。
姿は人間だが 中身は犬だ!
*「よしっ こいつとなら
話が通じるだよ!
*「さあ 何もこわくないだよ。
いったいここで 何があったのか
オラに 教えておくれ。
*「ふむふむ……。
なっ なんだって!?
*「つい先日 この町は
恐ろしい 一匹の魔物に
襲われたんだそうだ。
*「その魔物が 魔法のチカラで
人間と 動物の姿を
入れ替えたんだってよ。
*「なるほど! だからこの町では
人間の姿をしているのが 動物で
動物に見えるのが 人間ってわけだ!
*「こいつは えらいこった。
もっと 人間の姿をした動物から
話を聞くだよ!
*「少し前に この町は
恐ろしい 一匹の魔物に
襲われたんだそうだ。
*「その魔物が 魔法のチカラで
人間と 動物の姿を
入れ替えたんだってよ。
*「なるほど! だからこの町では
人間の姿をしているのが 動物で
動物に見えるのが 人間ってわけだ!
*「こいつは えらいこった。
もっと 人間の姿をした動物から
話を聞くだよ!
キーファ「やはり この町は
魔物に 襲われていたんだな。
キーファ「こんな妙なことに なったのは
その魔物の しわざってわけだ!
マリベル「人間が動物で 動物が……
ああっ もう!
あたまの中 ごちゃごちゃだわ!
*「クーン……。
*「アルス。
こいつは 人間だあよ。
*「何とかもとの姿に 戻してやる
方法は ないもんだろかなあ。
キーファ「だからさ アルス。
動物が 人間だってのは
もう わかってるだろ。
キーファ「どうすればいいか
しっかり 考えてみろよ。
なっ!
マリベル「ちょっと アルス!
動物の姿をした人に 何回聞いても
何にもならないわよ!
マリベル「ああっ もういや!
こう見えていても 本当は
人間だなんて 信じられないわ!
*「… …
……。
*「この女性は 人間じゃないだよ。
姿は人間だが 中身は犬だ!
*「よしっ こいつとなら
話が通じるだよ!
*「さあ 何もこわくないだよ。
いったいここで 何があったのか
オラに 教えておくれ。
*「ふむふむ……。
なっ なんだって!?
*「つい先日 町を襲った魔物は
この町の 西にあるという
神の山の方から 来たらしいだよ。
*「神の山といやあ 遠い昔
白いオオカミたちが
魔物を 封じ込めたという場所……!
*「ひょっとしたら 神の山で
なにか大変なことが
起こっているのかも しれねえだな。
*「う〜ん。
けっこう いろんな話が
聞けただなや。
*「だけども 動揺してたのか
話がバラバラだなあ。
よっぽど恐かったんだろう。
*「ゴチャゴチャに ならねえうちに
ここらで オラが まとめて
聞かそうか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「よっしゃ。 *「昔々この町が 一匹の恐ろしい魔物に *「ほんでもって やっとのこと *「だけんど そのときの戦いで *「つまり 白いオオカミたちの *「と ここまでが 町に伝わる |
いいえ |
*「おおっ あんだけの長い話を *「だども また聞きたくなったら (会話終了) |
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「ところが いま 平和だった町に *「そして なんと! *「ひょっとしたら 町の西にある *「どうだい ちっと長かったけんど |
いいえ |
*「ああっ もう! (ループ) |
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「おおっ わかっただか。 *「だども また聞きたくなったら |
いいえ |
*「ああっ もう! (ループ) |
マリベル「な…何よっ 何のこと?
神の山で 何か起こってるって!
キーファ「ふ〜む。聞けば聞くほど
白いオオカミってのは
すごい奴ら だったんだなあ。
キーファ「おそらく もう
どこにも 生き残っちゃいまいが
ちょっと会ってみたい 気がするぜ!
*「んっ? 姿をかえられた
動物たちから 聞いた話を
もういちど 聞きたいだかね?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「おおっ そうだが。 |
いいえ |
*「また 聞きたくなったら |
*「ウッ…グッ……。
くびわが きつくしまって 苦しそうだ!
*「なんてことするだ まったく!
カギまで かけるなんてよ。
*「こんなにきつく しめたんじゃ
まともに 息もできねえだよ!
*「苦しかったろう。
いま はずして やっからな。
*「ほれっ こうして
きこりの ナイフで
ちょちょいの ちょいとな。
*「よーし はずれた。
どうだ。
楽になっ……!?
キーファ「あっ?おい!
待てってば。こら!
キーファ「……ったく。
すばやい やつだぜ。
*「わっはっは!
