前(英雄探索) | トップ | 次(現代ハーメリア) |
メルビン「なるほど……
ここが アルスどのたちの
村でござるか。
メルビン「気持ちの落ちつく
のどかな ふんいきの
ところでござるな。
マーレ「おや お帰り アルス
そちらの方は どうしたんだい。
まさか お前 なにかしたんじゃ?
メルビン「アルスどのの
母上でござるか? わしは
メルビンと もうす者でござる。
メルビン「アルスどのたちに
助けていただいた縁で ともに
旅を することになったでござる。
マーレ「そうでしたか。
こんな りっぱな方が アルスの
仲間になってくださるなんて……
マーレ「お前の旅も いよいよ
本格的に なってきたね。
マーレ「メルビンさん アルスは
ぼんやりしたところもある子ですが
よろしく お願いしますね。
メルビン「アルスの母上は
とても 気持ちの
あたたかそうな方で ござるな。
*「あら アルス。
おしかったわね ついさっき
船が 出たところよ。
*「あと少し 早かったら
父さんたちに 会えたのにね。
メルビン「アルスどのの父上は
ご不在でござったか…。
メルビン「ぜひ一度 お会いしたいと
思っていたのに 残念でござる。
*「そこの ご老人 おうえんしますぞ!
じじい代表として
がんばってきてくだされ!
メルビン「む! あのご老人…
わしを じいさん呼ばわりするとは
失礼でござる!
メルビン「どう見ても あのご老人より
わしのほうが 1つか2つは
若いはずでござる!
メルビン「あの女性が
マリベルの母上でござるか。
ずいぶんと 美しい方でござる。
メルビン「それにしても
マリベルどのは 少し ご両親に
心配をかけすぎのようでござるな。
メルビン「りっぱな
お父上でござるな。
メルビン「マリベルどのは
きっと あの方に 大切に
育てられたのでござろうな。
*「ホンダラのヤツは
ほんに アホな男じゃのう。
*「せっかく 大金を 手に入れたなら
もっと マシな使い道が
いくらでもあると いうのに……
*「遊んで 使ってしまうとはのう。
*「そういえば 最近
ホンダラさんを 見てないなあ。
*「なにか 変なことでも
たくらんでなきゃいいんだけど…。
*「よし 今度こそ決めたぞ!
今後 ホンダラさんには
ツケで 飲ませないことにする!
*「でも ホンダラさんに会うと
この決心が にぶるんだよなあ。
*「最近 ホンダラさんが
お店にきても 前みたいに
私を くどかなくなったの。
*「べつに くどいてほしいって
期待してるわけじゃないから
かんちがい しないでよね。
*「ホンダラのヤツ 早くも
金を 使いきってしまったようじゃ。
*「最近 カジノに どっぷりと
ハマっておったようじゃからのう。
ほんに しょうのないヤツじゃ。
*「わしの見立てじゃ そろそろ
また けしからぬことを
はじめそうな 気がするのう。
メルビン「ホンダラ…とは
アルスどのの
おじのことでござるな。
メルビン「わしも 昔 カジノに
はまった人間ゆえ ホンダラどのの
気持ちは よく わかるでござる。
マリベル「あんたのおじさんって
あったま 悪いんじゃないの!?
マリベル「せっかく お金を
手に入れても カジノくらいしか
使い道がないわけ!?
ガボ「ホンダラのオッチャン
もう お金 つかっちゃったのか。
ガボ「これじゃあ もう
メシは おごって
もらえそうにないなあ。
*「うえ〜ん! ホンダラさんに
キャンディ とられちゃった!
え〜ん え〜ん!
メルビン「あのように
小さい子どもを泣かせるとは…。
*「ホンダラさんが
お金を 払ってくれたのは
うれしいんだけど……
*「素直に 受け取っていいのかしら。
また だれかを だまして
手に入れたお金なんじゃないかしら。
*「あっ ごめんなさい アルス。
あなたの おじさまだったわね。
メルビン「なんと! ホンダラどのは
いつも 人をだまして お金を
手に入れているのでござるか?
メルビン「信じられないでござる…
きっと なにかの
まちがいでござるよな。
ホンダラ「くそー! 金って
なんで こんなに早く
なくなっちまうモンなんだ?
ホンダラ「早いとこ 次の
金もうけの方法を 考えなくちゃな。
う〜ん どうしようか…。
ホンダラ「おお アルス!
…ありゃ?
そのジイさんは 新顔だな?
メルビン「メルビンと申す。
このたび アルスどのと ともに
旅を することになった者でござる。
ホンダラ「へえー そうかい。
オレは アルスのおじの
ホンダラってんだ。よろしくな。
ホンダラ「しかし こう言っちゃなんだが
えらく 時代遅れな感じの
ジイさんだけど 大丈夫なのかい?
マリベル「なによ あんた 失礼ね!
メルビンはね あたしたちが
復活させた 伝説の英雄なのよ!!
ホンダラ「はあ?
お前さん そんなこと
本気で 言ってんのかい?
ホンダラ「あっはっは!
そんなウソ オレでも
簡単に 見ぬけるぜ!
ホンダラ「悪いが 作り話は
ほかで やってくんな!
オレは ヒマじゃねえんでな!
メルビン「なんだか ふしぎな感じが
するでござる。ホンダラどのとは
初めて会ったはずなのに……
メルビン「あの方の ハダのぬくもりを
知っているような……
そんな 感じがしたでござる。
ガボ「なんだよー! なんで
ホンダラのオッチャンは
信じてくれないんだ?
ガボ「オイラたち
ウソなんて ついてないぞ!
マリベル「あんたのおじさんって
ホントに 見る目ないのね!
マリベル「あんなんで よく
サギ師まがいのこと
やってられるわよね!!
ホンダラ「あん? なんだ アルスか。
オレは 今 考えごとをしてんだ。
悪いが 出てってくれるか?
ホンダラ「はあ… どっかに
めずらしいモンでも
転がってねえかな。
ホンダラ「どんなガラクタだって
めずらしけりゃ オレさまの話術で
宝物に したてあげるのによ。
メルビン「ホンダラどのは
いつも ああいった生活を
しているのでござるか?
メルビン「アルスどのの おじとは
思えぬ生活ぶりでござる。
ガボ「ホンダラのオッチャン
今度は 何ひろってくっかな。
オイラ ちょっと 楽しみだぞ!
マリベル「あんたのおじさん
また よからぬことを
考えようとしてるみたいね!
マリベル「つぎの バカな ぎせい者は
いったい だれなのかしら。
老人「フムフム……。
おう! これは すごいのう!
老人「なんじゃ アルス。
いつから おったんじゃ。
…ん? そちらは新しいお仲間か?
メルビン「メルビンと申す。
このたび アルスどのたちと
旅することになった者でござる。
老人「んん? …メルビンとな?
はて… どこかで聞いたような
名前じゃわい。
老人「そうか! はるか昔
神と ともに 魔王と戦った
英雄の名と 同じなんじゃ!
マリベル「この メルビンが
その英雄なのよ! あたしたちが
封印から といてあげたってワケ!
老人「なんと! それは まことか!?
しかしなんで そんなお方が
封印なんぞ されておったんじゃ?
メルビンは くわしく 事情を話した。
老人「そうか… 神がのう…
はるか昔の 決戦で
そんなことになっておったとは……
老人「ということは 神の敗北が
この世界の島が消えた原因の
ひとつなのかもしれんな。
老人「アルス… お前さんたちの旅は
まだまだ 続きそうじゃ。
老人「伝説の英雄 メルビンどのは
お前さんたちの 大きな助けと
なるじゃろう。
老人「だが 油断するでないぞ!
