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アイラ「遺跡にいたと思ったら
急に こんな所に
現れるなんて……。
アイラ「アルスたちは ずっと
こんな旅を 続けているの?
はい/いいえ | |
---|---|
はい/いいえ |
アイラ「そう……。 アイラ「でも わたしは |
ガボ「なんだか ここは
風がつよくて 落ち着かねえな。
ガボ「アルス。さっさと
人のいる所を探して
ちょっと 休ませてもらおうぜ。
メルビン「空が……青いでござる。
どうやら この地は まだ封印は
されていないようで ござるな。
アイラ「ふうん……?
こんな所に 本当に 人の住んでる
場所が あるのかしらね。
ガボ「うわあ…… すげえ!
こっから おっこちたら
いたそうだなあ!
メルビン「アルスどの。
この地には どのような 人々が
暮らしているでござろうな?
メルビン「たとえ 魔王の息吹に
おかされた地といえども 人々と
出会うのは 楽しみでござる。
アルスは 立て札を 読んだ。
”聖風の谷 この下”
と 書いてある。
ガボ「アルス〜。なんだって
こんな所を おりていくんだ?
ガボ「下まで行って 何もなかったら
のぼるときは アルスが
オイラを おんぶしてくれよな!
*「聖風の谷へ ようこそ。
ここは 自由に空を舞う
リファ族の 暮らす谷よ。
*「自由に空を舞うなんて
他の種族の人には
信じられないかしら?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「なら 見ていてね。 *「どう? これで イヤでも |
いいえ |
*「そう。なら ごめんなさい。 |
はいの場合
アイラ「えっ? あっ? なに?
今の人……ホントに飛んだ?
アイラ「目の前で 飛ばれちゃったら
そりゃもう 信用するしか
ないわね……。
ガボ「すっげえ……。
アルス。オ…オイラも
ちょっと 飛んでみてえぞ!
メルビン「自由に 空を舞う種族……
神より 話に聞いていたでござるが
見るのは はじめてでござる。
いいえの場合
アイラ「アルス。
自由に 空を飛ぶなんて話
本当に 信用したの?
アイラ「わたしは 信じられないな。
だって 空を飛んでる人なんて
見たことないもの。
*「ここ聖風の谷の風は もう何年も
やむことなく 吹き続けています。
*「私たち リファ族は 風をあびて
空を舞う種族。つまり この谷は
私たちに 適した土地なのです。
*「なんべん言ったら わかるんじゃ!
あんな石コロ リファ族には
不要のものじゃ!
*「それを わざわざ危険をおかして
取りに行こうなど 族長の
考えることとは 思えんわい!
族長「神の石は 必要なものだ。
あの石は この谷に やまない風を
あたえて くださった。
*「その やまない風というのが
そもそも 不要と言っとるんじゃ!
*「地に足をつき 時に自然の風にのり
空を舞う。それが リファ族の
本来の生き方じゃろう!
族長「今はもう かあさんの頃とは
ちがうんだ。今 風がやんだら
リファ族の者は 生きていけない。
*「なら 勝手にするがいい!
*「あんな 無意味な石コロのために
好きなだけ 谷の人間の命を
危険にさらすがいい!
族長「……とにかく 神の石は必要だ。
リファ族は 戦いには向かないが
精鋭を集めれば……
*「ええい! もう知らん!
バカな族長を持って 谷の連中は
つくづく 不幸じゃわい!
アイラ「……どうやら
取り込み中だったみたいね。
リファ族の像のようだ。
アルスは 本だなを調べた。
日記が 書いてある。
”○月×日
今日 ヨゼフという名の青年が
灰色の雨の恐怖を 語っていった。
”灰色の雨を 体にあびると
人間の体が たちまち石になってしまうと
青年は 谷のみなに 説明してまわった。
”にわかには 信じがたい話だったが
青年の 真剣な様子からして
きっと 本当のことなのだろう。
*「おかしいなあ。フィリアが
花を摘みに行ったきり ぜんぜん
帰ってこないわ。
*「だいたい フィリアってば
空も飛べないなんて ホントに
どんくさいんだから。
族長「おお 旅の方ですか。
来た早々に おはずかしいところを
お見せしてしまいましたね。
族長「じつは 最近 この大陸で
困ったことが起き そのことで
今も 母と もめていたのです。
族長「こんなときに 谷に来られたのも
何かの縁。せっかくですので
私の話を 聞いてください。
族長「この谷より北に われら
リファ族が 代々 守り続けてきた
神殿が あるのですが……
族長「半月ほど前 その神殿に
急に 黒雲が舞い降り そこから
魔物が次々と 現れだしたのです。
族長「神殿の人々は 逃げ出しましたが
そのときに 神の石という石を
神殿に 残してきてしまったのです。
族長「神の石というのは この谷に
やまない風を運ぶ石。このままでは
いつ 谷の風がやんでしまうか……
族長「そこで どうにか神の石を
取り戻すために 神殿に向かう
精鋭を 探していたのですが……!
族長「そうだ! 見たところ
あなたがたは そうとうに
ウデが たちそうだ!
族長「お願いです! われらにかわり
北の神殿より 神の石を
取ってきては くれませんか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
族長「おお! ありがたい! 族長「神殿は 向かいのガケより |
いいえ |
族長「われらリファ族は いにしえより |
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
族長「おお! ありがたい! 族長「神殿は 向かいのガケより |
いいえ |
族長「どうしても ダメと |
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
族長「ならば 仕方ありますまい……。 族長「そもそも 旅の方に頼むことでは (会話終了) |
いいえ |
族長「で では 神の石を取ってきて |
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
族長「おお! ありがたい! 族長「神殿は 向かいのガケより |
いいえ |
族長「どうも よくわかりませんな…… 族長「そもそも 旅の方に頼むことでは |
断った場合
メルビン「黒雲…… 魔物……
この地にも 魔王の恐怖が
しのびよっているようでござる。
メルビン「アルスどの。
族長どのの願いを 聞き入れても
よかったのでは ござらぬか?