とりあえずは 元気なようで
ひと安心だなや。
*「あのくらい 元気がありゃ
もう 大丈夫だろうよ。
わっはっは!
キーファ「やれやれ。
きらわれちまったかな……。
マリベル「なにさ!
何も逃げること ないじゃないよ!
失礼しちゃうわね まったく!
*「うほー。でっけえ 山だなや!
こりゃあ登るの 大変そうだぞ!
マリベル「着いたわね。
ここが 神の山… なのね。
キーファ「さてと……。
いったい何が 待っているのやら。
行こうぜ アルス!
マリベル「見てっ!
あんなところに オオカミがいるわよ!
*「なんだか うすきみ悪い
ところだなやあ……。
*「さっきの オオカミは
いったいどこさ 行っただかな……。
マリベル「ここに 来るまでにだって
けっこう 疲れてるんだから
迷わず歩きなさいよ アルス!
キーファ「この洞くつは かなり
入り組んでいるみたいだな……。
マリベル「アルス!
あんた ちゃんと方向 わかって
歩いてるんでしょうね!
キーファ「魔物が 多そうだ。
気を 引き締めて行くぞ!
*「ぷは〜っ!
やっぱ 外の空気は
うまいだなやー!
キーファ「やはり 表の方が
安心して 歩けるな。
マリベル「ふう。
このあたりが 頂上みたいだわね。
さっさと 行きましょ!
キーファ |
キーファ「おっ!? |
マリベル |
マリベル「あらっ!? |
*「いーや オラも 来ちまったけんど
えらいこと しちまっただかなあ。
*「なんだか おっそろしい空気が
流れてるだあよ。
キーファ「なにやら ただならぬ
気配がするぞ……。
*「オオカミが 倒れているだよ!
*「うわっ 見たこともねえような
でっけえ ひつぎが あるだよ!
いったい なんだべか!?
キーファ |
キーファ「あっ! |
マリベル |
マリベル「あっ! |
*「ガウ…ガウ…
ガオ……ガオン……。
*「アルス 気をつけるだ!
やっぱり近くに
魔物が いるようだよ!
かなりのダメージを 受けている!
息も荒く 苦しそうだ!
少年は あたりを けいかいしている!
*「ぐははは!
また新たな客の お出ましか。
*「あわわ!なんだべ
この うす気味悪い 声は!
*「ここの様子を 見に来るとは
きさまらも あの白いチビの
仲間に ちがいなかろう。
*「くそったれ!
オレさまを こんな所に封印した
にっくき 白いオオカミたちめ!
*「こんな うす汚い穴ぐらに
長いあいだ 封じ込めおって
うらみは必ず はらしてやるわ!
*「奴らが守ろうとした あの町は
すでに このオレさまが
変わり果てた姿にしてくれた。
*「だが すべての白いオオカミを倒さねば
腹の虫が おさまらん!
*「あのチビが最後の1匹のはず。
つまらん隠しだてすると
ただでは すまさんぞ!
*「クゥ〜ン クゥ〜ン。
ウォオ〜ン……。
*「なんだって!?
わ わかっただ。
*「よしよし いい子だあよ。
そこで しずかにしているだ。
*「おどろいただよ アルス!
つい先日 白いオオカミのチビが
この魔物と 戦ったんだと!
*「だども そのチビは
ひどいケガを しちまったって……!
*「ええいっ やかましい!
何を ゴチャゴチャ騒いでおる!
*「このあいだは 取り逃がしたが
こんどこそ ぶち殺してくれるわ!
*「ガウッ!
*「アルス! 子供があぶない。
その子を 守ってやるだあよ!!
デス・アミーゴ戦
キーファ「アルス 一気にいくぞ!
もたもた してると
ちいさな子供が あぶない!
マリベル「なに こいつ!
人を 小バカに したような
顔してるわね!
マリベル「だけど 人間を動物に
変えちゃう 恐ろしいやつでしょ。
アルス 油断しちゃだめよ!
デス・アミーゴ戦で呪文を使う
*「ぐはは! ばかめ!
*「ここは 魔封じの洞くつ。
呪文など 何の役にもたたぬわ!
*「ぐはっ!!
こ…これしきで このオレさまを
倒したなどと 思わぬことだ。
*「油断はしたが 本番はこれから。
さあ! お前たちもみな
動物に 姿を変えてやるわ!
なんと!
少年は 魔物に飛びかかり かみついた!
*「ぐあっち!
この小僧め 何をする!
そんなことで このオレさまを……
*「ぐっ!?
か……身体が し…しびれる!?