みなで チカラを合わせて
これからも 旅を続けるのじゃ!
ガボ「もの知りのじいちゃんって
ホントになんでも
知ってんだなあ……
ガボ「あっ そうか!
だから もの知りのじいちゃんって
言われてるんだ!
マリベル「ふ〜ん… やっぱり
あのじいさんって
けっこう スゴイのね!
マリベル「この島に メルビンの名前を
知ってる人がいるなんて
思いもしなかったわ!
メルビン「先ほどの ご老人は
かなりの人物のようでござるな。
メルビン「しかし そんなご老人が
なぜ こんな所に ひとりで
暮らしておられるのでござろうか。
メルビン「ここが
グランエスタード城でござるか。
メルビン「ずいぶんと
りっぱな お城でござるな。
*「グランエスタード城に ようこそ!
メルビン「この城の兵士は
みんな いきいきと
しているようでござるな。
メルビン「これは その城の王が
りっぱな方であるという
証拠でござるよ。
兵士長「おお アルスどの。
兵士長「む? どうやら 新しい
旅の仲間が ふえたようですな。
兵士長「アルスどのたちの旅は
世界のための 重要なもの。
同志は 多いほど心強いでしょう。
*「うわさで 聞いたんだけど
ホンダラさんが 大金を
手に入れたんだって?
*「ホンダラさんは 本当に
すごい人なんだなあ!
一生 ついて行っちゃおうかなあ。
メルビン「ホンダラどのを
したっている若者も
いるのでござるな。
*「この先は 玉座の間にございます。
*「おお アルスさんでしたか。
ならば どうぞ
ここは お通りください。
バーンズ王「よくぞ 戻った!
む? 見たことのない顔が
あるようだが……
メルビン「お初に お目にかかる。
わしは メルビンと申す。
メルビン「このたび アルスどのたちに
封印をとかれ ともに旅を
することと なったでござる。
バーンズ王「なんと!
封印を されておったというのか?
バーンズ王「ふつうの人間が
封印されるなど ただ事ではない!
いったい そなたは 何者なのだ?
メルビンは 王さまに 事情を話した。
バーンズ王「なんと いうことだ…
そなたの話が 本当なら
もう 神は おらぬということか?
バーンズ王「そして 旅の最終目的は
魔王を 倒すことにあると。
バーンズ王「アルス!
バーンズ王「神が残してくれたチカラ
メルビンを 得たとはいえ
旅が 危険なものには変わりない。
バーンズ王「そなたたちの 背負った
重大な使命のため… みなで
チカラを合わせて がんばるのだぞ!
メルビン「バーンズ王… やさしさと
強さを 持ち合わせたお方と
お見受けしたでござる。
*「むむっ そなた 何者だ?
*「強いチカラを
持っておられるようだが……
*「アルスどのたちの
新しい お仲間なのか?
それは 心強い味方を得られたな。
*「これは アルスさん。
リーサ姫が 少しですが
元気になられました。
*「どうぞ リーサ姫に
旅の話でも 聞かせて
さしあげてください。
リーサ姫「あっ アルス…。
リーサ姫「そちらの方は……
新しく旅に 同行なさる方…
なのかしら……
メルビン「お初に お目にかかる。
メルビン「このたび アルスどのと
ともに 旅をすることになった
メルビンと もうす者でござる。
リーサ姫「そう… そうなの……。
リーサ姫「………………。
メルビン「むむっ!
今の姫の態度… わしは
深く 傷ついたでござる!
メルビン「なにか わしが
失礼なことでも
したというのでござろうか?
リーサ姫「アルス……。
リーサ姫「アルスたちに とっては
同行者は多いほうが いいのよね。
リーサ姫「わかっては いるけど
今は すなおに 喜べないの…
ごめんなさい……。
リーサ姫「だって… アルスたちが
いつか お兄さまのことを
忘れちゃうんじゃないかって…。
リーサ姫「新しい仲間が ふえたら
お兄さまのことなんて どうでも
よくなっちゃうんじゃないかって。
リーサ姫「……ごめんなさい。
こんなときに 子供じみたことを
言ってしまって……。
リーサ姫「私 どうかしてるの…
ごめんなさいね アルス…
メルビン…。
メルビン「そうであったか。
姫のお気持ち…
よく わかるでござるよ。
メルビン「でも アルスどのは
姫の兄上のこと… けっして
忘れたりは しないでござろう?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
メルビン「さすが アルスどの。 メルビン「リーサ姫も |
いいえ |
メルビン「アルスどの! |
*「おお そこのお若いの。
よければ わしが占ってやるが
どうじゃ?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「では 占ってしんぜよう。 *「てろぱー! ほぺがー! *「おおっ 見えた! *「むむむむっ これは……! *「救っても 救っても 救えない… *「はりゃー! *「まあ 当たるも ハッケ |
いいえ |
*「そうか 占いなど いらんか。 |
*「ここは 森の中の村
ウッドパルナ。
どうぞ ゆっくりしていってね。
メルビン「ふむ この村は
ウッドパルナというでござるな。
メルビン「おお! なんと
ここが アルスどのが 最初に
封印から 救った地でござったか!
*「この家のすぐ外 村のまんなかに
高い見晴らし台が あるのを
ごらんに なりましたか?
*「使われなくなった 呼び名ですが
あの見晴らし台には ご先祖さまの
名前が つけられていたのです。
*「見晴らし台の名前は ハンクの塔。
かつて この村を救ったという
偉大な ご先祖さまの名なのです。
メルビン「アルスどの。
その 外の見晴らし台とやら
わしは 見たでござるよ。
メルビン「たしかに
立派な見晴らし台でござったな!
*「あら あなたたちも 旅のかたね。
ようこそ エンゴウの村へ。
*「温泉に はいりたいなら
村の まんなかにある 井戸の下よ。
メルビン「むっ 温泉でござるか。
どのような効能があるか
気になるで ござるよ。
*「おや あんたらは 旅の人だね。
もう 温泉には はいったかい?
まだなら ぜひ いってごらん。
*「あの温泉の ききめは すごいよ。
おハダは スベスベ
カラダの悪いところも バッチリさ。
メルビン「温泉といえば 混浴!
もちろん ここも そうで
ござろうな アルスどの!?
*「ほう…… この井戸の下に
なんにでも きくという
まぼろしの 温泉が……
*「ここならば わたしの
かれかけた声も なおるかも
しれない…… よしっ。
メルビン「なんと なんにでも
きくので ござるか?
わしも 入りたいでござる……。
*「いらっしゃい!
できたばかりで ちいさいところ
だけど ゆっくりしてってよ。
メルビン「アルスどの
どうでござるか ここで
ひと息 入れていっては。
メルビン「むむっ この温泉は
混浴のようで ござるな。
*「えー ここって 混浴だったのー。
どうしよう ここで きがえるの
はずかしいなあ……。
*「でも 温泉 はいりたいなあ。
ここは 思いきって……
*「でもなあ…… はずかしいよう。
メルビン「なんなら わしが
ぬぐのを 手つだって……あわわ
な なんでもないで ござるよ!
*「はあ……。
混浴だって 聞いたから
ちょっと キタイしてたのに。
*「まあ 温泉は 気もちいいし
それだけでも この村に来たかいは
あったけどね。
メルビン「うむ 裸と裸のつきあいと
いうのも 悪くはないでござるよ。
わっはっはは。
*「ほっほっほ。
これで わしのおハダも
ピチピチのスベスベに なるかのう。
メルビン「わ わしは もう少し
若いおなごの肌が……あわわわ
なんでもないで ござるよ!
*「くうー きくーっ!
ふろあがりの やわらかくなった
カラダに マッサージは きくのー!