族長「とくに これといって何もない
谷ですが せっかくですので
ゆっくりしていってください。
引き受けた場合
メルビン「黒雲…… 魔物……
この地にも 魔王の恐怖が
しのびよっているようでござる。
メルビン「あの族長どのの願いを
聞き入れたのは 正解でござるぞ。
アルスどの。
ガボ「神の石を 取ってきたら
お礼を してくれるだってよ。
すぐ 行こうぜ! アルス!
アイラ「谷に風を運ぶ 神の石か……。
ただの伝説かもしれないけど
ふしぎな話ね。
*「花が摘みたければ ガケの上まで
一気に 飛べばいいのにさー。
*「なんで おまえは いっつも地面を
ベタベタ 歩いてるんだよ?
フィリア「何度も 言ったじゃない。
私…… 空を飛べないから……
*「えっええー!? だって おまえ
族長さんとこの 娘だろー?
なら なんで飛べないんだよー?
フィリア「それも 何度も言ったよ。
私 リファ族じゃないから。
拾われた子だから……。
*「おーい! 聞いたかよー!
フィリアは 族長さんの
本当の娘じゃないんだって!
*「や〜い! フィリアは 拾い子!
フィリアは 拾い子!
アイラ「よってたかって 女の子を
いじめるなんて しょうがない
男の子たちね……。
メルビン「やや!
アルスどの すぐに
ケンカを 止めるでござるよ!
*「ん? なんだよ?
*「あ! この人たちも
リファ族じゃないぞ!
*「……ってことは マズイ!
フィリアの なかまだ!
*「逃げろっ!
フィリア「どうも……
どうも ありがとう……。
フィリア「私 はやく帰らないと
今度は おねえちゃんに
しかられるから……。じゃあね。
*「フィリアってば 花を摘みに
行くだけで 1時間も
かかったのよ!
*「ホント信じらんない!
わたしだったら 30秒だわ!
フィリア「あ あなたたちは
さっきの……。
フィリア「からかわれるのは もう
なれてるから 平気よ。それに
仕方ないって あきらめてるの。
フィリア「だって あの子たちの
言うとおりだもの……。
私は飛べないし 拾い子だし……。
アイラ「フィリアちゃんには 悪いけど
こればかりは すぐに解決できる
問題じゃないみたいね……。
*「さっきも フィリアちゃんが
ひとりで 花を摘んでいたわ。
*「他の村で 暮らしていれば
普通の子なのに リファ族の谷で
暮らすなんて かわいそうよね。
*「ウワサでは 神殿から逃げた人々は
黒雲に包まれた神殿のまわりに
今も 暮らしているそうです。
*「やはり どうにかして 神の石を
取り戻そうと 必死なんでしょうね。
*「フィリアちゃんは
この谷に住む たった一人の
リファ族ではない人間。
*「ある雨の日に 族長の家の前に
捨てられていて 族長がそのまま
引きとって育てているとか……。
*「どこの誰が 捨てたのか
知りませんが 世の中には
ひどい親が いるもんですね。
メルビン「フィリア? 先刻 少年らに
いじめられていた 少女も
そう呼ばれていたでござるな。
*「ここは 本当にいい所ですね。
水はキレイ。空気もうまい。
*「わたしは 今日で
この地を去りますが できれば
また ここに来たいものですよ。
*「あ! さっきの! な なんだよ!
ここは ボクんちだぞ!
*「さっきのだって いじめてた
わけじゃないよ! フィリアに
現実ってものを 教えただけさ!
*「もしも 風がやんでしまったら
どうなるかですって? イヤだわ。
そんなこと 考えたくもない。
*「でも 本当にそんなことになったら
歩けなくなって ゴハンも食べれず
みんな 死んじゃうのかなあ?
メルビン「どうやら われわれが
考えている以上に 風が止まるのが
ここでは 一大事のようでござる。
*「わたしの気のせいだと 思うけど
ここ数日 なんとなく
風の様子が ちがうのよね。
*「なんだか 上がドタバタうるさいな。
また誰か うちの屋根の上に
上っているな。
*「べつに フィリアをいじめる理由は
なんにも ないんだけど……
*「なんでかな?
フィリアの顔を見ると つい
いじめちゃうんだよな……。
*「ここまで 階段で
登ってきたんですか?
それは ご苦労さまです。
*「昔は 風が止まってしまうことが
ときどき あって 階段はその頃に
作られたものなんですよ。
*「今は 風が止まることがないので
階段を使うのは フィリアちゃんと
旅の人 くらいですけどね。
*「20年も前じゃったかの……。
空から 光る石が
ゆっくりと 落ちてきたんじゃ。
*「おどろいた 谷の者たちは
その石を 神の石などと呼び
すぐに 神殿に まつったんじゃ。
*「その日以来 この谷の風は
かた時も 休むことなく
吹き続けるようになった。
*「若い連中は やまない風を
よろこんだが 私には 不気味な
出来事としか 思えんかった。
*「自然を裏切ってまで 風にたよれば
いずれ必ず 破滅がおとずれる。
……そう 思えたんじゃ。
*「しかし……私の話など
だれも 聞く耳もたん。
そう じつの息子でさえな。
*「おや あなたがたは旅人ですか?
こんなときに 来られるとは
運がないですね。
*「この先の神殿は 今 黒い雲に
おおわれていて とても 人が
近づける状態ではないのです。
*「この集落には 何もないですし
用がないなら もどった方が
いいと思いますよ。
*「いったい いつまで
このような場所で
暮らしつづければよいのでしょう。
*「あの黒雲さえ 晴れてくれれば
すぐに 神殿に戻ることも
できるのですが……。
*「……して 神殿の様子は
どうだったのだ。
*「あいかわらずですわ。
神殿は 黒い雲に包まれ
姿さえも 見えないまま……。
*「……そうか。まったく谷の連中は
何をしている。いったい いつ
精鋭は 到着するのだ……。
*「リファの人間に 戦いに向く者など
そうそう いるはずが ありません。
期待せず 待ちましょう。
*「……うむ。
*「神殿が黒雲に包まれてから
わたしたちは この地に集落を
きずき 暮らしているのです。
*「神殿は リファ族が古くから
守ってきた場所。簡単に
見捨てるわけにはいかないのです。
*「おや? あなたたちは……?