*「か……身体が 言うことをきかん。
ぐうっ……。
*「こ…こんなマネが できるのは
白いオオカミだけのはず。
くっ……。
*「ぬ!?
まさか この小僧は!
*「そうか!
あの時 町の人間といっしょに
オレさまの魔法で 姿を!?
*「ぐははは!
こいつは お笑いだ。
*「自分で しでかした事に気づかぬとは
オレさまも まぬけなことよ。
*「きさまは 白いオオカミ。
おそらくあの時 倒しそこねた
チビに ちがいない!
*「き… きさまだけは……
きさまだけは ゆるすものか!
*「この先ずっと そのままの
みにくい姿で 暮らすがいい!
でやあっ!
*「ぐはっ…は……。
がふっ!
*「アルス いまだよ!
この石のふたを 閉めちまって
もう一度こいつを 封印するだ!
*「う〜んっ! とっても重くて
ひとりじゃ 動かせねえだよ。
*「早く オラのとなりに来て
いっしょに 押すだあよ!
*「グ…ウウ……。
*「ガウ…ガウ……。
息も荒く 苦しそうだ!
(出ようとすると)
*「ほれっ 早くしねえと
また 出てきちまったら
大変だあよ!
*「う〜んっ! とっても重くて
ひとりじゃ 動かせねえだよ。
*「早く オラのとなりに来て
いっしょに 押すだあよ!
*「いいかね。
せーの で チカラいっぱい
押すだーよ。
*「それっ せーの!!
変な方向を押す
*「な〜にやってるだ!
ちがう方向に チカラ入れて
どうすっだ!
*「いいかね。
せーの で チカラいっぱい
押すだーよ。
*「クゥ〜ン クン。
ワウォ〜ン。
*「そうかい。
そりゃあ 大変だったなあ。
*「その昔 魔物との戦いで生き残った
たった一匹の 白いオオカミってのは
この子の母親だったんだそうだ。
*「だども この子を産んですぐ
その時の戦いの キズがもとで
亡くなったんだそうだよ。
*「まだ目も開かない 子供のオオカミを
このメスの オオカミが
親代わりになって 育てたんだとよ。
*「くうーっ
泣かせる話じゃないかよなあ。
*「そんでよ。
えーと なんてったっけか
この子の 名前は……。
*「ガボ!
キーファ |
キーファ「こいつは おどろきだぜ! |
マリベル |
マリベル「まあ おどろきだわね! |
ガボ「ガボ!
*「なーんだ それだけかね。
ほめて損しちまっただなや。
わっはっは!
*「白いオオカミも いいけんど
いまの姿も なかなか
お似合いだあよ ガボ。
キーファ |
キーファ「ところで さっきの魔物は キーファ「とにかく 町がどうなったか |
マリベル |
マリベル「とにかく 町がどうなったのか |
*「わっはっは!
やった やった!
すっかり元に 戻ってるだなや。
マリベル「あはは やったじゃな〜い!
みんな元の姿に 戻っているわ!
キーファ「よしよし。
みんな動物の姿から 人間の姿に
ちゃんと 戻っているぜ!
キーファ |
キーファ「あっ! おいっ待てよ。 キーファ「まったく。 |
マリベル |
マリベル「あっ! ちょっと。 マリベル「もうっ ガボったら |
*「なんてまあ すばしっこい。
まあ 野生だからむりもないかね。
マリベル「もう ガボったら
すばしっこいわねえ!
いったいどこに 行ったのかしら。
キーファ「まったく。
すばしっこいんだから!
出ようとすると
*「おいおい アルス。
いったい どこ行くだあね。
ガボを 置いちゃ行けねえだ。
*「それに まだこの町で
調べることが なんぼでも
あるんじゃなかったっけかい。
*「ここは オルフィーの町だよ。
*「くんくん… おにいちゃんたち
変わったニオイがする。
きっと 遠くの町から来たんだね。
*「あれっ?どうして ボク
ニオイなんかで わかるんだろ?
変なの!
*「わっはっは!
実はお前さん 犬だったんだよと
教えてやりたいくらいだなや!
キーファ「ははは!
動物だったときの 習性が
ちょっぴり 残ったのかな。
マリベル「そっか!
この子 自分が犬だったなんて
知らないんだものね!
*「わっ わしは ニンジンは
キライじゃというに!
*「はっ!?