メルビン「マッサージで ござるか。
わしも ひとつ たのみたい
ものでござるよ。
パミラ「おや また あんたたちか。
うらないを してほしいのかい?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
パミラ「ふむ…… パミラ「おや… これは おどろいた。 パミラ「しかし あんたからは パミラ「どうやら そのチカラが パミラ「ふう…… パミラ「さて 見料を いただこうかね。 アルスは しぶしぶ パミラ「まいど あり! |
いいえ |
パミラ「じゃあ 薬かい? パミラ「初代のパミラさまなら |
メルビン「ほう このご老人の占い
なかなかの うでまえのようで
ござるな。
アルス以外が先頭の場合 占いの下りは省略
パミラ「ふむっ!
こ これは なんとしたことじゃ!
パミラ「お前さんたちの ゆく先には
巨大な邪悪なるものの影が見える!
パミラ「いったい お前さんたちは
どこから来て どこに行こうと
しておるのか……。
パミラ「こればっかりは
わしのチカラをしても
見えぬようじゃな。ふむ……。
メルビン「たとえ相手が 巨大な邪悪で
あったとしても わしらは負けぬで
ござるよ アルスどの!
*「温泉を つくったものの
お客のいりは 今ひとつですわね。
*「やはり こんな北の地まで
足を はこんでもらうには
温泉だけじゃ よわいんですわ。
*「もっと 目玉を用意しないと。
あの火山を なんとか 見せ物に
できないものかしらね。
メルビン「火山など あまり普通の者が
立ち入る場所ではござらんぞ。
村長「おお 旅のおかたですな。
いや よく いらっしゃいました。
どうですか この村は?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
村長「おお! 気にいって 村長「つぎの旅先では ぜひ 村長「たくさんのかたに この村を |
いいえ |
村長「おや お気にめして 村長「うーむ やはり もうすこし 村長「あとは もっと 旅人むけの |
メルビン「失礼ながら この村は
観光地とするには いささか
ムリがあると 思うでござるよ。
*「あんたらは しらねえかも
しれねえが この村には
ほむら祭りって 祭りが あってな。
*「なんでも 炎の山にすむ
炎の神に ささげる それはもう
盛大な祭り なんだってよ。
*「だが オレが すみついてから
もう なん年も たつのに
祭りなんか ありゃしねえのよ。
メルビン「わしは 祭りには
目がないので ござるがな。
メルビン「ここを 登るのでござるか。
わしには 少しばかり ツライで
ござるよ。
*「オレは 修行中の旅の戦士だ。
あんたたちも ここの魔物あいてに
修行中かい?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「そうか…… この平和な世の中だ。 *「それに ここには いろんな |
いいえ |
*「そうか…… この山には *「へんな たたりに あわないうちに |
メルビン「むう この火の山の中で
暮らす魔物が いるでござるか。
メルビン「おお! これは なかなか
りっぱな町では ござらぬか!
*「感謝祭のときには 町のみんなが
動物たちの ぬいぐるみを
着るざますが……
*「わたしに似合う かわいらしい
ぬいぐるみなんて
どこにも ないざますわね!
メルビン「う〜ん。
わしも 人当てクイズとやらに
参加したかったで ござるなあ。
*「ゴゴゴ ゴヒーン……。
メルビン「さすがは 動物たちに
感謝する町で ござるな……。
*「もぐもぐ……。
*「ペッ! ペッ!
うひゃあ まずい!
*「ウマや ウシたちって
よく こんなものを
食べられるなあ。
メルビン「ここは ガボにとって
思い出の場所で ござるよな。
メルビン「ふ〜む……。
いまだ この洞窟では
呪文が使えないようで ござるな。
ガボ「アルス。
オラ はらへって来たぞ……。
マリベル「魔物さえ いなければ
ここも 少しはマシなのにね。
マリベル「は…はあ はあ。
もう少し ゆっくり歩いても
ばち当たらないんじゃない!
*「せっせ せっせ!
*「やあっ みなさん!
わざわざ こんな山の上まで
私に会いに 来てくれたんですね!
*「こうして毎日 自分のねどこを
きれいに 磨いておくと
夜ぐっすりと 寝られるんです。
*「自分がこんなに きれい好きだとは
思いませんでしたよ。
えへへへ。
ガボ「あう〜。
オラ 本当にこいつと戦ったのか?
まるで 弱そうだぞ!
マリベル「おっどろきだわね!
きれい好きの 魔物なんて
初めて 見たわよ!
メルビン「わっはっは!
きれい好きの 魔物とは
まったく おそれいったでござる。
*「ズルイぜ。なんで ご主人さまの
旅行の おともに命じられたのが
お前らなんだよぅ。
*「オレっちなんか まだ いちども
ご一緒したことが ないのによ。
*「ここだけの話だがな
なんと ブルジオさまには
奥方がいらしたんだ。
*「けど もう とっくの昔に
別れてしまったがね。
*「ブルジオさまの奥方かい?
そりゃあ もう すっげー
べっぴんさんでしたよ。
*「その奥方も ずっと昔に
屋敷を出ていって その後の
ゆくえは とんと聞かないなあ。
マリベル「そっか ブルジオさんて
奥さんと別居中なんだ。
マリベル「おおかた 奥さんが
だんなに あいそをつかして
出ていったのよ きっと。
メルビン「ブルジオどのの新婚生活は
あまり 円満ではなかった
ということでござるな。
メルビン「さすが 世界一の大金持ち。
じつに シュミのいい屋敷でござる。
メルビン「ブルジオどのは
そんじょそこらの 成金とは
格が ちがうでござるな。
マリベル「一緒に 旅をしていたとき
ブルジオさんは 思ったよりも
わがままを 言わなかったよね。
マリベル「あの人なりに こっちに
気を使ったってことかな。
*「ご主人は 娘っこには休みを
あたえるくせに オラには
まったく休みを くれないだよ。
*「これって どう考えても
男女サベツってやつだべ。
メルビン「ふむ ブルジオどのは
男子には きびしく 女子には
やさしいのでござるな。
*「ひとり旅から 戻ってきたとき
ご主人は ひとつも荷物を
持っていなかったんだ。
*「買いもの好きの ご主人が
手ぶらで帰ってくるなんて
サイフでも 忘れたのかな?
*「こんな静かなとこで 船ばっか
いじってる 毎日ってのも
なんだか味気ねえよなあ。
*「たまには 街に くりだして
気の合う あらくれどもと
酒を飲みかわしたいモンだぜ。
*「あんなに大切にしていた
ホットストーンを ご主人は
手ばなしてしまったんです。
*「どういう理由かは 知りませんが
たぶん また いつものように
あきてしまったのでしょうね。
*「いま ブルジオさまが
何を考えているのかなんて
聞かなくても わかります。
*「きっと また宝物をさがすたびに
出たがっているんですよ。
ホントに こまった お方だ。
マリベル「主人の わがままに
ふりまわされる 使用人たちも
ホント お気の毒よね。
ブルジオ「ひさしいな お前たち。
あいかわらず 冒険の旅を
続けているようだな。
ブルジオ「わしも そろそろ
ホットストーンに かわる宝を
探そうと 思っとるのだが……。
ブルジオ「はたして この世に
ホットストーン以上の宝が
存在するのだろうか?
ブルジオ「それを考えると
どうも いまひとつ
旅に出る気が せんのだよ。
ガボ「ブルジオのオッチャンにしても
マリベルにしても 金持ちって
みーんな 変なヤツばっかだな。
マリベル「失礼ねっ!