このような所に
いかなる ご用でしょう?
族長の依頼を引き受けている場合
アルスは 事情を説明した。
*「おお! そうでしたか!
では あなたがたが!
*「しかし……あなたがたは
見たところ リファ族の人間では
ないようですが……。
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「やはり……。それでは |
いいえ |
*「いえ。ウソをつかずとも |
*「じつは 神殿の中には リファ族の
血を持つ者しか 開けられない
トビラというものがあるのです。
*「あなたたちだけでは その先に
進むことが できますまい。
どうしたものか……。
*「それなら 問題はありませんわ。
*「神の石の台座は リファ族の
トビラよりも 手前にあります。
*「つまり その者たちが
トビラを開く必要は ありませんわ。
*「おお! そうであったな!
*「旅の方 聞いての通りです!
神殿への道は 黒雲に閉ざされ
魔物たちが ひそんでいますが……
*「無事に戻ることを 祈っています。
それでは どうか 神の石を
たのみましたぞ!
(族長の依頼を断った場合)
*「旅の方ならば 悪いことは
言いません。ここには何もない。
戻られた方がよいでしょう。
*「神殿への道は 黒雲に閉ざされ
魔物たちが ひそんでいますが
無事に戻ることを 祈っています。
*「神殿は ここより来た。
それでは どうか
神の石を たのみましたぞ!
アイラ「視界が悪いわね……。
アルス。足元には気をつけて。
ガボ「うわっぷ! この黒いのが
身体に まとわりついてきそうで
オイラ 気持ち悪いぞ!
ガボ「こんな所から さっさと
出ようぜ! アルス!
メルビン「このような黒雲が
自然に 発生するなど
ありえないことでござる。
メルビン「これも 当然
魔王のさしがねに よるもので
ござろう……。
ガボ「なんだ ここ?
床が 暗くて見えないぞ。
しかも いじわるそうな像があるな。
ガボ「ふひゃあ!
足元が 全然見えねえぞ!
ガボ「アルス。
こういう所は てきとうに
まっすぐ行こうぜ!
アイラ「ここは……
とくに視界が悪いわ。
アイラ「足元が見えない……。
アルス。気をつけて。
アルスは 魔獣の像を 調べた!
アイラ「ここって
どうなってるのかしら……?
アイラ「ポツンとある像が
とても あやしいと思うわ。
もしかして なにかのヒント?
メルビン「うん? よく見るでござる。
なにやら むこうのほうにも
似たような像が見えるでござる。
メルビン「どうやら 像の向きと
関係があるようでござるな。
ガボ「ガルルルル……。
アルス。気をつけろ。
あぶねえヤツがいるぞ……。
トビラは ひらかなかった。
なにか ふしぎなチカラによって
閉ざされているようだ。
*「クックック……。この黒雲の中
こんなところまで 来るヤツが
いるとは おどろいたな!
*「だが 残念ながら ここから先に
通すわけにはいかん!
(やみのまじん戦)
ガボ「オイラ こんな
ケムリ野郎になんか
ぜってえ 負けねえぞ!
メルビン「どうやら こやつが
この辺りに巣くった
諸悪の根源のようでござるな。
アイラ「どうやら
こいつを 倒さない限り 神殿へは
近づけないってことみたいね。
*「ウググ……。そんなバカな……。
オレ様が こんな連中に
敗れるなど……。
*「クックック……。しかし
これで この黒雲が晴れると
思ったら 大まちがいだ……。
*「この地に 真の恐怖が来るのは
まだまだ これからだ……。
クックック……。
アルスは 本だなを調べた。
「リファ族の歴史」と
書かれた本がある。
”リファ族は はるか昔
空のかなたから この地に
降りたと いわれている。
”ならば リファ族は
そもそも どこに住んでいたのか?
くわしいことは 何もわかっていない。
アルスは 本だなを調べた。
「リファ族の ひみつ」と
書かれた本がある。
”リファ族は 体に風をあびて
空を舞う種族である。
”背中のつばさが 風にふれると
体が 羽のように軽くなり
自由に 空を舞えるのである。
アルスは レリーフの字を読んだ!
”とこしえに 風を運ぶ
精霊を かたどり この地に残す”
と 書いてある。
アルスは カベに書かれた
文字を読んだ。
”トビラは リファの血を持つ者のみを
受け入れるだろう。
と 書かれている。
アルスは 台座を 調べた!
アルスは 神の石を手に入れた。
神殿の中に吹く風が
おさまっていく……。
メルビン「どうやら あたりの風が
おさまったようでござるな。
メルビン「それはそうと
わしらだけでは ここより先には
進めないようでござる。
メルビン「それでは アルスどの。
ここらで いちど さっきの谷に
帰るとするでござるよ。
*「あれれ……。なんだか 急に
風の様子が 変わったような
気がするけど 気のせいかな……?
(依頼を引き受けた場合)
*「おお! 無事に戻られましたか!
……しかも その手にあるのは
まさしく 神の石!
*「さすがは 族長が見こんだ方々!
これで この土地の風は
守られたも 同然でしょう!
*「さあ はやく 谷に戻り
族長を 安心させて
あげてください。
*「わたしたちは ここに残り
黒雲が 晴れるときを待ち きっと
神殿を 取り戻しましょう!
*「さあ はやく 谷に戻り
その石を 族長にお渡しください。
*「わたしたちは ここに残り
黒雲が 晴れるときを待って
きっと 神殿を取り戻します!
(依頼を断った場合)
*「なんと! あなたがた!
その手にある石を
いったい どうされました!?
*「……ふむ。神殿の中に入り
そこから 取ってきたですって?