ゆ…夢じゃったか。
ふいーっ 助かったわい。
*「なんと わしがウマになっていて
むりやり ニンジンを食べさせられる
イヤな 夢を見ておったのじゃ。
*「小さい頃から 好きキライ言ってた
バチかも知れんわな。
いやあ まいったな こりゃ。
*「町の西にある 神の山には
大昔この地方で 大あばれした
魔物が 封印されています。
*「うわさでは その魔物が
封印から逃れたと聞きますが
なに 大丈夫。
*「そんな時は おじいさんから
話に聞いた 白いオオカミが
助けに来てくれるハズですよ!
*「ねえ 知ってる?
伝説の白いオオカミって
この地方の 守り神さまなのよ。
*「昔から 何か大変なことが起きると
どこからともなく 現れて
必ず解決してくれたんですって。
*「でも 白いオオカミなんか
いないという人も いるの。
ただの伝説だって。
*「でも私は いると思うな!
*「人間でいえば どこかの国の
王子様みたいに 品があって
カッコよくて ステキなのよ。
*「ねっ そう考えたら
ロマンチックじゃない!
キーファ「おいおい。
カッコいい 王子さまは
オレだってば!
マリベル「なに言ってんの キーファ!
たしかに 王子だってのは
認めるけど ほかはちょっとね。
マリベル「まあ ガボよりかは
少しマシかもね!
キーファ「……。
マリベル「ぷっ!
どこかの国の 王子さまだって!
マリベル「ガボには 会わせない方が
いいかもね。うぷぷっ!
*「よしよし。
もう恐いことは な〜んもない。
安心して いいだよ。
*「ニャン!
ニャニャ ニャーン ニャン!
*「ほほう なるほどなあ。
*「さっき倒した あの魔物が
この町全体を 妙な光で
包んだらしいだよ。
*「そしたら とたんに自分の姿が
変わっちまったんだとさ。
*「しかし み〜んな元に戻れて
よかっただなや!
*「まあ あんたたち。
こどもばかりで 旅をしてきたの!?
*「気をつけるんだよ。
この辺りには おそろしい魔物が
うろついているらしいんだ。
*「昔 神の山に封印された魔物が
そこから 逃げ出したって
もっぱらの ウワサなのさ。
*「えっ あんたたちが退治した?
あっはっは!
そりゃあ 頼もしいことだねえ。
*「じゃあ 今度また魔物が出たら
お願いしちゃおうかね!
*「おおっ 旅のお方!
私の話を 信じてくれますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「笑わないでくださいよ。 *「ああーっ!! |
いいえ |
*「うう……。 (会話終了) |
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「ぶひ…ひどい! |
いいえ |
*「わ…私の 気のせいでしたか。 *「本当に 夢なんかじゃないんです。 *「ああっ! |
*「こんにちは!
ごあいさつは 大きな声で元気よく。
えーと あとはね……
*「外から帰ったら 手を洗うでしょ。
それから ごはんの時テーブルに
ひじをついちゃいけないの。
*「寝る時には ちゃんと着ていた物を
たたんで 神さまにお祈りを
してからベッドに入るわ。
*「ふう……。
うちのママ しつけに
とっても きびしいんだから。
*「ピチャピチャッ。
*「あらやだっ あたしったら。
手を使わずに 食べていたわ!
どうしたのかしら!?
*「しーっ!
こんなとこ 娘に見られたら
しめしがつかなくなっちゃうわ。
*「よしよし。
まったくエライ目に あっただよな。
*「どうだい。
もとの姿に戻れて うれしかろう。
*「ブルルーッ ヒヒーンッ!
*「わっはっは! そうかね。
そりゃ そうかも しれねえだなや。
*「人間になって 2本足で立ったとき
走るどころか うまく歩けもしねえし
とっても恐かったらしいだよ。
*「やっぱ 4本足が
いちばんだってよ。
わっはっは!
*「見ておくれよ。
いつの間にか 牛やブタの
足跡だらけ!
*「こりゃあ きっとどこかの
イタズラこぞうの しわざだね!
*「やれやれ……。
ぜーんぶ掃除の やり直しだよ。
*「このあいだ 町の外に
なんとめずらしい 白いオオカミが
倒れていたんだよ。
*「大ケガを していたもんだから
長老のとこの 下働きの男と二人で
納屋まで かついできてさ。
*「でも あんた。
せっかくケガを 治してやったのに
逃げちまったらしい。
*「えっ?
あれが伝説の白いオオカミだって?
*「どこかで話を 仕入れてきたね。
ありゃただの伝説だよ 伝説。
はっはっは!
*「よしよし。
まったくエライ目に あっただよな。
*「どうだい?人間になるってえのも
悪くは なかったろう。
*「ワンッワンッ ワオーンッ!