あたしを ブルジオさんと
一緒にしないでよ。
メルビン「わしが復活できたのも
ブルジオどのの お心の
広さゆえでござるな。
メルビン「もちろん アルスどのの
活躍なくして わしの復活は
ありえなかったでござるよ。
*「やっぱりボクも フロに入って
せいけつに したほうが
いいと思うかい?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「ちぇっ! フロに入ったほうが |
いいえ |
*「そう言われると なんだか *「でも フロに入らなくたって |
マリベル「アルスは ちゃんと
毎日 おフロに入ってる?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
マリベル「そう よかったわ。 |
いいえ |
マリベル「うわっ! はなれてよ。 |
*「こまったものね。
坊っちゃんったら ぜんぜん
おフロに 入ろうとしないの。
*「ご主人さまは ホントに坊ちゃんに
ガツンと 注意なさったのかしら?
*「ブオン ブオン!
メルビン「むむ!
こやつは いったいどうやって
動いているので ござろうか!
*「うちは代々 兵士の家系なの。
でも いまは女の子ひとりしか
子供が いないでしょ。
*「もうひとり
あの子に 弟が欲しいんだけど……。
*「お城づとめの 主人が
いそがしいから なかなかね。
*「あら わたしったら!
何を 言っているのかしら。
いや〜ん!
メルビン「うは。
わ わしには 何のことだか
さっぱりで ござるよ。
アルマン「おおっこれは みなさん。
また こんな遠くまで
よく来てくださったのう。
アルマン「そのせつには 本当に
お世話になりましたな。
アルマン「このアルマン
みなさんのことは
一生 忘れませんぞ!
メルビン「この平和。
じつは アルマンどのの
おかげなのかも しれんでござるな。
*「あ! おにいちゃんたち!
また遊びに来てくれたのね!
*「おじいちゃんから 聞いたよ。
おにいちゃんたちが うちの
ご先祖さまを 助けてくれたって!
*「えへへ。
よく わからないんだけど
ありがとうね!
メルビン「う〜む。
世が世なら わしにも
あのくらいの 孫が……。
*「わたしは この国の城
フォロッド城で
兵士をつとめています。
*「休みのときは こうして必ず
フォーリッシュの町に
遊びにくるんですよ。
*「この辺は本当に のどかで
いいところでしょう。
わたしも 大好きなんですよ!
メルビン「ほほう
ここで からくり兵と
戦ったので ござるな。
*「これは うわさなんですがね
どうも からくり人間を作るのに
行き詰まっているらしいんですよ。
*「あ〜あ……。わたしは
ぴちぴちの からくりギャルを
楽しみにしていたんですがねえ。
メルビン「いや まったく
からくりでも ピチピチなら……
うっ! ゴホゴホ!!
*「あのね ぼくね。
そこのお水に 落っこちちゃったの!
*「だから ズボンが
びしょびしょなんだよ。
ほんとだよ!
*「ち…ちがうもん!
おねしょじゃ ないもん!
メルビン「いやはや なんとも。
ベットの上のフトンは
大丈夫で ござろうかな?
フトンが ぬれている!
*「むうっ やっぱりだめじゃ。
いったい何が 悪いというのか!
メルビン「こ…こんなことで
からくり人間の 研究は
大丈夫なので ござろうか!?
*「これは旅人とは めずらしい。
*「ささ かまわぬぞ。
中でゆっくり 休んで
行くがよかろう。
メルビン「ふ〜む。
なかなか 好感のもてる
兵隊さんで ござるな。
フォロッド王「おおっ そなたたちか。
いつぞやは 世話になったな。
フォロッド王「心のこりがないと言えば
うそになるが… エリーのことは
きっとあれで よかったのであろう。
フォロッド「今は きっぱりとあきらめ
未来は みずからの手で
つかむことにしよう。
フォロッド王「からくり人間が
完成しさえすれば 夢はかなう
明るい未来が おとずれるぞ!
フォロッド王「そなたたちも
楽しみにしているがよい。
はっはっは!
メルビン「ふむ。お若いわりには
なかなか 頼りがいのある
王さまのようで ござるな。
大臣「あれ以来 禁断の地には
足を踏み入れた者はいない。
大臣「ゼボットと エリーの二人も
あれからは きっと静かに
暮らしているに ちがいなかろう。
大臣「それもこれも
国王陛下の あたたかい
思いやりがあってこそであるな。
メルビン「なるほど。
王のおふれは ちゃんと
守られているので ござるな。
*「いま 国王がすすめている
からくり人間の計画は 世界中の
人々のために考えられたものです。
*「からくりも 使いようによっては
きっと人々に しあわせを
もたらしてくれる はずですからね。
メルビン「からくりに 限らず
たとえ どんなものでも
使う人間によるので ござるな。
エリーが ゼボットのそばに
まるで寄りそうようにして 倒れている。
どうやら もう 動かないようだ……。
しかし その表情は やすらかで
やさしく ほほ笑んでいるように見える。
メルビン「いまごろ エリーは
ゼボットの もとに行き
楽しくやっているので ござろう。
メルビン「この建物……もしや……。
いや まさか……。
メルビン「いやいや アルスどの。
何でもないで ござるよ。
*「永き時を 私は 待ちつづけている。
かつて この地を 照らした光が
今は なくとも…。
*「この世に 永遠は ない。
やがては 私の役目も
終わるときが 来るはず。
*「どこかに眠る 神の遺産……
浮遊すると伝えられる 神の石が
その時を 知らせてくれるだろう。
メルビン「アルスどの。
神の遺産と 思わしき物を
なんとか 探し出すでござる。
メルビン「さすれば あの兵士も……。
”神は その姿が ほろびようとも
そのチカラは 永遠の時を
伝えられる。
”神は われら 民の復活への奇跡を
この世に 遺産として 残された。
”われら 神の兵は そのひとつを
永遠に 守りつづける民。
”かならずや 神の石を もって
復活への案内人と ならん。
メルビン「神の石を 持っていれば
奇跡が起きるでござるか?
メルビン「廃虚というのは どこも
うらぶれて ものさびしい感じが
ただよってるものでござるよ。
メルビン「よい ながめでござるな。
これほど 大きなハーブ園を
見るのは 初めてでござるよ。
*「メイドを追いかける ご主人が
さいきんになって たいへんな
人気を呼んでいましてね。
*「おいかけっこを見たさに
ハーブ園にやってくる人が
いるくらいなんですよ。
メルビン「ゆるせんでござる!
ご婦人が おそわれているのを
だまって 見ているだけとは……。
*「ノンノン!
今は ティータァイム。
*「ギャラリーには悪いけどぉ
ぼくが メイドを追いかけるのは
ハーブの香りを 楽しんだあとさ。
メルビン「ご婦人たちの しりを
追いかけることしか 頭にないとは
とんだ 色ボケでござるな。
アルスは 墓石を調べた。
しかし 文字のほとんどが かけていて
名前しか 読むことができなかった。
ペペ という人の墓らしい……。
メルビン「知人の お墓まいりとは
アルスどのは やさしい心の
もちぬしでござるな。
メルビン「うーむ。
右を向いても 左を向いても
ご婦人ばっかりでござる。
メルビン「アルスどの。
わしは しばらく ここから
動きたくないでござる。
メルビン「ダーマ神殿の まわりには
この 小さな宿が いっけん
あるだけなのでござるか。
*「勝負にかけてる
男の人の横顔って ステキ……。
*「見てると なんだか
ジーンって 来ちゃうのよね。
メルビン「アルスどのっ。
ど どれでもいいから 早く
ゲームを 始めるでござるっ!