むむむ……。なんということだ。
*「その石は われわれが取りに行けず
苦しんでいた リファ族の宝。
それを 取ってきてくださるとは…
*「その石は 谷にいる族長に
お渡しください。きっと 族長は
さぞ よろこばれましょう。
*「われわれは 黒雲の晴れる日を
ここで 待たねばなりません。
それでは お願いしましたよ。
アイラ「この石は はやく
族長さんの所に 持って行った方が
よさそうね。
*「さっき 族長のおかあさんから
いろいろと グチを聞かされて
まいっちゃいましたよ。
*「あんな石コロに 頼らなくても
リファ族には 昔から精霊さまの
守りがついてるとかって……。
*「日ごろは 気の優しい人なのに
何かあったんでしょうかね?
*「はじめて 空を飛んだときの気分?
う〜ん それは覚えてないわね。
*「リファ族の人間は 歩き始めるのと
同じころ 空を飛ぶようになるの。
*「あなたも はじめて歩いたときの
ことは 覚えてないでしょ?
それと 同じなのよ。
*「どうしても おかしい……。
やっぱり 風の気配が いつもと
ちがう気がするんです……。
*「神殿の黒雲は いまだに晴れない……。
いったい 神殿の中では
何が 起こっているのだろう。
*「神の石があれば この谷の風は
やまないって…… なんとなく
そう信じてはいるけど……
*「別に ぜったいにそうだっていう
理由なんて ないのよね……。
*「黒雲に包まれた 神殿の姿は
あまり見たくないわ。だって
とても きれいな神殿だったのよ。
*「あら?
お父さんなら 今 出かけてるわよ。
*「でも もうすぐ
帰ってくると 思うから
家の中で 待たれてはどう?
*「今 風が止まろうものなら
この谷も おしまいじゃ。
*「だが もしも そうなっても
フィリア おまえだけは
地に足をついて 生きていける。
*「いいね。谷の風がやんでも
おまえだけは きちんと
生き抜くんだよ。
フィリア「もう……。また その話?
大丈夫だよ。谷の風は
ぜったいに やんだりしないよ。
フィリア「神の石さえ 取り戻せば
谷の風は やまないって
おとうさんが そう言ってたもの。
*「いいや。それは まちがいじゃ。
谷の風を 守っているのは
あんな 石コロなどではない。
*「むしろ あの石コロがなければ
リファの人間は 風がやむことに
おびえる必要も なかったのじゃ。
*「あの石コロが やまない風など
運んでこなければな……。
フィリア「おばあちゃん。
その話は もう終わろ。もうすぐ
おとうさんが 帰ってくるよ。
*「……ほんに おまえは
何かというと おとうさんじゃ。
そんなに 父親が好きか?
フィリア「あたりまえよ。
私が 今 こうして いられるのも
おとうさんの おかげだもの。
*「……そうじゃな。わかった。
この話は 終わりにしよう……。
フィリア「昔から おばあちゃんと
おとうさんは いつも
ケンカばかりしているの。
フィリア「ふたりとも
すごく いい人なのに
どうしてなんだろう?
*「おとうさんが好きという
フィリアの言葉を 聞くと
胸が 苦しくなってきよる。
*「あんな男の 何が父親じゃ。
私は 心底 恥ずかしいわい。
(依頼を引き受けた場合)
族長「おお! あなたがた!
……む? もしや
その手にあるのは……!?
神の石を 渡しますか?
いいえを選んだ場合のみ | |
---|---|
いいえを選んだ場合のみ |
族長「もったいつけずに はやく |
族長「おお! これぞ まさしく!
旅の方 心から感謝いたしますぞ!
族長「これで 谷の風も安心だ!
それでは 私の方も 約束を
はたさねば なりませんな!
族長「こよいは 盛大な 宴を
もうけましょう! 旅の方!
どうぞ 存分に楽しんでください!
依頼を断った場合
族長「旅の方。まだ このあたりに
残っておられましたか……。
族長「すいません 旅の方!
その手に持った石を よく見せて
いただけませんか!?
神の石を 渡しますか?
いいえを選んだ場合のみ | |
---|---|
いいえを選んだ場合のみ |
族長「もったいつけずに はやく |
族長「おお! これぞ 神の石!
クチでは 願いを こばみつつも
取りに 行っていただけるとは!
族長「これで 谷の風も守られます!
あなたがたには まったく
感謝の言葉も ありません!
族長「そうだ! こよいは 盛大に
宴をもうけましょう! 旅の方!
どうぞ 存分に楽しんでください!
神の石を取り戻した
リファ族の人々のよろこびは大きく
アルスたちを もてなす宴は
予想以上に 盛大をきわめた。
しかし 一部の人々は
神殿の黒雲が消えないことに
まだ 小さな不安を いだいていた。
そして 夜が明けた。
*「おはようございます。
ゆうべは 本当に楽しい
宴でしたね。
*「旅立つ前に 族長さんの所にでも
寄っていかれると よいでしょう。
それでは どうぞお気をつけて。
メルビン「ううむ……
ゆうべの宴は まことに
盛大でござったな。
メルビン「何はさておき
わしは 族長どのの所に
礼を言いに 行きたいでござるよ。
ガボ「う〜……。
ゆうべは すげえ食ったぞ……。
ガボ「族長のおっちゃん もしかしたら
朝メシも 用意してくれてるかも
しれねえぞ。行ってみようぜ。
アイラ「黒雲が 晴れなかったのが
気になるけど この地は
これで 助かったのかしら?
アイラ「そんなこと かんがえても
わからないわよね。とりあえず
族長さんの所に 行ってみましょ。
出ようとすると
いまは 外に 出ないほうが
よさそうだ。
*「族長さんの家の方から
大きい声が してるんだけど
なにか あったのかしら?
*「さっきも フィリアちゃんが
花を摘みに 行ってたわよ。
*「わたしなんか 空を飛べても
めんどうなのに 本当に
えらいわよね。
*「おとうさんと おばあちゃんが
急に ケンカを始めちゃって……
*「いつもは あんなに大きな声で
言い争うことなんて ないのに……
どうしちゃったのかしら。
族長「いいかげんに クチを開いたら
どうなんだ! かあさん!
神の石を どこにやった!
*「フン……。捨てちまったよ。
あんな 石コロ。
族長「捨てたって? それはウソだ!
かあさんは ゆうべから 一歩も
外に 出ていないじゃないか!