*「あん?そうか。
そりゃあ そうかもな。
わっはっは!
*「自分で 木の枝を投げて
自分で取りに 行ってみたけど
つまらなかったらしいだよ。
*「やっぱ人さまに投げてもらった方が
楽しいらしいだな。
わっはっは!
*「町の上の空が ピカッと
光ったような気がしたの。
*「でもそれが さっきだったのか
それとも ずっと前だったのか……。
変ね。さっぱり わからないわ。
*「ブヒヒヒーンッ!
*「はっ! 今のは なんだい?
えっ 私かい!?
*「いやだよ。そろそろ
お迎えが 近くなったのかねえ。
なんまんだぶ なんまんだぶ……。
*「ポリポリ……。
ううっ かゆい かゆい!
ノミに食われちゃった。
*「へんだなあ。
うちじゃ生き物を 飼ってないのに。
わーっ かゆいよー!
*「おやっ あんたらは
旅の人だね。
だったら よくお聞き。
*「この町の西にある 神の山には
近づいちゃいけないよ。
*「神の山なんてのは 名ばかりで
今じゃ 恐ろしい魔物どもが
ウヨウヨしているからな。
*「ここの 大きなおやしきが
町の長老さまの お宅です。
*「この先 旅をつづける上で
何か 困ったことでもあったら
相談すると いいですよ。
*「まあ そうでなくても 一度は
ごあいさつして おいでなさい。
*「おおっ 旅のお方かな?
なんと めずらしいことか。
オルフィーの町に ようこそ。
*「じゃが今 このあたりは
恐ろしい魔物に 狙われていて
とてもキケンなのですじゃ。
*「旅を 続けなさるなら
よくよく気をつけて
行かれなさいよ。
*「なんですと!
その魔物を倒し ふたたび
封印したと 申されるのか!?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「信じられん……。 *「ななっ なんと! *「すると 伝説は本当だったと *「なななっ なんと! *「ああ……。 *「ところで 実を言えば *「神の山の あの封印の岩戸は *「何者かが 外からトビラを開け *「あの魔物をも あやつるような *「この 事件のうらには |
いいえ |
*「これこれ! |
マリベル「何なのよ!
さっき倒した あの魔物のうしろに
まだ何者かが いるっていうの!?
キーファ「封印の岩戸を
誰かが外から 開けたとすれば
そいつの存在も 気になるな。
キーファ「いずれ そいつにも
出会うことがあるかもしれないぜ!
*「えっ?子供とオオカミ?
さあ 見てないわね。
*「この家の 納屋に
白いワンちゃんならいたけど。
*「うそー!
あれって オオカミだったの?
やだーっ こわーい!
*「おやおや。
すっかり くつろいでるなや。
どんな あんばいだね。
*「気んもち良さそに 寝てるだよ。
そっとしといて やっぺ。
*「おろおろ……。いったいどこに
行っちまったんだろう。
*「いやね。
何日か前に町の外で 大ケガをした
白いオオカミを 見つけたんだよ。
*「この納屋に つないで
看病してやってたんだが
いつの間にか 逃げちまってさ。
*「ケガは すっかり治っていると
思うけど 町の外はキケンだから
ああっ もう! 心配だよ。
*「ややっ ガボッ!
どこに 行ってただね。
*「ははあ。
ケガを なおしてもらった
礼が言いたかっただな?
ガボ「ガボ!
*「うんうん。
なんて 気のやさしい
子じゃねえか なあ。
*「アルス。
オラあ この子を引き取って
いっしょに 暮らすだよ。
*「いくら 伝説のオオカミとはいえ
この子は 母親をなくして
たったの一人ぼっちだ。
*「ウォウォン!
*「ああ?そうだった。
お前さんが いたっけな
すまんすまん。
*「だども ガボはもう
オオカミの姿にゃ 戻れねえだ。
人間として 生きていかにゃあ。
*「なっ これから 二人とも
オラといっしょに 暮らすだあよ。
ガボ「ガボ…いく……。
*「おおっ そうかいそうかい。
それじゃあ さっそく
出かけるとしよう。
*「森のみんなも きっと
お前さんたちを
歓迎してくれるだあよ!
*「さあ アルス。
ぼちぼち 帰るとしようかね。
マリベル「さあ わたしたちも
帰りましょ!
キーファ「行こうぜ アルス。
ガボたちに 追いつかなくちゃ。
キーファ「ほら アルス。
ガボたちが行っちまうぞ 急ごうぜ!
*「さあ 早く帰ろうだよ!
マリベル「アルス!
ガボたちを 見失わないでよ!
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