*「カジノって所は おもしろいな。
強気なヤツ 弱気なヤツ……
勝ったヤツ 負けたヤツ……。
*「いろんなヤツが いてよ。
まるで そいつの人生を 小さく
切りとって 見てるようじゃねえか。
メルビン「勝負ごとというものには
たしかに その人間の性格が
出るものでござるよな。
メルビン「ダーマ神殿は わしが
封印される前から この世に
存在していたでござるよ。
*「ぬわにぃ! 山賊のかしらを
やっつけちまっただと。
*「どうして オレに ひと声
かけてくれなかったんだよ!
かつやく したかったのに……。
メルビン「てがらを立てたいと
あせる 戦士の気持ちは
痛いほど わかるでござるよ。
エテポンゲ「ううっ ひどいのんね。
ウチが作った料理を みんなして
マズイって 文句を言いますのん。
エテポンゲ「ウチの 苦労も知らずに
みんな 好き勝手 言いたい放題。
ウチ もう怒ったでー!
エテポンゲ「腹いせに ナベのなかに
タンを 吐いてやりますのん。
エテポンゲ「かー ぺっ!
メルビン「あやつのツバが
料理の かくし味になってるとは
思いたくないでござるな。
*「オレの役目は おわった。
今後は ここで ほそぼそと
山賊を続けてくとするよ。
メルビン「アルスどの!
こやつを 生かしておいて
よいというのでござるか。
メルビン「たとえ 小者であろうと
悪を ねだやしにするのが
わしらの使命でござるよ。
メルビン「いかなる時も 砂漠のように
広い心で いたいもので ござる。
*「砂漠に わざわいをもたらし
空を 闇につつんだ
闇のルビー。
*「みなさまの おかげで
神の像からはずされた
あの宝石です。
*「闇のルビーは 2度と
わざわいをもたらさぬよう
今は かたく封印されています。
*「しかし いったい
どんなしくみなんだろう?
調べてみたいものです。
メルビン「アルスどの。
闇のルビーには くれぐれも
気をつけるでござる。
*「死して後も
女王のチカラは 城を守る……。
*「城の地下に 墓があるのは
砂漠にとって いいことだ。
メルビン「女王さまとは まこと
あっぱれな お方でござるな。
うむ うむ!
メルビン「おお ここが神殿でござるか。
どれ わしも おまいりを……。
メルビン「ひとびとの 明るい顔。
なによりの 歓迎でござるよ。
メルビン「なんとも 変わった家に
住む 御仁でござるなあ。
*「わしの していることが
気になるか……?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「フム……。 *「わしはな つりをしておる。 *「なーにも *「それでも わしは *「わしは おろかだと思うかね? |
いいえ |
*「フム……。 |
*「フム……。
そうじゃろう そうじゃろう。
メルビン「ふむ……。
深淵なる会話でござる。
ズシーンときたでござる。
ガボ「おっ! 直ってるぞ!
みんな がんばったんだなあ。
マリベル「カンペキに あのガレキから
作り直しちゃったわけ?
……ちょっと 感動だわ。
メルビン「これが 大地の精霊像で
ござるか。たいそう立派で
ござるなあ。
*「ありがたや ありがたや。
*「おや 旅の方も
おまいりに
いらっしゃったか。
*「この 大地の精霊さまは
砂漠の民と
旅人の 守り神。
*「無事を たーんと
おまいりしてゆきなされ。
ありがたや ありがたや。
*「この 大きな像は
砂漠を守る
大地の精霊さまの像なんだ。
*「かつて 大地の精霊さまが
砂漠のすみずみまでを
きびしく にらみつけていたから……。
*「砂漠には 魔物は すっかり
いなくなったのさ。
*「なーんだ。
すごい像があるからって聞いて
はるばる 来たのに……。
*「かんじんの顔が
こわれてるじゃないか。
*「わざわざ来て ソンしたよ。
ぶつぶつ……。
*「ようこそ 旅の方
大地の精霊の像へ。
*「礼拝所は 扉のむこうです。
どうぞ お入りなさい。
*「ようこそ 旅の方
大地の精霊の像へ。
*「おまいりに
いらしたのですね。
どうぞ中へ お入りなさい。
*「像の壁の 絵文字にも
ちゃんと意味があるんだ。
*「代々の女王さまや
王さまの名前。
砂漠の歴史……。
*「たくさんのことが
書いてあるんだぜ。
*「こちらは 礼拝所。
大地の精霊と
神とに 祈りをささげ……。
*「砂漠の平和を 祈る場所です。
*「ここは 砂漠を守る
大地の精霊の 体の中。
*「砂漠の平和を
祈る礼拝所です。
*「砂漠の民は
一生に一度 かならず
この像に おまいりにきます。
*「この像に おまいりに来るまでは
一人前とは
みとめられないのです。
*「この像には
砂漠の民の 正しい生き方が
示されております。
*「砂漠に 生まれし者
まずは強くあれ。
身も心も 強くあれ。
*「はるか昔から
この教えを守って
砂漠の民は 生きております。
*「この像は いっぺん
魔物におそわれて
ブッこわれた。
*「それから 何百年もかけて
砂漠の民が直したんだ。
何百年もかけてね。
*「この像には
砂漠の民の 正しい生き方が
示されておりますじゃ。
*「砂漠に 生まれし者
身をきたえ 心をきたえ
長く長く 生きよ。
*「長き生は
よき知恵をあたえる。
……わしは まだまだですじゃ。
*「精霊さま 神さま……。
*「今年も 一年
しあわせに 暮らせますように。
*「おお ありがたや
大地の精霊さま。
*「われら 砂漠の民を
わしの家族を
お守りくださいまし。
*「わたしは
神の教えを広めるため
世界中を 旅していますが……。
*「この砂漠の みなさんは
たいそう 信心ぶかい!
*「わたしの出る幕は
なさそうです。
*「旅の方
大地の精霊の像へ ようこそ。
*「この像は 大地の精霊さまの
お姿の ひとつといわれています。
*「大地の精霊さまは
さまざまな 姿をもち……。
*「この像は そのうちの
戦いの姿ということです。
*「もうしわけございませんが
この先へ
お通しすることは できません。
*「奥の扉の向こうは
わたくしも
ぞんじあげませんが……。
*「この像を再建した王が
けして 開くなと。
*「いずれ 時が来るまでは
けして開くなと
命じたそうです。
マリベル「……そう言われると
気になるのが 人情ってものよ。
マリベル「いつか ぜったいに
あの中に 入ってやるわ。
ガボ「時って 何時だろうな?
*「ぜえ……ぜえ……。
*「としよりや 子供は
ナイラをイカダで
のぼってこれるけど……。
*「砂漠の男は ナイラを
泳いでこなきゃならない。
*「まったく……ぜえ。
つかれた……ぜえ ぜえ。
*「この像には
砂漠の民の 正しい生き方が
示されて おる。
*「よく生きたもの
正しく生きたものが
死の床に つくとき……。
*「神の使いの鳥が
あらわれ
天の国へ みちびくだろう。
*「おまえさんたちも
天に はじない
生き方を するといい。
*「大地の精霊の像へ
ようこそ 旅の方。
*「お顔のそばへ
いらっしゃりたいのでしたら
中央の階段を おのぼりください。
*「よく じいさんから
聞かされたよ。
この像の話。
*「正しい魂は
天にめされた後
ふたたび よみがえる。
*「ヘビが 皮をぬぎすて
新しい姿になるように
生まれかわるのだ……ってね。
*「じいさん……まだ天国かなあ。
それとも
もう 生まれ変わったかな。
*「おまいりしようと
ここまで
あがってきたのはいいけど……。
*「た たかいところ
にがてなのよね。
わたし。
*「あーん 外に出るのが
こわいよう!
*「うーむ いいながめだ。
人や村が あんなに小さい。
*「おれも 大地の精霊に
なった気分だぜ!