*「フィリアに わたしたのさ。
花を摘みに行くついでに 川にでも
投げ捨ててくれって言ってね。
族長「……バカな! と とにかく
すぐにフィリアを 止めなくては!
*「なにが バカなじゃ!
バカは おまえさん一人で
充分じゃわい!
*「私が そう言ったからって
フィリアが 本当に石を
捨てるとでも 思っておるのか!
*「あの子のことじゃ。あとで 私に
気づかれんように こっそり
おまえさんに返すに 決まっとる。
*「だれも キズつけんように
必死に 気をつかってな。
あの子は そういう子じゃ。
族長「……しかし 万が一と
いうこともある!
*「フィリアは 身寄りのない自分を
育ててくれたと 思い込んで
本当に おまえに感謝しておる!
*「そんなフィリアのことも
信じられんのなら おまえさんは
最低の人間じゃ!
族長「…………。
族長「……わかった。
とりあえずは フィリアを
待つとしよう。
族長「……おお。アルスさん。
もう 旅立たれるのですか。
族長「さきほどのは
ほんの 内輪もめ。
気になさらないで 結構です。
族長「では よい旅をお続けください。
……おっと 忘れるところだった。
族長「これは 私からのお礼です。
役立つかどうか わかりませんが
どうぞ お持ちください。
アルスは しっぷうのバンダナを
受け取った!
族長「それでは どうぞ
お気をつけて。またいつか
この谷に おこしくださいね。
*「息子を こまらせてやろうと思い
フィリアに あの石コロを
わたしたのだが……
*「……花を摘みに行ったにしては
いつもより 遅いのお。
何ごともなければ よいが……。
風の音が しだいに弱まっていく……。
谷の風は 止まってしまった……。
ガボ「な……なあ!
オイラ どうすりゃいいんだ!?
アルス!
ガボ「オ…オイラ
とりあえず うちわで
みんなを あおいでくるぞ!
メルビン「い…いかんでござる!
このままでは 谷の人々が……!
メルビン「アルスどの!
急いで 風を元にもどす方法を
さがすでござる!
アイラ「風が…止まった?
アイラ「神の石を 取ってきたのに
……どうして?
*「身体が……重い……。
*「どうしてなの……。
風が…… 風が 止まるなんて……
*「なんということだ……。
なぜ 神の石を取り戻した
今になって……。神よ……。
*「急に風が止まり 神父さまも
お祈りどころではない様子。
こんなときこそ せめて私が……
(教会)
*「さきほどの 旅の方ですか……。
見てのとおり 風がやんでしまい
お店どころでは ありません。
*「休まれるのでしたら ベッドは
好きに 使って結構です。
*「おお! アルスたち!
帰っちまったかと 思ってたけど
いてくれたんだね。よかったよ。
*「バカな息子に つきあってるうちに
本当に 風が止まってしもうた。
だが これで本当にわかったわい!
族長「……そうか! わかった!
神の石を 神殿から
持ち出してしまったために……!
*「あんたは 本当のバカかい!
いつまで あんな 石コロの話を
してるんだ!
*「あの石と 風がやんだこととは
なんの関係も ありゃしないよ!
*「アルスたちも
あんな男の 言ってることは
気にするんじゃないよ。
*「正直 言ってね
あの男の言葉に のせられて
私も 確信は なかったんだが……
*「今になって ようやく
この谷に 風を戻す方法が
はっきり わかったよ。
*「おまえさんたちに たのみがある。
……しかし その前に フィリアを
つれてきて くれないかね。
*「フィリアは 花を摘みに行ったきり。
その辺りを 歩いとるはずじゃ。
*「こまかい話は フィリアを
つれてきた あとにしよう。
じゃ たのんだよ アルス。
メルビン「アルスどの! 谷の人々の
命が かかっているでござる!
メルビン「いそいで あの少女を
さがすでござるぞ!
族長「谷の風と 神の石が
関係ないなどとは……。
族長「……と 今 考えてる時間は
ありません! とりあえずは
母の言葉に したがってください!
*「う〜ん う〜ん。
からだが おもいよお……。
返事がない。
どうやら 気を失っているようだ。
*「神の石が 空から落ちてくる前なら
風が止まっても 自由に
歩くことくらいは できたのに……
*「こんなに 身体が重いのは
長い間 風に たよりきっていた
むくいなんでしょうね……。
*「神の石を 取りもどしても
神殿の黒雲が 晴れないことを
気にしてたんですが……
*「谷の風が 止まってしまったことと
なにか 関係があるんでしょうか…
*「風がないのに 動けるなんて……。
そうね……。あなたたちは
リファ族ではないものね。
*「このまま 何もせずに
待っていれば 自然と
谷の風は 戻るのでしょうか……。
*「このまま 何もできずに
死ぬのかしら……。
そんなの いやだわ……。
*「……すまないね。悪いけど
今は 店どころじゃないんだ。
*「……くっ! 体が重い……。
*「谷の風が止まるなんて
生まれてはじめてだ……。
*「フィリアに あんなことしたから
バチが あたったのかな。
う〜ん……。
*「今になって 風がやむなんて……。
10年以上 かた時もやむことなく
吹きつづけていたのに……。
*「あ! アルスさんたちは
風がなくても 動けるんだね!
*「だったら お願いがあるんだ!
フィリアを!
フィリアを 助けて!
*「さっき イタズラでフィリアを
屋根の上に のせちゃったんだ!
*「すぐに 助けにいこうと
思ってたんだけど
急に 風が止まっちゃって……。
*「このままじゃ 誰もフィリアを
助けられない! アルスさん
お願いだ! フィリアを助けて!
*「屋根の上が さわがしかったので
何ごとかと思っていたら
急に 風が やんでしまいました。
*「しかし 屋根の上の足音は まだ
続いている。風がないというのに
いったい だれがいるのだろう。
どこかから 女の子の声がする……。
フィリア「助けてー!
フィリア「だれかぁ!
だれか 助けてえー!
フィリア「もうダメ…… うでが……。
アイラ「フィリアちゃん……
今 一瞬 空を……って
おどろいてる 場合じゃないわね。
アイラ「急がないと!
すぐに フィリアちゃんの所に
行きましょ!
*「あ! アルスさんたちは
風がなくても 動けるんだね!
*「だったら お願いがあるんだ!
フィリアを!
フィリアを 助けて!
*「ええっ! フィリアは
もう屋根から 落ちちゃった!?
*「…………。
*「ごめんよ…… フィリア。
ボクが ひどいことを
したばっかりに……。
フィリア「アルスさん。
私を 助けようとしてくれたのね。
どうも ありがとう。
フィリア「どうして 助かったのか
わからないけど 落ちると思ったら
この石が 急にあたたかくなって…
フィリア「これも 神の石のチカラ……
なのかなあ?
フィリア「それより! 風が 止まって
おとうさんたちのことが
心配だよ! 私 いかなくちゃ!
*「む? さっきまでの 屋根の上の
足音がなくなったな……。
一度も話しかけていない | 話しかけた | ||
---|---|---|---|
一度も話しかけていない |
*「あ! アルスさんたちは *「だったら お願いがあるんだ! *「ええっ! フィリアは *「……でも かすりキズ ひとつ |
話しかけた |
*「ごめんよ…… フィリア。 *「ええっ? 屋根から落ちても |
*「な なんだか よくわからないけど
とにかく 無事だったんだね!
よかった……。
フィリア「風が やんだせいで
谷の人は みんな
動けなくて 苦しんでいるわ!
フィリア「アルスさん!
お願いです! この谷を
もう一度 助けてください!
族長「おお! アルスどの!
族長「谷の風のことについて
母から 話があるそうです。
母の話を 聞いてやってください。
*「アルスたち。約束どおり
フィリアを つれてきてくれたね。
*「それじゃあ あんたたちに
たのみたいことってのを 話すよ。
フィリアも よくお聞き。
*「この谷の風が やんでしまったのは
神殿にある 精霊の像さまが
黒雲に つつまれたためなんだ。
*「精霊の像さまは 昔から この谷の
聖なる風を守ると 言われておる。
すなわち……
*「いま一度 神殿に向かい
精霊の像さまから いまいましき
黒雲を とりはらうのじゃ!
*「……と ここまでは
わかったね?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「うむ。しかしね 精霊の像さまは *「そこでじゃ。フィリア。 フィリア「おばあちゃん……。 *「こんなときだ。 *「フィリア。一度しか言わない。 *「あんたは 拾い子なんかじゃない。 フィリア「ウソよ……。 *「神さまが 何を 思ったのかは *「しかも そのこと家の恥だと思い 族長「……すまない。 フィリア……。 *「その男を うらもうが 何しようが *「この谷の人間を 助けることが フィリア「…………。 フィリア「……私 *「よし! 話は 決まりだよ! フィリアが 仲間にくわわった! フィリア「あ そうだ。 アルスは 神の石を *「それじゃあ フィリアのこと |
いいえ |
*「なら もう一度だけ 言うから (ループ) |
フィリア「このままじゃ おとうさんと
おばあちゃんが……
フィリア「アルスさん お願い……。
この谷のために もう一度だけ
チカラを 貸してください。
メルビン「乗りかかった船でござる。
アルスどの この谷の未来
われわれで 救うでござるよ。
ガボ「また この間の神殿に行くのか?
だったら 今度は楽勝だな。
アルス。
アイラ「フィリアちゃんは ホントは
リファ族の ひとりだったのね……。
アイラ「よその家のことに
クチを出すのも なんだけど……
う〜ん…… 複雑な気分ね。
族長「私は今日まで フィリアのことを
皆に かくしていました……。
しかし それも理由あってのこと。
族長「族長の家に 羽のない子が
生まれた……。そんなことが
谷の者に 知れたりしたら……
族長「だれもが この家をうたがい
私に 族長をつとめさせることを
ためらったでしょう……。
族長「……しかし 私は気づいていた。
娘の心をキズつけて どうして
家の めいよが 守れるのか……。
族長「私が ようやく それに
気づいたときには…… すでに
後戻りは できなかったのです。
族長「……私は おろかな男です。
フィリアには どう言われても
しかたがないと 思っています。
族長「しかし 今はただ フィリアや
あなたがたが 無事に 戻ることを
ここで 祈りつづけましょう。
*「精霊の像さまの 黒雲をはらえば
きっと この谷の風の
もとに 戻るじゃろう。
*「アルスたち。フィリアのこと
よろしく たのんだよ。
*「フィリア! そうか!
無事だったんだね!
フィリア「今から アルスさんたちと
谷の風を戻すために 神殿に行くの。
フィリア「だから 私たちが
戻るまで つらくても
がんばってね。
*「……わかった。それじゃあ
そっちも がんばって……。
フィリア「うん。
*「……あ フィリア。
今まで…… いろいろ ごめん。
フィリア「話は 今度ゆっくり聞くね。
*「フィリア……。
がんばってな……。
*「風がないことが こんなに
つらいなんて 今まで
考えたことも なかったな……。
(現代に戻ると)
フィリア「アルスさん。
どこに 行ってたの?
フィリア「神殿なら 谷の反対側だよ。
さあ とにかく神殿に急ご。
*「神殿の黒雲は 晴れることなく
そして とうとう
風が やんでしまいました……。
*「いったい どうすれば……
私たちは いったい
どうすれば よいのでしょう……。
*「か… 風を! だれか……。
*「リファ族から 風をうばうのは
魚から水をうばうのと 同じこと……
*「このままでは 私たちリファ族は
死に絶えてしまうでしょう……。
フィリア「ひどい……。
あんなに きれいな神殿のまわりが
こんなことに なってるなんて……。
神の石が置かれていた 台座がある。
神の石を 戻しますか?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
神の石から ゆるやかな風が |
いいえ |
(何も起こらない) |
フィリア「このトビラが……
リファ族にしか 開けられない
トビラね。
フィリア「……つまり トビラを
開けられることが
リファ族であることの あかし……
フィリア「…………。
フィリア「……おねがい。
ひらいて……。
フィリア「開いた……。
私も…… 私も リファ族の
ひとりだったなんて……!