アルスは
はりがみを 読んだ!
”見学はご自由に。
ただし さわるな!
柵のむこうには
魚の化石らしき
石のカタマリがある……。
学者「ふむ。
ナイラに住む この魚と
ヒレの形が……。
学者「む?
学者「ほう 旅人じゃな。
はるばる このわしに
会いに来たのか!
学者「しかたない!
ちぃーとだけ わしが
講義してやろう!
いいえを選んだ場合のみ | |
---|---|
いいえを選んだ場合のみ |
学者「なんじゃ つまらん……。 なら 用はないわい。 |
学者「ほほー!
やはり 気が変わったか!
学者「わしの あふれる知識を
ちぃーとばかり
分けてほしい!
学者「そうじゃろ?
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
学者「うむ! 学者「そこに 大きな化石が 学者「あれはな ついこの間 学者「化石 というのは 学者「石に かわってしまったものの 学者「化石を しらべれば 学者「まっこと 化石とは 学者「そこで わしは |
いいえ |
学者「なんじゃ つまらん……。 |
マリベル「なんか だれかを思い出す……。
ガボ「学者の じいちゃんって
おもしれえヤツが 多いなあー。
メルビン「砂漠の南に こんな洞くつが
あったとは なんとなく ただならぬ
気配を 感じるでござる。
メルビン「おお〜 寒いでござる。
ただならぬ 気配とは 滝の底から
上がってくる 冷気だったでござるよ。
メルビン「それにしても 客の出入りの
はげしい店でござるなあ。
目が 回りそうでござる。
メルビン「売り切れでござるか……。
まあ いいではござらんか。
メルビン「おお 買えたでござるか。
売り切れにならなくて
よかったでござるな〜。
*「ブルジオさまの本宅で
はたらいている人が 別荘に
あそびにきているの。
*「あの人の しょうかいで
私も本宅で はたらかせて
もらえないかしら?
*「料理は おいしいし
みんな 親切にしてくれるし
クレージュに来て よかった。
*「休みをくれた ブルジオさまに
かんしゃ かんしゃだわ。
メルビン「いやはや 使用人に
旅行を プレゼントするとは
ブルジオどのも 太っ腹でござるな。
*「世界樹のしずくを 売る店は
行列ができるほどの店なんです。
*「しかし ブルジオさまは
待ったり ならんだりするのが
何よりも キライな おかた。
*「そこで ブルジオさまは 店ごろ
買い取ろうと なさったのですが
結局 断られてしまいました。
マリベル「お金で 何でもかんでも
解決しようとするのは
ブルジオさんの悪いクセね。
*「つぎに じまんの料理を
ご主人に 食べてもらえるのは
いったい いつになるのだろう。
*「とにかく その日のために
料理のウデを あげておかねば!
*「この次 ブルジオさんが
別荘をおとずれるのは あたしが
おばあちゃんに なったころかしら。
メルビン「ここは リートルードと
言うんでござるか。なかなか
活気のある よい町でござるな。
*「ためしに かしこさ部門に
登録してみたのだが なかなか
ランキング入りを はたせない。
*「だが いちど 登録すると
これは やみつきになるな。
*「私も ランキング協会の術中に
はまってしまった ということか。
*「べつに この別荘に
ブルジオさまの宝物が
置いてあるわけじゃないんだ。
*「ホントいうと オレがここを
けいびする理由なんて
ないのかも しれないな……。
*「こうして のんびりできるのも
別荘の管理人という おいしい
仕事に ありつけたからですな。
*「ふふふ。いい気味 いい気味。
あのナマケ者が カゼをひいて
上で 寝込んでるのよ。
*「いつもいつも けびょうを使って
仕事をサボッた バツだわ。
*「ごほッ ごほッ! う〜。
まさか 本当にカゼをひいて
寝込むハメになるなんて。
*「仕事を サボりまくった
てんばつかな……。
*「うちには カッコイイ武器しか
置いてないよ。
*「いくら 強くたって カッコ悪い
武器なんて そうびする意味が
ないもんな。
メルビン「武器防具は カッコよさなど
二の次。大切なのは 実用的か
どうかでござるよ。
メルビン「天才バロック 最大にして
最高の作品でござるか。これは
なめてかかれんでござるな。
メルビン「天才といえども 生涯の
宝は 友人や家族でござったか。
メルビン「まあ 言葉にしてしまうと
安っぽくなってしまうでござるが
これこそ 真理でござるな。
メルビン「ここの橋は 陸と陸とを
つなぐ 交通の要所でござるな。
こういう所は さかえるでござる。
メルビン「ほほう。
ハーブの香りでござるな。
この香りは 落ち着くでござる。
メルビン「事情は 知らんでござるが
今の少年は じつに かがやいた
目を していたでござるな。
メルビン「ああいう少年ならば
きっと 立派な大人に
なるでござろう。
メルビン「この村のことは
よく知らんでござるが……
メルビン「きっと アルスどのは
ここでも 大活躍を
したのでござろうな。
*「また この村に きてくれたんだ。
いやあ うれしいねえ。
ゆっくりしていって おくれよ。
メルビン「さすが アルスどの。
救世主と 呼ばれるとは。
*「ふう……そろそろ
おっかけっこも あきてきたなあ。
もう そんなトシでも ないしね。
*「なにか あたらしい あそびを
見つけないとなー。
メルビン「わしは 子どものころには
もう 剣を振っていたでござるよ。
*「アルスさん?
アルスさんですよね。
また 会えるなんて!
*「あれから もう数年たちましたが
おかしなことは おこっていません。
だから 安心してくださいね。
メルビン「アルスどのの おかげで
この村も 平和のようでござるな。
メルビン「うむ。人の気配が
ないでござる。ここは 完全に
無人の町で ござるな。
メルビン「今まで見た中で もっとも
不運な町と 言えそうでござる。
*「あれから からくり兵が
おそってくることも なくなって
この町は 平和そのものさ。
メルビン「あんな無表情な からくりに
おそわれては さぞかし
恐ろしい目にあったで ござろうな。
*「おとうさんも おにいちゃんも
死んじゃったけど わたしは
だいじょうぶ。
*「だって わたしまで
死んじゃったら ふたりとも
悲しむものね。
メルビン「うむ まさに その通り!
生者は 死者の分まで 生きるのが
さだめで ござるよ。
*「町の守備を 固めるために
防壁の強化を 王に たのんで
いるのだが……。
*「金も かかるからな。
なかなか 受け入れて
もらえんのだ。
メルビン「守りが おろそかでは
戦えないで ござるからなあ。
*「からくり兵の 恐怖は
みんな まだ 忘れちゃいないよ。
*「でも ムダに 思い出しても
しかた ないからね。
あえて クチには しないのさ。
メルビン「もし からくり兵に
おそわれたら わしを呼ぶで
ござるよ!
*「この町も だいぶ
以前の静けさを とりもどして
きおったよ。
*「あれは きっと 悪い夢か
なにか じゃったんだな。
メルビン「いくら つらい過去でも
忘れては いかんでござる。
それを 経験として生かさねば。
からくりそうじきは
ひどく キズついている。
どうやら こわれているようだ。
メルビン「こわれているで ござるか。
わしには 絶対に なおせないで
ござるよ。
*「おぬしらは たしか……。
はい | いいえ | ||
---|---|---|---|
はい |
*「おおっ やはり あのときの *「おぬしたちの カツヤクは |
いいえ |
*「むっ そうか。 |
はいの場合
メルビン「よう兵で ござるか。
わしは あまり いい仕事では
ないと思うでござるよ。
メルビン「金で 戦いをするなど
わしの理念に 反するでござる。
*「ここんとこ ヒマでね。
ピリピリしてた あのころが
ちょっと なつかしいよ。
メルビン「いかんでござるな。
こういう時こそ おのれをみがく
チャンスで ござるのに。
*「おや あんたたちは
旅に出たんじゃ なかったのか。
*「まあ いいや。
あんたたちなら いつでも
大歓迎さ!