フィリア「…………。
フィリア「……なんだか
信じられないけど とにかく
今は 先をいそがなくちゃ……。
フィリア「…………。
さっ…急ご。アルスさん。
アルスは 石碑を調べた。
”精霊の姿が かすみしときは
けがれなき ひとすじの風にて
その像を ときはなちたまえ。
メルビン「ひと筋の風をもって……
でござるか。
メルビン「アルスどの 以前に
神の石を 台座から取ったときに
辺りの風が 止まったでござるな?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
メルビン「わしは あの風を |
いいえ |
メルビン「おぼえてないでござるか…… |
メルビン「つまり 台座の上に
神の石をもどし…… その風を
像の場所に みちびくでござる。
アイラ「カベをまわすと
風のとおる道が
変わるみたいね。
ガボ「この部屋には
風が吹いてるみたいだな。
メルビン「アルスどの。
この部屋の風を 表の像に
あてれば あるいは……。
アルスは 精霊の像をしらべた!
深い黒雲につつまれ 精霊の像の姿は
よく見えなかった……。
アイラ「これが 精霊の像ね。
雲が ひどくて
よく見えないけど……。
ガボ「なんだか この辺は
とくに 雲がすげえなあ……。
*「はっはっはっは!
大したものだ! 恐れ入ったぞ!
フィリア「精霊の像さまの 黒雲は
たぶん これで晴れたよね。
フィリア「それでも おとうさんは
神の石が必要って 言うだろうし
私は 神の石を取ってくるよ。
フィリア「アルスさんたちは
そのあいだに 精霊の像さまの
様子を 見てきてね。
フィリア「あ むかえにきてくれたの?
精霊の像さまは 大丈夫だった?
フィリア「え? まだ 見てないの?
そう。じゃあ 神の石も取ったし
私も 一緒に行くね。
*「この像から みごとに黒雲を
払いのけるとは! 知恵も勇気も
人間にしては 上出来だ!
*「だが この地に風をもどしたくば
この ヘルクラウダーさまを
倒さねば ならん!
*「勇気のほどを 見せてみろ!
かかって来い! 人間ども!
(ヘルクラウダー戦)
メルビン「ぬう……。
この地の黒雲が 晴れぬのは
この者のせいでござるな……。
ガボ「アルス……。
強えぞ…… コイツ。
アイラ「アルス! 気をつけて!
ここは 油断できないわよ!
*「ぐっ ぐふっ……。
バカな……。
きさまらは いったい……。
*「私が 油断していたのか……。
いや そんなはずはない……。
*「人間とは なんだ……。
信じあい チカラをたばね……
フィリアを迎えに行っていない場合
フィリア「アルスさんたち!
また 魔物がいたのね!
大丈夫だった?
フィリア「とりあえず
神の石も 取ってきたわ。
それじゃ 谷にもどりましょ。
アルスは 精霊の像をしらべた!
精霊の像は やさしいまなざしで
リファ族の大地を 見つめている……。
アルスは 精霊の像の台座から
いのりのゆびわを見つけた!
*「旅の人! 聞いてください!
風が! 風が戻ってきたんです!
*「それがどうしたって 顔ですね。
いいんです! この よろこびは
リファ族の人間にだけ わかれば!
メルビン「うむ! みな 心から
よろこんでいたようでござるな!
*「黒雲が晴れるどころか
風が止まってしまい
どうなることかと 思いましたわ。
*「こうして 風が戻った今
神殿は どうなったのでしょう……
不安だわ……。
*「今 仲間が神殿の様子を
見にいっています。
*「風が戻ったのと同時に
黒雲も 吹きはらってくれてると
いいんですが……。
*「みんな 聞いて!
*「神殿の黒雲が ウソみたいに
きれいに 晴れてるわ!
*「みんな すぐに神殿に
戻りましょう!
*「聞きましたか!
とうとう 神殿の黒雲が
晴れたそうですよ!
*「こうしちゃいられない!
それじゃあ 失礼しますよ!
*「こうして 神殿にもどってくると
ここを 魔物がウロウロしてたのが
ウソみたいです。
*「リファ族は 平和を愛する種族。
やっぱり 平和が何よりですね!
*「ようこそ 旅の方。
ここは リファ族の神殿です。
(教会)
*「ワラのおふとんより
やっぱりベッドの寝ごこちが
最高よね!
*「神の石がなくとも 自然の風が
毎日 この地に流れてくる。
*「ときおり 風がやむことが
しばらく つらいかもしれませんが
きっと すぐに なれるでしょう。
*「見てください!
谷に 風が戻ってきたんです!
*「ええ? 風が戻ったのは
精霊の像さまの 黒雲を
払ったからですって?
*「な〜んだ。そんなことなら 私が
ハタキで チョイチョイのチョイと
やってあげたのに!
*「こうして 空を飛べることが
こんなに楽しいなんて
今まで 思ったこともなかったわ!
*「……だからあ この前のは
失敗だったんだから
もう一度 やるんだよ!
*「もう一度って……
何をする気さ?
*「決まってんだろ!
フィリアを屋根にのせて……
*「ぼくは もうしないよ。
*「なんでだよ! あ わかった!
おまえ フィリアのこと
好きに なっちゃったんだろ。
*「ふ〜ん。男の友情より
羽なし女の方がいいのか〜。
*「なんとでも 言いなよ。
とにかく ボクはもう
フィリアを いじめるのはイヤだ。
*「ふん! いつまで 言ってんだよ。
ば〜か。もう おまえなんか
相手にしないからな!
*「……たぶん これでいいんだ。
*「もう あんなふうに
フィリアのこと 心配するの
ぜったい イヤだもんな……。
*「風が 気持ちいい……。
*「こんなふうに 吹いたりやんだりの
風って なんだか とっても
気持ちがいいわ。
*「神の石は ある日 突然
空から 落ちてきた物。
*「もしかしたら 本当に神さまの
持ち物 なのかもね。
*「……どいつもこいつも
フィリア フィリアって……
*「あ〜あ なんだか もう
バカバカしくなってきちゃったな。
*「谷にも 風がもどったし
ボクも そろそろ
およめさんでも さがそうかな。
*「私は さきほど着いたばかりの
旅の戦士だが 宿屋の代金を
おまけして もらえたぞ。
*「風が戻って 最初の客だからと
言ってたが きっと よほど
よいことでも あったのだろうな。
*「さきほど 空から 神殿を見たら
黒雲が ウソのように
晴れていましたわ。
*「神殿は リファ族の 大切な宝。
もとに戻って 何よりです。
*「おや?
フィリアちゃんを つれたまま
行かれる おつもりですか?
*「風も戻ったことですし
出て行かれる前に 族長の所に
寄っていかれては どうですか?
出ようとすると
フィリア「アルスさん。
どこいくの?
フィリア「せっかく
風も戻ったんだし はやく
おばあちゃんの所へ 行こうよ!
フィリア「おばあちゃん!
*「おお フィリア!
それに アルスたちも!
よくぞ 無事で 戻ったね!
*「あんたたちの おかげで
谷に 風が戻った。
本当に 心から 感謝するよ。
*「……ところで フィリア
今回のことでは おまえには
いろいろと つらい想いをさせたね。
フィリア「ううん。
私は 平気よ……。
*「おまえは まちがいなく
リファ族の人間だよ。それは
はっきり わかっただろう?
フィリア「……うん。
*「私も おまえの父親といっしょさ。
気づかれないように 今まで
ずっと かくしてきたんだ。
*「ごめんよ フィリア……。
どうか 私たちのことを
うらまないでおくれよ。
フィリア「やだなあ……。
私は だれも
うらんだりなんて しないよ。
フィリア「だって 私は うれしいもの。
自分が おとうさんの
本当の子だって わかって。
*「……フィリア。ありがとうね。
あんたは ほんとに
やさしい子だよ……。
フィリア「……おばあちゃん。
その話は もうやめよ……
フィリア「そうだ! 神殿から神の石を
持ってきたんだけど あのまま
置いておけば よかったかなあ。
*「そんなものは ただの石コロだよ。
だけど 気休めになるなら
あっても いいかもしれんがね。
ガボ「……でも その石って
もしかしたら ちょっと
すげえかも しれないぞ!
ガボ「……あのこと アルスから
話したら どうだ?
アルスは フィリアが ガケから
落ちたときのことを 説明した。
*「……ふむ。あの石が フィリアを
助けてくれたって わけだね。
*「ということは…… フィリア
ちょっと 私に ついておいで。
ガボ「フィリアの ばあちゃん
いったい 何をするつもりだ?
ガボ「アルス。おもしろそうだから
見にいってみねえか?
族長「アルスさんたちが 神殿に
行っているあいだ フィリアに言う
言葉を ずっと探していたのですが…
族長「あの子のカオを見たら
結局 何も言えませんでした。
情けないことです……。
*「フィリアは わたしの
本当の いもうとだって
おばあちゃんが 言ってたわ。
*「今まで ときどき
いじめちゃってたこと フィリアは
おこってるかしら……?
*「フィリアや。あんたが 本当は
リファ族だってことは 私から
谷のみんなに 言っておくよ。
*「だから……もしも おまえが
自由に 空を飛べたら もう何も
私たちと 変わらないんだ。
*「ダメで もともとだよ。
あぶなかったら 私が助ける。
勇気を出して 飛んでごらん。
フィリア「う うん。
ちょっと こわいけど……
やってみる。
*「おどろいたよ! フィリアや!
なるほど その石は
ただの石コロじゃないね!
*「その石さえあれば おまえも
これからは ひけ目を 感じる
必要はないよ!
*「フィリアや。その石は 今日から
おまえが 持っておいで。な〜に
だれにも 文句は言わせないさ。
*「なにしろ あんたがいなかったら
谷の者は 死に絶えてたかも
しれないんだからね!
フィリア「…………。
私は…… 石は いらないよ。
*「フィ フィリア!
いったい どうしてだい!
フィリア「だって 私もリファ族だよ。
それだけで もう充分だし……
フィリア「神さまに もらったまま
自然のまま 生きたいよ。これって
おばあちゃんが 言ったことだよ。
*「し しかし……
いや…… たしかに そうじゃ。
フィリア「でも この石は
私が もらっとくね。
*「それは かまわんが……
使う気の ないものなら
もらって どうするのじゃ?
フィリア「アルスさんたちに
この谷を たすけてもらった
お礼がしたいの。
フィリア「この石は 私を飛ばせたり
風をおこしたり 不思議なチカラが
たくさんあるわ。
フィリア「アルスさんたちなら
きっと 旅の途中で
この石を 役立ててくれるよ。
*「どのみち その石は この谷には
もう いらないものさ。
おまえの 気のすむように おし。
フィリア「うんっ!
フィリア「じゃあ アルスさん。
この石 きっと どこかで
役立ててね。
アルスは 神の石を手に入れた!
フィリア「それじゃ アルスさん。
また 谷に あそびに来てね!
ぜったい 約束だよ!
メルビン「フィリアどのは なんとも
心の強い少女でござる。
メルビン「いずれ リファ族の
族長として かつやくする日が
来るかもしれんでござるな。
ガボ「お礼が 石か?
ガボ「オイラとしては
ぜんぜん 納得いかねえぞ。
アイラ「フィリアなら きっと
これからも 谷で しあわせに
生きつづけるでしょうね。
アイラ「わたしは なんだか
あの子が 気に入っちゃったわ。
*「フィリアが 生まれてから……
あの子が 羽をもたずに 生まれた
意味を ずっと考えておったが……
*「今の フィリアの言葉を聞いて
はじめて わかった気がするわい。
*「あの子は きっと
神さまに えらばれたんじゃ。
*「本当の意味で 自然を愛し
自然と生きる。そういう
新しい世代の 人間としてね。
アイラ「神さまに えらばれた……か。
ホントにそうかも しれないわね。
*「おお アルスさんたち。
もう 旅立ちですか。
*「それでは どうぞ お気をつけて。
いい旅を お祈りしていますよ。
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