メルビン「アルスどのは
この国の人びとに したわれて
いるようで ござるなあ。
*「国民全員が ひとつになれば
国を たてなおすなど
造作も ないこと。
*「わが国は それが できると
わしは 思っている。
メルビン「国というのは 国民あっての
もので ござるからな。
*「ガー ガー。
メルビン「そうじを しているので
ござるか? あのからくりは。
なんとも 面妖な……。
*「ふうふう……
ベッドメイクも つかれるわ。
*「今度 ゼボットさんにあったら
絶対に からくりベッドメイカーを
たのんでおかなきゃ!
メルビン「わしは からくりのした
ベッドより 女子の手で
してくれた方に 寝たいでござる。
*「また なにか あると
いけないからって ひきつづき
よう兵として やとわれたよ。
*「見張りしてるだけで 金が
もらえるなんて 楽な仕事だぜ。
メルビン「むむむ 楽をして
金をもらおうという 根性が
すでに まちがっているでござる。
メルビン「アルスどのは まさか
そう思って おらんでござろうな!
*「見張りも いいかげん
あきたよなあ……。
*「戦いがないと ウデが
にぶっちまうよ。
メルビン「見張りも 戦士の重要な
仕事で ござるよ。
メルビン「神経をとぎすませ
くまなく あたりを見るのは
大変なはずで ござるが。
*「平和は いいのう。
なにもない日が いちばん
幸せじゃ。
メルビン「世のほとんどの者は
日々を平穏無事に すごすことを
望んでおるので ござるよ。
メルビン「ゼボットどのには 不幸で
あったが そこで逃げては
いかんで ござるよ。
トラッド「わたしは エリーを
守れなった だから その
つぐないのため 兵士長になった。
トラッド「この国すべてを守るために。
だが 結局 ゼボットの心は
救えなかった……。
トラッド「わたしは なにを
していたのだろう……。
メルビン「この者が この国の
兵士長で ござるのか?
とても そうは見えぬが……。
メルビン「わしは こういった
からくりは 苦手でござるよ。
マリベル「からくり兵は まだ
いるのかしらねー。
ガボ「オイラ ここキライだ。
なんか 油くさいからな。
メルビン「この地は かつて
アルスどのが ユバールと
旅した場所でござるな。
メルビン「気のせいか 神が 近くに
おわすような ふしぎな
なつかしさを 感じるでござる。
メルビン「この湖の底に 神の祭壇が
沈んでいるで ござるか…。
メルビン「しかし こちらの世界で
神を 復活させるのは
そもそも 無理というもの。
メルビン「かりに 復活されたとしても
再び 魔王の手にかかる
おそれが 大きいでござるよ。
メルビン「わしが 封印される前は
この建物は 寺院でござったよ。
メルビン「しかし それが今では
宿屋になっていようとは……。
メルビン「わしは ここが
寺院だったときのことしか
きおくに ないでござるよ。
*「ダーマ神殿は 魔物の手から
解放されたけど 結局
お客さん ふえないのよ。
*「やっぱり ここのカジノって
ミリョクないのかしら?
メルビン「わしにとっては
バニーちゃんが いるだけで
じゅうぶん ミリョク的でござるよ。
*「う〜む。
剣を使ってでの 戦いなら
負けはしないのだが……。
*「カジノでの勝負は なかなか
思うようにいかないな。
メルビン「まあ たしかに
本物の戦いのようには いかんが
そこが おもしろいんでござるよ。
*「こんな所で いつまでも
たむろってるヤツは あれだな。
*「転職しようと思って ここまで
来たのはいいが いざとなると
迷っちまってるんだろうな。
*「ま オレも 人のことは
言えないんだけどよ……。
メルビン「せっかく ここまで来たのに
転職しないとは なんとも
もったいないでござるな。
メルビン「おどろいたでござるよ。
まさか 幼女がダーマの大神官を
まかされているとは……。
メルビン「ダーマ神殿の地下に
このような施設が あったとは
聞いていないでござるよ。
メルビン「決闘場が できたのは
たぶん 魔王のしわざでござろう。
スイフー「オレは この町が好きだ。
なのに どこの誰だか知らねえが
よけいなコトを してくれたぜ。
スイフー「魔物どもが ここを
支配していたからこそ オレは
1番で いられたってのによ。
スイフー「けど もう終わりだ。
オレは この町とともに
ほろびるだろうよ。
メルビン「いい若いもんに ほろびと
運命を 共にするなどとは
言ってほしくないでござるよ。
メルビン「ほう ダーマの神官は
この村で 魔物に見張られながら
生活していたのでござるか。
メルビン「女王さまに 美しき女官。
……いい城でござるなあ〜。
メルビン「人々の かがやいた顔。
うむうむ すばらしいでござる。
メルビン「一人一人のチカラは
小さくとも 子から孫へと
受けついでいけば きっと……。
メルビン「いつかは 像も
元通りにできるでござろうよ。
メルビン「ほほう ここは 緑が
深くて 美しい土地でござるな。
メルビン「この村も アルスどのの
活躍で 解放されたのでござるな。
さすがでござる。
メルビン「ここが あの天才建築家
バロックが 生きている当時の
リートルードでござるか。
町長「あ〜っと……
橋を渡るのは ひさしブリッジ!
町長「……ププッ。
面白すぎて 腰が抜けそうじゃ。
メルビン「むむう さすが町長どの。
橋を渡るのは ひさしブリッジ……
見事な シャレでござる!
メルビン「ほほう。
これが あのバロックどのの
アトリエでござるか。
メルビン「なるほど。
見事なものでござるなあ……。
メルビン「ほほう にぎやかな
ところでござるな。
メルビン「ふむ ここは 橋をかける時
大工の方々が 寝起きしたところで
ござるのか。
メルビン「アルスどのは なんでも
ご存知でござるなあ。
ガボ「ここ つぶすとか 言ってたけど
いったい どうなったんだ?
エペ「おやじが 出て行っても
オレは この町で ポルタさんと
ハーブを作り続けていくだけだ。
エペ「しかし 意外だったよ。
母さんを不幸にした おやじにも
大切な人が いたってことがさ。
エペ「今の おやじは もう昔の
おやじとは ちがうんだな。
まあ……お幸せにってとこかな。
メルビン「もう 子どもではないし
イワンがいなくとも エペは
だいじょうぶでござるよ。
メルビン「この美しい大地を
海の魔神の手から 救えて
本当に よかったでござる。
マリベル「アボンも フズも やがては
消えちゃうなんて……せっかく
助けたのに ソンした気分だわ。
ガボ「ここが ぜんぶ 海に
沈んじまった時は オイラ
ホントに ビビったよ。
マリベル「ここも あいかわらず
ド田舎よね。よく こんな山奥で
人が暮らしていけるもんだわ。
マリベル「でも それも やがては
なくなっちゃうのか。 そう
考えると ちょっと さびしいわね。
ガボ「おう この村 なつかしいな。
村長のバアちゃんちで くった
山菜のにものが うまかったっけ。
メルビン「この村は われらの時代には
なくなっていたのでござったな。
メルビン「こういう時 時の流れの
はかなさを 感じるでござる。
*「ようこそ アボンの村へ。
おお よく見れば あなた方は
この村の恩人では ありませんか。
*「また 来てくださったんですね。
さあどうぞ かんげいしますよ。
*「あら 村の恩人さん。
また 来てくださったのかい。
*「あれ以来 ここいらは
平和そのものでね。これも
アンタたちの おかげだよ。
*「あの楽師のじいさん 名前は
ジャンと いうんだってな。
*「まあ よくきく ありふれた
名前だから ひょっとしたら
偽名かもしれんがな。
*「あっ おにいちゃんたち
また 来てくれたんだ。
*「ねえ 旅のおはなしを
きかせてよ。
*「もともと この村の村長は
わしの つれあいだったんじゃ。
*「それが死んで 村長のなり手が
なくなってのう。仕方なく
わしが 引き受けたんじゃよ。
*「でも まあ やってみると これが
意外に 性にあっとるみたいでな。
天職だったようじゃ。
*「あの楽師さんたちも こうして
あなたたちみたいに 村を
たずねてくれれば いいのにねえ。
*「もう1度 お会いして
ぜひ お礼を言わせてほしいわ。
*「ルルル〜 ラララ〜。
*「今でも ふと 気がつくと
あの楽師さんのメロディーを
口ずさんでるのよねえ。
*「楽師さん 今頃
どうしてるのかしら……?
*「このトンネル内は 魔物が
出現しますので どうぞ
気をつけてください。
メルビン「こんな所に いても
ラチもないでござる。
先を 急ぐでござるよ。
マリベル「さあ どこへ いくにしても
こんなトンネル さっさと
抜けちゃいましょうよ。
ガボ「オイラ ハラへっちまったよ。
こんなとこ はやく出て
メシに しようぜ。
ガボ「フワァ……オイラ 教会に来ると
なぜだか ねむくなるんだよなあ。
メルビン「ここは われらの時代にも
残っていたでござるな。
メルビン「きっと 代々の神父どのの
信仰心の たまものでござるよ。
マリベル「このフズの村も いまに
なくなっちゃうんだ……。
マリベル「あたしたちの フィッシュベルも
何百年後かには なくなったり
するのかな?
ガボ「この村も なつかしいな。
しんせんな サカナ料理が
うまかったっけ。
*「おお われらが恩人どの。
フズの村へようこそ。
*「かたづけのために 休んでた店も
営業を再開してるから よかったら
寄ってってくれよ。
*「ウチの店は いい品物
そろえてるからねえ。
ぜひ 見てってくださいよ。
*「しかし あの 老楽師さんも
いったい どういう人生を
おくってきたんだろうねえ。
*「あんな老人が ひとりで 魔物と
戦いながら 旅をしていくなんて
並みの覚悟じゃ できないもんな。
*「きっと フクザツな過去が
あるんだろうな。
*「よう ひさしぶり。
おかげさんで 漁も
再開できるようになったぜ。
*「この村名物の とれたての
サカナ料理でも くっていきなよ。
ガボ「わ〜い サカナ サカナ。
なあ アルス せっかく
来たんだから くっていこうぜ。
*「漁が 再開されるようになって
サカナが また いっぱい
とれるようになったんだよ。
*「これで当店じまんの しんせんな
サカナ料理を お客さんに
食べてもらえるってもんだ。
*「いらっしゃいませ。
なにか お飲みに なりますか?
*「プハァ〜!
ひと仕事おえたあとの 酒は
たまんないぜ。
*「漁から かえったばっかりでも
アミの手入れは 欠かさないぜ。
*「なんせ 船と アミとは
オレたち 海の男の 命だからな。
*「この間は 沈んだ都市の方まで
船で 行ってきたんだが……。
*「アンタがた 人魚でもあるまいに
よく あんな深いところまで
もぐっていけたもんだな。
*「やあ 大漁 大漁!
ひさしぶりにやった 漁は
大成功だったよ。
*「今は 次の漁に そなえて
船を せいびしてるところさ。
*「おお これは アルスさん。
よく 来てくださった。
*「おかげさまで 村も どうにか
もとに戻り 漁のほうも
再開できるようになりました。
*「アルスさんたちには
感謝のことばも ありませんよ。
どうぞ ゆっくりしていってください。
ガボ「そういや あの楽師のじっちゃん
今ごろ どこで 何してんのかな?
マリベル「どうして あんな大事件が
未来の世界では 忘れ去られそうに
なるかなあ?
マリベル「ここの人たちって きおく力
悪いんじゃないかしら?
メルビン「そういえば この時代では
もう あの山奥の塔に 入ることは
できんのでござるな。
*「ようこそ ハーメリアへ。
町の者みな アルスさんたちの
訪問を かんげいしますわ。
*「これは 魔物退治の 英雄どの。
あなたがたの おチカラに
なれるとは 光栄ですな。さて…
(教会)
*「楽師サマ……想いを 告げる前に
すがたを 消されてしまうなんて。
*「ああ わしの もえる恋心は
行き場を 失って
どうすればいいんじゃ〜!
マリベル「あの楽師さんも
そうそうに 立ち去って
正解だったみたいね。
メルビン「このわし以外に
そんな モテモテ老人が
いるのでござるか。
メルビン「むう!
これは 負けておれんでござるな。
*「やれやれ ようやく
商売できるようになりました。
*「海水で ダメになっちゃった
売り物もあって 大変でしたよ。
*「かわいそうだと 思うなら
なんか 買っていってくださいね。
*「へえ……ものすごく 強い魔物を
倒したっていうから
どんな ゴツい連中かと思ったら……。
*「こんな 子供と おじいさんだった
なんて ちょっと おどろいたわ。
*「でも あなたたちの おかげで
みんな 助かったのよね。
ありがとう。
*「いや〜 ここの酒場が
再開して よかった。一時は
どうなることかと 思ったよ。
*「海水で かなりの酒が
おじゃんに なってしまって
大ダメージでしたよ。
*「でも 本当なら 命が 危ない所
この程度の ひがいで
すんだのだから よしとしますか。
*「結局 あの楽師どのには お礼の
ひとことも 言えなかった……。
それだけが 心のこりです。
*「がんばって 手入れしたおかげで
花が 元気を とりもどしたの。
*「花の命って いがいと
強いものなのね。
*「楽師どのに 魔物の手先かと
うたがっていたことを
あやまりたかったのだがなあ……。
*「ええい このままでは わたしの
気がすまん……よし 代わりに
アンタたちに あやまっておこう!
*「うたがって 悪かった。
ゆるしてくれっ!
*「……なんて 言ってみたところで
やっぱり 本人に あやまらなきゃ
意味が ないよな。
*「そういえば 山奥の塔では
思いがけず 実家の アボン村の
人たちに 会えて よかったわ。
*「みんな かわらずに 元気そうで
安心したわよ。これが
不幸中の幸いって ヤツかしら?
*「海の魔神グラコスなんて オレは
てっきり 伝説の中だけの
存在かと 思っていたよ。
*「いや〜 人生 なにが 起こるか
わからんもんだなあ 実際。
*「古代文明の 遺産である
海底都市を じかに 見られたとは
じつに うらやましい!
*「わたしも いつか あの都市へ
行って 思うぞんぶん
調査してみたいものです。
*「おお これは アルスさん。
見てくだされ 今日も
ハーメリアは 平和そのもの。
*「これも あなたがたが グラコスを
倒してくれた おかげですな。
*「いにしえの都の宝 人魚の月。
そいつは 世界にふたつとない
まぼろしの秘宝ですよ。
*「そんな すごいものを
手に入れるなんて。
いやあ うらやましいなあ。
*「町の宝を みなさんに
差し上げてしまったので わたし
仕事が なくなってしまいました。
*「ああ どうすれば いいんだ。
前(英雄探索) | トップ | 次(現代ハーメリア) |